JP2002362184A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転による疲れを軽減できる車両用表示装置
の提供。 【解決手段】 実像と虚像とを表示可能な表示部１２
と、その表示内容を制御する総合制御部１３とを有し、
総合制御部１３が、少なくとも車速情報を含む内部情報
データと少なくとも先行車の情報を含む外部情報データ
とに基づき、車両の状態を判別する車両状態判別部３０
と、内部情報データおよび外部情報データのうち表示部
１２に表示すべき情報データを選択する情報選択部３１
と、内部情報データを表示部１２に実像表示させ、外部
情報データを表示部１２に虚像表示させる表示制御部３
２とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、実像と虚像とで３
次元的（立体的）に表示を行う車両表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】実像と虚像とで３次元的に表示を行う車
両用表示装置に関するものとして、例えば、特開昭６４
−５２５３３号公報に開示されたものがある。この車両
用表示装置は、運転者に対向するように設けられて運転
者に対し実像を表示させる第１の表示器と、この第１の
表示器の運転者側に傾けられて設けられたハーフミラー
と、このハーフミラーと対向しかつ運転者の視界を遮る
ことのない上側位置に設けられた全反射ミラーと、この
全反射ミラーに映像を投影することでハーフミラーに虚
像を表示させる第２の表示器とを有している。そして、
この車両表示装置は、虚像を表示させるためのハーフミ
ラーと全反射ミラーと第２の表示器とを結んだ距離を、
ハーフミラーと第１の表示器とを結んだ距離よりも長く
することで、実像よりも奥行き方向の遠い位置に虚像を
表示させ、その結果、実像と虚像とで３次元的に表示を
行うことができるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報の
車両用表示装置では、どのような情報をどのように表示
させるかの明確な記載はなされていない。しかしなが
ら、実像で表示させる情報データおよび虚像で表示させ
る情報データの選択の仕方によっては、運転者にとって
判読が必要な情報を明確に表示させることができない可
能性もあり、このように判読が必要な情報を明確に表示
させることができないと、運転者が表示情報の判読のた
めに労力を要することになり、表示を見ることで運転に
よる疲れを増大させてしまう可能性があることから、こ
のような実像・虚像の表示内容の選択は極めて重要とな
っている。

【０００４】したがって、本発明は、運転による疲れを
軽減できる車両用表示装置の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１記載の車両用表示装置は、実像と
虚像とを前後に位置をずらして表示することで３次元的
な表示が可能な表示部（例えば、実施の形態における表
示部１２，５４）と、該表示部の表示内容を制御する総
合制御部（例えば、実施の形態におけるＣＰＵ１３）と
を有するものであって、前記総合制御部は、少なくとも
車速情報を含む内部情報データと、少なくとも先行車の
情報を含む外部情報データとに基づき、車両の状態を判
別する車両状態判別部（例えば、実施の形態における車
両状態判別部３０）と、該車両状態判別部で判別された
車両の状態に基づき、前記内部情報データおよび外部情
報データのうち前記表示部に表示すべき情報データを選
択する情報選択部（例えば、実施の形態における情報選
択部３１）と、該情報選択部により選択された情報デー
タのうち、前記内部情報データは前記表示部に実像表示
させ、前記外部情報データは前記表示部に虚像表示させ
る表示制御部（例えば、実施の形態における表示制御部
３２）とを有することを特徴としている。

【０００６】これにより、車両状態判別部が、少なくと
も車速情報を含む内部情報データと、少なくとも先行車
の情報を含む外部情報データとに基づき、車両の状態を
判別すると、この車両状態判別部で判別された車両の状
態に基づいて、情報選択部が、内部情報データおよび外
部情報データのうち前記表示部に表示すべき情報データ
を選択する。すると、表示制御部が、情報選択部により
選択された情報データのうち、内部情報データは表示部
に実像表示させ、外部情報データは表示部に虚像表示さ
せる。このように、少なくとも車速情報を含む内部情報
データ、すなわち運転者による判読を特に要する情報デ
ータを実像表示させることで、明確に表示させ、少なく
とも先行車の情報を含む外部情報データ、すなわち運転
者にとって感覚的に理解した方が良好な情報データを虚
像表示させることになる。

【０００７】本発明の請求項２記載の車両用表示装置
は、請求項１記載のものに関して、前記表示部は、実像
を手前側に虚像を奥側に表示することを特徴としてい
る。

【０００８】このように、表示部が、実像を手前側に虚
像を奥側に表示するため、少なくとも車速情報を含む内
部情報データ、すなわち運転者による判読を特に要する
情報データを手前側に実像表示させることで、より明確
に表示させ、少なくとも先行車の情報を含む外部情報デ
ータ、すなわち運転者にとって感覚的に理解した方が良
好な情報データを奥側に虚像表示させることになる。

【０００９】本発明の請求項３記載の車両用表示装置
は、請求項１または２記載のものに関して、前記表示部
（例えば、実施の形態における表示部１２）は、実像を
表示させる第１表示器（例えば、実施の形態における第
１表示器１７）と、該第１表示器の運転者側に設けられ
たハーフミラー（例えば、実施の形態におけるハーフミ
ラー１８）と、該ハーフミラーに対し近接して下側に設
けられた全反射ミラー（例えば、実施の形態における全
反射ミラー１９）と、該全反射ミラーの運転者側に設け
られこの全反射ミラーに映像を投影することで前記ハー
フミラーに虚像を表示させる第２表示器（例えば、実施
の形態における第２表示器２０）とを有することを特徴
としている。

【００１０】これにより、第１表示器の運転者側にハー
フミラーを設け、これらの下側に全反射ミラーおよび第
２表示器を設けるため、表示部がフロントガラス側に出
っ張ることがない。

【００１１】本発明の請求項４記載の車両用表示装置
は、請求項１記載のものに関して、前記表示部（例え
ば、実施の形態における表示部５４）は、実像用表示範
囲（例えば、実施の形態における実像用表示範囲５６）
と、該実像用表示範囲の運転者側に配置された虚像用表
示範囲（例えば、実施の形態における虚像用表示範囲５
７）とを有する一つの表示器（例えば、実施の形態にお
ける表示器５５）と、該表示器の前記実像用表示範囲の
表示を反射させる全反射ミラー（例えば、実施の形態に
おける全反射ミラー６０）と、前記表示器の前記虚像用
表示範囲の表示を反射させるハーフミラー（例えば、実
施の形態におけるハーフミラー６１）とを有することを
特徴としている。

【００１２】このように、実像用表示範囲と、この実像
用表示範囲の運転者側に配置された虚像用表示範囲とを
有する一つの表示器を用いて、実像表示と虚像表示とを
行うため、表示器が一つで済む。

【００１３】本発明の請求項５記載の車両用表示装置
は、請求項４記載のものに関して、前記実像用表示範囲
の角部に近接して第２の虚像用表示範囲（例えば、実施
の形態における虚像用表示範囲５８）が設けられ、該第
２の虚像用表示範囲の表示を反射させるハーフミラー
（例えば、実施の形態におけるハーフミラー６２）をさ
らに有することを特徴としている。

【００１４】このように、実像用表示範囲の角部に近接
して第２の虚像用表示範囲が設けられ、該第２の虚像用
表示範囲の表示を反射させるハーフミラーをさらに有す
るため、虚像表示のバリエーションを増やすことができ
る。

【００１５】本発明の請求項６記載の車両用表示装置
は、請求項１乃至５のいずれか一項記載のものに関し
て、前記情報選択部により選択された情報データが、内
部情報データのみであって該内部情報データが前記表示
制御部により前記表示部に実像表示された状態から、当
該内部情報データに加えて外部情報データを含むものと
なった場合に、前記表示制御部は、当該内部情報データ
を前記外部情報データの表示位置に対しずれた位置に移
動させて表示させることを特徴としている。

【００１６】このように、内部情報データのみが表示部
に実像表示された状態から、当該内部情報データに加え
て外部情報データを表示部に表示させる状態に切り替わ
る場合に、表示制御部は、当該内部情報データを外部情
報データの表示位置に対しずれた位置に移動させて表示
させるため、外部情報データおよび内部情報データの両
方を表示させることができ、これらが重なって見にくく
なることもない。

【００１７】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態の車両用表示
装置を図面を参照して以下に説明する。

【００１８】本実施形態の車両用表示装置１１は、図１
に示すように、実像と虚像とを前後に位置をずらして表
示する（具体的には実像を手前側に虚像を奥側に表示す
る）ことで３次元的な表示が可能な表示部１２と、この
表示部１２の表示内容を制御するＣＰＵ（総合制御部）
１３とを有するものである。なお、この車両用表示装置
１１が設けられる車両は、ＣＰＵ１３で管理される電子
制御自動車である。

【００１９】まず、表示部１２について説明する。表示
部１２は、車両のインストルメントパネル１５に運転者
に対向するように設けられるもので、インストルメント
パネル１５の上面を構成するとともに運転者側（図１に
おける右側）に突出するバイザー１６の下側奥方に運転
者に対向するように設けられた第１表示器１７を具備し
ている。この第１表示器１７は、運転者に対し実像を表
示させるもので液晶画面からなっている。

【００２０】また、表示部１２は、バイザー１６の下側
であって第１表示器１７の運転者側に、運転者側が上側
に位置するように傾けられて設けられたハーフミラー１
８と、このハーフミラー１８に対し近接しかつ直交して
下側に設けられた全反射ミラー１９と、この全反射ミラ
ー１９の運転者側に設けられてこの全反射ミラー１９に
映像を投影することでハーフミラー１８に虚像を表示さ
せる液晶画面からなる第２表示器２０と、第１表示器１
７とハーフミラー１８との間を囲むように設けられたケ
ース２１とを有している。

【００２１】そして、この表示部１２は、虚像を表示さ
せるための第２表示器２０と全反射ミラー１９とハーフ
ミラー１８とを結んだ距離が、ハーフミラー１８と第１
の表示器１７とを結んだ距離よりも長く設定されてお
り、その結果、第１表示器１７に表示される実像Ａより
も奥行き方向の遠い位置に虚像Ｂを表示させ、その結
果、実像Ａと虚像Ｂとで３次元的（立体的）に表示を行
うことができるようになっている。

【００２２】さらに、表示部１２は、バイザー１６の下
側であってハーフミラー１８の運転者側に、運転者側ほ
ど下側に位置するように傾斜する透明カバー２３を有し
ており、また、第２表示部２０の上側には、第２表示部
２０および全反射ミラー１９を目隠しするとともに太陽
光の全反射ミラー１９への入光を防止するための目隠し
カバー２４を有している。ここで、透明カバー２３は、
アクリル等からなっており、無反射コート、外部光反射
コート等が施されている。

【００２３】次に、ＣＰＵ１３について説明する。ＣＰ
Ｕ１３には、内部情報センサ２６と、外部情報センサ２
７とが接続されている。

【００２４】内部情報センサ２６は、車輪を駆動するた
めの動力伝達系の回転等から車速情報（内部情報デー
タ）を検出する車速センサ等を含むものである。この内
部情報センサ２６は、走行上の重要機能情報を検出する
ためのもので、車速情報の他に、車両のエネルギ残量情
報（内部情報データ）を検出するセンサ、エンジン回転
数情報（内部情報データ）を検出するセンサ、変速機の
状態情報（内部情報データ）を検出するセンサ、車両が
ハイブリッド車である場合には電動モータの状態情報
（内部情報データ）を検出するセンサおよび各種内部機
器の作動状態情報（内部情報データ）を検出するセンサ
等を含んでいる。さらに、内部情報センサ２６は、運転
者による操作情報（内部情報データ）を検出する操作系
のスイッチユニットをも含んでいる。

【００２５】外部情報センサ２７は、前方にある車両等
の前方車両情報（外部情報データ）、さらには道路の路
面上に設けられた車線情報（外部情報データ）を検出す
るＣＣＤカメラおよび赤外線カメラと、先行車との距離
情報（外部情報データ）を検出するレーダセンサと、外
部で発信された地上波（外部情報データ）を受信する地
上波受信機と、ＧＰＳ衛星からの衛星電波（外部情報デ
ータ）を受信するＧＰＳ受信機等を含むものである。こ
こで、地上波受信機で受信する地上波としては、例え
ば、ＥＴＳ（ノンストップ自動料金収受システム）の料
金所から発信される信号や、電話やメール通信等があ
る。

【００２６】ここで、外部情報センサ２７のＣＣＤカメ
ラ、赤外線カメラおよびレーダセンサは、運転者支援シ
ステムの一部を構成するもので、この運転者支援システ
ムは、外部情報センサ２７のＣＣＤカメラあるいは赤外
線カメラからの画像データを画像処理することにより道
路上の車線を認識するとともに、その車線中央を目標経
路としこの目標経路上に定めた目標点と、自車の予測到
達位置との差から目標点に向かう最適なステアリングト
ルクを算出し、これに基づいて電動パワーステアリング
の電流制御を行って、レーンキープを支援する。

【００２７】また、運転者支援システムは、外部情報セ
ンサ２７のレーダセンサの信号により先行車との間の距
離を検出し、先行車との間の車間距離が狭まってきた場
合には、車両を減速させて、先行車に対し適切な車間距
離を保つように制御する。なお、運転者支援システム
は、先行車が自車よりも速く車間距離が開いていく場合
には、通常のオートクルーズコントロールとして、車両
を設定された一定速度で走行させるように制御する。

【００２８】さらに、外部情報センサ２７のＧＰＳ受信
機はナビゲーションシステムの一部を構成するもので、
ナビゲーションシステムは、外部情報センサ２７のＧＰ
Ｓ受信機により検出されたデータから自車の位置を検出
する。

【００２９】また、外部情報センサ２７の地上波受信機
は、例えばＥＴＳが設けられた料金所から発生させられ
ている地上波を検出し、この地上波データから例えばＥ
ＴＳがある料金所に近づいたこと等を検出する。

【００３０】車両用表示装置１１のＣＰＵ１３は、車両
状態判別部３０と、情報選択部３１と、表示制御部３２
とを有している。

【００３１】車両状態判別部３０は、上記した内部情報
センサ２６からの内部情報データと、上記した外部情報
センサ２７からの外部情報データとに基づき、車両の状
態を判別する。

【００３２】情報選択部３１は、上記した車両状態判別
部３０で判別された車両の状態に基づき、内部情報デー
タおよび外部情報データのうち表示部１２に表示すべき
情報データを選択する。

【００３３】表示制御部３２は、情報選択部３１により
選択された情報データのうち、内部情報データは第１表
示器１７に表示させることで実像によって表示させ、外
部情報データは第２表示器２０に表示させ全反射ミラー
１９を介してハーフミラー１８に表示させることで虚像
によって表示させる。

【００３４】ここで、表示制御部３２は、上記した情報
選択部３１により選択された情報データが、内部情報デ
ータのみであってこの内部情報データを表示部１２に実
像で表示させた状態から、当該内部情報データに加えて
外部情報データを含むものを表示させる状態に切り替わ
った場合に、当該内部情報データを外部情報データの表
示位置に対しずれた位置に移動させて表示させるように
制御する。

【００３５】以上のような構成の車両用表示装置の表示
制御部３２により制御される表示部１２の表示内容の具
体例について図２〜図１２を参照して説明する。なお、
図２〜図１２において、（ａ）は、第１表示器１７によ
る表示画像を運転者から見たもの（実像）を示してお
り、（ｂ）は、全反射ミラー１９を介してハーフミラー
１８に映し出された第２表示器２０による表示画像を運
転者から見たもの（虚像）を示していて、（ｃ）は、
（ａ），（ｂ）を同時に表示させた、運転者が実際に見
る画像を示している。

【００３６】車両状態判別部３０が、エンジン始動時
（例えばイグニッションキーがオンされてからエンジン
がかかるまで）と判別した場合、情報選択部３１で選択
され表示制御部３２で表示が制御される情報データの画
像は、図２に示すようになっている。

【００３７】すなわち、図２（ａ）に示すように、第１
表示器１７により、内部情報センサ２６の車速センサか
らの内部情報データである車速情報の数字情報３３を中
央の円形の主表示範囲３４に実像で表示させるととも
に、その周囲に車速レベルの目盛り３５を実像で表示さ
せ、さらに車速情報のグラフィック情報３６を目盛り３
５の最大位置まで実像で表示させる。加えて、第１表示
器１７により、その左右両側に、内部情報センサ２６の
例えば各種内部機器の作動状態情報を検出するセンサか
らの作動状態情報３７と、内部情報センサ２６の例えば
スイッチユニットからの操作情報のうち安全操作にかか
わる安全操作情報３８とを実像で表示させる。

【００３８】このとき、図２（ｂ）に示すように、第２
表示器２０による虚像表示は行わない。

【００３９】以上により、図２（ｃ）に示すように、運
転者に対しては、実像表示のみが行われる。

【００４０】車両状態判別部３０が、エンジン始動後か
つ走行停止時と判別した場合、情報選択部３１で選択さ
れ表示制御部３２で表示が制御される情報データの画像
は、図３に示すようになっている。

【００４１】すなわち、図３（ａ）に示すように、第１
表示器１７により、内部情報データである車速情報の数
字情報３３を中央の円形の主表示範囲３４に実像で表示
させるとともに、その周囲に車速レベルの目盛り３５を
実像で表示させる。また、これらに加えて、第１表示器
１７により、目盛り３５のうち法定速度を示す目盛り３
５ａを他に対し色を変えて実像で表示させるとともにこ
の目盛り３５ａの外側に矢印４０を実像で表示させる。

【００４２】このとき、図３（ｂ）に示すように、第２
表示器２０による虚像表示は行わない。

【００４３】以上により、図３（ｃ）に示すように、運
転者に対しては、実像表示のみが行われる。

【００４４】車両状態判別部３０が、通常走行時と判別
した場合、情報選択部３１で選択され表示制御部３２で
表示が制御される情報データの画像は、図４に示すよう
になっている。

【００４５】すなわち、図４（ａ）に示すように、第１
表示器１７により、始動後かつ停止時と同様、内部情報
データである車速情報の数字情報３３を中央の円形の主
表示範囲３４に実像で表示させるとともに、その周囲に
車速レベルの目盛り３５を実像で表示させ、さらに法定
速度を示す目盛り３５ａの色を変えて実像で表示させて
その外側に矢印４０を実像で表示させる。これらに加え
て、第１表示器１７により、内部情報センサ２６の車速
センサからの内部情報データである車速情報のグラフィ
ック情報３６を目盛り３５の対応する位置まで実像で表
示させる。

【００４６】このとき、図４（ｂ）に示すように、第２
表示器２０による虚像表示は行わない。

【００４７】以上により、図４（ｃ）に示すように、運
転者に対しては、実像表示のみが行われる。

【００４８】車両状態判別部３０が、法定速度超過走行
時と判別した場合、情報選択部３１で選択され表示制御
部３２で表示が制御される画面は、図５に示すようにな
っている。

【００４９】すなわち、図５（ａ）に示すように、第１
表示器１７により、通常走行時と同様、内部情報データ
である車速情報の数字情報３３を中央の円形の主表示範
囲３４に実像で表示させるとともに、その周囲に車速レ
ベルの目盛り３６を実像で表示させ、さらに法定速度を
示す目盛り３５ａの色を変えて実像で表示させその外側
に矢印４０を実像表示させる。そして、第１表示器１７
により、内部情報データである車速情報のグラフィック
情報３６を目盛り３５の対応する位置まで実像で表示さ
せることで、図４に示す通常走行時の画像に対し、グラ
フィック情報３６が法定速度を示す目盛り３５ａを超え
る。この法定速度を超過した超過部３６ａについては、
法定速度までの表示とは色を異ならせて実像表示させ
る。

【００５０】このとき、図５（ｂ）に示すように、第２
表示器２０による虚像表示は行わない。

【００５１】以上により、図５（ｃ）に示すように、運
転者に対しては、実像表示のみが行われる。

【００５２】車両状態判別部３０が、エンジン始動後か
つ走行停止時であってシートベルト未着用状態であると
判別した場合、情報選択部３１で選択され表示制御部３
２で表示が制御される情報データの画像は、図６に示す
ようになっている。

【００５３】すなわち、図６（ａ）に示すように、第１
表示器１７により、内部情報センサ２６のスイッチユニ
ットからの内部情報データである操作情報の中からシー
トベルトの未着用の情報が検出された場合、このことを
示すシートベルト未着用情報４２を中央の円形の主表示
範囲３４に実像で表示させるとともに、その周囲に車速
レベルの目盛り３５を実像で表示させる。これらに加え
て、第１表示器１７により、法定速度を示す目盛り３５
ａを他に対し色を変えて実像で表示させるとともにその
外側に矢印４０を実像で表示させる。なお、第１表示器
１７により、内部情報センサ２６の車速センサからの内
部情報データである車速情報の数字情報３３を、シート
ベルト未着用情報４２がなされた主表示範囲３４の下側
に位置をずらして実像で表示させる。

【００５４】このとき、図６（ｂ）に示すように、第２
表示器２０による虚像表示は行わない。

【００５５】以上により、図６（ｃ）に示すように、運
転者に対しては、実像表示のみが行われる。

【００５６】車両状態判別部３０が、通常走行時および
法定速度超過走行時であってシートベルト未着用状態で
あると判別した場合、情報選択部３１で選択され表示制
御部３２で表示が制御される情報データの画像は、図７
に示すようになっている。

【００５７】すなわち、図７（ａ）に示すように、第１
表示器１７により、内部情報データである車速情報の数
字情報３３を中央の円形の主表示範囲３４に実像で表示
させるとともに、その周囲に車速レベルの目盛り３５を
実像で表示させる。これらに加えて、第１表示器１７に
より、法定速度を示す目盛り３５ａを他に対し色を変え
て実像で表示させるとともにその外側に矢印４０を実像
で表示させ、さらに、内部情報データである車速情報の
グラフィック情報３６を目盛り３５の対応する位置まで
実像で表示させる。加えて、内部情報センサ２６のスイ
ッチユニットから内部情報データである操作情報のうち
のシートベルトの未着用が検出されたことから、第１表
示器１７により、その内部情報データに基づくシートベ
ルト未着用情報４２を車速情報の数字情報３３が表示さ
れた主表示範囲３４の右側に位置をずらして実像で表示
させる。

【００５８】このとき、図７（ｂ）に示すように、第２
表示器２０による虚像表示は行わない。

【００５９】以上により、図７（ｃ）に示すように、運
転者に対しては、実像表示のみが行われる。

【００６０】車両状態判別部３０が、通常走行時および
法定速度超過走行時であって料金所のＥＴＣに近接した
状態と判別した場合、情報選択部３１で選択され表示制
御部３２で表示が制御される情報データの画像は、図８
に示すようになっている。

【００６１】すなわち、図８（ａ）に示すように、第１
表示器１７により、中央の円形の主表示範囲３４への表
示は行わず、その周囲に車速レベルの目盛り３５を実像
で表示させる。これに加えて、第１表示器１７により、
法定速度を示す目盛り３５ａを他に対し色を変えて実像
で表示させるとともにその外側に矢印４０を実像で表示
させ、さらに、内部情報データである車速情報のグラフ
ィック情報３６を目盛り３５の対応する位置まで実像で
表示させる。さらに、第１表示器１７により、内部情報
データである車速情報の数字情報３３を主表示範囲３４
の下側に位置をずらして実像で表示させる。

【００６２】このとき、例えば外部情報センサ２７のう
ちの地上波受信機でＥＴＣからの外部情報データである
地上波が受信されており、図８（ｂ）に示すように、第
２表示器２０により、この地上波に基づく外部情報デー
タであるＥＴＣが近づいていることを示すＥＴＣ情報４
４を中央の円形の主表示範囲３４に虚像で表示させる。
ここで、ＥＴＣ情報４４は、運転席から見たＥＴＣゲー
トの様子を模式的に描いたもので表現されている。

【００６３】以上により、図８（ｃ）に示すように、運
転者に対しては、主表示範囲３４にＥＴＣが近づいてい
ることを示すＥＴＣ情報４４が虚像で奥方に表示され、
手前側に、車速情報の数字情報３３等が実像で表示され
る。

【００６４】これにより、走行中にＥＴＣに近づいてい
ない状況においては、内部情報データすなわち第１表示
器１７による実像のみが表示されており、この状態から
ＥＴＣに近づくと、当該内部情報データに加えて外部情
報データを含むものを表示させる状態に切り替わること
になり、この場合に、内部情報データである車速情報の
数字情報３３を外部情報データであるＥＴＣ情報４４の
表示位置に対しずれた位置に移動させて表示させるよう
に制御することになる。

【００６５】車両状態判別部３０が、運転者支援システ
ムの作動開始と判別した場合、情報選択部３１で選択さ
れ表示制御部３２で表示が制御される情報データの画像
は図９に示すようになっている。

【００６６】すなわち、図９（ａ）に示すように、第１
表示器１７により、レーンキープが行われていることを
示すレーンキープ情報４６を実像で表示させるととも
に、内部情報データである車速情報の数字情報３３を主
表示範囲３４の下側に位置をずらして実像で表示させ、
さらに、法定速度の数字情報５１をレーンキープ情報４
６の内側に実像で表示させる。ここで、レーンキープ情
報４６は、運転席から見たレーンの様子を模式的に描い
たもので表現されている。

【００６７】また、このとき、図９（ｂ）に示すよう
に、第２表示器２０により、運転者支援システムの作動
を示す作動表示文字４８を虚像で表示させるとともに、
捕捉しようとしている先行車が離間していることを示す
外部情報データとしての先行車離間情報５２を表示させ
る。ここで、先行車離間情報５２は、運転席から見た先
行車の状況を模式的に描いたもので表現されており、先
行車の形の輪郭の内側に色を塗った表示となっている。

【００６８】以上により、図９（ｃ）に示すように、運
転者に対しては、レーンキープが行われていることを示
すレーンキープ情報４６を実像で表示させるとともに、
内部情報データである車速情報の数字情報３３をレーン
キープ情報４６の下側に位置をずらして実像で表示さ
せ、さらに、法定速度の数字情報５１をレーンキープ情
報４６の内側に実像で表示させ、加えて、レーンキープ
情報４６の上側に、運転者支援システムの作動を示す作
動表示文字４８と捕捉しようとしている先行車が離間し
ていることを示す先行車離間情報５２とを虚像で奥方に
表示させる。

【００６９】車両状態判別部３０が、運転者支援システ
ムの作動中であってレーンキープのみが行われている状
態と判別した場合、情報選択部３１で選択され表示制御
部３２で表示が制御される情報データの画像は図１０に
示すようになっている。

【００７０】すなわち、図１０（ａ）に示すように、第
１表示器１７により、レーンキープが行われていること
を示すレーンキープ情報４７を実像で表示させるととも
に、内部情報データである車速情報の数字情報３３をレ
ーンキープ情報４７の下側に位置をずらして実像で表示
させる。ここで、レーンキープ情報４７は、運転者支援
システムの作動開始時のレーンキープ情報４６の表示に
対し内側の部分が輪郭のみに変更されている。

【００７１】また、このとき、図１０（ｂ）に示すよう
に、第２表示器２０により、運転者支援システムの作動
を示す作動表示文字４８を虚像で表示させる。

【００７２】以上により、図１０（ｃ）に示すように、
運転者に対しては、レーンキープが行われていることを
示すレーンキープ情報４７を実像で表示させるととも
に、内部情報データである車速情報の数字情報３３をレ
ーンキープ情報４７の下側に位置をずらして実像で表示
させ、さらに、レーンキープ情報４７の上側に、運転者
支援システムの作動を示す作動表示文字４８を虚像で奥
方に表示させる。

【００７３】車両状態判別部３０が、運転者支援システ
ムの作動中であってレーンキープおよび先行車両捕捉が
行われている状態と判別した場合、情報選択部３１で選
択され表示制御部３２で表示が制御される情報データの
画像は図１１に示すようになっている。

【００７４】すなわち、図１１（ａ）に示すように、第
１表示器１７により、レーンキープが行われていること
を示すレーンキープ情報４７を実像で表示させるととも
に、内部情報データである車速情報の数字情報３３をレ
ーンキープ情報４７の下側に位置をずらして実像で表示
させる。

【００７５】また、このとき、図１１（ｂ）に示すよう
に、第２表示器２０により、運転者支援システムの作動
を示す作動表示文字４８を虚像で表示させるとともに、
外部情報センサ２７のうちのＣＣＤカメラおよびレーダ
センサからの前方車両情報および距離情報に基づく外部
情報データである先行車の捕捉が検出されたことから、
第２表示器２０により、先行車の捕捉が検出されたこと
を示す外部情報データとしての先行車捕捉情報４９を表
示させる。ここで、先行車捕捉情報４９は、運転席から
見た先行車の状況を模式的に描いたもので表現されてお
り、その輪郭のみ表示されている。

【００７６】以上により、図１１（ｃ）に示すように、
運転者に対しては、レーンキープが行われていることを
示すレーンキープ情報４７を実像で表示させるととも
に、内部情報データである車速情報の数字情報３３をレ
ーンキープ情報４７の下側に位置をずらして実像で表示
させ、さらに、レーンキープ情報４７の上側に、運転者
支援システムの作動を示す作動表示文字４８を奥方に虚
像で表示させるとともに、外部情報データに基づく先行
車捕捉情報４９を、レーンキープ情報４７と作動表示文
字４８との間の奥方に虚像で表示させる。

【００７７】車両状態判別部３０が、運転者支援システ
ムの作動中であってレーンキープが行われるとともに先
行車の速度が上がり自車がオートクルーズコントロール
に切り替わった状態と判別した場合、情報選択部３１で
選択され表示制御部３２で表示が制御される情報データ
の画像は図１２に示すようになっている。

【００７８】すなわち、図１２（ａ）に示すように、第
１表示器１７により、レーンキープが行われていること
を示すレーンキープ情報４６を実像で表示させるととも
に、内部情報データである車速情報の数字情報３３をレ
ーンキープ情報４６の下側に位置をずらして実像で表示
させ、さらに、法定速度の数字情報５１をレーンキープ
情報４６の内側に実像で表示させる。

【００７９】また、このとき、図１２（ｂ）に示すよう
に、第２表示器２０により、運転者支援システムの作動
を示す作動表示文字４８を虚像で表示させるとともに、
外部情報センサ２７のうちのＣＣＤセンサおよびレーダ
センサからの前方車両情報および距離情報に基づく外部
情報データである先行車の離間が検出されたことから、
第２表示器２０により、捕捉していた先行車の離間が検
出されたことを示す外部情報データとしての先行車離間
情報５２を表示させる。なお、外部情報センサ２７のレ
ーダセンサから外部情報データである先行車との離間距
離が検出されると、この離間距離が大きくなるほど先行
車離間情報５２の表示の大きさを小さくするように（遠
ざかることが解るように）動画で表示を行う。

【００８０】以上により、図１２（ｃ）に示すように、
運転者に対しては、レーンキープが行われていることを
示すレーンキープ情報４６を実像で表示させるととも
に、法定速度の数字情報５１をレーンキープ情報４６内
に実像で表示させ、さらに、内部情報データである車速
情報の数字情報３３をレーンキープ情報４６の下側に位
置をずらして実像で表示させる。さらに、レーンキープ
情報４６の上側に、運転者支援システムの作動を示す作
動表示文字４８を奥方に虚像で表示させるとともに、外
部情報データに基づく先行車の先行車離間情報５２を、
レーンキープ情報４６と作動表示文字４８との間の奥方
に虚像で表示させる。

【００８１】以上に述べた本実施形態の車両用表示装置
１１によれば、車両状態判別部３０が、少なくとも車速
情報を含む内部情報データと、少なくとも先行車の情報
を含む外部情報データとに基づき、車両の状態を判別す
ると、この車両状態判別部３０で判別された車両の状態
に基づいて、情報選択部３１が、内部情報データおよび
外部情報データのうち表示部１２に表示すべき情報デー
タを選択する。すると、表示制御部３２が、情報選択部
３１により選択された情報データのうち、車速情報の数
字情報３３等の内部情報データは表示部１２に実像で表
示させ、ＥＴＣ情報４４および先行車捕捉情報４９、先
行車離間情報５２等の外部情報データは表示部１２に虚
像で表示させる。このように、少なくとも車速情報を含
む内部情報データ、すなわち運転者による判読を特に要
する情報データを実像表示させることで、明確に表示さ
せ、少なくとも先行車の情報を含む外部情報データ、す
なわち運転者にとって感覚的に理解した方が良好な情報
データを虚像表示させることになる。

【００８２】したがって、判読が必要な情報データを実
像表示させることで明確に表示させることができ、しか
も、感覚的に理解した方が良好な情報を虚像表示させる
ことで、判読が必要な情報データをさらに明確化するこ
とができる。加えて、運転者支援システムの作動状況
等、感覚的に理解した方が良好な情報を虚像表示させる
ことで、この情報を直感的に解らせることができる。よ
って、運転者による表示情報の判読のための労力が軽減
でき、その結果、運転による疲れを軽減することができ
る。

【００８３】しかも、表示部１２が、実像を手前側に虚
像を奥側に表示するため、少なくとも車速情報を含む内
部情報データ、すなわち運転者による判読を特に要する
情報データを手前側に実像表示させることで、より明確
に表示させ、少なくとも先行車の情報を含む外部情報デ
ータ、すなわち運転者にとって感覚的に理解した方が良
好な情報データを奥側に虚像表示させることになる。

【００８４】したがって、判読が必要な情報データを手
前側に実像表示させることでより明確に表示させること
ができ、しかも、感覚的に理解した方が良好な情報を奥
側に虚像表示させることで、判読が必要な情報データを
より一層明確化することができる。よって、運転者によ
る表示情報の判読のための労力が軽減でき、その結果、
運転による疲れをより一層軽減することができる。

【００８５】しかも、第１表示器１７の運転者側にハー
フミラー１８を設け、これらの下側に全反射ミラー１９
および第２表示器２０を設けるため、表示部１２がフロ
ントガラス側に出っ張ることがない。

【００８６】したがって、表示部１２が運転者の視界の
邪魔になることを防止できる。

【００８７】また、例えば図４の表示状態から図８の表
示状態に切り替わる場合等、車速情報の数字情報３３等
の内部情報データのみが表示部１２に実像表示された状
態から、当該車速情報の数字情報３３等の内部情報デー
タに加えて外部情報データであるＥＴＣが近づいてきた
ことを示すＥＴＣ情報４４を表示部１２に表示させる状
態に切り替わる場合に、表示制御部３２は、当該内部情
報データのうちの車速情報の数字情報３３を外部情報デ
ータであるＥＴＣ情報４４の表示位置に対しずれた位置
に移動させて表示させるため、外部情報データおよび内
部情報データの両方を表示させることができ、これらが
重なって見にくくなることもなく、これらを良好に表示
させることができる。

【００８８】なお、図２〜図１２では、主に車速情報を
実像で表示させる場合を例にとり説明したが、走行上の
重要機能情報を実像で表示させることができ、車速以外
に、エンジン回転数や、車両がハイブリッド車の場合に
は電動モータのブースタがかかった状態表示等を表示さ
せることができる。

【００８９】また、図２〜図１２の例では、ＥＴＣの近
接状況および運転者支援システムの作動状況を虚像で表
示させる場合を例にとり説明したが、虚像表示させるも
のは、実像表示させる上記重要機能情報の次に重要な機
能情報であり、ＥＴＣの近接状況および運転者支援シス
テムの作動状況以外に、メンテナンスが必要な部分につ
いてメンテナンスを促すスマートメンテ情報等を表示さ
せることができる。この場合、表示の順番は、例えば、
オートクルーズコントロールで走行している状態におい
て、車全体を表示させ、その中でメンテナンスが必要な
個所を赤ランプで表示させ、例えばメンテナンスがブレ
ーキパッドの摩耗であれば、次にタイヤ部分を拡大表示
させて、ブレーキ部分を拡大表示させる等を、連続動画
で表示させるようにしてもよい。

【００９０】また、上記実施形態の表示部１２は、実像
表示用の第１表示器１７と虚像表示用の第２表示器２０
とを別々に有する場合を例にとり説明したが、図１３お
よび図１４に示すように、表示部５４が、一つの液晶画
面等の表示器５５に実像用の表示範囲５６と虚像用の表
示範囲５７，５８とを設けるとともに、全反射ミラー６
０とハーフミラー６１，６２とを適宜組み合わせ配置す
ることで、一つの表示器５５で実像表示用表示器と虚像
表示用表示器とを兼用することも可能である。

【００９１】すなわち、図１３および図１４に示すもの
では、一つの表示器５５をほぼ水平に沿いかつ前後に縦
長になるように配置するとともに、その奥側に実像用表
示範囲５６を設け、この実像用表示範囲５６の手前側す
なわち運転者側に離間して虚像用表示範囲５７を設け
て、さらに、実像用表示範囲５６の手前側の両角部に近
接して虚像用表示範囲（第２の虚像用表示範囲）５８を
設けている。

【００９２】そして、実像用表示範囲５６の上側にこの
実像用表示範囲５６の表示を運転者に向けて反射させる
全反射ミラー６０を傾斜して設けるとともに、虚像用表
示範囲５７の上側にこの虚像用表示範囲５７の表示を運
転者に向けて反射させるハーフミラー６１を傾斜して設
け、さらに、虚像用表示範囲５８の上側にこの虚像用表
示範囲５８の表示を運転者に向けて反射させるハーフミ
ラー６２を傾斜して設けている。

【００９３】この場合は、虚像用表示範囲５８からハー
フミラー６２に表示される情報は、ガソリン残量や、携
帯電話・メール着信、走行距離等のサブ情報等である。

【００９４】このように構成しても、少なくとも車速情
報を含む内部情報データ、すなわち運転者による判読を
特に要する情報データを実像表示させるとともに、少な
くとも先行車の情報を含む外部情報データ、すなわち運
転者にとって感覚的に理解した方が良好な情報データを
虚像表示させることで、判読が必要な情報データを明確
化することができる。

【００９５】しかも、実像用表示範囲５６と、この実像
用表示範囲５６の運転者側に配置された虚像用表示範囲
５７とを有する一つの表示器５５を用いて、実像表示と
虚像表示とを行うため、表示器５５が一つで済む。

【００９６】したがって、コストを低減することができ
る。

【００９７】さらに、実像用表示範囲５６の角部に近接
して虚像用表示範囲５８が設けられ、この虚像用表示範
囲５８の表示を反射させるハーフミラー６２をさらに有
するため、虚像表示のバリエーションを増やすことがで
きる。

【００９８】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項１
記載の車両用表示装置によれば、車両状態判別部が、少
なくとも車速情報を含む内部情報データと、少なくとも
先行車の情報を含む外部情報データとに基づき、車両の
状態を判別すると、この車両状態判別部で判別された車
両の状態に基づいて、情報選択部が、内部情報データお
よび外部情報データのうち前記表示部に表示すべき情報
データを選択する。すると、表示制御部が、情報選択部
により選択された情報データのうち、内部情報データは
表示部に実像表示させ、外部情報データは表示部に虚像
表示させる。このように、少なくとも車速情報を含む内
部情報データ、すなわち運転者による判読を特に要する
情報データを実像表示させることで、明確に表示させ、
少なくとも先行車の情報を含む外部情報データ、すなわ
ち運転者にとって感覚的に理解した方が良好な情報デー
タを虚像表示させることになる。

【００９９】したがって、判読が必要な情報データを実
像表示させることで明確に表示させることができ、しか
も、感覚的に理解した方が良好な情報を虚像表示させる
ことで、判読が必要な情報データをさらに明確化するこ
とができる。よって、運転者による表示情報の判読のた
めの労力が軽減でき、その結果、運転による疲れを軽減
することができる。

【０１００】本発明の請求項２記載の車両用表示装置に
よれば、表示部が、実像を手前側に虚像を奥側に表示す
るため、少なくとも車速情報を含む内部情報データ、す
なわち運転者による判読を特に要する情報データを手前
側に実像表示させ、少なくとも先行車の情報を含む外部
情報データ、すなわち運転者にとって感覚的に理解した
方が良好な情報データを奥側に虚像表示させることにな
る。

【０１０１】したがって、判読が必要な情報データを手
前側に実像表示させることでより明確に表示させること
ができ、しかも、感覚的に理解した方が良好な情報を奥
側に虚像表示させることで、判読が必要な情報データを
より一層明確化することができる。よって、運転者によ
る表示情報の判読のための労力が軽減でき、その結果、
運転による疲れをより一層軽減することができる。

【０１０２】本発明の請求項３記載の車両用表示装置に
よれば、第１表示器の運転者側にハーフミラーを設け、
これらの下側に全反射ミラーおよび第２表示器を設ける
ため、表示部がフロントガラス側に出っ張ることがな
い。

【０１０３】したがって、表示部が運転者の視界の邪魔
になることを防止できる。

【０１０４】本発明の請求項４記載の車両用表示装置に
よれば、実像用表示範囲と、この実像用表示範囲の運転
者側に配置された虚像用表示範囲とを有する一つの表示
器を用いて、実像表示と虚像表示とを行うため、表示器
が一つで済む。

【０１０５】したがって、コストを低減することができ
る。

【０１０６】本発明の請求項５記載の車両用表示装置に
よれば、実像用表示範囲の角部に近接して第２の虚像用
表示範囲が設けられ、該第２の虚像用表示範囲の表示を
反射させるハーフミラーをさらに有するため、虚像表示
のバリエーションを増やすことができる。

【０１０７】本発明の請求項６記載の車両用表示装置に
よれば、内部情報データのみが表示部に実像表示された
状態から、当該内部情報データに加えて外部情報データ
を表示部に表示させる状態に切り替わる場合に、表示制
御部は、当該内部情報データを外部情報データの表示位
置に対しずれた位置に移動させて表示させるため、外部
情報データおよび内部情報データの両方を表示させるこ
とができ、これらが重なって見にくくなることもなくな
り、これらを良好に表示させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の全体
構成を示す一部構成をブロックとした側断面図である。

【図２】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表示
部におけるエンジン始動時の表示内容を示す正面図であ
って、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚像を、（ｃ）は実像
と虚像とを重ねた実際の画像を、それぞれ示している。

【図３】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表示
部におけるエンジン始動後かつ走行停止時の表示内容を
示す正面図であって、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚像
を、（ｃ）は実像と虚像とを重ねた実際の画像を、それ
ぞれ示している。

【図４】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表示
部における通常走行時の表示内容を示す正面図であっ
て、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚像を、（ｃ）は実像と
虚像とを重ねた実際の画像を、それぞれ示している。

【図５】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表示
部における法定速度超過走行時の表示内容を示す正面図
であって、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚像を、（ｃ）は
実像と虚像とを重ねた実際の画像を、それぞれ示してい
る。

【図６】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表示
部における、エンジン始動後かつ走行停止時であってシ
ートベルト未着用状態の表示内容を示す正面図であっ
て、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚像を、（ｃ）は実像と
虚像とを重ねた実際の画像を、それぞれ示している。

【図７】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表示
部における、通常走行時および法定速度超過走行時であ
ってシートベルト未着用状態の表示内容を示す正面図で
あって、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚像を、（ｃ）は実
像と虚像とを重ねた実際の画像を、それぞれ示してい
る。

【図８】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表示
部における、通常走行時および法定速度超過走行時であ
って料金所のＥＴＣに近接した状態の表示内容を示す正
面図であって、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚像を、
（ｃ）は実像と虚像とを重ねた実際の画像を、それぞれ
示している。

【図９】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表示
部における、運転者支援システムの作動開始時の表示内
容を示す正面図であって、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚
像を、（ｃ）は実像と虚像とを重ねた実際の画像を、そ
れぞれ示している。

【図１０】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表
示部における、運転者支援システムの作動中であってレ
ーンキープのみが行われている状態の表示内容を示す正
面図であって、（ａ）は実像を、（ｂ）は虚像を、
（ｃ）は実像と虚像とを重ねた実際の画像を、それぞれ
示している。

【図１１】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表
示部における、運転者支援システムの作動中であってレ
ーンキープおよび先行車両捕捉が行われている状態の表
示内容を示す正面図であって、（ａ）は実像を、（ｂ）
は虚像を、（ｃ）は実像と虚像とを重ねた実際の画像
を、それぞれ示している。

【図１２】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表
示部における、運転者支援システムの作動中であってレ
ーンキープが行われるとともに先行車の速度が上がり自
車がオートクルーズコントロールに切り替わった状態の
表示内容を示す正面図であって、（ａ）は実像を、
（ｂ）は虚像を、（ｃ）は実像と虚像とを重ねた実際の
画像を、それぞれ示している。

【図１３】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表
示部の変形例を示す側断面図である。

【図１４】 本発明の一実施形態の車両用表示装置の表
示部の変形例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１１ 車両用表示装置 １２ 表示部 １３ ＣＰＵ（総合制御部） １７ 第１表示器 １８ ハーフミラー １９ 全反射ミラー ２０ 第２表示器 ３０ 車両状態判別部 ３１ 情報選択部 ３２ 表示制御部 ５４ 表示部 ５５ 表示器 ５６ 実像用表示範囲 ５７ 虚像用表示範囲 ５８ 虚像用表示範囲（第２の虚像用表示範囲） ６０ 全反射ミラー ６１ ハーフミラー ６２ ハーフミラー

フロントページの続き (72)発明者 和田 圭介 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 山田 一 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中内 洋滋 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 小森 智広 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式会 社本田技術研究所内 Ｆターム(参考） 3D044 BA22 BA26 BA27 BB01 BD02

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 実像と虚像とを前後に位置をずらして表
   示することで３次元的な表示が可能な表示部と、該表示
   部の表示内容を制御する総合制御部とを有する車両用表
   示装置であって、 前記総合制御部は、 少なくとも車速情報を含む内部情報データと、少なくと
   も先行車の情報を含む外部情報データとに基づき、車両
   の状態を判別する車両状態判別部と、 該車両状態判別部で判別された車両の状態に基づき、前
   記内部情報データおよび外部情報データのうち前記表示
   部に表示すべき情報データを選択する情報選択部と、 該情報選択部により選択された情報データのうち、前記
   内部情報データは前記表示部に実像表示させ、前記外部
   情報データは前記表示部に虚像表示させる表示制御部
   と、を有することを特徴とする車両用表示装置。
2. 【請求項２】 前記表示部は、実像を手前側に虚像を奥
   側に表示することを特徴とする請求項１記載の車両用表
   示装置。
3. 【請求項３】 前記表示部は、 実像を表示させる第１表示器と、 該第１表示器の運転者側に設けられたハーフミラーと、 該ハーフミラーに対し近接して下側に設けられた全反射
   ミラーと、 該全反射ミラーの運転者側に設けられこの全反射ミラー
   に映像を投影することで前記ハーフミラーに虚像を表示
   させる第２表示器とを有することを特徴とする請求項１
   または２記載の車両用表示装置。
4. 【請求項４】 前記表示部は、実像用表示範囲と、該実
   像用表示範囲の運転者側に配置された虚像用表示範囲と
   を有する一つの表示器と、 該表示器の前記実像用表示範囲の表示を反射させる全反
   射ミラーと、 前記表示器の前記虚像用表示範囲の表示を反射させるハ
   ーフミラーとを有することを特徴とする請求項１記載の
   車両用表示装置。
5. 【請求項５】 前記実像用表示範囲の角部に近接して第
   ２の虚像用表示範囲が設けられ、該第２の虚像用表示範
   囲の表示を反射させるハーフミラーをさらに有すること
   を特徴とする請求項４記載の車両用表示装置。
6. 【請求項６】 前記情報選択部により選択された情報デ
   ータが、内部情報データのみであって該内部情報データ
   が前記表示制御部により前記表示部に実像表示された状
   態から、当該内部情報データに加えて外部情報データを
   含むものとなった場合に、前記表示制御部は、当該内部
   情報データを前記外部情報データの表示位置に対しずれ
   た位置に移動させて表示させることを特徴とする請求項
   １乃至５のいずれか一項記載の車両用表示装置。