JP2002365234A - 表面評価装置及び表面評価方法 - Google Patents
表面評価装置及び表面評価方法Info
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Abstract
表面粗さや表面形状の方向依存性を評価する装置と方法
を提供。 【解決手段】 反射光を最小限に抑え、かつ散乱光のみ
を発生させる入射角度で入射光を、試料表面に照射する
照射手段、散乱光を結像させる結像レンズ及びCCDの
検出手段、及び記録手段を有する表面評価装置におい
て、予め照射光1の中心が試料3の測定領域の回転中心
と一致されており、試料を特定の相対角度ωで断続的ま
たは連続的に回転させて、各相対角度毎のデータを、記
録、解析し、試料表面の全方向にわたるスクラッチ、及
び表面粗さや表面形状の方向依存性を評価する。
Description
乱光を用いた表面評価装置及び該装置を用いた表面評価
方法に関し、より詳しくは、半導体、絶縁体、金属等の
試料表面に、光線を照射させ、試料表面からの散乱光を
検出し、試料表面の微小な粒子、付着物等の異物、及び
粗さ、キズ、線状の溝(「スクラッチ」という)等の微
細な凹凸、並びに構造または組成の変化を、広い範囲に
わたって、高精度に評価するための表面評価装置とその
評価方法に関し、特に、試料表面の全方向のスクラッ
チ、あるいは試料の表面粗さや表面形状の方向依存性を
評価するための表面評価装置とその評価方法に関する。
試料表面の微粒子、付着物等の異物は、He−Neレー
ザーやArレーザーのようなレーザー光を用いて、集光
させた照射光を、試料表面に対して比較的垂直に近い角
度で入射させ、表面からの散乱光を、凹面鏡である積分
球等を用いて捕捉し、ついで各測定点での散乱光強度
を、光電子増倍管(「PMT」という。)を用いて、電
気信号に変換させることにより、測定していた。また、
異物の位置は、シリコンウエハや照射光を走査させて、
照射位置を移動させることにより、測定していた。
った時のスポット内の照射光の強度及び異物からの散乱
光強度に対するPMTの感度に左右され、現状では検出
可能な異物は、粒径100nm(1nmは、1000分
の1μmである。)程度である。より微小な粒径の異物
の検出を可能とするためには、PMTの感度向上または
PMTへの光量を増やす必要があり、このため、各方向
に出される散乱光を積分球等によりできるだけ効率的に
捕捉し、かつ測定時間を長くしなくてはならなかった。
また、検出できる最小の粒径を示す分解能を向上するた
めには、照射光のスポット径を絞り、スポット内の光強
度を上げる必要があった。
の光路上に、積分球等の光学部品を配置する必要があ
り、該部品に起因する反射光が迷光となり、S/N比を
低下させる。また、露光時間を長くしても、S/N比は
変らなかった。また、単一レーザー光を用いて、試料表
面からの散乱光強度のみを測定しているだけであり、異
物と微細な凹凸とを識別することができず、シリコンウ
エハのミラー面のような非常に平滑な面を評価するには
不都合であった。
に加えて、斜め方向からの照射光を併用して、垂直に近
い角度からの照射光による結果と比較して、異物と微細
な凹凸とを識別する方法が提案されている。しかしなが
ら、異物と微小な凹凸との識別はできるものの、分解能
は、従来と同様であり、なお不十分であった。また、照
射光が2種類あり、複雑な装置構成であった。さらに、
散乱光を捕捉する光路上に配置した光学部品による反射
光が迷光となり、S/N比を下げる要因となっていた。
円面鏡集光器を備えた装置を用いることにより、散乱光
を捕捉する工夫がなされ、nmオーダーの異物の検出が
可能となった。しかしながら、該装置を用いても、従来
と同様、測定時間が極端に長くなってしまうという問題
が残されており、また、照射光が単一であり、S/N比
については、前記の従来技術と大きな違いはなく、シリ
コンウエハのミラー面のように非常に平滑な表面の粗
さ、例えばSTMやATMによってのみ測定可能な微小
周期を有する粗さ(「マイクロラフネス」という。)を
評価するためには不十分なものであった。
合、試料表面の異物やマイクロラフネスとの識別、ある
いは表面形状の測定はできるものの、測定領域が極めて
狭い範囲に限られ、シリコンウエハ等の試料表面を、広
い範囲にわたって、マイクロラフネスレベルで評価する
には不都合であった。
−150584号により、上記問題点を解決する、試料
表面の異物や微細な凹凸との識別が短持間かつ容易にで
き、広い範囲にわたって、短時間かつ容易に、高精度に
評価できる表面評価装置を提案した。また、特願平20
01−150583号により、シリコンウエハ等のマイ
クロラフネスを、高精度に評価できる表面評価方法を提
案した。
は、さらに、上記以外の他の表面評価方法が求められて
おり、特に、シリコンウエハ等の試料表面の全方向のス
クラッチ、あるいは試料の表面粗さや表面形状の方向依
存性を評価し得る方法が望まれている。
課題を解決し得る、シリコンウエハ等の試料表面の全方
向のスクラッチ、あるいは試料の表面粗さや表面形状の
方向依存性を、短時間かつ容易に、高精度に評価するた
めの表面評価装置とその評価方法を提供することであ
る。
した結果、試料を載置する試料ステージを、試料表面の
法線を軸にして回転可能とし、かつ試料の測定領域が回
転の中心となるように設定された装置を用いることによ
り、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成
するに至った。
面評価装置は、試料ステージ上に載置された試料表面
に、反射光が最小となる入射角度で照射光を照射させる
光照射手段と、試料表面に対して法線方向かつ対向する
位置に配置された、試料表面からの散乱光を結像させる
結像レンズ及び結像された散乱光を電気信号に変換させ
るCCDからなる散乱光検出手段と、該CCDからの電
気信号を記録させる記録手段とを有する表面評価装置に
おいて、前記試料ステージが試料表面の法線を軸にして
回転可能であり、かつ試料の測定領域が回転の中心とな
るように設定されてなることを特徴とするものである。
項1に記載の発明において、照射光が、反射光を最小限
に抑え、散乱光のみを発生させる入射角度であることを
特徴とするものである。
項1または請求項2に記載の発明において、偏光面調整
手段が、光照射手段に配設されてなることを特徴とする
ものである。
項3に記載の発明において、照射光が、P偏光であるこ
とを特徴とするものである。
項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明におい
て、試料表面の測定領域よりも小面積に集光された照射
光が、走査されて、該測定領域が均一に照射されてなる
ことを特徴とするものである。
項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明におい
て、試料表面と散乱光検出手段との間に、照射光の入射
方向及び試料表面に対して平行に配置されたスリットを
有することを特徴とするものである。
項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明におい
て、試料ステージ上に載置された試料が、1ステップ当
りの角度送り5〜20度で、断続的に回転されてなるこ
とを特徴とするものである。
項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明におい
て、試料ステージ上に載置された試料が、1回のステッ
プ当りの角度送り5〜20度で、断続的に回転され、か
つCCDの回転が試料と同期されてなることを特徴とす
るものである。
項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明におい
て、試料ステージ上に載置された試料が、1回の露光時
間当りの角度送り5〜20度で、連続的に回転されてな
ることを特徴とするものである。
求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明におい
て、試料ステージ上に載置された試料が、1回の露光時
間当りの角度送り5〜20度で、連続的に回転され、か
つCCDの回転が試料と同期されてなることを特徴とす
るものである。
求項1から請求項10のいずれか1項に記載の表面評価
装置を用いて、試料表面を評価することを特徴とするも
のである。
求項11に記載の発明において、試料の測定領域を回転
させ、照射光と試料との各相対角度に対する散乱光強度
分布の変化または変化率を測定することを特徴とするも
のである。
求項11に記載の発明において、照射光と試料との各相
対角度に対する散乱光強度分布の変化または変化率が、
試料表面への照射光強度及び露光時間に対する比として
標準化されることを特徴とするものである。
求項12または請求項13に記載の発明において、試料
表面の全方向のスクラッチを評価することを特徴とする
ものである。
求項12または請求項13に記載の発明において、試料
の表面粗さや表面形状の方向依存性を評価することを特
徴とするものである。
面調整させ、かつ試料表面に対してブリュースター角に
近い角度で照射光を入射させ、結像レンズ及びCCDへ
の反射光を最小限に抑えながら、散乱光のみを効果的に
発生させると共に、さらに、試料の測定領域よりも小面
積に集光させた照射光を走査させることにより、該測定
領域を均一な光強度で照射し、測定時のノイズとなる迷
光、反射光や光量のバラツキを最小限に抑えることによ
って行われる。
大きく依存する散乱光強度の変化に対して、照射光の光
量及び/またはCCDへの露光時間を調整させることに
より、常にCCDへの露光量を最適化し、散乱光強度の
変化への追従性がよく、ダイナミックレンジが広い。
る。以下、図1を参照して、本発明の測定原理について
説明する。
面に対して斜め上方から入射させた照射光1は、ほとん
どが試料3内部に進み、ごく一部のみが反射光として逆
方向に出て行く。照射光1は、試料3表面に対し法線方
向かつ対向する位置に配置した、結像レンズ4及びCC
D5への反射光を最小限に抑えながら、散乱光のみを効
果的に発生させる入射角度θで、試料3表面に照射され
る。照射光1の入射角度θは、具体的には、試料の種類
により決まるブリュースター角に近い角度であり、シリ
コンの場合、76度である。
(光偏光面が入射面に対して平行な光)及び/またはS
偏光(光偏光面が入射面に対して垂直な光)の照射光1
の入射角度θに対する反射光の反射率の理論値及び実験
値である。図中、縦軸は、反射光の反射率を、横軸は、
試料表面に対する照射光の入射角度θを表す。S偏光で
は、照射光の入射角度θを90度まで漸増させるに従
い、反射率は単調に増加するが、P偏光では、76度ま
では、反射率が漸減し、76度でほぼ0となった後、急
激に1に上昇する。反射率は、理論値、実験値共同様の
挙動を示す。すなわち、照射光にP偏光を用いて76度
付近の入射角度とすることにより、迷光の原因となる反
射光を最小限に抑えて、散乱光のみを効果的に発生さ
せ、捕捉することが可能となり、非常にS/N比のよい
状態での測定が可能となり、高感度な測定ができる。
は構造や組成の変化等がある場合、集光した照射光1の
照射部分より散乱光が発生する。発生した散乱光を、結
像レンズ4により、CCD5に結像させる。CCD5
は、散乱光強度に応じた強さの電気信号を発生させると
共に、各測定部分に対応する散乱光強度に対応する画像
をモニターに表示する。このCCD画像を記録、解析す
ることにより、試料表面に存在する、異物、微細な凹
凸、組成の変化やそれらの分布を測定し、例えばSTM
やAFMによってのみ測定可能な微小周期を有する粗さ
であるマイクロラフネスレベルで、試料表面を評価する
ことができる。
ように平滑な場合、表面粗さによる散乱光は、極めて微
弱となり、一方、粗い場合には、大きくなる。散乱光強
度は、試料3の表面状態により大きく依存するため、C
CD5からの電気信号が不十分であったり、逆に飽和し
てしまう恐れがある。このような場合には、照射光1の
光量及び/またはCCD5への露光時間を調節して、C
CD5への露光量を、常に最適状態に保持することによ
り、常に高感度で高精度な測定を行うことができる。
施例に基き、詳細に説明する。なお、本発明は、実施例
によりなんら限定されない。
評価装置(以下、「本装置」という。)を示す模式図で
ある。また、図4は、結像レンズと試料との間にスリッ
トを配置させた時の模式図である。以下、図3を参照し
て、「本装置」について説明する。
488nm、出力:0.1〜1.6W可変)から射出さ
せた単一レーザー光は、減光フィルター8により、光量
が調節された後、2分の1波長板9により、P偏光また
はS偏光に偏光面調整される。通常、P偏光を用いる
が、試料表面からの散乱光が強い場合には、S偏光の成
分も入れて調整される。
は、照射光1走査用X−Yスキャナー7を経た後、試料
3表面上で適当な大きさのスポットとなるように、集光
レンズ10により集光された照射光1が、試料ステージ
2の上に載置した試料3表面に、反射光を最小限に抑
え、散乱光のみを発生させる、ブリュースター角に近い
角度で、斜め上方より照射される。
料3内部を進行し、ごく一部のみが反射光となり、照射
光1と逆方向に進む。反射光は、他の構造物に再反射し
て迷光となったり、試料3表面あるいは結像レンズ4や
CCD5に再照射してノイズとなるため、迷光防止用遮
蔽板13が設置されている。
表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置した、焦
点可変の結像レンズ(口径:10mm)4により、CC
D5に結像される。ついで、CCD5に結像された散乱
光は、その強度に応じた強さの電気信号に変換される。
CCD5は、ノイズ低減のため、ペルチェ素子を用いて
冷却させて、暗電流を抑制している
ソコン11により、画像処理され、モニター12に、発
生させた散乱光の強度分布に対応したCCD画像が表示
される。このCCD画像を記録、解析することにより、
試料表面の異物、微細な凹凸、組成の変化やそれらの分
布を測定し、高精度な評価が行われる。
Z方向に位置調整でき、測定位置を移動できる位置調整
ステージと、試料3表面の法線方向を軸として回転可能
な回転ステージ(「シータ・ステージ」という。)とか
らなり、前記位置調整ステージは、照射光の中心と、回
転させる試料3表面の測定領域の中心とが一致するよう
に、シータ・ステージに対して上段側に配置される。
は、試料3表面の測定領域の中心を回転軸とし、かつ該
回転軸を照射光1の中心と高精度に一致させる必要があ
る。照射光1と前記回転軸を高精度に一致させるため、
試料ステージ2の下段には、さらに、X−Y−Zステー
ジを配置させることがある。
自体の傾きによる散乱光強度の変化が生じないよう、試
料ステージ2は、回転軸に対して垂直になるように十分
調整されている。傾き調整は、ゴニオステージ等の傾斜
ステージを配置して行う。
光1走査用X−Yスキャナー7は、試料3の測定領域
に、照射光1を走査させ、測定領域を均一照射するため
のものである。
定領域よりも小面積に集光させた照射光1が、該測定領
域の約2倍の領域に走査されて、測定領域が均一照射さ
れる。具体的には、楕円形状の100μm程度のP偏光
の単一レーザー光(出力:0.43W)が、シリコンウ
エハの測定領域(縦×横:600μm)に対して、縦×
横1500μmの領域について、クランク状に76.7
μmピッチで、1走査当り1.06秒で走査される。
ミラーの2段組合せ以外に、ポリゴンミラーやレーザー
の直接振幅等を用いてもよい。
一レーザー光を走査させて、シリコンウエハ試料3表面
に照射させた時の、試料表面の異物による散乱光を記録
したCCD画像(CCDへの露光時間:63.6秒)で
ある。CCD画像は、1018×1000画素で構成さ
れ、各画素の輝度は4096階調(「カウント数」とす
る。)である。図5(a)は、CCD5からの画像であ
り、散乱光の強度分布が明るさの分布として表示されて
いる。また、図5(b)は、(a)のCCD画像を拡大
したもので、(b)中の輝点は、試料表面の粒子による
散乱光であり、異物の位置を示している。
画像内の各走査線上の散乱光の強度分布である。図中、
縦軸がカウント数を、横軸がX方向測定位置を示してお
り、散乱光強度に応じた凸凹の波形が記録されている。
図5(b)のように試料3表面に異物がある時、異物の
位置(A1、A2及びA3)に対応して、散乱光強度の
極大値が現れる。この極大値の高さは、異物の粒径に対
応しており、異物の粒径が推定できる。
る、走査線上の異物による散乱光強度別発生個数の度数
分布である。図中、横軸の散乱光強度(a.u.:任意
尺度の意味である。)は、異物による散乱光強度の極大
値を表し、図5(a)のCCD画像より、適宜設定した
しきい値より大きいものを異物による散乱光とし、つぎ
に、各輝点の最高カウント数の座標を求め、その値から
バックグラウンドの平均であるベースライン値を引いた
ものである。縦軸は、全測定領域における発生個数を示
している。図6により、試料の測定領域内に、どのよう
な粒径の異物が何個存在しているか識別できる。
に、試料3表面からの散乱光を結像するための結像レン
ズ4の前または後に、試料3表面及び照射光1の入射方
向に対して平行に、幅1mmのスリットを配置させた場
合、照射光1の入射方向と試料3表面のスクラッチ方向
の測定可能な相対角度が±5度程度となり、スリットな
し時の±15度程度と比べ、該相対角度が狭く制限され
ることと引き換えに、S/N比が向上し、スリットなし
では検出されなかったスクラッチが検出できるので好ま
しい。
幅が数十nm程度までのスクラッチが測定できるが、測
定領域が極めて狭い範囲に限られてしまうという欠点を
有していた。本発明では、シリコンウエハ等の試料の広
い範囲にわたって、断面形状については分からないもの
の、上記よりさらに1桁以上の微細なスクラッチを、短
時間かつ容易に識別することができる。
ジ2上に載置されたシリコンウエハ試料との関係を示す
図である。シリコンウエハは、その結晶方位に対しての
方向、位置決めを行うための直線部分(「オリフラ」と
いう。)を有する。照射光1の中心は、試料3表面の測
定領域の回転の中心と一致するように、予め調整され、
試料3が、反時計回り(+方向とする。)に回転され
る。図中、照射光1の入射方向に対して、シリコンウエ
ハのオリフラが直角となる角度を、照射光の入射方向に
対する試料の相対角度ωが0度とする。
示す方法により、検出される。
レーザー光に対して、試料の測定領域を中心として反時
計回りに断続的に回転させて、1ステップ当りの角度送
り5〜20度で、試料の相対角度ωを断続的に変化させ
ることにより、各相対角度ω毎のCCD画像を、各々測
定、記録する。ついで、試料の方向が同一となるよう
に、各相対角度ωでのCCD画像を角度補正した後、各
相対角度ωでのCCD画像を、重ね合わせ、1枚のデー
タに合成する。合成されたデータは、試料表面の全方向
のスクラッチを示している。また、CCDの回転を試料
の回転と同期させて、各相対角度ω毎のCCD画像を、
そのまま1枚のデータに合成してもよい。
Dへの露光時間を予め一定に調整して測定するか、ある
いは、各CCD画像の測定結果を、照射光強度及び露光
時間で除して、同一条件となるように標準化される。
単一レーザー光を、シリコンウエハ試料表面に照射させ
た時の、試料の全方向のスクラッチを測定した結果を示
す図である。図8の上段は、上記方法に準じて、1ステ
ップ当りの角度送り10度で、反時計回りに、相対角度
ωを0〜90度まで、断続的に試料を回転させた時の、
各相対角度ωにおけるCCD画像の反転画像であり、ま
た図8の下段は、上段の各反転画像を、重ね合わせて、
一枚のデータとして合成したもので、シリコンウエハ表
面の全方向のスクラッチが表示されている。このよう
に、本発明は、試料表面の全方向のスクラッチを検出す
ることができる。
ように、照射光の入射方向を固定し、試料を断続的に回
転させて測定する方法以外に、試料を固定し、試料表面
の測定領域を中心として、断続的に照射光を水平回転さ
せて測定する方法、あるいは試料表面の同一測定領域を
中心として照射するように、複数の照射光を予め設置
し、相対角度ωに相当する位置の照射光に順次切替えて
測定する方法でも、同様の結果が得られる。スリットを
用いる場合には、相対角度ωに同期させる必要がある。
させる以外に、入射方向を固定させた照射光に対して、
試料表面の測定領域を中心として、反時計回りに、1回
の露光時間当りの角度送り5〜20度で、連続的に試料
を回転させて、各走査毎のCCD画像を、各々測定、記
録した後、各走査毎のCCD画像の角度補正を行い、1
枚のデータに合成して、試料表面の全方向のスクラッチ
を評価することができる。また、試料を固定し、照射光
を連続的に水平回転させても、同様の結果を得ることが
できる。この場合、スリットの回転を照射光の回転と同
期させる必要がある。
示したように、試料表面の異物や微細な凹凸の位置に対
応する点状または線状の輝点が表示された図5(a)、
(b)の「CCD画像」、及び図5(c)の「走査線上
の散乱光の強度分布」のデータが得られる。
布」データにおいて、図5(b)の「CCD画像」中、
異物や微細な凹凸の位置に対応する点状または線状の輝
点で表示された散乱光強度の極大値がある場合、図5
(c)中の該極大値の部分を取り除いたバックグラウン
ドレベルが、試料の表面粗さを反映している。なお、こ
の場合、表面粗さに相応した散乱光強度が得られるとい
うことであり、散乱光強度の分布曲線が断面形状を表す
ものではない。
を取り除く補正をした後、散乱光強度分布の平均値を求
めることにより、試料のマイクロラフネスが、数値化さ
れたデータとして得られる。
が小さい場合には、上記補正の影響が十分小さく、無視
しても差支えなく、異物の付着が極めて少ない、清浄な
シリコンウエハのミラー面等においては、実際上、補正
しなくとも、試料の表面粗さを十分に評価することがで
きる。
すカウント数で得られる。同一条件で測定した場合に
は、得られたカウント数を、そのまま比較することが可
能であるが、測定条件が異なる場合には、入射角度は一
定として、照射光強度及び露光時間をもとに標準化した
カウント数として、以下に示した数式により求め、比較
される。
における表面粗さの比較が可能となり、また粗い面から
平滑な面までの広い範囲を比較することができる。
上記「2.試料表面の全方向のスクラッチの検出」に準
ずる方法により、各「走査線上の散乱光強度分布」を測
定し、散乱光強度分布のバックグラウンドレベルまたは
全散乱光強度分布を求めることにより、評価することが
できる。
乱光強度分布の平均値で表面粗さを比較する場合には、
照射光の入射方向と試料との相対角度の角度補正を行う
必要がない。また、1回に測定する試料表面の全測定領
域をさらに細かい領域に区分する場合には、照射光の入
射方向と試料との相対角度の角度補正を行う必要があ
る。
対する初期相対角度及び回転方向を変えた時の方向依存
性を比較した図であり、入射方向を固定させた、P偏向
の単一レーザー光に対して、同一シリコンウエハ試料
を、まず(a)初期相対角度ωを0度とし、反時計回り
に15度ずつ断続的に回転させ、ついで(b)初期相対
角度ωを45度とし、時計回りに15度ずつ断続的に回
転させた時の、各相対角度ω毎に測定した散乱光強度分
布より求めた、標準化したカウント数を比較したもので
ある。図9では、シリコンウエハの初期相対角度ω及び
回転方向如何にかかわらず、各相対角度ωにおける散乱
光強度分布は、同一の挙動を示しており、表面粗さの方
向依存性の評価が容易に行うことができることを示して
いる。
結晶方向を持つ面を形成しながら、エピタキシャル成長
していく、シリコンウエハのエピタキシャル成長面の方
向依存性を評価できる他、金属加工面や、焼結体等の試
料についても、方向依存性や規則性の評価も行うことが
できる。
及びメーカー3社のシリコンウエハ(直径:150m
m、結晶方位(100))について、上記方法に準じ
て、表面粗さの方向依存性を比較した結果である。図1
0より、散乱板では、表面粗さがランダムなため、各相
対角度ωでの散乱光強度分布の変化は極めて小さく、ま
た、シリコンウエハでは、メーカーにより、散乱光強度
分布であるカウント数や方向依存性ついて相異があるこ
とが、数値化されたデータとして定量的に示されてい
る。
でしか評価できなかったシリコンウエハ等のマイクロラ
フネスが、広い範囲にわたって、簡単かつ容易に、非破
壊で、定量的に評価することができる。
の凹凸、表面粗さの評価以外にも、例えば、同一の材料
であっても結晶、多結晶、非晶質(アモルファスとい
う)等のように結晶性の変化に伴い、反射率と共に散乱
光強度が変化するものであれば、評価、比較することが
できる。また、本発明は、試料表面に付着している有機
物等の変化、あるいは複数の原材料が混合された試料に
おいて、原材料の組成比率の変化により、散乱光強度が
変化するものも、評価、比較できる。
分球等の光学部品が不要の単純な光学系で光路上に光学
部品がなく、かつ簡単な構成の装置であり、迷光が発生
せず、非常に優れたS/N比で、試料表面を測定でき、
高精度の表面評価を行うことができる。
あるいは構造または組成の変化が、広い範囲にわたり、
短時間かつ容易に、各々識別することができる。本発明
は、粒径30nmまでの異物が、高速でカウント、マッ
ピングでき、また、溝幅が1nm程度までの、キズ、ス
クラッチを検出することができる。
つ容易にでき、常にCCD露光量を最適化することがで
き、散乱光強度の変化に対して追従性がよく、ダイナミ
ックレンジが広い。
が、簡単かつ容易に評価することができ、また、試料の
表面粗さや表面形状の方向依存性が、簡単かつ容易に、
定量的に評価することができる。
い試料に対する非破壊測定が可能である。
度に対応する反射光の反射率の理論値及び実験値を示す
図である。
置を示す模式図である。
リットを配置させた時の模式図である。
を測定した「CCD画像」及び各「走査線上の散乱光強
度分布」を示す図である。
散乱光強度分布別発生個数の度数分布を示す図である。
域を中心にして、試料を回転させることを示す模式図で
ある。
全方向のスクラッチを測定した結果を示す図である。
の入射方向に対する初期相対角度及び回転方向を変えた
時の方向依存性を比較した図である。
について比較した結果を示す図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 試料ステージ上に載置された試料表面
に、反射光が最小となる入射角度で照射光を照射させる
光照射手段と、試料表面に対して法線方向かつ対向する
位置に配置された、試料表面からの散乱光を結像させる
結像レンズ及び結像された散乱光を電気信号に変換させ
るCCDからなる散乱光検出手段と、該CCDからの電
気信号を記録させる記録手段とを有する表面評価装置に
おいて、前記試料ステージが試料表面の法線を軸にして
回転可能であり、かつ試料の測定領域が回転の中心とな
るように設定されてなることを特徴とする表面評価装
置。 - 【請求項2】 照射光が、反射光を最小限に抑え、散乱
光のみを発生させる入射角度であることを特徴とする請
求項1に記載の表面評価装置。 - 【請求項3】 偏光面調整手段が、光照射手段に配設さ
れてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記
載の表面評価装置。 - 【請求項4】 照射光が、P偏光であることを特徴とす
る請求項3に記載の表面評価装置。 - 【請求項5】 試料表面の測定領域よりも小面積に集光
された照射光が、走査されて、該測定領域が均一に照射
されてなることを特徴とする請求項1から請求項4のい
ずれか1項に記載の表面評価装置。 - 【請求項6】 試料表面と散乱光検出手段との間に、照
射光の入射方向及び試料表面に対して平行に配置された
スリットを有することを特徴とする請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の表面評価装置。 - 【請求項7】 試料ステージ上に載置された試料が、1
ステップ当りの角度送り5〜20度で、断続的に回転さ
れてなることを特徴とする請求項1から請求項6のいず
れか1項に記載の表面評価装置。 - 【請求項8】 試料ステージ上に載置された試料が、1
ステップ当りの角度送り5〜20度で、断続的に回転さ
れ、かつCCDの回転が試料の回転と同期されてなるこ
とを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に
記載の表面評価装置。 - 【請求項9】 試料ステージ上に載置された試料が、1
回の露光時間当りの角度送り5〜20度で、連続的に回
転されてなることを特徴とする請求項1から請求項6の
いずれか1項に記載の表面評価装置。 - 【請求項10】 試料ステージ上に載置された試料が、
1回の露光時間当りの角度送り5〜20度で、連続的に
回転され、かつCCDの回転が試料の回転と同期されて
なることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか
1項に記載の表面評価装置。 - 【請求項11】 請求項1から請求項10のいずれか1
項に記載の表面評価装置を用いて、試料表面を評価する
ことを特徴とする表面評価方法。 - 【請求項12】 照射光と試料との各相対角度に対する
散乱光強度分布の変化または変化率が測定されることを
特徴とする請求項11に記載の表面評価方法。 - 【請求項13】 照射光と試料との各相対角度に対する
散乱光強度分布の変化または変化率が、試料表面への照
射光強度及び露光時間に対する比として標準化されるこ
とを特徴とする請求項11に記載の表面評価方法。 - 【請求項14】 請求項12または請求項13におい
て、試料表面の全方向のスクラッチを評価することを特
徴とする表面評価方法。 - 【請求項15】 請求項12または請求項13におい
て、試料の表面粗さまたは表面形状の方向依存性を評価
することを特徴とする表面評価方法。
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