JP4808861B2 - 表面評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料表面からの散乱光を用いた表面評価方法に関し、さらに詳しくは、半導体、絶縁体、金属等の試料表面に、光線を照射させ、試料表面からの散乱光により、試料表面の微小な粒子、付着物等の異物、及び粗さ、キズ、線状の溝(「スクラッチ」という)等の微細な凹凸、並びに構造または組成の変化を高精度に評価する方法に関し、特に、例えばSTMやAFMによってのみ測定可能な微小周期を有する粗さであるマイクロラフネスを高精度に評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パターン未形成のシリコンウエハ試料表面の微粒子、付着物等の異物は、He−NeレーザーやArレーザーのようなレーザー光を用いて、集光させた照射光を、試料表面に対して比較的垂直に近い角度で入射させ、表面からの散乱光を、凹面鏡である積分球等を用いて捕捉し、ついで各測定点での散乱光強度を、光電子増倍管(以下、「PMT」と略記する。)を用いて、電気信号に変換させることにより、測定していた。また、異物の位置は、シリコンウエハや照射光を走査させて、照射位置を移動させることにより、測定していた。
【0003】
検出可能な異物の最小粒径は、照射光を絞った時のスポット内の照射光の強度及び異物からの散乱光強度に対するPMTの感度に左右され、現状では検出可能な異物は、粒径100nm(1nmは、1000分の1μmである。)程度である。より微小な粒径の異物の検出を可能とするためには、PMTの感度向上またはPMTへの光量を増やす必要があり、このため、各方向に出される散乱光を積分球等によりできるだけ効率的に捕捉し、かつ測定時間を長くしなくてはならなかった。また、検出できる最小の粒径を示す分解能を向上するためには、照射光のスポット径を絞り、スポット内の光強度を上げる必要があった。
【0004】
上記従来装置では、散乱光を補足するための光路上に、積分球等の光学部品を配置する必要があり、該部品に起因する反射光が迷光となり、S/N比を低下させる。また、露光時間を長くしても、S/N比は変らなかった。また、単一レーザー光を用いて、試料表面からの散乱光強度のみを測定しているだけであり、異物と微細な凹凸とを識別することができず、シリコンウエハのミラー面のような非常に平滑な面を評価するには不都合であった。
【0005】
最近、従来の垂直に近い角度からの照射光に加えて、斜め方向からの照射光を併用して、垂直に近い角度からの照射光による結果と比較して、異物と微細な凹凸とを識別する方法が提案されている。しかしながら、異物と微小な凹凸との識別はできるものの、分解能は、従来と同様であり、なお不十分であった。また、照射光が2種類あり、複雑な装置構成であった。さらに、散乱光を捕捉する光路上に配置した光学部品による反射光が迷光となり、S/N比を下げる要因となっていた。
【0006】
特開平11−281543号公報では、楕円面鏡集光器を備えた装置を用いることにより、散乱光を捕捉する工夫がなされ、nmオーダーの異物の検出が可能となった。しかしながら、該装置を用いても、従来と同様、測定時間が極端に長くなってしまうという問題が残されており、また、照射光が単一であり、S/N比については、前記の従来技術と大きな違いはなく、シリコンウエハのミラー面のように非常に平滑な表面の粗さ、つまり極端に微細な凹凸(マイクロラフネス)を評価するためには不十分なものであった。
【0007】
一方、AFM、STM等の装置を用いた場合、試料表面の異物やマイクロラフネスとの識別、あるいは表面形状の測定はできるものの、測定領域が極めて狭い範囲に限られ、シリコンウエハ等の試料表面を、広い範囲にわたって、マイクロラフネスレベルで評価するには不都合であった。
【0008】
上記のような問題点を解決し、試料表面の異物や微細な凹凸との識別が短持間かつ容易にでき、シリコンウエハのミラー面のような非常に平滑な試料表面を、広い範囲にわたって、短時間かつ容易に、マイクロラフネスレベルで、高精度に評価できる方法が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決し得る、試料表面の異物や微細な凹凸、あるいは構造または組成の変化を、広い範囲にわたり、短時間かつ容易に識別でき、マイクロラフネスレベルで、高精度に評価することができ、金属、絶縁体、半導体等の幅広い試料に対して非破壊測定が可能な表面評価方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、試料表面の異物や微細な凹凸、あるいは構造または組成の変化を、広い範囲にわたり、短時間かつ容易に識別し、マイクロラフネスレベルで、高精度に評価できる表面評価方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、反射光を最小限に抑え、散乱光のみを発生させる入射角度の照射光を、試料表面に照射させ、試料表面からの散乱光を、試料表面に対して法線方向かつ対抗する位置に配置された結像レンズにより、CCDに収束させた後、該CCDにより、収束された散乱光強度に応じた電気信号に変換させ、記録、解析し、表面粗さであるマイクロラフネスを評価することを特徴とする表面評価方法である。
【0012】
また、本発明は、反射光を最小限に抑え、散乱光のみを発生させる入射角度の照射光を、試料表面に照射させる光照射手段と、試料表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された、試料表面からの散乱光を収束させる結像レンズ及び該結像を電気信号に変換させるCCDからなる散乱光検出手段と、CCDからの電気信号を記録、解析する記録手段とを備えた表面評価装置を用いて、表面粗さであるマイクロラフネスを評価することを特徴とする表面評価方法である。
【0013】
本発明は、光源からのレーザー光を偏光面調整させ、かつ試料表面に対してブリュースター角に近い角度で照射光を入射させ、結像レンズ及びCCDへの反射光を最小限に抑えながら、散乱光のみを効果的に発生させると共に、さらに、試料の測定領域よりも小面積に集光させた照射光を走査させることにより、該測定領域を均一な光強度で照射し、測定時のノイズとなる迷光、反射光や光量のバラツキを最小限に抑えることによって行われる。
【0014】
また、本発明は、試料表面の状態により大きく依存する散乱光強度の変化に対して、照射光の光量及び/またはCCDへの露光時間を調整することにより、CCDへの露光量を常に最適化し、散乱光強度の変化への追従性がよく、ダイナミックレンジが広い。
【0015】
【作用】
図1は、本発明の測定原理を示す模式図である。以下、図1を参照して、本発明の測定原理について説明する。
【0016】
試料ステージ2の上に載置された試料3表面に対して斜め上方から入射させた照射光1は、ほとんどが試料3内部を進み、ごく一部が反射光として逆方向に出て行く。照射光1は、試料3表面に対し法線方向かつ対向する位置に配置した、結像レンズ4及びCCD5への反射光を最小限に抑えながら、散乱光のみを効果的に発生させる入射角度θで、試料3表面に照射される。照射光1の入射角度θは、具体的には、試料の種類により決まるブリュースター角に近い角度であり、シリコンの場合、76度である。
【0017】
図2は、シリコン試料における、P偏光(光偏光面が入射面に対して平行な光)及び/またはS偏光(光偏光面が入射面に対して垂直な光)の照射光1の入射角度θに対する反射光の反射率の理論値及び実験値である。図中、縦軸は、反射光の反射率を、横軸は、試料表面に対する照射光の入射角度θを表す。S偏光では、照射光の入射角度θを90度まで漸増させるに従い、反射率は単調に増加するが、P偏光では、76度までは、反射率が漸減し、76度でほぼ0となった後、急激に1に上昇する。反射率は、理論値、実験値共に同様の挙動であった。すなわち、照射光にP偏光を用いて入射角度θを76度付近とすることにより、迷光の原因となる反射光を最小限に抑えて、散乱光のみを効果的に発生させ、捕捉することが可能となり、非常にS/N比のよい状態での測定が可能となり、高感度な測定ができる。
【0018】
試料3表面に、異物や微細な凹凸、あるいは構造や組成の変化等が存在する場合、照射光1が照射された部分より散乱光が発生する。発生した散乱光は、結像レンズ4により、CCD5に結像される。CCD5は、散乱光強度に応じた強さの電気信号を発生させると共に、各測定部分に対応する散乱光強度に対応する画像を、モニターに表示する。このCCD画像を記録、解析することにより、試料表面に存在する、異物、微細な凹凸、組成の変化やそれらの分布を測定し、例えばSTMやAFMによってのみ測定可能な微小周期を有する粗さであるマイクロラフネスレベルで、試料表面を評価することができる。
【0019】
試料3表面がシリコンウエハのミラー面のように平滑な場合、表面粗さによる散乱光は、極めて微弱となり、一方、粗い場合には、大きくなる。散乱光強度は、試料3の表面状態により大きく依存するため、CCD5からの電気信号が不十分であったり、逆に飽和してしまう恐れがある。このような場合には、照射光1の光量及び/またはCCD5への露光時間を調節して、CCD5への露光量を、常に最適状態に保持することにより、常に高感度で高精度な測定ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、実施例に基き、説明する。なお、本発明は、実施例によりなんら限定されない。
【0021】
1.本発明に用いられる表面評価装置
図3は、上記測定原理を用いて構成した、本発明に用いられる表面評価装置である。また、図4は、試料と結像レンズとの間にスリットを配置させた時の模式図である。以下、図3を参照して、本発明について説明する。
【0022】
光源であるArイオンレーザー6(波長:488nm、出力:0.1〜1.6W可変)から射出させた単一レーザー光は、減光フィルター8により、光量を調節した後、2分の1波長板9により、P偏光またはS偏光に偏光面調整される。通常、P偏光を用いるが、試料表面からの散乱光が強い場合には、S偏光の成分も入れて調整される。
【0023】
ついで、偏光面調整した単一レーザー光は、照射光1走査用のX−Yスキャナー7を経た後、集光レンズ10により、試料3表面上で適当な大きさのスポットとなるように集光した照射光1を、試料ステージ2の上に載置した試料3表面に、反射光を最小限に抑えて、散乱光のみを効果的に発生させる、ブリュースター角に近い角度で、斜め上方より入射させる。
【0024】
試料3表面への照射光1は、ほとんどが試料3内部を進行し、ごく一部のみが反射光となり、照射光1と逆方向に進む。反射光は、他の構造物に再反射して迷光となったり、試料3表面あるいは結像レンズ4やCCD5に再照射してノイズとなるため、迷光防止用遮蔽板13が設置されている。
【0025】
試料3表面から発生した散乱光を、試料3表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置した、焦点可変の結像レンズ(口径10mm)4により、CCD5に結像させる。ついで、CCD5に結像した散乱光を、その強度に応じた強さの電気信号に変換させる。CCD5は、ノイズ低減のため、ペルチェ素子を用いて冷却させて、暗電流を抑制している
【0026】
CCD5により変換された電気信号は、パソコン11により、画像処理され、モニター12に、発生した散乱光の強度分布に対応したCCD画像が表示される。このCCD画像を記録、解析することにより、試料表面の異物、微細な凹凸、組成の変化やそれらの分布を測定し、マイクロラフネスレベルで、高精度な評価が行われる。
【0027】
試料ステージ2は、該ステージ上に載置した試料3を、X−Y−Z方向に位置調整し、試料3の測定位置を移動させるものである。
【0028】
ガルバノ・ミラーを2段組み合わせたX−Yスキャナー7は、試料3表面の測定領域に、照射光1を走査させ、測定領域を均一照射するためのものである。X−Yスキャナーにより、試料3の測定領域(縦×横:600nm)よりも小面積に集光させた照射光1を、該測定領域の約2倍の領域に走査させる。
【0029】
図5は、シリコンウエハ表面の測定領域(縦×横:600μm)に対して、縦×横1500μmの領域について、矩形に76.7μmピッチで、楕円形状の100μm程度のP偏光の単一レーザー光(出力:0.43W)を走査させて、シリコンウエハ表面の測定領域に均一照射させた時の散乱光のCCD画像(a)及び走査線上の散乱光強度分布である。1走査当りの走査時間は、1.06秒であり、またCCD5露光時間は、63.6秒であった。図5(a)のCCD画像は、1018×1000画素で構成され、各画素の輝度は4096階調(「カウント数」とする。)である。また、図5(b)及び(c)中、縦軸がカウント数、横軸が(b)X方向分布、(c)Y方向分布を示す。図5(a)のCCD画像では、散乱光の強度分布が明るさの分布として表示されている。また図5(b)及び(c)の散乱光の強度分布は平坦であり、測定領域を均一照射することができ、より高精度な測定ができることを示している。
【0030】
X−Yスキャナー7としては、ガルバノ・ミラーの2段組合せ以外に、ポリゴンミラーを利用する方法やレーザーの直接振幅等が用いられる。
【0031】
図6、図7は、上記と同様にして、他のシリコンウエハについて測定したCCD画像の例である。図6には、スクラッチによる線状の連続した輝点が多数見られる。これらは、シリコンウエハ表面に存在する微細な溝であり、シリコンウエハの加工工程での損傷によるものと考えられる。
【0032】
図7の中心付近の輝点は、シリコンウエハ表面の異物による散乱光であり、線状の連続した輝点は、レーザー光の入射方向に対して、直角方向に近いスクラッチであり、粒径30nmまでの異物による点状散乱と、溝幅1nmオーダーのスクラッチによる線状散乱とが容易に識別できる。
【0033】
図8は、試料3表面に異物が存在する場合のCCD画像である。図8(a)は、CCD5からの画像であり、また、図8(b)は、(a)のCCD画像を拡大したもので、(b)中の輝点は、試料表面の粒子による散乱光であり、異物の位置を示している。
【0034】
また、図8(c)は、図8(b)のCCD画像内の各走査線上の散乱光の強度分布である。図中、縦軸がカウント数を、横軸がX方向分布を示しており、散乱光強度に応じた凸凹の波形が記録されている。図8(b)のように試料3表面に異物がある時、異物の位置(A1、A2及びA3)に対応して、散乱光強度の極大値が現れる。この極大値の高さは、異物の粒径に対応しており、異物の粒径を推定することができる。
【0035】
図9は、図8(a)の全測定領域における、走査線上の異物による散乱光強度別発生個数の度数分布である。図中、横軸の散乱光強度(a.u.;任意尺度の意味である。)は、図8(a)のCCD画像より、異物による散乱光を識別し、つぎに、各輝点の最高カウント数の座標を求め、その座標を中心に7×7画素を積算した値から、適宜設定されるしきい値(この場合、150カウント)を引いた値であり、縦軸は、その発生個数を示している。図9により、試料の測定領域内に、どのような粒径の異物が何個存在しているか識別できる。
【0036】
本発明に用いる表面評価装置において、図4に例示したように、試料3表面からの散乱光を結像するための結像レンズ4の前または後に、試料3表面及び照射光1の入射方向に対して平行に、幅1mmのスリットを配置させた場合、照射光1の入射方向と試料3表面のスクラッチ方向の測定可能な相対角度が±5度程度となり、スリットなし時の±15度程度と比べ、狭く制限されることと引き換えに、S/N比が向上し、スリットなしでは検出されなかったスクラッチが検出でき、好ましい。
【0037】
従来のSTMやAFMでも、試料表面の溝幅が数十nm程度までのスクラッチが測定できるが、測定領域が極めて狭い範囲に限られてしまうという欠点を有していた。本発明では、シリコンウエハ等の試料の広い範囲にわたって、断面形状については分からないものの、上記よりさらに1桁以上の微細なスクラッチを、短時間かつ容易に識別することができる。
【0038】
2.試料のマイクロラフネスの評価
本発明に用いられる上記装置を用いた場合に、前記「2.本発明に用いられる表面評価装置」で示したように、試料表面の異物や微細な凹凸の位置に対応する点状または線状の輝点が表示された図8のような(a)、(b)「CCD画像」、及び(c)「走査線上の散乱光の強度分布」のデータが得られる。
【0039】
以下、上記の測定データより、試料の表面粗さであるマイクロラフネスを評価する方法について、説明する。
【0040】
図8(c)「走査線上の散乱光の強度分布」データにおいて、図8(b)の「CCD画像」中、異物や微細な凹凸の位置に対応する点状または線状の輝点で表示された散乱光強度の極大値がある場合、図8(c)中の該極大値の部分を取り除いたバックグラウンドレベルが、試料の表面粗さを反映している。なお、この場合、表面粗さに相応した散乱光強度が得られるということであり、散乱光強度の分布曲線が断面形状を表すものではない。
【0041】
図8(c)において、散乱光強度の極大値を取り除く補正をした後、散乱光強度分布の平均値を求めることにより、試料のマイクロラフネスが数値化されたデータとして得られる。
【0042】
異物や線状の微細な凹凸による輝点の密度が小さい場合には、上記補正の影響が十分小さく、無視しても差支えなく、異物の付着が極めて少ない、清浄なシリコンウエハのミラー面等においては、実際上、補正しなくとも、十分に評価することができる。
【0043】
マイクロラフネスは、散乱光強度の分布を表すカウント数で得られる。同一条件で測定した場合には、得られたカウント数を、そのまま比較することが可能であるが、測定条件が異なる場合には、入射角度θは一定として、照射光強度及び露光時間をもとに標準化したカウント数として、以下に示した数式により求め、比較される。
【0044】
【数1】
Figure 0004808861
【0045】
上記標準化により、測定条件が異なる場合における、表面粗さの比較が可能となり、また粗い面から平滑な面までの広い範囲を比較することができる。
【0046】
図10は、上記方法に準じて、標準化したカウント数を求め、種々のメーカーにより製造されたシリコンウエハまたは各工程別のシリコンウエハのマイクロラフネスを比較した結果である。
【0047】
図10(a)は、A〜Fのメーカーにより製造された、同一仕様のシリコンウエハのミラー面のマイクロラフネスを、各々5箇所について、評価、比較したものである。各ウエハは、その結晶方位に対しての方向、位置決めを行うための直線部分(「オリフラ」という。)と平行な直径上で2cmの間隔で等間隔に並ぶ5点(中心を含む)を、同一の測定条件(照射光強度:0.43W、入射角度:76度、露光時間:63.3秒)で測定した。図10(a)中、縦軸は、標準化したカウント数を示す。図10(a)では、各メーカーによるシリコンウエハのマイクロラフネスの相違が、数値化されたデータとして明瞭に表されている。
【0048】
また、図10(b)は、同一仕様のシリコンウエハについて、各工程におけるマイクロラフネスを、工程別に比較したものである。工程2は、最終研磨直後のシリコンウエハを評価したものであり、最も表面粗さが小さくなっている。工程3は、工程2のシリコンウエハを、温水及びエッチング作用の極めて少ない薬液で洗浄したものであり、また工程3+2次洗浄は、工程3の後に通常のSC1洗浄を行ったものである。図10(b)中、縦軸は、標準化したカウント数を示す。図10(b)では、各工程におけるシリコンウエハのマイクロラフネスの相違が、数値化されたデータとして明瞭に表されている。
【0049】
また、本発明は、異物の検出や微細な表面の凹凸、表面粗さの評価以外にも、散乱光強度を変化させるものであれば、比較、評価可能である。
一例としては、同一の材料であっても、結晶、多結晶、非晶質(「アモルファス」という。)等のように結晶性の変化に伴い、反射率とともに散乱光強度が変化するものがあげられる。また、試料表面に付着している有機物等の変化、あるいは複数の原材料を混合させた試料における原材料の組成比率の変化により、散乱光強度が変化するものがあげられる。
【0050】
本発明では、従来、AFM,STM等の装置でしか評価できなかったシリコンウエハ等のマイクロラフネスが、広い範囲にわたって、簡単かつ容易に、非破壊で、定量的に評価することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、従来と比べ、凹面鏡である積分球等の光学部品が不要の単純な光学系で光路上に光学部品がなく、かつ簡単な構成の装置を用いるので、迷光が発生せず、非常に優れたS/N比で測定でき、高精度の表面評価を行うことができる。
【0052】
本発明は、試料表面の異物や微細な凹凸、あるいは構造または組成の変化が、広い範囲にわたり、短時間かつ容易に、各々識別することができる。本発明は、粒径30nmまでの異物が、高速でカウント、マッピングでき、また、溝幅が1nm程度までの、キズ、スクラッチを検出することができる。
【0053】
本発明は、評価装置の感度調節が短時間かつ容易にでき、常にCCD露光量を最適化することができ、散乱光強度の変化に対して追従性がよく、ダイナミックレンジが広い。
【0054】
本発明は、従来、不可能とされたシリコンウエハのミラー面等の、広い範囲にわたるマイクロラフネスの比較が、簡単かつ容易に、定量的に行うことができる。
【0055】
本発明は、金属、絶縁体、半導体等の幅広い試料に対する非破壊測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定原理を示す模式図である。
【図2】シリコンウエハ試料における、照射光の入射角度に対応する反射光の反射率の理論値及び実験値を示す図である。
【図3】本発明の測定原理を用いて構成した表面評価装置を示す模式図である。
【図4】試料と結像レンズとの間に、スリットを挿入させた場合の模式図である。
【図5】P偏光の単一レーザー光を走査し、シリコンウエハ表面の測定領域を均一照射して測定した結果を示す図である。
【図6】P偏光の単一レーザー光を走査し、シリコンウエハ表面の測定領域を均一照射して測定したCCD画像である。
【図7】P偏光の単一レーザー光を走査し、シリコンウエハ表面の測定領域内を均一照射して測定したCCD画像である。
【図8】シリコンウエハ試料3表面の異物による散乱光を測定した「CCD画像」及び図8(b)の各「走査線上の散乱光の強度分布」を示す図である。
【図9】図8(a)の全測定領域における、異物による散乱光強度別発生個数の度数分布を示す図である。
【図10】メーカー別シリコンウエハの表面粗さ、及び各工程におけるシリコンウエハのマイクロラフネスを比較した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 照射光
2 試料ステージ
3 試料
4 結像レンズ
5 CCD
5’ CCD制御盤
6 光源(Arイオンレーザー)
7 X−Yスキャナー
8 減光フィルター
9 2分の1波長板
10 集光レンズ
11、11’ パソコン
12 モニター
13 迷光防止用遮蔽板
14 スリット

Claims (1)

  1. 反射光が最小となる入射角度の照射光を、試料表面に照射させ、試料表面からの散乱光を、試料表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された結像レンズにより、CCDに結像させた後、該CCDにより、結像された散乱光強度に応じた電気信号に変換させ、記録、解析し、マイクロラフネスを評価し、
    散乱光強度が、試料表面への照射光強度と露光時間とを乗じて得られる値に対する比として標準化されることを特徴とする表面評価方法。
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