JP3770604B2 - 異物検査装置及びdramの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は異物検査に係り、特に半導体ウエハ上や液晶基板上の微細な異物の検出を行う異物検査装置及び異物検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面検査に用いられる装置にはレ−ザ光を被検査体の表面に照射し、その散乱光を受光して被検査体の表面の形状測定や異物の検査を行うものがある。
これらの検査に用いられる技術としてまずフライングスポット法と呼ばれる方法がある。このフライングスポット法は、例えばレ−ザ光源から出力された平行レ−ザ光をレンズ系で絞った後に光走査手段によりその光ビームを被検査体表面に照射して走査し、この被検査体表面からの反射レ−ザ光または透過光を受光検出系により受光して光電変換する。そして光電変換後の電気信号を処理して検査結果を得るものである。
図19はフライングスポット法を適用した異物検査装置の構成図である(第1の従来例)。載置台1上には半導体ウエハ2が載置されている。一方、レ−ザ発振器3から出力されたレ−ザ光がコリメートレンズ4により平行光に形成されガルバノミラー5へ送られる。このガルバノミラー5は平行光を走査して集光光学系6を通して半導体ウエハ2の表面に所定範囲の角度で照射する。このとき、集光光学系6は平行光をスポット光に成形する。従って半導体ウエハ2にはレーザスポット光が走査される。
【0003】
また半導体ウエハ2の上方にはラインセンサ7および各受光素子8・9が配置されている。ラインセンサ7は半導体ウエハ2からの正反射レ−ザ光を受光する位置に配置され、また各受光素子8・9は半導体ウエハ2からの散乱光を受光する位置に配置されている。これらラインセンサ7および各受光素子8・9から出力された電気信号は測定回路10に送られ、この測定回路10は各電気信号から半導体ウエハ2の表面の傷や異物の付着などの有無を判断する。
次に他の技術として図20に示す検査装置がある(第2の従来例)。XYテーブル11上には半導体ウエハ2が載置されている。そして半導体ウエハ2のわずか上方には容器12が配置されている。この容器12は半円球状に形成され、その内面には複数の受光素子13が設けられている。一方、XYテーブル11の上方にはレ−ザ発振器3が配置されている。このレ−ザ発振器3より出力されたレ−ザ光は集光光学系14、ハーフミラー15および容器12を通って半導体ウエハ2に照射される。
この場合レ−ザ光は半導体ウエハ2に対して垂直方向に照射される。これにより半導体ウエハ2からの散乱光は各受光素子13により受光される。また半導体ウエハ2からの正反射光はハーフミラー15に到達し、このハーフミラー15で反射して集光光学系16を通って受光素子17で受光される。そして、各受光素子13・17から出力される電気信号は測定回路18に送られ、この測定回路18は各電気信号から半導体ウエハ2の表面の傷や異物の付着などの有無などを判断する。この場合散乱光を受光した受光素子13の位置により半導体ウエハ2の表面の傷や異物の位置が測定される。
【0004】
なお、XYテーブル11はXYテーブル制御装置19により制御駆動されてレ−ザ光が半導体ウエハ2上を走査するものとなっている。
更に弊社の先願である特開平3−128445号公報の開示技術では図21および図22に示すようになっている(第3の従来例)。図21に示すようにXYθテーブル20上に半導体ウエハ2が載置されている。
一方レ−ザ発振器3が備えられ、このレ−ザ発振器3から出力されるレ−ザ光の光軸上にはコリメートレンズ4、反射ミラー21が順次配置されている。この反射ミラー21の反射レ−ザ光路上にはガルバノミラー5が配置されている。このガルバノミラー5により走査されたレ−ザ光は集光光学系22を介して半導体ウエハ2の表面上に照射される。この場合、ガルバノミラー5により走査されたレ−ザ光の走査平面は半導体ウエハ2の表面に対して垂直になっている。
また、この半導体ウエハ2の上方には各ラインセンサ7が配置されている。これらラインセンサ7はレ−ザ光の走査方向に対して平行でかつ図22のようにレ−ザ光の照射位置に対して角度φ1 (5°≦φ1 ≦40°)の角度の散乱光を受光する位置に配置されている。これらのラインセンサ7から出力される電気信号は検出部23に送られている。
【0005】
この検出部23は各電気信号を受けてこれらの電気信号から半導体ウエハ2の表面の傷や異物の付着の有無などを判断する機能を有している。
ところで、特開昭64−3545 号公報の第2頁左上欄第12行目乃至第2頁右上欄第4行目には、所定の平面内において回転されるパターンつきウエハ表面の所定の部位にS(Senkrecht) 偏光を照射すると同時に、P(Parallel)偏光を照射しつつ走査し、その反射光に含まれる所定の偏光成分の光量を検出してパターンに付着した異物を検出する技術が開示されている(第5の従来例)。この公開特許公報には、この異物検査装置の図は示されていないが、開示内容から考えると図23に示すような装置になると考えられる。
加えて、特開昭64−3545 号公報や、特開平5−18889 号公報に開示されているような、複数の光検出器を備え、各々で検出された光強度の比を求めて異物を検査するという、検査装置もある(第6の従来例)。これらの装置は第5の従来例の欠点を解消するものされている。
更には、特開昭61−180128 号公報や、特開平2−284047号公報には板状物に偏光を照射し、その結果生じた反射光や散乱光を偏光手段により偏光にした後検出して、これらの結果から異物を検査するという検査装置も示されている(第7の従来例)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような構成の従来の異物検査装置では、以下に述べるような問題点が発生してくる。
まず、近年の開発需要では、より記憶容量の高い半導体や磁性体が求められており、これらの開発製品では非常に細かい傷や異物、例えば0.1μm程度の大きさのものでさえ、製品の品質に支障を来たしてしまう。
それに対して、上記の第1の従来例および第2の従来例では、鏡面や酸化膜をもつ半導体ウエハ上では0.3μm以上の大きさの傷や異物を検出することしかできない。そして金属膜などの表面被膜をもつ半導体ウエハ上では0.5μm以上の大きさの傷や異物を検出することしかできない。
即ち上記の第1の従来例および第2の従来例では受光素子8・9・13に入射するごく一部の正反射光と0.1μm程度の大きさの傷や異物との区別が不可能であるので、0.1μm程度の大きさの傷や異物をもノイズとして検出してしまう。
また第3の従来例については鏡面や酸化膜をもつ半導体ウエハ上では0.1μm程度の大きさの傷や異物を検出できるようになったがランダム偏光を光源に用いているために0.1μm程度の大きさの傷や異物の散乱光だけではなく半導体ウエハ2本体の散乱光をも受光素子8・9・13で検出してしまうため0.1μm以下の大きさの傷や異物の検出が困難であるという欠点がある。そして金属膜などの表面被膜をもつ半導体ウエハ上では、同様にして0.2μm以下の大きさの傷や異物の検出が困難であるという欠点がある。
【0007】
しかし、現在開発中の64M DRAM以降の世代の半導体の製造工程では鏡面や酸化膜をもつ半導体ウエハ上では略0.1μm以下の大きさの傷や異物の検出が必要であり、更に金属膜などの表面被膜をもつ半導体ウエハ上では、略0.2μm以下の大きさの傷や異物の検出が必要となっていた。故に、従来の異物検査装置に比べて半導体ウエハ上の傷や異物の検出感度の向上が望まれていた。
また第5の従来例乃至第7の従来例について言及すると、まず第5の従来例については、表面にパターンが単層状に形成されているウエハのみに限定して検出できるものであるので多層状のパターンには対応できず、また反射光に含まれている所定の偏光成分を抽出する工程を経なければならなかった。
第6の従来例については、検出器を必ず複数設置しなければならないのに加えてP偏光とS偏光との検出強度の比をとるという処理が必要であったので装置の構成及び信号処理の方法が複雑なものとなっていた。
第7の従来例については、反射光や散乱光を偏光手段により偏光にした後それぞれの偏光成分について異物を検出しなければならなかったので装置の構成が複雑及び信号処理の方法が複雑なものとなっていた。
【0008】
更には、従来の方法では図24に示すように、特定の範囲の粒径の異物(ここでは略0.1μm乃至略0.2μm)に対しては線形特性の良い検出強度曲線が得られるが、それより大きな粒径の異物に対しては検出強度曲線の線形特性が悪くなり、散乱光強度から正確な異物の大きさを特定することが困難となっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記したような技術的課題を解決するためになされたものであり、
レーザ光源と、このレーザ光源から出射されたレーザ光の偏光角を可変させる偏光成分可変手段と、被検査物表面に照射された前記レーザ光の散乱光を検出する検出系と、この検出系により検出された前記散乱光の強度に基いて前記被検査物表面の傷もしくは異物を検出する検出手段とを備え、前記被検査物表面に照射される前記レーザ光の偏光状態が、前記被検査物表面の状態に応じてP偏光もしくはS偏光いずれか一方に切り替え可能に設けられており、前記被検査物が表面に鏡面をもつ半導体ウエハもしくは酸化膜をもつ半導体ウエハの場合はP偏光のレーザ光を照射し、前記被検査物が表面に金属膜をもつ半導体ウエハの場合はS偏光のレーザ光を照射するよう設定可能に構成されている異物検査装置を提供する。
このとき前記レーザ光は、前記被検査物表面に対して5°乃至20°の角度で入射されるように構成されていることが好ましい。
また本発明は、検査される表面が鏡面である半導体ウエハもしくは検査される表面に酸化膜または金属膜を有する半導体ウエハの前記検査される表面の傷もしくは異物を検出する検出工程において、上記の異物検査装置を用いるDRAMの製造方法を提供する。
【0010】
【作用】
本発明の異物検査装置及び異物検査方法は上記した従来例のうち第3の従来例の光源にP偏光やS偏光を用いる簡易な構成や信号処理方法により傷や異物の検出感度を高めることを達成し、鏡面や酸化膜をもつ半導体ウエハ上の0.1μm以下の傷や異物や、金属膜などの表面被膜をもつ半導体ウエハ上の0.2μm以下の大きさの傷や異物を検出できる様にしている。
また、P偏光とS偏光との切り換えをして、鏡面や酸化膜をもつ半導体ウエハウエハ上の0.1μm以下の大きさの傷や異物の検出はP偏光を用いて行い、傷や異物の検出感度を高めている。金属膜の表面被膜をもつ半導体ウエハ上の0.2μm以下の大きさの傷や異物の検出はS偏光を用いて行い、傷や異物の検出感度を高めている。
そして、異物の粒径の範囲によりP偏光による検出データとS偏光による検出データとを選択して採用することにより傷や異物の検出感度を高めている。
【0011】
【実施例】
本発明の第1の実施例を図1に示すとともに、以下に本実施例の構成を詳解する。被検査体の半導体ウエハ2は、θテーブル24とXテーブル25とを組み合わせた載置台26の上に載置されている。また光照射系は直線偏光を出力するAr+ レ−ザ発振器27(波長:488nm)、1/2 波長板28、反射ミラー29、集光レンズ30から構成されている。レ−ザ発振器27から出力した直線偏光の光束は1/2 波長板28を通過し反射ミラー29で反射した後、集光レンズ30により半導体ウエハ2上に小さなレ−ザスポット31となるように集光される。1/2 波長板28は光軸を中心に回転することによりレ−ザ発振器27で発振したレ−ザ光の偏光方向も回転させる働きがあることを利用して前記レ−ザ光を半導体ウエハ2に対して、P(Parallel)偏光に調節する。なお使用する偏光角が決まっている場合(ここではP偏光)には予め1/2 波長板28を、光軸を中心に回転させずに所定角に固定して設けても良い。
光受光系はファイバプレート32と光電子増倍管33とを組み合わせて構成されている。光受光系は図2に示すようにレ−ザ照射位置に対して角度φ2 (ここでφ2 は略25°)の位置に配置されている。また、光受光系は異物による側方散乱を測定している。
【0012】
光受光系に受光された散乱光は光電子増倍管33で電気信号に変換される。光電子増倍管33から出力されている電気信号は増幅部34により増幅された後、検出部35で演算し、異物や傷の有無やその位置を検出する。半導体ウエハ2はθテーブル24により回転しながらXテーブル25により半導体ウエハ2の直径方向に直線運動する。その結果レ−ザスポット31は、図示しない制御装置により載置台26を制御すると、螺旋状に半導体ウエハ2の全面を走査することとなる。
レ−ザスポット31が半導体ウエハ2の表面を走査する際、異物や傷がスポット内にある場合は強い散乱光が前記光受光系に検出されるが、異物や傷がスポット内にない場合にも半導体ウエハ2本体の弱い散乱光(ノイズ)が前記光受光系に検出される。ここで前記の強い散乱光により信号成分(S成分)が検出され、前記の弱い散乱光により雑音成分(N成分)が検出される。
ところで異物や傷による散乱光分布は照射光の偏光方向で異なる。図2に示すレ−ザ照射位置に対する角度φ2 を変化させた時の異物や傷による散乱光の強度分布の様子を図3に示す。P偏光の場合には半導体ウエハ2の表面に近接した領域、即ち角度φ2 の小さな領域に散乱光の強度分布の極大値が存在する。それに対してS(Senkrecht) 偏光の場合には半導体ウエハ2の表面から隔離した領域、即ち角度φ2 の大さな領域に散乱光の強度分布の極大値が存在する。その位置が半導体ウエハ2上で異物や傷の存在する場所であると検出される。
【0013】
また半導体ウエハ2本体の散乱光は図3に示すようにP偏光、S偏光、ランダム偏光ともに半導体ウエハ2の表面から隔離した領域、即ち角度φ2 の大さな領域ほど散乱光の強度が大きくなる。なお光強度の単位は相対的強度を使用するので図3では特に明記しないことにする。図3の結果より前記の強い散乱光による信号成分(S成分)と、前記の弱い散乱光による雑音成分(N成分)との強度比、つまり異物や傷の検出信号のS/N を求めると、図4のようになる。
本発明と近い構成の第3の従来例においては、照射光の偏光方向は考慮せず、ランダム偏光を照射していた。ここでランダム偏光の偏光方向は統計的にP偏光とS偏光との偏光方向の略中間即ち略45°方向と考えられる。その結果異物や傷による散乱光の強度分布は、図3に示すようにP偏光とS偏光とのそれぞれの強度分布の平均となりP偏光、S偏光それぞれ単独の場合に比べて急激な変化はしない。要するに散乱光の強度分布の極大部分が突出しないため異物や傷の検出信号のS/N を高くすることができずそのため検出感度の向上を図ることもできなかった。
【0014】
図3および図4に示される結果より半導体ウエハ2本体の弱い散乱光が半導体ウエハ2の表面から隔離した領域、即ち角度φ2 の大さな領域ほど散乱光の強度が大きくなる性質があるためにランダム偏光やS偏光を半導体ウエハ2の表面に照射してもそれぞれ散乱光の強度分布の極大部分が半導体ウエハ2の表面から隔離した領域、即ち角度φ2 の大さな領域に存在するために異物や傷の検出信号のS/N を高くすることができないことが分かる。 それに対してP偏光を半導体ウエハ2の表面に照射して半導体ウエハ2の表面に近接した領域、即ち角度φ2 の小さな領域の散乱光を受光して異物や傷のより高い検出信号のS/N を得ることができるのが分かる。故にこの様な異物検出装置の構成とすると、検出感度を高めて従来より小さい0.1μm以下の傷や異物を検出することが可能となる。なお、本実施例における被検査体の半導体ウエハ2は、鏡面をもっていたり、酸化膜などの表面被膜をもつものが望ましい。
また、本発明はこの第1の実施例に限定されるものではなく種々の変形が可能である。第2の実施例としては、レ−ザスポット31の走査を第1の実施例のようにθテーブル24で半導体ウエハ2を回転させながらXテーブル25で半導体ウエハ2を移動させることで螺旋状に行っていたが、XYテーブルを用いて半導体ウエハ2をXY方向に走査することが考えられる。
【0015】
また第3の実施例としては、第1の実施例では光受光系はファイバプレート32を用いて散乱光の集光を行っているが、ファイバプレート32ではなくてレンズを用いた光学系(図示せず)を設計して散乱光の集光を行うことも考えられる。
次に本発明の第4の実施例を図5に示すとともに、以下に本実施例の構成を詳解する。本実施例はレーザ照射系36と、制御系37と、走査系38と、検出系39と、信号処理系40とによって構成されている。
レーザ照射系36は、直線偏光を出力するAr+ レーザ発振器41と、ビームエキスパンダ42で拡大され、1/2 波長板43を通過し、反射ミラー44と集光レンズ45とによって半導体ウエハ46の表面上に小さなスポットの照射面(以下、レーザスポットと記す)47を形成するように集光される。
この際、1/2 波長板43は制御回路48からの制御信号(第1の信号)により図示しないモータによって回転される。そして、この1/2 波長板43の動きによって1/2 波長板43を透過するレーザ光の偏光方向を自由に変えることができる。
【0016】
制御系37はコンピュータ49と、インタフェース回路50と、制御回路48とによって構成されている。この制御系37は、1/2 波長板43を透過するレーザ光の偏光方向を変える信号(第1の信号)と、検出系39において、検出器53と検出器54とを選択する信号(第2の信号)と、走査系38の運動を制御する信号(第3の信号)とを出力する。
走査系38は、半導体ウエハ46を搭載している載置台51と、θテーブル52と、Xテーブル53とによって構成されている。レーザスポット47は固定されているので、θテーブル52とXテーブル53との動作によって半導体ウエハ46の全面が走査されることとなる。
具体的には、制御系37からの制御信号(第3の信号)によりθテーブル52は所定の速度で回転運動をし、Xテーブル53は所定のピッチで直線運動をする。これらの組み合わせにより、レーザスポット47が螺旋状に半導体ウエハ46の全面を走査するのである。
検出系39(第1の実施例における光受光系)は、検出器54と、検出器55とによって構成されている。そして、検出器54はファイバプレート56と、光電子増倍管57とによって構成され、検出器55はファイバプレート58と、光電子増倍管59とによって構成されている。なお、ファイバプレート56・58と、光電子増倍管57・59との動作は第1の実施例と同様である。
【0017】
そして図6に示すようにレーザスポット47の照射位置を中心として、検出器54は、半導体ウエハ46の表面に対してφ3 が略35°、レーザ入射面に対してθ1 が略90°の位置に配置される。ここでレーザ入射面とは、レーザ入射光と、レーザ反射光とによって形成される面に対して垂直な面のことを指す。また検出器55は、半導体ウエハ46の表面に対してφ4 が略80°、レーザ入射面に対してθ2 が略135°の位置に配置される。
次に半導体ウエハ46が鏡面をもつ種類か、酸化膜の表面被膜をもつ種類か、金属膜の表面被膜をもつ種類かによって、制御系37が検出系39における検出器54と検出器55とを選択する信号(第2の信号)を出力して検出器54と、検出器55との一方を動作させる。ここで半導体ウエハ46の種類は本発明の異物検査装置において自動的に識別されるかもしくは、予め測定者が入力しておくものとする。
信号処理系40はハードウエア部と、ソフトウエア部とによって構成されている。ハードウエア部は検出された半導体ウエハ46からの散乱光による信号を、この信号のインタフェース回路50における分解能を上げるために増幅する増幅回路60と、この信号をA/D 変換してその結果をコンピュータ49に取り込むためのインタフェース回路50と、コンピュータ49とによって構成されている。ソフトウエア部はコンピュータ49に取り込んだ前記の散乱光による信号(ディジタル値)を演算処理し、異物の有無と、異物の位置と、異物の大きさとを判別するデータ処理プログラムにより構成されている。
【0018】
本実施例の作用は次のとおりである。まず、被検査体である半導体ウエハ46の種類(鏡面をもつ半導体ウエハ、酸化膜をもつ半導体ウエハ、金属膜を持つ半導体ウエハ)をコンピュータ49に登録する。そして制御系37はレーザ照射系36と、走査系38と、検出系39とに対して適切な制御信号を送る。図7にその具体的な選択処理の制御の流れを示すが、以下に詳解する。
まず、レーザ照射系36に対しての制御信号(第1の信号)について説明する。被検査体である半導体ウエハ46の種類が、鏡面をもつ半導体ウエハもしくは酸化膜をもつ半導体ウエハと登録されるとP偏光を選択する第1の信号が制御系37により出力される。そしてこの第1の信号に従って図示しないモータが回転して、1/2 波長板43は光軸を中心に所定の角度まで回転する。この回転によって半導体ウエハ46上のレーザスポット47での偏光状態がP偏光となる。
一方、被検査体である半導体ウエハ46の種類が、金属膜をもつ半導体ウエハと登録されると、S偏光を選択する第1の信号が制御系37により出力される。そしてこの第1の信号に従って図示しないモータが回転して、1/2 波長板43は光軸を中心に所定の角度まで回転する。この回転によって半導体ウエハ46上のレーザスポット47での偏光状態がS偏光となる。
【0019】
次に、検出系37に対しての制御信号(第2の信号)について説明する。被検査体である半導体ウエハ46の種類が、鏡面をもつ半導体ウエハもしくは酸化膜をもつ半導体ウエハと登録されると検出器54を動作させる第2の制御信号が制御系37により出力される。
一方、被検査体である半導体ウエハ46の種類が、金属膜をもつ半導体ウエハと登録されると、検出器55を動作させる第2の制御信号が制御系37により出力される。このように半導体ウエハ46の種類別に散乱光による信号を検出する検出器54・55が自動的に切り替えられる。
偏光状態と、検出器の選択が完了すると、半導体ウエハ46に対するレーザ光の走査と異物の検査とをする。制御系37からの第3の制御信号によりθテーブル52は所定の速度で回転運動を始める。また、θテーブル52が回転し始めるとXテーブル53は所定のピッチで直線運動を始める。この組み合わせにより、レーザスポット47は螺旋状に半導体ウエハ46の表面を走査する。
この際レーザスポット47の照射面に異物が存在すると、この異物によってレーザ光が強く散乱される。選択された検出器54もしくは検出器55は、この散乱光を検出する。そして、この散乱光による信号はそれぞれ光電子増倍管57もしくは光電子増倍管59で光電変換され、さらに増幅回路60で検出信号が増幅され、インタフェース回路50を経由してコンピュータ49に取り込まれる。
【0020】
そして、データ処理プログラムで処理をされ散乱光による信号の強さから異物の大きさを推定し、θテーブル52とXテーブル53との走査位置から異物の存在位置を逆算する。このような走査の繰り返しにより半導体ウエハ46の全面を走査しながら散乱光の検出をして半導体ウエハ46の表面に付着する異物の個数とこれらの位置や大きさなどの情報が得られることとなる。
最後に、上述した本実施例の作用により、鏡面をもつ半導体ウエハもしくは酸化膜をもつ半導体ウエハにおいての0.1μm以下の異物の検出や、金属膜をもつ半導体ウエハにおいての0.2μm以下の異物の検出が可能であることを具体的なデータをもって説明する。
まず最初に、S/N を用いて異物の検出の可否を判断する基準について説明する。レーザスポット47が半導体ウエハ46の表面を走査する際に異物がレーザスポット47の照射面に入っている場合には、この異物からの散乱光による信号が検出される。これを信号成分(S)とする。また、レーザスポット47が半導体ウエハ46の表面を走査する際に異物がレーザスポット47の照射面に入っていない場合には、半導体ウエハ46の表面粗さからの散乱光による信号が検出される。これを雑音成分(N)とする。
【0021】
このように検出された信号成分(S)と雑音成分(N)との比、即ちS/Nは本発明の異物検査装置の検出感度を決定する最も重要なパラメータであり、一般的にはJIS 規格(JIS B 9924)のパルス実用可測粒径に規定されているS/N ≧3という条件が成立することが、異物の検出が可能であるという判断の基準となるのである。
故に、半導体ウエハ46上の異物を検査する際には、信号成分(S)が大きく、雑音成分(N)が小さくなるように測定を行うことが望ましい。しかし異物からの散乱光による信号成分(S)と半導体ウエハ46の表面粗さからの散乱光による雑音成分(N)との空間分布は、半導体ウエハ46表面の材質や半導体ウエハ46上のレーザスポット47での偏光状態によって大きく異なるために、この二点を考慮しなければ信号成分(S)が大きく、雑音成分(N)が小さくなるように測定を行うことは難しい。
ここで測定値を示す。図8(a)は鏡面をもつ半導体ウエハ(鏡面ウエハ)にP偏光を照射したときのS/N と、検出系37が半導体ウエハ46表面に対して成す角度φ3 との関係を示すグラフである。半導体ウエハ46表面には直径0.1μm以下の異物が付着しているとする。また図8(b)はS偏光を照射したときのS/N と、検出系37が半導体ウエハ46表面に対して成す角度φ4 との関係を示すグラフである。ここではそれぞれ前記レーザ入射面に対してθは略45°(後方散乱)、θは略90°(側方散乱)、θは略135°(前方散乱)としたときの様子を示している。これらのグラフは半導体ウエハ46上の異物からの散乱光による信号成分(S)と半導体ウエハ46の表面粗さからの散乱光による雑音成分(N)との空間分布状態を示したものとなっている。
【0022】
これらの測定値により半導体ウエハ46が鏡面をもつ場合において、半導体ウエハ46上の異物を測定する際のS/N が3以上の空間分布領域が分かり、この領域内のS/N のピークを示す位置に検出系37を配置すれば半導体ウエハ46が鏡面をもつ場合にも0.1μm以下の異物の検出を最適な検出感度で行うことができる。
図8(a)・図8(b)の測定値から、半導体ウエハ46が鏡面をもつ場合においては、P偏光を照射し検出器(即ち検出器54)を半導体ウエハ46の表面に対してφ3 を略35°の位置に配置し、前記レーザ入射面に対してθを略90°(θ1 となる)の位置に配置すれば最良の感度で異物検出ができることが分かる。
他の条件の半導体ウエハ46についても上述した測定と同じ測定をする。ここで各々の半導体ウエハ46表面には直径0.2μm以下の異物が付着しているとする。半導体ウエハ46が酸化膜をもつ場合(酸化膜付ウエハ)の測定結果を図9(a)・図9(b)に示し、また半導体ウエハ46が金属膜をもつ場合(金属膜付ウエハ)の測定結果を図10(a)・図10(b)に示す。これらのグラフも半導体ウエハ46上の異物からの散乱光による信号成分(S)と半導体ウエハ46の表面粗さからの散乱光による雑音成分(N)との空間分布状態を示したものとなっている。そしてこれらの結果についても半導体ウエハ46が鏡面をもつ場合と同様の解析をする。
【0023】
その結果半導体ウエハ46が酸化膜をもつ場合においては、P偏光を照射し検出器(即ち検出器54)を半導体ウエハ46の表面に対してφ3 を略35°の位置に配置し、前記レーザ入射面に対してθは略90°(θ1 となる)の位置に配置すれば最良の感度で異物検出ができることが分かる。
また、半導体ウエハ46が金属膜をもつ場合においては、S偏光を照射し検出器(即ち検出器55)を半導体ウエハ46の表面に対してφ4 を略80°の位置に配置し、前記レーザ入射面に対してθは略135°(θ2 となる)の位置に配置すれば最良の感度で異物検出ができることが分かる。
以上の測定結果から、鏡面をもつ半導体ウエハもしくは酸化膜をもつ半導体ウエハを測定する場合にはP偏光を照射し検出器54を用いて検出を行い、金属膜をもつ半導体ウエハを測定する場合にはS偏光を照射し検出器55を用いて検出を行うと良いことが明確であるので、上述した構成により半導体ウエハ46の種類によって自動的に偏光状態と検出器54・55とを選択する様にして半導体ウエハ46の種類によらず最良の感度で異物検出ができるようにした。
【0024】
ここで、以上に詳解してきた第4の実施例の変形例としてレーザスポット47の走査を第4の実施例のように、θテーブル52で半導体ウエハ46を回転させながらXテーブル53で半導体ウエハ46を移動させることで螺旋状に行っていたがXYテーブルを用いて半導体ウエハ46をXY方向に走査することも考えられる(第5の実施例)。
さらに、第4の実施例において検出系39はファイバプレート56・58を用いて散乱光の集光を行っているが、ファイバプレート56・58ではなくてレンズを用いた光学系(図示せず)を用いて散乱光の集光を行うことも考えられる(第6の実施例)。
ここまでを、まとめると下記の[表1]のようになる。
【表1】
Figure 0003770604
ところで、第4の実施例、第5の実施例、第6の実施例においては、検出系39は二個の検出器54・55を用いずに一個の検出器を図示しない移動手段によって、測定対象である半導体ウエハの種類に応じてφ方向やθ方向などの位置を移動させて使用しても差支えない。そして、半導体ウエハ46の種類に対応してφとθとを適切な角度に設定した複数個の検出器を用いても良いし、図示しない移動手段によって、複数個の検出器について、測定対象である半導体ウエハの種類に応じてφとθとが可変であるようにしても良い。即ち、φとθとは上記の数値に限定されるものではない。なぜならば上記の実施例では鏡面をもつ半導体ウエハもしくは酸化膜をもつ半導体ウエハを測定する場合には側方散乱光を用い、金属膜をもつ半導体ウエハ測定する場合には前方散乱光を用いているが、他の種類の半導体ウエハに対する測定には測定用の散乱光の種類(前方散乱光、側方散乱光、後方散乱光)を変える場面も考えられるからである。
【0025】
更にφやθだけでなく、偏光はP偏光とS偏光とに限定されることはない。他の種類の半導体ウエハに対する測定には偏光の偏光角を変えることも考えられる。要するに本発明の異物検出装置によれば半導体ウエハが、鏡面をもつ半導体ウエハもしくは酸化膜をもつ場合や金属膜をもつ場合に限らず、様々な種類の半導体ウエハの測定ができるのである。
さて次に、半導体ウエハに対する照射光の入射角について本発明の第7の実施例を例にして述べる。まず、本発明の第7の実施例の概略構成図を図11に示すとともに、以下に本実施例の構成を詳解する。本実施例はレーザ照射系61と、走査系62と、検出系63と、信号処理系64とによって構成されている。
レーザ照射系61は直線偏光を出力するレーザ発振器65と、ビームエキスパンダ66と、偏光ビームスプリッタ(Polarizing Beam Splitter:以下では、PBSと記す)67と、反射ミラー68と、集光レンズ69とによって構成されている。
ここでレーザ発振器65から出射した光束はビームエキスパンダ66で拡大され、PBS67でP偏光とS偏光とに分離される。P偏光とS偏光との双方は反射ミラー68…と集光レンズ69・69とによって半導体ウエハ70の表面上にレーザスポット71・72としてそれぞれ集光される。
【0026】
図12及び図13に示すとおり、P偏光の光束とS偏光光束との双方は共に半導体ウエハ70の表面に対して角度φ5 が略5°乃至略20°の角度で入射されるようにレーザ照射系61を設定する。この際P偏光の光束とS偏光光束との双方は、検出時に影響を及ぼさないために、シャッタ73によってお互いに遮断されている。
走査系62は半導体ウエハ70を載置している載置台74と、θテーブル75と、Xテーブル76とによって構成されている。P偏光の光束とS偏光光束とによる双方のレーザスポット71・72は固定されているのでθテーブル75とXテーブル76との動作によって半導体ウエハ70の全面が走査されることとなる。つまりθテーブル75が所定の速度で回転し、更にXテーブル76が所定のピッチで直線運動することによって半導体ウエハ70の全面が螺旋状に走査されるのである。なお、シャッタ73は半導体ウエハ70の走査の際にも検出器77と検出器78との間に位置するものとなっている。
検出系63は検出器(第1の検出器)77と検出器(第2の検出器)78とから構成される。各検出器77・78はファイバプレート79・80によって半導体ウエハ74から発生する散乱光を集光し、光電子増倍管81・82によってこの散乱光を検出する。なお、ここでは検出器77はレーザスポット71からの散乱光を検出するように配置されており、検出器78はレーザスポット72からの散乱光を検出するように配置されている。
【0027】
図12に示すとおり検出器77は、P偏光の光束によるレーザスポット71を中心に半導体ウエハ70の表面に対してφ6 が略10°乃至略50°の角度で配置され、P偏光の光束によるレーザ入射面に対してはθ3 が略70°乃至略110°の角度で配置されている。
一方、図13に示すとおりS偏光の光束によるレーザスポット72を中心に半導体ウエハ70の表面に対してφ7 が略10°乃至略20°の角度で配置され、S偏光の光束によるレーザ入射面に対してはθ4 が略115°乃至略155°の角度で配置されている。
信号処理系64はハードウエア部とソフトウエア部とによって構成されている。ハードウエア部は検出された半導体ウエハ70からの散乱光による信号を、この信号のインタフェース回路84における分解能を上げるために増幅する増幅回路83と、この信号をA/D 変換してその結果をコンピュータ85に取り込むためのインタフェース回路84と、コンピュータ85とによって構成されている。ソフトウエア部はコンピュータ85に取り込んだ前記の散乱光による信号(ディジタル値)を演算処理し、異物の有無と、異物の位置と、異物の大きさとを判別するデータ処理プログラムにより構成されている。なお、このコンピュータ85は図示しない制御手段によって走査系62の制御も行っている。
【0028】
本実施例の作用は次のとおりである。まず、レーザ発振器65から出射したレーザ光はPBS67によりP偏光の光束とS偏光の光束とに分けられ、反射ミラー68…と集光レンズ69・69とによって被検査体である半導体ウエハ70表面に対して角度φ5 が略5°乃至略20°の角度で入射され、レーザスポット71・72を形成する。
ここでφ5 が略5°乃至略20°の角度となる理由は、異物の存在しない半導体ウエハ70の表面からも、半導体ウエハ70の表面に生じている微小な粗さ(表面粗さ)によって散乱光が生じてしまうためである。これが雑音成分(ノイズ)として検出される。この雑音成分を少なく押さえてS/N を向上させるには、レーザ光の入射角φ5 が大きい(半導体ウエハ70の表面に対して60°乃至80°くらい)よりもレーザ光の入射角φ5 が小さい(半導体ウエハ70の表面に対して5°乃至20°くらい)のほうが良くなるためである。模式図を図14に示す。
一方、半導体ウエハ70は載置台74の上に載置されており、θテーブル75が所定の速度で回転し、更にXテーブル76が所定のピッチで直線運動することによって半導体ウエハ70の全面をレーザスポット71・72が半導体ウエハ70の表面を螺旋状に走査される。
【0029】
この際レーザスポット71・72の照射面に異物が存在すると、この異物によってレーザ光が強く散乱される。検出器77によりP偏光の光束によるレーザスポット71内で発生した散乱光は検出され、検出器78によりS偏光の光束によるレーザスポット72内で発生した散乱光は検出される。
このようにして検出された散乱光による信号は、それぞれ光電子増倍管81・82で光電変換され、さらに増幅回路83で検出信号が増幅され、インタフェース回路84を経由してコンピュータ85に取り込まれる。
そして、データ処理プログラムで処理をされ散乱光による信号の強さから異物の大きさを推定し、θテーブル75とXテーブル76との走査位置から異物の存在位置を逆算する。このような走査の繰り返しにより半導体ウエハ70の全面を走査しながら散乱光の検出をして半導体ウエハ70の表面に付着する異物の個数とこれらの位置や大きさなどの情報が得られることとなる。
このとき、半導体ウエハ70の表面に形成された金属膜の厚さが、略400nmのときには、半導体ウエハ70の表面に付着する異物の直径が略0.2μm未満の異物は検出器77からの信号によって特定される。また、この場合の直径が略0.2μm以上の異物は検出器78からの信号によって特定される。
【0030】
加えて、半導体ウエハ70の表面が鏡面であったり、半導体ウエハ70の表面に酸化膜が形成されている場合には半導体ウエハ70の表面に付着する異物の直径が略0.1μm未満の異物は検出器77からの信号によって特定される。また、この場合の直径が略0.1μm以上の異物は検出器78からの信号によって特定される。金属膜の方が表面粗さが大きいので雑音成分も大きくS/N が低くなる。よって検出可能異物の直径も大きくなってしまう。
ここで、半導体ウエハ70の表面に付着する異物の大きさによって異なる偏光角のレーザ光を用いる理由を図15及び図16を用いて説明する。
図15は被検査物表面にレーザを入射させる時の被検査物の表面上の空間における光の干渉現象を示している。入射光は被検査物表面で反射されるが、このとき入射光と反射光とは干渉し、図16に示す干渉領域内(網かけ部)では、干渉波(干渉光)は定在波となっており、この定在波領域内に異物が存在すると、この異物によって定在波の光は散乱される。散乱光強度は定在波の光強度に比例するので、定在波の光強度の大きい方が散乱光を検出しやすい。
【0031】
しかし、定在波の光強度(定在波強度)は、被検査物表面からの高さ(Z方向の距離)によって図15に示すように周期的に変化する。この光強度の変化を拡大して図15に表面が鏡面を持つ半導体ウエハ(Siウエハ)にAr+ レーザ(波長:488nm)を照射した場合を例にして示す。この図16から、被検査物表面から略0.2μmまでの高さの領域では、P偏光の入射による定在波強度が強く、略0.2μmより大きい高さの領域では、S偏光の入射による定在波強度が強いことが分かる。この結果から、鏡面を持つSiウエハにおいては、このウエハの表面に付着する異物の直径が略0.2μm未満の異物はP偏光による散乱光の信号によって特定される。また、この場合の直径が略0.2μm以上の異物はS偏光による散乱光の信号によって特定される。この検出信号の選択はコンピュータ85において行う。Siウエハの表面に金属膜が形成されていたり、Siウエハの表面に酸化膜が形成されている場合にも、このウエハの表面に付着する異物の直径の閾値が異なるだけであり、異物の直径がこの閾値を越えるか越えないかによって、参照データをP偏光に基づくものかS偏光に基づくものかを判断するという作業には変わりはない。
【0032】
また使用するレーザがAr+ レーザではなくてHe−Cd レーザ(波長:442nm)やHe−Ne レーザ(波長:633nm)などの他の種類のレ−ザを用いた際にもレーザ波長に依存する定在波強度分布の周期が変化するために、この異物の直径の閾値が異なるが、処理自体には変化はない。
ここで、検出器を配置する際には前述したように図12及び図13に示すような角度配置にするのであるが、この理由は、検出対象の異物の大きさによって散乱光の空間分布特性が異なるためである。
即ち、異物の直径が前記の閾値よりも小さい場合には、図12に示すように検出器81は、P偏光の光束によるレーザスポット71を中心に半導体ウエハ70の表面に対してφ6 が略10°乃至略50°の角度(表面近傍)で配置されP偏光の光束によるレーザ入射面に対してはθ3 が略70°乃至略110°の角度(側方散乱)で配置されている。これは、これらの方向に散乱光が強く発生するからである。
一方、図13に示すようにS偏光の光束によるレーザスポット72を中心に半導体ウエハ70の表面に対してφ7 が略10°乃至略20°の角度(反射光近傍)で配置され(入射角φ5 が略10°乃至略20°の角度であるため)、S偏光の光束によるレーザ入射面に対してはθ4 が略115°乃至略155°(前方散乱)の角度で配置されている。これも、これらの方向に散乱光が強く発生するからである。
【0033】
ここで、φ6 ・φ7 の角度の大きさの下限が略10°であるのは検出器の大きさを考慮しているためであり、可能であるならば更に小さな角度(略5°くらい)であることが望ましい。そしてθ4 の角度の大きさの上限が略155°であるのは正反射光を避けるためであり、理想的には180°が望ましい。
またこのようにして採取したデータによると図17に示すように線形特性の良い検出強度曲線が得られることで検出強度曲線から正確に異物の粒径を求めることができる。これを図18を用いて説明する。図18(a)では被検査物表面に直径0.1μm(異物Aとする)、0.4μm(異物Bとする)、0.6μm(異物Cとする)の異物が存在していることを示している。
レーザスポットを走査した結果として、図18(b)には検出器77で検出されたP偏光の入射による散乱光信号を示し、図18(c)には検出器78で検出されたS偏光の入射による散乱光信号を示す。図18(b)・図18(c)により直径0.1μmの異物の検出には信号Aを用いるが、直径0.4μm及び直径0.6μmの異物の検出にはそれぞれ信号B及び信号Cを用いるのではなく、それぞれ信号B´及び信号C´を用いると良いことが分かる(図18(d)に示す)。
【0034】
ここまでを、まとめると下記の[表2]のようになる。
【0035】
【表2】
Figure 0003770604
ここで上記の実施例の全てに当てはまることであるが、Ar+ レーザではなくてHe−Cd レーザ(波長:442nm)やHe−Ne レーザ(波長:633nm)などの他の種類のレ−ザを用いることも出来る。
そして直線偏光を出力するレ−ザを使用するのではなくてランダム偏光を出力するレ−ザに偏光子を組み合わせてP偏光やS偏光を発生させても良い。また受光素子は光電子増倍管33・57・59・81・82ではなく半導体光センサなどに変えても良い。
加えて被検査体は半導体ウエハを例に挙げたが検査対象はこれに限定されず、液晶基板でも良いし、曲面部を有するものでも本発明の異物検査装置を用いることは可能である。
その理由は巨視的に見れば曲面でも、微視的に見れば平面となるのでレ−ザスポット31・47・71・72のスポット径を小さくすることで検査対象の曲面を平面と同様にして検査ができるためである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によると、異物の検出感度を上げることが可能となる。
また本発明によると、半導体の製造において従来まで検出が困難であった異物などの検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の異物検査装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の第1の実施例の異物検査装置における、ファイバプレートおよび光電子倍増管と半導体ウエハとの位置関係を示す側面図。
【図3】本発明の第1の実施例の異物検査装置における、光受光系の配置角度と散乱光の強度の関係とを示すグラフ。
【図4】本発明の第1の実施例の異物検査装置における、光受光系の配置角度と異物検出信号のS/N とを示すグラフ。
【図5】本発明の第4の実施例の異物検査装置を示す概略構成図。
【図6】本発明の第4の実施例の異物検査装置における、各検出器と、レーザ入射面と、半導体ウエハとの位置関係を示す概略図。
【図7】本発明の第4の実施例の異物検査装置における、半導体ウエハ(被検査物)の種類による偏光状態および検出器の選択の処理の流れを示すフローチャート。
【図8】本発明の第4の実施例の異物検査装置で鏡面ウエハを測定した場合における、検出器の配置角度と異物検出信号のS/N とを示すグラフ。
【図9】本発明の第4の実施例の異物検査装置で酸化膜付ウエハを測定した場合における、検出器の配置角度と異物検出信号のS/N とを示すグラフ。
【図10】本発明の第4の実施例の異物検査装置で金属膜付ウエハを測定した場合における、検出器の配置角度と異物検出信号のS/N とを示すグラフ。
【図11】本発明の第7の実施例の異物検査装置を示す概略構成図。
【図12】本発明の第7の実施例の異物検査装置における、検出器と、レーザ入射面と、半導体ウエハとの位置関係を示す概略図(その1)。
【図13】本発明の第7の実施例の異物検査装置における、検出器と、レーザ入射面と、半導体ウエハとの位置関係を示す概略図(その2)。
【図14】本発明の第1の実施例の異物検査装置における、レーザ光の入射角度が大きい場合とレーザ光の入射角度が小さい場合の散乱光の強度と検査時刻の関係とを示すグラフ。
【図15】半導体ウエハの表面における入射光と反射光による光の干渉を示す概略図。
【図16】半導体ウエハの表面における定在波強度の分布と異物の直径の関係を示すグラフ。
【図17】本発明の第7の実施例の異物検査装置における、異物の直径と散乱光の強度と検出器の選択を示すグラフ。
【図18】本発明の第7の実施例の異物検査装置において、(a)は異物A乃至異物Cの大きさを示す模式図、(b)は異物A乃至異物Cに対する第1の検出器の出力信号と検査時刻との関係を示すグラフ、(c)は異物A乃至異物Cに対する第2の検出器の出力信号と検査時刻との関係を示すグラフ、(d)は異物A乃至異物Cに対する異物検出結果と検査時刻との関係を示すグラフ。
【図19】第1の従来例の異物検査装置を示す概略構成図。
【図20】第2の従来例の異物検査装置を示す概略構成図。
【図21】第3の従来例の異物検査装置を示す概略構成図。
【図22】第4の従来例の異物検査装置における、ラインセンサと半導体ウエハとの位置関係を示す側面図。
【図23】第5の従来例の異物検査装置を示す概略構成図。
【図24】従来例の異物検査装置における、異物の直径と散乱光の強度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1・26・51・74…載置台
2・46・70…半導体ウエハ
3・27・41・65…レ−ザ発振器
4・66…コリメートレンズ
5…ガルバノミラー
6・14・16・22…集光光学系
7…ラインセンサ
8・9・13・17…受光素子
10・18…測定回路
11…XYテーブル
12…容器
15…ハーフミラー
19…XYテーブル制御装置
20…XYθテーブル
21・29・44…反射ミラー
23・35…検出部
24・52・75…θテーブル
25・53・76…Xテーブル
28・43…1/2 波長板
30・45・69…集光レンズ
31・47・71・72…レーザスポット
32・56・58・79・80…ファイバプレート
33・57・59・81・82…光電子増倍管
34…増幅部
36・61…レーザ照射系
37…制御系
38・62…走査系
39・63…検出系
40・64…信号処理系
42・66…ビームエキスパンダ
48…制御回路
49・85…コンピュータ
50・84…インタフェース回路
54・55・77・78…検出器
60・83…増幅回路
67…偏光ビームスプリッタ
68…反射ミラー
73…シャッタ

Claims (7)

  1. レーザ光源と、このレーザ光源から出射されたレーザ光の偏光角を可変させる偏光成分可変手段と、被検査物表面に照射された前記レーザ光の散乱光を検出する検出系と、この検出系により検出された前記散乱光の強度に基いて前記被検査物表面の傷もしくは異物を検出する検出手段とを備え、前記被検査物表面に照射される前記レーザ光の偏光状態が、P偏光もしくはS偏光のいずれか一方に切換可能に設けられており、前記被検査物が表面に鏡面をもつ半導体ウエハもしくは酸化膜をもつ半導体ウエハの場合はP偏光のレーザ光を照射し、前記被検査物が表面に金属膜をもつ半導体ウエハの場合はS偏光のレーザ光を照射するよう設定可能に構成されていることを特徴とする異物検査装置。
  2. 前記レーザ光源は、Arレーザ発振器であることを特徴とする請求項1記載の異物検査装置。
  3. 前記レーザ光源は、He−Cdレーザ発振器であることを特徴とする請求項1記載の異物検査装置。
  4. 前記レーザ光源は、He−Neレーザ発振器であることを特徴とする請求項1記載の異物検査装置。
  5. 前記検出系は、ファイバプレートと光電子増倍管とを備えていることを特徴とする請求項1記載の異物検査装置。
  6. 前記レーザ光は、前記被検査物表面に対して5°乃至20°の角度で入射されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の異物検査装置。
  7. 検査される表面が鏡面である半導体ウエハもしくは検査される表面に酸化膜または金属膜を有する半導体ウエハの前記検査される表面の傷もしくは異物を検出する検出工程において、請求項1乃至いずれかに記載の異物検査装置を用いることを特徴とするDRAMの製造方法。
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