JP3945689B2 - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の基板間の非表示部に対応する部位に流動性が消失した液晶性を示すゲル状物質を配置した液晶表示素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶性を示すゲル状物質を用いた液晶表示素子は、特開平5−216015号、8−254688号、11−52341号、11−256164号、特開2000−239663号の各公報に示されている。
液晶素子は、薄型、軽量でかつ省電力性に優れることから、数々の機器のディスプレイとして広く利用されている。現在では、特に、パソコンモニター、TVとして、CRTに取って代わる勢いで普及が進んできている。また、携帯用電子機器の表示素子としては、まさにその特徴が十分に活かされている。液晶表示素子は一般的には2枚の薄い基板の間に液晶組成物を挟みこんだ構成となっているが、何らかの外部刺激がきっかけとなって、液晶素子内に気泡や配向不良が発生することがある。特に携帯用電子機器において薄型であることが要求される液晶表示素子の場合、基板として薄いガラス基板(約0.4mm厚)やプラスチック基板(厚み100〜250μm)が用いられるため、気泡、配向不良の発生は重要な品質課題である。
【0003】
本発明者らは、この様な不具合に対し、先に、液晶をゲル化できる化合物を液晶に加える事により液晶をゲル化し、気泡の発生等を抑えた液晶表示素子を提供した。また、その中でコントラストを向上させるため、可視光領域で透明なゲルを用いることにより光学効果が旋光性、複屈折性をしめすことを利用した、特にプラスチック基板使用の液晶表示素子を提供している。
しかしながら、液晶にゲル化剤を加えた液晶ゲル層を調光層として用いることは、そのゲル化剤濃度が高い場合、気泡発生等が生じないようにその耐久性を高めることはできるが、コントラストが悪化したり、駆動電圧が高くなる等の不具合が存在した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は以下の通りである。
(1)コントラストを向上させ、気泡、配向不良の発生を抑えた液晶表示素子を提供すること。
(2)非表示部の液晶ゲル状態が安定に存在する液晶表示素子を提供すること。
(3)表示特性が均一な液晶表示素子を提供すること。
(4)表示品質が高く、軽量性、可とう性に優れるプラスチック液晶表示素子を提供すること。
(5)コントラストが高く、気泡、配向不良の発生を抑えた液晶表示素子の製造方法を提供すること。
(6)コントラストが高く、気泡、配向不良の発生を抑えた液晶表示素子の製造方法を提供すること。
(7)生産性が高く、よりコントラストの高い液晶表示素子の製造方法を提供すること。
(8)より生産性の高い液晶表示素子の製造方法を提供すること。
(9)表示特性が均一な液晶表示素子の製造方法を提供すること。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、一対のガラス基板もしくは250μm以下のプラスチック基板の間に、液晶物質を含む調光層を形成した液晶表示素子において、気泡、配向不良等の不具合の発生を抑制することを検討した結果、両基板間に液晶を分子間水素結合によりゲル化(以下、「物理ゲル化」ということがある)できる化合物を含ませることにより気泡の発生を抑制できることを見出した。この効果は、液晶を物理ゲル化したゲル(以下、液晶ゲル)を非表示部にのみ配置することでも十分に達成できることを見出した。この場合、表示部には従来の液晶組成物のみの調光層が形成されるので、コントラストが高く、低電圧で駆動することができる液晶表示素子を得ることができる。
【0006】
非表示部に存在する液晶ゲルのゾル−ゲル転移温度を、液晶の液晶−等方性液体相転移温度よりも低くすることで、外部刺激等で液晶ゲル部位が破損した場合に、加熱により一旦ゾル状態にしてから速やかに冷却して再度ゲル化した液晶ゲル部位が表示部まで広がることなく修復できることを見出した。前記分子間水素結合によりゲル化させる低分子ゲル化剤(以下単にゲル化剤ということがある)の量は、その液晶ゲルが可視光に対して透明な範囲とすることが望ましい。ゲル化剤の量が多い場合、液晶ゲルは光散乱状態となるため表示部と非表示部の均一性が確保できないため表示品位が悪くなる。適正なゲル化剤量を用いることにより、表示特性が均一な液晶表示素子を得ることができる。
【0007】
表示品質が高く、軽量性、可撓性に優れる液晶表示素子を得るためには、液晶表示素子に使用するプラスチック基板を、250μm以下のポリカーボネイトあるいは、ポリエーテルスルフォンで形成することが有利であることを見出した。
コントラストが高く、気泡、配向不良の発生を抑えた液晶表示素子の生産性の高い製造方法において、非表示部に液晶ゲル層を形成するためには、一方の基板の該部位にあらかじめゲル化剤をフレキソ印刷、スクリーン印刷等の簡便な方法で印刷し、ギャップ材を介して他の基板と貼り合わせてセルを作製し、基板間に液晶注入後に加熱−冷却することが有効であることを見出した。
また、液晶とゲル化剤を混合して液晶ゲル状態にした混合物を、一方の基板の非表示部の一部に液晶注入の開口部を残して印刷した後、他の基板とギャップ材を介して貼り合わせたセルに液晶注入することでも、コントラストが高く、気泡の発生、配向不良の発生が抑制された液晶表示素子を得ることができた。
【0008】
さらに、上記のゲル化剤もしくは液晶ゲル混合物にあらかじめギャップ材を混合したものを印刷することで、ギャップ材散布工程が不要になり、生産性の高い製造方法を実現することができた。この場合、表示部にギャップ材を存在させないため、ギャップ材部分の黒表示での光漏れを防ぐことができるので、よりコントラストの高い表示素子が実現できた。ゲル化剤を付与したギャップ材を印刷等で非表示部に配置してセルを作製し、液晶注入後の加熱−冷却により液晶ゲル層を注入でき、液晶表示素子を効率よく生産することができる。
表示特性が均一な液晶表示素子の作製方法を提供すべく種々検討した結果、両基板間にゲル化剤もしくは液晶ゲル混合物を存在させた後に、液晶の注入を行う工程においてゲル化剤が常温では液晶と混和しない物であることで、表示部の液晶層へのゲル化剤のにじみだしを防ぐことができることを見出した。
【0009】
本発明の第1は、電極を備えた一対の基板間の表示部に液晶状態の液晶組成物を有し、該基板間の非表示部には液晶組成物と該液晶組成物を分子間水素結合によりゲル化させる低分子ゲル化剤とからなる液晶ゲル状態混合物を有することを特徴とする液晶表示素子に関する。
本発明の第2は、該液晶ゲル状態混合物のゾル−ゲル転移温度が、液晶−等方性液体相転移温度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子に関する。
本発明の第3は、該低分子ゲル化剤の量が、可視光に対して透明な液晶ゲル状態混合物を与える範囲の量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示素子に関する。
本発明の第4は、該基板が、ポリカーボネイト又はポリエーテルスルフォンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示素子に関する。
本発明の第5は、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示素子を得るために、一対の基板間にギャップ材を有するとともに、いずれか一方の基板上の非表示部に対応する部位にあらかじめ該低分子ゲル化剤が配置されている基板間に液晶を封入することを特徴とする液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明の第6は、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示素子を得るために、一対の基板間にギャップ材を有するとともに、いずれか一方の基板上の非表示部に対応する部位にあらかじめ該液晶ゲル状態混合物が配置されている基板間に液晶を封入することを特徴とする液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明の第7は、該低分子ゲル化剤もしくは該液晶ゲル状態混合物に所定量のギャップ材を混合し、この混合物をいずれか一方の基板上の非表示部に対応する部位にあらかじめ配置することを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明の第8は、該低分子ゲル化剤を付与したギャップ材を、いずれか一方の基板上の非表示部に対応する部位にあらかじめ配置したことを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明の第9は、該非表示部に配置された該低分子ゲル化剤もしくは該液晶ゲル状態混合物が、表示部への液晶封入時に液晶と混和しないことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶表示素子は、電極を備えた一対の基板間の表示部に、流動性ある液晶状態の液晶組成物が配置され、そして、該基板間の非表示部には、該液晶組成物と、該液晶組成物を物理ゲル化する低分子ゲル化剤とからなる液晶ゲル状態混合物が配置されている構造を有することを特徴とする。
本発明によるこのような構造の液晶表示素子は、コントラストが向上した気泡の発生及び配向不良の発生の抑制された高品質のものである。
【0011】
本発明者らは、基本的構成の液晶表示素子において気泡の発生実験をおこなったところ、気泡発生要因の一つとして押圧による気泡発生のあることが判った。
これは表示素子表面を何らかの形で押し、変形させることを意味している。押すことで基板が変形し、その変形部分の基板間が薄くなった状態で押す力を解除すると、基板が急激に元の状態に復元するのに伴って液晶の流れが生じ、この部分が周囲に比較して負圧となり、気泡が発生するものと推測された。これは可とう性の基板、特に250μm以下のフイルム基板を使用した場合は顕著である。さらに、両基板が接するほどの大きい力で押した場合には、互いの配向処理面がこすれ合って液晶の配向状態が乱れて表示面が変色してしまうような不具合が発生することがあった。
【0012】
本発明者らは、前記問題を解決するために、非表示部の基板間に流動性の小さい固体様の液晶ゲル層を配置した。これにより、表示素子は、押圧に対する耐久性が増すことで配向不良が発生しにくくなり、また、表示部の液晶層が非表示部の流動性のない液晶ゲルの壁により囲まれているため、液晶の急激な流れが緩和され、負圧になることが抑制されることで気泡発生が防止される。
【0013】
本明細書において言う液晶ゲル状態混合物とは、液晶組成物が低分子ゲル化剤によって物理ゲル化された状態にある液晶組成物と低分子ゲル化剤との混合物を意味する。この場合、液晶組成物は、低分子ゲル化剤によって形成された三次元ネットワーク構造中に取り込まれて、非流動性のゲル状態になっている。
この液晶ゲル状態混合物は、低分子ゲル化剤によって形成される三次元ネットワーク構造がそのゲル化剤の分子間水素結合により生じた物理ゲル化状態にあることから、加熱により、非流動性のゲル状態から流動性のゾル状態(液状)に可逆的に変化(転移)する。
【0014】
本発明で用いる低分子ゲル化剤は、分子間水素結合により三次元ネットワーク構造を形成し、そして流動性物質(液状物質)をそのネットワーク構造中に取り込んでゲル化させる性質を有するものであり、液晶組成物に混和させたときに、その液晶組成物をゲル化させる作用を示す。本発明で用いる前記特性を持つ低分子ゲル化剤は、既に公知の物質である。
【0015】
本発明で用いる前記低分子ゲル化剤において、低分子とは、そのゲル化剤が分子量分布を持たない化合物であることを意味する。その分子量は、2000以下、特に1000〜2000であることが好ましい。分子間水素結合が可能な分子構造上の条件は、一般的には、アミド基(−NHCO−)、アミノ基(−NH−)とカルボニル基(−CO−)の組み合わせを有するものが望ましい。これ以外に、カルバメート基、ウレア基、カルボキシル基、アルコキシ基、リン酸基および水酸基などがあっても良く、これらの数、位置については特に限定されない。
本発明では、そのようなゲル化剤の中でも、特に、分子間水素結合が可能な基およびアルキレン基を1分子中にそれぞれ2個以上有する化合物の使用が望ましい。アルキレン基としては、炭素数4以上、好ましくは6〜20の長鎖構造(分岐があっても良い)を持つ方が、液晶への溶解性が高く好ましい。また、ゲル化剤はキラル構造を有することが好ましい。具体的には、特開平5−216015号、8−254688号、11−21556号、11−52341号公報、特開2000−239663号公報等に開示されている低分子ゲル化剤等が使用できる。
本発明でいう液晶ゲルは物理ゲルであり、ゲル状態からゾル状態への可逆的変化が可能なものをさす。ゲル状態からゾル状態への変化が可能であれば、三次元網目構造の架橋部分の構造には限定をうけないが、その架橋構造は一般的に共有結合以外の二次的結合力によるものの場合が多い。ここで言う二次的結合力とは、分子間力結合(水素結合、分子配向、ヘリックス形成、ラメラ形成等)、イオン結合によるものである。分子間力結合によるゲルのゾルへの変化は一般的に温度を上げることによって引き起こすことができる。
【0016】
本発明において用いられる液晶としては、従来から液晶表示素子に用いられている液晶分子、具体的にはネマティックあるいはスメクティック相を示すビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系などの各種液晶分子を用いることができる。
【0017】
本発明の液晶表示素子においては、非表示部の液晶ゲルのゾル−ゲル転移温度を液晶の液晶−等方性液体相転移温度よりも低くすることが重要である。前述のように、液晶ゲルは低分子ゲル化剤分子の三次元網目構造に液晶が取り込まれた状態で流動性を失っている。この三次元網目構造はゾル−ゲル転移温度以上に加熱しないと壊れないため、それ以下の温度では安定に存在する。外部刺激等で液晶ゲル部位が破損した場合には、ゾル−ゲル転移温度よりやや高い温度、望ましくは+5℃以内までの加熱により一旦ゾル状態にしてから、速やかに冷却することにより、再ゲル化した液晶ゲル部位が表示部まで広がるのを抑制して、そのゲル状態を修復することができる。ゾル−ゲル転移温度より高い(5℃以上)温度や液晶の液晶−等方性液体相転移温度より高い温度に長時間放置すると、ゲル化剤が液晶中で拡散するため、室温にまで冷却された場合、表示部まで液晶ゲル層が広がり、表示特性にばらつきを生じる。本発明による液晶ゲル状態混合物の好ましいゾル−ゲル転移温度は、液晶−等方性液体相転移温度よりも10℃以上、好ましくは20℃以上低い温度である。
【0018】
本発明で用いるゲル化剤の量は、調光層が可視光に対して透明な範囲とすることが望ましい。液晶をゲル化させるために必要な前記ゲル化剤の量は、液晶に対して0.05〜10wt%である。ゲル化剤の量の最適値は、液晶およびゲル化剤の種類によって異なるが、液晶が可視光に対して散乱しない範囲、すなわち透明な範囲の量であることが好ましい。換言すれば、透明な範囲でゲル化できる化合物を選択できることが好ましい。液晶が透明な範囲でゲル化できる具体的な添加量は、0.4wt%以下、より好ましくは0.2wt%以下である。
【0019】
本発明の表示素子用基板としては、プラスチック基板やガラス基板を用いることができるが、プラスチック基板の使用が好ましい。プラスチック基板は表示素子の性格上、可視光に対して透明なものが好ましく、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアクリレート系、ポリエーテル系等汎用の高分子材料を用いる事ができるが、リターデーションが小さく、ガス透過性(水分、酸素、窒素)が少なく、可視光の透過性が高く、線膨張係数が小さく、耐熱性の高い材料が好ましい。特に厚み250μm以下のものを使用することが軽量性、厚み、破断しない等で好ましいが、基板の厚みが薄くなるに従い、外部圧力に対する変形もし易くなるため、気泡の発生の危険性も上昇することとなる。本発明の態様はこのような薄いプラスチックフィルムを用いたときに特に大きな効果を発揮する。基板にプラスチック基板を使用することは従来から公知であり、前述の低分子ゲル化剤によって液晶をゲル化する技術を用いている特許群にも、プラスチック基板を使用できることが開示されている。しかしながら本発明のような目的解決の思想はなく、たんにゲル化した液晶を保持させる基板として使用可能であるということを開示しているにすぎない。
本発明で用いるプラスチック基板において、その厚さは80〜250μm、好ましくは100〜200μmである。
【0020】
本発明に好ましく使用するプラスチック基板としては、ポリカーボネイトやポリエーテルスルフォンが最適である。このような材質の250μm程度の基板は、リターデーション、可視光の透過性、耐熱性(〜150度)、基板の軽量性、厚みの点で優れており、表示素子を形成した場合、表示品質が高く、軽量性、可とう性、生産性に優れる液晶表示素子を提供できる。
【0021】
次に、非表示部の基板間に液晶ゲル層を有する液晶表示素子を生産性良く形成するための製造方法について詳述する。
本発明による液晶表示素子を製造するための好ましい方法の1つについて、その基本工程を図1に示す。
所定の電極パターンを形成し配向処理が施された2枚の第1及び第2基板を用意し、その一方の基板に(図1では第1基板)、所定濃度のゲル化剤を溶解させた塗布溶液を非表示部にフレキソ印刷等により塗布した。塗布後の基板を加熱乾燥し溶媒を除去する。表示部へのしみだしを考慮し、非表示部幅より狭い範囲に塗布することが望ましい。第2基板にはギャップ材を散布し、この両基板をシール剤(接着剤)を介して貼り合わせ空セルを形成する。この空セルに液晶を注入した後、塗布したゲル化剤と液晶が混和する温度(あらかじめ測定したゾル−ゲル転移温度よりやや高い温度)に加熱し、それらが混和したら速やかに室温まで冷却する。このようにして、非表示部の基板間に液晶ゲル層を有する、コントラストが高く、気泡、配向不良等の発生のない液晶表示素子の生産性の高い製造方法を実現できる。
【0022】
本発明による液晶表示素子を製造するための他の好ましい方法について、その基本工程を図2に示す。
図1と同様に、2枚の基板の一方に、あらかじめ液晶とゲル化剤を混和し、液晶ゲル状態の混合物としたものをスクリーン印刷等で塗布し、他の一方の基板にはギャップ材を散布し、この両基板をシール剤を介して貼り合わせ、空セルを作製した。液晶ゲル状態の混合物の塗布量は、貼り合わせた基板間で液晶ゲル壁が非表示部内で形成されるべき量とする。また、塗布パターンは液晶注入のための開口部をあけておく必要がある(図2を参照)。このようにして、前記の製造方法と同様に、非表示部の基板間に液晶ゲル層を有する、コントラストが高く、気泡、配向不良等の発生のない液晶表示素子の生産性のが高い製造方法を実現できる。
【0023】
前記の製造方法は、第1の基板にゲル化剤もしくは液晶ゲル状態の混合物を塗布し、第2の基板にギャップ材を散布するという製造方法であるが、第1の基板への塗布物にギャップ材を混合し、塗布することで、より簡便な製造方法が提供できる。
【0024】
本発明により液晶表示素子を製造する場合、ゲル化剤が付与されたギャップ材を溶媒に分散させ、この分散液を印刷塗布することで、ギャップ材とゲル化剤を所定のパターンに同時に配置する製造方法が提供できる。この場合も塗布後の加熱乾燥による溶媒の除去及び液晶注入後の加熱−冷却による液晶ゲル層の形成工程が必要となるが、生産性の高い製造方法である。
ただし、前記の製造方法では非表示部にのみギャップ材を配置することになるので、非表示部に比較して表示部の面積が広い場合には、表示部のセル厚均一性が保たれなくなる可能性があるため、作製する素子の表示パターンに留意する必要がある。
なお、ゲル化剤が付与されたギャップ材とは、真球状の高分子樹脂ビーズや無機シリカ粒子等からなるギャップ材の表面に、ゲル化剤を付着もしくは塗布したものを意味する。
【0025】
本発明により表示特性が均一な液晶表示素子を製造する場合、両基板間にゲル化剤もしくは液晶ゲル混合物を存在させた後に、液晶の注入を行う工程においてゲル化剤が常温では液晶と混和しない物であることで、表示部の液晶層へのゲル化剤のにじみだしを防ぐことができる。
【0026】
前記のように、本発明の表示素子の製造においては、その空セルへの液晶注入時に印刷したゲル化剤もしくは液晶ゲル混合物と液晶が混和しないようにすることが重要である。混和してしまうと液晶の注入に従ってゲル化おこり、それ以上の注入ができなくなったり、ゲル化剤がセル内の表示部にまで拡散して液晶ゲルを生成させてしまう現象が発生し、表示部の均一な表示性能が確保できなくなってしまう。この現象は、液晶を注入する温度では液晶と混和しない化合物を選択することにより回避可能である。液晶をゲル化する化合物が液晶と混和しないという意味は、表示素子として使用される動作環境温度域で、液晶に対するゲル化剤の溶解性が十分に小さい、あるいは十分に長い溶解時間が必要な化合物という意味であって、まったく混和しないという物である必要はない。液晶の注入後は、混和を促進するため温度を一旦ゾル−ゲル転移点以上に加熱し、その後、室温に冷却することにより本発明の液晶表示素子を提供できる。
【0027】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0028】
実施例1
基板として、寸法が30mm×40mm(0.4mm厚)のガラス基板を2枚用意し、図3に示すような表示になるようにITO電極層を形成し、配向処理膜としてポリイミドを積層し、その表面をラビング処理した。二枚のうち一方の基板に、低分子ゲル化剤(ZI18)を溶剤に溶かしたものを、図3に示すゲル化剤塗布パターンにスクリーン印刷し、加熱乾燥した。次に、ゲル化剤を塗布した部分の外側に、シール剤としてアミン硬化エポキシ樹脂中をディスペンサー塗布した。他の一方の基板には5μm粒径のシリカビーズ(ギャップ材)をイソプロピルアルコールを溶媒として、約100個/mm2の密度で散布した。
【0029】
この2枚の基板は、互いのラビング方向が直交しTN素子となるように貼り合わせて固定・硬化して、空セルを作製した。次に空セルを液晶注入用真空装置に移し、0.002Torrまで減圧した後に、液晶皿にセルの液晶注入口を付けてセル外部を常圧に戻し、液晶をセル中に導入し、注入後、注入口部を封止剤で塞ぎ硬化して液晶セルを得ることができた。注入した液晶は、ネマチック−等方液体相転移温度が106℃のTN用の液晶を用いた。あらかじめゲル化剤塗布部に形成される液晶ゲル層のゲル化剤濃度が約0.4wt%になるようにゲル化剤塗布量を調整した。このゲル化剤濃度でのゾル−ゲル転移温度は約67℃であるので、上記液晶セルを約70℃に加熱し、ゲル化剤と液晶を混和させ速やかに室温まで冷却した。このセルを顕微鏡で観察したら、ゲル化剤塗布部にゲルの三次元網目構造が確認され、また透明な液晶ゲル層が形成できていることが確認された。上記の手順で作製したセルの上下に偏光板を配しTN液晶表示素子を得た。このようにして得た本素子の表示特性は、同様の材料及びセルパラメータで作製した非表示部に液晶ゲル層がないTN液晶表示素子の表示特性(コントラスト25:1)と全く同じであった。
【0030】
また、偏光板を設置する前のセルにおいて、曲率(r)が4mmの先端形状を有するステンレスにより、作製した液晶セルの表面を押す試験(押圧試験)を実施した。押圧試験を実施した場所はシール剤内側で桝目状等間隔にて16個所(縦4×横4)で行なった。試験後、気泡、及び配向不良等の不具合は発生していなかった。
【0031】
前記ゲル化剤(Z118)は、下記構造式(1)を有するものである。
【化1】
【0032】
実施例2
実施例1と同様に、基板として、寸法が30mm×40mm(0.4mm厚)のガラス基板を2枚用意し、図4に示すような表示になるようにITO電極層を形成し、配向処理膜としてポリイミドを積層し、その表面をラビング処理した。
実施例1と同様のTN用液晶に低分子ゲル化剤(ZI18)を0.4wt%を混合し、加熱により混和させ、その後、冷却して液晶ゲル状態の混合物にしたものを、二枚のうち一方の基板に、図4に示す液晶ゲル層塗布パターンにスクリーン印刷した。次に、液晶ゲル層を塗布した部分の外側に、シール剤としてアミン硬化エポキシ樹脂中をディスペンサー塗布した。他の一方の基板には5μm粒径のシリカビーズ(ギャップ材)をイソプロピルアルコールを溶媒として、約100個/mm2の密度で散布した。この2枚の基板は、互いのラビング方向が直交しTN素子となるように貼り合わせて固定・硬化して、空セルを作製した。次に空セルを液晶注入用真空装置に移し、0.002Torrまで減圧した後に、液晶皿にセルの液晶注入口を付けてセル外部を常圧に戻し、液晶をセル中に導入し、注入後、注入口部を封止剤で塞ぎ硬化して、液晶セルを得ることができた。このセルを顕微鏡で観察したら、液晶ゲル層塗布部にゲルの三次元網目構造が確認され、また透明な液晶ゲル層が形成できていることが確認された。上記の手順で作製したセルの上下に偏光板を配しTN液晶表示素子を得た。この素子の表示特性は、同様の材料及びセルパラメータで作製した非表示部に液晶ゲル層がないTN液晶表示素子の表示特性と全く同じであった。
また、偏光板を設置する前のセルにおいて、曲率(r)が4mmの先端形状を有するステンレスにより、作製した液晶セルの表面を押す試験(押圧試験)を実施した。押圧試験を実施した場所はシール剤内側で桝目状等間隔にて16個所(縦4×横4)で行なった。試験後、気泡、及び配向不良等の不具合は発生していなかった。
【0033】
実施例3
実施例1において、低分子ゲル化剤(ZI18)を溶剤に溶かしたものに、5μm粒径のシリカビーズ(ギャップ材)を混合したものを一方の基板に、図3に示すゲル化剤塗布パターンにスクリーン印刷し、加熱乾燥した。もう一方の基板に、シール剤としてアミン硬化エポキシ樹脂中をディスペンサー塗布した。この2枚の基板を、互いのラビング方向が直交しTN素子となるように貼り合わせて固定・硬化して、空セルを作製した。この空セルに、実施例1と同様に液晶を注入、液晶ゲル層形成の処理を行うことで、液晶セルを作製した。表示部面内にギャップ材がなく、黒表示状態の光漏れが少ないため28:1以上の高いコントラストの液晶表示素子が得られた。同様の押圧試験でも不具合は発生しなかった。
また、ギャップ材散布工程がない生産性の高いプロセスであった。
【0034】
実施例4
実施例2の液晶ゲル混和物に5μm粒径のシリカビーズ(ギャップ材)を混合したものを一方の基板に、図4に示す液晶ゲル層剤塗布パターンにスクリーン印刷して、ギャップ材の含まれた液晶ゲル層を形成した。もう一方の基板にはシール剤を塗布し、この2枚の基板をTN素子となるように貼り合わせ空セルを作製した。この空セルに、同様の液晶を注入し、その表示特性を測定したら、実施例3の素子と同様の高いコントラストが得られた。
【0035】
実施例5
5μm粒径のシリカビーズ(ギャップ材)とゲル化剤(ZI18)をメチレンクロライド溶媒中で混合し、溶媒を揮発させてゲル化剤をその表面に付与したギャップ材を得た。このギャップ材をイソプロピルアルコールと混合したものを塗布溶液として、実施例1のように一方の基板に印刷し、もう一方の基板にはシール剤を塗布し、この2枚の基板をTN素子となるように貼り合わせ空セルを作製した。この空セルに、実施例1と同様に液晶を注入、液晶ゲル層形成の処理を行うことで、液晶セルを作製した。表示特性は実施例3と同じであった。
【0036】
実施例6
ITO付きのポリエーテルサルホン(PES基板:住友ベークライト製、厚み150μm)基板を用いて実施例1〜5と同様の液晶表示素子を作製した。その表示特性は、非表示部に液晶ゲル層がない素子と同等であったが、気泡発生が大幅に抑制されたものであった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、コントラストを向上させ、気泡発生及び配向不良の発生を抑えた液晶表示素子及びこの液晶表示素子を生産性よく製造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子を製造する方法の1つの実施態様についての基本工程図を示す。
【図2】本発明の液晶表示素子を製造する方法の他の実施態様についての基本工程図を示す。
【図3】基板に対して形成するゲル化剤塗布パターンの1例を示す。
【図4】基板に対して形成するゲル化剤塗布パターンの他の例を示す。
Claims (9)
- 電極を備えた一対の基板間の表示部に液晶状態の液晶組成物を有し、
該基板間の非表示部には液晶組成物と該液晶組成物を分子間水素結合によりゲル化させる低分子ゲル化剤とからなる液晶ゲル状態混合物を有することを特徴とする液晶表示素子。 - 該液晶ゲル状態混合物のゾル−ゲル転移温度が、液晶−等方性液体相転移温度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 該低分子ゲル化剤の量が、可視光に対して透明な液晶ゲル状態混合物を与える範囲の量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示素子。
- 該基板が、ポリカーボネイト又はポリエーテルスルフォンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示素子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示素子を得るために、一対の基板間にギャップ材を有するとともに、いずれか一方の基板上の非表示部に対応する部位にあらかじめ該低分子ゲル化剤が配置されている基板間に液晶を封入することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示素子を得るために、一対の基板間にギャップ材を有するとともに、いずれか一方の基板上の非表示部に対応する部位にあらかじめ該液晶ゲル状態混合物が配置されている基板間に液晶を封入することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
- 該低分子ゲル化剤もしくは該液晶ゲル状態混合物に所定量のギャップ材を混合し、この混合物をいずれか一方の基板上の非表示部に対応する部位にあらかじめ配置することを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶表示素子の製造方法。
- 該低分子ゲル化剤を付与したギャップ材を、いずれか一方の基板上の非表示部に対応する部位にあらかじめ配置したことを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶表示素子の製造方法。
- 該非表示部に配置された該低分子ゲル化剤もしくは該液晶ゲル状態混合物が、表示部への液晶封入時に液晶と混和しないことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法。
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