JP2002367664A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
扱うと共に流体を給排する配管などの取り付け固定の安
定性や取り付け精度の向上を図る。 【解決手段】 2列の燃料電池スタック22a,22b
の両端に2列にまたがるよう一対のエンドプレート2
4,26を配置し、この一対のエンドプレート24,2
6を4枚のテンションプレート28a,28bで差し渡
す。そして、各燃料電池スタック22a,22bへ水素
や空気,冷却水を給排する燃料等給排配管40をエンド
プレート24側に取り付けると共に各燃料電池スタック
22a,22bに積層方向の圧力を作用させる圧力作用
機構50をエンドプレート26側に取り付ける。2列の
燃料電池スタック22a,22bを一対のエンドプレー
ト24,26により一体のものとして取り扱うことがで
きるから、燃料等給排配管40の取り付け固定の安定性
や取り付け性を向上させることができる。
Description
詳しくは、単電池を複数積層してなる複数列の燃料電池
スタックを有する燃料電池に関する。
の燃料電池スタックを直列に接続してなるものが提案さ
れている(例えば、特開2001−76751号公報な
ど)。この燃料電池では、両端にエンドプレートが配置
されて保持された燃料電池スタックを2列に並べて配置
し、一方のエンドプレート側から燃料ガスや酸化ガス,
冷却媒体の給排を行なっている。各燃料電池スタック
は、連結部材により連結されており、それぞれが取り付
け金具により車両に取り付けることができるようになっ
ている。
た燃料電池では、各燃料電池スタックが別体として構成
されることにより、連結部材により連結しても各スタッ
クに若干の移動や変形が生じる場合があった。この若干
の移動や変形は、燃料ガスや酸化ガス,冷却媒体を給排
する配管や電気系の配線などのスタックへの取り付け固
定の安定性や取り付け精度を低下させてしまう。また、
燃料電池の車両への安定した搭載を考えると、燃料電池
スタック毎に車両に取り付けなければならず、取り付け
工数も多くなってしまう。
タックを一体として取り扱うことができるようにするこ
とを目的の一つとする。また、本発明の燃料電池は、各
燃料電池スタックに流体を給排する配管などの取り付け
固定の安定性と取り付け精度の向上を図ることを目的の
一つとする。さらに、本発明の燃料電池は、車両への取
り付け工数を少なくすることを目的の一つとする。ある
いは、本発明の燃料電池は、燃料電池スタックに取り付
けられたセンサの信号線の断線を防止することを目的の
一つとする。
発明の燃料電池は、上述の目的の少なくとも一部を達成
するために以下の手段を採った。
てなる複数列の燃料電池スタックを有する燃料電池であ
って、前記複数列の燃料電池スタックの両端部に複数列
にまたがるよう配置され、該複数列の燃料電池スタック
を保持する一対の端部保持部材を備えることを要旨とす
る。
電池スタックの両端を複数列にまたがるように配置され
た一対の端部保持部材により保持するから、複数列の燃
料電池スタックを一体のものとして取り扱うことができ
る。したがって、一対の端部保持部材に各燃料電池スタ
ックに流体を給排する配管などを取り付けるものとすれ
ば、取り付け固定の安定性や取り付け精度の向上を図る
ことができる。また、複数列の燃料電池スタックを一体
のものとして扱うことができるから、燃料電池を車両へ
搭載する場合、その取り付け工数を少なくすることがで
きる。なお、一対の端部保持部材は、例えば一対の板状
部材として形成することができる。
一対の端部保持部材は、車両に搭載用の取り付け部が設
けられてなるものとすることもできる。こうすれば、一
対の端部保持部材により燃料電池を車両へ取り付けるこ
とができる。
対の端部保持部材の一方側から前記複数列の燃料電池ス
タックに流体を給排する流体給排手段を備えるものとす
ることもできる。こうすれば、一方の端部保持部材にお
けるシールの構成を考慮するだけで全体の高いシール性
を確保することができる。この態様の本発明の燃料電池
において、前記流体給排手段は、一方の電極側に供給す
る第1の燃料を給排する第1燃料給排手段と、他方の電
極側に供給する第2の燃料を給排する第2燃料給排手段
と、前記燃料電池スタックを冷却する冷却媒体を給排す
る冷却媒体給排手段とを備えるものとすることもでき
る。
明の燃料電池において、絶縁性材料により所定の厚みの
板状部材として形成され前記一対の端部保持部材の一方
と前記複数列の燃料電池スタックとの間に配置された絶
縁部材を備えるものとすることもできる。こうすれば、
燃料電池に短絡回路が構成されたときの短絡電流を小さ
くすることができる。この態様の本発明の燃料電池にお
いて、前記流体給排手段は、水を給排する水給排手段を
備え、前記所定の厚みは、前記燃料電池スタックに取り
付けられたセンサの信号線と前記絶縁部材に設けられた
水給排用の通路の水とを短絡回路の一部に含んで燃料電
池が短絡したときに前記信号線に流れる電流が該信号線
を断線させない範囲内の電流値となる厚みであるものと
することもできる。こうすれば、信号線の断線を防止す
ることができる。なお、「所定の厚み」は、3mm以上
の厚みとすることもできる。
の燃料電池において、前記一対の端部保持部材の他方側
の内側に配置され、前記複数列の燃料電池スタックの各
々に積層方向の圧力を作用させる圧力作用部材を備える
ものとすることもできる。こうすれば、燃料電池スタッ
クの内部抵抗を小さくするための圧力を作用させること
ができる。また、圧力作用部材は流体給排手段による流
体の燃料電池スタックへの給排と逆側に配置されるか
ら、流体給排手段による流体の給排の高い安定性と高い
取り付け性を確保することができる。この態様の本発明
の燃料電池において、前記圧力作用部材は複数の皿バネ
であるものとすることもできる。
より板状に形成され、前記隣接する燃料電池スタックの
端部の前記端部保持部材の内側に該隣接する燃料電池ス
タックにまたがるよう配置され、該隣接する燃料電池ス
タックを電気的に直列接続する直列接続部材を備えるも
のとすることもできる。こうすれば、簡易な構成で複数
の燃料電池スタックを直列に接続することができる。
様の本発明の燃料電池において、前記複数列の燃料電池
スタックは2列の燃料電池スタックであり、前記直列接
続部材は前記一対の端部保持部材の一方側に取り付けら
れてなるものとすることもできる。こうすれば、端部保
持部材の他方側、即ち流体給排手段による流体の給排を
しない端部保持部材側から電力の取り出しを行なうこと
ができる。したがって、電気配線の配置の自由度を高く
することができる。この態様の本発明の燃料電池におい
て、前記一対の端部保持部材の他方側に配置されて電力
を供給可能な正負一対の出力端子を備えるものとするこ
ともできる。
例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例である燃
料電池20の概略を示す概略平面図であり、図2は図1
の燃料電池20におけるA−A断面を示す断面図であ
る。実施例の燃料電池20は、図示するように、単電池
21を複数積層してなる2列の燃料電池スタック22
a,22bと、この2列の燃料電池スタック22a,2
2bの両端に2列にまたがるよう配置された一対のエン
ドプレート24,26と、この一対のエンドプレート2
4,26を2列の燃料電池スタック22a,22bの上
面および下面で差し渡す4枚のテンションプレート28
a,28b,29a,29bと、2列の燃料電池スタッ
ク22a,22bへ燃料としての水素や酸化剤としての
空気,冷却水を給排する燃料等給排配管40と、2列の
燃料電池スタック22a,22bに積層方向の圧力を作
用させる圧力作用機構50とを備える。
は、エンドプレート24と同様に2列の燃料電池スタッ
ク22a,22bにまたがるようにエンドプレート24
側の端部に配置された板状のターミナルプレート32に
より電気的に直列接続されており、燃料電池スタック2
2aのエンドプレート26側の端部に設けられたプラス
側の出力端子38と同じく燃料電池スタック22bのエ
ンドプレート26側の端部に設けられたマイナス側の出
力端子39とから電力を取り出すことができるようにな
っている。
32との間には、絶縁性材料(例えば樹脂)により形成
された板状のインシュレータ34が配置されており、エ
ンドプレート24とターミナルプレート32とを絶縁し
ている。エンドプレート24とターミナルプレート32
とインシュレータ34には、2列の燃料電池スタック2
2a,22bへ水素や空気,冷却水を供給するための計
6個の供給孔と、2列の燃料電池スタック22a,22
bから水素や空気,冷却水を排出するための計6個の排
出孔とが形成されている。図示しないが、2列の燃料電
池スタック22a,22bには、それぞれ積層方向に貫
通する6個の流路が形成されており、各流路のエンドプ
レート24側の位置はエンドプレート24やターミナル
プレート32,インシュレータ34に形成された計12
個の孔(6個の供給孔と6個の排出孔)に連結されてい
る。したがって、燃料等給排配管40をエンドプレート
24の6個の供給孔と6個の排出孔とに接続し、水素や
空気,冷却水を供給することにより2列の燃料電池スタ
ック22a,22bは発電し、燃料電池20から電力を
取り出すことができるようになる。
レート26側の圧力作用機構50を中心に拡大して示す
拡大説明図である。図示するように、圧力作用機構50
は、燃料電池スタック22aの端部に配置された板状の
インシュレータ36とエンドプレート26との間に配置
されており、インシュレータ36を介して燃料電池スタ
ック22aに積層方向に圧力を作用させる圧力作用プレ
ート51と、圧力作用プレート51に力を作用させる第
1皿バネ52と、第1皿バネ52の反対側の力を受け止
める力受止部材53と、力受止部材53の力を受け止め
ると共に燃料電池スタック22aの圧力を調節するスク
リュー部材54と、スクリュー部材54の力を受け止め
るストッパ55と、ストッパ55とエンドプレート26
とに介在する第2皿バネ56とにより構成されている。
なお、こうした圧力作用機構50は、燃料電池スタック
22bにも取り付けられている。
下部の中央の1箇所とエンドプレート26の下部の両サ
イドの2箇所には、取り付け金具62〜66が取り付け
られており、この3点で燃料電池20を車両に取り付け
ることができるようになっている。なお、実施例では、
3個の取り付け金具62〜66により車両に取り付ける
ものとしたが、ゴムマウントにより車両にマウントする
ものとしてもよいのは勿論である。
ば、一対のエンドプレート24,26を2列の燃料電池
スタック22a,22bの両端を2列にまたがるように
配置して2列の燃料電池スタック22a,22bを保持
するから、2列の燃料電池スタック22a,22bを一
体のものとして取り扱うことができる。この結果、燃料
等給排配管40の取り付け固定の安定性や取り付け精度
の向上を図ることができる。このように2列の燃料電池
スタック22a,22bを一体のものとして扱うことが
できるから、一対のエンドプレート24,26の3点に
設けられた取り付け金具62〜66により燃料電池20
を車両へ取り付けることができる。したがって、燃料電
池スタック毎に車両に取り付けるものに比して、その取
り付け工数を少なくすることができる。
レート24側にターミナルプレート32を配置して2列
の燃料電池スタック22a,22bを直列接続すると共
にエンドプレート24側に燃料等給排配管40を取り付
けるものとしたから、水素や空気,冷却水を同電位部に
給排することができる。この結果、異なる電位の部位に
水を供給することにより生じ得る水の加水分解を防止す
ることができると共に電気的なロスを小さくすることが
できる。こうした配置により燃料電池20の出力端子3
8,39は、燃料等給排配管40と反対側のエンドプレ
ート26側に取り付けられるから、電力用の配線の設計
の自由度を高くすることができる。
レート24側に燃料等給排配管40を取り付けると共に
反対側のエンドプレート26側に圧力作用機構50を取
り付けるものとしたから、燃料等給排配管40の取り付
けに対して2列の燃料電池スタック22a,22bへ作
用させる圧力の調整などによるスタックの変位を考慮す
る必要がない。この結果、燃料等給排配管40の取り付
け性を向上させることができると共に簡易な構成で水素
や空気,冷却水のシール性を確保することができる。
れている冷却水の流路のエンドプレート24近傍の部位
の拡大断面図である。前述したように、燃料電池スタッ
ク22aのエンドプレート24側の端部には、ターミナ
ルプレート32とインシュレータ34とがエンドプレー
ト24との間に配置されている。インシュレータ34
は、燃料電池スタック22aに取り付けられたセンサの
信号線(例えば単電池の電圧を検出するための信号線)
とインシュレータ34の流路34aにおける水とを短絡
回路の一部に含んで短絡したときに、信号線に流れる電
流が信号線を断線させない範囲内の電流値となる厚みα
に形成されている。図5は、短絡回路を電気的に説明す
る回路図である。燃料電池スタック22aは、通常、エ
ンドプレート26側に配置されたインシュレータ36に
より絶縁されている。いま、燃料電池スタック22aが
スタックに取り付けられた信号線とテンションプレート
28aとインシュレータ34の流路34aの冷却水とに
より短絡したときを考える。このとき、信号線に流れる
電流は、インシュレータ34の流路34aの冷却水の抵
抗値によって定まる。この抵抗値は、流路34aの長
さ、即ちインシュレータ34の厚みαによって定まる。
実施例の燃料電池20では、実験などに基づいてインシ
ュレータ34を3mm以上の厚さで形成することによ
り、短絡電流による信号線の断線を防止している。な
お、インシュレータ34の厚みαは、用いる信号線の材
質や断面積,冷却水の性状などによって定まるものであ
る。
ば、燃料等給排配管40が取り付けられるエンドプレー
ト24側に絶縁性材料によりスタックに取り付けられた
センサなどの信号線によって定まる所定の厚みの板状部
材として形成されたインシュレータ34を配置すること
により、信号線を回路の一部として短絡しても信号線が
破断するのを防止することができる。
池スタック22a,22bの両端に2列にまたがるよう
に一対のエンドプレート24,26を配置するものとし
たが、4列や6列などの複数列の燃料電池スタックの両
端に複数列にまたがるよう一対のエンドプレートを配置
するものとしてもよい。
を車両に搭載するものとして説明したが、燃料電池20
を車両に搭載しないものとしても差し支えない。
を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論であ
る。
示す概略平面図である。
断面図である。
側の圧力作用機構50を中心に拡大して示す拡大説明図
である。
水の流路のエンドプレート24近傍の部位の拡大断面図
である。
電池スタック、24,26 エンドプレート、28a,
28b,29a,29b テンションプレート、32
ターミナルプレート、34,36 インシュレータ、3
4a 流路、38,39 出力端子、40 燃料等給排
配管、50 圧力作用機構、51 圧力作用プレート、
52 第1皿バネ、53 力受止部材、54 スクリュ
ー部材、55 ストッパ、56 第2皿バネ、62〜6
4 取り付け金具。
Claims (13)
- 【請求項1】 単電池を複数積層してなる複数列の燃料
電池スタックを有する燃料電池であって、 前記複数列の燃料電池スタックの両端部に複数列にまた
がるよう配置され、該複数列の燃料電池スタックを保持
する一対の端部保持部材を備える燃料電池。 - 【請求項2】 前記一対の端部保持部材は一対の板状部
材である請求項1記載の燃料電池。 - 【請求項3】 前記一対の端部保持部材は、車両に搭載
用の取り付け部が設けられてなる請求項1または2記載
の燃料電池。 - 【請求項4】 前記一対の端部保持部材の一方側から前
記複数列の燃料電池スタックに流体を給排する流体給排
手段を備える請求項1ないし3いずれか記載の燃料電
池。 - 【請求項5】 前記流体給排手段は、一方の電極側に供
給する第1の燃料を給排する第1燃料給排手段と、他方
の電極側に供給する第2の燃料を給排する第2燃料給排
手段と、前記燃料電池スタックを冷却する冷却媒体を給
排する冷却媒体給排手段とを備える請求項4記載の燃料
電池。 - 【請求項6】 絶縁性材料により所定の厚みの板状部材
として形成され、前記一対の端部保持部材の一方と前記
複数列の燃料電池スタックとの間に配置された絶縁部材
を備える請求項4または5記載の燃料電池。 - 【請求項7】 請求項6記載の燃料電池であって、 前記流体給排手段は、水を給排する水給排手段を備え、 前記所定の厚みは、前記燃料電池スタックに取り付けら
れたセンサの信号線と前記絶縁部材に設けられた水給排
用の通路の水とを短絡回路の一部に含んで燃料電池が短
絡したときに、前記信号線に流れる電流が該信号線を断
線させない範囲内の電流値となる厚みである燃料電池。 - 【請求項8】 前記所定の厚みは、3mm以上の厚みで
ある請求項6または7記載の燃料電池。 - 【請求項9】 前記一対の端部保持部材の他方側の内側
に配置され、前記複数列の燃料電池スタックの各々に積
層方向の圧力を作用させる圧力作用部材を備える請求項
4ないし8いずれか記載の燃料電池。 - 【請求項10】 前記圧力作用部材は複数の皿バネであ
る請求項9記載の燃料電池。 - 【請求項11】 導電性材料により板状に形成され、隣
接する燃料電池スタックの端部の前記端部保持部材の内
側に該隣接する燃料電池スタックにまたがるよう配置さ
れ、該隣接する燃料電池スタックを電気的に直列接続す
る直列接続部材を備える請求項1ないし10いずれか記
載の燃料電池。 - 【請求項12】 請求項4ないし10のいずれかに係る
請求項11記載の燃料電池であって、 前記複数列の燃料電池スタックは2列の燃料電池スタッ
クであり、 前記直列接続部材は、前記一対の端部保持部材の一方側
に取り付けられてなる燃料電池。 - 【請求項13】 前記一対の端部保持部材の他方側に配
置されて電力を供給可能な正負一対の出力端子を備える
請求項12記載の燃料電池。
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