JP2693558B2 - 光変調素子 - Google Patents

光変調素子

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JP2693558B2 JP1058962A JP5896289A JP2693558B2 JP 2693558 B2 JP2693558 B2 JP 2693558B2 JP 1058962 A JP1058962 A JP 1058962A JP 5896289 A JP5896289 A JP 5896289A JP 2693558 B2 JP2693558 B2 JP 2693558B2
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三井石油化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明はスメクチックA相を示す液晶を用いた光変調
素子に関し、さらに詳しくはスメクチックA相を示す液
晶を示す液晶物質に、電界あるいは磁界を印加すること
によって光の透過量を調節する素子に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 これまで強誘電性液晶を用いた光変調素子について種
々の提案がされている。
このような光変調素子を駆動させる方法としては、偏
光方法が直交する二枚の偏光板の間に強誘電性液晶の薄
膜をおき、強誘電性液晶の複屈折性を利用して透過光の
変調を行なう方法が知られている(アブライドフィジッ
クスレターズ(Appl.Phys.Lett.)第36巻、899頁(198
0)参照)。強誘電性液晶はキラルスメクチックC相に
おいて層構造を有し、この層内では分子長軸がほぼ一定
の角度(チルト角という)θを形成するように配向して
いる。そして透過光が液晶中を進むに従って液晶物質の
長軸方向が徐々に向きを変えるヘリカル構造を形成して
いる(第1図)。
強誘電性液晶物質を2ミクロン程度の間隙を有する液
晶セル内に充填すると、この強誘電性液晶物質が基板の
影響を受けて基板に平行になるように配向するため、2
種類の配向方向だけが可能となる(第2図)。
このように配向した液晶物質に電界を印加すると、液
晶物質の自発分極と電界との相互作用によって分子長軸
が一方方向に配向した状態になる(第3a図)。さらに、
このように一方方向に配向した液晶物質に、逆方向に電
界を印加と、上記方向とは異る他の安定方向に配向した
状態になる(第3b図)。
このように配向した液晶物質と偏光板とを組合わせる
ことにより光変調素子を形成することができる。すなわ
ち液晶物質の分子配向方向と偏光板の偏光軸方向によっ
て形成される角度θがゼロであれば素子を透過する光量
は最小になり、θが45度で透過光量は最大になる。従っ
て分子配向方向と偏光方向とが適当な角度を形成するよ
うに偏光板を配置することによって、光の変調を行なう
ことができる。
強誘電性液晶の複屈折性を利用した光変調素子は、従
来の液晶素子に比べ、(1)消費電力が小さい、(2)
高速応答性を持つ、(3)メモリー状態を維持できる、
(4)急峻でかつ低いしきい値電圧を持つ等の長所を持
っているため、光変調素子、特に表示デバイスとして有
望視されている。
しかしながら、このような光変調素子は、現在のとこ
ろ、実用化されていないのが現状である。これは均一
な厚さの薄膜素子を作成するのが難しい、均一の一様
配向状態を再現よく制御するのが困難である。液晶物
質の配向状態が機械衝撃に弱い、階調表示が難しい等
の理由による。さらに、このような素子の長所とされて
いるメモリー性についても、分子と界面との相互作用だ
けで二つのメモリー状態を均等に実現するのは非常に難
しい。
また、光変調素子として、強誘電性液晶と二色性色素
とを混合し、色素の光吸収を利用して光変調を行なう、
いわゆるゲストホスト型の光変調素子が提案されている
(たとえば、“高速液晶技術”吉野勝美著、CMC出版発
行、1986、参照)。
この素子は、液晶物質が電界に応じて配向方向を変え
る際に、色素もそれに従って方向を変える(第4図)と
の作用を利用して光変調を行なう形式の素子であり、色
素の二色性を利用することにより1枚の偏光板で透過光
量を制御することができる。
しかしながら、この場合も基本的には複屈折による方
法と同様に、液晶物質の初期配向が良好であることが必
要である。従って、複屈折による方法と同様の配向制御
が難しい。さらに、色素を用いるので、充分なコントラ
ストを得るためには素子がある程度の厚さ(数ミクロ
ン)を有することが必要となる。このため基板表面の配
向力を利用した配向制御は益々困難になる。その他にも
この方法は、一般にキラルスメクチックC相で表示を行
なうため、複屈折による方法と同じように、液晶物質
を均一に、かつ再現よく配向させることが困難であり、
配向状態が機械衝撃によって破壊され易く、階調表
示が難しいなどの問題点を有している。
ところで、液晶な温度の変化にともなって、固体状態
・液晶状態・液体状態と相変化する。液晶相の中にも多
くの相状態が存在することは、成書に公知である(たと
えば、“液晶の最新技術”松本正一、角田市良共著、工
業調査会発行、1983、参照)。
そして、強誘電性液晶を光変調素子として使用する場
合には、例えば強誘電性液晶を二枚の対向する電極付き
透明基板の間に介在させ、互いに直交する二枚の偏光板
の間に配置し、温度を変化させ強誘電性液晶をキラルス
メクチックC相状態に保持うる。これに電界を印加する
ことにより、分子長軸の配向方向が変化して光変調を行
なうことができる。
このようにして強誘電性液晶を光変調素子として用い
る場合には、初期の段階で強誘電性液晶を良好な配向状
態にすることが必要である。すなわち、液晶物質の初期
配向状態をいかに良好にするかが特徴の優れた光変調素
子を得るための主要な要素になっている。強誘電性液晶
の初期配向を行なう方法としては、温度勾配法および表
面処理法などが知られている(たとえば“高速液晶技
術”吉野勝美著、CMC出版発行、1986、参照)。
ここで温度勾配法とは、液晶物質の周囲の温度を徐々
に下げ、スペーサエッジから液晶物質をエピタキシャル
成長させる方法である。
また、表面配向法は、基板表面または基板上に塗布、
蒸着などの方法で付着させた配向制御膜を利用して液晶
分子の配向方向を規制する方法である。
このように液晶物質を配向させるためには、液晶組成
物を一旦高温に加熱して液体状態としてから降温すると
の経路を採ることが多い。
このように液体状態から降温により液晶物質を配向さ
せると、種々の液晶相のうちキラルスメクチックC相が
液体状態からすぐに出現することもあるが、多くの場
合、他の液晶相を経由した後、キラルスメクチックC層
が出現する。
具体的には、高温側から低温側へ向かって 液体状態→キラルネマチック相→ スメクチックA相→キラルメクチックC相 液体状態→キラルネマチック相→ キラルスメクチックC相 液体状態→スメクチックA相→ キラルスメクチックC相 等の態様で熱力学的安定性にしたがって各相が出現す
る。
そして、強誘電性液晶物質がキラルスメクチックC相
を示す温度範囲で、この液晶物質に電界等をかけること
により、この強誘電性液晶物質の分子長軸の配向方向が
変化することを利用して強誘電性液晶を光変調素子に使
用することができる。
たとえば、次式で表わされる化合物 は、63〜92℃の温度範囲でキラルスメクチックC相を示
し、このような温度範囲内で、電界等によって分子長軸
の配向方向を変えることができることが報告されている
(R.B.Meyer et al,ジャーナルデフィジーク(J.de Phy
s.)36巻L−69頁、(1975)参照)。
しかしながら、上述したようにキラルスメクチックC
相での初期配向の制御およびその配向状態を維持するこ
とは、非常に難しく、現在実用化するための最大の問題
点となっている。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、本発明の目的は、容易に
初期配向を行なうことができる、極薄膜を必要としな
い、液晶物質の配向状態が機械衝撃よって破壊されに
くい、階調性を持つことができるなどの優れた特徴を
有する光変調素子を提供することである。
発明の概要 本発明の第1の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるように配置してなる液
晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
液晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を
透過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの
範囲内にあることを特徴としている。
本発明の第2の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるように配置してなる液
晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
液晶物質とからなる液晶素子と該透明基板の少なくとも
一方の外側に配置された偏光板とからなり、かつ該液晶
素子を透過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26
μmの範囲内にあることを特徴としている。
本発明の第3の光変調素子は、偏光方向が互いに直角
または互いに平行になるように配置された偏光板の間に
二個の液晶素子が配置されてなり、該液晶素子は、一方
の面に透明電極が設けられた二枚の透明基板を、該透明
電極が対面し、かつ該基板により間隙が形成されるよう
に配置すると共に周縁部がシールされてなる液晶セルの
該間隙にスメクチックA相を示す液晶物質が充填されて
なり、かつ前記二個の液晶素子を透過した光のレターデ
ーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあることを特
徴としている。
本発明の第4の光変調素子は、少なくとも可視領域の
光を反射する層と、液晶素子と、偏光板とからなり、該
液晶素子は、該少なくとも可視領域の光を反射する層と
偏光板との間に配置されており、そして該液晶素子は、
一方の面に透明電極が設けられた二枚の透明基板を、該
透明電極が対面し、かつ該基板により間隙が形成される
ように配置してなる液晶セルと、該間隙に充填されたス
メクチックA相を示す液晶物質とからなり、かつ該液晶
素子を透過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26
μmの範囲内にあることを特徴としている。
本発明の第5の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるように配置してなる液
晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
液晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を
透過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの
範囲内にあり、そして該二枚の透明基板により形成され
た間隙が、該透明基板の壁面効果によって、液晶物質を
配向させることができる幅に調整されていると共に、該
液晶物質中に次式で表わされる特性のファイバーが含有
されていることを特徴としている。
ただし、上記式において、dはファイバーの直径を表
わし、Lはファイバーの平均の長さを表わす。
本発明の第6の光変調素子は、一方の面上に透明電極
および配向制御層がこの順序で積層された二枚の透明基
板を、該配向制御層が対面し、かつ該基板により間隙が
形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙に充
填されたスメクチックA相を示す液晶物質とを有すると
共に、該基板周辺がシールされてなる液晶素子を有し、
該液晶素子を透過した光のレターデーションの値が0.13
〜0.26μmの範囲内にあり、しかも該配向制御層が、該
シール部材の硬化温度以上のβ分散温度を有する有機高
分子膜により形成されていることを特徴としている。
本発明の第7の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるようにスペーサを介し
て配置されてなる液晶セルと、該間隙に充填されたスメ
クチックA相を示す液晶物質とからなる液晶素子を有
し、かつ該液晶素子を透過した光のレターデーションの
値が0.13〜0.26μmの範囲内にあり、該スペーサと液晶
物質との界面効果によりモノドメインが形成され、かつ
該スペーサが感光性ポリイミド前駆体をパターニングし
て得られたポリイミド系有機高分子物質により形成され
ていることを特徴としている。
本発明の第8の光変調素子は、偏光軸が互いに直角ま
たは互いに平行になるように配置された偏光板の間に、
液晶素子が配置されてなり、該液晶素子は、一方の面に
透明電極が設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が
対面し、かつ該基板により間隙が形成されるように配置
すると共に周縁部がシールされた液晶セルと、該間隙に
充填されたスメクチックA相を示す液晶物質とからな
り、しかも該透明電極上に前記液晶物質と接触するよう
に強誘導体層が設けられており、かつ該液晶素子を透過
した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲
内にあることを特徴としている。
本発明の第8の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるように配置してなる液
晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
液晶物質からなる液晶素子を有し、該液晶素子を透過し
た光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内
にあり、そして該液晶セルには、間隙を保持すると共に
液晶を配向させる少なくとも1つの同心円形状のスペー
サ兼配向制御膜が配置されてなることを特徴としてい
る。
本発明の第の光変調素子は、一方の面に透明電極が設
けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、かつ
該基板により間隙が形成されるように配置してなる液晶
セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す液
晶物質からなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透過
した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲
内にあり、そして該液晶セルには、間隙を保持すると共
に液晶を配向させるクシ型形状のスペーサ兼配向制御膜
が配置されてなることを特徴としている。
本発明の第11の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるように配置してなる液
晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
液晶物質からなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透
過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範
囲内にあり、しかも該液晶セルを構成する少なくとも一
方の透明基板が可撓性透明基板よりなることを特徴とし
ている。
本発明の第12の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるように配置してなる液
晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
液晶物質からなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透
過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範
囲内にあり、しかも該液晶セルを構成する少なくとも一
方の透明基板が可撓性透明基板よりなり、そして該可撓
性透明基板の厚さt(mm)、弾性率E(Kgf/m2)および
間隙の幅a(mm)が次式で示される関係を有することを
特徴としている。
本発明の第13の光変調素子は、配向処理が施された透
明電極を一方の面に有する二枚の透明基板を、該透明電
極が対面し、かつ該基板により間隙が形成されるように
配置してなる液晶セルと、該間隙に充填されたスメクチ
ックA相を示す液晶物質とからなる液晶素子を有し、か
つ液晶素子を透過した光のレターデーションの値が0.13
〜0.26μmの範囲内にあり、該液晶物質は、該液晶セル
を、該液晶物質がスメクチックA相を示す上限近くの温
度に保持し、かつ該液晶セルに直流バイアス電圧を印加
することにより、初期配向されていることを特徴として
いる。
本発明の第14の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により幅1〜3μmの間隙が形成されるように
配置してなる液晶セルと、該間隙に充填されたスメクチ
ックA相を示す液晶物質とからなる液晶素子を有し、か
つ該液晶素子を透過した光のレターデーションの値が0.
13〜0.26μmの範囲内にある液晶素子を有し、該間隙
は、スメクチックA相を示す液晶物質を間隙に同時に充
填するための複数の切欠きを有するスペーサによって形
成されていることを特徴としている。
本発明の第15の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により幅1〜3μmの間隙が形成されるように
配置してなる液晶セルと、該間隙に充填されたスメクチ
ックA相を示す液晶物質とからなる液晶素子を有し、か
つ該液晶素子を透過した光のレターデーションの値が0.
13〜0.26μmの範囲内にあり、しかも該液晶セルを構成
する透明基板のうち少なくとも一方の透明基板上に非線
形素子が配置されていることを特徴としている。
本発明の第16の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により幅1〜3μmの間隙が形成されるように
配置してなる液晶セルと、該間隙に充填されたスメクチ
ックA相を示す液晶物質とからなる液晶素子を有し、か
つ該液晶素子を透過した光のレターデーションの値が0.
13〜0.26μmの範囲内にあり、しかも該液晶セルを構成
する透明基板のうち少なくとも一方の透明基板上に能動
素子が配置されていることを特徴としている。
本発明の第17の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるように配置してなる液
晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
液晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を
透過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの
範囲内にあり、しかも該透明電極のうち少なくとも一方
の表面に液晶物質を配向させうる有機薄膜が形成されて
いることを特徴としている。
本発明の第18の光変調素子は、一方の面に透明電極が
設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、か
つ該基板により間隙が形成されるように配置してなる液
晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
液晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を
透過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの
範囲内にあり、しかも該透明電極のうち少なくとも一方
の表面に液晶物質を配向させうる無機薄膜が形成されて
いることを特徴としている。
上記のように本発明の光変調素子は、液晶素子を透過
した光のレターデーションの値が0.13〜0.26の値を有し
ている。
なお、レターデーションとは、常光と異常光との光路
差の対応する量を意味する。液晶セルのセルギャップ
(液晶素子が2個の場合にはそれぞれの液晶セルのセル
ギャップの合計量)が“d"であり、液晶セルに含まれる
液晶材料の常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率
との差が“Δn"である場合、レターデーションはd×Δ
nで定義される。
本発明の光変調素子は、容易に初期配向を行なうこ
とができる、極薄膜を必要としない、配向状態が機
械衝撃に強い、階調性を持つことができるなどの優れ
た特徴を有している。
発明の具体的説明 次に本発明の光変調素子について具体的に説明する。
本発明の光変調素子は、基本的には、一方の面に透明
電極が設けられた二枚の透明基板とこの2枚の透明基板
により形成される間隙を有する液晶セルおよびこの液晶
セルの間隙に充填されたスメクチックA相を示す液晶物
質を有する。上記の透明基板は表面に設けられた透明電
極が対面するように配置され、しかも、液晶物質が充填
されるような間隙を有している。すなわち、本発明の光
変調素子は、基本的には第7図に示すように構造を有し
ている。ただし、第7図においては、二枚の偏光板の間
に液晶素子が配置された態様が示されている。
本発明において、透明基板としては、例えば、ガラス
および透明高分子板等を用いることができる。
なお、ガラス基板を用いる場合には、アルカリ成分の
溶出液晶物質の劣化を防止するために、ガラス基板表面
に、例えば酸化珪素等を主成分とするアンダーコート層
を設けることもできる。
透明基板の厚さは、例えばガラス基板の場合には通常
は0.01〜1.0mmの範囲内にある。
また、本発明においては、透明基板として、可撓性透
明基板を用いることもできる。この場合、二枚の透明基
板のうち、一方の基板が可撓性透明基板であってもよ
く、さらに両者とも可撓性基板であってもよい。
このように可撓性透明基板を用いる場合、可撓性透明
基板の厚さt(mm)と、弾性率E(Kgf/m2)と、このよ
うな可撓性基板により形成される間隙の幅a(mm)とが
次式で表わされる関係を有することが好ましい。
このような可撓性透明基板としては、高分子フィルム
等を用いることができる。
このような透明基板の少なくとも一方の面には透明電
極が設けられている。
透明電極は、例えば酸化インジウム、スズ(ITO)等
で透明基板表面をコーティングすることにより形成され
る。透明電極は、公知の方法により形成することができ
る。
透明電極の厚さは、通常は100〜2000Åの範囲内にあ
る。
このような透明電極が設けられた透明基板には、さら
に透明電極上に配向制御層あるいは強誘電体層が設けら
れていてもよい。例えば配向制御量は液晶物質を配向さ
せることができる有機または無機薄膜であってもよい。
有機薄膜の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン、ボバール、ポリイミドな
どの高分子薄膜を挙げることができる。薄膜形成方法と
しては塗布法、接着法、基板上での重合法(プラズマ重
合)などを挙げることができる。さらに、有機薄膜は、
有機シランカップリング剤あるいはカルボン酸多核錯体
などを化学吸着させることにより形成することができ
る。
無機薄膜の例としては、酸化珪素、酸化ゲルマニウム
・アルミナなどの酸化物薄膜、窒化珪素などの窒化物、
他の半導体などを挙げることができる。薄膜形成方法と
して蒸着法、スパッター法などを挙げることができる。
このような薄膜に液晶配向性を付与する方法として
は、膜形成時に薄膜自身に異方性あるいは形状特異性を
与える方法や、薄膜形成後に外部から特性を与える方法
がある。具体的には高分子化合物の延伸フィルムを用い
る方法、酸化珪素を斜方蒸着する方法、ポリイミド膜の
表面を一方方向に擦る方法などの方法が挙げられる。
また、第16図に示すように、このような透明電極165
上に強誘電体層167が設けられていてもよい。
なお、配向制御層等は後述のスペーサを兼ねるように
形成されていてもよい。
上記のような透明基板を、透明電極が対面し、そして
この透明基板により液晶物質を充填する間隙を形成する
ように二枚配置する。
上記のようにして形成される間隙の幅は、1〜10μ
m、好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは1〜3μ
mにすることが望ましい。このような間隔は、例えば、
スペーサを挟持するように二枚の基板を配置することに
より、容易に形成することができる。
このようなスペーサとしては、例えば、感光性ポリイ
ミド前駆体をパターニングして得られるポリイミド系高
分子物質等を用いることができる。このようなスペーサ
を用いることのより、このスペーサと液晶物質との界面
効果により、モノドメインが形成される。また、例え
ば、第17図および第18図に示されるように配向制御膜と
して作用する同心円形状のスペーサ176あるいはクシ状
のスペーサ188を用いて、配向制御膜とスペーサとを一
体化することもできる。さらに、液晶物質を同時に充填
することができるように複数の切欠きを有するスペーサ
を用いることもできる。
また、第14図に示すように、上記のようなスペーサの
他に、液晶物質143中にファイバ147を配合して、このフ
ァイバにより、透明基板142が一定の間隙を形成するよ
うにすることもできる。
そして、本発明において、平均直径および平均長さが
次式で表わされる関係にあるファイバを使用することが
好ましい。
ただし、上記式において、dはファイバの直径を表わ
し、lはファイバの平均の長さを表わす。
本発明において使用することができるファイバとして
は、アルカリガラスを紡糸して得られたファイバ等を挙
げることができる。
このようなファイバを用いることにより、透明基板に
より形成される間隙の幅を一様に、かつ均一に制御し維
持することができる。
さらに、上記ファイバの代わりに、あるいは上記ファ
イバと共に粒状物を配合することもできる。
このような粒状物としては、メラミン樹脂、尿素樹脂
あるいはベンゾグアナミン樹脂等からなる粒子径が1〜
10μmの粒状物を挙げることができる。なお、このよう
にファイバあるいは粒状物を使用する場合には、ファイ
バあるいは粒状物を使用する場合は、液晶物質中に予め
混合することもできるし、例えばフレオンのような低沸
点溶媒中に分散させて基板上に散布することもできる。
さらに、二枚の透明基板を接着する際に用いられる接着
剤中の上記のファイバあるいは粒状物を配合することも
できる。
上記のようにして間隙を形成するように配置された二
枚の透明基板は接着される。このような接着剤として
は、エポキシ系樹脂およびシリコン系樹脂等を用いるこ
とができる。さらに、エポキシ樹脂等がアクリル系材料
あるいはシリコン系ゴム等で変性されていてもよい。
さらに通常は液晶物質を充填するための切欠などを塞
ぐめに液晶物質を間隙に充填した後にこの切欠などが形
成された部分はシール材でシールされる。
特に本発明においては、配向制御層を形成する際に用
いる上記高分子膜のβ分散温度未満の硬化温度で硬化す
る樹脂を用いてシールすることが好ましい。従ってこの
場合、配向制御層は、シール材の硬化温度異常のβ分散
温度を有する有機高分子膜である。
上記のような構成を有する液晶セルの間隙には、液晶
物質が充填されている。
本発明において用いられる液晶物質は、スメクチック
A相を示す液晶物質である。
すなわち、スメクチックA相を示す液晶物質は、層構
造を形成し、その分子長軸は層法線方向に平行である。
配向したスメクチックA相を示す液晶物質を偏光顕微
鏡を用いて観察すると、キラルスメクチックC相でみら
れる筋状扇状組織、乱扇状組織、マーブル組織およびシ
ュリーレン組織等は観察されず、短棒状組織、単純扇状
組織、単純多角形組織等のスメクチックA相特有の組織
が観察される。
スメクチックA相は相構造をもち、分子長軸が層法線
方向に平行であり、電界などの外場を印加すると分子軸
回りの自由回転により分子の双極子が揃う。分子長軸方
向と、双極子方向が一様にそろった(第5図)ことによ
り、系全体の持つ位置エネルギーが高くなり不安定にな
る。そこで、位置エネルギーを小さくするように、位置
の変化が起こり、その結果、分子長軸が層の法線方向に
対して傾いた位置で安定化する(第6図)。すなわち電
界等の外場によって誘起されたチルト角θ′は、0度以
外の一定の安定な角度になる。ことはすでに1977年、S.
Garoffら(フィジカルレビューレターズ(PhysicalRevi
ewLetters.)38巻き848頁(1977)参照)によって報告
されている。
このようなスメクチックA相を示す液晶物質を二枚の
対向する電極付き透明基板により形成された液晶セル中
に充填することにより形成された液晶素子は、偏光方向
が互いに直交する、または互いに平行な二枚の偏光板の
間に配置される。そして、このような構成を有する光変
調素子の温度を変化させ液晶物質をスメクチックA相状
態に保持し、電界印加を行なうことにより、液晶物質の
分子長軸の配向方向が変化して光の透過性が変わるの
で、光変調を行なうことができる。
本発明の光変調素子で使用することができるスメクチ
ックA相を示す液晶物質としては基本骨格が、下式
(I) で表わされる化合物を挙げることができる。ここでR
は、アルキル基、アルコキシ基およびハロアルキル基の
内のいずれかの基であり、lは1または2、mは1また
は2、nは0または1であり、A*は、光学活性中心を
有する下式(II) で示される基(ただし、X、Y、Zは、ハロゲン原子、
水素原子、および、アルキル基からなる群より選ばれる
原子若しくは基であり、Wは、アルキレン基であり、p
は0または1である)である。
上記式(I)で表わされるスメクチックA相を示す液
晶物質のうちでも、上記式(I)において、Rが炭素数
20以下のアルキル基であり、mが1、nが1であり、p
=0であり、X、Y、Zが互いに異なる原子若しくは基
である化合物が特に好ましい。
また、上記式(II)で表わされる光学活性中心を有す
る基の好適な例としては、 を挙げることができ、PhPh-COO-Ph-COO−に近い位置に
光学活性中心を持つ基が特に好ましい。
さらに、本発明において用いることができる好ましい
液晶物質の例を以下に示す。
また、本発明の光変調素子では、前記一般式[I]で
表わす化合物の他に、スメクチックA相を示す液晶化合
物として、以下の化合物を使用することもできる。
本発明において、スメクチックA相を示す液晶化合物
は、単独であるいは組合わせて用いることができる。
液晶セルの間隙に充填されたこのようなスメクチック
A相を液晶物質は、たとえばスペーサエッジを利用した
温度勾配法あるいは配向制御膜を用いた表面処理法等の
一軸配向制御方法を利用して配向させることができる。
特に本発明においては、液晶物質のスメクチックA相の
上限近くの温度に液晶セルを保持し、直流バイアス電圧
により電界を印加することにより、液晶物質の初期配向
を行なうことが好ましい。
このようにした液晶物質を充填され、初期配向された
液晶セルは、通常、二枚の偏光板の間に配置される。こ
の二枚の偏光板は、偏光方向が互いに直角または互いに
平行になるように配置されている。
このような偏光板としては、例えばポリビニルアルコ
ール樹脂フィルム、ポリビニルブチラール樹脂フィルム
等の樹脂フィルムをヨウ素等の存在下で延伸することに
よりフィルム中にヨウ素を吸収させて偏光性を賦与した
偏光フィルムを用いることができる。このような偏光フ
ィルムは、他の樹脂などで表面を被覆して多層構造にす
ることもできる。
上記のような偏光板を二枚配置した光変調素子の例を
第7図に示す。第7図において、1は互いに偏光方向が
直交する偏光板であり、2は透明基板であり、3は透明
電極であり、4は素子の厚さを制御するスペーサであ
り、そして5はスメクチックA相を有する液晶物質であ
る。
また、第13図に示すように上記のような偏光板131の
一方を少なくとも可視領域の光を反射する反射層137に
することもできる。
さらに、また第12図に示すように、二枚の偏光板121
の間に上記の液晶素子128を、透過光のレターデーショ
ンの値が0.13〜0.26μmの範囲内になるように二個配置
することもできる。
一般の強誘電性液晶では、ホモジニアス配向を行なっ
た場合、スメクチックA相の温度範囲で電界を印加して
も、誘起されるチルト角θ′はほとんどゼロである。と
ころが上記のようなMHPOBC(4′−(1−metylhelptyl
oxy carbonyl)phenyly−4−octyloxy biphenyl−4−
carboxylate)等の化合物を充填した場合には、上記
θ′が十数度になり、このθ′の値は光変調素子に用い
る液晶物質として充分な範囲内にある。
従って、上記のような化合物を用いて、ホモジニアス
配向し、これを互いに直交した偏光板の間において、ス
メクチックA相の温度範囲で電界を印加することによ
り、光の変調を行なうことができる。
このような光変調素子に電圧を印加することにより、
透過光量が変化する。たとえばMHPOBCを用いた光変調素
子の透過光量の変化の一例を第8図に示す。この例で
は、電界が負になって分子長軸の方向が変化したときに
配向方向と検光子の方向とが一致するように検光子が配
置されている。従って電界が負になったとき、透過光強
度は最小となる。このときの素子内の分子の配向方向も
付け加えて示した。第8図から光の変調が有効に行なわ
れていることがわかる。また、電界強度と透過光量の関
係から、階調性が簡単に得られることもわかる。
光変調素子を電界駆動する際に、各絵素を駆動するた
めの素子として、例えば第11(a)に示すように非線形
素子あるいは能動素子を用いることができる。ここで非
線形素子とは、印加電圧の変化と、それにより生ずる電
流変化が正比例しないような素子であり、能動素子とは
インピーダンス回路網の下で電圧あるいは電流発生させ
るような素子である。
より具体的には2端子素子の非線形素子としてはバリ
スタ・MIN(Metal Insulator Metal)、ダイオードなど
の抵抗の非線形性を利用することができる。
また3端子素子の能動素子としてはTFT(薄膜トラン
ジスタ(薄い二酸化珪素の層により半導体基板から絶縁
されているゲートを持つ電界効果トランジスタ))、Si
-MOS(Si-metal oxidesemi conductor field-effect tr
ansistor)、SOS(Silicon on Sapphire)などを挙げる
ことができる。
スメクチックA相では分子長軸方向がただ一方向に規
制されているので、配向制御はキラルスメクチックC相
と比較すると非常に簡単になる。
そして、本発明の素子を用いることにより、スメクチ
ックA相の配向が短時間に実現できるので、現在ネマチ
ック液晶材料を用いて液晶表示素子を製造しているのと
同様の方法で、スメクチックA相を示す液晶を用いた光
変調素子を製造することができる。
キラルスメクチックC相を示す液晶物質を2μm程度
の間隙に充填してキラルスメクチックC相を実現させる
と、分子長軸方向が2種類安定に存在することになる。
従って、一軸配向規制を行なうと、2種類の安定状態の
均衡が崩れる。逆に2種類の安定状態の均衡を保持する
ために配向規制を二軸方向に行なうと、良好な初期配向
が得られないと問題点がある。これに対してスメクチッ
クA相で光変調を行なう場合は、一軸配向規制を行なえ
ば、良好な初期配向が得られる。さらに正負の電界印加
を行なっても、互いに均等な切り替えを行なうことがで
きる。
スメクチックA相の温度範囲における光変換速度(光
学応答速度)は、最も速い場合、数μ秒程度であり、非
常に高速で応答させることができる。
なお、本発明の光変調素子で使用するスメクチックA
相を示す液晶物質としては、上記例示したスメクチック
A相を示す液晶化合物の他に、強誘電性を示さない液晶
を配合して用いることもできる。さらにスメクチックA
相を示す液晶組成物に色素を混合して用いることができ
る。この場合、表示方法は色素の光吸収を利用した方法
が考えられる。すなわち、1枚の偏光板を用いたゲスト
ホスト方式の表示法である。
発明の効果 本発明の光変調素子は、容易に初期配向を行なうこ
とができる、極薄膜を必要としない、配向状態が機
械衝撃に強い、良好な階調性を有するなどの優れた特
徴を有している。
実施例 以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこの
実施例に限定されるものではない。
実施例1 下式で示す液晶化合物を厚さ3.6μmのスペーサを有
する液晶セルの間隙に充填し、この液晶セルの両外側に
互いに直交する二枚の偏光板を配置した。
この液晶化合物は、60℃以下でスメクチックA相を示
す。
上記液晶セルに上記の液晶物質を充填した後、液晶セ
ルを60℃に加熱して液晶化合物を液体状態にする。その
後、温度勾配法を用い、5℃/時間程度の冷却速度で徐
冷を行なうことにより、良好な初期配向が得られた。
スメクチックA相において電界を印加すると、誘起チ
ルト(分子長軸の配向方向の変化)が観察できた。誘起
チルトθ′の温度依存性を第9図に示す。45℃におい
て、+30Vで明(ON)状態、−30Vで暗(OFF)状態が得
られた。明状態と暗状態の明るさのコントラストは22倍
以上であった。また45℃のときの光学応答速度を測定し
たところ、20μ秒であった。
このようにこの素子を用いると、良好な初期配向を持
つ、応答速度の速い光変調素子を提供することができ
る。
実施例2 まず、ポリイミド(日立化成工業(株)製、PIQ-540
0)を、N−メチルピリドンに溶解させてポリイミドの
含有率が1.2%の塗布液を調製した。
上記のようにして調製した塗布液を、スピンコート法
により、2000rpmの回転速度で、ITO透明電極が一方の面
に設けられているガラス基板の透明電極上に塗布した。
このようにしてポリイミドを含む塗布液を塗布した
後、このガラス基板を325℃で30分間加熱してポリイミ
ドを硬化させて、厚さ150〜200Åのポリイミド膜を形成
した。
このようにして形成されたポリイミド膜の表面を、ナ
イロン製の一方方向に擦ることにより、このポリイミド
膜に液晶物質に対する配向性を賦与した。
上記と同様にして二枚の基板を用意した。
別に、接着剤主剤(EHC社製、LCB-304B)と、硬化剤
(EHC社製、LCB-310B)とを、138:30の重量比で混合し
てエポキシ樹脂系の接着剤を調製した。
次いで、上記のようにしてポリイミド膜が形成された
基板周縁部(ポリイミド膜上)にシルク印刷法を利用し
て上記のエポキシ樹脂系接着剤を塗布して、基板周縁部
に接着部を形成した。
別に、細かく切断したファイバー(EHC社製、GP-20)
を、フレオン中に1重量%になるように分散させてスペ
ーサー分散液を調製した。なお、このファイバーは、直
径をd、長さをlとすると、l/dの値が約10になる形状
を有している。
上記のようにして調製したスペーサー分散液を一枚の
基板の接着部が形成された面に噴霧し、次いで、ポリイ
ミド膜が対面するように二枚の基板を配置し、50℃で15
分間、60℃で15分間、70℃で15分間、80℃で15分間、12
5℃で30分間、そして170℃で60分間加熱して接着して液
晶セルを作成した。このようにして得られた液晶セル
は、約2μmの間隙を有していた。
上記のようにして作製した液晶セルの基板外側に、互
いに偏光方向が直交するように二枚の偏光板を配置し
た。
次いで、上記のようにして作製した液晶セルの間隙
に、次式で示液晶化合物を充填した。
この化合物は、60℃以下でスメクチックA相を示す。
上記のようにして液晶化合物を充填した後、この液晶
セルを60℃に加熱して液晶化合物を液体状態にした。次
いで、温度勾配法を採用して、1℃/分間程度の冷却速
度で徐冷を行なうことにより、液晶物質を良好に初期配
向させることができた。
このようにして得られた光変調素子に、液晶化合物が
スメクチックA相を示す状態で、電界を印加することに
より、誘起チルト(分子長軸の配向方向の変化)が観察
された。
すなわち、45℃において+30Vの電圧を印加すること
により、明(ON)状態、−30Vの電圧を印加することに
より、暗(OFF)状態になった。
得られた光変調素子の明状態と暗状態との明るさのコ
ントラストは、24であった。また45℃における光学応答
速度を測定したところ、25μ秒であった。このように3
≦l/d≦100の特性を有するファイバーを含有する本発明
の光変調素子は、液晶物質の初期配向状態が良好であ
り、しかも応答速度が速い。
実施例3 実施例2において、二枚の偏光板の代わりに、第13図
に示すように、アンモニウム製反射板と偏光板とを液晶
セルの外側に配置した以外は同様にして光変調素子を作
製した。
すなわち、液晶セルに充填した液晶化合物は、実施例
2で用いた化合物である。
そして、実施例2と同様に上記のようにして液晶化合
物を充填した後、この液晶セルを60℃に加熱して液晶化
合物を液体状態にした。次いで温度勾配法を採用して、
1℃/分間程度の冷却速度で徐冷を行なうことにより、
液晶物質を良好に初期配向させることができた。
このようにして得られた光変調素子に、液晶化合物が
スメクチックA相を示す状態で、電界を印加することに
より、誘起チルト(分子長軸の配向方向の変化)が観察
された。
すなわち、45℃において+30Vの電圧を印加すること
により、明(ON)状態、−30Vの電圧を印加することに
より、暗(OFF)状態になった。
得られた光変調素子の明状態と暗状態との明るさのコ
ントラストは、24であった。また45℃における光学応答
速度を測定したところ、41μ秒であった。
このように一枚の偏光板と、少なくとも可視領域の光
を反射する層を有する光変調素子は、良好なスイッチン
グコントラストを示し、しかも応答速度も速い。
実施例4 実施例2において、温度勾配法を利用して液晶物質を
初期配向させる際に、液晶セルに30Vの直流を印加しな
がら1℃/分間程度の冷却速度で徐冷して初期配向を行
なった以外は同様にして光変調素子を作製した。
すなわち、液晶セルに充填した液晶化合物は、実施例
2で用いた化合物である。
そして、実施例2と同様に上記のようにして液晶化合
物を充填した後、この液晶セルを60℃に加熱して液晶化
合物を液体状態にした。次いで上記のような温度勾配法
を採用して液晶化合物を良好に初期配向させることがで
き、この初期配向性は、10であった。なお、この初期配
向性は、液晶素子を顕微鏡回転ステージ上で回転させ
て、最も暗い時の透過光強度(L min)に対する最も明
るい時の透過光速度(L max)の比である。
このようにして得られた光変調素子に、液晶化合物が
スメクチックA相を示す状態で、電界を印加することに
より、誘起チルト(分子長軸の配向方向の変化)が観察
された。
すなわち、45℃において+30Vの電圧を印加すること
により、明(ON)状態、−30Vの電圧を印加することに
より、暗(OFF)状態になった。
実施例5 実施例2において、エポキシ樹脂系の接着剤を調製す
る際に、接着剤主剤、硬化剤および間隙(セルギャッ
プ)制御のためにビーズ(EHC(株)製、GP-20)を138:
39:3の重量比で混合して接着剤兼スペーサーを調製し、
この接着剤兼スペーサーを基板周縁部(ポリイミド膜
上)にシルク印刷法を利用して、第10図に示すように接
着部が8箇所の切欠a1〜a8を有するように塗布した以
外は同様にして液晶セルを製造し、このうちの3箇所の
切欠部分から液晶化合物を間隙内に同時に充填した以外
は同様にして光変調素子を作製した。このようにして作
製した液晶素子は、2μmの間隙を有している。
上記のようにして作製した液晶セルに充填した液晶化
合物は、実施例2で用いた化合物である。
そして、実施例2と同様に上記のようにして液晶化合
物を切欠から同時に充填した後、この液晶セルを60℃に
加熱して液晶化合物を液体状態にした。次いで温度勾配
法を採用して、1℃/分間程度の冷却速度で徐冷を行な
うことにより、液晶物質を良好に初期配向させることが
できた(コントラスト:16)。
このようにして得られた光変調素子に、液晶化合物が
スメクチックA相を示す状態で、電界を印加するとによ
り、誘起チルト(分子長軸の配向方向の変化)が観察さ
れた。
すなわち、45℃において+30Vの電圧を印加すること
により、明(ON)状態、−30Vの電圧を印加することに
より、暗(OFF)状態になった。
得られた光変調素子の明状態と暗状態との明るさのコ
ントラストは、18であった。また45℃における光学応答
速度を測定したところ、33μ秒であった。
このように複数の切欠を有するスペーサーが形成され
た液晶セルを用いることにより、光変調素子の初期配向
性が良好になり、さらにこの光変調素子の応答速度も速
い。
実施例6 ガラス基板の上に第11図に示すように作製した能動素
子を配置した液晶セルに、下記の液晶化合物を注入し
た。
注入後、液晶セルを60℃に加熱して液晶化合物を液体
状態にした。その後、温度勾配法を用いて1℃/分程度
の冷却速度で徐冷を行なうことにより、良好な初期配向
(コントラスト8)が得られた。
スメクチックA相において電界を印加すると、誘起チ
ルト(分子長軸の配向方向の変化)が観察できた。45℃
において+30Vで明(ON)状態、−30Vで暗(OFF)状態
が得られた。隣り合う画素のそれぞれ選択画素・非選択
画素とするとそのコントラストは7であった。
実施例7 液晶セルは、以下の方法で作製した。一方のITO透明
電極膜付きのガラス基板上に実施例2と同様にポリイミ
ド塗布と配向処理を行なった。他方のITO透明電極膜付
きのガラス基板上には酸化珪素の斜方蒸着を行なった。
このようにして作製した配向性付与済みガラス基板を
二枚重ね合わせて評価用セルを作製した。まずポリイミ
ド膜を塗布したガラス基板の上に、二枚の基板の接着と
セルギャップを制御するためにエポキシ系接着剤をシル
ク印刷により塗布した。エポキシ系接着剤は接着剤主剤
(EHC(株)製、LCB-304B)、硬化剤(EHC(株)製、LC
B-310B)とセルギャップ制御のためのビーズ(EHC
(株)製、GP-20)を138:30:3の重量比で混合して用い
た。二枚のガラス基板のうち一枚には、エポキシ系接着
剤を塗布し、互いに透明電極が向かい合うように貼合わ
せた。これを以下の硬化条件にしたがって硬化させた。
すなわち50℃15分、60℃15分、70℃15分、80℃15分、12
5℃30分、170℃60分で行なった。
このように作製したセルギャップ約2μmのセルの両
外側に互いに直交する二枚の偏光板を配置した。
上記液晶セルに上記の液晶化合物を注入した。注入
後、液晶セルを60℃に加熱して液晶化合物を液体状態に
した。その後、温度勾配法を用いて1℃/分程度の冷却
速度で徐冷を行なうことにより、良好な初期配向(コン
トラスト7)が得られた。
スメクチックA相において電界を印加すると、誘起チ
ルト(分子長軸の配向方向の変化)が観察できた。45℃
において+30Vで明(ON)状態、−30Vで暗(OFF)状態
が得られた。明状態と暗状態の明るさのコントラストは
8であった。また45℃の時の光学応答時間を測定したと
ころ、63μ秒であった。
このように液晶配向性を付与した無機薄膜を形成した
透明基板を含むとを特徴とする光変調素子は良好な初期
配向性を示し、応答速度も速い。
比較例1 液晶材料の配向方向が互いに同一方向となるようにラ
ビング処理されたポリイミド(日立化成工業(株)製PI
Q-5400)からなる配向制御膜(厚さ:150Å)が形成され
た一対の透明電極を備え、セルギャップが2μmである
液晶セルを用い、この液晶セルのセルギャップを減圧し
ながら、このセルギャップ中に下記化合物A: を溶融して注入した。
この際、上記化合物Aの流動状態は良好であり、液晶
セルのセルギャップ中に化合物Aがスムーズに注入され
た。
この液晶セルを80℃に加熱し、次いで80℃で5分間保
持した後、1℃/分の速度で冷却することにより、化合
物Aを良好に初期配向させた。
次いで、この液晶セルを互いに偏光方向が直交する一
対の偏光板の間に、液晶セル、一対の偏光板が、それぞ
れ平行となるように配置して光変調素子を作成した。
このようにして得られた光変調素子に、液晶化合物が
スメクチックA相を示す状態で、+30Vの電圧を印加す
ると明(ON)状態となり、−30Vの電圧を印加すると暗
(OFF)状態となった。
また、この光変調素子に白色光を入力した時の出力光
(一方の偏光板、液晶セルおよび他方の偏光板を順次透
過した光)は青色を呈し、光変調素子に備えられた液晶
セルのレターデーション値は0.11μmであった。
比較例2 スメクチックA相を有する下記化合物B: を比較例1で用いられた液晶セルのセルギャップ中に注
入しようとしたところ、粘度が高すぎてセルギャップ中
に満足した状態で注入することはできなかった。ちなみ
に、この化合物Bが充填されているセルギャップ2μm
の液晶セルのレターデーション値は0.30μmに相当す
る。
比較例3 スメクチックC*相を有する下記化合物C: を比較例1で用いられた液晶セルのセルギャップ中に注
入した。
この際、上記化合物Cの流動状態は良好であり、液晶
セルのセルギャップ中に化合物Cがスムーズに注入され
た。
次いで、比較例1と同様にして光変調素子を作成し、
液晶化合物がスメクチックA相を示す状態で、+30Vの
電圧を印加すると明(ON)状態となり、−30Vの電圧を
印加すると暗(OFF)状態となった。
得られた光変調素子の明状態と暗状態との明るさのコ
ントラストは25であり、光学応答速度は760μ秒であっ
た。
また、この光変調素子に白色光を入力した時の出力光
(一方の偏光板、液晶セルおよび他方の偏光板を順次透
過した光)は白色であり、光変調素子に備えられた液晶
セルのレターデーション値は0.21μmであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、強誘電性液晶の各分子長軸が、スメクチック
層の垂直方向Zに対してチルト角だけ傾き、その傾き方
向が層ごとに一定角度ずつ回転し、ヘリカル構造をとる
ことを説明する図である。 第2図は、従来の薄膜素子における2種類の配向方向が
可能な状態を示す説明図である。 第3図(a)、(b)は、従来の薄膜素子における光ス
イッチングを説明する図である。 第4図は、従来のいわゆるホストゲスト型の光スイッチ
ング素子を説明する図である。 第5図および第6図は、本発明の変調方法を説明する概
略説明図である。 第7図は、本発明の光変調素子の例を示す概略断面図で
ある。 第8図は、印加電圧の変化に対する透過光量の変化の例
を示すグラフである。 第9図は、MHPOBCの誘起チルト角の温度依存性の一例を
示すグラフである。 第10図は、実施例5で使用した8箇所の切欠を有する接
着剤部兼スペーサーが形成された基板である。 a1〜a8……切欠 第11図は、能動素子を有する光変調素子の一例を示す概
念図である。 第12図は、二個の液晶セルを有する光変調素子を模式的
に示す断面図である。 121……偏光板、122……透明基板、123……液晶物質、1
24……スペーサ、125……透明電極、128……液晶セル、
129……光変調素子 第13図は、反射層を有する光変調素子を模式的に示す断
面図である。 131……偏光板、132……透明基板、133……液晶物質、1
34……スペーサ、135……透明電極、137……反射層 第14図は、ファイバを用いた液晶素子を概念的に示す断
面図である。 142……透明基板、143……液晶物質、145……透明電
極、147……ファイバ 第15(a)図は、シール材を用いた液晶素子を概念的に
示す平面図であり、(b)図は、そのA−A断面図であ
る。 152……透明基板、153……液晶物質、154……スペー
サ、155……透明電極、157……シール材 第16図は、強誘電体層を有する光変調素子を概念的に示
す断面図である。 162……透明基板、163……液晶物質、165……透明電
極、166……強誘電体層 第17(a)図は、同心円状のスペーサを有する液晶素子
を概念的に示す平面図であり、(b)図は、そのA−A
断面図である。 172……透明基板、173……液晶物質、175……透明電
極、146……同心円状のスペーサ 第18(a)図は、クシ型形状のスペーサを有する液晶素
子を概念的に示す平面図であり、(b)図は、そのA−
A断面図である。 182……透明基板、183……液晶物質、185……透明電
極、186……クシ型形状のスペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−103213(JP,A) 特開 平1−213390(JP,A) 特開 昭64−3632(JP,A)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の面に透明電極が設けられた二枚の透
    明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間隙
    が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙に
    充填されたスメクチックA相を示す液晶物質とからなる
    液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透過した光のレター
    デーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあることを
    特徴とする光変調素子。
  2. 【請求項2】一方の面に透明電極が設けられた二枚の透
    明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間隙
    が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙に
    充填されたスメクチックA相を示す液晶物質とからなる
    液晶素子と、該透明基板の少なくとも一方の外側に配置
    された偏光板とからなり、かつ該液晶素子を透過した光
    のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあ
    ることを特徴とする光変調素子。
  3. 【請求項3】偏光方向が互いに直角または互いに平行に
    なるように配置された偏光板の間に二個の液晶素子が配
    置されてなり、該液晶素子は、一方の面に透明電極が設
    けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、かつ
    該基板により間隙が形成されるように配置すると共に周
    縁部がシールされてなる液晶セルの該間隙にスメクチッ
    クA相を示す液晶物質が充填されてなり、かつ前記二個
    の液晶素子を透過した光のレターデーションの値が0.13
    〜0.26μmの範囲内にあることを特徴とする光変調素
    子。
  4. 【請求項4】少なくとも可視領域の光を反射する層と、
    液晶素子と、偏光板とからなり、該液晶素子は、該少な
    くとも可視領域の光を反射する層と偏光板との間に配置
    されており、そして該液晶素子は、一方の面に透明電極
    が設けられた二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、
    かつ該基板により間隙が形成されるように配置してなる
    液晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示
    す液晶物質とからなり、かつ該液晶素子を透過した光の
    レターデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にある
    ことを特徴とする光変調素子。
  5. 【請求項5】一方の面に透明電極が設けられた二枚の透
    明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間隙
    が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙に
    充填されたスメクチックA相を示す液晶物質とからなる
    液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透過した光のレター
    デーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあり、そし
    て該二枚の透明基板により形成された間隙が、該透明基
    板の壁面効果によって、液晶物質を配向させることがで
    きる幅に調整されていると共に、該液晶物質中に次式で
    表わされる特性のファイバーが含有されていることを特
    徴とする光変調素子; (ただし、上記式において、dはファイバーの直径を表
    わし、Lはファイバーの平均の長さを表わす)。
  6. 【請求項6】一方の面上に透明電極および配向制御層が
    この順序で積層された二枚の透明基板を、該配向制御層
    が対面し、かつ該基板により間隙が形成されるように配
    置してなる液晶セルと、該間隙に充填されたスメクチッ
    クA相を示す液晶物質とを有すると共に、該基板周辺が
    シールされてなる液晶素子を有し、該液晶素子を透過し
    た光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内
    にあり、しかも該配向制御層が、該シール部材の硬化温
    度以上のβ分散温度を有する有機高分子膜により形成さ
    れていることを特徴とする光変調素子。
  7. 【請求項7】一方の面に透明電極が設けられた二枚の透
    明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間隙
    が形成されるようにスペーサを介して配置されてなる液
    晶セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す
    液晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を
    透過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの
    範囲内にあり、該スペーサと液晶物質との界面効果によ
    りモノドメインが形成され、かつ該スペーサが感光性ポ
    リイミド前駆体をパターニングして得られたポリイミド
    系有機高分子物質により形成されていることを特徴とす
    る光変調素子。
  8. 【請求項8】偏光軸が互いに直角または互いに平行にな
    るように配置された偏光板の間に、液晶素子が配置され
    てなり、該液晶素子は、一方の面に透明電極が設けられ
    た二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板
    により間隙が形成されるように配置すると共に周縁部が
    シールされた液晶セルと、該間隙に充填されたスメクチ
    ックA相を示す液晶物質とからなり、しかも該透明電極
    上に前記液晶物質と接触するように強誘導体層が設けら
    れており、かつ該液晶素子を透過した光のレターデーシ
    ョンの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあることを特徴と
    する光変調素子。
  9. 【請求項9】一方の面に透明電極が設けられた二枚の透
    明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間隙
    が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙に
    充填されたスメクチックA相を示す液晶物質からなる液
    晶素子を有し、該液晶素子を透過した光のレターデーシ
    ョンの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあり、そして該液
    晶セルには、間隙を保持すると共に液晶を配向させる少
    なくとも1つの同心円形状のスペーサ兼配向制御膜が配
    置されていることを特徴とする光変調素子。
  10. 【請求項10】一方の面に透明電極が設けられた二枚の
    透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間
    隙が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙
    に充填されたスメクチックA相を示す液晶物質とからな
    る液晶素子を有し、該液晶素子を透過した光のレターデ
    ーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあり、そして
    該液晶セルには、間隙を保持すると共に液晶を配向させ
    るクシ型形状のスペーサ兼配向制御膜が配置されている
    ことを特徴とする光変調素子。
  11. 【請求項11】一方の面に透明電極が設けられた二枚の
    透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間
    隙が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙
    に充填されたスメクチックA相を示す液晶物質とからな
    る液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透過した光のレタ
    ーデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあり、し
    かも該液晶セルを構成する少なくとも一方の透明基板が
    可撓性透明基板よりなることを特徴とする光変調素子。
  12. 【請求項12】一方の面に透明電極が設けられた二枚の
    透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間
    隙が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙
    に充填されたスメクチックA相を示す液晶物質からなる
    液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透過した光のレター
    デーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあり、しか
    も該液晶セルを構成する少なくとも一方の透明基板が可
    撓性透明基板よりなり、そして該可撓性透明基板の厚さ
    t(mm)、弾性率E(Kgf/m2)および間隙の幅a(mm)
    が次式で示される関係を有することを特徴とする光変調
    素子。
  13. 【請求項13】配向処理が施された透明電極を一方の面
    に有する二枚の透明基板を、該透明電極が対面し、かつ
    該基板により間隙が形成されるように配置してなる液晶
    セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す液
    晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ液晶素子を透過
    した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲
    内にあり、該液晶物質は、該液晶セルを、該液晶物質が
    スメクチックA相を示す上限近くの温度に保持し、かつ
    該液晶セルに直流バイアス電圧を印加することにより、
    初期配向されていることを特徴とする光変調素子。
  14. 【請求項14】一方の面に透明電極が設けられた二枚の
    透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により幅
    1〜3μmの間隙が形成されるように配置してなる液晶
    セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す液
    晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透
    過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範
    囲内にあり、該間隙は、スメクチックA相を示す液晶物
    質を間隙に同時に充填するための複数の切欠きを有する
    スペーサによって形成されていることを特徴とする光変
    調素子。
  15. 【請求項15】一方の面に透明電極が設けられた二枚の
    透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により幅
    1〜3μmの間隙が形成されるように配置してなる液晶
    セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す液
    晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透
    過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範
    囲内にあり、しかも該液晶セルを構成する透明基板のう
    ちの少なくとも一方の透明基板上に非線形素子が配置さ
    れていることを特徴とする光変調素子。
  16. 【請求項16】一方の面に透明電極が設けられた二枚の
    透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により幅
    1〜3μmの間隙が形成されるように配置してなる液晶
    セルと、該間隙に充填されたスメクチックA相を示す液
    晶物質とからなる液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透
    過した光のレターデーションの値が0.13〜0.26μmの範
    囲内にあり、しかも該液晶セルを構成する透明基板のう
    ち少なくとも一方の透明基板上に能動素子が配置されて
    いることを特徴とする光変調素子。
  17. 【請求項17】一方の面に透明電極が設けられた二枚の
    透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間
    隙が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙
    に充填されたスメクチックA相を示す液晶物質とからな
    る液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透過した光のレタ
    ーデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあり、し
    かも該透明電極のうち少なくとも一方の表面に液晶物質
    を配向させうる有機薄膜が形成されていることを特徴と
    する光変調素子。
  18. 【請求項18】一方の面に透明電極が設けられた二枚の
    透明基板を、該透明電極が対面し、かつ該基板により間
    隙が形成されるように配置してなる液晶セルと、該間隙
    に充填されたスメクチックA相を示す液晶物質とからな
    る液晶素子を有し、かつ該液晶素子を透過した光のレタ
    ーデーションの値が0.13〜0.26μmの範囲内にあり、し
    かも該透明電極のうち少なくとも一方の表面に液晶物質
    を配向させうる無機薄膜が形成されていることを特徴と
    する光変調素子。
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