JP2002371104A - 樹脂の製造方法 - Google Patents

樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP2002371104A
JP2002371104A JP2001179789A JP2001179789A JP2002371104A JP 2002371104 A JP2002371104 A JP 2002371104A JP 2001179789 A JP2001179789 A JP 2001179789A JP 2001179789 A JP2001179789 A JP 2001179789A JP 2002371104 A JP2002371104 A JP 2002371104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
monomer
molecular weight
polymerization
styrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001179789A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinobu Sasaki
章亘 佐々木
Yoshihide Nagabuchi
慶秀 永渕
Yasuo Hiromoto
泰夫 廣本
Hisaaki Yoshimura
壽晃 好村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2001179789A priority Critical patent/JP2002371104A/ja
Publication of JP2002371104A publication Critical patent/JP2002371104A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の分子量を低減させる方法の提供。 【解決手段】 スチレン系単量体及び/又は(メタ)ア
クリル系単量体を構成成分とし重量平均分子量が200
0〜3万の範囲である樹脂Aが溶解した状態で単量体B
を重合する樹脂の製造方法。単量体Bが、スチレン系単
量体及び/又は(メタ)アクリル系単量体からなる樹脂
の製造方法。単量体Bから得られる樹脂の重量平均分子
量の増加率を0.8倍以下とする樹脂の製造方法。単量
体Bから得られる樹脂の分子量ピーク値の増加率を0.
8倍以下とする樹脂の製造方法。実質的に連鎖移動剤を
使用しない樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、コーティン
グ材料、樹脂添加剤、インキ、ワックス、バインダー
剤、粘着剤、接着剤、成型材料、光学材料等に利用でき
る、樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂材料は、塗料、コーティング材料、
樹脂添加剤、インキ、ワックス、バインダー剤、粘着
剤、接着剤、成型材料、光学材料等と、広範囲な利用が
可能である。そのため、樹脂の製造方法に関して多くの
検討がなされてきた。
【0003】樹脂材料は、分子量が大きくなると耐衝撃性、
粘弾性が増す等のメリットがある反面、溶融しにくくな
る、成型性が悪くなる等のデメリットを生じる場合もあ
るので、用途に応じて分子量を低くする(調整する)必
要がある。
【0004】樹脂材料を製造する際にも、分子量が大きくな
ると、粘性が高くなることで重合反応の自己促進効果が
高まり、重合が暴走する危険性があるので、場合に応じ
て分子量を低くする必要がある。
【0005】樹脂材料の分子量の調整方法としては、例え
ば、スチレン系単量体や(メタ)アクリル系単量体等を
原料とする場合は、ラジカルの連鎖移動作用のある連鎖
移動剤を重合時に使用する方法が知られている。
【0006】この連鎖移動剤としては、n-オクチルメルカ
プタンや、t-ドデシルメルカプタンに代表されるメル
カプタン系化合物が一般的に用いられている。また、特
開昭60−166958号公報では、数平均分子量50
0〜1500であるポリα−メチルスチレンの使用が提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、メルカプタン
系化合物は一般に不快な匂いを有しており、樹脂材料の
用途によっては、その使用が制限されることがあった。
また、上述のようなポリα−メチルスチレンを使用する
と、得られる樹脂材料中にいわゆるオリゴマー成分が多
量に存在することになり、耐熱性や弾性等が損なわれや
すかった。本発明の目的は、これら連鎖移動剤を使用し
なくても樹脂の分子量を低減させる方法を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定の樹脂の存在下で単量体を重合することに
よって、上記課題を解決できることを見いだし、本発明
を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、スチレン系単量体及び/
又は(メタ)アクリル系単量体を構成成分とし重量平均
分子量が2000〜3万の範囲である樹脂Aが溶解した
状態で単量体Bを重合する樹脂の製造方法に関するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用する樹脂Aは、その
重量平均分子量が2000〜3万の範囲である必要があ
る。これは、樹脂Aの重量平均分子量が2000未満で
あると、得られる樹脂の耐熱性や弾性などが損なわれる
傾向にあるためである。好ましくは、2500以上であ
る。また、3万を超えると単量体Bへの溶解性が低下す
るために、溶解に時間を要し、生産性が悪くなる傾向に
ある。好ましくは、2.5万以下である。
【0011】また、単量体Bへの溶解性や分子量低減効果の
点から、樹脂Aの構成成分としては、スチレン系単量体
及び/又は(メタ)アクリル系単量体を使用する必要が
ある。
【0012】樹脂Aの構成成分であるスチレン系単量体とし
ては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デンシルスチ
レン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、3,4−ジクロロスチレンを挙げることができる。
これらは、必要に応じて一種以上を適宜選択して使用す
ることができる。
【0013】また、樹脂Aの構成成分である(メタ)アクリ
ル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ステアリル等を挙げることができる。これら
は、必要に応じて一種以上を適宜選択して使用すること
ができる。
【0014】樹脂Aの構成成分としては、本発明の効果を損
ねない範囲で、スチレン系単量体や(メタ)アクリル系
単量体以外の化合物を使用しても良い。樹脂Aの構成成
分としては、スチレン系単量体と(メタ)アクリル系単
量体の合計が、5質量%以上であることが好ましく、1
0質量%以上であることがより好ましく、50質量%以
上であることが特に好ましい。
【0015】樹脂Aの製造方法は特に限定されるものではな
いが、その生産性の高さ、生産の容易性の観点から、以
下の方法で行うのが好ましい。すなわち、(1)スチレン
系単量体や(メタ)アクリル系単量体を含有する単量体、
及び必要に応じて重合開始剤、溶剤を(2)攪拌されてい
る重合器に連続的に供給し、150〜300℃の条件で
連続的に重合し、(3)必要に応じて、多段重合する方法
である。
【0016】(3)の多段重合を行う場合は、攪拌されている
重合器や、管型重合器や駆動部のないミキシング部(い
わゆる、スタティックミキサー)を備えた重合器等を使
用することができる。
【0017】樹脂Aの製造時には、低分子量化の促進や生産
速度の増加等を目的として、重合開始剤を使用すること
ができる。重合開始剤の使用量は、単量体100質量部
に対して20質量部以下が好ましい。これは、重合開始
剤の使用量を20質量部以下とすることによって、重合
開始剤に起因する副生成物の増加を抑えることができ、
製造コストも低減できる傾向にあるためである。より好
ましくは10質量部以下、さらに好ましくは0.05質
量部〜5質量部の範囲である。
【0018】使用できる重合開始剤としては特に限定される
ものではなく、例えば、アゾビスイソブチルニトリル、
アゾビスバレロニトリル等のアゾ系化合物や、ベンソイ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ
−t−ヘキシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエ−ト等の有機過酸化物系化合物を必要に応じて
適宜選択して使用することができる。
【0019】また、樹脂Aの製造時には、樹脂粘度の低下、
重合発熱による温度上昇の抑制、溶剤への連鎖移動効果
による低分子量化の促進等を目的として、溶剤を使用す
ることができる。溶剤の使用量は、単量体100質量部
に対して25質量部以下が好ましい。これは、溶剤の使
用量を25質量部以下とすることによって、高重合温度
(例えば150℃〜300℃の範囲)を維持し、樹脂を
低分子量化させることが容易となる傾向にあるためであ
る。
【0020】使用できる溶剤としては特に限定されるもので
はなく、例えば、へキサン、ヘプタン、石油エーテル等
の脂肪族炭化水素、シク口へキサン等のシクロアルカン
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、クメン、ジエチルベンセン等の芳香族炭化水素、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレ
ン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、酢後−n
−プロピル、酢酸−n−ブチル等のエステル化合物を必
要に応じて適宜選択して使用することができる。
【0021】なお、樹脂Aの製造時において、必要であれば
さらに連鎖移動剤を用いることが可能であるが、特に連
鎖移動剤としてメルカプタン系化合物やポリα−メチル
スチレンを用いるのは、本発明の目的が損なわれる可能
性があるので好ましくない。
【0022】上述のようにして得られる樹脂Aは、そのまま
本発明に使用することができる。また、必要に応じて、
残存単量体や溶剤を除去してから使用しても良いし、再
沈操作などにより樹脂を精製してから使用しても良い。
【0023】本発明で使用する単量体Bは、樹脂Aを溶解す
る化合物であれば特に限定されるものではないが、樹脂
Aとの溶解性が良好である傾向にある点から、スチレン
系単量体や(メタ)アクリル系単量体が好ましい。
【0024】単量体Bとして使用されるスチレン系単量体と
しては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチ
レン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デンシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルス
チレン、3,4−ジクロロスチレンを挙げることができ
る。これらは、必要に応じて一種以上を適宜選択して使
用することができる。
【0025】また、単量体Bとして使用される(メタ)アク
リル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタク
リル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ステアリル等を挙げることができる。これ
らは、必要に応じて一種以上を適宜選択して使用するこ
とができる。
【0026】単量体Bとしては、本発明の効果を損ねない範
囲で、スチレン系単量体や(メタ)アクリル系単量体以
外の化合物を使用しても良い。単量体Bの比率として
は、スチレン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の合
計が、5質量%以上であることが好ましく、10質量%
以上であることがより好ましく、50質量%以上である
ことが特に好ましい。
【0027】本発明では、樹脂Aが溶解した状態で単量体B
を重合するが、樹脂Aを単量体Bに溶解する方法は特に
限定されるものではなく、例えば、単量体Bを攪拌しな
がら樹脂Aを供給して溶解する方法や、単量体Bに樹脂
Aを供給して静置のまま溶解する方法を採用することが
できる。
【0028】重合時における樹脂Aと単量体Bとの配合比
は、特に限定されるものではないが、質量比の関係を
0.0001≦A/B≦9とするのが好ましい。これ
は、A/Bを0.0001以上とすることによって、本
発明による樹脂の低分子量化の効果が顕著となる傾向に
あるためである。より好ましくは0.001以上であ
る。また、A/Bを9以下とすることによって、樹脂A
の単量体Bへの溶解性が良好となるために、均一な樹脂
が得られる傾向にある。より好ましくは5以下である。
【0029】単量体Bの重合時には、重合速度向上等を目的
として、重合開始剤を使用することができる。重合開始
剤の使用量は、単量体B100質量部に対して1質量部
以下が好ましい。これは、重合開始剤の使用量を1質量
部以下とすることによって、重合安定性に優れる傾向に
あるためである。より好ましくは、0.5%以下であ
る。また、重合開始剤を0.005質量部以上使用する
ことによって、上述の重合速度向上の効果が得られる傾
向にあり好ましい。重合開始剤の添加方法は特に限定さ
れるものではなく、単量体Bにあらかじめ配合する方
法、樹脂Aと単量体Bを溶解した後に添加する方法等を
採用することができる。
【0030】使用できる重合開始剤としては特に限定される
ものではなく、例えば、アゾビスイソブチルニトリル、
アゾビスバレロニトリル等のアゾ系化合物、ベンソイル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−
t−ヘキシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエ−ト等の有機過酸化物系化合物、過硫酸カリウム
等の過硫酸塩化合物、レドックス系開始剤が例示され
る。
【0031】なお、重合温度を充分に高くすることによっ
て、重合開始剤を用いなくても重合を進行させることが
でき、重合開始剤に由来する不純物を含有しない樹脂を
製造することができる。本発明で得られる樹脂の用途に
よっては、重合時に重合開始剤を使用しないほうが好ま
しい場合がある。
【0032】単量体Bの重合時には、さらに必要に応じて、
樹脂改質剤や添加剤等を添加することができる。
【0033】本発明における、樹脂の重合方法は特に限定さ
れるものではなく、例えば、樹脂Aと単量体Bからなる
溶液をそのまま重合する塊状重合、樹脂Aと単量体Bか
らなる溶液を水に分散させて重合する懸濁重合、界面活
性剤を利用して重合する乳化重合、界面活性剤を使用し
ないで重合するソープフリー重合、あらかじめ溶液を水
中に分散した後重合する強制乳化重合、溶剤存在下で重
合する溶液重合等を挙げることができるが、中でも不純
物が少ないという点で塊状重合が好ましい。
【0034】本発明によって、実質的に連鎖移動剤を使用し
なくても単量体Bから得られる樹脂の分子量を下げるこ
とができ、具体的には、単量体Bから得られる樹脂の重
量平均分子量の増加率を0.8倍以下とすることができ
る。
【0035】この重量平均分子量の増加率は、樹脂Aなしで
単量体Bを重合した時の重量平均分子量Mw1、及び、
樹脂Aが溶解した状態で単量体Bを重合した時の単量体
Bの重合物に相当する部分の重量平均分子量Mw2を測
定し、Mw2/Mw1から求められる値である。
【0036】また、本発明によって、単量体Bから得られる
樹脂の分子量ピーク値の増加率を0.8倍以下とするこ
とができる。
【0037】この分子量ピーク値の増加率は、樹脂Aなしで
単量体Bを重合した時の分子量ピーク値Mp1、及び、
樹脂Aが溶解した状態で単量体Bを重合した時の単量体
Bの重合物に相当する部分の分子量ピーク値Mp2を測
定し、Mp2/Mp1から求められる値である。ここで
分子量ピークとは、分子量分布曲線において、山となっ
ている部分の分子量のことである。
【0038】以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
する。
【0039】
【実施例】以下の実施例においては、以下の測定方法を
用いた。 (1)分子量測定 ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)に
より測定し、重量平均分子量Mwや、分子量ピークMp
を算出した。下記の測定系を使用し、ポリスチレン換算
により求めた。この際、ポリスチレン標準試料として
は、下記の分子量:6200000〜500のもの(合
計12種類;いずれも東ソ−社製)を用いた。 商品名 分子量 F−700 6200000 F−228 2800000 F−128 1100000 F−80 707000 F−40 354000 F−20 189000 F−10 98900 F−4F 37200 F−1 9830 A−5000 5870 A−1000 870 A−500 500 <GPC> GPC装置:東ソ−社製、HCL−8020 カラム:TSKGel GMHXL(東ソ−社製、内径
7.8mm×長さ30cm)2本 TSKguardculmn HXL−H(東ソ−社
製、内径6.0mm×長さ4.0cm)1本 移動相:テトラヒドロフラン サンプル注入量:0.1ml サンプル濃度:1mg/ml 流速:1.0ml/min 検出器はRI(示差屈折率計)を使用
【0040】(2)残存単量体、重合率の測定 ガスクロマトグラフィー装置:島津社製、GC−14B 溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF) サンプル:DMF約10gに、樹脂(残存単量体を含
む)約0.5gを溶解 内標:イソプロピルアルコール 注入量:1μL インジエクション温度:200℃ カラム温度:120℃
【0041】(製造例1):樹脂Aなしで単量体Bを重合 スチレン100gとt-ブチルパーオキシベンゾエート
(日本油脂社製、パーブチルZ)0.05gを混合し、
窒素バブリング3分、真空引き1kPa(絶対圧力)3
分を3回繰り返した。この混合液約0.5gを内径2m
m、外径4mmのガラス管に入れて密栓した。この管を
130℃に保たれた熱媒装置の中に入れて、130℃で
6時間重合した。重合率は93.7%であった。また、
重量平均分子量(Mw)34.5万(=Mw1)、数平
均分子量(Mn)15.3万、分子量ピーク(Mp)2
9.3万(=Mp1)、Mw/Mn=2.3であった。
【0042】(製造例2):樹脂Aの製造 図1に示す装置を用いて実施した。槽型重合器3(東洋
高圧社製)の全容積は5Lのものを使用し、攪拌機4に
は、ヘリカルリボン翼を使用した。槽型重合器には、1
000kPaの窒素を予め充填しておいた。まず、槽型
重合器3下部のバルブ(図示せず)を閉めた状態で、槽
型重合器3のジャケットに205℃に加熱された熱媒を
循環させながら、スチレン100質量部とジ−t−ブチ
ルパーオキサイド(日本油脂社製、パーブチルD)0.
5質量部とからなる混合液を20℃に保って、0.10
5kg/minの流量で30分送り、10分間保持し
た。その後、槽型重合器下部のバルブを開けると同時
に、混合液の供給を同流量で再開し、ポンプ5を稼働
し、0.105kg/minでポリスチレンを連続的に
取り出した。連続重合中、実容積が3Lとなる液面より
5mm上、及び5mm下に熱電対を設置し、2点の温度
を測定することにより液面を感知した。液面より下の温
度(重合温度)は235℃、液面より上の温度は202
℃であり、この2点の間に液面が存在することが確認さ
れた。製造されるポリスチレンの比重は約1050kg
/mであり、槽型重合器内の平均滞在時間は30分と
計算された。ポンプ5の後に、内径25mm、長さ50
0mm管型重合器6(容積245cm )を設置し、そ
のジャケットには240℃に加熱された熱媒を循環し
た。滞在時間は約2.5分と計算された。製造された樹
脂の重合率97.2%、Mw=6100、Mn=240
0、Mp=4600、Mw/Mn=2.5、分子量が5
00以下のオリゴマーは、2.8%であった。この樹脂
を真空乾燥機(ヤマト科学社製、DP61)で、1kP
a(絶対圧)、170℃で2時間乾燥することにより、
残存スチレン量を200ppmとした。
【0043】(製造例3):樹脂Aなしで単量体Bを重合 単量体Bとしてスチレン90g、アクリル酸n−ブチル
10gを使用し、重合開始剤としてジ−t−ブチルパー
オキサイド(日本油脂社製、パーブチルD)を0.05
g使用した以外は製造例1と同様な操作を実施した。重
合率は91.5%であった。また、Mw=39.8万
(=Mw1)、Mn=17.2万、Mp=38.3万
(Mp1)、Mw/Mn=2.3であった。
【0044】(製造例4):樹脂Aの製造 樹脂Aの構成成分として、スチレン90質量部、メタク
リル酸n−ブチル(三菱レイヨン社製)10質量部使用
した以外は、製造例2と同様な操作を実施した。製造さ
れた樹脂の重合率は96.1%、Mw=6200、Mn
=2700、Mp=4700、Mw/Mn=2.3、分
子量が500以下のオリゴマーは、2.8%であった。
乾燥により、残存スチレン量を210ppm、残存メタ
クリル酸n−ブチル量を30ppmとした。
【0045】(製造例5):樹脂Aなしで単量体Bを重合 スチレン100gを計量し、窒素バブリング3分、真空
引き1kPa(絶対圧力)3分を3回繰り返した。この
混合液約0.5gを内径2mm、外径4mmのガラス管
に入れて密栓した。この管を130℃に保たれた熱媒装
置の中に入れて、130℃で2時間重合した。重合率は
33.4%であった。また、Mw=35.9万(=Mw
1)、Mn=19.4万、Mp=35.4万(Mp
1)、Mw/Mn=1.8であった。
【0046】(製造例6):樹脂Aの製造 樹脂Aの構成成分として、スチレン100質量部とジ−
t−ヘキシルパーオキサイド(日本油脂社製、パーヘキ
シルD)1.0質量部とからなる混合液を使用し、槽型
重合器3のジャケットに260℃に加熱された熱媒を循
環させた以外は、製造例2と同様な操作を実施した。製
造された樹脂の重合率は96.6%、Mw=2800、
Mn=1300、Mp=2300、Mw/Mn=2.
1、分子量が500以下のオリゴマーは、3.5%であ
った。乾燥により、残存スチレン量を200pmとし
た。
【0047】(実施例1)スチレン100gに製造例2で製
造した樹脂A100gを加え、25℃で12hr放置し
て溶解した後、t−ブチルパーオキシベンゾエート(日
本油脂社製、パーブチルZ)0.05gを混合した。こ
の混合液に製造例1と同様な操作を行い、樹脂を製造し
た。得られた樹脂の重合率は92.5%であり、分子量
ピークは、4.2万(=Mp2)、及び5100に存在
した。得られた樹脂に不快な臭気はなかった。また、こ
れら2つのピーク間の谷で区切った場合、高分子量側の
Mwは6.0万(Mw2)、Mnは4.1万、Mw/M
n=1.5であった。また、低分子量側のMwは570
0、Mnは1800、Mw/Mn=3.2であった。製
造例1と比較すると、Mw2/Mw1=6.0万/3
4.5万=0.17、Mp2/Mp1=4.2万/2
9.3万=0.14と計算された。
【0048】(実施例2)スチレン90gとアクリル酸n−
ブチル10gに、製造例4で製造した樹脂A100gを
加え、25℃で12時間放置して溶解した後、ジ−t−
ブチルパーオキサイド(日本油脂社製、パーブチルD)
を0.05gを混合した。この混合液に製造例3と同様
な操作を行い、樹脂を製造した。得られた樹脂の重合率
は91.0%であり、分子量ピークは、4.5万(=M
p2)、及び5300に存在した。得られた樹脂に不快
な臭気はなかった。また、これら2つのピーク間の谷で
区切った場合、高分子量側のMwは6.6万(=Mw
2)、Mnは4.5万、Mw/Mn=1.5であった。
また、低分子量側のMwは6200、Mnは1900、
Mw/Mn=3.3であった。製造例3と比較すると、
Mw2/Mw1=6.6万/39.8万=0.17、M
p2/Mp1=4.5万/38.3万=0.12と計算
された。
【0049】(実施例3)スチレン100gに、製造例6で
製造した樹脂A10gを加え、25℃で12時間放置し
て溶解し、窒素バブリング3分、真空引き1kPa(絶
対圧力)3分を3回繰り返した。この混合液約0.5g
を内径2mm、外径4mmのガラス管に入れて密栓し
た。この管を130℃に保たれた熱媒装置の中に入れ
て、130℃で2時間重合した。得られた樹脂の重合率
は34.7%であり、分子量ピークは、20.2万(=
Mp2)、及び2100に存在した。得られた樹脂に不
快な臭気はなかった。また、これら2つのピーク間の谷
で区切った場合、高分子量側のMwは21.0万(=M
w2)、Mnは9.1万、Mw/Mn=2.3であっ
た。また、低分子量側のMwは3600、Mnは160
0、Mw/Mn=2.3であった。製造例5と比較する
と、Mw2/Mw1=21.0万/35.9万=0.5
8、Mp2/Mp1=20.2万/35.4万=0.5
7と計算された。
【0050】(実施例4)スチレン100gに、製造例6で
製造した樹脂A5gを加えた以外は実施例3と同様な操
作を実施した。得られた樹脂の重合率は34.3%であ
り、分子量ピークは、24.8万(=Mp2)、及び2
200に存在した。得られた樹脂に不快な臭気はなかっ
た。また、これら2つのピーク間の谷で区切った場合、
高分子量側のMwは24.5万(=Mw2)、Mnは
9.5万、Mw/Mn=2.6であった。また、低分子
量側のMwは3400、Mnは1500、Mw/Mn=
2.3であった。製造例5と比較すると、Mw2/Mw
1=24.5万/35.9万=0.68、Mp2/Mp
1=24.8万/35.4万=0.70と計算された
【0051】
【発明の効果】本発明によって、メルカプタン系化合物
等の連鎖移動剤を使用しなくても樹脂の分子量を低減さ
せることができ、不快な匂いのない樹脂を製造すること
ができ、工業上非常に有益である。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の製造を説明するための概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 原料タンク 2 ポンプ 3 槽型重合器 4 攪拌機 5 ポンプ 6 管型重合器 7 回収タンク 8 コンデンサー 9 ポンプ
フロントページの続き (72)発明者 好村 壽晃 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 PA65 PA69 PC02 PC08 4J026 AA17 AA21 AA45 AC33 BA05 BA08 BA27 BB01 BB03 DA02 DA08 DA12 DA15 DB03 DB04 DB05 DB12 DB15 DB16 GA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体及び/又は(メタ)ア
    クリル系単量体を構成成分とし重量平均分子量が200
    0〜3万の範囲である樹脂Aが溶解した状態で単量体B
    を重合する、樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 単量体Bが、スチレン系単量体及び/又
    は(メタ)アクリル系単量体からなる、請求項1記載の
    樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 単量体Bから得られる樹脂の重量平均分
    子量の増加率を0.8倍以下とする、請求項1又は2記
    載の樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 単量体Bから得られる樹脂の分子量ピー
    ク値の増加率を0.8倍以下とする、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 実質的に連鎖移動剤を使用しない、請求
    項1〜4のいずれかに記載の樹脂の製造方法。
JP2001179789A 2001-06-14 2001-06-14 樹脂の製造方法 Pending JP2002371104A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001179789A JP2002371104A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001179789A JP2002371104A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 樹脂の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002371104A true JP2002371104A (ja) 2002-12-26

Family

ID=19020306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001179789A Pending JP2002371104A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002371104A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7964690B2 (en) 2005-11-24 2011-06-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation Methacrylic resin and process for producing thererof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7964690B2 (en) 2005-11-24 2011-06-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation Methacrylic resin and process for producing thererof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000026507A (ja) メタクリル系重合体およびその製造方法
JP6114459B1 (ja) メタクリル系樹脂
KR890004355B1 (ko) 투명 내열성 스티렌계 공중합체
JP2018053216A (ja) メタクリル系樹脂及びその製造方法
JP4822751B2 (ja) 共重合体およびその製造方法
JPS6390515A (ja) 耐熱性樹脂組成物の製造方法
JP2002371104A (ja) 樹脂の製造方法
JPS59120606A (ja) スチレンとブタジエンの共重合体の形成方法
JPH10152505A (ja) スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法
JP3577380B2 (ja) スチレン系樹脂の連続的製造方法
JP2002030192A (ja) トナー用樹脂組成物の製造方法
JPH06239905A (ja) メタクリル系板状重合体の製造方法
JPH06228212A (ja) 球状重合体粒子の製造方法
JPH0853517A (ja) 耐熱性に優れた光学材料用高屈折率樹脂
JPH03212402A (ja) スチレン系樹脂の製造方法
JP7279559B2 (ja) ビニル系重合体の製造方法
JPH09268202A (ja) シラップおよびその製造方法
JPH04213307A (ja) 末端に官能基を有するスチレン系ポリマーの製造法
JP2670402B2 (ja) 高分子量スチレン系重合体の製造方法
JPH03140311A (ja) スチレン系重合体の製造方法
JPH11269205A (ja) 低分子量スチレン系重合体の製造方法
JPS5851961B2 (ja) 共重合体の製造方法
JP2005187505A (ja) ビニル系重合体組成物の製造方法
JPH05194609A (ja) 共重合体の製造方法
JPH06329705A (ja) αアルキルスチレン共重合体の製造方法