JP3789111B2 - 半導体装置の製造方法及び異物検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等の被検査体に光を照射し、このときに被検査体に生じる散乱光の強度から半導体ウエハ上に付着したサブミクロンオーダの微小な異物を検査する異物検査方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような異物検査方法は、例えば半導体ウエハの表面にレーザビームを照射し、かつこのレーザビームを半導体ウエハ表面の全面に走査する。
このように半導体ウエハ表面上にレーザビームが照射されると、このとき半導体ウエハ表面上に散乱光が生じ、この散乱光を光検出器により検出する。
そして、この光検出器により検出された散乱光の強度から半導体ウエハ表面上に付着している異物を検出する。
このような異物検出方法では、半導体ウエハ表面の金属膜上に付着している異物に対し、その大きさが0.2μmまでの異物を検出できるものとなっている。
又、半導体ウエハに入射するレーザビームの偏光方向、半導体ウエハに生じる散乱光を受光する光検出器の配置を考慮して、より微細な異物(大きさ0.07μm程度)を検出できるようにしている。
このような異物検出方法は、例えばベアウエハのような表面の粗さの非常に小さい半導体ウエハ、つまり鏡面状の半導体ウエハ表面上の異物を検出するのに適している。
ところが、実際の半導体の製造ライン、例えば現在開発中の256MDRAMの製造工程でも、金属膜のような表面粗さの大きい半導体ウエハが使用されており、この表面粗さの大きい半導体ウエハ上においても大きさ0.2μm以下の異物を検出する必要がある。
【0003】
しかしながら、上記異物検査方法では、表面粗さの大きい半導体ウエハ上で大きさ0.2μm以下の異物を検出することは対応できないものとなっている。
すなわち、異物の検出感度は、異物からの散乱光強度をSとし、半導体ウエハ表面からの散乱光強度をNとすると、S/N≧3が一般的に検出限界となる。
表面粗さの大きい半導体ウエハでは、半導体ウエハ表面からの散乱光強度Nが大きくなるため、検出限界が低下し、0.2μm以下の異物の検出に対応できない。
又、特開昭64−3545号公報では、波長が異なるS偏光を2つの光源からそれぞれ照射し、反射光におけるP偏光成分の光量とS偏光成分の光量とを検出し、その比の値に基づいて異物を検出する技術が開示されている。同様の技術は、特開平2−284047号公報にも開示されている。
これらは、パターンが形成されている半導体ウエハを対象としており、所定の規則的な凹凸を成すパターンが形成された半導体ウエハ表面に対し、S偏光を照射し、その際のS偏光の偏光状態が規則的なパターンにおいては保存され、乱雑な形状を呈する異物ではP偏光に変化することを利用している。そのため、S偏光とP偏光の比をとっている。
【0004】
しかしながら、本発明が対象とするような表面粗さの大きな金属膜付き半導体ウエハを対象とする場合には、上述の方式では、P偏光成分が多く検出されてしまい、すなわち表面粗さと異物との区別が付かない状態(S/Nが低い状態)となり異物の検出が極めて困難になる。
又、検出器を複数設けなければならないのに加えて、P偏光成分とS偏光成分との検出強度の比をとる処理が必要となり、構成及び信号処理方法が複雑となってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように表面粗さの大きい半導体ウエハ上で大きさ0.2μm以下の異物を検出する場合、半導体ウエハ表面からの散乱光強度Nが大きくなって検出限界が低下し、微小な異物を検出するのに対応できない。
そこで本発明は、表面粗さの大きい被検査体上でも確実に微小な異物を検出できる異物検出装置を提供することを目的とする。また、好適な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、金属膜付き半導体ウエハの表面に対して光を走査し、この金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光を検出して前記金属膜付き半導体ウエハ表面の異物などを検査する検査工程を備える半導体装置の製造方法において、前記検査工程における前記金属膜付き半導体ウエハ表面上に対して走査する前記光のスポット形状は、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成され、且つ前記金属膜付き半導体ウエハ表面上を螺旋状に走査することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0007】
また、金属膜付き半導体ウエハの表面に対して光を走査し、この金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光を検出して前記金属膜付き半導体ウエハ表面の異物などを検査する検査工程を備える半導体装置の製造方法において、前記検査工程では、S偏光成分の光を前記金属膜付き半導体ウエハに対して所定の入射角で照射すると共に、前記S偏光成分の光のスポット形状を前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成して、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上を螺旋状に走査し、かつ前記金属膜付き半導体ウエハから散乱光のうちS偏光成分を選択して所定の角度方向から受光し、かつこの受光強度に基いて前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の異物などを検出することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0008】
また、金属膜付き半導体ウエハの表面に対して光を走査する手段と、この金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光を検出する手段とを備える前記金属膜付き半導体ウエハ表面の異物などを検査する異物検査装置において、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上に走査する前記光のスポット形状は、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成され、且つ螺旋状に走査するように構成されていることを特徴とする異物検査装置である。
【0009】
また、金属膜付き半導体ウエハの表面に対して光を螺旋状に走査する手段と、この金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光を検出する手段とを備える前記金属膜付き半導体ウエハ表面の異物などを検査する異物検査装置において、S偏光成分の光を前記金属膜付き半導体ウエハに対して所定の入射角で、かつ、このS偏光成分の光のスポット形状を前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成する手段と、前記金属膜付き半導体ウエハからの散乱光のうちS偏光成分を選択して所定の角度方向から受光する手段と、この受光強度に基いて前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の異物などを検出する手段とを備え、前記S偏光の光のスポット形状が、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成された状態で、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上において螺旋状に走査するように構成されていることを特徴とする異物検査装置である。
【0010】
また、被検査体表面に対して20°以下の照射角度でS偏光成分の光を照射する集光照射光学系と、前記被検査体表面上に対して前記S偏光成分の光を螺旋状に走査する手段と、前記被検査体表面に対して仰角を10°〜40°、前記S偏光成分の光の入射平面に対して水平角を110°〜150°の範囲で、前記被検査体から生じる散乱光を受光する受光光学系と、この受光光学系により検出された受光強度に基いて前記被検査体表面上の異物などを検出する異物検出手段とを具備し、前記集光照射光学系は、前記S偏光成分の光をスポット形状で、かつ前記被検査表面上の走査方向と一致する方向に長く形成する手段を備えたことを特徴とする異物検査装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の異物検査方法は、金属膜のような表面粗さの大きい半導体ウエハ等の被検査体(以下、半導体ウエハで説明する)に対して所定の入射角でS偏光成分の光を照射し、このときに半導体ウエハに生じる散乱光のうちS偏光成分のみを選択して所定の角度方向から受光し、この受光強度に基づいて半導体ウエハ表面上の異物を検出するものである。
このような方法をとると、後に実験によって得たグラフによって示すように、散乱光の表面粗さに起因するノイズ成分(N)でのS偏光成分の大きさと、異物に起因する信号成分(S)でのS偏光成分の大きさとが大きく異なるので、これを利用して、表面粗さの大きい半導体ウエハにおいても0.2μm以下の異物を正確に検出できる。
この場合、半導体ウエハに照射するS偏光成分の光の照射角度ρを半導体ウエハ表面に対して20°以下とし、その条件下で半導体ウエハに生じる散乱光のうちS偏光成分のみを、半導体ウエハ表面に対して仰角θを10°〜40°かつ半導体ウエハに照射するS偏光成分の光の入射平面に対して水平角φを110°〜150°の範囲で受光するように設定されている。
【0012】
ここでは、照射角度ρは、半導体ウエハの表面粗さの影響を少なくする角度に、又仰角θは異物による散乱光をよりよく受光できる角度に設定されており、特に仰角θに関しては特開平3−128445号公報等に明らかである。
図1はかかる異物検査方法を適用した異物検査装置の構成図である。
一軸ステージ1は、一軸方向である矢印(イ)方向に移動自在な機能を有し、この一軸ステージ1上には回転ステージ2が設けられている。
この回転ステージ2には、ウエハチャック3が備えられ、このウエハチャック3により半導体ウエハ4が回転ステージ2上に固定されるようになっている。
この半導体ウエハ4の表面は、金属膜のような表面粗さの大きいものである。
なお、これら一軸ステージ1及び回転ステージ2により、半導体ウエハ4の全面にレーザビームを走査する走査手段が構成される。
一方、回転テーブル2の斜め上方には、S偏光成分のみのレーザビームを半導体ウエハ4に対して20°以下の所定の照射角度で照射する光照射光学系5が配置されている。
この光照射光学系5は、波長488nmのレーザビームを出力するアルゴンレーザ発振器(以下、レーザ発振器と省略する)6を備え、このレーザ発振器6から出力されるレーザビーム光路上に偏光子7、集光照射光学系を構成する反射ミラー8及び集光レンズ9を配置した構成となっている。
【0013】
このうち偏光子7は、レーザ発振器6から出力されたレーザビームをS偏光成分のみの光とする性質を有している。
反射ミラー8は、偏光子7を透過したS偏光成分のみのレーザビームを半導体ウエハ4に対して所定の入射角度、例えば半導体ウエハ4の表面に対して仰角20°の入射角になるように配置されている。
集光レンズ9は、反射ミラー8の反射光路上に配置され、S偏光成分のみのレーザビームを集光して半導体ウエハ4の表面上に小さなレーザスポット10を形成する機能を有している。
又、回転ステージ2の上方には、レーザビームを半導体ウエハ4に照射したときに半導体ウエハ4に生じる散乱光のうちS偏光成分のみを選択して所定の角度方向から受光する受光光学系11が配置されている。
この受光光学系11は、図2に示すようにレーザスポット10の照射位置を中心として、半導体ウエハ4の表面に対して仰角10°〜40°かつ半導体ウエハ4に照射するS偏光成分の光の入射平面に対して水平角110°〜150°の範囲で受光するように設定されている。
なお、ここでは、半導体ウエハ4の表面に対して仰角25°かつ半導体ウエハ4に照射するS偏光成分の光の入射平面に対して水平角130°で受光するように設定されている。
【0014】
この受光光学系11は、偏光子12、ファイバプレート13及び光電子増倍管14から構成されている。
このうち偏光子12は、レーザ照射位置を中心として±20°の広がり角の散乱光を受光し、ファイバプレート13を通して光電子増倍管14に導く働きを有している。
偏光子12は、半導体ウエハ4に生じる散乱光のうちS偏光成分のみを通過させる性質を有している。
光電子増倍管14は、入射した散乱光を光電変換し、散乱光の光強度に対応した散乱光信号Qとして出力する機能を有している。
この光電子増倍管14の出力端子は、増幅回路15、インタフェース回路16を介してコンピュータ17に接続されている。
インタフェース回路16は、光電子増倍管14から出力され増幅回路15により増幅された散乱光信号QをA/D変換してコンピュータ17に送り、かつコンピュータ17から発せられる一軸ステージ1、回転ステージ2に対する各制御信号s1、s2を一軸ステージ1及び回転ステージ2に送る機能を有している。
コンピュータ17は、一軸ステージ1、回転ステージ2をそれぞれ動作させる各制御信号s1、s2を送出する機能を有している。
【0015】
又、コンピュータ17は、光電子増倍管14から出力された散乱光信号Qをインタフェース回路16を通して取り込み、この散乱光信号Qから得られる受光強度に基づいて半導体ウエハ4の表面上の異物の有無、大きさを検出し、かつ一軸ステージ1、回転ステージ2に対する制御信号s1、s2から異物の位置を検出する異物検出手段としての機能を有している。
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
回転ステージ2上のウエハチャック3により半導体ウエハ4が、回転ステージ2上に固定される。
コンピュータ17は、回転ステージ2に対して所定の回転速度で回転させる制御信号s2を送出するとともに回転ステージ2が1回転するごとに一軸ステージ1を一軸方向に所定のピッチだけ移動させる制御信号s1を送出する。
これら制御信号s1、s2は、それぞれインタフェース回路16を通して回転ステージ2、一軸ステージ1に送られる。
これにより、回転ステージ2は所定の回転速度で回転し、かつ一軸ステージ1は回転ステージ2が1回転するごとに一軸方向に所定のピッチだけ移動するという動作を繰り返す。
【0016】
一方、レーザ発振器6から波長488nmのレーザビームが出力されると、このレーザビームは、偏光子7を通過することによりS偏光成分のみのレーザビームとなる。
このS偏光成分のみのレーザビームは、反射ミラー8で反射し、集光レンズ9により集光され、半導体ウエハ4の表面上に小さなレーザスポット10として照射される。
なお、レーザスポット10は、半導体ウエハ4の表面に対して照射角20°で入射する。
従って、半導体ウエハ4が所定の回転速度で回転し、かつ半導体ウエハ4が1回転するごとに一軸方向に所定のピッチだけ移動するので、レーザスポット10は、半導体ウエハ4の表面に螺旋状に走査される。
この半導体ウエハ4に走査されるレーザスポット10内に異物があると、この異物によって散乱光が発生する。
偏光子12は、散乱光のうちS偏光成分のみを通過させてファイバプレート13に導く。このファイバプレート13は、半導体ウエハ4の表面上に発生した散乱光の特定部分を広がり角±20°でもって選択的に集光し、光電子増倍管14に導く。
そして、光電子増倍管14は、ファイバプレート13を通過したS偏光成分の散乱光を光電変換し、散乱光の光強度に対応した散乱光信号Qとして出力する。
【0017】
この散乱光信号Qは、増幅回路15で増幅され、インタフェース回路16でA/D変換されてコンピュータ17に送られる。
このコンピュータ17は、ディジタルの散乱光信号Qを取り込み、この散乱光信号Qから得られる受光強度に基づいて半導体ウエハ4の表面上の異物の有無、大きさを検出し、かつ一軸ステージ1、回転ステージ2に対する制御信号s1、s2から異物の位置を検出する。
ところで、半導体プロセスでは、アルミニウム(Al)、タングステン(W)の膜は、CVDプロセスで半導体ウエハ上に形成されるが、このプロセスで膜の表面は、ベアシリコンの半導体ウエハの表面に比べて大きな粗さを持つ。
このような半導体ウエハ4の表面上の異物を検出する場合、レーザスポット10内に異物がないときでも半導体ウエハ4の表面の凹凸形状で散乱光が発生し、この散乱光がノイズ成分(N)となる。
異物検出では、異物による散乱光を信号成分(S)とするので、半導体ウエハ4の表面粗さが大きくなり、ノイズ成分(N)の散乱光が大きくなると、相対的にS/Nが低下し、検出感度が低下する。
【0018】
ここで、図3はAl膜による散乱光の特性を示す。レーザビームの照射角θは、半導体ウエハ4の表面に対して20°、入射偏光はS偏光である。ここで、照射角θを20°以下としているは、表面粗さによるノイズ成分(N)の発生を抑えるためである。
この散乱光の特性は、検出側においてファイバプレート13を付けない場合(従来技術)h1 、S偏光のみ検出の場合h2 、P偏光のみ検出の場合h3 の3つの場合を示している。
この散乱光の特性から分かるように散乱光(N)の最も小さい条件は、S偏光のみ検出の場合h2 の側方散乱光(水平角φが130°付近)検出である。
このように散乱光(N)の最も小さくなる条件がS偏光のみの検出の場合h2となることは、Al膜の膜厚が変化しても、又材質がタングステンに変わっても同一であることが分かっている。
一方、図4は、例としてAl膜上での0.2μm径の異物による散乱光の特性を示す。
この散乱光の特性は、上記図3に示す特性同様に、半導体ウエハ4の表面に対するレーザビームの照射角ρを20°とし、S偏光の入射偏光で実験を行った結果を表しており、検出側においてファイバプレート13を付けない場合であるh1 、S偏光のみ検出の場合であるh2 、P偏光のみ検出の場合であるh3 の3つの場合を示している。
【0019】
この散乱光の特性から散乱光(S)の最も大きくなる条件は、ファイバプレート13なしとS偏光のみ検出の場合であるh2 の側方散乱光検出の場合となる。
図5は、図3及び図4から得られるS/N特性を示す。
このS/N特性に示すようにS偏光のみの場合であるh2 の条件が全般的にS/Nが高く、特に水平角φが130°の条件が最もよい結果を示している。
従って、S偏光のレーザビームを半導体ウエハ4に入射し、半導体ウエハ4に生じる散乱光のS偏光のみを検出することで、従来技術よりもS/Nが高く、表面粗さが大きい膜でも0.2μm以下の異物の検出が可能となる。
図6は入射偏光と検出偏光を変えた際の0.2μmのゴミの異物に対する検出感度の評価のまとめを示す。
この検出感度評価は、膜の散乱に影響を与えるパラメータにはレーザビームの入射角度、偏光の種類、膜の種類、膜厚があるので、これらパラメータによる散乱特性を実験的に求めて膜の散乱光を小さくする条件を見出だし、この膜の散乱光強度が小さくなる条件で粒径0.2μmのゴミの検出感度を評価したものである。
【0020】
この評価結果に示すようにレーザビームの照射角φが20°の場合では入射偏光S、検出偏光Sのときに、膜の散乱光強度(すなわち散乱光(N))が最も弱くなり、S/Nが向上する。
又、膜の種類や厚さが変化しても膜の散乱光の空間分布は、変わらないことが分かっているので、膜の種類や厚さが変わっても、ほぼ同様の結果が得られる。
膜の散乱光強度が最も弱くなる条件で0.2μmのゴミの検出の結果、従来(入射偏光S、検出偏光は無偏光)に比べてS/Nが2倍となることが分かる。
このように上記第1の実施の形態においては、半導体ウエハ4に対して所定の入射角でS偏光成分のレーザビームを照射し、半導体ウエハ4に生じる散乱光のうちS偏光成分のみを選択して所定の角度方向から受光し、この受光強度に基づいて半導体ウエハ4表面上の異物を検出するようにしたので、実際の半導体の製造ライン、例えば現在開発中の256MDRAMの製造工程において、金属膜のような表面粗さの大きい半導体ウエハが使用されているが、この表面粗さの大きい半導体ウエハ上においても大きさ0.2μm以下の異物を検出することができる。
【0021】
なお、上記第1の実施の形態は、次の通り変形してもよい。例えば、半導体ウエハ4に入射するレーザビームの入射偏光をS偏光にするには、偏光子7を用いずに、直線偏光出力レーザビームを使用し、偏光面を合わせるように向きを合わせればよい。
又、走査ステージとしては、一軸ステージ1に代わり、XY直交方式のステージを用いてもよい。 半導体ウエハ4に生じる散乱光の集光は、ファイバプレート13の代わりに光学レンズ系を用いてもよい。被検査体は、半導体ウエハ4に限らず、板状の物体であれば適用できる。
(2) 次に本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の異物検査方法は、金属膜のような表面粗さの大きい半導体ウエハ等の被検査体(以下、半導体ウエハで説明する)に対してレーザビームを走査し、このとき半導体ウエハに生じる散乱光を検出して半導体ウエハ表面の異物を検査する異物検査方法において、半導体ウエハ表面上に走査するレーザビームのスポット形状を、半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向を長く形成したものである。
【0022】
図7はかかる異物検査方法を適用した異物検査装置の構成図である。Xステージ20及びYステージ21上には、ウエハチャック23が備えられ、このウエハチャック23により半導体ウエハ4が固定されるようになっている。この半導体ウエハ4は、金属膜のような表面粗さの大きいものである。なお、これらXY軸ステージ20、21により、半導体ウエハ4の全面にレーザビームを走査する走査手段が構成される。
一方、回転テーブル22の斜め上方には、レーザビームを出力するレーザ発振器24、及び光照射光学系25が配置されている。このうち光照射光学系25は、レーザ発振器24から出力されたレーザビームを半導体ウエハ4の表面上における走査方向と一致する方向に長くしたスポット形状、例えば楕円形状のレーザビームスポットに形成し、このレーザビームスポットを半導体ウエハ4に照射する機能を有するもので、アナモルフィックエキスパンダ26、反射ミラー27及び集光レンズ28から構成されている。このうちアナモルフィックエキスパンダ26は、レーザ発振器24から出力されたレーザビームを楕円形状のレーザビームに変形する機能を有している。
【0023】
反射ミラー27は、アナモルフィックエキスパンダ26を透過した楕円形状のレーザビームを半導体ウエハ4に対して所定の入射角になるように配置されている。集光レンズ28は、反射ミラー27の反射光路上に配置され、楕円形状のレーザビームを集光して半導体ウエハ4の表面上に小さなレーザスポット29を形成する機能を有している。又、Xステージ20及びYステージ21の上方には、レーザビームを半導体ウエハ4に照射したときに半導体ウエハ4に生じる散乱光を所定の角度方向から受光する受光光学系30が配置されている。
この受光光学系30は、光ファイバ31及び光電子増倍管32から構成されている。
このうち光電子増倍管32は、光ファイバ31を通して受光した散乱光を光電変換・増幅し、その電気信号(散乱光信号Q)を出力する機能を有している。
この光電子増倍管32の出力端子には、アンプ回路33を介してコンピュータ34が接続されている。
このコンピュータ34は、XYステージ20、21をそれぞれ動作制御する機能を有している。
又、コンピュータ34は、光電子増倍管32から出力された散乱光信号Qをアンプ回路33を通して取り込み、この散乱光信号Qから得られる受光強度に基づいて半導体ウエハ4の表面上の異物の有無、大きさを検出し、かつXYステージ20、21及び回転ステージ22に対する制御位置から異物の位置を検出する異物検出手段としての機能を有している。
【0024】
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
回転ステージ22上のウエハチャック23により半導体ウエハ4が、回転ステージ2上に固定される。
コンピュータ34は、Xステージ20を半導体ウエハ4の両端間に相当する距離だけ定速で移動制御し、かつこのXステージ20に対する一定速移動ごとにYステージ21を楕円形状のレーザビームスポット29の所定の距離だけステップ移動制御することを繰り返す。
一方、レーザ発振器24からレーザビームが出力されると、このレーザビームは、アナモルフィックエキスパンダ26により楕円形状のレーザビームに変形される。
この楕円形状のレーザビームは、反射ミラー27で反射し、集光レンズ28により集光され、半導体ウエハ4の表面上に小さなレーザスポット29として照射される。
従って、レーザスポット29は、半導体ウエハ4上に、X軸方向に定速で走査され、かつこのX軸方向の定速走査ごとにY軸方向にレーザスポット29の所定の距離だけステップ移動され、この走査つまりベクトル走査が繰り返えされて半導体ウエハ4の全面に走査される。
【0025】
この半導体ウエハ4に走査されるレーザスポット29内に異物があると、この異物によって散乱光が発生する。
光ファイバ31は、半導体ウエハ4の表面上に発生した散乱光を光電子増倍管32に導く。
この光電子増倍管32は、光ファイバ31により導かれた散乱光を受光し、光電変換・増幅してその散乱光信号Qとして出力する。
この散乱光信号Qは、アンプ回路33を通してコンピュータ34に送られる。 ここで、図8は半導体ウエハ4として例えば表面粗さの非常に小さいベアウエハ上に異物がある場合の散乱光信号Qの信号波形を示す。
この場合、ノイズ成分NA は、検出器として使用している光電子増倍管32のショットノイズによる。
このノイズ成分NA の値は、照射するレーザビームのパワーをPとすると、
【数1】
の関係がある。ΔBは電気系の周波数帯域である。
一方、図9はAl等の表面粗さの大きい膜が付いた半導体ウエハ4上に異物がある場合の信号波形を示す。
この場合、ノイズ成分NB は、表面粗さが半導体ウエハ4の場所によりばらついていることにより生じる。
【0026】
レーザビームを半導体ウエハ4表面上に照射した場合、半導体ウエハ4の表面粗さの大きさに比例した散乱光が生じる。その状態でレーザスポット29が半導体ウエハ4表面上を走査すると、半導体ウエハ4の表面粗さがばらついているので、散乱光の強さが変動する。この散乱光の強さが変動がNB となる。
ここで、散乱光の強さの変動NB を図10に示すモデルを用いて計算する。
パワーPのレーザスポット29、例えばX軸方向D1 、Y軸方向D2 のスポット形状のレーザスポット29が半導体ウエハ4の表面上をA状態からB状態のように移動したとする。
この半導体ウエハ4の表面は、単位面積当たりの粗さの大きさを表すパラメータがR1 、R2 に分かれて形成されているとする。
A状態において半導体ウエハ4の表面による散乱光の強さIA は、
【数2】
となる。
又、B状態において半導体ウエハ4の表面による散乱光の強さIB は、
【数3】
となる。
【0027】
散乱光の強さの変動NB は
NB =IA −IB …(4)
であるので、
【数4】
となる。
これはAlのノイズ成分NB は、
(レーザパワーP)/(走査方向のレーザスポット径D1 )
に比例することを示している。すなわち、
【数5】
なお、Alの場合もショットノイズ成分を含んでいるが、ノイズ成分NB と比較すると無視できる。
ところで、異物による散乱光の強度Is は、
【数6】
により表される。すなわち、レーザスポット29のパワー密度に比例する。
この異物による散乱光の強度Is を信号成分としてS/Nを求めると、ベアウエハの場合、
【数7】
となる。
従って、S/Nを向上するには、レーザビームのパワーを大きくすること、レーザスポット29を小さくすればよいことが分かる。
【0028】
一方、Alの場合、S/Nは、
【数8】
となり、レーザビームの走査方向と垂直なスポット径D2 を小さくすることで、S/Nが向上することが分かる。
又、レーザパワーPと走査方向に平行なスポット径D1 は、S/Nに無関係であることが分かる。
ところで、異物検査では、S/Nが良い(検出感度が高い)と共に検査時間が短い必要がある。S/Nを良くするためには上記式(9) からスポット径D2 を小さくすると、検査時間が長くなってしまう。
そこで、S/Nは、レーザパワーPと走査方向に平行なスポット径D1 に無関係であることから、このスポット径D1 を大きくし、走査速度を速くすれば、検査時間が短く、かつS/Nが良くなる。
なお、レーザビームの走査速度を速くすると、高い周波数帯域が必要となるが、上記式(9) からS/Nは周波数帯域には無関係であるので問題ない。
従って、コンピュータ34は、光電子増倍管32から出力された散乱光信号Qをアンプ回路33を通して取り込み、この散乱光信号Qから得られる受光強度に基づいて半導体ウエハ4の表面上の異物の有無、大きさを検出し、かつXYステージ20、21及び回転ステージ22に対する制御位置から異物の位置を検出する。
【0029】
このように上記第2の実施の形態においては、半導体ウエハ4の表面に対してレーザビームを走査し、このとき半導体ウエハ4に生じる散乱光を検出して半導体ウエハ4の表面の異物を検査する場合、半導体ウエハ4の表面上に走査するレーザビームのスポット形状を、半導体ウエハ4の表面上の走査方向と一致する方向を長く形成したので、半導体ウエハ4の表面からの散乱光の強さNが小さくなってS/Nが高くなり、検出限界が向上し、上記第1の実施の形態と同様に、実際の半導体の製造ライン、例えば現在開発中の256MDRAMの製造工程における金属膜のような表面粗さの大きい半導体ウエハ上においても大きさ0.2μm以下の異物を検出することができる。
なお、上記第2の実施の形態は、次の通り変形してもよい。
例えば、レーザビームのスポット形状を楕円形状にするのに、アナモルフィックエキスパンダ26に限らず、シリンドリカルレンズを用いてもよい。
又、レーザスポット29の走査は、XYステージ20、21を用いたベクトル走査としたが、回転ステージと一軸ステージとを用いた螺旋状走査としてもよい。この場合、レーザスポット29の長径は、回軸方向となる。
【0030】
又、レーザスポット29の走査は、ポリゴンスキャナと一軸ステージとを用いたラスター走査としてもよく、この場合、長軸はポリゴンスキャナによる走査方向となる。又、半導体ウエハ4に生じる散乱光は、光ファイバ31でなく、集光レンズを用いて光電子増倍管32に導いてもよい。
(3)次に本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の異物検査方法は、S偏光成分のレーザビームを半導体ウエハ4に対して所定の入射角で照射すると共にこのS偏光成分の光のスポット形状を半導体ウエハ4の表面上の走査方向と一致する方向に長く形成して、半導体ウエハ4の表面上を走査し、かつこのときに半導体ウエハ4に生じる散乱光のうちS偏光成分のみを選択して所定の角度方向から受光し、この受光強度に基づいて半導体ウエハ4の表面上の異物を検出するものである。
この場合、半導体ウエハ4に照射するS偏光成分のレーザビームの入射角度を半導体ウエハ4の表面に対して20°以下とし、その条件下で半導体ウエハ4に生じる散乱光のうちS偏光成分のみを、半導体ウエハ4の表面に対して仰角10°〜40°かつ半導体ウエハ4に照射するS偏光成分の光の入射平面に対して水平角110°〜150°の範囲で受光するものとなっている。
【0031】
図11はかかる異物検査方法を適用した異物検査装置の構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
波長488nmのレーザビームを出力するアルゴンレーザ発振器(以下、レーザ発振器と省略する)6のレーザビーム光路上には、アナモルフィックエキスパンダ26、偏光子7、反射ミラー8及び集光レンズ9が配置されている。
これら光学素子は、S偏光成分のレーザビームを半導体ウエハ4に対して所定の入射角で照射すると共にこのS偏光成分のレーザビームのスポット形状を半導体ウエハ4の表面上の走査方向と一致する方向に長く形成するものである。
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
半導体ウエハ4は、回転ステージ2上のウエハチャック3に固定される。
コンピュータ17は、回転ステージ2に対して所定の回転速度で回転させる制御信号s2を送出するとともに回転ステージ2が1回転するごとに一軸ステージ1を一軸方向に所定のピッチだけ移動させる制御信号s1を送出する。
これにより、回転ステージ2は所定の回転速度で回転し、かつ一軸ステージ1は回転ステージ2が1回転するごとに一軸方向に所定のピッチだけ移動するという動作を繰り返す。
【0032】
一方、レーザ発振器6から波長488nmのレーザビームが出力されると、このレーザビームは、アナモルフィックエキスパンダ26により楕円形状のレーザビームに変形される。
次にレーザビームは、偏光子7を通過することによりS偏光成分のみのレーザビームとなる。
この楕円形状でかつS偏光成分のみのレーザビームは、反射ミラー8で反射し、集光レンズ9により集光され、半導体ウエハ4の表面上に小さなレーザスポット10として照射される。
従って、半導体ウエハ4が所定の回転速度で回転し、かつ半導体ウエハ4が1回転するごとに一軸方向に所定のピッチだけ移動するので、レーザスポット10は、半導体ウエハ4の表面に螺旋状に走査される。
この半導体ウエハ4に走査されるレーザスポット10内に異物があると、この異物によって散乱光が発生する。
偏光子12は、散乱光のうちS偏光成分のみを通過させファイバプレート13に導く。このファイバプレート13は、散乱光の特定部分を広がり角±20°でもって選択的に集光し、光電子増倍管14に導く。
そして、光電子増倍管14は、ファイバプレート13を通過したS偏光成分の散乱光を光電変換し、散乱光の光強度に対応した散乱光信号Qとして出力する。
【0033】
コンピュータ17は、増幅回路15で増幅されインタフェース回路16によりディジタル変換されたディジタルの散乱光信号Qを取り込み、この散乱光信号Qから得られる受光強度に基づいて半導体ウエハ4の表面上の異物の有無、大きさを検出し、かつ一軸ステージ1、回転ステージ2に対する制御信号s1、s2から異物の位置を検出する。
このように上記第3の実施の形態においては、S偏光成分のレーザビームを半導体ウエハ4に対して所定の入射角で照射すると共にこのS偏光成分の光のスポット形状を半導体ウエハ4の表面上の走査方向と一致する方向に長く形成して、半導体ウエハ4の表面上を走査し、かつこのときに半導体ウエハ4に生じる散乱光のうちS偏光成分のみを選択して所定の角度方向から受光し、この受光強度に基づいて半導体ウエハ4の表面上の異物を検出するという上記第1と第2の実施の形態を組み合わせたものなので、上記第1及び第2の実施の形態と同様に、実際の半導体の製造ライン、例えば現在開発中の256MDRAMの製造工程において使用される金属膜のような表面粗さの大きい半導体ウエハ上においても大きさ0.2μm以下の異物を検出することができる。
【0034】
又、上記各実施の形態において、散乱光により検出される対象は異物に限らず、傷など散乱光が得られるものならばよい。
【0035】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、表面粗さの大きい被検査体上でも確実に微小な異物を検出できる異物検出装置を提供できる。
又、その結果好適な半導体装置の製造方法を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる異物検査装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における受光光学系の配置角度を示す図。
【図3】Al膜による散乱光の特性を示す図。
【図4】Al膜上の0.2μm径の異物による散乱光の特性を示す図。
【図5】散乱光検出のS/N特性を示す図。
【図6】0.2μmのゴミの異物に対する検出感度の評価を示す図。
【図7】本発明に係わる異物検査装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図8】表面粗さの非常に小さいベアウエハ上の異物による散乱光信号波形を示す図。
【図9】Al等の表面粗さの大きい膜が付いた半導体ウエハ上の異物による信号波形を示す図。
【図10】散乱光の強さの変動NB を計算するためのモデルを示す図。
【図11】本発明に係わる異物検査装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
1…一軸ステージ、2…回転ステージ、4…半導体ウエハ、5…光照射光学系、6…レーザ発振器、7…偏光子、8…反射ミラー、9…集光レンズ、11…受光光学系、12…偏光子、13…ファイバプレート、14…光電子増倍管、17…コンピュータ、20…Xステージ、21…Yステージ、22…回転ステージ、24…レーザ発振器、25…光照射光学系、26…アナモルフィックエキスパンダ、27…反射ミラー、28…集光レンズ、30…受光光学系、31…光ファイバ、32…光電子増倍管、34…コンピュータ。
Claims (15)
- 金属膜付き半導体ウエハの表面に対して光を走査し、この金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光を検出して前記金属膜付き半導体ウエハ表面の異物などを検査する検査工程を備える半導体装置の製造方法において、
前記検査工程における前記金属膜付き半導体ウエハ表面上に対して走査する前記光のスポット形状は、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成され、且つ前記金属膜付き半導体ウエハ表面上を螺旋状に走査することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 金属膜付き半導体ウエハの表面に対して光を走査し、この金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光を検出して前記金属膜付き半導体ウエハ表面の異物などを検査する検査工程を備える半導体装置の製造方法において、
前記検査工程では、S偏光成分の光を前記金属膜付き半導体ウエハに対して所定の入射角で照射すると共に、前記S偏光成分の光のスポット形状を前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成して、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上を螺旋状に走査し、
かつ前記金属膜付き半導体ウエハから散乱光のうちS偏光成分を選択して所定の角度方向から受光し、
かつこの受光強度に基いて前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の異物などを検出することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記金属膜付き半導体ウエハに照射するS偏光成分の光の照射角度を前記金属膜付き半導体ウエハ表面に対して20°以下とし、かつ前記金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光のうちS偏光成分を、前記金属膜付き半導体ウエハ表面に対して10°〜40°かつ前記金属膜付き半導体ウエハに照射するS偏光成分の光の入射平面に対して110°〜150°の角度の範囲で受光することを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体装置は、256MDRAMであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の半導体装置の製造方法。
- 金属膜付き半導体ウエハの表面に対して光を走査する手段と、この金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光を検出する手段とを備える前記金属膜付き半導体ウエハ表面の異物などを検査する異物検査装置において、
前記金属膜付き半導体ウエハ表面上に走査する前記光のスポット形状は、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成され、且つ螺旋状に走査するように構成されていることを特徴とする異物検査装置。 - 金属膜付き半導体ウエハの表面に対して光を螺旋状に走査する手段と、この金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光を検出する手段とを備える前記金属膜付き半導体ウエハ表面の異物などを検査する異物検査装置において、
S偏光成分の光を前記金属膜付き半導体ウエハに対して所定の入射角で、かつ、このS偏光成分の光のスポット形状を前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成する手段と、
前記金属膜付き半導体ウエハからの散乱光のうちS偏光成分を選択して所定の角度方向から受光する手段と、
この受光強度に基いて前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の異物などを検出する手段とを備え、
前記S偏光の光のスポット形状が、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上の走査方向と一致する方向に長く形成された状態で、前記金属膜付き半導体ウエハ表面上において螺旋状に走査するように構成されていることを特徴とする異物検査装置。 - 前記金属膜付き半導体ウエハに照射するS偏光成分の光の照射角度を前記金属膜付き半導体ウエハ表面に対して20°以下とし、かつ前記金属膜付き半導体ウエハ表面からの散乱光のうちS偏光成分を、前記金属膜付き半導体ウエハ表面に対して10°〜40°かつ前記金属膜付き半導体ウエハに照射するS偏光成分の光の入射平面に対して110°〜150°の角度の範囲で受光するように構成されていることを特徴とする請求項6記載の異物検査装置。
- 被検査体表面に対して20°以下の照射角度でS偏光成分の光を照射する集光照射光学系と、
前記被検査体表面上に対して前記S偏光成分の光を螺旋状に走査する手段と、
前記被検査体表面に対して仰角を10°〜40°、前記S偏光成分の光の入射平面に対して水平角を110°〜150°の範囲で、前記被検査体から生じる散乱光を受光する受光光学系と、
この受光光学系により検出された受光強度に基いて前記被検査体表面上の異物などを検出する異物検出手段とを具備し、
前記集光照射光学系は、前記S偏光成分の光をスポット形状で、かつ前記被検査表面上の走査方向と一致する方向に長く形成する手段を備えたことを特徴とする異物検査装置。 - レーザビームを出力するレーザ発振器と、
このレーザ発振器から出力されたレーザビームをS偏光成分の光とする偏光子とを備え、
前記集光照射光学系は、前記偏光子からの光を前記被検査体に対してスポット形状に形成して集光するように構成され、
前記レーザビーム及び前記被検査体を相対的に移動して前記レーザビームを前記被検査体表面に走査する走査手段とを具備したことを特徴とする請求項8記載の異物検査装置。 - 前記レーザ発振器は、アルゴンイオンレーザであることを特徴とする請求項9記載の異物検査装置。
- 前記集光照射光学系は、前記レーザビームを楕円形状に変形するアナモルフィックエキスパンダを有することを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか記載の異物検査装置。
- 前記受光光学系は、入射した散乱光を光電変換し、前記散乱光の強度に対応した散乱光信号を出力する光電子倍増管を有することを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか記載の異物検査装置。
- 前記受光光学系は、前記散乱光のうち前記S偏光成分のみを通過させる偏光子を有することを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか記載の異物検査装置。
- 前記異物検出手段は、前記受光光学系により検出された受光強度に基いて前記被検査体表面上の異物の有無、大きさ及び位置を検出することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか記載の異物検査装置。
- 前記走査手段は、被検査体を固定するための回転ステージと、この回転ステージが載せられる一軸ステージを備えているとともに、
前記回転ステージは所定の回転速度で回転すると共に、前記一軸ステージは前記回転ステージの1回転ごとに一軸方向に所定ピッチだけ移動することを繰り返し、これにより前記スポット形状の光を前記被検査体表面に螺旋状に走査することを特徴とする請求項9乃至請求項14のいずれか記載の異物検査装置。
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