JP4494925B2 - 燃料電池ユニット - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池ユニットに関する。
近年、発電機や温水器などの汎用機器の動力源として、燃料電池を使用することが提案されている。燃料電池を動作させるには、燃料電池に冷却水を圧送する冷却水ポンプやカソードガス(反応空気)を圧送するカソードガスポンプなどの補機類が必要となるが、従来、これら補機類は、燃料電池に対して分離・独立して配置され、配管類を介して接続されるのが一般的であった。
一方、例えば特許文献1に記載されるように、積層された単電池を挟持するエンドプレートに、カソードガスやアノードガスを加湿するためのノズルを一体的に取り付けるようにした技術も提案されている。
特開平8−222254号公報(段落0013、図3など)
上記したように、従来の燃料電池にあっては、冷却水ポンプやカソードガスポンプといった補機類が分離・独立して配置され、配管類を介して接続されていたことから、組み立て作業が煩雑であると共に、設置に必要なスペースが大きく、機器への搭載性が良くないという不具合があった。尚、上記した特許文献1に記載される技術にあっては、燃料電池のエンドプレートにカソードガスやアノードガスを加湿するためのノズルを一体的に取り付けるに止まり、機器への搭載性を向上させるには至っていなかった。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、組み立て性を向上させると共に、設置スペースを削減し、よって機器への搭載性を向上させるようにした燃料電池ユニットを提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、積層された複数個の単電池とそれらを挟持する2個のエンドプレートからなる燃料電池と、前記燃料電池に冷却水を圧送する冷却水圧送手段と、前記燃料電池に反応空気を圧送する反応空気圧送手段と、前記燃料電池が発生した電力を出力する出力端子とを備えた燃料電池ユニットにおいて、前記冷却水圧送手段と、前記反応空気圧送手段と、前記出力端子とを前記2個のエンドプレートの一方に一体的に取り付けると共に、さらに、前記一方のエンドプレートの一端に形成されて前記反応空気を前記燃料電池の内部に導入する反応空気導入口と、前記反応空気圧送手段の吐出口と前記反応空気導入口の間に配置されて前記反応空気を加湿する加湿器とを備えると共に、前記加湿器を前記一方のエンドプレートに一体的に取り付けるように構成した。
また、請求項2にあっては、さらに、前記一方のエンドプレートの一端に形成されて前記冷却水を前記燃料電池の内部に導入する冷却水導入口と、前記一方のエンドプレートの他端に形成されて前記冷却水を前記燃料電池の外部に排出する冷却水排出口とを備えると共に、前記冷却水圧送手段を前記冷却水導入口と前記冷却水排出口の間に配置するように構成した。
また、請求項3にあっては、さらに、前記一方のエンドプレートの他端に形成されて前記反応空気を前記燃料電池の外部に排出する反応空気排出口を備えると共に、前記反応空気圧送手段を前記反応空気導入口と前記反応空気排出口の間に配置するように構成した。
また、請求項にあっては、さらに、前記燃料電池ユニットが搭載される機器に前記燃料電池ユニットを固定するための固定用ボスを、前記2個のエンドプレートに形成するように構成した。
請求項1に係る燃料電池ユニットにあっては、燃料電池に冷却水を圧送する冷却水圧送手段と、前記燃料電池に反応空気を圧送する反応空気圧送手段と、前記燃料電池が発生した電力を出力する出力端子とを備えると共に、それらを前記燃料電池の2個のエンドプレートの一方に一体的に取り付けるように構成したので、組み立て性を向上させることができると共に、設置スペースを削減することができ、よって機器への搭載性を向上させることができる。
また、請求項2に係る燃料電池ユニットにあっては、さらに、一方のエンドプレートの一端に形成されて冷却水を燃料電池の内部に導入する冷却水導入口と、前記一方のエンドプレートの他端に形成されて前記冷却水を前記燃料電池の外部に排出する冷却水排出口とを備えると共に、冷却水圧送手段を前記冷却水導入口と前記冷却水排出口の間に配置するように構成したので、上記した効果に加え、冷却水圧送手段、冷却水導入口および冷却水排出口を、冷却水の循環経路を考慮した最適な配置とすることができる。そのため、さらなる組み立て性の向上と設置スペースの削減が可能となり、機器への搭載性をより向上させることができる。
また、請求項3に係る燃料電池ユニットにあっては、さらに、前記一方のエンドプレートの他端に形成されて前記反応空気を前記燃料電池の外部に排出する反応空気排出口を備えると共に、反応空気圧送手段を前記反応空気導入口と前記反応空気排出口の間に配置するように構成したので、上記した効果に加え、反応空気圧送手段、反応空気導入口および反応空気排出口を、反応空気の供給経路を考慮した最適な配置とすることができる。そのため、さらなる組み立て性の向上と設置スペースの削減が可能となり、機器への搭載性をより向上させることができる。
また、請求項1の効果について付言すると、さらに、一方のエンドプレートの一端に形成されて反応空気を燃料電池の内部に導入する反応空気導入口と、反応空気圧送手段の吐出口と反応空気導入口の間に配置されて反応空気を加湿する加湿器を備えると共に、前記加湿器を一方のエンドプレートに一体的に取り付けるように構成したので、上記した効果に加え、反応空気圧送手段の吐出口から加湿器を経て反応空気導入口に至る経路を形成する配管類の長さを短縮することができ、さらなる組み立て性の向上と設置スペースの削減が可能となって機器への搭載性をより一層向上させることができる。
また、請求項に係る燃料電池ユニットにあっては、さらに、燃料電池ユニットを機器に固定するための固定用ボスを、2個のエンドプレートに形成するように構成したので、上記した効果に加え、機器への固定を容易に行うことができ、よって搭載性をより一層向上させることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る燃料電池ユニットの最良の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る燃料電池ユニットをコージェネレーションシステムの一部として示す概略図である。
図1において、符10は燃料電池ユニットを示す。燃料電池ユニット10は、複数個の単電池を積層して形成された燃料電池(スタック)12と、冷却水を燃料電池12に圧送する冷却水ポンプ(冷却水圧送手段)14と、カソードガス(反応空気)を燃料電池12に圧送するカソードガスポンプ(反応空気圧送手段)16と、燃料電池12が発生した電力を出力する出力端子18と、カソードガスを加湿する加湿器20とを一体的に備え、コージェネレーションシステム22に搭載される。尚、燃料電池12は、電解質膜(固体高分子膜)と、それを挟持するカソード極(空気極)とアノード極(燃料極)と、各電極の外側に配置されるセパレータとから構成される単電池を複数個積層して形成された、公知の固体高分子型燃料電池である。
以下、図1を参照し、コージェネレーションシステム22の構成について概説する。
図示の如く、コージェネレーションシステム22は、カソードガス供給系26を備える。カソードガス供給系26は、上記したカソードガスポンプ16や図示しないエアクリーナを備え、燃料電池12に大気をカソードガスとして供給する。カソードガスポンプ16は、その吸入口(図1で図示せず)がエアクリーナを介して大気と連通されると共に、吐出口(図1で図示せず)が加湿器20を介して燃料電池12のカソードガス導入口(図1で図示せず)に接続される。
また、コージェネレーションシステム22は、アノードガス供給系30を備える。アノードガス供給系30は、図示しない改質器などを備え、一端が燃料電池12のアノードガス導入口(図1で図示せず)に接続されると共に、他端が都市ガスの供給源に接続される。アノードガス供給系30は、都市ガスを改質して得た水素ガスを、燃料電池12にアノードガス(燃料)として供給する。
また、コージェネレーションシステム22は、冷却/熱出力系32を備える。冷却/熱出力系32は、上記した冷却水ポンプ14や熱交換器34、図示しないラジエータやイオンフィルタなどを備える。冷却水ポンプ14は、その吐出口(図1で図示せず)が燃料電池12の冷却水導入口(図1で図示せず)に接続されると共に、吸入口(図1で図示せず)がラジエータやイオンフィルタ、熱交換器34を介して燃料電池12の冷却水排出口(図1で図示せず)に接続される。
コージェネレーションシステム22は、さらに、排気系36と電力制御系38とを備える。排気系36は、図示しないマフラーなどを備え、一端が加湿器20を介して燃料電池12のカソードガス排出口(図1で図示せず)に接続されると共に、他端が大気に開放される。排気系36は、燃料電池12から排出されたカソードガス(以下「カソードオフガス」という)を、大気中に排出する。また、電力制御系38は、マイクロコンピュータからなるECU(電子制御ユニット)40やインバータ42などを備え、燃料電池12の出力端子18に接続される。ECU40は、冷却水ポンプ14やカソードガスポンプ16、インバータ42などの補機類の動作を制御する。
次いで、コージェネレーションシステム22の動作について概説する。
カソードガスポンプ16で吸引されたカソードガス(大気)は、エアクリーナで粉塵が除去される。粉塵が除去されたカソードガスは、加湿器20に流入し、そこで燃料電池12から排出されたカソードオフガスに含まれる水分の供給を受けて加湿された後、燃料電池12のカソード極に供給される。
燃料電池12のカソード極に供給されたカソードガスは、アノード極に供給されたアノードガスと電気化学反応を生じる。カソード極およびアノード極で生じる電極反応は、具体的には下記の通りである。
アノード極:H→2H+2e
カソード極:1/2O+2H+2e→H
従って、全体の反応は下記となる。
全体:H+1/2O→H
上記の反応によって燃料電池12が発生した電力(直流電流)は、出力端子18から取り出され、その一部がECU40や冷却水ポンプ14、カソードガスポンプ16などの補機類の電源として使用されると共に、残部がインバータ42によって所定の周波数の交流電流に変換された後、電気負荷(交流電源機器)44に供給される。
燃料電池12から排出されたカソードオフガスは、加湿器20と排気系36を介して大気中に排出される。加湿器20は、カソードガス(新気)が通過するカソードガス通路と、カソードオフガスが通過するカソードオフガス通路と、各通路を隔てる水蒸気透過膜(いずれも図示せず)とを備える。
上記した電極反応から明らかなように、カソードオフガスには発電によって生成された水分が含まれる。かかる水分は、加湿器20の内部に設けられた水蒸気透過膜を透過してカソードガスに供給される。尚、燃料電池12から排出されたアノードガス(未反応ガス)は、アノードガス供給系30に還流され、再度燃料電池12に供給される。
冷却水ポンプ14から吐出された冷却水は、燃料電池12の内部を通過して燃料電池12を冷却する。燃料電池12を冷却することによって昇温させられた冷却水は、その一部が熱交換器34に供給され、そこで温水器などの熱負荷46と熱の授受が行われる一方、残部はラジエータを通過して大気に放熱させられる。熱交換器34やラジエータを通過した冷却水は、イオンフィルタなどを介して冷却水ポンプ14に吸入され、上記した経路を再度循環する。
このように、コージェネレーションシステム22は、燃料電池12を動作させて発電を行うことにより、電気負荷44に電力を供給すると共に、発電に伴う燃料電池12の排熱を利用して熱負荷46に熱エネルギーを供給する。
次いで、燃料電池ユニット10の構造について詳説する。図2は、燃料電池ユニット10の分解斜視図である。
図2に示すように、燃料電池12は、積層された複数個の単電池(符号50で示す)と、それらを挟持する2個のエンドプレート52,54とからなる。以下、符号52で示すエンドプレートを「第1のエンドプレート」と呼び、符54で示すエンドプレートを「第2のエンドプレート」と呼ぶ。
図示の如く、2個のエンドプレートの一方、具体的には、第1のエンドプレート52には、上記した冷却水ポンプ14と、カソードガスポンプ16と、出力端子18と、加湿器20とがボルトによって一体的に取り付けられる。
以下、第1のエンドプレート52に取り付けられる上記各部材の配置位置について詳説する。
第1のエンドプレート52(および第2のエンドプレート54)は、正面視において略長方形を呈する。第1のエンドプレート52の一端(具体的には、一方の短辺付近)には、冷却水を燃料電池12の内部に導入する冷却水導入口60と、カソードガスを燃料電池12の内部(カソード極)に導入するカソードガス導入口(反応空気導入口)62と、アノードガスを燃料電池12の外部に排出するアノードガス排出口64とが形成される。
一方、第1のエンドプレート52の他端(具体的には、他方の短辺付近)には、冷却水を燃料電池12の外部に排出する冷却水排出口66と、カソードガスを燃料電池12の外部に排出するカソードガス排出口(反応空気排出口)68と、アノードガスを燃料電池12の内部(アノード極)に導入するアノードガス導入口70とが形成される。
冷却水ポンプ14は、冷却水導入口60と冷却水排出口66の間に配置される。具体的には、第1のエンドプレート52の短辺と平行な方向を上下方向としたとき、冷却水ポンプ14は、第1のエンドプレート52において下方の長辺の中央付近に配置される。冷却水ポンプ14は、羽根車やそれを駆動する電動モータなどが収容される本体部分(符号72で示す)と、それに接続された吸入口74および吐出口76を備える。図示の如く、冷却水ポンプ14のうち、本体部分72は燃料電池12の下方に配置され、本体部分72と吸入口74(および吐出口76)の間に形成されたフランジ部分(符号80で示す)が第1のエンドプレート52にボルトで固定される。
冷却水ポンプ14の吸入口74は、図1を参照して説明したように、熱交換器34(図2で図示せず)などを介して冷却水排出口66に接続される。また、冷却水ポンプ14の吐出口76は、配管82を介して冷却水導入口60に接続される。
冷却水ポンプ14から吐出された冷却水は、図に実線の矢印で示すように、配管82を通過した後、第1のエンドプレート52の一端に形成された冷却水導入口60から燃料電池12の内部に導入される。燃料電池12の内部に導入された冷却水は、第1のエンドプレート52の他端に形成された冷却水排出口66から外部に排出された後、熱交換器34や冷却水ポンプ14を経由し、冷却水導入口60から再度燃料電池12の内部に導入される。
カソードガスポンプ16は、カソードガス導入口62とカソードガス排出口68の間に配置される。具体的には、カソードガスポンプ14は、第1のエンドプレート52において下方の長辺の中央付近、より詳しくは、前記した冷却水ポンプ14の隣に配置される。カソードガスポンプ16も、冷却水ポンプ14と同様に、羽根車やそれを駆動する電動モータなどが収容される本体部分84と、それに接続された吸入口86および吐出口88を備える。そして、そのうちの本体部分が燃料電池12の下方に配置され、本体部分と吸入口86(および吐出口88)の間に形成されたフランジ部分(符号90で示す)が第1のエンドプレート52にボルトで固定される。
カソードガスポンプ16の吸入口86は、図1を参照して説明したように、エアクリーナを介して大気と連通させられる。一方、カソードガスポンプ16の吐出口88は、加湿器20に形成されたカソードガス通路(図示せず)の導入口に接続される。カソードガス通路の排出口は、配管92を介してカソードガス導入口62に接続される。尚、加湿器20は、第1のエンドプレート52に取り付けたとき、カソードガスポンプ16の吐出口88とカソードガス導入口62の間に配置される。また、出力端子18は、加湿器20の上部に配置される。
カソードガス排出口68は、加湿器20に形成されたカソードオフガス通路(図示せず)の導入口に接続される。カソードオフガス通路の排出口は、排気系36に接続される。
カソードガスポンプ16から吐出されたカソードガスは、図に破線の矢印で示すように、加湿器20で加湿された後、配管92を通過し、第1のエンドプレート52の一端に形成されたカソードガス導入口62から燃料電池12の内部に導入される。燃料電池12の内部に導入されたカソードガスは、カソード極での電極反応を終えた後、図に二点鎖線の矢印で示す如く、第1のエンドプレート52の他端に形成されたカソードガス排出口68からカソードオフガスとして排出され、さらに加湿器20と排気系36を通過して大気中に排出される。
また、第1のエンドプレート52の下部には、燃料電池ユニット10をコージェネレーションシステム22に固定するための固定用ボス94が2個形成される。さらに、第2のエンドプレート54の下部において第1のエンドプレート52に形成された固定用ボス94と対向する位置には、固定用ボス96が2個(図では1個のみ示す)形成される。対向して配置された1つずつの固定用ボス94と固定用ボス96とからなる2組の固定用ボス対には、それぞれ台座部98がボルト100によって取り付けられる。台座部98は、図示しないボルトにより、コージェネレーションシステム22に固定される。これにより、燃料電池ユニット10がコージェネレーションシステム22の内部に設置される。
尚、台座部98の高さは、上述した冷却水ポンプ14とカソードガスポンプ16の本体部分72,84よりも大きな値に設定される。即ち、燃料電池ユニット10を設置したとき、冷却水ポンプ14とカソードガスポンプ16の本体部分がコージェネレーションシステム22に干渉しないように、台座部98によって燃料電池ユニット10が所定の高さだけ持ち上げられる。これにより、燃料電池ユニット10の厚み(単電池50の積層方向の厚み)を減少させることができる。
このように、この発明に係る燃料電池ユニット10にあっては、燃料電池12に冷却水を圧送する冷却水ポンプ14と、燃料電池12にカソードガスを圧送するカソードガスポンプ16と、燃料電池12が発生した電力を出力する出力端子18とを備える共に、それらを燃料電池12の2個のエンドプレート52,54の一方、具体的には、第1のエンドプレート52に一体的に取り付けるように構成したので、組み立て性を向上させることができると共に、設置スペースを削減することができ、よって機器(コージェネレーションシステム22)への搭載性を向上させることができる。さらに、冷却水ポンプ14やカソードガスポンプ16、出力端子18などが一面(第1のエンドプレート52)に集約されるため、設置後の整備性も良好である。
また、第1のエンドプレート52の一端に形成された冷却水導入口60と、第1のエンドプレート52の他端に形成された冷却水排出口66とを備えると共に、冷却水ポンプ14を冷却水導入口60と冷却水排出口66の間に配置するように構成したので、冷却水ポンプ14、冷却水導入口60および冷却水排出口66を、冷却水の循環経路を考慮した最適な配置とすることができる。具体的には、上記の如く配置することで、冷却水排出口66から冷却水ポンプ14を経て冷却水導入口60に至る経路を形成する配管類の長さを短縮することができる。そのため、さらなる組み立て性の向上と設置スペースの削減が可能となり、機器への搭載性をより向上させることができる
また、カソードガスポンプ16の吐出口88とカソードガス導入口62の間に配置されてカソードガスを加湿する加湿器20を備えると共に、かかる加湿器20を第1のエンドプレート52に一体的に取り付けるように構成したので、カソードガスポンプの吐出口88から加湿器20を経てカソードガス導入口62に至る経路を形成する配管類の長さを短縮することができ、さらなる組み立て性の向上と設置スペースの削減が可能となって機器への搭載性をより一層向上させることができる。
また、第1のエンドプレート52の一端に形成されたカソードガス導入口62と、第1のエンドプレート52の他端に形成されたカソードオフガス排出口68とを備えると共に、カソードガスポンプ16をカソードガス導入口62とカソードガス排出口68の間に配置するように構成したので、カソードガスポンプ16、カソードガス導入口62およびカソードオフガス排出口68を、カソードガスの供給経路を考慮した最適な配置とすることができ、さらなる組み立て性の向上と設置スペースの削減が可能となって機器への搭載性をより一層向上させることができる。
具体的に説明すると、この実施例に係る燃料電池12のような固体高分子型の燃料電池にあっては、カソードオフガスに水分が含まれるため、カソードガスとカソードオフガスの両方を加湿器に流入させることにより、かかる水分を利用してカソードガスを加湿することができる。加湿器にカソードガスとカソードオフガスの両方を流入させるには、カソードガスポンプの吐出口から加湿器を経てカソードガス導入口に至る経路と、カソードオフガス排出口から加湿器に至る経路を形成する必要があり、構成が複雑化し易い。しかしながら、カソードガス導入口62とカソードガス排出口68の間にカソードガスポンプ16を配置することで、カソードガスポンプの吐出口88から加湿器20を経てカソードガス導入口62に至る経路を形成する配管類と、カソードオフガス排出口68から加湿器20に至る経路を形成する配管類の長さを短縮することができるため、さらなる組み立て性の向上と設置スペースの削減が可能となり、よって機器への搭載性をより一層向上させることが可能となる。
また、第1および第2のエンドプレート52,54に、燃料電池ユニット10を固定するための固定用ボス94,96を形成するように構成したので、機器への固定を容易に行うことができ、よって搭載性をより一層向上させることができる。
尚、上記において、冷却水ポンプ14やカソードガスポンプ16などを第1のエンドプレート52に集約して一体的に取り付けるようにしたが、第2のエンドプレート54に取り付けるようにしても良い。
また、燃料電池12を固体高分子型としたが、他の形式であっても良い。さらに、燃料電池ユニット10が搭載される機器をコージェネレーションシステム22としたが、他の機器に搭載しても良い。
以上のように、この発明の第1実施例にあっては、積層された複数個の単電池(50)とそれらを挟持する2個のエンドプレート(第1のエンドプレート52と第2のエンドプレート54)からなる燃料電池(12)と、前記燃料電池(12)に冷却水を圧送する冷却水圧送手段(冷却水ポンプ14)と、前記燃料電池(12)に反応空気(カソードガス)を圧送する反応空気圧送手段(カソードガスポンプ16)と、前記燃料電池(12)が発生した電力を出力する出力端子(18)とを備えた燃料電池ユニット(10)において、前記冷却水圧送手段(14)と、前記反応空気圧送手段(16)と、前記出力端子(18)とを前記2個のエンドプレートの一方(具体的には第1のエンドプレート52)に一体的に取り付けると共に、さらに、前記一方のエンドプレート(52)の一端に形成されて前記反応空気を前記燃料電池(12)の内部に導入する反応空気導入口(カソードガス導入口62)と、前記反応空気圧送手段(16)の吐出口(88)と前記反応空気導入口(62)の間に配置されて前記反応空気を加湿する加湿器(20)とを備えると共に、前記加湿器(20)を前記一方のエンドプレート(52)に一体的に取り付けるように構成した。
さらに、前記一方のエンドプレート(52)の一端に形成されて前記冷却水を前記燃料電池(12)の内部に導入する冷却水導入口(60)と、前記一方のエンドプレート(52)の他端に形成されて前記冷却水を前記燃料電池(12)の外部に排出する冷却水排出口(66)とを備えると共に、前記冷却水圧送手段(14)を前記冷却水導入口(60)と前記冷却水排出口(66)の間に配置するように構成した。
さらに、前記一方のエンドプレート(52)の他端に形成されて前記反応空気を前記燃料電池(12)の外部に排出する反応空気排出口(カソードガス排出口68)を備えると共に、前記反応空気圧送手段(16)を前記反応空気導入口(62)と前記反応空気排出口(68)の間に配置するように構成した。
さらに、前記燃料電池ユニット(10)が搭載される機器(コージェネレーションシステム22)に前記燃料電池ユニット(10)を固定するための固定用ボス(94,96)を、前記2個のエンドプレート(52,54)に形成するように構成した。
この発明の第1実施例に係る燃料電池ユニットをコージェネレーションシステムの一部として示す概略図である。 図1に示す燃料電池ユニットの分解斜視図である。
符号の説明
10 燃料電池ユニット
12 燃料電池
14 冷却水ポンプ(冷却水圧送手段)
16 カソードガスポンプ(反応空気圧送手段)
18 出力端子
20 加湿器
50 単電池
52 第1のエンドプレート(一方のエンドプレート)
54 第2のエンドプレート
60 冷却水導入口
62 カソードガス導入口(反応空気導入口)
66 冷却水排出口
68 カソードガス排出口(反応空気排出口)
88 カソードガスポンプの吐出口(反応空気圧送手段の吐出口)
94 固定用ボス
96 固定用ボス

Claims (4)

  1. 積層された複数個の単電池とそれらを挟持する2個のエンドプレートからなる燃料電池と、前記燃料電池に冷却水を圧送する冷却水圧送手段と、前記燃料電池に反応空気を圧送する反応空気圧送手段と、前記燃料電池が発生した電力を出力する出力端子とを備えた燃料電池ユニットにおいて、前記冷却水圧送手段と、前記反応空気圧送手段と、前記出力端子とを前記2個のエンドプレートの一方に一体的に取り付けると共に、さらに、前記一方のエンドプレートの一端に形成されて前記反応空気を前記燃料電池の内部に導入する反応空気導入口と、前記反応空気圧送手段の吐出口と前記反応空気導入口の間に配置されて前記反応空気を加湿する加湿器とを備えると共に、前記加湿器を前記一方のエンドプレートに一体的に取り付けたことを特徴とする燃料電池ユニット。
  2. さらに、前記一方のエンドプレートの一端に形成されて前記冷却水を前記燃料電池の内部に導入する冷却水導入口と、前記一方のエンドプレートの他端に形成されて前記冷却水を前記燃料電池の外部に排出する冷却水排出口とを備えると共に、前記冷却水圧送手段を前記冷却水導入口と前記冷却水排出口の間に配置したことを特徴とする請求項1記載の燃料電池ユニット。
  3. さらに、前記一方のエンドプレートの他端に形成されて前記反応空気を前記燃料電池の外部に排出する反応空気排出口を備えると共に、前記反応空気圧送手段を前記反応空気導入口と前記反応空気排出口の間に配置したことを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池ユニット。
  4. さらに、前記燃料電池ユニットが搭載される機器に前記燃料電池ユニットを固定するための固定用ボスを、前記2個のエンドプレートに形成したことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の燃料電池ユニット。
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