JP3102493B2 - 異物検査方法及びその装置 - Google Patents

異物検査方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料上に付着した異物を検査する異物検査
方法及びその装置に係り、特に、レチクルやホトマスク
等(以下レチクル等という)の回路パターン上に付着し
たサブミクロンオーダーの微細な異物を、簡単な構成で
検出できる異物検査方法及びその装置に関する。
〔従来の技術〕
LSI或いはプリント基板などを製造するのに使用され
るレチクル等の露光工程において、レチクル等の回路パ
ターンはウェハ上に焼付転写する前に検査されるが、該
回路パターン上にたとえばミクロンオーダーの微小異物
が存在している場合においても、該異物により前記回路
パターンがウェハに正常に転写しないことから、LSIチ
ップ全数が不良になる問題がある。この問題点は、最近
のLSIの高集積化に伴い一層顕在化し、より微小のサブ
ミクロンオーダーの異物の存在も許容されなくなってき
ている。
上記転写不良防止のため、露光工程前の異物検査は不
可欠であり、レチクル等の管理上、従来から種々の異物
検査技術が提供されているが、レチクル等の回路パター
ンの検査は、レーザ光等の指向性の良い光源で斜めから
照射し、異物から発生する散乱光を検出する方法が検査
速度および感度の点から有利で一般的に使用されてい
る。ところが上記検査方法においては、レチクル等の回
路パターンのエッジ部からも回折光が発生するため、こ
の回折光から異物のみを弁別して検出するための工夫が
必要であり、そのための技術が公開されている。
その1は、直線偏光レーザと、特定の入射角度で該レ
ーザ光を斜めから照射する手段と、偏光板およびレンズ
を用いた斜方結像光学系を特徴とする異物検査装置(例
えば、特開昭54−101390)で、直線偏光を照射した際、
回路パターンからの回折光と異物からの散乱光では、光
の偏光方向が異なることを利用し、異物だけを輝かせて
検出するものである。
その2として、レーザ光を斜方から被検査試料に照射
し走査する手段と、該レーザ光の照射点と集光点面がほ
ぼ一致するように被検査試料の上方に設けられ、該レー
ザ光の散乱光を集光する第1のレンズと、該第1のレン
ズのフーリエ変換面に設けられ被検査試料の回路パター
ンからの規則的回折光を遮光する遮光板と、遮光板を通
して得られる異物からの散乱光を逆フーリエ変換する第
2のレンズと、該第2のレンズの結像点に設けられ被検
査試料上のレーザ光照射点以外からの散乱光を遮光する
スリットと、該スリットを通過した異物からの散乱光を
受光する受光器とから構成された異物検査装置が開示さ
れている(例えば、特開昭59−65428号公報)。この装
置は、回路パターンが一般的に視界内で同一方向か或い
は2〜3の方向の組合せで構成されていることに着目
し、この方向の回路パターンによる回折光をフーリエ変
換面に設置した空間フィルタで除去することにより、異
物からの散乱光だけを強調して検出しようとするもので
ある。
その3は、回路パターンエッジ部で生じた回折光には
指向性があるが、異物による散乱光には指向性がないこ
とに着目し、斜方向に設置した複数の検出器のそれぞれ
の検出出力の論理積を取ることで異物を弁別する構成の
ものである(例えば、特開昭59−186324号公報)。
その4は、回路パターンエッジからの回折光は或る特
定の方向にのみ集中して行くのに対して、異物からはす
べての方向に散乱していくという現象を利用し、複数の
検出器を配置して異物を弁別するものである。(例え
ば、特開昭60−154634号公報および特開昭60−154635号
公報)。
なお、微小異物検査に関連する方法および装置とし
て、シュリーレン法、位相差顕微鏡、有限の大きさの光
源の回折像等に関する技術が、例えば、久保田 広著、
応用光学(岩波全書)第129頁〜第136頁に記載されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述したように、検出すべき異物が小さくなるにした
がって、問題になる異物の見逃しの増加が問題になって
きた。
前記従来技術その1(例えば、特開昭54−101390)に
おいては、微小異物からの散乱光の偏光方向と、回路パ
ターンエッジからの回折光の偏光方向との差異が小さく
なることから異物の弁別検出ができない問題点を有して
いた。
つぎに前記従来技術その2(例えば、特開昭59−6542
8号公報)は、異物からの散乱光を遮光板によって回路
パターンからの回折光と分離し、かつスリットにより異
物からの散乱光のみを検出するもので、異物を簡単な2
値化法により検出するため検出機構が簡単になる特徴を
有するが、前記回路パターンの交差部分からの回折光に
は、直接部分からの回折光のように特定位置に偏る傾向
は小さく、前記空間フィルタにより回路パターンの交差
部分からの回折光を完全に遮光することはできず、ま
た、近年のLSI高集積化に伴うミクロンオーダーの微細
構造パターンを有する回路パターンから発生する回折光
は、異物からの散乱光と挙動が類似してきているため一
層前記傾向が強く、簡単な2値化法により異物を回路パ
ターンから分離して検出することは事実上困難で問題点
となっていた。
また、前記従来技術その3(例えば、特開昭59−1863
24号公報)および前記従来技術その4(例えば、特開昭
60−154634号公報および特開昭60−154635号公報)にお
ける各装置においては、その装置構成上、十分な集光能
力を持つ光学系の採用が困難であり。微小な異物から発
生する微弱な散乱光を検出するのは実際上困難な問題点
を有していた。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、レチ
クル等の回路パターン上に付着したサブミクロンオーダ
ーの微細な異物を、簡単な構成で容易に回路パターンか
ら分離して検出することができる異物検査装置を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明では、異物検査装置
を、レーザビームを発射するレーザー光源と、試料を載
置する載置台と、この載置台に載置された試料にレーザ
光源から発射したレーザビームを照射する照射手段と、
このレーザビームの照射により試料から発射した光を集
光レンズを有する光学系を介して検出する検出手段と、
この検出手段で検出した試料から発射した光に基づいて
試料上の異物を判定する判定手段とを備え、検出手段の
集光レンズのNAを、レーザー光源の波長をλ、検出する
最小の異物の寸法をdとしたときに、0.24×(λ/d)以
上となるように構成したものである。
また、本発明は、レーザー光源からレーザビームを発
射して載置台に載置した試料に照射し、このレーザビー
ムの照射により試料から発射した光を光学系を介して検
出し、この検出した試料から発射した光に基づいて試料
上の異物を判定する異物検査方法において、レーザーの
波長をλ、検出する最小の異物の寸法をdとしたとき
に、試料から発射した光を、NAが0.24×(λ/d)以上で
ある前記光学系の集光レンズを介して検出するようにし
たものである。
更に、本発明は、レーザー光源からレーザビームを発
射して載置台に載置した回路パターンを形成した光透過
性基板に照射し、このレーザビームの照射により光透過
性基板を透過した光を光学系を介して検出し、この検出
した光透過性基板を透過した光に基づいて光透過性基板
上の異物を判定する異物検査方法において、レーザーの
波長をλ、検出する最小の異物の寸法をdとしたとき
に、光透過性基板を透過した光を、NAが0.24×(λ/d)
以上である光学系の集光レンズを介して検出するように
したものである。
〔作用〕
Wolf著,“Prinsple of Optics"pp.647−664などの
文献によれば、微小な粒子が照明光の波長と同程度の大
きさになった場合、異物からの散乱光は均一にはならず
に鋭い分布を持つ。
本発明では、上記の見逃しが増加してきたのは、この
微小な粒子からの散乱光が分布を持つためであることに
着目した。
これは従来、検出光学系の開口数に関しては言及され
ていなかっただけでなく、異物を検出する場合、検出光
学系が異物を解像できない場合であっても検出は可能で
あると考えられていたためである。ところが、上記の文
献に示されたように微小粒子からの散乱光は不規則な指
向性をもつため、開口数の小さな検出光学系では検出で
きない可能性があり、この結果、異物の検出見逃しが起
こる。
すなわち、本発明の思想により、従来技術の有する分
解能の検出光学系では、「微小異物を検出できることも
ある。」のであって、「安定して検出できる。」のでは
ないことが明らかになった。「異物の検出」と言う目標
を達成するためにも、検出すべき異物の大きさを解像す
る程度の分解能が必要であることが判明した。
本発明は、この検出すべき異物を解像する程度の開口
数(NA)を有する検出光学系を有する。具体的には以下
の式(1)により、算出される。
NAに、概ね近い値を有する光学系が望ましい。ここ
で、dは検出すべき異物の寸法、λは照明光の波長、NA
は開口数である。
NAを式(1)を満たすように設定できない場合、λを
短くする必要がある。
すなわち、本発明は異物検査のための検出光学系では
解像する解像力が必要と考えられていなかったが、式
(1)に示すような検出光学系が、必要であるという新
規な考え方に立っている。
ただし、式(1)の係数は0.6という一般の解像度を
算出する際の値ほど大きい必要はなく、本発明に際し
て、実施された実験によると0.24〜0.6の範囲であれば
必要とされる異物検出性能は発揮される。
その理由について、以下に説明する。
第24図には、横軸に異物径を縦軸に散乱断面積をとっ
てある、この散乱断面積は、異物から発生する散乱光に
比例し、Mie散乱の理論から求められる。その解釈は、 発生する散乱光を観察した場合、あたかも図中の実線
で示される大きさの異物から発生する散乱光であるかの
ように観察されることを意味する。図中には、点線で、
幾何学的な断面積も合わせて示した。これより、散乱光
で観察した場合には、実際の異物寸法よりも大きく観察
されることがわかる。(これは、まさしく異物検査が散
乱光で行われている理由である。)そして、その比率
は、第24図より面積比で約3倍〜6倍、従って直径では となる。
この場合、式(1)は、 となり、先の実験結果を説明できる。
また、検出すべき異物サイズdは、レチクルの最小寸
法の1/4程度とされているため、レチクル上最小寸法2.5
μm(5:1縮小転写の場合、ウェハ上0.5μm, これは、16MDRAM相等)の場合、0.6μm最小寸法1.5
μm(64MDRAM相等)の場合0.4μmである。
従って0.4μmの異物をλ=780nmで検出する際にはNA
は0.4以上程度が必要とされる。
光散乱の物理学は、実際はきわめて複雑である。空間
に浮遊した単一の球に平面波が照射された場合といった
もっとも簡単な問題が、1908年にGustav Mieによって
初めて解析された。Mieの理論として知られている解放
は、球状ハーモニクスと呼ばれる数学関数の求和級数で
あるが、本発明の主題からは外れるので言及しない。し
かしながら、結果の解釈は比較的容易である。
ラテックス球などのパーティクルは、反射,屈折,吸
収そして回折といいったプロセスの組み合わせで、入射
ビーム中の光を散乱する。
球状異物(粒子)からの散乱光強度を第21図に示す。
第21図の図は、Mie散乱の理論値を、本発明の適用先の
ごとく基盤上に付着した粒子の場合に変形したものであ
る。
横軸は、検出光の波長λ(例えば830nm)、dは検出
異物径を用いた無次元数である。
ここでπd/λがおおむね4より小さな領域(λ=830n
mの時d=1.1μmより小さな異物)は、特にレーリー散
乱領域と呼ばれ、異物からの散乱光は、直径の6乗に逆
比例して、急激に減少する。従ったこの領域の異物の検
出には、検出器の感度には十分な注意を払う必要があ
る。ただし、この領域の散乱光は特定の方向には散乱し
ないため、検出器のNAについて以下に述べる領域ほど注
意深くなる必要はない。
πd/λがおおむね4より大きな領域では、その散乱光
は、回折の理論に従って方向性を持って散乱する。
その様子は、第14図に示すとおりである。この領域の
異物を検出するためには、異物からの散乱光が分布を持
つため、検出器のNAを十分に注意して決定する必要があ
る。
第22図にレチクル6上の異物70に対し、レーザ照明22
21を行った場合の回折光の方向を示す。回折光は、0次
回折光2222,1次回折光2223,さらに角度θだけ2次回折
光……と続く、 0次回折光2222は、レーザ照明2221の正反射光であ
り、異物の散乱光を検出するということは、1次以上の
回折光を検出することになる。
ここでθは、回折の式から dsinθ=λで求められる。
検出光学系の必要なNAを、最も条件の厳しいπd/λ=
4の場合について求める。
π・d/λ=4 d/λ=1.27 λ/d=0.79 sinθ=λ/dより θ=sin-1(0.79) =52゜となる。
これは、回折光の間隔が最大で52゜になることを意味
し、従って、52゜以上の開口を有する検出光学系を用い
れば、最低でも1次の回折光だけは検出できることにな
り、異物は見逃しとはならない。
第23図において、 (n:光路の屈折率、空気ではn≒1)で検出系対物レン
ズ41のNAは求められ、 となる。
よって、おおむね0.44より大きなNAを持つ検出系によ
り異物からの散乱光を見逃しなく検出できる。
この場合、NAが大きい程検出に余裕が出来、またレー
リー領域の異物の検出にも都合が良くなる。
逆にNA≧0.44を満たさない場合でもNA=0.4程度なら
ば、回折光にある程度の幅があるため、実用上は異物の
検出は可能である。
そこで本発明では、粒子のにより初めてN.A.が0.4以
上の高開口数の検出光系を用いた異物検出が可能とな
り、これらの検出見逃しが低減できる。
本発明は、レチクル等の回路パターンが縦・横・斜め
の3方向の直線および該直線の交差部で構成されている
ことに着目してなされている。前記回路パターンが、指
向性のよいレーザ光等で斜方から入射角i(i<90゜)
で照射された場合、回路パターンの直線部分からの回折
光のフーリエ変換像は、照明視野内の回路パターンの位
置によらず、フーリエ変換像面上の特定の位置へ細い直
線状に集光され、一方、異物からの散乱光はフーリエ変
換像面上の特定の位置へ偏らないことが知られている。
ところが、前記回路パターンの交差部分および微細構造
部分からの回折光の強度変化については明らかにされて
おらず、今回発明者等の行った回路パターンの存在し得
るすべての交差部分および微細構造部分の形状について
測定により、同一の形状の回路パターンの交差部分およ
び微細構造部分を同一の入射角度の光源で照射した場合
でも、光源が回路パターンを照明する方向によって回路
パターンからの回折光の強度が著しく変化することが明
らかにされた。
上記測定結果に基づき、前記検査ステージ部上に載置
した基板の回路パターンを、180゜方向をずらして対向
位置に配置した独立した光源を有する第1および第2の
照明系によりそれぞれ斜方から入射角iで照射すると、
該照射で回路パターンの同一位置に発生した散乱光およ
び回折光は、前記検出光学系により集光されて照射方向
別に光線分離され、分離後の各フーリエ変換面上に配置
した空間フィルタにより回路パターンの直線部分からの
回折光を遮光して除去し、逆フーリエ変換像が作成され
て照明系別の各検出器上に結像して検出される。各検出
器の出力は、しきい値を設定した前記信号処理系におけ
る第1および第2の2値化回路によりそれぞれ2値化さ
れ、論理積回路により該2値化出力の論理積がとられ
る。この論理積をとることにより前記回路パターン上の
サブミクロンオーダーの異物が回路パターンから分離し
て検出され、異物のみを検出することが可能になる。
〔実施例〕
以下本発明の一実施例の構成を第1図を参照して説明
する。図において、1は検査ステージ部で、検査ステー
ジ部1は、ペリクル7を有するレチクル6を固定手段8
により上面に固定してZ方向に移動可能なZステージ9
と、Zステージ9を介してレチクル6をX方向へ移動さ
せるXステージ10と、同じくレチクルをY方向へ移動さ
せるYステージ11と、Zステージ9、Xステージ10、Y
ステージ11の各ステージを駆動するステージ駆動系12
と、レチクル6のZ方向位置を検出する焦点位置検出用
の制御系13とから構成されており、各ステージは、レチ
クル6の検査中常に必要な精度で焦点合せ可能に制御さ
れるようになっている。
Xステージ10およびYステージ11の走査速度は任意に
設定することができるが、例えば、Xステージ10を、約
0.2秒の等加速時間と、4.0秒の等速運動と、0.2秒の等
減速時間とに設定し、約0.2秒の停止時間を1/2周期で最
高速度約25mm/秒、振幅105mmの周期運動をするように形
成し、Yステージ11を、Xステージ10の等加速時間およ
び等減速時間に同期してレチクル6を0.5mmずつステッ
プ状にY方向に移送するように構成すれば、1回の検査
時間中に200回移送することにすると、約960秒で100mm
移送することが可能となり、100mm四方の領域を約960秒
で走査することができることになる。
また、焦点位置検出用の制御系13は、エアーマイクロ
メータを用いるものでも、或いはレーザ干渉法で位置を
検出するものでも、さらには縞パターンを投影し、その
コントラストを検出する構成のものでもよい。なお、座
標X,Y,Zは、図に示す方向である。
2は第1の照明系、3は第2の照明系で、両者は独立
しており、かつ同一の構成要素からなっている。21,31
はレーザ光源で、両者の波長は、レーザ光源21の波長λ
1が例えば830nm、レーザ光源31の波長λ2が例えば780
nmと異なっている。22,32は集光レンズで、レーザ光源2
1,31より射出された光束をそれぞれ集光してレチクル6
の回路パターン上に照射する。この場合、回路パターン
に対する両者の入射角iは、後述する検出光学系4の対
物レンズ41を避けるため約30゜より大きくし、また、被
検体がペリクル7を装着したレチクル6の場合は、ペリ
クル7を避けるためにほぼ80゜より小さくしなければな
らないことから、おおよそ30゜<i<80゜にされる。
上記第1の照明系2および第2の照明系3の詳細な構
成例を、第2図および第3図を参照して説明する。第2
図は第1の照明系2の構成例を示す図(この場合、第2
の照明系3側は同一構成のため省略している)、第3図
はレーザ光源21より射出された光束を任意のZ位置でX
−Y面に平行に断面した状態を示す斜視図である。図
中、第1図と同符号のものは同じものを示す。21は半導
体レーザを使用したレーザ光源である。221はコリメー
タレンズ、222は1/2波長板、223は凹レンズ、224はシリ
ンドリカルレンズ、225はコリメータレンズ、226は集光
レンズで、符号221〜226により集光レンズ22を形成して
いる。レーザ光源21は、横(X方向)約1μm以下×縦
(Y方向)数μm〜数十μmの長方形の発火点211を有
しており、発火点211より射出されたレーザ光が、発火
点211における回折現象により横(X方向)に広い角度
で回折して、第3図に示すような楕円形状の光束212を
形成し、また、レーザ光源21は半導体レーザを使用して
いるため、通常、Y方向に磁界ベクトルを持つ直線偏光
を有しており、さらに、検査視野15にレーザビームを小
さく絞り込むためには、レーザ光源21より広い角度でコ
リメータレンズ221に射出する必要がある。このような
ことから、シリンドリカルレンズ224により第2図に示
すY′方向が長手方向になるレーザビームを形成し、光
路中に1/2波長板222を設けてP偏光のレーザビームを90
゜回転してS偏光にしている。S偏光にするのは、例え
ば、入射角iが約60゜の場合、ガラス基板上における反
射率が、P偏光の場合より約5倍程度高い(例えば、久
保田 広著、応用光学(岩波全書)第144頁)からで、
より小さい異物まで検出することが可能になる。
そして第1の照明系2の照度を高めるため、集光系の
開口数(NA)を約0.1にし、レーザビームを約10μmま
で絞り込んでいるが、この絞り込みにより焦点深度は約
30μmと短くなり、第2図に示す検査視野15の全域S
(約500μm)に焦点を合わせることができなくなる。
しかし、本実施例においてはこの対策として、シリンド
リカルレンズ224を第2図に示すX′軸回りに傾動させ
(第2図はすでに傾動した状態を示す)、例えば、入射
角iが60゜でも検査視野15の全域Sに焦点を合わせるこ
とが可能になっており、後述する信号処理系5の検出器
51,551に一次元固体撮像素子を使用した場合に、検査視
野15の検査領域が検出器51,551と同様に直線状になって
も、該直線状の検査領域を高い照度で、かつ均一な分布
で照明をすることが可能になる。
さらに、シリンドリカルレンズ224を第2図に示す
X′軸回りに加えて、Y′軸回りにも傾動させると、例
えば、入射角iが60゜で任意の方向から照射した場合で
も、検査視野15の全域S上を高い照度で、かつ均一な分
布の直線状の照明をすることが可能である。
4は検出光学系で、検出光学系4は、レチクル6に相
対する対物レンズ41、対物レンズ41の結像位置付近に設
けられる視域レンズ(以下フィールドレンズという)4
3、フィールドレンズ43により集光された光束の波長分
離用のミラー42、レチクル6の検査視野15に対するフー
リエ変換の位置に設けられた帯状の遮光部とその外部に
透過部を有する空間フィルタ44,444、および結像レンズ
45,445とからなっており、レチクル6上の検査視野15を
後述する信号処理系5の検出器51,551に結像するように
構成されている。フィールドレンズ43は、対物レンズ41
上の上方の焦点位置46を空間フィルタ44,444上に結像す
るものである。
5は信号処理系で、信号処理系5は、前記検出器51,5
51と、該検出器51,551の出力を2値化処理する第1およ
び第2の2値化回路52,552と、論理積回路53と、マイク
ロコンピュータ54と、表示手段55とからなっている。
検出器51,551は、例えば電荷移動型の一次元固体撮像
素子などにて形成され、Xステージ10を走査しながらレ
チクル6上の回路パターンからの信号を検出するが、こ
の場合、レチクル6上の異物が存在していると、入力す
る信号レベルおよび光強度が大きくなるため、検出器5
1,551の出力も大きくなるように形成されている。な
お、前記の如く検出器51,551に一次元固体撮像素子を用
いれば、分解能を維持したまま検出視野を広くすること
ができる利点を有するが、これに限定されることなく2
次元のもの、或いは、単素子のものでも使用可能であ
る。
2値化回路52,552は、2値化のしきい値が予め設定さ
れており、検出器51,551から出力された検出したい大き
さの異物に相当する反射光強度以上の出力値が入力され
た場合に、論理レベル“1"を出力するように形成されて
いる。
論理積回路53は、2値化回路52,552からの信号をとり
こみ、2つの信号の論理積を出力する。また、マイクロ
コンピュータ54は、論理積回路53が論理レベル“1"を出
力した場合に「異物あり」と判定し、Xステージ10およ
びYステージ11の位置情報、単素子ではない検出器51,5
51の場合にその素子中の画素位置から計算される異物の
位置情報および検出器51,551の検出出力値を異物データ
として記憶し、その結果を表示手段55に出力するように
形成されている。
つぎに検査装置の作用について、第4図ないし第10図
を参照して説明する。図中、第1図と同符号のものは同
じものを示す。第4図はレチクル6の検査状況を示す
図、第5図は回路パターンの角度パターンを説明する平
面図、第6図はフーリエ変換面上における散乱光および
回折光の分布状況を示す図、第7図(A)は回路パター
ンのコーナーを示す図、第7図(B)は第7図(A)の
“ア”部の詳細図、第8図は異物からの散乱光検出出力
値と回路パターンからの検出出力値との関係説明図、第
9図は微細構造パターンを有する回路パターンを示す
図、第10図は異物および回路パターンコーナー部から検
出される検出信号の出力値レベルを示す図である。
第4図(A)において、70は固定手段8によりZステ
ージ9上に固定されたレチクル6上の異物、81は回路パ
ターン80の直線部分、82は回路パターン80のコーナー部
である。
レチクル6上を第1の照明系2または第2の照明系3
によって斜方より照射し、発生する散乱光を対物レンズ
41で集光すると、第5図に示すレチクル6上の回路パタ
ーン80と照明系2または3のレチクル6面上への投影像
60との位置関係で定義される角度θが0゜のときの角度
パターン(以下0゜パターンという)の回折光は、対物
レンズ41のフーリエ変換面上では第6図(a)に示すよ
うに帯状に表れる。ここで前記回路パターン80の角度θ
の種類は、0゜,45゜,90゜の角度パターンに限られてい
て、第4図(A)に示すように45゜および90゜のパター
ンからの回折光(b),(c)は、対物レンズ41の瞳に
入射しないため、検出に影響を及ぼすことがない。一
方、異物70からの散乱光は、方向性が無いため第6図
(e)に示すようにフーリエ変換面上の全面に広がる。
このため、フーリエ変換面上に帯状の遮光部と、その外
部に透過部とを有する空間フィルタ44,444を配置して、
第4図(A)に示す0゜パターンからの回折光(a)を
遮光することにより、異物70を回路パターン80と弁別し
て検出することが可能となる。
この構成により高NA検出光学系が初めて実現でき、NA
を0.5に選んだ場合、その開口面積は、低NA検出光学系
の約20倍にもできる。
但し、回路パターンコーナー部分(第4図(D)に示
す。)からの散乱光は、直線状の空間フィルタでは十分
に遮光しきれない。このため従来のような10×20μm2
検出画素で検出を行った場合(第4図(B)に示
す。)、画素中に複数のパターンコーナー部分からの散
乱光が入射してしまい、異物だけを検出することが出来
ない。
そこで本発明では、検出器の画素を2×2μm2にまで
高分解能化し(第4図(C)に示す。)、回路パターン
からの影響を極力排除、0.5μmの異物検出を可能とし
た。またここで、検出器の画素を2×2μm2と設定した
が、この理由は以下に述べるものであり、必ずしも2×
2μm2である必要はない。
この場合の画素の寸法は、レチクル上の最小パターン
寸法Lよりも小さければ良い。
従って、0.8μmプロセスLSIを縮小率1/5のステッパ
で露光する場合のレチクルでは、おおむね0.8×5=4
μm,0.5μmプロセスLSIではおおむね0.5×5=2.5μm
よりも小さい画素で検出すれば良い。
また、実際にはパターンコーナーを十分に小さくでき
る値であれば、さらに大きくても、小さくても良い。
具体的には、検査対象となるレチクル上の最小パター
ン寸法程度が望ましい。この最小パターン寸法程度の大
きさであれば、検出器の1画素に2個未満のコーナーの
みが入ることになり、第10図に示した実験によってもこ
の値で十分である。
さらに具体的には最小寸法が1.5μm程度の64MDRAM用
レチクルでは、1〜2μm程度の画素寸法が望ましい。
今回採用した高NA検出光学系のNAは0.5、これは、従
来装置との比較で、約20倍の面積比となる。
また従来10×20μm2であった検出器の画素を2×2μ
m2にまで高分解能化し、0.5μmの異物検出を可能とし
た。
本発明により、レチクルの回路パターン面を15分で検
査、結果を出力致します。
ところが、第7図(A)に示す回路パターン80の交差
部分にできるコーナー部82は、該部を微視的に見た第7
図(B)に示すように連続的な角度のコーナー820で構
成されているため、コーナー部82からの回折光(d)も
フーリエ変換面上で広がる傾向があり、空間フィルタ4
4,444により完全に遮光することが出来ず第6図(d)
に示すようになる。このため、一つの検出器51または55
1に複数のコーナー部82からの回折光が入射すると、検
出器51または551の出力Vが増大して、異物70との弁別
検出ができなくなる。第8図はこの状態を示したもの
で、複数のコーナー部82からの検出出力値822が単一の
コーナー部82からの検出出力値821に比べて高い値にな
り、図に示す点線90のレベルで2値化したのでは、異物
70からの検出出力値701を分離して検出することができ
ないことを示している。
上記第8図にて説明した不具合点の対策として本発明
では、レチクル6上の検査視野15を対物レンズ41、結像
レンズ45,445等を介して検出器51,551に結像するように
構成し、検出器51,551の寸法と結像倍率を選択すること
により、レチクル6面上における検出視野15を任意の寸
法(例えば2μm×2μm)に設定し、簡易な検出光学
系4でありながら複数のコーナー部82からの回折光が検
出器51,551に同時に入射しないようにしている。しか
し、前記従来の寸法の異物では検出ができても、サブミ
クロンオーダーの異物の検出においては、回路パターン
80の形状によっては一部のコーナー部82との分離検出が
不十分であり、また、LSIの高集積化により、回路パタ
ーン80の通常の構造部分の寸法83よりも微細な第7図に
示すようなミクロンオーダーの寸法84を有する回路パタ
ーンから発生するような回折光は、異物70からの散乱光
と挙動が更に類似して来ているため、異物70を回路パタ
ーンから分離して検出することが一層難しくなってきて
いる。
本発明は、上記第9図に示すようなミクロンオーダー
の寸法84を有する回路パターンに対しても、以下に説明
する対策を有し異物を検出することができるようにして
いる。第8図はその説明図で、図中、701,702はサブミ
クロンオーダーの微小の異物70からの散乱光検出出力
値、864,874,865,875,866,876,867,877は、0゜,45゜,9
0゜の各回路パターンで形成されるすべてのコーナー部8
2からの回折光の検出出力値、861,871,862,872,863,873
は、ミクロンオーダーの寸法84を有する微細構造回路パ
ターンからの回折光の検出出力値をそれぞれ示す。この
うち、701,861,862,863,864,865,866,867は、第1の照
明系2による検出出力値を、また、702,871,872,873,87
4,875,876,877は、第2の照明系3による検出出力値を
示し、例えば861←→871は、回路パターンの同一位置に
おける照明系別の検出出力値で、861が第1の照明系2
による値、871が第2の照明系3による値を示す。ま
た、異物70は、図からもわかるように、回路パターンに
比べて照射方向による散乱光の検出出力値の変動は小さ
い。なお、図中の点線91は、検出出力値のしきい値を示
す。
上記第8図から、同一の回路パターンでも照射される
方向により回折光の出力が大きく異なることが判明し、
しかも、レチクル6面上を180゜方向をずらした対向す
る2方向の斜方から照明した場合、いずれか一方の側の
回折光の出力値は、図中◎印で示すように、サブミクロ
ンオーダーの異物からの出力値よりも必ず小さいことが
分かる。このため、本発明ではレチクル6面上の同一位
置からの上記各出力値を、検出器51と551とにより別個
に検出し、前記◎印で示した値の小さい方の検出出力値
を採用し、2値化回路52と552とにより2値化した後、
論理積回路53で論理積をとり、サブミクロンオーダーの
異物70のみを回路パターン80から分離して検出すること
を可能にしたのである。
第10図に示すように、2値化回路52と552にしきい値9
1を設定すると、しきい値91以上の値は、異物70の検出
出力値701,702と、回路パターンの検出出力値861,863,8
74,875とになるが、これら回路パターンからの2値化出
力は、2値化回路52または552のいずれか一方からのみ
の出力となるため、論理積回路53からは出力されず、従
って異物70のみを回路パターンから分離して検出するこ
とができる。そして、検出時のXステージ10およびYス
テージ11の位置情報のほか、検出器51,551が単素子でな
い場合には、その素子中の画素位置から計算される異物
70の位置情報および検出器51,551の検出出力値が、異物
データとしてマイクロコンピュータ54が管理するメモリ
に記憶されるとともに、該記憶内容が演算処理されてCR
T等の表示手段55に表示される。
従来技術での見逃し異物の例を第11図に示す。これら
の異物は寸法的に本来なら検出されるべき寸法の異物で
ある。
本発明ではこれら従来技術による見逃しのメカニズム
について検討を加え、新規な構成による異物検査方式を
提案する。
第12図に従来装置での問題点について示す。レチクル
上の異物検査装置においては、レチクル上に形成された
回路パターンからの回折光を除去し、異物からの散乱光
だけを検出する方式が、技術の重要なポイントとなる。
そのため、散乱光の偏光状態を解析する方式、複数の
検出器の出力を比較する方式などが開発・実用化されて
いる。しかし、そのいずれもが回路パターンから発生す
る散乱光の影響を避けるため、NA0.1程度の開口の小さ
な光学系を回路パターンからの散乱光を避けた斜方に配
置している。この様な構成では、後で述べる理由によ
り、不規則な形状の異物を見逃しやすいという問題を生
ずる。
ここで用いたNAとは、レンズの開口径と対象物体まで
の距離で決まる。レンズの特性を表現する数値で、具体
的には、右に示す図中のθを用いて、NA=Sinθで求め
られる数値である。
もう一つの問題点は、回路パターンの微細化に対応
し、各種検査技術で補助的に用いられだしたパターン除
去技術である。これらの多くは、検査中に回路パターン
を見つけると、自動的に異物検出器の検出感度を下げる
方式をとっている。このような方式には、回路パターン
の誤検出を減らす一方で、パターンエッジ近傍の異物を
見逃してしまう問題が発生する。
それでは、以下に、これら2つの問題点に対する、本
発明の解決策を述べる。
第14図中の写真1004,1005は、異物へレーザを照射し
たときに発生する散乱光を上方より観察したものであ
る。この写真で注目すべきことは、異物からの散乱光
(e)が方向性をもって分布していることである。この
ため、従来型の低NA検出器1001では、検出器の設置位置
を適正にしないと、異物から発生すする散乱光(e)が
うまい具合に低NAの光学系に入射するとは限らず、見逃
しが発生する。しかも、これらの散乱光の分布の具合は
異物の大きさや形状により異なるため、すべての異物に
対し、低NAの光学系を適正に配置することは事実上不可
能である。
このことを実験的に測定した結果を第13図に示す。
異物を入射角60゜のレーザ光で照明した場合の散乱光
分布を、NAの低い(0.1)検出光学系1001,1002で検出角
を変えながら、上記異物からの散乱光レベルを測定して
示した。この図は、点A1001では検出レベルが検出しき
い値を越えているのに対し、点B1002では検出しきい値
を越えず検出できないことを示している。実異物の散乱
光分布は一定していないため、A,Bのような低開口数の
検出方式では検出性能が安定しないことを示す。
そこで本発明では、開口の大きな高NA検出光学系41に
より様々な散乱光分布を持つ異物からの散乱光を有効に
集光することを考案した。
レーザ21,集光レンズ22,対物レンズ41,フィールドレ
ンズ43,空間フィルタ44,結像レンズ45,検出器51で第15
図のように構成された装置により、レチクル6上の異物
70を検出する際の本発明の効果を第16図に示す。
評価試料には、0.5μmLSIである16MDRAMのレチクル5
枚を用いた。
図では、5枚のレチクルで検出された異物の合計を縦
軸に、検出された異物の寸法を横軸に示している。ま
た、検出された異物のうち従来技術でも検出された異物
については色を変えて示してある。
従来技術の検出能力は、0.8μmとされていた。この
ため、1μmより小さい異物の領域で検出能力に本発明
との差が存在するのは理解できる。しかし、1μmより
大きな異物の領域においても、本発明は、大幅な検出個
数の向上がみられている。その検出率は、従来技術の検
出個数の比で約9倍にもなる。
これは本発明が採用した高NA検出光学系が不規則な形
状の異物に良く対応し、異物からの散乱光を安定して検
出しているためと考えられる。
次に回路パターンエッジに付着した異物に対する検出
状況について説明する。第16図の検出異物を異物の付着
位置別に分類した結果第17図に示す。付着位置は、レチ
クルの回路パターン面を、ガラス部分(透過部分)とク
ロム部分(遮光部分)、そして両者の境界部分であるエ
ッジ部分の3領域に分類した。このうちエッジ部分は最
も異物付着の影響を大きく受け、クロム部分の異物はク
ロム部分上に留まる限り転写に影響を及ぼさない。
転写に最も影響を及ぼす、即ち、最も検出の必要性を
有するエッジ部の異物に対する検出性能が向上している
ことは第17図より明らかである。
ここで述べたクロム部分上の異物を問題にしないとい
う発想を用いると、第18図の様な構成でも可能となる。
この場合、クロム部分上の異物の検出を行うことはで
きないが、転写不良に影響する、ガラス部分、エッジ部
分の異物からの散乱光は透明な基材であるレチクルを通
して行うことができる。
この構成の利点としては、第19図に示す様な断面を持
ったレチクルへの対応がある。
第19図中のレチクルでは、クロムパターン間に、転写
解像度の向上を目的とした位相シフター膜が設けられて
いる。この膜は、透明だが、クロムパターン(厚さ0.1
μm程度)の数倍の大きさの構造を有しているため、膜
のエッジ部1006からの回折光は、クロムパターン・エッ
ジ部からの回折光と比較して大きなものとなる。
しかし、第18図の様に検出系を下方に設けた構成で
は、位相シフター膜から発生する回折光は、レチクル自
身のクロムパターンに遮光され、検出系には入射せず、
異物の検出に影響を及ぼさない。
また、ここでは、レチクルと照明系21および対物レン
ズ41を図に示した配置にしているが、 本発明の目的は、クロム部分上に配置された位相シフ
タ1003のエッジ部1006からの散乱光をクロムパターンを
利用して遮光すれば、達成できるものである。従って、
照明系21、対物レンズ41がレチクル6に対して、それぞ
れ反対側にあれば良いため図20の構成であっても良い。
ただし、位相シフタ1003は厚みがあるため、斜方照明
の場合、図20の構成では、照明できない部分1007が生じ
るため、図18の構成の方が良い。
〔発明の効果〕
本発明は、以上説明したように構成されているので、
レチクル等の回路パターン上に付着したサブミクロンオ
ーダーの微細な異物を、主として光学的な簡単な構成で
容易に回路パターンから分離して検出することができる
顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体概略構成図、第2
図は第1図の照明系の構成例を示す図(この場合対称側
は同一構成のため省略している)、第3図は第2図のレ
ーザ光源より射出された光束を任意のZ位置でX−Y面
に平行に断面した状態を示す斜視図、第4図は本発明に
係るレチクルの検査状況を示す図、第5図は本発明に係
る回路パターンの角度パターンを説明する平面図、第6
図は本発明に係るフーリエ変換面上における散乱光およ
び回折光の分布状況を示す図、第7図(A)は回路パタ
ーンのコーナー部を示す図、第7図(B)は第7図
(A)の“ア”の部の詳細図、第8図は異物からの散乱
光検出出力値と回路パターンからの検出出力値との関係
説明図、第9図は微細構造パターンを有する回路パター
ンを示す図、第10図は異物および回路パターンコーナー
部から検出される検出信号の出力値レベルを示す図、第
11図は従来技術で見逃した異物の実例を示す図、第12図
は従来技術の課題を説明するための図、第13図は従来技
術の課題を説明するための図、第14図は本発明に係る高
NA光学系を用いて異物からの散乱光を検出した図、第15
図は第1図に示す本発明の構成要素の主要部を示した
図、第16図は検出異物寸法に対する検出異物個数を本発
明と従来技術と各々の場合について示した図、第17図は
本発明による検出異物を異物の付着位置別に分類して示
した図、第18図は本発明の他の一実施例を示した概略構
成図、第19図は本発明に係る移送シフタ膜付レチクルか
らの散乱光・回折光を示す図、第20図は更に本発明の他
の一実施例を示した概略構成図、第21図は異物からの散
乱光強度の理論値をレーザ光の波長λ,異物の粒径Dに
よる無次元数πD/λについて示した図、第22図は異物か
らの回折光の方向を示す図、第23図は光学系のNAの定義
を示した図、第24図は異物からの散乱光強度に比例する
散乱断面積を異物径dに対して示した図である。 1……検査ステージ部、2……第1の照明系、3……第
2の照明系、4……検出光学系、5……信号処理系、6
……レチクル、9……Zステージ、10……Xステージ、
11……Yステージ、21,31……レーザ光源、44,444……
空間フィルタ、51,551……検出器、52……第1の2値化
回路、552……第2の2値化回路、53……論理積回路、7
0……異物、80……回路パターン、221……コリメータレ
ンズ、222……1/2波長板、223……凹レンズ、224……シ
リンドリカルレンズ、225……コリメータレンズ、226…
…集光レンズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/956 H01L 21/66

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザビームを発射するレーザー光源と、
    試料を載置する載置台と、該載置台に載置された試料に
    前記レーザ光源から発射したレーザビームを照射する照
    射手段と、該レーザビームの照射により前記試料から発
    射した光を集光レンズを有する光学系を介して検出する
    検出手段と、該検出手段で検出した前記試料から発射し
    た光に基づいて前記試料上の異物を判定する判定手段と
    を備え、前記検出手段の集光レンズのNAを、前記レーザ
    ー光源の波長をλ、検出する最小の異物の寸法をdとし
    たときに、0.24×(λ/d)以上としたことを特徴とする
    異物検査装置。
  2. 【請求項2】前記照射手段は、前記レーザビームを前記
    試料の表面の法線方向から80度以下の角度で前記試料に
    照射することを特徴とする請求項1記載の異物検査装
    置。
  3. 【請求項3】前記試料は表面にパターンが形成されてお
    り、前記検出手段は前記集光レンズで集光された前記試
    料から発射した光を検出する1次元又は2次元の固体撮
    像素子を有し、該1次元又は2次元の固体撮像素子の画
    素の寸法が前記光学系を介して該1次元又は2次元の固
    体撮像素子上に投影される前記試料上に形成されたパタ
    ーンの幅の最小寸法と同じかそれよりも小さいことを特
    徴とする請求項1記載の異物検査装置。
  4. 【請求項4】レーザー光源からレーザビームを発射して
    載置台に載置した試料に照射し、該レーザビームの照射
    により前記試料から発射した光を光学系を介して検出
    し、該検出した前記試料から発射した光に基づいて前記
    試料上の異物を判定する異物検査方法であって、前記レ
    ーザーの波長をλ、検出する最小の異物の寸法をdとし
    たときに、前記試料から発射した光を、NAが0.24×(λ
    /d)以上である前記光学系の集光レンズを介して検出す
    ることを特徴とする異物検査方法。
  5. 【請求項5】前記試料は表面にパターンが形成されてお
    り、該試料から発射した光を集光レンズを有する光学系
    を介して前記パターンの最小寸法と同じかそれよりも小
    さい分解能で検出することを特徴とする請求項4記載の
    異物検査方法。
  6. 【請求項6】レーザー光源からレーザビームを発射して
    載置台に載置した回路パターンを形成した光透過性基板
    に照射し、該レーザビームの照射により前記光透過性基
    板を透過した光を光学系を介して検出し、該検出した前
    記光透過性基板を透過した光に基づいて前記光透過性基
    板上の異物を判定する異物検査方法であって、前記レー
    ザーの波長をλ、検出する最小の異物の寸法をdとした
    ときに、前記光透過性基板を透過した光を、NAが0.24×
    (λ/d)以上である前記光学系の集光レンズを介して検
    出することを特徴とする異物検査方法。
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