JP2002370633A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JP2002370633A
JP2002370633A JP2001178979A JP2001178979A JP2002370633A JP 2002370633 A JP2002370633 A JP 2002370633A JP 2001178979 A JP2001178979 A JP 2001178979A JP 2001178979 A JP2001178979 A JP 2001178979A JP 2002370633 A JP2002370633 A JP 2002370633A
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Japan
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control
brake
assist
valve
gate valve
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Application number
JP2001178979A
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English (en)
Inventor
Koji Furuyama
浩司 古山
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アシスト制御とアンチスキッド制御とが同時
に成された場合に、リザーバに逃がされたブレーキ液を
ブレーキ回路に戻す際の効率を向上させること。 【解決手段】 ブレーキ回路1,2の途中であってポン
プ4の吐出位置よりもマスタシリンダ側の位置にゲート
弁3およびリリーフ弁3bが設けられ、アシスト作動時
にゲート弁3を閉弁させてポンプ4により吸入回路4b
からブレーキ液を吸入してホイルシリンダ側に吐出させ
てホイルシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高圧に形
成可能に構成されたブレーキ制御装置において、アシス
ト制御とアンチスキッド制御とが同時に成されたとき
に、ゲート弁3を一時的に開弁させる掻出開弁制御を実
行するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転者が制動操作
を行ったときに、運転者による制動操作に対応する圧力
よりも高い制動液圧を供給するアシスト制御と、制動時
に車輪がロックするのを防止するアンチスキッド制御を
行うブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、運転者が制動操作を行ったとき
に、自動的に制動力を増大させて運転者によるブレーキ
ペダル踏み込み操作などの制動操作を補助するアシスト
制御を実行するブレーキ制御装置が知られている。ま
た、このアシスト制御を実行するブレーキ制御装置にお
いて、マスタシリンダとホイルシリンダとを結ぶブレー
キ回路の途中に、このブレーキ回路を開閉するゲート弁
を設け、さらに、このゲート弁と並列にホイルシリンダ
側が設定圧以上高圧になるとマスタシリンダ側にブレー
キ液を逃がすリリーフ弁を設け、アシスト制御時には、
これらゲート弁およびリリーフ弁よりもホイルシリンダ
側にポンプなどで液圧を供給し、運転者の操作により発
生した圧力よりも前記設定圧だけ高い圧力をホイルシリ
ンダに供給する構成のものが知られている。
【0003】また、制動時に車輪のロックを防止するア
ンチスキッド制御を行うブレーキ制御装置も周知であ
る。このブレーキ制御装置は、マスタシリンダとホイル
シリンダとを結ぶブレーキ回路の途中に、ホイルシリン
ダの液圧を減圧および増圧可能な制御弁を設け、ホイル
シリンダの減圧時にはホイルシリンダのブレーキ液をリ
ザーバに逃がし、また、このリザーバに逃がしたブレー
キ液は、ポンプによりブレーキ回路に戻すように構成さ
れている。
【0004】上記のアシスト制御とアンチスキッド制御
との両方を実行するブレーキ制御装置も知られており、
両制御が同時に実行された場合に、リザーバに逃がした
ブレーキ液を効率良くブレーキ回路に戻す技術が、例え
ば特開平11−189139号公報に記載されている。
この公報に記載された従来技術は、ポンプの吸入側とブ
レーキ回路のマスタシリンダ側とを結ぶ吸入回路を開閉
するイン側ゲート弁が設けられており、アシスト制御時
には、このイン側ゲート弁を開弁させてマスタシリンダ
側のブレーキ液をポンプが吸入する構成となっている。
また、アシスト制御時にアンチスキッド制御が実行され
てリザーバにブレーキ液が逃がされたときには、アシス
ト制御を行っているにもかかわらず、イン側ゲート弁を
閉弁させて、リザーバのブレーキ液をポンプにより効率
良く吸入できる。すなわち、イン側ゲート弁が開弁され
ていると、ポンプは吸入回路とリザーバとの両方からブ
レーキ液を吸入可能であり、上記のようにアシスト制御
を実行している場合、吸入回路がマスタシリンダと同圧
の高圧になっていることから、リザーバのブレーキ液が
円滑に吸入されない。このようにリザーバのブレーキ液
が吸入されない場合、ホイルシリンダのブレーキ液をリ
ザーバに逃がそうとしても十分な量を逃がすことができ
なくなり、アンチスキッド制御における減圧が十分に成
されないおそれが生じる。そこで、上記公報に記載の従
来技術は、このような場合に、イン側ゲート弁を閉弁さ
せることで、吸入回路を遮断してリザーバ内のブレーキ
液を効率良く吸入でき、アンチスキッド制御における減
圧が十分にできなくなる不具合を防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の従来技術にあっては、以下に述べる解決すべ
き課題を残していた。すなわち、上述したように、従来
技術はイン側ゲート弁を閉じることでポンプがリザーバ
の液を効率良く吸入することができるようにしたもので
あるが、ポンプの吐出はゲート弁およびリリーフ弁の下
流(ホイルシリンダ側)に向けて行う構成となってい
る。このため、アンチスキッド制御により減圧を行って
いる状況では、ポンプからブレーキ回路に吐出されたブ
レーキ液は、リリーフ弁を開弁してマスタシリンダに戻
されることになる。この場合、ポンプの吐出圧として
は、マスタシリンダ圧にリリーフ弁による設定差圧を加
えた圧力が必要であり、また、リリーフ弁の流路断面積
は一般に大きな断面積を有していない。よって、ポンプ
の吐出側の抵抗が大きく、リザーバのブレーキ液を効率
的にマスタシリンダ側に戻すことが難しかった。
【0006】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
成されたもので、アシスト制御とアンチスキッド制御と
が同時に成された場合に、リザーバに逃がされたブレー
キ液をブレーキ回路に戻す際の効率を向上させることを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め本発明は、制動液圧を減圧および増圧可能な液圧制御
手段と、この液圧制御手段が減圧を行った際にブレーキ
液を一時的に貯留するリザーバと、このリザーバに貯留
されたブレーキ液をマスタシリンダとホイルシリンダと
を結ぶブレーキ回路に戻すポンプと、車両状態を検出す
る検出手段の検出に応じて前記液圧制御手段を作動させ
て車輪がロックするのを防止するアンチスキッド制御手
段と、前記検出手段の検出に応じて運転者の制動操作に
応じて発生する液圧よりも高圧の制動液圧をホイルシリ
ンダに向けて供給するアシスト作動を行うブレーキアシ
スト手段と、運転者の制動操作に関連した入力信号に基
づいてアシスト制御を実行するアシスト制御手段と、を
備え、前記ブレーキアシスト手段として、前記ブレーキ
回路の途中であってポンプの吐出位置よりもマスタシリ
ンダ側の位置に設けられたゲート弁と、このゲート弁と
並列に設けられて、ゲート弁を挟んでマスタシリンダ側
よりもホイルシリンダ側が所定圧力だけ高くなるとマス
タシリンダ側にブレーキ液を逃がすリリーフ弁と、前記
ポンプの吸入側をブレーキ回路のゲート弁よりもマスタ
シリンダ側に接続する吸入回路とを有し、アシスト作動
時にゲート弁を閉弁させてポンプによりマスタシリンダ
側のブレーキ液をホイルシリンダ側に吐出させてホイル
シリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高圧に形成可能に
構成されたブレーキ制御装置において、前記アシスト制
御手段は、アシスト制御とアンチスキッド制御とが同時
に成されたときに、前記ゲート弁を一時的に開弁させる
掻出開弁制御を実行する構成であることを特徴とする手
段とした。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のブレーキ制御装置において、前記アシスト制御手段の
掻出開弁制御におけるゲート弁の開弁時間が、アンチス
キッド制御における1回の減圧でリザーバに逃がされる
ブレーキ液をブレーキ回路に戻すのに十分な時間に設定
されていることを特徴とする手段とした。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のブレーキ制御装置において、前記アシスト制
御手段の掻出開弁制御におけるゲート弁の開弁時間が、
アンチスキッド制御における減圧量に対応した時間であ
ることを特徴とする手段とした。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載のブレーキ制御装置において、前記アシ
スト制御手段は、掻出開弁制御を、ゲート弁を開弁と閉
弁とを繰り返すデューティ制御により開弁の合計時間が
前記開弁時間となるように行い、かつ、前記デューティ
制御における開弁時間が閉弁時間の4倍を越えない設定
となっていることを特徴とする手段とした。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載のブレーキ制御装置において、前記アシ
スト制御手段は、アンチスキッド制御にて減圧出力が行
われるたびに、掻出制御タイマに前記開弁時間に相当す
る時間を加算し、この掻出制御タイマがクリアされるま
で掻出開弁制御を実行する構成であることを特徴とする
手段とした。
【0012】
【発明の作用および効果】本発明では、アシスト制御手
段は、運転者が制動操作を行ったときには、運転者の制
動操作に関連する信号に応じてアシスト制御が必要と判
断したときにはブレーキアシスト手段を作動させるアシ
スト制御を実行する。このアシスト制御時には、ゲート
弁を閉弁させるとともにポンプを駆動させ、マスタシリ
ンダ側のブレーキ液をホイルシリンダ側に供給し、ゲー
ト弁よりもホイルシリンダ側のブレーキ液圧をマスタシ
リンダ圧よりもリリーフ弁の設定圧分だけ高圧にする。
したがって、運転者の制動操作に応じた制動力よりも高
い制動力が得られる。さらに、このようなアシスト制御
時に、車輪がロック傾向となった場合、アンチスキッド
制御手段は、このロックを回避するアンチスキッド制御
を実行する。このアンチスキッド制御では、ブレーキ回
路の途中に設けられた液圧制御手段を作動させて、ホイ
ルシリンダのブレーキ液をリザーバに逃がして、必要量
の減圧を行って車輪のロックを回避する。また、アンチ
スキッド制御にあっては、この減圧後、液圧制御手段を
増圧させて制動力を確保し、この時、再び車輪がロック
傾向になれば再び減圧を行う。
【0013】そこで、本発明では、このようにアシスト
制御中にアンチスキッド制御が成された場合、アシスト
制御手段は、掻出開弁制御を実行し、ゲート弁を一時的
に開弁させる。したがって、アンチスキッド制御による
減圧でリザーバに逃がされたブレーキ液は、ポンプによ
りブレーキ回路に吐出されるが、このブレーキ回路に吐
出されたブレーキ液は、ゲート弁を介してマスタシリン
ダ側に戻される。よって、ゲート弁と並列に設けられた
リリーフ弁を介してブレーキ液を戻す従来技術と比較す
ると、ブレーキ液をマスタシリンダ側に戻すのに必要な
ポンプの吐出圧が低減されるとともに流路断面積が広が
り、効率的にブレーキ液を戻すことができるようになる
という効果が得られる。このように効率的にリザーバの
ブレーキ液をマスタシリンダ側に逃がすことにより、リ
ザーバの容量を確保してアンチスキッド制御における減
圧を確実に実行することができる。
【0014】また、掻出開弁制御におけるゲート弁の開
弁時間を、請求項2に記載の発明のように、アンチスキ
ッド制御における1回の減圧でリザーバに逃がされるブ
レーキ液をブレーキ回路に戻すのに十分な時間に設定す
れば、リザーバに逃がされているブレーキ液を確実にマ
スタシリンダ側に掻き出して、アンチスキッド制御にお
ける減圧を確実に実行することができる。
【0015】さらに、請求項3に記載の発明にあって
は、掻出開弁制御におけるゲート弁の開弁時間を、アン
チスキッド制御における減圧量に対応した時間とするこ
とにより、ブレーキ回路においてゲート弁よりもホイル
シリンダ側の液圧がマスタシリンダ側よりも高圧となる
アシスト状態を維持させて、アンチスキッド制御による
減圧の後の増圧時に、増圧量すなわち制動力不足となら
ないようにできる。また、このようにアシスト状態を維
持させるにあたっては、請求項4に記載の発明のよう
に、掻出開弁制御において、ゲート弁を開弁と閉弁とを
繰り返すデューティ制御により開弁の合計時間が前記開
弁時間となるように行い、かつ、前記デューティ制御に
おける開弁時間が閉弁時間の4倍を越えない設定すれば
よい。この場合、開弁と閉弁とを順次繰り返すことによ
り、ゲート弁を挟んだ差圧を維持しながら、効率的にブ
レーキ液をマスタシリンダ側に戻すことができる。ま
た、請求項5に記載の発明のように、アンチスキッド制
御において減圧出力が行われるたびに、掻出制御タイマ
に前記開弁時間に相当する時間を加算し、この掻出制御
タイマがクリアされるまで掻出開弁制御を実行すること
により、リザーバに逃がされたブレーキ液を確実に掻き
出すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (実施の形態1)図1は実施の形態のブレーキ制御装置
におけるブレーキ配管図である。図において、MCは運
転者の制動操作に応じて液圧を発生するマスタシリンダ
でありブレーキペダルBPを踏み込むとブレーキ配管
1,2を介してブレーキ液をホイルシリンダWCに向け
て供給する周知のものである。
【0017】前記ブレーキ配管1,2はいわゆるX配管
と呼ばれる接続構造となっている。すなわち、ブレーキ
配管1は、左前輪のホイルシリンダWC(FL)と右後
輪のホイルシリンダWC(RR)とを結び、ブレーキ配
管2は、右前輪のホイルシリンダWC(FR)と左後輪
のホイルシリンダWC(RL)とを結ぶよう構成されて
いる。
【0018】前記ブレーキ配管1,2のそれぞれの途中
には、特許請求の範囲請求項6に記載の発明のゲート弁
としてのアウト側ゲート弁3が設けられている。このア
ウト側ゲート弁3は、ブレーキ配管1,2の連通・遮断
を切り替える常開のソレノイド弁である。このアウト側
ゲート弁3にあっては、図外の弁体がスプリングなどの
付勢手段により全開方向に付勢され、また、図外のコイ
ルに通電した際には、発生した吸引力により弁体が付勢
力に抗して全閉方向に移動する構成となっている。前記
アウト側ゲート弁3には、マスタシリンダMC側(以
下、これを上流という)からホイルシリンダWC側(以
下、これを下流という)へのブレーキ液の流通のみを許
容する一方弁3aが並列に設けられているとともに、ア
ウト側ゲート弁3の下流が上流よりも予め設定された一
定圧(例えば、4MPA)だけ高くなるのを許容するリ
リーフ弁3bが設けられている。
【0019】また、前記ブレーキ配管1,2において、
アウト側ゲート弁3の下流にはソレノイド駆動の常開の
ON・OFF弁からなる流入弁5が設けられ、さらに、
この流入弁5よりも下流位置とリザーバ7とを結ぶリタ
ーン通路10の途中にはソレノイド駆動の常閉のON・
OFF弁からなる流出弁6が設けられている。
【0020】さらに、前記ブレーキ配管1,2には、ポ
ンプ4が接続されている。このポンプ4は、アシスト制
御時のブレーキ液圧源となるとともに、アンチスキッド
制御を実行したときの戻しポンプを兼ねるものである。
このポンプ4は、モータ8により作動するプランジャポ
ンプであり、吸入回路4aを介してリザーバ7に接続さ
れ、このリザーバ7は吸入回路4bを介して前記ブレー
キ配管1,2においてアウト側ゲート弁3よりも上流の
位置に接続されている。一方、ポンプ4の吐出側は、吐
出回路4cにより、前記ブレーキ配管1,2において前
記アウト側ゲート弁3と流入弁5との間の位置に接続さ
れている。また、リザーバ7には、その内部に貯留され
たブレーキ液の量に連動して、所定量を超えたブレーキ
液が貯留された場合には、ポンプ4作動したときに吸入
回路4b側からの吸入を妨げてリザーバ7内部のブレー
キ液を優先して吸入するようにする切替弁7aが設けら
れている。
【0021】上述したアウト側ゲート弁3、流入弁5、
流出弁6およびモータ8(ポンプ4)の作動は図2に示
すコントロールユニット11により制御される。このコ
ントロールユニット11は、車輪速センサ12ならびに
ブレーキランプスイッチ13に接続され、これらからの
入力に基づいて後述するアンチスキッド制御ならびにア
シスト制御を実行するものであり、特許請求の範囲請求
項1〜5に記載の発明のアシスト制御手段に相当する。
なお、前記車輪速センサ12は、各車輪毎に設けられて
各車輪の回転速度に応じた周波数の信号を出力するセン
サである。また、ブレーキランプスイッチ13は、運転
者がブレーキペダル(図示省略)を踏み込んだときに図
外のブレーキランプを点灯させるために投入される既存
の周知のスイッチである。
【0022】アンチスキッド制御は、周知の制御であ
り、これを簡単に説明すると、本実施の形態では、車輪
速センサ12からの入力に基づいて制動時の車輪ロック
を判断し、車輪がロックしそうな状態になったら、ホイ
ルシリンダ圧を減圧させて車輪ロックを回避した後、そ
の対象となる車輪の車輪速が、車体速よりも所定値だけ
低い、制動に最も有効な速度となるように適宜、減圧・
保持・増圧を行うものである。このアンチスキッド制御
における減圧・保持・増圧を行うにあたり、減圧の場合
は、流入弁5を閉弁させるとともに流出弁6を開弁さ
せ、保持の場合には、両弁5,6を閉弁させ、増圧の場
合は、流入弁5を開弁させるとともに流出弁6を閉弁さ
せることにより行う。また、減圧の際には、ホイルシリ
ンダWCのブレーキ液がリザーバ7に逃がされるが、こ
のリザーバ7に溜まったブレーキ液は、ポンプ4の作動
に基づいて随時ブレーキ配管1,2に戻される。
【0023】また、アシスト制御は、運転者が緊急制動
操作を行ったときに、ホイルシリンダ圧をマスタシリン
ダ圧よりも高圧にして、運転者の制動操作をアシストす
るものである。このアシスト制御時には、アウト側ゲー
ト弁3を閉弁させてブレーキ配管1,2を遮断させ、か
つ、モータ8を駆動させてポンプ4によりブレーキ配管
1,2においてアウト側ゲート弁3よりも上流のブレー
キ液を吸入してアウト側ゲート弁3よりも下流にブレー
キ液を供給する。そうすると、リリーフ弁3bの機能に
基づいて、アウト側ゲート弁3の下流、すなわちホイル
シリンダWCはマスタシリンダ側よりも所定圧だけ高い
状態に維持される。また、このときアウト側ゲート弁3
の下流が上流よりも所定圧を超えて高くなれば、基本的
にはリリーフ弁3bが開弁して下流のブレーキ液を上流
に逃がす。このように、ホイルシリンダ圧がマスタシリ
ンダ圧よりも所定圧だけ高くなり、運転者の制動操作に
応じた制動力よりも高い制動力が発生する。
【0024】また、アシスト制御を終了する際には、モ
ータ8を停止させるとともにアウト側ゲート弁3を開弁
させ、これによりホイルシリンダ圧をマスタシリンダ圧
と等しくするものであるが、その詳細について後述す
る。なお、上述のようにアウト側ゲート弁3,リリーフ
弁3b,ポンプ4およびモータ8の作動に基づいてアシ
スト力が形成されるものであり、これらの構成が特許請
求の範囲請求項1に記載のブレーキアシスト手段に相当
する。
【0025】次に、コントロールユニット11によるア
シスト制御の流れについて図3により説明する。まず、
ステップ101では、コントロールユニット11におい
て、アンチスキッド制御を実行する部分からアシスト制
御を実行する部分に向けて車輪速関係の信号を出力す
る。なお、この信号の詳細については後述する。ステッ
プ102では、上記アンチスキッド制御部分から出力さ
れた車輪速関係の信号の読み込みを行う。続くステップ
103では、アシスト制御を実行するか否かの判断であ
るアシスト進入判断を行う。このアシスト進入判断の詳
細については後述する。ステップ104では、アシスト
制御を終了または中止するか否かの判断である、アシス
ト離脱判断を行う。なお、このアシスト離脱判断の詳細
については後述する。ステップ105では、掻出開弁制
御を行う。なお、この掻出開弁制御の詳細については後
述する。
【0026】次に、まず、ステップ101の詳細、すな
わちアンチスキッド制御を実行する部分における車速関
係の信号の処理について図4のフローチャートにより説
明する。ステップ201では、各車輪速センサ12から
の入力に基づいて求めた車輪速度VW_FR,VW_F
L,VW_RR,VW_RLを、ブレーキランプスイッ
チ13からブレーキランプ信号BLSを、アンチスキッ
ド制御を実行している部分からアンチスキッド作動中信
号ASを読み込む。なお、ブレーキランプ信号BLS
は、図外のブレーキペダルを踏み込んだときに=1とな
り、踏み込んでいない状態では=0となる。また、アン
チスキッド作動中信号ASは、アンチスキッド制御が実
行されていない時は=0となり、アンチスキッド制御の
実行中は=1となるものである。
【0027】次に、ステップ202では、疑似車体速度
VIを形成する。この実施の形態では、4輪の車輪速度
のうちで最も高い値(セレクトハイ)あるいは、2番目
に高い値(セレクトセカンド)を、疑似車体速度VIと
する。続く、ステップ203では、疑似車体速度変化勾
配VIDを、VID=VI_10−VIの演算により形
成する。ここで、VI_10は、前回の制御サイクルに
おける疑似車体速度VIであり、すなわち、疑似車体速
度変化勾配VIDは、疑似車体速度VIDの今回の値と
前回の値との差に基づいて形成する。次に、ステップ2
04では、VID変化勾配VIDDを、VIDD=VI
D_3−VIDの演算により求める。このVID変化勾
配は、3サイクル前の疑似車体速度変化勾配VID_3
と今回のサイクルの疑似車体速度変化勾配VIDとの差
に基づいて形成する。
【0028】ステップ205では、各輪のスリップ率S
_FR,S_FL,S_RR,S_RLを、疑似車体速
度VIと、各輪の車輪速度VW_FR,VW_FL,V
W_RR,VW_RLとの差に基づいて形成する。他の
スリップ率の形成方法としては、前輪の場合は(VI−
Vw)/VI、後輪の場合は(VwFR−VwRR)/
VI、もしくは(VwFR−VwRR)/VFRとして
もよい。ここでFRは、前輪の平均車輪速度あるいは前
輪のいずれか1輪の車輪速度を示しRRは、後輪の平均
車輪速度あるいは後輪のいずれか1輪の車輪速度を示
す。続くステップ206では、各データを保管する。す
なわち、疑似車体速度VI_1,VI_2,VI_3,
VI_4,VI_5,VI_6,VI_7,VI_8,
VI_9,VI_10、疑似車体速度変化勾配VID_
1,VID_2,VID_3、ブレーキランプスイッチ
信号BLS_1、アンチスキッド作動中信号AS_1
を、それぞれ、最新値に更新する。
【0029】次に、図3のステップ102における入力
信号読み込み処理を図5のフローチャートにより詳細に
説明する。ステップ301で、上述したアンチスキッド
制御を実行する部分からの各信号、すなわち車輪速度V
W_FR,VW_FL,VW_RR,VW_RLや疑似
車体速度VIや疑似車体速度変化勾配VIDやVID変
化勾配VIDDや各輪のスリップ率S_FR,S_F
L,S_RR,S_RLやブレーキランプスイッチ信号
BLSやアンチスキッド作動中信号ASを読み込み、続
くステップ302で、初期値設定を行う。なお、この初
期値設定では、アンチスキッド制御部から読み込んだ信
号以外の全ての値を0に設定する。
【0030】次に、図3のステップ103のアシスト進
入判断を、図6のフローチャートに基づいて詳細に説明
する。まず、ステップ401では、アシスト作動信号P
A_ONが0か否か、すなわちアシスト制御非実行中で
あるか否かを判断し、YESすなわち非実行中はステッ
プ402に進み、NOすなわち実行中は図7のステップ
601に進んで、離脱判断を行う。ステップ402で
は、アンチスキッド作動中信号ASが0であるか否か、
すなわちアンチスキッド制御が非実行中であるか否か判
断し、YESすなわちアンチスキッド制御非実行中はス
テップ403に進み、NOすなわちアンチスキッド制御
実行中はステップステップ601に進んで、離脱条件判
断を行う。
【0031】ステップ403では、疑似車体速度変化勾
配VIDが予め設定されたVID判断基準値m_vid
以下であるか否か、すなわち十分に減速が成されている
か否か判断し、YESすなわちVID判断基準値m_v
id以下であって十分に減速が成されているときにはス
テップ404に進み、NOすなわちVID判断基準値m
_vidよりも大きく十分に減速が成されていないとき
にはステップ601に進んで、離脱判断を行う。ステッ
プ404では、VID変化勾配VIDDがVIDD判断
基準値m_vidd以下であるか否か、すなわち緊急制
動操作が成された可能性が高いか否かを判断して、YE
SすなわちVID変化勾配VIDDがVIDD判断基準
値m_vidd以下で緊急制動操作が成された可能性が
高いと判断した場合にはステップ405に進み、NOす
なわちVID変化勾配VIDDがVIDD判断基準値m
_viddよりも大きく緊急制動操作が成された可能性
が低いと判断した場合にはステップ601へ進んで、離
脱判断を行う。このステップ403と404は、緊急制
動操作(パニックブレーキ操作)の一次判断を行うもの
であり、十分に減速が行われ、かつ、そのときの変化率
が大きく緊急制動操作が成されている可能性が高いと判
断したら、以下のスリップ率判断に進むものである。ま
た、上述したVID判断基準値m_vidおよびVID
D判断基準値m_viddは、予め設定された一定値を
用いてもよいし、あるいは車両状態に応じて変化する値
を用いてもよい。
【0032】次のステップ405および406は、前輪
のスリップ率が予め設定されている前輪用のスリップ率
判断基準値である2%以上であるか否か判断し、YES
すなわち左右前輪のスリップ率S_FR、S_FLが両
方とも前輪用スリップ率判断値2%以上であればステッ
プ407に進み、NOすなわち左右前輪のスリップ率S
_FR、S_FLの少なくとも一方が2%未満であれば
ステップ601へ進んで離脱判断を行う。ステップ40
7および408では、後輪のスリップ率が予め設定され
ている後輪用のスリップ率基準値である1%以上である
か否か判断し、YESすなわち左右後輪のスリップ率S
_RR、S_RLがいずれも後輪用スリップ率判断値1
%以上である場合には、アシスト制御に進入すべくステ
ップ409に進み、NOすなわち左右後輪のスリップ率
S_RR、S_RLの少なくとも一方が後輪用スリップ
率判断値1%未満であればステップ601へ進んで離脱
判断を行う。これらステップ405〜408におけるス
リップ率判断は、緊急制動であるか否かの二次判断であ
り、これらスリップ率判断値2%および1%は、搭載車
両について実験を繰り返すことにより求めたものであ
り、このスリップ率判断値は、搭載車両に応じて最適値
を設定するものである。また、前後全ての車輪のスリッ
プ率を判断閾値と比較することは必須ではなく、前2輪
のみの判断、すなわちステップ405および406のみ
の判断としてもよい。あるいは、フィードフォワード的
に緊急制動状態を判断するには、後2輪のみについてス
リップ率判断を行うようにしてもよい。
【0033】ステップ409では、疑似車体速度VIが
10km/h以上のアシスト制御が必要な速度以上であ
るか否か判断し、VI≧10km/hの場合はステップ
410に進んで、アシスト制御を実行するとして、アウ
ト側ゲート弁3に対するゲート弁信号G_OUTを電磁
弁ONフラグPK_Fの値にセットし、モータ8の駆動
信号MOTOR_ONを=1にセットし、アシスト制御
を実行することを意味するアシスト信号PA_ONを1
にセットし、アシスト制御を実行する時間を管理するア
シストタイマPA_Tを=100にセットする。なお、
電磁弁ONフラグPK_Fは、アシスト制御時には通常
=1にセットされ、これにより常開のゲート弁3が閉弁
作動される。また、電磁弁ONフラグPK_Fの詳細に
ついては後述する。
【0034】以上のように本実施の形態では、アシスト
進入判断を行うにあたって、アシスト制御ならびにアン
チスキッド制御を実行していない状態において、まず、
疑似車体速度変化勾配VIDおよびVID変化勾配VI
DDに基づいて運転者が緊急制動操作を行っているか否
か判断する一次判断を行い、さらに、4輪のスリップ率
に基づいてすなわち実際の車両挙動が緊急制動を示して
いるか否かに基づいて二次判断を行い、両判断において
緊急制動と判断された場合に、最終的にアシスト進入判
断が成される。また、一次判断と二次判断とのいずれか
一方において緊急制動と判断されない場合には、離脱判
断に進む。
【0035】次に、図3のステップ104におけるアシ
スト離脱判断について図7のフローチャートに基づいて
詳細に説明する。ステップ601では、アシスト信号P
A_ONが1にセットされてアシスト進入判断が成され
ている、あるいはアシスト制御の実行中であるか否か判
定し、PA_ON=1の場合はステップ602に進み、
PA_ON≠1すなわち=0の場合はステップ105に
進む。ステップ602および603では、今回のサイク
ルでアンチスキッド制御が終了したか否かを判定する。
すなわち、ステップ602において、1サイクル前のア
ンチスキッド作動中信号AS_1が1にセットされてい
るか否か判定し、さらにステップ603に進んで、今回
のサイクルでアンチスキッド作動中信号ASが0にリセ
ットされているか否か判定する。このステップ602と
603との両方でYESと判定された場合、アンチスキ
ッド制御が終了したもので、この場合、ステップ604
に進んで、終了処理を実行する。また、ステップ602
と603のいずれかでNOと判定された場合は、ステッ
プ605に進む。
【0036】ステップ605では、アシストタイマPA
_Tが0までカウントダウン(デクリメント)されたか
否か、すなわち超高速からの制動でも確実に停止できる
だけの時間が経過したか否か判定し、YESすなわちP
A_T=0の場合はステップ604の終了処理に進み、
NOすなわちPA_T≧1の場合はステップ606に進
む。
【0037】次に、ステップ606では、疑似車体速度
変化勾配VIKが0.5g未満であるか否か、すなわち
低μ路であるか否か判断し、YESすなわちVIK≦
0.5gであって低μ路と判断した場合はステップ60
4の終了処理に向かい、NOすなわちVIK>0.5g
であって高μ路判断を行った場合はステップ607の速
度判断に進む。ちなみに、疑似車体速度変化勾配VIK
は、基本的には、疑似車体速度VIの時間あたりの変化
に基づいて計算されるが、一般に、制動開始後のアンチ
スキッド制御の1サイクル目には、車輪速度が実車体速
度よりも低下している可能性があるため、アンチスキッ
ド制御にあっては、予め設定された推定値を用いる。ま
た、アンチスキッド制御の2サイクル目以降では、減圧
により車輪速度が疑似車体速度VIに復帰して増圧によ
り再び疑似車体速度VIから離れる時の疑似車体速度
と、制動開始時の疑似車体速度VIとを結んで形成す
る。また、この低μ路判断は、アシスト制御の離脱判断
のみならず、図3のステップ103のアシスト作動進入
判断に組み込んでもよい。この場合は、4輪もしくは左
右2輪のそれぞれの車輪速度の減速度を監視して、監視
の対象となる車輪の減速度が共に低μ路であると判断で
きる閾値(例えば、0.3G)を超えた場合にアシスト
制御をキャンセルする。
【0038】ステップ607では、疑似車体速度VIが
10km/h以下であるか否か、すなわち車両挙動が安
定した低速であるか否か判断し、YESすなわちVI≦
10km/hの場合は、ステップ604の終了処理に進
み、NOすなわちVI>10km/hの場合はステップ
608に進む。ステップ608では、ブレーキランプ信
号BLSに基づいて今回の制御サイクルにおいて制動操
作を終了したか否か判断するものであって、これを前回
の制御サイクルのブレーキランプ信号BLS_1=1か
つ今回の制御サイクルのブレーキランプ信号BLS=0
であるか否かで判断し、YESすなわち制動操作を終了
した場合はステップ604の終了処理に進み、NOの場
合はステップ609に進んで、アシストタイマPATの
カウントダウンを行い、図3のステップ105に進む。
なお、ここで、アシストタイマPA_Tの下限値は0と
するもので、すなわちカウントダウンはPA_T=0と
なった時点で終了する。
【0039】ステップ604の終了処理では、モータ8
の駆動信号を0にリセットし、ブレーキアシスト信号P
A_ON=0にリセットし、さらに、アウト側ゲート弁
3に対して、終了作動を行う処理を行う。このアウト側
ゲート弁3の終了処理は、ゲート弁信号G_OUTの出
力を、10ms中において5ms=0,5ms=1を1
0回出力する動作を10回繰り返して、100ms後に
終了するものである。このステップ604の終了処理を
実行した後、ステップ105に進む。
【0040】すなわち、ステップ104の離脱判断処理
にあっては、アンチスキッド制御を終了したとき、アシ
ストタイマPA_Tが0までカウントダウンされたと
き、低μ路と判断されたとき、疑似車体速度VIが10
km/h以下まで低下したとき、制動操作が解除された
とき、のいずれかのときには、アシスト制御を終了する
と判断するものである。
【0041】次に、図3のフローチャートのステップ1
05における掻出開弁制御を、図8のフローチャートに
より説明する。ステップ701では、流出弁6を開弁す
る出力EV**が=1であるか否か、すなわちアンチス
キッド制御により流出弁6を開弁する出力が成されてい
るか否か判断し、YESすなわちアンチスキッド制御に
より減圧が成された場合には、ステップ702に進む。
一方、流出弁6を開弁する出力EV**が=1でない場
合には、ステップ709に進んで、掻出制御タイマTI
MER2が0以下であるか否か判断し、TIMER2≦
0出ない場合はステップ703に進み、TAIMER≦
0の場合には、ステップ710に進んで、掻出制御を終
了すべく、オフタイマOFF_T=0、オンタイマON
_T=0、電磁弁ONフラグPK_F=0、掻出制御タ
イマ=0とする処理を行う。
【0042】ステップ702では、掻出制御タイマTI
MER2を=TIMER2+100に設定する。次のス
テップ703では、デューティ開弁時間であるオフタイ
マOFF_T=0であるか否か判断し、OFF_T=0
の場合はステップ704に進み、OFF_T≠0の場合
はステップ707に進む。ステップ704では、デュー
ティ閉弁時間であるオンタイマON_T=0であるか否
か判断し、ON_T=0の場合はステップ705に進
み、ON_T≠0の場合は、ステップ707に進む。ス
テップ705では、電磁弁ONフラグPK_F=0であ
るか否か、すなわちゲート弁3を閉弁させている(ゲー
ト弁3に対する出力ON)か否か判断し、PK_F=0
の場合はステップ706に進み、PK_F≠0の場合は
ステップ707に進む。ステップ706では、オフタイ
マOFF_Tを11(これは110msecを意味す
る)にセットする。
【0043】ステップ707では、オフタイマOFF_
Tが0よりも大きいか否か、すなわちゲート弁3を開弁
させる制御中であるか否か判断し、OFF_T>0(デ
ューティ開弁中)の場合はステップ708に進んで、オ
フタイマOFF_Tをデクリメント(1だけ減算)する
とともに、電磁弁ONフラグPK_Fを=0とする。一
方、ステップ707においてOFF_T≦0の場合はス
テップ711に進む。このステップ711では、オフタ
イマOFF_T=0かつオンタイマON_T=0である
か否か判断し、OFF_T≠0あるいはON_T≠0の
場合はそのままステップ713に進み、一方、OFF_
T=0かつON_T=0の場合はステップ712に進ん
で、オンタイマON_T=3にセットするとともに、電
磁弁ONタイマPK_F=1にセットした後にステップ
713に進む。
【0044】ステップ713では、オンタイマON_T
が0よりも大きいか否か判断し、ON_T≦0の場合は
そのままステップ715に進み、ON_T>0の場合
は、ステップ714に進んで、オンタイマON_Tをデ
クリメント(1だけ減算)するとともに、電磁弁ONフ
ラグPK_F=1とした後にステップ715に進む。
【0045】ステップ715では、オンタイマON_T
=0であるか否か判断し、ON_T≠0の場合はステッ
プ717に進み、一方、ON_T=0の場合は、ステッ
プ716に進んで、オフタイマOFF_T=11にセッ
トするとともに、電磁弁ONタイマPK_F=0にリセ
ットした後、ステップ717に進む。そして、ステップ
717では、掻出制御タイマTIMER2をデクリメン
ト(1だけ減算)する。
【0046】すなわち、ステップ701〜717の掻出
開弁制御では、流出弁6を開弁作動させてホイルシリン
ダ圧を減圧すると、最初に、掻出制御タイマTIMER
2=100にセット(ステップ701→702の流れ)
し、さらにオフタイマOFF_T=11にセットする
(ステップ703→704→705→706)。そし
て、このオフタイマOFF_T>0の間は、電磁弁ON
フラグPK_F=0にセットされてゲート弁3が開弁さ
れる(ステップ707→708)。また、オフタイマO
FF_Tが0となると、すぐにオンタイマON_T=3
にセットされ(ステップ708→711→712の流
れ)、ON_T>0の間は電磁弁ONフラグPK_Fが
1にセットされ(ステップ713→714)、ゲート弁
3が閉弁される。また、オンタイマON_T=0になる
と、再び、オフタイマOFF_T=11にセットされ
(ステップ715→716)る。
【0047】したがって、掻出制御タイマTIMER2
が0よりも大きい間、オフタイマOFF_Tが11から
0にカウントされる間ゲート弁3がオフとなって開弁さ
れ、オンタイマON_Tが3から0にカウントされる間
ゲート弁3がオンとなって閉弁されるのが、交互に繰り
返される。また、掻出制御タイマTIMER2は、流出
弁6に対して開弁する信号が出力されるたびに、100
だけ加算される。
【0048】次に、実施の形態の作動を説明する。 イ)緊急制動操作時の基本作動 運転者が緊急制動操作を行った場合、本実施の形態にあ
っては、まず、アンチスキッド制御を実行しているか否
か判断して(ステップ402)、アンチスキッド制御が
成されている場合には、アシスト制御は実行しない。す
なわち、アンチスキッド制御が実行されている場合とい
うのは、必要最大限の制動力が発生していることを示
し、制動力を補助する必要はないため、アシスト制御を
実行しないものである。
【0049】次に、ステップ403および404によ
り、実際に発生した疑似車体速度変化勾配VIDの絶対
値およびその変化勾配VIDDに基づいて、運転者が緊
急制動操作を行ったか否かの一次判断を行う。この一次
判断で用いるVID判断基準値m_vidおよびVID
D判断基準値m_viddは、例えば、VID判断基準
値m_vid=−0.6、VIDD判断基準値m_vi
dd=−6に設定されるが、路面状態その他の判断に基
づいて可変としてもよい。ここで、VID≦m_vid
(g)かつVIDD≦m_vidd(g/s)の場合、
緊急制動操作を行ったと一次判断され、さらに、各車輪
のスリップ率とスリップ率判断値との変化に基づく二次
判断を行う(ステップ405〜408)。前輪のスリッ
プ率S_FR,S_FLのいずれもが前輪スリップしき
い値2%以上であり、かつ、後輪のスリップ率S_R
R,S_RLのいずれもが後輪スリップ率判断値1%以
上である場合、実際の車両挙動が緊急制動状態を示して
いると判断され、疑似車体速度VIが、アシスト制御が
必要な10km/h以上の場合、アシスト進入判断が成
され、ステップ410におけるアシスト制御を実行す
る。なお、この二次判断を行う基準となる値、2%、1
%は、車両特性に応じ他の値を用いてもよいし、あるい
は、路面状態やその他の状態に基づいて可変としてもよ
い。
【0050】このアシスト制御時には、前述したように
アウト側ゲート弁3が閉弁されるとともに、モータ8が
駆動されてポンプ4からブレーキ配管1,2に向けてブ
レーキ液が供給され、ブレーキ配管1,2においてアウ
ト側ゲート弁3よりも下流にブレーキ液が供給されるこ
とから、全ホイルシリンダ圧がマスタシリンダ圧よりも
上昇する。この時の上昇圧は、リリーフ弁3bにより決
定され、マスタシリンダ圧よりも一定圧だけ高い状態と
なる。
【0051】このように、本実施の形態では、車輪速セ
ンサ12からの入力のみに基づいてアシスト制御を実行
するか否かの判断であるアシスト進入判断を行う。この
アシスト進入判断は、運転者が緊急制動操作を行ったか
否かを判断する一次判断と、実際に車両が緊急制動状態
となっているか否かを判断する二次判断とにより判断す
る。そして、この判断において、一次判断は、従来のよ
うにブレーキ操作力の変化により行うものではなく、車
輪速度に基づいて疑似車体速度VIの変化に基づいて行
うため、運転者が緊急制動操作を瞬時に止める操作を行
って、実際に車体速度の変化が生じないような緊急制動
操作を行った場合、これを緊急制動操作と判断すること
が無い。
【0052】さらに、その後の二次判断にあっては、ス
リップ判断に基づいて、実際に車輪にかかっているブレ
ーキ力の車両側応答結果に基づく判断を行っている。こ
の車輪スリップ率の判断は、色々な路面毎に変化する路
面摩擦係数に応じて、挙動不安定状態、すなわちアンチ
スキッド制御が入るところまでアシスト制御を行ってよ
いか否かを自動的に検知できる特性がある。例えば、高
μ路では、通常ブレーキではスリップは発生せず、とっ
さの急ブレーキ(緊急制動)状態では微少のスリップが
発生するし、低μ路では運転者が緊急と感じない程度の
制動であってもアンチスキッド制御を行った方が望まし
いスリップ状態となる。したがって、一次判断に加えて
スリップ率に基づく二次判断を行うことで、運転者にと
って必要な場面でのみ、アシスト制御を実行することが
できるという効果を得ることができる。加えて、上述の
ように、アンチスキッド制御装置には、入力手段として
設けられている既存の車輪速センサ12からの入力のみ
に基づいてアシスト制御を実行するか否かの判断を行う
ことができるため、安価な構成とすることができる。
【0053】また、車両旋回中の制動は、車輪に作用す
る荷重が左右で相違し、特に旋回内輪にあってはその荷
重が低いので、早期にスリップが生じる傾向にある。し
たがって、左右輪のうち一方の輪のスリップ率のみでア
シスト進入を判断すると、前記左右輪の荷重の相違に起
因してアシスト進入の誤判断のおそれがある。ところが
本実施の形態では、ステップ405からステップ408
に記載されているとおり、左右輪のスリップ率のいずれ
もが所定のスリップ率に達したことに基づいてアシスト
進入判断を行っているため、前記アシスト進入判断の誤
判断を有利に解決することができる。
【0054】ロ)低μ路緊急制動操作時 運転者が緊急制動を行ったときに、低μ路を走行してい
る場合には、上述のアシスト進入判断が成されて、一
旦、アシスト制動を行うと判断されたり、あるいはアシ
スト制御を実行されたりしていても、その後の、アシス
ト離脱判断において、ステップ606でNOと判断され
てアシスト終了処理が実行される。
【0055】すなわち、低μ路にあっては、緊急制動を
行っても、アシスト制御が必要なのはアンチスキッド制
御が実行されるまでの僅かな間である。つまり、低μ路
にあっては、緊急制動を行った場合、アシスト制御の有
無に関わらずホイルシリンダ圧が低μ路において必要な
圧力よりも高くなり、アンチスキッド制御が実行され
て、減圧されることになり、アシスト制御が不要とな
る。低μ路でもアシスト制御を実行した場合、アウト側
ゲート弁3およびリリーフ弁3bとホイルシリンダWC
との間が高圧になるため、この状態でアンチスキッド制
御が実行されると、流出弁6を挟んだ上下の圧力差が大
きくなる。また、この場合には、ホイルシリンダ圧が低
μ路において必要な圧力よりも高くなるため、流出弁6
を頻繁に開弁して減圧する必要があり、このように頻繁
に減圧を行った場合、液圧差に基づいて頻繁に作動音が
発生し、運転者に不快感を抱かせる可能性がある。そし
て、この作動音の発生を防止するには、高価な脈動ダン
パなどのデバイスを必要とし、コスト増となる。
【0056】それに対して、本実施の形態では、低μ路
にあっては、アシスト制御をキャンセルするようにして
いるため(ステップ606)、ホイルシリンダ圧が不必
要に高圧になることが無く、よって、これを頻繁に減圧
することもなくなり、コストアップすることなく作動音
の発生を防止して、運転者に違和感を与えることを無く
すことができ、制御品質の向上を図ることができる。ま
た、低μ路判断を図3のステップ103のアシスト作動
進入判断に組み込んだ場合には、アシスト制御前に低μ
路判断が成されて、低μ路の判断時には確実にアシスト
制御を中止させることができる。
【0057】ハ)高μ路緊急制動操作時 高μ路では、制動力を最大限有効に作用させるために
は、強い制動力が必要である。そこで、緊急制動による
緊急回避を最優先に考えた場合、高μ路にあっては、車
両速度が低速となるまでは、アシスト制御中にアンチス
キッド制御域に達してアンチスキッド制御が実行された
としても、アシスト制御は続行させた方が望ましい。そ
こで、本実施の形態では、高μ路にあっては、アンチス
キッド制御が終了するか(ステップ601→602→6
03→604の流れ)、疑似車体速度VIが10km/
h以下となる(ステップ606→607→604)かす
るまで、アシスト制御を続行する。
【0058】ニ)アシスト制御中にアンチスキッド制御
が実行された時 図9のタイムチャートは、アシスト制御中にアンチスキ
ッド制御が実行されたときを示している。図においてt
1は、アシスト制御が開始された時点を示しており、こ
の時点でポンプ4が駆動させるとともに、ゲート弁3が
閉弁される。その後、t2の時点でアンチスキッド制御
による減圧が開始されている。この場合、このt2の時
点で、掻出開弁制御が実行され、掻出制御タイマTIM
ER2が100にセットされ、さらに、オフタイマOF
F_Tが11にセットされ、このオフタイマOFF_T
が0にカウントダウンされるまでの間、ゲート弁3が開
弁される。したがって、アンチスキッド制御における減
圧によりリザーバ7に逃がされたブレーキ液は、ポンプ
4により吸入されてブレーキ回路1,2に吐出された
後、ゲート弁3を介してマスタシリンダMCへ戻され
る。よって、ゲート弁3と並列に設けられたリリーフ弁
3bを介してブレーキ液を戻す従来技術と比較すると、
ブレーキ液をマスタシリンダ側に戻すのに必要なポンプ
4の吐出圧が低減されるとともに流路断面積が広がり、
効率的にブレーキ液を戻すことができる。
【0059】また、オフタイマOFF_Tが0となる
と、すぐにオンタイマON_Tが3にセットされ、ON
_T>0の間はゲート弁3が閉弁される。
【0060】このオフタイマOFF_Tが11をカウン
トダウンする間のゲート弁3の開弁と、オンタイマON
_Tが3をカウントダウンする間のゲート弁3の開弁
が、繰り返される。したがって、ゲート弁3およびリリ
ーフ弁3bよりもホイルシリンダWC側の液圧がマスタ
シリンダ圧まで低下して、アシスト制御によるアシスト
制動力が無くなるのを防止しつつ、ブレーキ液をマスタ
シリンダ側に戻すことができる。
【0061】さらに、t3の時点でアンチスキッド制御
による流出弁6の開弁(減圧)が成されると、掻出制御
タイマTIMER2は、100だけ加算される。また、
上述の掻出開弁制御は、掻出制御タイマTIMER2が
0までカウントダウンされるか、t4のようにアシスト
制御の離脱判断がなされると終了する。
【0062】ホ)アシスト制御終了時 アシスト制御の終了は、基本的には、疑似車体速度VI
が10km/hの低速となるか(ステップ607)、運
転者が制動操作を終了してブレーキランプスイッチ13
の出力が=1から=0に変化すると(ステップ60
8)、ステップ604の終了処理に進む。また、アシス
ト制御の開始後に、超高速からでも停止できるだけの十
分な時間が経過した場合も、アシスト制御を終了する
(ステップ605→604)。なお、上述したように、
低μ路判断時、およびアンチスキッド制御の終了時にも
アシスト制御を終了する。
【0063】このようにアシスト制御を終了する際に
は、アウト側ゲート弁3の開弁を徐々に行う。したがっ
て、ホイルシリンダ圧が徐々に低下して運転者に違和感
を与えない。この際、低下に要する時間を著しく大きく
すると、ブレーキの引きずり感を招くため、少なくとも
1秒以内には通常のブレーキ状態に戻す必要がある。ま
た、アウト側ゲート弁3の開弁タイミングは、車種によ
って最適化されるものであり、例えば、アシスト制御終
了時に、運転者に対して急に制動力が落ちる違和感を与
えやすい車種の場合には、アウト側ゲート弁3の開弁の
タイミングを早く、すなわち開弁回数を多くするように
最適化が成される。
【0064】以上説明したように、本実施の形態にあっ
ては、アシスト制御中にアンチスキッド制御が成された
場合、掻出開弁制御が実行されて、ゲート弁3を一時的
に開弁させて、ポンプ4がリザーバ7から吸入したブレ
ーキ液を、ゲート弁3を介してマスタシリンダMC側に
戻すようにしたため、ゲート弁3と並列に設けられたリ
リーフ弁3bを介してブレーキ液を戻す従来技術と比較
すると、ブレーキ液をマスタシリンダ側に戻すのに必要
なポンプ4の吐出圧が低減されるとともに流路断面積が
広がり、効率的にブレーキ液を戻すことができるように
なるという効果が得られる。このように効率的にリザー
バのブレーキ液をマスタシリンダ側に逃がすことによ
り、リザーバの容量を確保してアンチスキッド制御にお
ける減圧を確実に実行することができる。また、掻出開
弁制御にあっては、ゲート弁3の所定時間の開弁および
閉弁を繰り返すようにしているため、ゲート弁3を介し
てブレーキ液をマスタシリンダMC側に戻す際に、ゲー
ト弁3およびリリーフ弁3bの下流の液圧を、アシスト
制御によりマスタシリンダ側よりも高圧になった状態を
保つことができる。さらに、掻出開弁制御を実行する時
間を、最大、アンチスキッド制御による減圧の実行回数
に応じた時間としているため、リザーバ7に逃がされた
ブレーキ液を確実に掻き出すことができ、リザーバ7に
ブレーキ液が残って、アンチスキッド制御による減圧が
不十分になることを防止できる。また、掻出開弁制御に
おける開弁時間と閉弁時間との関係をデューティ制御に
おいて、20%のOFFデューティ(開弁)と80%の
ONデューティ(閉弁)とにより決定してもよい。この
ようにすれば、掻出開弁制御時の開弁合計時間が閉弁時
間の4倍を超えることなく、ブレーキアシスト制御を保
ちつつ、アンチスキッド制御の減圧によって貯留された
リザーバ内のブレーキ液を効率的にマスタシリンダ側に
戻すことが可能となる。
【0065】また、本実施の形態では、アシスト制御が
必要か否かの判断を、アンチスキッド制御装置を搭載し
ている車両には既存の、車輪速センサ12の出力により
形成した疑似車体速度変化勾配VIDの絶対値およびそ
の変化勾配VIDDに基づいて行うようにしているた
め、運転者の制動操作を検出するストロークセンサや踏
力センサなどが不要となり、安価な構成とすることがで
きるという効果が得られる。また、疑似車体速度変化勾
配VIDおよびVID変化勾配VIDDは、4輪の車輪
速度Vwを使用しており、冗長系がとられており、信頼
性が高い。また、疑似車体速度VIは、車輪速度Vwに
基づいて算出されているが、この車輪速度Vwは、既に
アンチスキッド制御装置で使用している要素であり、コ
ストの面でも有利である。
【0066】加えて、疑似車体速度変化勾配VIDの絶
対値およびその変化勾配VIDDに基づく運転者が緊急
制動操作を行ったことを判断する一次判断に加えて、各
車輪のスリップ率に基づいて実際の車両挙動が緊急制動
を示しているか判断する二次判断を行うようにしたた
め、運転者が緊急制動操作を行った後に、実際に制動力
が発生する前にその操作を解除した場合のように、緊急
制動操作に対応した制動力が発生していない場合、一次
判断において緊急制動操作と判断されることがないもの
であり、また、運転者が山道などを走行したときに緊急
制動操作と同様の制動操作を行ったとしても、二次判断
において実際に車両が緊急制動を要する状態となってい
ない場合(スリップ率が各スリップ率閾値を上回ってい
ない場合)には、アシスト進入判断が成されることが無
い。このように、従来と比較して、アシスト進入の誤判
断を行うことが無くなり、制御品質を向上させることが
できるという効果が得られる。
【0067】さらに、低μ路と判断した場合には、アシ
スト進入判断を行っても制御を開始することなく中止
し、あるいはアシスト制御中であれば低μ路判断の時点
でアシスト制御を終了するようにして、低μ路における
制動に対応したアンチスキッド制御中に不必要にアシス
ト力を発生させることがないようにしたため、アンチス
キッド制御に伴い作動音が発生して運転者に違和感を与
えることがなく、制御品質の向上を図ることができると
いう効果が得られる。また、高μ路の場合には、上記と
は逆に、アシスト制御中にアンチスキッド制御作動領域
に到達してアンチスキッドが作動しても、アシスト制御
を継続するようにしているため、アンチスキッド制御が
作動しない領域までホイルシリンダ圧が低下することが
なく、確実に減速することができるという効果が得られ
る。
【0068】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計の変更などがあっても本発明に含まれる。例え
ば、実施の形態のブレーキ制御装置では、リザーバ7に
切替弁7aを設けたが、これに替えて、吸入回路4bに
イン側ゲート弁を設けてもよい。このイン側ゲート弁を
設けた場合、非アシスト制御時にイン側ゲート弁を閉弁
させてマスタシリンダ圧が吸入回路4b側に伝達するこ
とのないようにし、かつ、掻出開弁制御時には、イン側
ゲート弁を閉じるようにするのが好ましい。また、実施
の形態にあっては、一次判断として、VID判断基準値
m_vidおよびVIDD判断基準値m_viddに基
づく判断を行うようにしたが、従来と同様に運転者の制
動操作(ブレーキペダルのストローク量やストローク速
度)に基づいて一次判断を行うようにしてもよい。ま
た、実施の形態では、ブレーキアシスト制御を適用した
ブレーキ装置について説明したが、これに限らず、ゲー
ト弁3を閉じてポンプ4を駆動させることにより自動的
に車輪に制動力を与えるブレーキ装置であれば、本発明
を適用できる。このようなブレーキ装置としては、例え
ば、制動力により車両の回転モーメントを発生させる車
両挙動装置や自動ブレーキ装置がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態のブレーキ制御装置における
ブレーキ回路図である。
【図2】実施の形態のブレーキ制御装置におけるコント
ロールユニットを示すブロック図である。
【図3】実施の形態におけるアシスト制御の全体の流れ
を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態おけるアンチスキッド信号処理の流
れを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態おける入力信号読込処理の流れを示
すフローチャートである。
【図6】実施の形態おけるアシスト進入判断処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態におけるアシスト制御の離脱判断処
理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態における掻出開弁制御の流れを示す
フローチャートである。
【図9】実施の形態における掻出開弁制御を実行したと
きのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ブレーキ配管 2 ブレーキ配管 3 アウト側ゲート弁 3a 一方弁 3b リリーフ弁 4 ポンプ 4a 吸入回路 4b 吸入回路 4c 吐出回路 5 流入弁 6 流出弁 7 リザーバ 7a 切替弁 8 モータ 10 リターン通路 11 コントロールユニット 12 車輪速センサ 13 ブレーキランプスイッチ MC マスタシリンダ WC ホイルシリンダ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動液圧を減圧および増圧可能な液圧制
    御手段と、 この液圧制御手段が減圧を行った際にブレーキ液を一時
    的に貯留するリザーバと、 このリザーバに貯留されたブレーキ液をマスタシリンダ
    とホイルシリンダとを結ぶブレーキ回路に戻すポンプ
    と、 車両状態を検出する検出手段の検出に応じて前記液圧制
    御手段を作動させて車輪がロックするのを防止するアン
    チスキッド制御手段と、 前記検出手段の検出に応じて運転者の制動操作に応じて
    発生する液圧よりも高圧の制動液圧をホイルシリンダに
    向けて供給するアシスト作動を行うブレーキアシスト手
    段と、 運転者の制動操作に関連した入力信号に基づいてアシス
    ト制御を実行するアシスト制御手段と、を備え、 前記ブレーキアシスト手段として、前記ブレーキ回路の
    途中であってポンプの吐出位置よりもマスタシリンダ側
    の位置に設けられたゲート弁と、このゲート弁と並列に
    設けられて、ゲート弁を挟んでマスタシリンダ側よりも
    ホイルシリンダ側が所定圧力だけ高くなるとマスタシリ
    ンダ側にブレーキ液を逃がすリリーフ弁と、前記ポンプ
    の吸入側をブレーキ回路のゲート弁よりもマスタシリン
    ダ側に接続する吸入回路とを有し、アシスト作動時にゲ
    ート弁を閉弁させてポンプによりマスタシリンダ側のブ
    レーキ液をホイルシリンダ側に吐出させてホイルシリン
    ダ圧をマスタシリンダ圧よりも高圧に形成可能に構成さ
    れたブレーキ制御装置において、 前記アシスト制御手段は、アシスト制御とアンチスキッ
    ド制御とが同時に成されたときに、前記ゲート弁を一時
    的に開弁させる掻出開弁制御を実行する構成であること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記アシスト制御手段の掻出開弁制御に
    おけるゲート弁の開弁時間が、アンチスキッド制御にお
    ける1回の減圧でリザーバに逃がされるブレーキ液をブ
    レーキ回路に戻すのに十分な時間に設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記アシスト制御手段の掻出開弁制御に
    おけるゲート弁の開弁時間が、アンチスキッド制御にお
    ける減圧量に対応した時間であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記アシスト制御手段は、掻出開弁制御
    を、ゲート弁を開弁と閉弁とを繰り返すデューティ制御
    により開弁の合計時間が前記開弁時間となるように行
    い、かつ、前記デューティ制御における開弁時間が閉弁
    時間の4倍を越えない設定となっていることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アシスト制御手段は、アンチスキッ
    ド制御にて減圧出力が行われるたびに、掻出制御タイマ
    に前記開弁時間に相当する時間を加算し、この掻出制御
    タイマがクリアされるまで掻出開弁制御を実行する構成
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のブレーキ制御装置。
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