JPH10282007A - 異物等の欠陥検査方法およびその装置 - Google Patents

異物等の欠陥検査方法およびその装置

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JPH10282007A
JPH10282007A JP8628097A JP8628097A JPH10282007A JP H10282007 A JPH10282007 A JP H10282007A JP 8628097 A JP8628097 A JP 8628097A JP 8628097 A JP8628097 A JP 8628097A JP H10282007 A JPH10282007 A JP H10282007A
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reticle
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JP8628097A
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Hiroaki Shishido
弘明 宍戸
Shunichi Matsumoto
俊一 松本
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホトマスク等の回路パターン付基板、特に転写
解像度の向上等を目的とした位相シフト膜を有するレチ
クル上にレチクル上に付着したサブミクロンオーダーの
微細な異物等の欠陥等の欠陥を安定して検出する装置を
提供することにある。 【解決手段】試料表面側および試料裏面側から斜方照明
を行い、試料表面側光学系で、発生する散乱光を集光、
照明方向別に波長分離して、フーリエ変換面上に設けた
空間フィルタにより回路パターンからの回折光の一部を
遮光、検出器上に結像させる検出光学系(4)と、検出
器の検出値をそれぞれ3種類のしきい値で2値化する処
理回路と、2値化結果の一部を論理反転する処理回路
と、論理積処理する回路と、論理和処理する回路等から
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レチクルやホトマ
スク等(以下レチクル等という)の回路パターン上に付
着した異物等の欠陥を検査する欠陥検査方法及びその装
置に係り、特にディープサブミクロンオーダーの微細な
異物等の欠陥を、光学的な処理を中心とした構成で、レ
チクル等の製造工程及びレチクル等の回路パターンをウ
ェハ上に転写する前に行なわれる前記レチクル等の異物
等の欠陥を検査する検査方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI或いはプリント基板などを製造す
るのに使用されるレチクル等の露光工程において、レチ
クル等の回路パターンはウェハ上に焼付転写する前に検
査されるが、該回路パターン上にたとえばミクロンオー
ダーの微小異物が存在している場合においても、該異物
により前記回路パターンがウェハに正常に転写しないこ
とから、LSIチップ全数が不良になる問題がある。こ
の問題点は、最近のLSIの高集積化に伴い一層顕在化
し、より微小のサブミクロンオーダーあるいはそれ以下
のディープサブミクロンオーダー異物の存在も許容され
なくなってきている。
【0003】上記転写不良防止のため、露光工程前の異
物検査は不可欠であり、レチクル等の管理上、従来から
種々の異物検査技術が提供されているが、レチクル等の
回路パターンの検査は、レーザ光等の指向性の良い光源
で斜めから照射し、異物から発生する散乱光を検出する
方法が検査速度および感度の点から有利で一般的に使用
されている。ところが上記検査方法においては、レチク
ル等の回路パターンのエッジ部からも回折光が発生する
ため、この回折光から異物のみを弁別して検出するため
の工夫が必要であり、そのための技術が公開されてい
る。
【0004】その1は、直線偏光レーザと、特定の入射
角度で該レーザ光を斜めから照射する手段と、偏光板お
よびレンズを用いた斜方集光光学系を特徴とする異物検
査装置(例えば、特開昭54-101390)で、直線
偏光を照射した際、回路パターンからの回折光と異物か
らの散乱光では、光の偏光方向が異なることを利用し、
異物だけを輝かせて検出するものである。
【0005】その2として、レーザ光を斜方から被検査
試料に照射に走査する手段と、該レーザ光の照射点と集
光点面がほぼ一致するように被検査試料の上方に設けら
れ、該レーザ光の散乱光を集光する第1のレンズと、該
第1のレンズのフーリエ変換面に設けられ被検査試料の
回路パターンからの規則的回折光を遮光する遮光板と、
遮光板を通して得られる異物からの散乱光を逆フーリエ
変換する第2のレンズと、該第2のレンズの結像点に設
けられ被検査試料上のレーザ光照射点以外からの散乱光
を遮光するスリット、該スリットを通過した異物からの
散乱光を受光する受光器とから構成された異物検査装置
が開示されている(例えば、特開昭59−65428号
公報および特開平1−117024号公報および特開平
1−153943号公報)。この装置は、回路パターン
が一般的に視界内で同一方向か或いは2〜3の方向の組
合せで構成されていることに着目し、この方向の回路パ
ターンによる回折光をフーリエ変換面に設置した空間フ
ィルタで除去することにより、異物からの散乱光だけを
強調して検出しようとするものである。
【0006】その3は、回路パターンエッジ部で生じた
回折光には指向性があるが、異物による散乱光には指向
性がないことに着目し、試料の表面側および裏面側の斜
方に設置した検出器のそれぞれの検出出力を比較するこ
とで異物の付着面や形状等を判別する構成のものである
(例えば、特開昭58−62543号公報、特開昭63
−33648号公報)。
【0007】その4は、回路パターンエッジからの回折
光は或る特定の方向にのみ集中して行くのに対して、異
物からはすべての方向に散乱していくという現象を利用
し、複数の検出器を試料表面側の斜方に配置して異物を
弁別するものである。(例えば、特開昭60−1546
34号公報および特開昭60−154635号公報)ま
た、その5は、目的、構成、効果が異なるが、被検査試
料の表面、裏面からの照明を行う検査方式に関する発明
が特開昭47−41784号公報および特開昭63−3
3649号公報などに記載されている。また、その6
は、表面、裏面からの照明により発生する散乱光の、検
出信号の論理積結果により、異物の検出を判定する検査
方式に関する発明が、特開平7−72093号公報に記
載されている。また、その7は、多種の波長の照明によ
る検査方式に関する発明が特開昭52−88085号公
報および特開平2−61540号公報に記載されてい
る。なお、微小異物検査に関連する方法および装置とし
て、シュリーレン法、位相差顕微鏡、有限の大きさの光
源の回折像等に関する技術が、例えば、久保田 広著、
応用光学(岩波全書)第129頁〜第145頁に記載さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、集積
度の増大にともなって、検出すべき異物等の欠陥が小さ
くなるに従い、LSIの製造に影響をおよぼす異物等の
欠陥の見逃しの増加が問題となり、それに対処すること
が課題となってきた。前記従来技術その1(例えば、特
開昭54−101390)においては、微小異物等の欠
陥からの散乱光の偏光方向と、回路パターンエッジから
の回折光の偏光方向との差異が小さくなることから微小
な異物等の欠陥の弁別検出に対しては新たな考案が求め
られていた。つぎに前記従来技術その2(例えば、特開
昭59−65428号公報および特開平1−11702
4号公報および特開平1−153943号公報)は、異
物等の欠陥からの散乱光を遮光板によって回路パターン
からの回折光と分離し、かつスリットにより異物等の欠
陥からの散乱光のみを検出するもので、異物等の欠陥を
簡単な2値化法により検出するため検出機構が簡単にな
る特徴を有するが、前記回路パターンの交差部分からの
回折光には、直線部分からの回折光のように特定位置に
偏る傾向は小さく、前記空間フィルタにより回路パター
ンの交差部分からの回折光を完全に遮光することはでき
ず、また、近年のLSI高集積化に伴うミクロンオーダ
ーの微細構造パターンを有する回路パターンから発生す
る回折光は、異物等の欠陥からの散乱光と挙動が類似し
てきているため一層前記傾向が強く、簡単な2値化法に
より微小な異物等の欠陥を回路パターンから分離して検
出することが事実上困難であり、新たな考案が求められ
ていた。
【0009】また、前記従来技術その3(例えば、特開
昭58−62543号公報、特開昭63−33648号
公報)および前記従来技術その4(例えば、特開昭60
−154634号公報および特開昭60−154635
号公報)における各装置においては、その装置構成上、
微小な異物等の欠陥に対しては、十分な集光能力を持つ
光学系の採用が困難であり、微小な異物等の欠陥から発
生する微弱な散乱光を検出するのは実際上困難なため、
新たな考案が求められていた。
【0010】また、前記従来技術その6(特開平7−7
2093号公報)では、方式の原理的な制約により、平
面内で一方向からの照明を行わなければならず、安定な
検出が困難であったため、平面内で複数の方向からの照
明が可能な検査方式が求められている。
【0011】最近になり、クロム等の金属薄膜で形成さ
れたレチクル上の回路パターンの転写解像度の向上を目
的として、レチクル上の回路パターン間に位相シフト
膜、あるいは位相シフタと呼ばれる透明または半透明薄
膜(概ね露光光源の波長の1/2の奇数倍の膜厚を有す
る)を設けたレチクルが開発された。この膜は、透明ま
たは半透明だが、回路パターン(厚さ0.1μm程度)
の数倍の厚さの構造を有しているため、膜のエッジ部分
からの回折光は、従来の回路パターン、エッジ部からの
回折光と比べ、数倍から数十倍のもの大きな光量とな
り、相対的に異物等の欠陥からの微小な散乱光を検出す
ることを困難にし、異物等の欠陥の検出感度を著しく低
下させるという問題がある。
【0012】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、回路パターンを有する透明、または半透明の基
板、さらに転写解像度の向上を図った位相シフト膜を有
するレチクルを含む回路パターン上に付着したサブミク
ロンオーダーの微細な異物等の欠陥等の欠陥を、簡単な
構成で容易に回路パターンから分離し、安定して検出す
ることができる異物等の欠陥検出方法およびそれを実行
する装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、遮光膜、光半透過膜、あるいは光透過
膜で形成されたパターンを有する透明または半透明基板
試料の表面に付着した異物等の欠陥を検出する異物等の
欠陥検査方法を、試料をパターン面の側から第1の照明
系で照明して試料から発生する散乱光および回析光を集
光して第1の検出器上に結像し第1の信号を得、試料を
前記パターン面と反対側の面から第2の照明系で照明し
て試料から発生する散乱光および回析光を集光して第2
の検出器上に結像し第2の信号を得、第1の信号と第2
の信号とをそれぞれ複数の閾値で2値化してそれぞれ複
数の2値化信号を得、この得たそれぞれの複数の2値化
信号に基づいて透明または半透明基板試料の表面に付着
した異物等の欠陥を検査する方法とした。
【0014】また、本発明では、遮光膜、光半透過膜、
あるいは光透過膜で形成されたパターンを有する透明ま
たは半透明基板試料の製造時、あるいは該試料の保管
時、運搬時、使用時に用いられる該試料上に付着した異
物等の欠陥を検出する異物等の欠陥検出検査装置を、試
料を載置するステージおよびその駆動制御系からなる検
査ステージ手段と、基板のパターン面に反射照明を行う
第1の照明手段と、透過照明を行う第2の照明手段と、
第1の照明手段及び第2の照明手段による照明により基
板から発生する散乱光および回析光を集光して第1の照
明手段と第2の照明手段との照明毎に光線分離し、この
照明毎に光線分離した散乱光および回析光のうち回折光
の一部を遮光して各々第1及び第2の検出器上に結像す
る検出光学系手段と、この検出光学系手段で検出して第
1及び第2の検出器から出力される信号を処理して異物
等の欠陥データとして演算表示する信号処理手段とを備
えて構成した。
【0015】即ち、より具体的には、ホトマスクやレチ
クル等の回路パターンを有する基板上に付着した異物等
の欠陥等の欠陥を検出する欠陥検査装置において、前記
基板を載置してX,Y,Zの各方向へ任意に移動可能なス
テージ部と、前記回路パターン面を前記回路パターン面
の表面側斜方から対向し(反射照明)、かつぺリクル保
持枠とのけられを避けた側の照明系が点灯する第1およ
び第2の独立した光源を有する照明系と、前記回路パタ
ーン面を前記回路パターン面の裏面側斜方から、基板を
透過して(透過照明)、対向し、かつ前記第1および第2
の照明系のうち点灯している照明系に対抗する側の照明
系が点灯する第3および第4の独立した光源を有する照
明系と、前記回路パターン面の表面側に位置し、該各照明
系の照射による直接反射光および直接透過光は集光せ
ず、前記回路パターン上の同一位置に発生する散乱光お
よび回折光を集光する集光光学系と、集光された光線を、
照明光源の波長に対応して波長分離し、分離後の各フー
リエ変換面上に設けた空間フィルタにより回路パターン
の直線部分からの回折光を遮光する光学系と、前記第1
および第2の照明系により照明された検査領域が結像さ
れる第1の検出器と、前記第3および第4の照明系によ
り証明された検査領域が結像される第2の検出器と、前
記第1の検出器の出力を第1のしきい値を設定した第1
の2値化回路による第1の2値化結果と、前記第1の検
出器の出力を第2のしきい値を設定した第2の2値化回
路による第2の2値化結果と、前記第1の検出器の出力
を第3のしきい値を設定した第3の2値化回路による第
3の2値化結果と、前記第2の検出器の出力を第4のし
きい値を設定した第4の2値化回路による第4の2値化
結果と、前記第2の検出器の出力を第5のしきい値を設
定した第5の2値化回路による第5の2値化結果と、前
記第2の検出器の出力を第6のしきい値を設定した第6
の2値化回路による第6の2値化結果を用意し、第3の
2値化結果を反転した第1の反転結果と第5の2値化結
果による第2の論理積結果と、第6の2値化結果を反転
した第2の反転結果と第2の2値化結果による第1の論
理積結果を求め、第4の2値化結果と第2の論理積結果
と第1の論理積結果と第1の2値化結果のよる論理和結
果により前記回路パターン上の異物等の欠陥データを演
算表示する信号処理系とを備える構成にしたものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】光学的な処理による異物等の欠陥
検出技術は、高速で小形の規模の検査装置が構成できる
点で、大きなメリットがある。その一方で、異物等の欠陥
からの検出信号が、回路パターンの正常部分からの信号
より小さい場合は、検出が不可能になるデメリットも合
わせ持つ。これまで述べたように、位相シフトレチクルを
はじめとする。例えば64MDRAM以降の製造に用い
られるレチクル等のホトマスクの回路パターンからの検
出信号は大きく、これより検出信号が大きな異物等の欠
陥、従ってその寸法が大きな異物等の欠陥だけを検出し
ていたのでは、感度が不足してしまう。
【0017】本発明では、異物等の欠陥から発生し、そ
して表面側に設置された検出光学系により集光される散
乱光の光量が、表面、裏面からの斜方照明により大きく
異なるという発明者によって発見された実験的事実によ
って上記問題点を解決している。
【0018】図25、図26はその説明のための断面図
である。両図中で、6901はレチクル等のホトマスク
のガラス基板、6904は回路パターン面を表面側から
照明する波長λ1の斜方照明光、6905は回路パター
ン面を裏面側から証明する波長λ2の斜方照明光、69
02は回路パターンのエッジ部分、6942は表面側の
斜方照明6904によって回路パターンのエッジ部分6
902から発生する散乱光、6952は裏面側からの斜
方照明6905のよって回路パターンのエッジ部分69
02から発生する散乱光、6903は、レチクル等のホ
トマスクの遮光部分上に付着した0.3μm程度の大き
さの異物のモデルである標準粒子、7003はレチクル
などのホトマスク光透過部分上に付着した0.3μm程
度の大きさの異物のモデルである標準粒子、6943は
表面側の斜方照明6904によって標準粒子6903か
ら発生する散乱光、6953は裏面側からの斜方照明6
905のよって標準粒子6903から発生する散乱光、
7043は表面側の斜方照明6904のよって標準粒子
7003から発生する散乱光、7053は裏面側からの
斜方照明905によって標準粒子7003から発生する
散乱光を示している。
【0019】説明は、異物等の欠陥が、レチクル等のホ
トマスクの遮光部分に付着した場合と、光透過部分に付
着している場合と分けて説明を行う。図25では、異物
等の欠陥は、レチクル等のホトマスクの遮光部分上に付
着している。
【0020】ここで、異物等の欠陥が十分大きく、表面
側からの照明により発生する散乱光が、回路パターンの
エッジ部から発生する散乱光6942よりも十分に大き
い場合6944は、同図(c)に示した検出出力のグラ
フに示すごとく、しきい値ThHによる2値化で、異物
等の欠陥だけを回路パターンと区別することが出来る。
微小な異物等の欠陥6903の場合、散乱光の検出出力
は、6942より小さく、しきい値ThHをこさない。
そこで、裏面照明により発生する散乱光に着目する。遮
光部分上の異物等の欠陥6903には、裏面側からの照
明6905は届かない。このため、裏面照明により十分
大きい異物等の欠陥から発生する散乱光6954、微小
な異物等の欠陥から発生する散乱光6953は、(付着
位置により回折の影響を受ける場合もあるが)実質的に
ゼロとなる。そこで裏面側からの照明による散乱光の検
出の状況は、図中(b)のようになる。即ち、回路パタ
ーンのエッジ部分からの散乱光だけが検出される。そこ
で、この検出結果に、しきい値ThRを掛け、回路パタ
ーンのエッジからの散乱光があった場合に、2値化回路
の出力として論理レベル“1”を得ることにする。次
に、これを反転し、即ち、回路パターンのエッジからの
散乱光があった場合に、2値化回路の出力を反転した結
果として、論理レベル“0”を得ることにする。これ
と、図中(c)のしきい値ThLによる2値化結果の論
理積を取る。この場合、ThLによる2値化結果の中に
は、回路パターンのエッジ部分からの散乱光と、異物等
の欠陥からの散乱光の両方の場合に、論理レベル“1”
が出力されるのに対し、論理積結果では、回路パターン
のエッジが存在した場合には、論理レベル“0”が得ら
れることになり、即ち、遮光部分上に付着した異物等の
欠陥だけを、回路パターンと区別して検出できたことに
なる。
【0021】次に、図26により光透過部分上に付着し
た異物等の欠陥の検出の場合について述べる。ここで、
異物等の欠陥が十分大きく、裏面側からの照明6905
により、発生する散乱光が回路パターンのエッジ部分か
ら発生する散乱光6952よりも十分に大きい場合70
54は、同図(b)に示した検出出力のグラフに示すご
とく、しきい値ThHによる2値化で、異物等の欠陥だ
けを回路パターンと区別することが出来る。微小な異物
等の欠陥7003の場合、散乱光の検出出力7053
は、6952より小さく、しきい値ThHをこさない。
そこで、表面照明のより発生する散乱光に着目する。光
透過部分上に付着した異物等の欠陥に対しては、遮光部
分の場合と異なり、表裏両方の照明が届く。このため、
ここで起こる現象を理解するためには、新たな知見が必
要となる。それを以下に説明する。図4(a)は、裏面
側からの照明により発生した散乱光の分布と、その一部
分が、表明側に設けられた検出光学系に集光されている
様子を、微小な異物等の欠陥と回路パターンエッジの場
合について表したものである。光の散乱理論によれば、
散乱光は、照明と同じ方向に分布する前方散乱光成分が
大きく、それと反対側に分布する後方散乱光成分が小さ
いことがわかっている。そして、その分布の差は、散乱
光を発生させている物体の寸法が大きくなるほど顕著に
なる。従って、裏面からの照明による散乱光を検出した
場合、微小な異物等の欠陥からの散乱光は、大きな成分
である前方散乱光成分が検出される。しかし、平面的に
微小な異物等の欠陥よりも大きな構造を有する回路パタ
ーンの場合には、分布の差が大きすぎ、検出光学系で集
光できる成分の比率は小さい。(ただし、回路パターン
からの散乱光は、その絶対量が大きいので、僅かな成分
でも、微小な異物等の欠陥からの散乱光と比較すれば大
きな値となる) 次に、同図(b)に示される表面側からの散乱光を検出
した場合について考えてみる。回路パターンからの散乱
光では、後方散乱光を検出するが、前方散乱光を検出し
た場合と比べて、図から明らかなように、さほど検出さ
れる光量は減少しない。しかし、微小な異物等の欠陥か
らの散乱光では、前方散乱光の場合に、有効に集光光学
系に入射したのに対し、僅かな後方散乱光しか集光でき
ず、検出される散乱光量は、大幅に減少する。
【0022】ここで図26に戻ると、光透過部分上の異
物等の欠陥7003からは、表面側からの照明6904
が届いても、検出される散乱光量は非常に少ない。そこ
で表面側からの照明による散乱光の検出の状況は、図中
(c)のようになる。即ち、回路パターンのエッジ部分
からの散乱光が大きく、微小な異物等の欠陥からの散乱
光は、非常に小さく検出される。
【0023】そこで、この検出結果に、しきい値ThR
をかけ、回路パターンのエッジからの散乱光があった場
合に、2値化回路の出力そして論理レベル“1”を得る
ことにする。次に、これを反転し、即ち、回路パターン
のエッジからの散乱光があった場合に、2値化回路の出
力を反転した結果として、論理レベル“0”を得ること
にする。これと、図中(b)のしきい値ThLによる2
値化結果の論理積を取る。この場合、ThLによる2値
化結果の中には、回路パターンのエッジ部分からの散乱
光と、異物等の欠陥からの散乱光の両方向の場合に論理
レベル“1”が出力されのに対し、論理積結果では、回
路パターンのエッジが存在した場合には、論理レベル
“0”が得られることになり、即ち、光透過部分上に付
着した異物等の欠陥だけを、回路パターンと区別して検
出できたことになる。
【0024】以上のように、表面側からと裏面側からの
照明を併用し、その検出結果を処理することにより、異
物等の欠陥の検出感度を向上することが出来る。
【0025】また、この動作は、2つの斜方照明690
4、6905の光源の波長を異なるものとしておけば、
その散乱光を色分離フィルタ等により簡単に分離するこ
とが出来るため、2つの斜方照明6904、6905に
よる検出と同時に行え、検出判定も実時間で行うことが
できる特長を有する。
【0026】以下本発明の一実施例の構成を図1を参照
して説明する。図において、1は検査ステージ部で、検
査ステージ部1は、ぺリクル7を有するリチクルを6を
固定手段18により上面に固定してZ方向に移動可能な
Zステージ10と、Zステージ10を介してレチクル6
をX方向へ移動させるXステージ11と、同じくレチク
ルをY方向へ移動させるYステージ12と、Zステージ
10、Xステージ11、Yステージ12の各ステージを
駆動するステージ駆動するステージ駆動系13と、レチ
クル6のZ方向位置を検出する焦点位置検出用の制御系
14とから構成させており、各ステージは、レチクル6
の検査中常に必要精度で焦点合せ可能に制御される。
【0027】Xステージ11およびYステージ12は図
2に示すごとく走査され、その走査速度は任意に設定さ
れることができるが、例えば、Xステージ11を、約
0.2秒の等加速時間と、4.0秒の等速運動と、0.
2秒の等減速時間とに設定し、約0.2秒の停止時間を
1/2周期で最高速度約25mm/秒、振幅105mmの周
期運動をするように形成し、Yステージ12を、Xステー
ジ11の等加速時間および等減速時間に同期してレチク
ル6を0.5mmずつステップ状にY方向に移送するよ
うに構成すれば、1回の検査時間中に200回移送する
ことにすると、約960秒で100mm移送することが
可能となり、100mm四方の領域を約960秒で走査
することができる。
【0028】また、焦点位置検出用の制御系13は、エ
アーマイクロメータを用いるものでも、或いはレーザ干
渉法で位置を検出するものでも、さらには縞パターンを
投影し、そのコントラストを検出する構成のものでもよ
い。なお、座標X,Y,Zは、図に示す方向である。
【0029】2は第1の表面照明系、20は第2の表面
照明系である。また3は第1の裏面照明系、30は第2
の裏面照明系である。これらは独立しており、かつ同一
の構成要素からなっている。21、201は表面照明系
のレーザ光源で、両者の波長は、例えば780nm、ま
たレーザ光源31、301は裏面照明系のレーザ光源
で、両者の波長は、例えば488nmである。22、2
02、32、302は集光レンズでレーザ光源21、2
01、31、301より射出された光束をそれぞれ集光
してレチクル6の回路パターン面を証明する。この場
合、回路パターンに対する入射角iは、後述する検出光
学系4の対物レンズ41を避けるため約30°より大き
くし、また、被検体がペリクル7を装着したレチクル6
の場合は、ぺリクル7を避けるためにほぼ80°より小
さくしなければならないことから、おおよそ30°<i
<80°にされる。それぞれの光学系は、シャッタ2
3、203、33、303を備え、各照明系の光ビーム
を透過/遮光する。また、それぞれのシャッタは、必要
に応じて独立して動作できる。
【0030】表面照明系2、20の光源21、201
は、紙面垂直方向に電界ベクトルを持つ直線偏光(この
状態をS偏光と呼ぶ)を有する様に配置する。S偏光に
するのは、例えば、入射角iが約60°の場合、ガラス
基板上における反射率が、P偏光(Y‘方向に電界ベク
トルを持つ直線偏光)の場合より約5倍程度高い(例え
ば、久保田 広著、応用光学(岩波全書)第144頁)
からで、より小さい異物まで検出する事が可能になるか
らである。
【0031】また、裏面照明系3又は30の光源31、
301もS偏光を有するように配置する。その理由とし
ては、本発明者に実験結果によれば、P偏光照明よりも
S偏光照明の場合、異物と回路パターンの弁別比を大き
くできるためである。ただし、基板の透過率等を考慮し
た場合には、前述のごとくP偏光の方が反射率が低く
(従って透過率が高い)、裏面照明P偏光で行う方がS
/Nを高くでき、結果として検出性能が安定する場合も
ある。
【0032】本発明では、異物をパターンと区別して検
出するため、検出光学系のフーリエ変換面に設置した空
間フィルタを用いてもよい。この空間フィルタの動作原
理等については、特開平7−72093号公報に詳し
い。
【0033】シャッタ23、203は、光源21からの
光を必要に応じて遮光するためにある。シャッタによる
光の制御は、以下の場合に必要となる。図8は、図1中
のレチクル6、ぺリクル7、照明系2による斜方照明光
3802、照明系20による斜方照明光3820、照明
系3による斜方照明光3803、照明系30による斜方
照明光3830と検査視野(=照明位置)15との関係
を示している。図8(B)の状態から、検査の進行と共
に、ステージがY軸正方向へ送られて行くと、やがて図
8(A)の状態となり、照明係20からの斜方照明光3
820は、レチクル6に設けられたぺリクル7の保持枠
3807によってけられるようになる。また、図8
(B)の状態より、ステージがY軸負方向へ送られて入
る場合には、図8(C)の状態となる。これ等の状態で
は、検査視野15を証明する光量はけられによって減少
し、しかもその減少量は、けられ量の変化によって刻々
と変化し、安定な照明が行われなくなる。しかも、けら
れた光の一部は、迷光となり、検出に悪影響を及ぼす。
このため、けられが起こる以前に、シャッタ203(或
いはシャッタ23)によって、けられる側の照明系を遮
光する必要がある。従って、照明系2または照明系20
によって証明される領域は、斜方照明の角度と、ぺリク
ル保持枠との関係で定まる。図7に照明領域の例を示
す。図7の例は、ぺリクル保持枠が大きい102mm×
102mm、高さ6.3mm、照明光の光軸とレチクル
回路パターン面とのなす角度が30度の場合であり、領
域3704では図8(B)の照明が、領域3724では
図8(C)の照明が、領域3704では図8(A)の照
明が行われる。また、すべての照明が行えて最も検出が
安定している領域3704が64MDRAMチップの概
略のエリア3701をすべてカバーしていることが分か
る。
【0034】以上は、表面側の照明系2、20に関する
ことであったが、裏面側の照明系に関しても、レチクル
裏面にぺリクルが取り付けられているタイプのレチクル
については同様のことがいえる。
【0035】図1では、小型の小出力レーザ2台を以て
裏面照明系3、および裏面照明系30を構成していた。
しかし、より大型で高出力のレーザ1台から射出される
レーザ光を2つに分岐する構成も可能である。図14に
その例を示す。図14では、図1の裏面側の照明系に相
当する部分を示している。高出力のレーザ1台から出る
レーザ光を分岐するため、光路が長くなり、光源540
1から射出されただけの光では、光路中のじょう乱の影
響を受け易くなるため、また、光が広がり易くなるた
め、一旦、ビームエクスパンダ5402によりビーム径
を大きくする。その後に分岐手段5403にて2つの光
路に分ける。一方の光路は、図1の照明系3に相当し、
シャッタ機構33により制御され、光路ミラー540
6、5407、5408等により導かれ、集光レンズ3
2により試料上へ集光される。また、一方の光路は、図
1の照明系30に相当し、シャッタ機構303により制
御され、光路ミラー5404、5405等により導か
れ、集光レンズ302により試料上へ集光される。これ
等は、1台のレーザ光源から2方向の証明を行うための
一例を示したに過ぎないので、同じ目的を達成できるの
であれば、他の構成でも構わない。直線偏光による光源
を用いる場合には、光路中のミラーは、照明光の偏光面
に悪影響を与えないように、十分配慮する必要がある。
また、分岐手段5403は、透過率によって光量を2分
するものや、偏光面によって分離するものや、或いは、
アルゴンレーザの様に複数の波長を発信できるレーザ光
源の場合には、波長によって分離するものでも構わな
い。二つの光路の光量は、等しく分配されるのが望まし
く、もし、等しく分配されるのが困難な場合には、図1
5に示すごとく、分岐後の光路に、可変調節式のNDフ
ィルタ5409、5410を用い、光量を等しくすれば
良い。また、偏光で分離した場合には、照明系3と照明
系30とで、試料上に照明された照明光の偏光面が異な
ってしまうのを防ぐため、図15に示すごとく、偏光分
離後の光路に、1/2波長板5414、5412を設置
して偏光面を揃えることも出来、更に偏光素子541
5、5413によって偏光の純度を高めることもでき
る。
【0036】また、1台のレーザ光源の光路を分岐し
て、再びそれぞれ試料上の同一視野を同時に照明する場
合には、試料上で干渉が起きてしまい、干渉縞の発生に
より照明に極端な不均一を生じる。この場合、分岐され
た2つの光路を、レーザ発振器の可干渉距離(例えば、
数mmから数m)以上に光路差を設ければ良い。また、
前記波長分岐手段に波長分離を用いた構成では、干渉が
起こらないため、2光路の干渉の影響は考慮する必要が
ないメリットを有する。また、アルゴンレーザの発信波
長のうち488nmと515nmを用いるならば、互い
の波長の差が小さいので、検出感度が大きく異なること
はないだけではなく、微妙な波長の差が、異物等の欠陥
の形状から生ずるために、解析が困難な干渉の効果によ
って引き起こされる検出感度のむらをキャンセルできる
特徴を有する。
【0037】また、裏面から照明を行う場合、レチクル
基板のガラスの厚さの変化は、照明光の光路差に影響を
及ぼし、図16に示すごとく、同じ照明を行なっている
つもりでも、図16(1)の厚さが概略0(以下、厚さ
0と表現)のレチクル5601で照明が視野15を照ら
すように構成されている場合、同図(2)の厚さ小のレ
チクル5602では照明は光路5612のごとく進み、
視野15を証明するはずの光路5622は通らず、結果
として照明位置がE2だけずれることになる。同様に、
同図(3)の厚さ中のレチクル5603では照明は光路
5613のごとく進み、視野15を証明するはずの光路
5623は通らず、結果として照明位置がE3だけずれ
ることになる。また、同図(4)の厚さ大のレチクル5
604では照明は光路5614のごとく進み、視野15
を照明するはずの光路5624は通らず、結果として照
明位置がE4だけずれることになる。現在でも使用され
ているレチクル等のホトマスクは各種厚さの基板(例え
ば、2.3mm,4.6mm,6.3mmなど)からな
るため、対策が必要となる。
【0038】前記誤差E2からE4まですべてを含むよ
うな広い範囲を証明すればレチクル等の基板の厚さの差
に対応できるが、視野の照度が低下し、S/Nが低下す
る問題が生じる。そこで、照明位置を選択できるように
するのも一つの対策である。図17にその一例の原理を
示す。図17では、厚さ0のレチクル5601で証明す
る視野15の位置が証明されるように、レチクルの厚さ
に合わせ、同図(2)の厚さ小のレチクル5602のた
めの照明光路5712、同図(3)の厚さ中のレチクル
5603のための照明光路5713、同図(4)の厚さ
大のレチクル5604のための照明光路5714と光路
位置を変えている様子を示す。図18にはこの原理を実
現するための、構成の一例を示す。図18には図15の
光路中に光路移動手段5811、5801と光路移動手
段の駆動機構5802、5812を設け、光路位置を可
変にした構成を示した。また、図19では、裏面照明系
の最後の照明角度設定ミラー5408、5405の角度
を照明角度可変手段5901、5911と照明角度可変
手段の駆動機構5902、5912によって照明角度を
可変し、照明光路を変化させる構成を示した。
【0039】上記レチクル厚さの差による光路への影響
は、レチクル基板と照明光路の屈折率の差によって生じ
る。(屈折率差をなくせれば、影響もなくせる。)ま
た、屈折率差があると言うことは、照明系の集光部分
に、光路差を生じることを意味する。つまり、照明を集
光する場合、レチクルの厚さの差は集光にも影響を与
え、十分な集点深度を持たない集光系の場合には、焦点
を調節して集光位置も調節する必要があり複雑化を招
く。しかし、何らかの手段によってリチクルの厚さの差
による光路長の変化を補正すれば、前記図18、図19
のような移動手段や焦点調節手段は不要となる。その一
例の原理を図20に示す。図20(1)では厚さ0のレ
チクルの下に、厚さ大のレチクルの厚さt4に相当する
光路長の板(光路長補正板)が配置されている。図20
(2)では厚さt2のレチクルの下に、厚さt4−t2
に相当する光路長補正板が配置されている。図20
(3)では厚さt3のレチクルの下に、厚さt4−t3
に相当する光路長補正板が配置されている。このように
すると、厚さ0、t2、t3、t4のすべての場合で光
路長は同一となり、照明位置も焦点位置も同一となる。
図21では、これ等の光路長補正板を一体にした光路長
補正ユニット6101、6111を駆動手段6102、
6112で切り変え、各種厚さのリチクルに対応させて
いる様子を示す。また、上記光路長補正ユニットは、光
路長を補正できれば良いので、板状の物だけでなく、液
体を変形や、電気光学的な手段により、連続的な光路長
を得られるものでも良い。
【0040】図1中の4は検出光学系で、レチクル6の
パターン面に相対する対物レンズ41、対物レンズ41
の結像位置付近に設けられる視域レンズ(以下フィール
ドレンズという)43、フィールドレンズ43により集
光された光束の波長分離用のミラー42を持つ。検出光
学系に入射した光は波長分離ミラー42により表面照明
系2、20によって発生した散乱、回折光と、裏面照明
系3、30のよって発生した散乱、回折光とに分離され
る。
【0041】分離された光は、それぞれレチクル6の検
査視野15に対するフーリエ変換面に設けられた帯状遮
光部とその外部に透過部を有する空間フィルタ44、4
44、および結像レンズ45、445を経て、レチクル
6上の検査視野15が後述する信号処理系5の検出器5
1、551に結像される。フィールドレンズ43は、対
物レンズ41上の上方の焦点位置46の像を空間フィル
タ44、444上に結像する。
【0042】裏面側からの照明による散乱光の検出方式
(図3に概要を示す)はレチクル6の光透過部分上(ガ
ラス部分上)の異物等の欠陥からの散乱光を検出する。
図3中で、裏面からの斜方照明系3により発生した散乱
光は、検出光学系4で、対物レンズ41、フィールドレ
ンズ43、空間フィルタ44、結像レンズ45を介して
検出器51で検出される。
【0043】図3では、レチクル、照明系3、検出光学
系4を同図中に示した配置にしているが、照明系3と、
検出光学系4がレチクル6に対して、それぞれ反対側に
あれば良いため図5のような構成でも良い。図5中で、
表面からの斜方照明系2により発生した散乱光は、検出
光学系40で、対物レンズ401、フィールドレンズ4
03、空間フィルタ404、結像レンズ405を介して
検出器551で検出される。
【0044】ただし、図5のように、レチクル基板を通
して、検出光学系で回路パターン面を結像する構成で
は、レチクル基板による収差の影響で、解像が不十分に
なり、安定な検出が困難となる。安定な検出を行うに
は、結像光学系にレチクル基板の収差を補正する機能を
持つレンズを使用するなどの対策が必要となる。
【0045】また、レチクルの遮光部分上を含め全面の
検査を行いたい場合に、図5の構成を利用するには、図
6のように、レチクルの表面に照明系を、表面、裏面の
両方に検出系を設け、表面検出光学系4で遮光部分上を
裏面検出光学系40で透過部分を検査する方式でも、図
1の構成と同様の目的を達成できる。なお、この形式の
場合、表面検出系4ではリチクル6の遮光部分上(クロ
ム等の金属薄膜回路パターン上)のみを、裏面検出光学
系40では、レチクル6の光透過部分上(ガラス部分
上)のみを検出する様にしたい場合には、それぞれの照
明系2と照明系20の波長を異なる波長として、それぞ
れの検出光学系に波長フィルタを設ければ良い。
【0046】レチクルのクロム部分(遮光部分)上にあ
る異物等の欠陥は、そのままでは露光時の転写不良の原
因とはならないが、これがガラス部分上に移動した場合
には転写不良の原因となってしまう。このためクロム部
分上にあっても、他の部位へ移動する可能性のある限
り、クロム部分上の異物等の欠陥(移動性異物等の欠
陥)の検出が必要である。
【0047】移動性異物等の欠陥の検出の他に、以下の
ような場合にクロム部分上の異物等の欠陥検出のニーズ
があると考えられる。
【0048】位相シフトをもつレチクルでは、その製造
工程において、クロム部分上の異物等の欠陥が問題とな
る場合がある。位相シフト膜付きのレチクルは、一般
に、クロムによる回路パターンの形式を行い(ここまで
はシフト膜のないレチクルと同じプロセスである)、そ
の後に全面にシフタ膜材料を塗布またはスパッタにより
成膜し、エッチングプロセスによりシフタ膜によるパタ
ーン(シフタパターン)が形成される。ここで、成膜前
にクロム部分上に異物等の欠陥が存在すると、シフタ膜
に気泡や欠け等の欠陥を発生させ、これが転写不良の原
因となる場合がある。このため、これまでに述べたシフ
タパターン形成後の異物等の欠陥検査の他に、成膜の前
後にクロム部分上を含む全面の検査(本発明の方式では
気泡や欠け等の欠陥も異物等の欠陥と同様に検出でき
る)を行う必要がある。
【0049】ただし、この場合はシフタパターンの形成
前であり、シフタパターンからの散乱光は存在しないた
め、図1の様な構成で表面・裏面の2系統の照明系で照
明を行うことにより全面で高感度の検出が可能となる。
【0050】以上とは別に、遮光膜のパターンニングが
されていない透明(半透明)基板の検査を行う場合は、
図3、あるいは図5の構成で全面の検査が可能である。
また、この場合回路パターンからの回折光は存在しない
ので、空間フィルタ44は無くても良い。このような構
成で前方散乱光を検出するようにすれば、反射証明方式
に比べて異物等の欠陥の検出出力を大きくすることがで
きる。
【0051】また、本発明では、回路パターンからの散
乱光を、結果的にキャンセルする処理方式であるため、
必ずしも、空間フィルタは構成上不可欠な要素ではな
い。
【0052】なお、空間フィルタ44の無い場合、検査
時のステージ走査はX−Y走査方式だけでなく、回転走査
方式を用いても良い。(検査時のステージ走査が回転式
であっても、空間フィルタ44に回転機構を設け、検査
時のステージ回転と同期して回転させるようにすれば、
空間フィルタ44を用いながら、回転走査することもで
きる。) 従って、空間フィルタは、必要に応じて切り替えられる
ように構成するのが望ましい。また、単に空間フィルタ
44の抜き差しだけでなく、直線状空間フィルタの幅を
変化させた物など、複数の空間フィルタを切り替えられ
るように構成すると良い。
【0053】図1の5は信号処理系で、信号処理系5
は、前記検出器51、551と、該検出器51、551
の出力を2値化する2値化処理回路52、53、54、
552、553、554と論理反転処理回路55、55
5と2入力論理積処理回路56、556と2入力論理和
処理回路57、557と、マイクロコンピュータ58
と、表示手段59とからなる。検出器51、551は、
例えば電荷移動形の一次元固体撮像素子などにて形成さ
れ、Xステージ10を走査しながらレチクル6上の回路
パターンからの信号を検出するが、この場合、レチクル
6上の異物等の欠陥が検出視野に存在するとき、入力す
る信号レベルおよび光強度が大きくなるため、検出器5
1、551の出力も大きくなるように形成されている。
なお、前記の如く検出器51、551に一次元固体撮像
素子を用いれば、分解能を維持したまま検出視野を広く
することができる利点を有するが、これに限定されるこ
となく2次元のもの、或いは、単素子のものでも使用可
能である。
【0054】2値化処理回路52、53、54、55
2、553、554は、2値化のしきえ値が予め設定さ
れており、検出器51、551からの出力が、設定した
しきい値以上の散乱光強度の値となった場合に、論理レ
ベル“1”または論理レベル“1”および検出値を出力
するように形成される。論理レベル(判定結果)ととも
に検出値も出力するのは、最終的な異物等の欠陥の検出
結果に、その検出値も残されていたほうが、大きさ等の
推定または検出判定しきい値の設定に便利なためであ
る。ここで用いるしきい値については、本発明にかかる
検出方式と密接な関係があるので、その他の処理回路の
動作と併せて、後述する。
【0055】また、マイクロコンピュータ58は、検出
判定された結果を格納するメモリを有し、Xステージ1
0およびYステージ11の位置情報、単素子ではない検
出器51、551の場合にその素子中の画素位置から計
算される欠陥の位置情報および検出器51、551の検
出出力値を欠陥データとして記憶し、その結果を表示手
段59に出力するように形成される。また装置各部の機
構の制御および作業者とのインターフェイスも行う。
【0056】また、検査結果は、表示されるだけでな
く、結果に基づき、検出位置を観察手段に呼び出して作
業者が確認出来るように形成される。レチクルやホトマ
スク等の試料では、LSI製造の原盤となるため、LS
I製造の露光の際に露光転写に影響を及ぼす異物等の欠
陥は一個たりとも存在は許されない。このため、検出さ
れた異物等の欠陥が転写に影響を及ぼすかどうかを作業
者が厳重に確認を行う機能は、重要な構成要素である。
このため、検出結果を観察用の別ステーションに転送
し、観察するなどの機能が必要となる。
【0057】図22では、観察機能の一例として、検出
光学系の光路を切りかえて、検査と同一の装置で観察を
可能にする構成について示す。これにより別装置は不要
となり、観察精度の向上、作業の効率化と、別装置へ移
動する間の汚染を防止できる。図22では検査の処理
系、照明系は省略してある。観察系用の照明系は、シャ
ッタ機構6222を持った透過照明系6221、ハーフ
ミラー6212とその駆動手段6213を持った落射照
明系6211と、レーザ照明手段による斜方照明系62
31が示されている斜方照明系6231は、表面からの
検査用の斜方照明系(図1の2と20)が可視光の波長
域にない場合には設けるべきであるが、表面からの検査
用の斜方照明系が可視光の波長域にある場合には、それ
を以って代用できる。上記観察用照明は必要に応じて切
り変え、組合されて用いられる。照明された異物等の欠
陥の検出位置の像は、対物レンズ41で集光され、駆動
手段6203によって切り変えられるミラー6202を
経て、TVカメラや目視等の観察手段6201によって
観察される。また、観察系中には検査時と同様に空間フ
ィルタ6232が必要に応じて駆動手段6233によっ
て挿入する。
【0058】図9は図8と同様に、図1中のレチクル
6、ぺリクル7、照明系2による斜方照明光3802、
照明系20による斜方照明光3820、照明系3による
斜方照明系3803、照明系30による斜方照明光38
30、と検査視野(=照明位置)15との関係を示して
いる。図9(A)は、図10に示すぺリクル保持枠の中
心線4001を境に分けられた領域4024を検査する
場合の、照明状況を示し、表面側、裏面側で同じY方向
からの一対の照明系にのよる斜方照明光3820および
斜方照明光3803により照明が行なわれ手いる状況を
表している。領域2つに分けて照明の組を切り換えるの
は、ぺリクル保持枠3807によるけられを避けるため
であり、従って、切り換えのタイミングは必ずしもぺリ
クル保持枠の中心線4001を境に行われる必要はな
い。
【0059】つぎに検査装置の作用について、説明す
る。
【0060】以上の照明方式に対する検出結果の信号処
理のブロック図を図11に示す。図11は、図1中の信
号処理系5の部分を表し、図1と同じ番号のものは、同
じものを表す。
【0061】裏面側の斜方照明系3(図11では省略)
または斜方照明系30(図11では省略)による散乱光
は、波長分離ミラー42(図11では省略)を透過して
検出器51により検出される。表面側の斜方照明系2
(図11では省略)または斜方照明系20(図11では
省略)による散乱光は、波長分離ミラー42(図11で
は省略)で反射され、検出器551により検出される。
【0062】ここから先の処理回路の説明は、本発明の
動作原理でもある。まず、遮光部分(クロム部分)上に
付着した異物等の欠陥の検出について、図27と併せて
説明を行う。
【0063】図27中、光透過部分(ガラス部分)に付
着した大きな(例えば大きさ1μ以上の)異物等の欠陥
7301、光透過部分(ガラス部分)に付着した中程度
の(例えば大きさ0.3μmから1μm程度の)異物等
の欠陥7302、光透過部分(ガラス部分)に付着した
微小な(例えば大きさ0.3μm以下の)異物等の欠陥
7303、遮光部分(クロム部分)に付着した大きな
(例えば大きさ1μm以上の)異物等の欠陥7401、
遮光部分(クロム部分)に付着した中程度の(例えば大
きさ0.3μmから1μm程度の)異物等の欠陥740
2、遮光部分(クロム部分)に付着した微小な(例えば
大きさ0.3μm以下の)異物等の欠陥7403、回路
パターンのエッジ部分7304、7404である。
【0064】このような、被検査試料からの表面側照明
による散乱光の検出結果、即ち、検出器551の出力A
の状況を、図27中(A)のグラフに示す。縦軸は、散
乱光の出力を、横軸は位置を示し、それは、グラフの上
方にイラストで示した異物等の欠陥及び回路パターンエ
ッジ部分と1対1で対応する。
【0065】検出器551の検出出力Aは,2値化処理
回路552、553、554で2値化される。ここで、
2値化処理回路554だけは、遮光部分上の異物等の欠
陥の検出ではなく、光透過部分の異物等の欠陥の検出に
関わるので、ここでは触れず、後述する。
【0066】ここで、2値化処理回路552のしきい値
ThHは、回路パターンのエッジ部分からの散乱光より
も高い値が設定される。このため、2値化処理回路55
2の出力A1は、ThHをこえた散乱光が検出された部
分だけで、論理レベル“1”が出力され、図27中(A
1)で示されるグラフのようになる。この結果は、クロ
ム部分上の中程度の異物等の欠陥までを検出した結果と
なる。尚、ガラス部分上の大きな異物等の欠陥も検出さ
れるが、異物等の欠陥を検出しているのであるから問題
とはならないし、裏面側からの照明による検出結果との
ダブルカウントについても後述する処理により回避でき
る。
【0067】さて、遮光部分上の微小な異物等の欠陥7
403を検出するためには、2値化処理回路552のし
きい値を(A)中のThLまで低いものにすればよいの
だが、これでは、回路パターンのエッジ部分7304、
7404を誤検出してしまう。そこで、別な2値化回路
553によりThLで2値化を行う。結果A2をグラフ
(A2)に示す。次にA2から、回路パターンのエッジ
部分の誤検出を除去する方法にについて述べる。それに
は、裏面側からの照明による検出信号を用いる。検出器
51の出力を図27中(B)に示す。縦軸は出力、横軸
は位置を表し、(A)と同様に上部のイラストと対応す
る。これを、2値化処理回路54で2値化する。この時
のしきい値は、(B)中にThRで示され、裏面側から
の照明により、散乱光を発生するすべての物体を検出す
るため、ノイズによる誤動作をさけた極力低い値が用い
られる。出力結果B4の状況を(B4)に示す。ここに
は、裏面からの照明により散乱光を発するすべての構造
からの信号、即ち、遮光部分上の異物等の欠陥以外のす
べての物体からの信号が含まれる。B4を論理反転処理
回路55で処理した結果B5の状況を(B5)に示す。
ここでは、遮光部分上の異物等の欠陥7401、740
2、7403以外の場所では論理レベル“0”となる信
号を得られている。
【0068】そして、2入力論理積処理回路556によ
りB5とA2の論理積を演算すると、遮光部分上の異物
等の欠陥だけの検出結果Cが得られ、その状況を(C)
に示す。
【0069】Cだけでも、遮光部分上の異物等の欠陥の
検出が可能な様に見えるが、本発明では、安定な検出の
ために、2入力論理和処理回路557により、A1とC
の理論和を求めて遮光部分上の異物等の欠陥の検出結果
とし、マイクロコンピュータ58等の処理回路に送られ
る。それは、以下の理由による。遮光部分上の異物等の
欠陥が、回路パターンのエッジ部分から離れた位置に付
着していた場合、検出結果はCだけで問題はない、しか
し、異物等の欠陥の付着位置が、回路パターンのエッジ
部分に隣接していた場合、異物等の欠陥の存在にも関わ
らず、信号B4で理論レベル“1”が得られてしまい、
結果として、異物等の欠陥を見逃してしまう可能性があ
るからである。回路パターンのエッジ部分に隣接してい
る異物等の欠陥からは、回路パターンのエッジ部分から
の散乱光が加わり、散乱光は、見かけ上大きなものとな
り、微小な異物等の欠陥の場合でも、A1で検出される
ので、上記対策で検出が可能である。
【0070】次に、光透過部分(ガラス部分)上に付着
した異物等の欠陥の検出について、図28と併せて説明
を行う。
【0071】図28中、光透過部分(ガラス部分)に付
着した大きな(例えば大きさ1μm以上の)異物等の欠
陥7301、光透過部分(ガラス部分)に付着した中程
度の(例えば大きさ0.3μmから1μm程度の)異物
等の欠陥7302、光透過部分(ガラス部分)に付着し
た微小な(例えば大きさ0.3μ以下の)異物等の欠陥
7303、遮光部分(クロム部分)に付着した大きな
(例えば大きさ1μm以上の)異物等の欠陥7401、
遮光部分(クロム部分)に付着した中程度の(例えば大
きさ0.3μmから1μm程度の)異物等の欠陥740
2、遮光部分(クロム部分)に付着した微小な(例えば
大きさ0.3μ以下の)異物等の欠陥7403、回路パ
ターンのエッジ部分7304、7404である。
【0072】このような、被検査試料からの裏面側照明
による散乱光の検出結果、即ち、検出器51の出力Bの
状況を、図28中(B)のグラフに示す。縦軸は、散乱
光の出力を、横軸は位置を示し、それは、グラフの上方
にイラストで示した異物等の欠陥及び回路パターンエッ
ジ部分と1対1で対応する。
【0073】検出器51の検出出力Bは、2値化処理回
路52、53、54で2値化される。ここで、2値化処
理回路54だけは、光透過部分上の異物等の欠陥の検出
ではなく、遮光部分の異物等の欠陥の検出に関わるの
で、前述した。
【0074】ここで、2値化処理回路52のしきい値T
hH(同じ記号を用いたが、図27の(A)中のThH
とは異なるものである)は、回路パターンのエッジ部分
からの散乱光よりも高い値が設定される。このため、2
値化処理回路52の出力B1は、ThHを越えた散乱光
が検出された部分だけで、理論レベル“1”が出力去
れ、図28中(B1)で示されるグラフのようになる。
この結果は、光透過部分上の中程度の異物等の欠陥まで
を検出した結果となる。
【0075】さて、光透過部分上の微小な異物等の欠陥
7303を検出するためには、2値化処理回路52のし
きい値を(B)中のThL(同じ記号を用いたが、図2
7の(A)中のThLとは異なるものである)まで低い
ものにするればよいのだが、これでは、回路パターンの
エッジ部分7304、7404を誤検出してしまう。そ
こで、別な2値化回路53によりThLで2値化を行
う。結果B2をグラフ(B2)に示す。次に、B2か
ら、回路パターンのエッジ部分の誤検出を除去する方法
について述べる。それには、表面側からの照明による検
出信号を用いる。検出器551の出力を図28中(A)
(図27の(A)と同一のものである)に示す。縦軸は
出力、横軸は配置を表し、(B)と同様に上部のイラス
トと対応する。これを、2値化処理回路554で2値化
する。この時のしきい値は、(A)中にThRで示さ
れ、表面側からの照明により、回路パターンのエッジ部
分からの散乱光はしきい値ThRをこえるが、光透過部
分上の微小な異物等の欠陥からの散乱光は、しきい値T
hRをこえない値に設定される。これが可能なのは、光
透過部分上の微小な異物等の欠陥からの散乱光がほとん
ど基板を通じて透過してしまい、検出器の方向には散乱
しないためであることは、図4で説明した通りである。
しかしこの場合でも、しきい値ThRは、前記条件を満
足する最小の値(ThLより小さい)にした方が誤検出
を減らせて好ましい。
【0076】また、表面側の照明では、微小な異物等の
欠陥から散乱光を発生させないことが望ましく、また、
裏面側からの照明では、微小な異物等の欠陥から散乱光
を可能な限り多く発生させることが望ましい。この場
合、表面側の照明光源の波長を長く、例えば、半導体レ
ーザによる600nmから900nm(具体的な一例と
して780nm)程度の近赤外から赤色にかけての照明
を行い、また、裏面側からの照明光源の波長を短く、例
えば、300nmから500nm(具体的な一例として
アルゴンイオンレーザのよる488nm)程度の青色か
ら紫色にかけての照明を行うと良い。
【0077】2値化処理回路554の出力結果A4の状
況を(A4)に示す。ここには、光透過部分上の微小な
異物等の欠陥7305および一部の中程度の異物等の欠
陥7302以外の、表面側からの照明により散乱光を発
するすべての構造からの信号が含まれる。A4を論理反
転処理回路555で処理した結果A5の状況を(A5)
に示す。ここでは、光透過部分上の微小な異物等の欠陥
7303および一部の中程度の異物等の欠陥7302以
外の場所では論理レベル“0”となる信号を得られてい
る。
【0078】そして、2入力論理積処理回路56により
A5とB2の論理積を演算すると、遮光部分上の微小な
異物等の欠陥7303および一部の中程度の異物等の欠
陥7302だけの検出結果Fが得られ、その状況を
(F)に示す。
【0079】さらに、2入力論理和処理回路57によ
り、B1とFの論理和を求め、光透過部分上の異物等の
欠陥7301、7302、7303の検出とし、マイク
ロコンピュータ58等の処理回路に送られる。この方法
によれば、十分大きな散乱光を出力する大きな異物等の
欠陥7301、中程度の異物等の欠陥7302を含め、
さらには、回路パターンのエッジ部分に付着した微小な
異物等の欠陥7303も検出が可能となる。
【0080】それは、以下の理由による。微小な光透過
部分上の異物等の欠陥7303が、回路パターンのエッ
ジ部分から離れた位置に付着していた場合、検出結果は
Fから得られる。一方、付着位置が回路パターンのエッ
ジ部分に隣接していた場合、異物等の欠陥の存在にも関
わらず、信号A4で論理レベル“1”が得られてしま
い、結果として、異物等の欠陥を見逃してしまう可能性
がある。しかし、回路パターンのエッジ部分に隣接して
いる異物等の欠陥からは、回路パターンのエッジ部分か
らの散乱光が加わり、散乱光は、見かけ上大きなものと
なり、微小な異物等の欠陥の場合でも、B1で検出され
るので、上記構成で検出が可能である。
【0081】図11における説明では、論理和処理回路
57、557の結果を直接マイクロコンピュータ58の
メモリに入力したが、これは、メモリ上の異物等の欠陥
検出結果が、裏面照明系、表面照明系のどちらで検出し
たかが判明した方が、付着位置の推定等が行え、転写に
直接影響のある光透過部分の確認だけを行うことが出来
る等のメリットを有するためである。しかし、表面側照
明による結果の中に含まれる、大きなガラス部分上異物
等の欠陥7301のダブルカウントを嫌うなら、論理和
処理回路57、557の結果をさらに図12に示すごと
く論理和処理回路60にて演算してしまう方法もある。
【0082】本発明で、論理和処理回路57、557の
両方の結果をメモリ上に送る構成にしたのは、異物等の
欠陥の個数は、一般に少なく、両方の結果をメモリに配
置しても大きな問題とならないからである。ここで、注
意すべきことは、検出器51、551或いは、2値化処
理回路52、53、54、552、553、554の結
果などを直接メモリに転送して、ソフトウェア的に処理
する事は適当でない。なぜなら、これらの段階では、ま
だ、検出結果に回路パターンエッジの情報が含まれてお
り、その個数は、一般に数百万個にも達してしまうから
である。一方、論理積処理回路56、556の結果から
ならば、回路パターンのエッジ情報がなくなるため、メ
モリに転送することは可能である。その場合の回路構成
は、図13のごとくなり、論理和処理回路が行うべき処
理は、ソフトウェア的に行われる。
【0083】さて、異物等の欠陥の大きさは散乱光検出
値の大小から推定できるため、最終的な検出判定結果
に、論理レベルの判定結果だけでなく検出値も出力した
ほうがいい。
【0084】この場合、図23に示されるような構成に
なる。検出値をメモリに転送するためには、電圧そのも
ではなく、デジタル値に変換する必要があるため、検出
器51、551の出力は、A/D変換器61、661に
よりデジタル化される。この結果が、判定結果によりデ
ータセレクタ62、662を通してメモリへ転送され
る。また、A/D変換を行うことが前提ならば、2値化
処理回路52、53、54、552、553、554を
すべてデジタル値で行うものとしておけば、処理回路
は、図24のような構成となる。
【0085】以上の構成より、異物等の欠陥からの散乱
光が検出されたと判断された場合、検出時のXステージ
10およびYステージ11の位置情報のほか、検出器5
1、551が単素子でない場合には、その素子中の画素
位置から計算される異物等の欠陥の位置情報および検出
器51、551の検出出力値4101、4111が、異
物等の欠陥データとしてマイクロコンピュータ58が管
理するメモリに記憶されるとともに、該記憶内容が演算
処理されてCRT等の表示手段59の表示される。
【0086】
【発明の効果】本発明は、レチクル等のホトマスク試料
の表面側および試料裏面側から斜方照明を行い、試料表
面側の検出光学系で、発生する散乱光を集光、照明方向
別に波長分離して、それぞれの検出器上に結像させる検
出光学系と、それぞれの検出器の出力を3種類ずつのし
きい値で2値化処理した結果を用いて、論理積、論理和
演算することにより、前記試料上の異物等の欠陥データ
を演算表示する信号処理系とを備える構成にし、レチク
ル等のホトマスクの回路パターン付基板、特に転写解像
度の向上等を目的とした位相シフト膜を有するレチクル
上に付着したサブミクロンオーダーの微細な異物等の欠
陥等の欠陥を、主として光学的な構成で、補助的には簡
易な論理回路の構成で、安定して回路パターンから分離
して検出することができる顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体概略構成図。
【図2】本発明に係るレチクルの走査状況を示す図。
【図3】本発明の一実施例を示した概略構成図。
【図4】装置の構成と検出される散乱光成分との関係を
示した図。
【図5】本発明の他の一実施例を示した概略構成図。
【図6】本発明の他の一実施例を示した概略構成図。
【図7】本発明に係る照明系の切りかえの状況を示す平
面図。
【図8】本発明の係る照明系の切りかえの状況を示す断
面図。
【図9】本発明の係る照明系の切りかえの状況を示す断
面図。
【図10】本発明の係る照明系の切りかえの状況を示す
平面図。
【図11】本発明に係る信号処理系のブロックの一例を
示す図。
【図12】本発明に係る信号処理系のブロックの一例を
示す図。
【図13】本発明に係る信号処理系のブロックの一例を
示す図。
【図14】本発明に係る裏面照明系の一例を示す概略構
成図。
【図15】本発明に係る裏面照明系の一例を示す概略構
成図。
【図16】裏面照明系の問題点示す断面図。
【図17】裏面照明系の問題点を解決する原理を説明す
る断面図。
【図18】本発明に係る裏面照明系の一例を示す概略構
成図。
【図19】本発明に係る裏面照明系の一例を示す概略構
成図。
【図20】裏面照明系の問題点を解決する原理を説明す
る断面図。
【図21】本発明に係る裏面照明系の一例を示す概略構
成図。
【図22】本発明に係る観察系の一例を示す概略構成
図。
【図23】本発明に係る信号処理系で、論理積の演算結
果から、検出出力を出力するブロックの一例を示す図。
【図24】本発明に係る信号処理系で、論理和の演算結
果から、検出出力を出力するブロックの一例を示す図。
【図25】本発明における散乱光の発生状況とその検出
出力の図。
【図26】本発明における散乱光の発生状況とその検出
出力の図。
【図27】本発明における処理回路の動作原理を説明す
る図。
【図28】本発明における処理回路の動作原理を説明す
る図。
【符号の説明】
1…検査ステージ部、2…第1の表面照明系、20…第
2の表面照明系、3…第1の裏面照明系、30…第2の
裏面照明系、4…検出光学系、5…信号処理系、6…レ
チクル、10…Zステージ、11…Xステージ、12…
Yステージ、21、201、31、301…レーザ光
源、44、444…空間フィルタ 51、551…検出器、52、53、54、552、5
53、554…2値化処理回路 55、555…論理反転処理回路、56、556…論理
積処理回路、58、558…論理和処理回路 70…異物等の欠陥、80…回路パターン。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遮光膜、光半透過膜、あるいは光透過膜で
    形成されたパターンを有する透明または半透明基板試料
    の表面に付着した異物等の欠陥を検出する異物等の欠陥
    検査方法であって、前記試料をパターン面の側から第1
    の照明系で照明して前記試料から発生する散乱光および
    回析光を集光して第1の検出器上に結像し第1の信号を
    得、前記試料を前記パターン面と反対側の面から第2の
    照明系で照明して前記試料から発生する散乱光および回
    析光を集光して第2の検出器上に結像し第2の信号を
    得、前記第1の信号と前記第2の信号とをそれぞれ複数
    の閾値で2値化してそれぞれ複数の2値化信号を得、該
    得たそれぞれの複数の2値化信号に基づいて前記透明ま
    たは半透明基板試料の表面に付着した異物等の欠陥を検
    査することを特徴とする異物等の欠陥検査方法。
  2. 【請求項2】前記第1の照明系で照明して前記試料から
    発生する散乱光および回析光のうち、前記パターンから
    の回析光の一部を遮光て第1の検出器上に結像し、前記
    第2の照明系で照明して前記試料から発生する散乱光お
    よび回析光のうち、前記パターンからの回析光の一部を
    遮光て第2の検出器上に結像することを特徴とする請求
    項1記載の異物等の欠陥検査方法。
  3. 【請求項3】前記複数の閾値が、前記第1の検出信号と
    前記第2の検出信号とにたいしてそれぞれ3つ備えてい
    ることを特徴とする請求項1記載の異物等の欠陥検査方
    法。
  4. 【請求項4】前記第1の照明の波長は、前記第2の照明
    の波長よりも長いことを特徴とする請求項1記載の異物
    等の欠陥検査方法。
  5. 【請求項5】前記第1の照明の波長は、600nmから
    900nmの範囲にあり、前記第2の照明の波長は、3
    00nmから500nmの範囲にあることを特徴とする請
    求項1記載の異物等の欠陥検査方法。
  6. 【請求項6】遮光膜、光半透過膜、あるいは光透過膜で
    形成されたパターンを有する透明または半透明基板試料
    の製造時、あるいは該試料の保管時、運搬時、使用時に
    用いられる該試料上に付着した異物等の欠陥を検出する
    異物等の欠陥検出検査装置であって、前記試料を載置す
    るステージおよびその駆動制御系からなる検査ステージ
    手段と、前記基板のパターン面に反射照明を行う第1の
    照明手段と、透過照明を行う第2の照明手段と、前記第
    1の照明手段及び前記第2の照明手段による照明により
    前記基板から発生する散乱光および回析光を集光して前
    記第1の照明手段と前記第2の照明手段との照明毎に光
    線分離し、該照明毎に光線分離した散乱光および回析光
    のうち回折光の一部を遮光して各々第1及び第2の検出
    器上に結像する検出光学系手段と、該検出光学系手段で
    検出して前記第1及び第2の検出器から出力される信号
    を処理して異物等の欠陥データとして演算表示する信号
    処理手段とを備えたことを特徴とする異物等の欠陥の検
    査装置。
  7. 【請求項7】前記第1の照明手段は、前記第2の照明手
    段よりも波長が長い光を発射することを特徴とする請求
    項6記載の異物等の欠陥検査装置。
  8. 【請求項8】前記第1の照明手段が発射する光の波長
    は、600nmから900nmの範囲であり、前記第2
    の照明手段が発射する光の波長は、300nmから50
    0nmの範囲であることを特徴とする請求項6記載の異物
    等の欠陥検査装置。
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