JP2002362967A - シリカガラス焼結体からなる半導体ウエハエッチング用部材とその製造方法 - Google Patents

シリカガラス焼結体からなる半導体ウエハエッチング用部材とその製造方法

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JP2002362967A
JP2002362967A JP2001171348A JP2001171348A JP2002362967A JP 2002362967 A JP2002362967 A JP 2002362967A JP 2001171348 A JP2001171348 A JP 2001171348A JP 2001171348 A JP2001171348 A JP 2001171348A JP 2002362967 A JP2002362967 A JP 2002362967A
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etching
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Isao Hiwatari
勇雄 樋渡
Masumi Nakajima
真澄 中島
Sumihiko Kurita
澄彦 栗田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーティクルなどの発塵が少なく、耐汚染性
および耐エッチング性に優れ、かつ低コストのシリカガ
ラス焼結体からなる半導体ウエハエッチング用部材の実
用化を達成すること。 【解決手段】 NaとKとCaとFeとCuとNiとC
rとMnの各々の含有量が1ppm以下で、平均気孔径
が500μm以下のものは、耐エッチング性並びに耐汚
損性に優れた緻密な表面を有し、残留気孔内のガス量が
低減化されているあるシリカガラス焼結体によって実現
した。高純度シリカ粉末を半導体ウエハエッチング用部
材の形状に成形した後、融点以下の温度で理論密度の9
5%以上に焼成することで溶融シリカガラスとほぼ同等
の特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ製造
に用いられるシリカガラス焼結体からなる半導体ウエハ
エッチング用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ製造工程において、アルカ
リ金属や遷移金属等の不純物の混入は半導体ウエハの品
質低下をもたらすため、その工程に用いられる部材も高
純度であることが要求される。
【0003】この半導体ウエハ製造工程において、シリ
カ粉末を溶融し、ガラス化した溶融シリカガラスが用い
られている。この溶融シリカガラスは主成分が半導体ウ
エハ材と同じSiからなり、また、不純物含有量も少な
く、純度において優れている。
【0004】また、近年、半導体チップの生産性向上の
ために、半導体ウエハの寸法は年々大型化しており、そ
れに伴い、シリカガラス部材の寸法も大型化している。
しかし、その製造方法は、通常、シリカ粉末を溶融し、
インゴットとなした素材から切断や切削等の加工を行う
ものであるため、素材の大半が無駄になり、部材の大型
化に伴い、そのロスも大きくなる。特にリング形状等の
中空部材においてそのロスは著しい。
【0005】これを解決するために、特開平11−22
8166号公報には、リング形状の型にシリカ粉末を詰
め、上から荷重を加えて加熱溶融させ、リング形状の素
材を製造する方法が開示されている。しかしながら、こ
れはシリカ粉末を溶融させるために融点以上、すなわち
1700℃以上の高温に加熱する必要があるため、高い
エネルギーが必要である。また、比較的単純な形状物し
か作製できないことと、型からの離型のために使用する
離型材の跡が残るため、表面の面粗さは大きく、表面仕
上げのための加工が必要である等の問題がある。また、
その仕上げ加工によりシリカガラス表面に無数のマイク
ロクラックが発生するため、半導体ウエハとの接触によ
ってそのマイクロクラックから微細なパーティクルが半
導体ウエハに付着する問題も生じる。さらには、加工工
具からの金属、砥粒や研削液等がそのマイクロクラック
に進入して不純物混入の原因ともなる。
【0006】また、これらの問題の解決手段として特開
2000−16821号公報には、加工後、弗酸等を用
いたディープエッチング処理によるマイクロクラックの
溶解や酸水素火炎でマイクロクラックを溶融する等の処
理方法が提案されている。また、特開平9−20263
0号公報にはマイクロクラック除去のためにサンドブラ
スト処理を行うことが提案されている。
【0007】しかし、これらの方法は新たな工程の追加
となるため、シリカガラス部材の製造コストが嵩むこと
になる。シリカガラス部材のコスト増は、当然半導体ウ
エハのコスト増にもつながるため、これらの工程を改善
したシリカガラス部材の低コスト化が望まれる。とく
に、シリカガラス製の半導体ウエハエッチング用部材で
は、毎回の半導体ウエハのエッチング処理に伴い、部材
自身もエッチングされており、消耗度に応じて取り替え
る必要があるので、低コスト化はより強く要望される。
【0008】この低コスト化のためには、原料粉末を成
形した後に焼成する焼結法が原料のロスを省くために有
効であり、これをシリカガラス焼結体の製造に適用する
ことが、特公平7−76100号公報、特公平7−76
101号公報、特開平9−48623号公報によって公
知である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常、アルミ
ナやジルコニア等に代表されるセラミックス焼結体は、
その製法上、焼結体内部の気孔の残留を完全に防ぐこと
が困難であり、その理論密度に到達することは容易では
ない。同様に、シリカガラス焼結体には溶融シリカガラ
スでは見られない微細な気孔が残存する。
【0010】また、シリカガラスの焼成温度である14
00℃から1700℃の温度範囲は、シリカガラス焼結
体中にクリストバライトの結晶構造が生成する。溶融法
では、更に高温域での熱処理により生成したクリストバ
ライトが溶解されるが、焼結法では、更なる熱処理は軟
化による形状変形のため行うことができずにクリストバ
ライトが残存する。このクリストバライトは室温までの
冷却時、結晶構造に変態を生じるため、その際に成形体
割れや、マイクロクラックの発生原因となる。
【0011】従って、シリカガラス焼結体を半導体ウエ
ハエッチング処理用の部材として使用した場合、焼結体
表面の開気孔へプラズマが集中することや、電磁場の影
響による焼結体内部の閉気孔内の部分放電による著しい
侵食や成形体割れの発生の問題、エッチングにより焼結
体内部の閉気孔が露出し、内部残存ガスが漏出してプラ
ズマエッチングを阻害する問題、及び、焼結体中に生成
したクリストバライトによるマイクロクラックに伴うパ
ーティクル生成等の問題があるために未だ実用化されて
いない。
【0012】本発明において解決すべき課題は、上記問
題点を解決して、パーティクルなどの発塵が少なく、耐
汚染性および耐エッチング性に優れ、かつ低コストのシ
リカガラス焼結体からなる半導体ウエハエッチング用部
材の実用化を達成することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体ウエハエ
ッチング用部材は、NaとKとCaとFeとCuとNi
とCrとMnの各々の含有量が1ppm以下であるシリ
カガラス焼結体によって実現した。
【0014】ここでいう焼結体は、その後の工程におい
て、焼結体の形状および性質に変化を与えない程度に、
更なる高温下に曝したものも含まれる。
【0015】シリカガラス焼結体を半導体ウエハエッチ
ング用部材として使用する場合には、その焼結体の密度
は、シリカガラス焼結体の理論密度である2.20mg
/m の95%以上が必要である。即ち、焼結体密度が
95%を下回るとシリカガラスの残留気孔の量及び気孔
径が増大し、表面の面粗さが大きくなり、パーティクル
発生頻度が増加する。シリカガラス焼結体の密度が理論
密度に対して95%以上であれば、この残留気孔による
パーティクルの発生を抑えることが可能となる。また、
エッチングに対する耐食性も焼結体密度が95%以上で
は比表面積が小さくなるため優れており、製品の寿命が
向上する。なお、この焼結体の密度は原料粉末の粒径、
成形体密度や焼成条件等によって制御することができ
る。
【0016】また、焼結体に残留する気孔の平均気孔径
は500μm以下である必要がある。500μm以上の
場合、気孔にプラズマが集中してシリカガラスを侵食
し、パーティクルが発生することがある。このプラズマ
の集中によるパーティクルの発生を抑えるためには、平
均気孔径が500μm以下であることが必要となる。
【0017】本発明で規定する平均気孔径は、以下の要
領で測定できる。すなわち、部材の任意の箇所を水平面
に対して垂直に切断し、研磨加工によって平滑面を得た
後、走査型電子顕微鏡によって気孔数と気孔径を全数カ
ウントする。気孔径は全て円とみなし、気孔径=(最大
径+最小径)/2の計算式で全ての気孔径を計算し、平
均気孔径=(全気孔径の和)/個数の計算式で算出し、
小数点1桁を四捨五入する。任意面を3ヶ所測定し、平
均値を採用することで測定する。
【0018】焼結体に残存する気孔内に含まれるガスに
より、エッチングに使用するプラズマが悪影響を受けな
いことが必要である。気孔内が1×10−2Pa以下の
減圧状態であれば気孔内の残存ガス量は常圧時の1×1
−7倍以下となり、エッチング時にその影響を殆ど受
けなくなる。また、ガス雰囲気による常圧焼成の場合に
は、シリカガラスの焼結体密度を上げることで焼結体に
含まれるガス量を少なくし、その影響を抑えることがで
きる。
【0019】シリカガラス焼結体は、その焼成の条件に
よっては内部にクリストバライト相が生成することがあ
る。特に1600℃以上で焼成するとクリストバライト
の結晶構造が形成され易くなり、焼結体を室温まで冷却
する過程で250℃付近にある変態により、結晶にマイ
クロクラックが発生し、焼結体のクラックに至る場合も
ある。このマイクロクラックもパーティクルの原因とな
るので、クリストバライトは存在しないことが望ましい
が、パーティクルの発生を最低限に抑えるためには、1
質量%以内である必要がある。
【0020】また原料粉末製造工程で生成するOH基
は、焼結体内にも残存するが、多く存在すると、100
0℃以上の高温下で発生する活性水素により、Si−O
−Si結合に切断、再結合が促進され、粘性が低下する
とともに、シリカガラス中に極微量に含まれる不純物を
取り囲むように再配列が進行し、クリストバライト構造
が形成されるので好ましくない。クリストバライトの形
成を避けるためにはOH基の量は50ppm以下である
ことが望ましい。
【0021】本発明のシリカガラス焼結体からなる半導
体ウエハエッチング用部材は、原料粉末として非晶質シ
リカ粉末を用い、成形したのち、シリカ粉末の融点以下
の温度で焼成することによって作製する。
【0022】まず、非晶質シリカ粉末にはその前駆体構
造を有する粉末も含む。粉末の形態については、1次粒
子の形状は特に制限はないが、2次粒子については球状
に近いほうが成形体密度は高まるので、焼成時の収縮が
少なくて済み、形状の保持及び寸法精度の安定性のため
に望ましい。粒子の大きさは、平均粒径が10μm以下
であることが必要である。これより大きい場合には、気
孔が残留し易く、理論密度の95%以上を達成するに
は、1600℃以上の高温で焼成しなければ成らなくな
り、クリストバライト結晶相が生成しだすため好ましく
ない。
【0023】原料粉末は、目的とする半導体ウエハエッ
チング用部材が高純度であるため、高純度粉末が望まし
いが、高純度粉末は高価なので、安価な低純度粉末を使
用してもよい。但し、その場合には焼成前に酸処理を行
う必要がある。
【0024】シリカ粉末を成形する方法は、様々な方法
があるが、例えばリングや円盤等の単純な形状であれば
プレス成形が最適であるし、縁や突起のあるより複雑な
形状の場合にはスリップキャスティング等を選択してよ
い。また、成形方法の選択においても、コスト低減に着
目すれば、スリップキャスティングはプレス装置等の新
たな設備導入も必要ないので有利である。
【0025】また、成形体は脆いが、切断や切削が容易
なため、ブロック状成形体からの成形加工も可能であ
る。この場合には原料の再利用のために、プラスティッ
クやシリカガラス等の焼結体に不純物として残存しない
材質の工具を使用する必要がある。
【0026】成形体は充分乾燥した後に焼成するが、低
純度シリカ粉末を用いた場合には、その前に酸処理を行
い、不純物を除去する。酸処理は原料に含まれる不純物
の成分や混入の形態に応じて、酸の種類及び処理方法を
選択する。例えば単に鉄粉等の金属が混入しているので
あれば、それらを溶解できる塩酸や硝酸等に成形体を含
浸して、完全に溶解した後、金属イオンが残らないよう
に純水で充分に洗浄する。
【0027】また、粉末の表面と不純物が反応している
様な場合では、弗酸で粉末表面のガラス成分ごと溶解す
ると良い。粉末内部まで不純物が混入している場合は、
高温酸性ガスに曝し、不純物の拡散除去を適宜行う。酸
処理の前に成形体強度を高めるためや、バインダー成分
を脱脂するために焼結開始温度以下で仮焼成を行っても
良い。但し、不純物の種類によっては仮焼成により粉末
の内部へ拡散または固溶することがある。また、必要以
上の熱量を与えると成形体の緻密化が進行し、成形体内
部への酸の進入が妨げられ、酸処理の効率が低下するの
で、加える熱量は必要最低限にとどめる必要がある。
【0028】焼成の前には、クリストバライト形成を避
けるための脱OH基処理を行うこともできる。脱OH基
工程では、成形体をCl、HClまたはAr雰囲気中
に曝し、シリカガラスに存在するOH基を置換させる
か、もしくは成形体を減圧下に曝して、OH基を脱離さ
せる。その際、反応の速度を高めるために加熱すること
が望ましいが、酸処理と同様、必要以上の熱量を与えた
場合、成形体の緻密化が進行し、成形体内部のOH基の
置換、脱離が妨げられるため、成形体が収縮しない程度
の熱量を加える必要がある。概ね800〜1200℃で
加熱しOH基を除去する。
【0029】焼成に際しては、OH基を除去する目的で
不活性ガス雰囲気もしくは減圧下で行う必要がある。空
気中で焼成すると、空気中に含まれる水分がシリカと反
応しOH基が再形成されるので好ましくない。また、雰
囲気に用いるガスは焼結体内部の気孔内に残存するた
め、半導体ウエハのエッチングの際にシリカガラスから
漏出するが、そのガスはプラズマに悪影響を与えないガ
スを用いることが必要である。
【0030】また、半導体ウエハエッチングのためのプ
ラズマ生成を阻害するガスが残存しない様に、気孔内を
減圧状態にすることが好ましい。焼結温度が1500℃
の常圧焼結において形成された気孔も、冷却により減圧
状態となるが、その体積収縮が無い場合でも1/10以
上の減圧には達しないため、気孔内の減圧度を更に高め
るためには、焼結時の雰囲気を減圧状態にする。好まし
くは焼結開始から焼結終了までの温度領域における減圧
度を1×10−2Pa以下にする。この条件下では、同
一体積に存在するガス量は常圧焼結時の1×10−7
となり、プラズマへの影響を抑えることができる。
【0031】焼成温度は使用する粉末の焼結性や成形体
密度によって異なるが、概ね1100℃以上1700℃
以下である。一応の目安は1300℃以上、1600℃
以下である。また、焼成に際しての昇温速度も同様に焼
結特性に応じて異なるが、成形体の形状を考慮すべきで
ある。即ち、大型形状品の場合には、昇温速度を緩めて
焼結歪みを緩和しないと焼結体にクラックが発生するた
め、概ね5℃/min以下が好ましい。また、同様のこ
とは冷却過程においても言える。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を実
施例によって説明する。
【0033】実施例1 この実施例は、原料粉末として高純度の非晶質シリカを
用いた場合の例を示す。
【0034】平均粒径が15、10、または5μmの非
晶質シリカ粉末各々に、粉末に対して外割で30質量%
の蒸留水と1質量%のアミン系分散剤を加え、ボールミ
ルにて16時間湿式混合してスリップを調製した。次に
そのスリップを減圧容器内移し、撹拌しながら、スリッ
プ中の粗大泡を30分間脱気して除き、注型用のスリッ
プとした。多孔質樹脂型にそのスリップを注型し、着肉
成形を行った後、鋳型より成形体を取り出し、室温で7
2時間乾燥した。
【0035】十分乾燥した成形体を電気炉中、Arガス
雰囲気下または1×10−2Paの減圧下において、5
℃/分の昇温速度で1300、1400、1500、1
600及び1700℃の各温度まで加熱し、その後炉冷
して焼結体を取り出した。焼結体の密度をアルキメデス
法により測定し、シリカガラスの理論密度2.20mg
/mに対する相対密度に換算した。また、焼結体の電
子顕微鏡観察による平均気孔径の測定及び粉末X線回折
によるクリストバライトの定量を行った。
【0036】実際に各焼結体を10回のウエハエッチン
グに使用して、プラズマへの影響の有無を確認した。ま
た、エッチング処理したウエハを電子顕微鏡観察し、パ
ーティクル発生の有無を確認した。
【0037】これらの結果を表1に示す。同表において
番号3,8,9,15,18,23,24,30が本発
明の実施例を示し、番号1,2,4,5,6,7,1
0,11,12,13,14,16,17,19,2
0,21,22,25,26,27,28,29は比較
例を示す。
【0038】
【表1】 番号4、5、10、19、20及び25は、高温変形ま
たは焼成割れが発生し、実用に適さなかった。番号3、
8、9、15、18、23、24、30は、いずれもパ
ーティクルの発生が無く、また、プラズマの生成も良好
であることが確認され、本発明の実施例においては問題
なくエッチング処理が行われることを示している。
【0039】実施例2 1ppm以上の不純物を1種類以上含有する原料粉末を
使用した例を示す。
【0040】高純度シリカ粉末に不純物が混入したサン
プルA、シリカ粉末の表面が不純物に汚染されたサンプ
ルB、およびシリカ粉末内部まで汚染されたサンプルC
の各粉末を実施例1と同様に成形し、電気炉中、500
℃で酸化焼成し、仮焼結体を得た。それらを3通りの酸
処理を施した後、電気炉中、1×10−2Paの減圧
下、5℃/分の昇温速度で1500℃まで加熱し、その
後炉冷して焼結体を取り出した。
【0041】酸処理は次の方法で行った。
【0042】(酸処理1)仮焼結体を5Nの塩酸中に浸
漬し、95℃で24時間煮沸した後、純水で洗浄し、乾
燥した。
【0043】(酸処理2)仮焼結体を5%の弗酸中に室
温で10分間浸漬した後、純水で洗浄し、乾燥した。
【0044】(酸処理3)仮焼結体を塩酸ガス処理炉内
で50時間、1200℃に加熱した。
【0045】焼結体の一部を切り出し、弗酸で溶解処理
した液をICP−MS法によって不純物の測定を行った
結果を表2に示す。
【0046】
【表2】 酸処理1では、粉末BおよびCを用いた焼結体は塩酸煮
沸処理前後における不純物濃度が殆ど変化しなかった
が、粉末Aを用いた焼結体は塩酸煮沸処理後における不
純物濃度が各々1ppm以下に低減し、酸処理効果が認
められた。
【0047】酸処理2では、粉末Cを用いた焼結体は弗
酸処理前後における不純物濃度が殆ど変化しなかった
が、粉末AおよびBを用いた焼結体は弗酸処理後におけ
る不純物濃度が各々1ppm以下に低減し、酸処理効果
が認められた。
【0048】酸処理3では、A、B、Cのいずれの原料
粉末においても、焼結体は弗酸処理後における不純物濃
度が各々1ppm以下に低減し、酸処理効果が認められ
た。
【0049】
【発明の効果】本発明により、耐エッチング性並びに耐
汚損性に優れた緻密な表面を有し、残留気孔内のガス量
が低減化された溶融シリカガラスと同様、半導体ウエハ
エッチング用部材として適用可能なシリカ焼成体が得ら
れる。
【0050】また、不純物を含んだ低純度シリカ粉末を
原料とした場合でも、同様の半導体ウエハエッチング用
部材が、低コストで得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA37 BA01 BA32 BA33 CA01 GA19 GA24 5F004 AA15 AA16 BB29 CA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NaとKとCaとFeとCuとNiとC
    rとMnの各々の含有量が1ppm以下であり、密度が
    理論値の95%以上で、平均気孔径が500μm以下で
    あるシリカガラス焼結体からなる半導体ウエハエッチン
    グ用部材。
  2. 【請求項2】 焼結体におけるクリストバライトの含有
    量が1質量%以下である請求項1に記載のシリカガラス
    焼結体からなる半導体ウエハエッチング用部材。
  3. 【請求項3】 焼結体におけるOH基の含有量が50p
    pm以下である請求項1または請求項2に記載のシリカ
    ガラス焼結体からなる半導体ウエハエッチング用部材。
  4. 【請求項4】 原料粉末として非晶質シリカ粉末を用
    い、成形したのち、シリカ粉末の融点以下の温度で焼成
    するシリカガラス焼結体からなる半導体ウエハエッチン
    グ用部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼成を、1×10−2Pa以下の減圧雰
    囲気下で行う請求項4に記載のシリカガラス焼結体から
    なる半導体ウエハエッチング用部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼成の前に脱OH基を行う請求項4また
    は請求項5に記載のシリカガラス焼結体からなる半導体
    ウエハエッチング用部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 成形と焼成の間に酸処理を行う請求項4
    から請求項6の何れかに記載のシリカガラス焼結体から
    なる半導体ウエハエッチング用部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 シリカ粉末が、NaとKとCaとFeと
    CuとNiとCrとMnの各々の含有量が1ppm以上
    の低純度シリカ粉末である請求項7に記載のシリカガラ
    ス焼結体からなる半導体ウエハエッチング用部材の製造
    方法。
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