JPH0335617B2 - - Google Patents

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JPH0335617B2
JPH0335617B2 JP3961488A JP3961488A JPH0335617B2 JP H0335617 B2 JPH0335617 B2 JP H0335617B2 JP 3961488 A JP3961488 A JP 3961488A JP 3961488 A JP3961488 A JP 3961488A JP H0335617 B2 JPH0335617 B2 JP H0335617B2
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JP3961488A
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Shoichi Tanimoto
Kazunori Imamura
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Nikon Corp
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Nippon Kogaku KK
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Publication of JPH0335617B2 publication Critical patent/JPH0335617B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、微小なゴミ等の付着による異物欠陥
を検出する装置に関し、特にLSI用フオトマス
ク、レテイクル等の基板上に欠陥として付着した
異物等の欠陥検査装置に関する。
LSI用フオトマスクやウエハを製造する過程に
おいて、レテイクル、マスク等に異物が付着する
ことがあり、これらの異物は、製造されたマス
ク、ウエハの欠陥の原因となる。特に、縮小投影
型のパターン焼付け装置において、この欠陥は各
マスク、ウエハの全チツプに共通の欠陥として現
われるため製造工程において厳重に検査する必要
がある。このため、一般には目視による異物検査
を行なうことが考えられるがこの方法は通常、検
査が何時間にもおよび、作業者の疲労を誘い、検
査率の低減を招いてしまう。
そこで、近年、マスクやレテイクルに付着した
異物のみをレーザビーム等を照射して自動的に検
出する装置が種々考えられている。例えばマスク
やレテイクルに垂直にレーザビームを照射し、そ
の光スポツトを2次元的に走査する。このとき、
マスクやレテイクル上のパターンエツジ(クロム
等の遮光部のエツジ)からの散乱光は指向性が強
く、異物からの散乱光は無指向に発生する。そこ
でこれらの散乱光を弁別するように光電検出し
て、光スポツトの走査位置からマスクやレテイク
ル上どの部分に異物が付着しているのかを検査す
る装置が知られている。ところが、この装置で
は、マスクやレテイクルの全面を光スポツトで走
査するので、小さな異物を精度よく検出するため
に光スポツトの径を小さくすればそれだけ検査時
間が長くなるという問題があつた。
また検査時間短縮のために被検査物全面を光ス
ポツトで大きく走査すると、走査位置と光電検出
系との空間的な配置関係を変化することになり、
同じサイズの異物か異なる2ヶ所の走査位置に付
着しているにもかかわらず、一方は良好に検出さ
れるのに他方は全く検出されないといつた不都合
が生じてしまう。
そこで本発明の目的は、被検査物上に付着した
異物等の欠陥部を高速に検出するとともに、光ビ
ームの走査位置によらず常に安定な感度で欠陥部
を検査できる欠陥検査装置を提供することにあ
る。
この目的を達成するために本発明の装置は、被
検査物を光ビームのスポツトで一次元走査する光
ビーム走査手段(スキヤナー2)と、このスポツ
トによる一次元走査範囲(L)を空間位置から見
込むとともに一次元走査範囲内の欠陥部(異物
i、j、k)で生じた散乱光を受光して、その散
乱光の強度に応じた光電信号を出力する光電検出
手段(受光素子11;13;21;23;31)
と、光ビームのスポツトの走査位置(C1、C2
C3)と光電検出手段の位置との幾何学的な配置
の変化に対応して時系列的に大きさが変化する基
準信号(スライス電圧Vs1;Vs2;Vs3;Vs4
Vs5)を発生するスライスレベル発生器160
と、光電信号と基準信号とを比較して光電信号が
基準信号よりも大きいときに検知信号を出力する
比較回路(コンパレータ114;115;14
1;150;151;152;204;205)
とを設けるようにした。
本発明の実施例を説明する前に、被検査物に光
ビームを照射したとき、異物の付着状態に応じて
生じる散乱光の様子を第1,2,3図により説明
する。尚、ここで光ビームは被検査物上に斜入射
で照射するものとする。これは光ビームを垂直に
入射するよりも、異物からの散乱光とクロム等の
遮光部からの散乱光との分離を良くするためであ
る。
第1図は、被検査物としてマスクやレテイクル
(以下総称してフオトマスクとする。)のパターン
が描画された面の光ビームとしてのレーザ光を照
射し、フオトマスクのガラス板の上に付着した異
物によるレーザ光の散乱と遮光部の上に付着した
異物による散乱の様子を示したものである。第2
図は、ガラス板上に付着した異物による散乱と、
遮光部のエツジ部による散乱との様子を示すもの
である。第3図は、ガラス板の透明部の表面と裏
面とに付着した異物による散乱の様子を示すもの
である。
第1図において、フオトマスク5のガラス板5
aに密着して設けられた遮光部5bを設けた面S1
(以下、この面のことをパターン面S1と呼ぶ。)に
斜入射したレーザ光1は、ガラス板5a又は遮光
部5bによつて正反射される。尚、図中、レーザ
光1以外の光束は散乱光のみを表わす。第1図に
おいて、集光レンズと光電素子とから成る受光部
Aはその正反射光を受光するように表わしてある
が、実際には正反射したレーザ光を入射しないよ
うな位置に配置する。また受光部Aは、レーザ光
1の照射部分を斜めに見込むように配置する。こ
れはガラス板5aのパターン面S1や遮光部5bの
表面の微細な凹凸によつて生じる散乱光をなるべ
く受光しないようにするためである。さらに、ガ
ラス板5aのパターン面S1と反対側の面S2(以下、
裏面S2とする。)側には、集光レンズと光電素子
を含む受光部Bが設けられる。この受光部Bは、
ガラス板5a(特にそのパターン面S1)に対して、
受光部Aと面対称の関係に配置されており、裏面
S2側からレーザ光1の照射部分を斜めに見込んで
いる。第1図で、受光部Bは、ガラス板5aを直
接透過したレーザ光を受光するように表わしてあ
るが、実際には、直接透過したレーザ光は受光し
ないような位置に設ける。すなわち、受光部A,
Bは共に、異物から無指向に発生する散乱光を受
光するような位置に配置される。
そこで、図のように、ガラス板5aの透過部に
付着した異物iと、遮光部5bの上に付着した異
物jとから生じる散乱光のちがいについて説明す
る。
受光部Aによつて検出される光電信号の大きさ
は、異物i,jともほぼ同じになる。それは、異
物i,jにレーザ光1を照射したとき、異物i,
jの大きさが共に等しいものであれば、そこで無
指向に生じる散乱光1aの強さも等しくなるから
である。ところが、異物iで生じる一部の散乱光
1bはガラス板5aを透過して受光部Bに達す
る。一般に、散乱光1bは散乱光1aにくらべて
小さくなるが、受光部A,Bには異物iの付着に
よつて、共に何らかの光電信号が発生する。もち
ろん、遮光部5bに付着した異物jからの散乱光
は受光部Bに達しない。
そこで、受光部AとBの光電信号を調べること
により、異物がガラス板5aの透明部に付着した
ものなのか、遮光部5bに付着したものなのかを
判別することができる。
ところで、遮光部5bのエツジ部では、かなり
指向性の強い反射光と、無指向性の散乱光とが生
じる。そこで、上記受光部A,Bをエツジ部から
の指向性の強い反射光をさけて散乱光のみを受光
するように配置しても、その散乱光が異物による
ものなのか、エツジ部によるものなのかを判別す
る必要がある。このことについて、第2図に基づ
いて原理の説明をする。第2図においても、散乱
光を受光する受光部は、第1図と同様に配置す
る。
斜入射されたレーザ光1はフオトマスク5のパ
ターン面S1で鏡面反射されるが、異物i又は回路
パターンとしての遮光部5bのエツジ部では散乱
される。(正反射光等は省略してある。)遮光部5
bは層の厚さが0.1μm程度でパターン面S1に密着
しているため、ガラス板5aの外部に直接向かう
散乱光1cと、ガラス板5aの内部に向つて進む
散乱光1dとの強度はほぼ等しくなる。散乱光1
dはガラス板5aの内部を通過後、裏面S2より外
部に出る。一方、異物の大きさは数μm以上あり
異物iによつて散乱される光は、異物iが表面S1
より高く浮き上つているために、パターン面S1
りガラス板5aの内部に向つて進む散乱光1e
は、面S1の異物側に進む散乱光1fよりも弱い。
この傾向はパターン面S1に対する受光部A,Bの
受光方向の抑角を小さくすればするほど両者の光
電信号の大きさの相異として強くなる。この現象
は、面S1に密着した遮光部5bに対して散乱光は
表面波として振舞うが、異物iはその一部でのみ
表面S1に接触し、大部分は空間に突出しているの
で、自由空間での散乱となり、散乱光がパターン
面S1にすれすれの角度で入射すると、反射率が高
くなり、パターン面S1より内部に入る割合が少な
いことからも説明できる。従つてパターン面のS1
の側で散乱光を受光部Aによつて検出すると共
に、裏面S2を通過した散乱光も同時に受光部Bに
よつて検出し、両者の光量の比が例えば2倍以上
あるかどうかという判定によつて、散乱が異物に
よるものか遮光部5bのエツジ部によるものなの
かを判別することができる。
次に、ガラス板5aの表と裏に付着した異物を
判別する原理について、第3図により説明する。
この図中、受光部A,Bは、レーザ光1の照射を
受けるフオトマスク上の部分から後方、すなわち
レーザ光1の入射側に斜めに設けられており、い
わゆる異物からの後方散乱光を受光する。
ここでは、レーザ光1をフオトマスク5のパタ
ーンの形成されていない側の面、すなわち裏面S2
に入射したとき、裏面S2に付着した異物kによる
レーザ光の散乱と、パターンが形成されている側
のパターン面S1に付着した異物iにより散乱の違
いを示している。レーザ光1は裏面S2に対し、斜
入射し、一部は反射し、一部は透過して、パター
ン面S1に至る。異物kによる散乱光1gは受光部
Aによつて光電変換される。また、パターン面S1
の透明部分に付着した異物iによる散乱光のう
ち、ガラス板5aの内部を透過して裏面S2よりレ
ーザ光入射面に散乱光1hとなつて表われたもの
が受光部Aによつて光電変換される。ところで異
物iによる散乱光のうち、散乱光1hと、パター
ン面S1よりガラス板5aの内部には入らない散乱
光1iとを比較すると、散乱光1hはパターン面
S1及び裏面S2により反射損失を受けるので、散乱
光1iに比較して強度が弱い。この両者の強度比
は受光部A,Bの散乱光の受光方向を裏面S2又は
パターン面S1に対してすれすれにすればするほど
大きくなる傾向にある。これは光の入射角が起き
ければ大きい程表面での反射率が増すという事実
に基づく。そこでレーザ光1のフオトマスク5に
対する入射位置を変化させながら、受光部A,B
の出力をモニターすると、第4図a,bのような
信号がそれぞれ得られる。そこで第4図a,bの
縦軸は夫々受光部A,Bの受光する散乱光の強さ
に比例した量を、横軸は、時刻又はレーザスポツ
トのフオトマスク5に対する位置を表わすものと
する。異物kによるレーザ光の散乱では、第4図
における信号波形A1,B1のようになり、その
信号の大きさPA1とPB2を比較すると、PA1
の方がPB1の3〜8倍位大きくなり、異物iに
よる散乱では、信号波形A2,B2のような波形
が得られ、大きさPA2とPB2を比較すると、
PB2の方がPA2の3〜8倍位大きくなる。従つ
て、散乱光がある大きさ以上となる時、受光部A
の受光部Bに対する出力比がK倍、例えば2倍以
上あれば、異物はレーザビーム入射側の裏面S2
付着していると判断できる。
次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
第5図は欠陥検査装置の第1の実施例を示す斜
視図であり、第6図は、第5図の構成に適した検
出回路の一例を示す回路図である。
この実施例は、被検査物として、複雑なパター
ンを有するフオトマスクよりも、パターンがない
素ガラスや、比較的単純なパターンを有するマス
クを検査するのに適している。
第5図において、被検査物としてのフオトマス
ク5は載物台9の上に周辺部のみを支えられて載
置される。載置台9は、モータ6と送りネジ等に
より図中矢印4のように一次元に移動可能であ
る。ここで、フオトマスク5のパターン面を図示
の如く座標系xyzのx−y平面として定める。こ
の載置台9の移動量はリニアエンコーダのような
測長器7によつて測定される。一方、レーザ光源
8からのレーザ光1は適宜、エキスパンダー(不
図示)や集光レンズ3等の光学部材によつて任意
のビーム径に変換されて、単位面積あたりの光強
度を上げる。このレーザ光1は、バイブレータ、
ガルバノミラーの如き振動鏡を有するスキヤナー
2によつてフオトマスク5上のx方向の範囲L内
を走査する。このとき走査するレーザ光1はフオ
トマスク5の表面(x−y平面)に対して、例え
ば入射角70°〜80°で斜めに入射する。従つて、レ
ーザ光1のフオトマスク5上での照射部分は、図
中ほぼy方向に延びた楕円形状のスポツトとな
る。このため、スキヤナー2によつてレーザ光1
がフオトマスク5を走査する領域は、x方向に範
囲Lでy方向に所定の広がりをもつ帯状の領域と
なる。実際にレーザ光1がフオトマスク5の全面
を走査するために、前述のモータ6も同時に駆動
し、レーザ光1の走査速度よりも小さい速度でフ
オトマスク5をy方向に移動する。このとき測長
器7は、レーザ光1のフオトマスク5上における
y方向の照射位置に関連した測定値を出力する。
また、フオトマスク5上に付着した異物からの
光情報、すなわち無指向に生じる散乱光を検出す
るために受光素子11,13が設けられている。
この受光素子のうち素子11は、前記受光部Aに
相当し、レーザ光1が照射されるフオトマスク5
の表側から生じる散乱光を受光するように配置さ
れる。一方、受光素子13は、前記受光部Bに相
当し、裏側から生じる散乱光を受光するように配
置される。さらに、受光素子11と13の各受光
面にはレンズ10,12によつて散乱光が集光さ
れる。そしてレンズ10の光軸はx−y平面に対
して斜めになるように、レーザ光1の走査範囲L
のほぼ中央部をフオトマスク5の表側から見込む
ように定められる。一方、レンズ12の光軸は、
x−y平面に対してレンズ10の光軸と面対称に
なるように定められる。また、レンズ10,12
の各光軸は走査範囲Lの長手方向に対して、斜め
になるように、すなわち、x−z平面に対して小
さな角度を成すように定められている。
第6図において、受光素子11,13の各光電
信号は、各々増幅器100,101に入力する。
そして増幅された光電信号e1は2つの比較器10
3,104の夫々に入力する。また増幅された光
電信号e2は、増幅度Kの増幅器102を介し比較
器104の地方の入力に印加される。尚、受光素
子11,13の受光量が等しいとき、信号e1、e2
た共に、同一の大きさとなる。さらに、比較器1
03の他方の入力には、スライスレベル発生器1
06からのスライス電圧Vsが印加される。そし
て比較器103,104の各出力はアンド回路1
05に印加する。このスライスレベル発生器10
6は、スキヤナー2を振動するための走査信号
SCに同期してスライス電圧Vsの大きさを変える。
これは、レーザ光1の走査により、受光素子11
からレーザ光1の照射位置までの距離が変化す
る、すなわちレンズ10の散乱光受光の立体角が
変化するためである。そこで、走査に同期して、
レーザ光1の照射位置に応じてスライス電圧Vs
を可変するように構成する。
この構成において、増幅器102の増幅率K
は、1.5〜2.5の範囲、例えば2に定められてい
る。これは、レーザ光1の入射側に付着した異物
から生じる散乱光のうち、入射側に生じる散乱光
の大きさと、フオトマスク5を通過した散乱光の
大きさとの比が第3図、4図で説明したように2
倍以上になるからである。
また、比較器103は、信号e1がスライス電圧
Vsよりも大きいときのみ論理値「1」を出力す
る。また、比較器104は信号e1と信号e2をK倍
にしたKe2を比較して、e1>Ke2のときのみ論理
値「1」を出力する。従つて、アンド回路105
は比較器103,104の出力が共に論理値
「1」のときのみ、論理値「1」を発生する。
次に、この実施例の作用、動作を説明する。ま
ず異物がレーザ光1の入射側の面に付着していた
場合、レーザ光1がその異物のみを照射すると、
信号e1は、スライス電圧Vsよりも大きくなり、
比較器103は論理値「1」を出力する。また、
このとき、e1>Ke2になり、比較器104を論理
値「1」を出力する。このためアンド回路105
は論理値「1」を発生する。
次に異物が裏面に付着していた場合、レーザ光
1は、フオトマスク5に斜入射しているから、大
部分がフオトマスク5のガラス面で正反射し、一
部が裏面の異物を照射する。このため、異物から
の散乱光のうち、受光素子11に達する散乱光
は、受光素子13に達する散乱光よりも小さな
値、すなわちe1<Ke2になり、比較器104は論
理値「0」を出力する。このため、このときe1
Vsが成立していたとしても、アンド回路105
は論理値「0」を発生する。また、遮光部のエツ
ジ部から散乱光が生じた場合、第2図に示したよ
うに、受光素子11,13の受光量はほぼ等しく
なるから、e1<Ke2となり、比較器104は論理
値「0」を出力する。従つてアンド回路105は
論理値「0」を発生する。
尚、スライス電圧Vsの大きさは、異物の検知
能力に関連し、スライス電圧Vsが小さければ小
さいほど、より小さな異物の検出が可能となる。
このように、異物がフオトマスク5の表側(レ
ーザ光入射側)に付着していたときのみ、検査結
果としてアンド回路105は論理値「1」を出力
する。
以上述べた如く本実施例は回路パターン等によ
り散乱が弱く、大きな異物の検出しか要求されな
い場合にきわめて簡単な構成で、異物の付着状態
として、表側と裏側のどちらの面に付着している
のかを弁別して高速に検査できる特徴を備えるも
のである。
以上はレーザ光を、回路パターンが形成された
面側から入射し、入射した面に付着した異物の検
出を行なう場合について述べたものである。とこ
ろで、縮小投影露光装置に用いられるレテイク
ル、マスクでは、回路パターン側に付着した異物
だけでなく、裏面のパターンのない面に付着した
異物を転写されてしまう。1/10倍の縮小レンズを
用いると、転写されるパターンのない裏面に付着
した異物で転写可能な最小の大きさは、回路パタ
ーンのある面に付着した異物で転写可能な最小の
大きさの、長さで約1.5倍、面積比で約2倍であ
る。従つて裏面に付着した異物の検出も、必要な
感度で行なうことが必要である。裏面の異物を検
出するには第1の実施例で説明した装置におい
て、フオトマスクを裏返した形で使用すればよ
い。ところがこのようにしても、複雑なパターン
を有するフオトマスクでは次のような問題が生じ
る。即ち、活路パターンのない面側の異物による
散乱光の検出強度と異物の大きさとの関係によ
り、異物の大きさを判定しようとする場合、回路
パターン面側の異物による散乱光の検出強度と異
物の大きさの関係は違つたものになるので、異物
の大きさの判定に誤りを生じることになる。それ
ばかりか、パターンの遮光部のエツジからの散乱
光の影響によつて異物の検出そのものも困難とな
る。
そこで、本発明の第2の実施例を第7〜9図に
基づいて説明する。第7図は、欠陥検査装置の第
2の実施例による斜視図を示し、第1の実施例と
異なる点は、さらにもう1組の受光部を設けたこ
とである。第8図は、異物からの散乱光による各
受光素子の光電出力の様子を示す図である。さら
に第9図は、この第2の実施例に適した検出回路
の接続図である。
第7図において、第1の実施例と同一の構成、
作用を有するものは説明を省略する。この第2の
実施例において、さらに、フオトマスク5のレー
ザ光1の入射側と、それと反対側にほぼ等しい受
光立体角を有する受光系を設ける。この受光系は
第7図に示すように、フオトマスク5の表側(レ
ーザ光入射側)を斜めに見込む集光レンズ20と
受光素子21、及びフオトマスク5の裏側を斜め
に見込む集光レンズ22と受光素子23とから構
成されている。もちろんレンズ20,22の各光
軸は、走査範囲Lのほぼ中央部を向いている。さ
らに、その各光軸は、走査範囲Lの長手方向xを
含む面(xyz座標系のx−z面と平行な面)と一
致するように定められている。また、この際、レ
ンズ20とレンズ10の光軸が成す角度は30〜45
度前後に定められる。レンズ22とレンズ12の
光軸が成す角度についても同様である。
従つてこの実施例では異物と回路パターンによ
る散乱光の指向性がフオトマスク5の表側に進む
光について異なることを利用する上に、さらに異
物と回路パターンとによつてフオトマスク5の表
側と裏側に進む光の強度比の違いも利用して、異
物の検査を行う。
第7図は本実施例の斜視図であつて、被検査物
5が設置される移動台と、これの移動の駆動を行
なうモータ、及び移動台の位置検出を行なうエン
コーダも表示されている。
第8図a,b,c,dは受光素子21,11,
23,13からの光電信号の大きさをそれぞれ縦
軸にとり、横軸に第8図a〜d共通に時間をとつ
て示したものである。レーザ光1のスポツトをフ
オトマスク5上で等速走査すれば、横軸はスポツ
ト位置にも対応している。レーザ光が回路パター
ンに入射して散乱された場合、第7図の光電素子
21,11,23,13からの出力は第8図でそ
れぞれA1,B1,C1,D1のようになり、そ
れぞれのピーク値はPA1,PB1,PC1,PD1
となる。この場合、散乱光に指向性があるため
に、受光素子21と11の光電出力として、ピー
クPB1よりもPA1の方が大きいが、完全な指向
性ではないので、ピークPB1は零ではない。フ
オトマスク5の裏側の受光素子23,13の出力
ピーク値、PC1,PD1はそれぞれPA1,PB1
に近い値を持つている。このことは、前記第2図
で説明した通りである。ところが、異物によつて
レーザ光が散乱された場合、各受光素子からの出
力はA2,B2,C2,D2となり、それぞれピ
ーク値はPA2,PB2,PC2,PD2となる。散
乱光の指向性が少ないために、PA2とPB2の間
では差は小さいが、PA2とPC2の間、及びPB
2とPD2の間には大きな差があり、3〜8倍位
の比でPA2,PB2の方が大きい。回路パターン
からの散乱信号のうち例えば小さい方のピーク値
PB1より小さなレベルSLをスライスし電圧とし
て、第8図a,bの各信号をスライスし、できる
だけ小さな異物による弱い散乱光を検出しようと
した場合、このままでは回路パターンも異物とし
て判定してしまう。しかし、第7図の受光素子2
1と受光素子23の出力の比、及び受光素子11
と受光素子13の出力の比を求め、第8図aの信
号がSLを越え、かつ第8図bの信号もSLを越え
ている場合に、さらにこの比が一定以上例えば2
倍以上ある場合にのみ異物と判定すれば、上記の
ような低レベルSLを用いても異物のみを正しく
検出できる。
第9図は本実施例の信号処理のブロツク図であ
つて、第7図に示した受光素子21,11,2
3,13は夫々、増幅器110,111,11
2,113に入力する。この4つの増幅器110
〜113は、受光素子21,11,23,13に
入射する光量が共に等しければ、その出力信号
e1,e2,e3,e4も等しくなるように作られてい
る。
比較器114は、出力信号e1と、第8図aに示
したレベルSLとしてのスライス電圧Vs1とを比較
して、e1>Vs1のとき論理値「1」を出力する。
比較器115は、出力信号e2と第8図bに示した
レベルSLとしてのスライス電圧Vs2とを比較して
e2>Ve2のとき論理値「1」を出力する。また、
異物とエツジ部とによりフオトマスク5の表側と
裏側に生じる散乱光のちがいを判別するために、
出力信号e3とe4は夫々増幅器Kの増幅器116,
117に入力する。この増幅器Kは、第1の実施
例と同様に1.5〜2.5の範囲のうちの1つの値、例
えば2に定められている。
比較器118は、出力信号e1と増幅器116の
出力信号Ke3とを比較して、e1>Ke3のときのみ
論理値「1」を出力する。比較値119は出力信
号e2と増幅器117の出力信号Ke4とを比較し
て、e2>Ke4のときのみ論理値「1」を出力す
る。そして、比較器114,115,118,1
19の各出力はアンド回路120に入力し、アン
ドが成立したとき、検査結果として異物が存在す
ることを表わす論理値「1」を発生する。またス
ライス電圧Vs1,Vs2はスライスレベル発生器1
21から出力され、第1の実施例と同様、走査信
号SCに応答してその大きさが変化する。
ただし、スライス電圧Vs1,Vs2の個々の大き
さ、変化の程度は、少しずつ異なつている。この
ことについて、第10図a,bにより説明する。
第10図aは第7図における斜視図をフオトマス
ク5の上方から見たときの図である。
ここで、レーザ光1のフオトマスク5上の走査
範囲Lにおいて、その中央部を位置C1、両端部
を各々位置C2,C3とする。前述のように、受光
素子21と11とから位置C1までの各距離は共
に等しい。そこで、同一の異物が位置C1,C2
C3に付着していたものとして以下に述べる。異
物が位置C1に付着していた場合、その異物から
生じる散乱光に対して受光素子21,11の各受
光立体角はほぼ等しくなるから、前述の信号e1
e2の大きさもほぼ等しくなる。このためレーザ光
1のスポツトが位置C1にあるとき、スライス電
圧Vs1,Vs2は等しい大きさに定められる。
また異物が位置C2に付着していた場合、受光
素子21の受光量よりも、受光素子11の受光量
の方が多くなる。このため信号e2の方が信号e1
りも大きくなるから、スライス電圧はVs2>Vs1
に定める必要がある。しかしながら、位置C2
各受光素子21,11から共に遠方にあるため、
信号e1,e2の大きさは大差ない。従つて、スライ
ス電圧としてそれ程差のない大きさでVs2>Vs1
を満足し、位置C1のときのスライス電圧よりも
小さく定められる。
一方、異物が位置C3に付着した場合、位置C3
は受光素子21に最も近づいた場所であるから、
信号e1は極めて大きな値となる。また、受光素子
11は、位置C3を見込む受光素子角が、位置C1
C2に対して大きく変化するから、信号e2は位置
C1,C2での比よりも小さな値となる。このため、
スライス電圧はかなり大きな差でVs1>Vs2を満
足し、位置C1のときのスライス電圧よりもそれ
ぞれ大きく定められる。
以上述べた位置C1〜C3に対する各スライス電
圧の変化の様子を第10図bに示す。第10図b
で、縦軸はスライス電圧の大きさを、横軸は走査
範囲Lの位置を取つてある。
前述のように、スライス電圧Vs1,Vs2の大き
さは位置C1において、共に等しくなり、位置C2
において、Vs2,Vs1、位置C3においてVs1>Vs2
となるように連続的に変化する。この変化は、か
らなずしも直線的になるとは限らず、スライル電
圧Vs1の変化のように、曲線的になることが多
い。この曲線的な変化を得るには、スライスレベ
ル発生器121に例えば対数特性を有する変換回
路や、折線近似回路等を用いればよい。
次に、第9図に示した回路の動作を説明する。
パターンのエツジ部から生じた散乱光に対し
て、この散乱光は指向性が強く、例えば受光素子
21の受光量よりも受光素子11の受光量の方が
大きくなつたとする。このため、出力信号e1とe2
はe2>e1になる。さらに、第2図で示したよう
に、受光素子23,13の受光量も、夫々、対を
なす受光素子21,11の受光量とほぼ等しくな
り、出力信号e3とe4は、e3≒e1、e4≒e2となる。
このため、e1<Ke3、e2<Ke4であり、比較器1
18,119は共に論理値「0」を出力する。従
つてエツジ部からの散乱光に対して、アンド回路
120は論理値「0」を発生する。
また、フオトマスクのパターン面に付着した異
物から散乱光が生じた場合、出力信号e1,e2は共
にスライス電圧Vs1,Vs2よりも大きくなり、ま
た出力信号e3,e4は、夫々出力信号e1,e2に対し
て1/3〜1/8倍の大きさになる。そして、出力信号
e3,e4はK倍になるが、Kが1.5〜2.5に定められ
ているため、e1>Ke3,e2>Ke4となる。このた
め、比較回路114,115,118,119は
共に論理値「1」を出力し、アンド回路120は
論理値「1」を出力する。
フオトマスクの裏面に付着した異物から散乱光
が生じた場合、第3図に示したように、受光素子
23,13の受光量は、受光素子21,11の受
光量よりも大きくなる。このためかならずe1
Ke3、e2<Ke4となり、比較器118,119の
各出力は共に論理値「0」となる。従つて、裏面
に付着した異物に対して、アンド回路120は論
理値「0」を出力する。
以上のように、第2の実施例によれば、パター
ンのエツジ部で生じる散乱光を選択的に強く受光
するように受光素子11,13の対と受光素子2
1,23の対との2つの対を設けてあるので、複
雑なパターンを有するフオトマスクに対してもそ
のパターンによる散乱の影響をさけて、付着した
異物のみを正確に検出することができる。
次に本発明の第3の実施例として、第2の実施
例における検出回路の構成を変えたものを第11
図により説明する。基本的な構成は第2の実施例
で説明した検出回路と同じである。しかし、この
実施例では、レーザ光入射側に配置した受光素子
21,11のうち、出力が小さい方の受光素子に
着目し、その受光素子と対をなすように、裏面側
に配置された受光素子との間で、出力の比がK倍
以上あるかどうかを判別するように構成されてい
る。
第11図において、第9図と同じ作用、動作す
るものについては同一の符号をつけてある。そこ
で、第9図と異なる構成について説明する。増幅
器110,111の各出力信号e1,e2は、コンパ
レータ130に入力し、出力信号e1,e2の大小を
検出する。このコンパレータ130は例えばe1
e2のとき、論理値「1」を出力し、e1<e2のとき
論理値「0」を出力する。コンパレータ130の
そのままの出力と、その出力をインバータ131
で反転したものとは夫々アンドゲート133,1
32の一方の入力に接続される。また、アンドゲ
ート132,133の他方の入力には、夫々比較
器118,119からの出力信号が接続される。
このアンドゲート132,133の各出力信号は
オアゲート134を介して、検査結果を発生する
アンド回路120へ入力する。
このような構成において、例えば受光素子21
の受光量が受光素子11の受光量よりも大きい場
合(パターンのエツジ部等の散乱による)出力信
号e1,e2はe1>e2となる。このためコンパレータ
130は論理値「1」を出力し、アンドゲート1
32は閉じられ、アンドゲート133は開かれ
る。従つてこの時比較器118,119が例えば
共に論理値「1」を出力していれば、比較器11
9の出力のみがアンドゲート134に印加され
る。このようにオアゲート134の出力は、受光
素子21,11のうち受光量の少ない方の受光素
子と、それと対になる受光素子(素子23,13
のいずれか一方)との光電信号との比によつて異
物か、エツジ部かを判別した結果を表わす。
以上のように、本実施例の如く出力信号e1とe2
の小さい方を選択することは、回路パターンの散
乱の影響の小さい受光方向を選択することを意味
し、細かい回路パターンから指向性の強い散乱光
が一方向の受光系のみに入り、信号処理系の飽
和、特に増幅器の出力信号の飽和を引き起して、
被検査物の表裏の受光系の強度比較が不能となる
のを防止するのみならず、フオトマスクの表裏を
見込む受光系の集光レンズの幾何学的配置に誤差
があつて、表裏の集光方向が完全に対称でない場
合、異物の誤検出を低減するという利点も生じ
る。
尚、以上の実施例において、比較器118,1
19は、第4図a,bのような光電信号に対し
て、e1−Ke3、e2−Ke4を求め、この結果が正か
負かによつて出力を決めている。しかしながら、
割算器等によつて、e1とKe3及びe2とKe4との比
を演算し、その結果が1以上が否かを判別するよ
うな回路を設けて上記実施例と同様の機能を果た
すことができる。
次に本発明の第4の実施例について第12図、
13図に基づいて説明する。この実施例は第2の
実施例にさらにもう1つの受光素子31を設け、
パターンからの散乱光の影響をさらに低減するも
のである。
第12図において、第7図の構成と異なる点
は、集光レンズ30と受光素子31が、レンズ2
0、レンズ10の光軸とは反対側の方向から、フ
オトマスク5のレーザ光入射側の面、すなわちパ
ターン面を見込むように配置されていることであ
る。
ここで、レンズ10,20,30の各光軸の関
係について述べる。尚、この3つのレンズ10,
20,30は同一の光学特性とし、3つの受光素
子11,21,31の特性も同一であるとする。
また、各光軸を各々l1、l2、l3とする。光軸l1、l2
l3は共にフオトマスク5のパターン面に対して、
小さな角度、例えば10〜30°前後に定められてい
る。また、レーザ光1の走査範囲Lの中央部から
各受光素子11,21,31までの距離は共に等
しく定められている。そして、図中、フオトマス
ク5を上方より見たとき、光軸l2は、走査範囲L
の長手方向(走査方向)と一致し、光軸l1、l3
走査範囲Lに対して小さな角度、例えば30°〜45°
前後に定められている。
このように、各光軸l1、l2、l3を定めることに
よつて、パターンのエツジ部で生じる散乱光は、
3つの受光素子11,21,31のうち、確実に
1つの受光素子ではほとんど受光されない。ま
た、一般的な傾向として、パターンのエツジ部か
らの散乱光が、受光素子11,21に共に強く受
光されているときは、受光素子31の受光量は極
めて小さくなる。また異物からは無指向に散乱光
が発生するので、各受光素子11,21,31の
受光量はほぼ同程度になる。この受光素子31の
出力は、第13図に示めす検出回路で処理され
る。基本的には第11図の検出回路と同じであ
る。受光素子31の出力は増幅器140を経て比
較器141に入力する。比較器141にはスライ
スレベル発生器121から走査信号SCに応答し
てレーザ光のスポツト位置に応じたスライス電圧
Vs3が入力する。この比較器140の出力信号e5
がスライス電圧Vs3を越えると、論理値「1」
を、その他の場合は論理値「0」を出力する。第
13図の他の回路要素は第3の実施例と同じてあ
る。この第4の実施例は、第3の実施例と比べる
と、1つの冗長な方向の受光系(受光素子31、
レンズ30)を持つために、回路パターンによる
散乱光を誤つて異物として検出してしまう確率が
極めて小さくなるという特徴がある。
尚、受光素子11,21と受光素子31とは互
いに反対の方向から走査範囲Lの中央部を見込ん
でいるから、スライス電圧Vs1,Vs2に対して、
スライス電圧Vs3の変化の傾向は逆になるように
する。すなわち、前述した第10図bにおけるス
ライス電圧Vs2の傾きを逆にしたものをスライス
電圧Vs3とする。
第14図は第5の実施例による検出回路を示す
ブロツク図である。第4の実施例と比較して、異
なる点は、3個のコンパレータ150,151,
152、アンド回路153、オア回路154、及
びスライス電圧Vs1,Vs2,Vs3として夫々2種の
電圧を発生するスライスレベル発生器160が付
加されたことである。各スライス電圧の2つの電
圧は互いに所定の差を保ち、走査信号SCに応じ
て変化する。プレアンプ110,111,140
の出力信号e1,e2,e5はそれぞれ、コンパレータ
150,151,152によりスライスレベル発
生器160から出力されるスライス電圧Vs1
Vs2,Vs3と比較される。この際、コンパレータ
150,151,152に入力するスライス電圧
は比較器114,115,141に入力するスラ
イド電圧よれも高く、回路パターンによる光の散
乱がどのように強く起る場合でも、出力信号e1
e2,e5の最小値よりも少なくとも1つのスライス
電圧が高くなるように設定されている。従つて、
コンパレータ150,151,152とアンド回
路153によつて、アンド回路153は、異物か
ら非常に強い散乱光が生じたときだけ、論理値
「1」を発生する。アンド回路153の出力はア
ンド回路120の出力と共にオア回路154に入
力する。このためオア回路154は検査結果とし
て異物の大小にかかわらず、異物を検出した場合
に論理値「1」を出力する。前記各実施例と比較
して次のような特徴がある。異物による散乱で、
大きな光電信号が信号処理系に入り、各増幅器の
出力が電源電圧に近くなつて、被検物の裏側にあ
る受光素子23,13用の増幅器112,113
の出力の大きさのK倍と、増幅器110,111
からの出力の大きさを比較する比較器118,1
19が正確に動作せず、異物からの散乱光である
のに、比較器118,119が両方共回路パター
ンからの散乱光を検出したかのように動作する場
合、他の実施例では異物を検出できないが、本実
施例では検出が可能である。それは以上のように
低いスライス電圧との比較を行なう比較器11
4,115,141の他に、高いスライス電圧と
の比較を行なうコンパレータ150,151,1
52を設け、強い散乱光を生ずる異物はこのコン
パレータにより検出するからである。
この実施例のように、低いスライス電圧を用い
て異物を検出することは、異物の検知能力を高め
ること、すなわち、より小さな異物を検知するこ
とに寄与し、一方高いスライス電圧を用いること
は、増幅器の飽和等による誤動作を防止すること
に寄与する。従つて、より小さな異物からの弱い
散乱光を検出できると共に、強い散乱光に対して
も正確に異物のみを検出できる利点がある。この
ことは、異物の検出レンジを拡大したことを意味
する。
以上、第5の実施例による検出回路は、受光素
子の個数を被検査物のレーザ光入射側に3個、反
対側に2個の列で説明したが、前述の各実施例の
ようにそれぞれの側に1個ずつ以上の受光素子が
あれば、第5の実施例の意図する機能を持たせる
ように構成できることは言うまでもない。
また第11,13,14図においては、コンパ
レータ130とアンドゲート132,133及び
オア回路134を用いているが、第9図のように
比較器118,119の各出力を直接アンド回路
120に印加するように接続してもよい。
次に本発明の第6の実施例を第15図に基づい
て説明する。この実施例は第5の実施例に加えて
さらにもう1つの受光素子41と集光レンズ40
を設けたものである。このレンズ40の光軸はフ
オトマスク5のパターン面に対してレンズ30の
光軸と面対称になるように定められている。もち
ろん、レンズ40の光軸は、走査範囲Lの中央部
をフオトマスク5の裏面から見込むように決めら
れる。この実施例において、レーザ光入射側から
の散乱光を受光する受光素子11,21,31の
各光電信号は、前述の実施例と同様に各々スライ
ス電圧と比較して、アンドを求めるように処理さ
れる。これにより、パターンのエツジ部からの散
乱光か、異物からの散乱光かを判別する。一方、
フオトマスク5の裏面からの散乱光を処理するた
めの受光素子13,23,41の光電信号は、前
述の実施例のように検出回路にて処理してもよい
が、より簡単な検出回路によつて処理できる。
それは、例えば受光素子13,23,41の光
電信号を、受光素子11,21,31の検出回路
と同様に構成した回路で処理することである。こ
のようにすると、レーザ光入射側の受光素子1
1,21,31が異物を検出し、裏面側の受光素
子13,23,41によつても、異物が検出され
た場合、その異物はフオトマスク5の透明部上に
付着したものと判別できる。この場合、異物を検
出したときの各受光素子の光電信号のピーク値
を、フオトマスク5の表側と裏側とで考慮するこ
とによつて、極めて正確に異物の大きさが求まる
という利点がある。
次に第7の実施例について説明する。第7の実
施例において、各受光素子の配置は第2の実施例
の説明に用いた第7図と同じであるものとする。
先に第1図を用いて説明したように、フオトマス
クのガラス板5aの透過部に付着した異物iから
の散乱光は受光部Aと受光部Bによつて検出され
るが、遮光部5bの上に付着した異物jからの散
乱光は受光部Aのみによつて検出され、受光部B
によつて検出されない。このことを、第7図の各
受光素子の光電信号として第16図により説明す
る。第16図a,b,c,dは夫々受光素子2
1,11,23,13からの光電信号の大きさを
それぞれ縦軸にとり、横軸に共通に時間をとつて
示したもので、横軸はレーザスポツト位置にも対
応している。ここで第1図に示すような異物jに
よつてレーザ光が散乱された場合、受光素子2
1,11は夫々第16図a,bの如く光電信号A
3,B3を発生する。一方、受光素子23,13
は第16図c,dの如く、夫々光電信号C3,D
3として略零を出力する。また第1図に示したよ
うな異物iによつてレーザ光が散乱された場合、
第16図のように、受光素子21,11,23,
13は夫々光電信号A4,B4,C4,D4を発
生する。即ち、第16図c,dに示すように受光
素子23,13の各光電信号C4,D4は零では
なく、いくらかの出力が得られる。尚、PA4,
PB4,PC4,PD4は光電信号A4,B4,C
4,D4の各ピーク値である。そこで、小さなス
ライス電圧Vs4,Vs5を各々ピーク値PC4,PD4
の中間に設定すれば、異物iの場合受光素子2
3,13の光電信号は共にスライス電圧Vs4
Vs5を越えるが、異物jの場合はスライス電圧
Vs4,Vs5を越えず、異物iとjとの区別ができ
る。そこで次に第7の実施例を具体的に述べる。
第17図は本実施例の信号処理のブロツク図で
ある。第17図において、受光素子21,11,
23,13、アンプ110,〜113、コンパレ
ータ114,115,118,119及び増幅器
116,117は第9図の、第2の実施例におけ
る回路と同じ機能を持つている。異なる点はコン
パレータ204,205が設けられており、その
出力がアンド回路202にパラレルに入力されて
いることである。コンパレータ204は増幅器1
12の出力e3をスライスレベル発生器203から
出力されるスライス電圧Vs4と比較し、e3>Vs4
らば論理値「1」を、そうでなければ論理値
「0」を出力し、一方コンパレータ205は増幅
器113の出力e4をスライス電圧Vs5と比較し、
e4>Vs5ならば論理値「1」を、そうでなければ
論理値「0」を出力する。ここでスライス電圧
Vs4、Vs5の大きさは、上記第16図で説明した
ように定めされると共に、スポツト位置に対応し
て大きさが変化する。その変化のし方は第1〜第
6の各実施例において説明した通りである。この
ような構成において、ガラス板上(光の透過部)
に付着した異物にレーザ光が当つた場合、コンパ
レータ204,205は論理値「1」を出力し、
他のコンパレータ114,115,118,11
9も論理値「1」を出力するので、アンド回路2
02の出力は論理値「1」となり異物を検出した
ことを示す。ところが、遮光部上に付着した異物
にレーザ光が入射する時にはコンパレータ20
4,205の出力は論理値「0」となり、アンド
回路202の出力は論理値「0」となる。従つて
異物が光透過部のみに付着している場合のみ、異
物の存在を検出でき、マスクパターンの焼付けに
影響を与えない遮光部に付着した異物は無視する
ことができる。
このように本実施例は異物の付着した場所が光
透過部か遮光部かを区別せずに検出する場合に比
べ、遮光部のみに異物が付着していてフオトマス
クの洗浄度がパターンの焼付けに耐え得るのにも
かかわず、汚染されているものとして再度洗浄を
行つたり、同一パターンを持つた別のフオトマス
クと交換したりする等の必要性が低減される。こ
のため、半導体装置の製造において、時間的、経
済的に有利な特徴がある。
この第7の実施例においてはコンパレータ20
4,205の出力を共にアンド回路202に入力
しているが、コンパレータ204又は205のど
ちらかの出力のみをアンド回路202に入力して
もよい。その場合、構成は簡単になる特徴がある
が、一方雑音が光電信号に入つた場合、誤動作し
易いという欠点もある。またコンパレータ204
と205の各出力のオアを求め、その結果をアン
ド回路202に入力することも考えられる。
以上述べたように、この第7の実施例は第2の
実施例に、光透過部にのみ付着した異物を検出す
るという新しい機能を付加したものとして説明し
てきたが、この機能は第1、第3〜6の各実施例
においても同様に付加できることは言うまでもな
い。
以上、説明した各実施例において、レーザ光入
射側で発生した散乱光を受光する受光素子と、裏
面で発明した散乱光を受光する受光素子とは被検
査物の面に対して対称に配置されている。
これは、被検査物としてフオトマスクを用いる
からであり、例えば透明基板上に遮光部によるパ
ターンを描いたものでも、エツジ部が存在しない
ような被検査物の検査を行なう場合など、基板の
表側と裏側とを見込む1対の受光素子は、かなら
ずしも面対称に配置する必要はない。また、レー
ザ光入遮側の面を見込む受光素子は複数個設け、
裏面を見込む受光素子は1個にしてもよい。
また、以上の各実施例では、被検査物の表裏に
対応して設けられた対の受光素子の出力の比を、
ある値Kと比較していたが、例えば表側に位置し
た受光素子11と21の出力の和と、裏側に位置
した受光素子13と23の出力の和とを、それぞ
れ求めておき、2つの和の比がKより大きいかど
うかの判断によつても、異物であるか回路パター
ンであるかの識別又は、レーザ光入射側に付着し
た異物かどうかの判別を行なうことができる。
また、異物の大きさと、散乱信号の大きさには
相関があるので、異物を検出した時の光電信号等
のピーク値により異物の大きさを知ることも可能
である。この場合のピーク値を求める対象の信号
としては、レーザ光照射側の受光素子のうちの複
数個のものの出力の和であつても良いし、決つた
1個の光電素子からの信号であつても良い。
また、異物を検出した時の、被検査物の移動位
置とレーザスポツト走査の位置を求めれば、被検
査物上での異物の存在位置を知ることも可能であ
る。
以上のように本発明によれば、比較的広い範囲
を光ビームのスポツトで高速走査する際、光電検
出系とスポツト走査位置との空間的な配置関係が
時々刻々変化するのに応答して基準信号(スライ
スレベル)を変化させるため、異物等の欠陥部を
その大きさに対応して正確に、かつ高速に検出す
ることができる。さらに、散乱光の強さと異物の
大きさとの相関から、異物の大きさを検知し、真
に害をもたらす大きさの異物のみを検出できる。
このため、必要以上に小さな異物まで検出するこ
とにより、露光に用いることのできるレテイク
ル、マスクを、汚染したものと判断して再洗浄す
るといる時間的な損失を防止することができる。
本発明はレテイクルマスクに付着した異物の検
出のみならず、透明物体にパターンが密着された
ような物体上の異物の検出にも利用できるので、
ゴミ等の異物の付着を嫌う精密パターンの製造時
の検査にも非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図はフオトマスクのパターンが描画された
面における異物によるレーザ光の散乱を示す図、
第2図は、ガラス板上に付着した異物による散乱
と遮光部のエツジ部による散乱とを示す図、第3
図はガラス板の透明部の表面と裏面とに付着した
異物による散乱の様子を示す図、第4図は第3図
示の受光部が受光する散乱光を示す図、第5図及
び第6図は、本発明の第7の実施例による欠陥検
査装置を示す図、第7図は第2の実施例による欠
陥検査装置を示す図、第8図は異物からの散乱光
による各受光素子の光電出力を示す図、第9図は
第2の実施例による検出回路を示す図、第10図
aは、フオトマスクの上面図、第10図bはスラ
イス電圧の変化を示す図、第11図は本発明の第
3の実施例による検出回路を示す図、第12図
は、本発明の第4の実施例による欠陥検査装置を
示す図、第13図は、本発明の第4の実施例の検
出回路を示す図、第14図は、本発明の第5の実
施例の検出回路を示す図、第15図は、本発明の
第6の実施例によに欠陥検査装置を示す図、第1
6図は、本発明の第7の実施例における受光素子
の光電信号を示す図、第17図は本発明の第7の
実施例による信号処理回路を示す図である。 〔主要部分の符号の説明〕、1……レーザビー
ム、2……スキヤナー、5……被検査物、11,
13,21,23,31,41……受光素子、1
0,12,20,22,30,40……集光レン
ズ、106,121,160,203……スライ
ス電圧発生器、103,114,115,14
1,150,151,152,204,205…
…比較器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光透過性の平面的な被検査物の一方の面から
    光ビームを照射し、該光ビームのスポツトを一次
    元走査する光ビーム走査手段と; 該スポツトによる一次元走査範囲を所定の空間
    位置から見込むとともに、該一次元走査範囲内の
    欠陥部で生じた散乱光を受光して該散乱光の強度
    に応じた光電信号を出力する光電検出手段と; 前記光ビームのスポツトの走査位置と前記光電
    検出手段の位置との幾何学的な配置の変化に対応
    して時系列的に大きさが変化する基準信号を発生
    するスライスレベル発生器と; 前記光電信号と前記基準信号との大小関係を比
    較し、該光電信号が基準信号よりも大きいときに
    前記欠陥部の存在を表わす検知信号を出力する比
    較回路とを備えたことを特徴とする欠陥検査装
    置。 2 前記光電検出手段は、前記一次元走査範囲の
    ほぼ全体を見込む集光光学系と、該集光光学系の
    受光立体角内で集光された前記散乱光を受光する
    受光素子とを含み、 該集光光学系の光軸を前記被検査物の面の法線
    から傾けたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の装置。 3 前記光電検出手段は、前記一次元走査範囲の
    ほぼ全体を、複数の異なる空間位置から見込む複
    数の集光光学系と、該複数の集光光学系の夫々で
    集光された散乱光を受光する複数の受光素子とを
    含み、 前記比較回路は、該複数の受光素子の夫々から
    の光電信号を入力する複数の比較回路を有し、前
    記スライスレベル発生器は時系列的な大きさ変化
    が互いに異なる複数の基準信号の夫々を、前記複
    数の比較回路に対応して入力することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の装置。
JP63039614A 1988-02-24 1988-02-24 欠陥検査装置 Granted JPS63241342A (ja)

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