JP2002361799A - 多層成形体 - Google Patents

多層成形体

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JP2002361799A
JP2002361799A JP2002038196A JP2002038196A JP2002361799A JP 2002361799 A JP2002361799 A JP 2002361799A JP 2002038196 A JP2002038196 A JP 2002038196A JP 2002038196 A JP2002038196 A JP 2002038196A JP 2002361799 A JP2002361799 A JP 2002361799A
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foamed layer
thermoplastic elastomer
elastomer composition
resin
layer
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Withdrawn
Application number
JP2002038196A
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English (en)
Inventor
Atsuko Ogawa
敦子 小川
Tadaaki Nishiyama
忠明 西山
Hidetake Hozumi
英威 穂積
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の熱可塑性樹脂並びに特定の物性を有す
るオレフィン系共重合体を含有する熱可塑性エラストマ
ー組成物からなる層を1層以上有する多層成形体であっ
て、強度、耐熱性、外観、耐傷付性、耐摩耗、軽量性及
び反発弾性に優れる多層成形体を提供する。 【解決手段】 下記(A)及び(B)を含有し、(A)
/(B)の重量比が5/95〜95/5である熱可塑性
エラストマー組成物からなる層を1層以上有する多層成
形体。 (A):230℃、2.16kg荷重下で測定されるメ
ルトフローレートが0.001〜100g/10分の範
囲にあり、キャピラリーレオメーターによるダイスウェ
ル比(190℃、せん断速度122sec-1、L/D=
10/1)が1.7以上である熱可塑性樹脂 (B):特定のオレフィン系共重合体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層成形体に係る
ものである。更に詳しくは、本発明は、特定の熱可塑性
樹脂並びに特定の物性を有するオレフィン系共重合体を
含有する熱可塑性エラストマー組成物からなる層を1層
以上有する多層成形体であって、強度、耐熱性、外観、
耐傷付性、耐摩耗、軽量性及び反発弾性に優れる多層成
形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インストルメントパネル、ド
アトリム、コンソールボックス、リッド、ピラーガーニ
ッシュ等の自動車内装部品は、高級感を持たせるために
柔軟な感触を付与することが求められている。現在、ポ
リ塩化ビニル、各種熱可塑性エラストマー等からなる表
皮材の裏打ち材として、ポリウレタン系発泡体をはじめ
とした各種発泡体が使用されている。
【0003】一方で、近年の環境問題の高まりの中で、
リサイクル面で有利なオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物からなる軟質発泡体への期待も高く、シート状
に成形したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の
成形体に、特殊な架橋処理を施してから発泡させること
により得られる、発泡倍率の高い(すなわち軽量性に優
れる)軟質発泡体も開発されている。
【0004】しかしながら、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物からなる発泡倍率の高い発泡体を例えば
射出成形法により製造する際、予め架橋処理を施したオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を用いた場合は
その溶融粘度が高いため、型内に十分に充填できないと
いう問題がある。また、射出成形過程において均一架橋
反応を施しながら発泡させることは困難である。従っ
て、射出成形等の成形方法で発泡倍率の高い、すなわち
軽量性に優れ、柔軟な感触を有する発泡体を製造するこ
とは困難であった。
【0005】例えば、特開平6−218741号公報に
は、平均分子量150,000以下のスチレン・共役ジ
エンブロック共重合体の水素添加物をベースとし、JI
S−K6301によるJIS−A硬度が40〜95のス
チレン系熱可塑性エラストマー成分及び発泡剤成分0.
01〜10重量部とからなる発泡性スチレン系熱可塑性
エラストマーが記載されており、該組成物を射出成形す
ることにより発泡体を製造する方法が記載されている。
しかしながら、本公報に記載の発泡体の発泡倍率は低
く、軽量化には殆ど寄与しない。
【0006】また、該スチレン系熱可塑性エラストマー
は柔軟性に劣るため、実用的には分子量が1,000以
下の炭化水素系ゴム用軟化剤が柔軟化剤として含有する
必要がある。しかしながら、自動車等の内装材料の表皮
材として使用する場合、100℃程度以上の高温になる
と該軟化剤が揮発するため、フロントガラス等が容易に
曇る等の問題があった。
【0007】更には、該スチレン系熱可塑性エラストマ
ーは耐熱性に劣るため、実用的には耐熱性に優れるポリ
プロピレン系樹脂等を含有する必要がある。しかしなが
ら、このような樹脂を含有せしめる場合、耐熱性は改良
されるものの、該樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマ
ーとの相溶性が低いため、耐傷つき性に劣るという問題
もある。
【0008】また、特開2000−177036号公報
には、結晶性プロピレン系共重合体、低密度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体ゴム及び発泡剤から
なる柔軟性発泡材層用オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物が記載されており、これを柔軟性表皮材料及び
硬質基材層との間に射出発泡成形することにより、3層
からなる熱可塑性樹脂構造体を製造する方法が記載され
ている。
【0009】しかしながら、汎用のオレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物を柔軟性発泡材層に用いる際、生
産効率を上げるために成形後の冷却速度を上げた場合、
発泡倍率の高い感触に優れる発泡体を得ることは困難で
あるという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状において、
本発明の解決するべき課題は、本発明は、特定の熱可塑
性樹脂並びに特定の物性を有するオレフィン系共重合体
を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなる層を1
層以上有する多層成形体であって、強度、耐熱性、外
観、耐傷付性、耐摩耗、軽量性及び反発弾性に優れる多
層成形体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記(A)及び(B)を含有し、(A)/(B)の重量比
が5/95〜95/5である熱可塑性エラストマー組成
物からなる層を1層以上有する多層成形体に係るもので
ある。 (A):230℃、2.16kg荷重下で測定されるメ
ルトフローレートが0.001〜100g/10分の範
囲にあり、キャピラリーレオメーターによるダイスウェ
ル比(190℃、せん断速度122sec-1、L/D=
10/1)が1.7以上である熱可塑性樹脂 (B):下式(1)の関係を充足するオレフィン系共重
合体 Ua≦0.15×Sa (1) ここで、Uaは、該オレフィン系共重合体50重量部
と、JIS−K−7203に準拠して測定した曲げ弾性
率(Sa)が1400±100MPa、荷重2.16k
gにおける230℃でのメルトフローレートが12±3
g/10分、JISK 7122に準拠して示差走査熱
量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく
ピーク位置(融点)が162±2℃であるホモポリプロ
ピレン樹脂50重量部とからなる評価用樹脂組成物の、
JIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率
(MPa)を示し、Saは該ホモポリプロピレン樹脂のJ
IS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(M
Pa)を示す。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の多層成形体に使用される
熱可塑性エラストマー組成物を構成する(A)は、23
0℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレ
ートが0.001〜100g/10分の範囲にあり、キ
ャピラリーレオメーターによるダイスウェル比(190
℃、せん断速度122sec-1、L/D=10/1)が
1.7以上である熱可塑性樹脂である。
【0013】(A)は、230℃、2.16kg荷重下
で測定されるメルトフローレートが0.001〜100
g/10分の範囲である必要があり、好ましくは0.0
1〜50g/10分であり、より好ましくは0.1〜2
0g/10分である。メルトフローレートが0.001
g/10分未満の場合は、得られる多層成形体の強度が
不十分となり、メルトフローレートが100g/10分
を超える場合は、得られる多層成形体の外観が劣る。こ
こで、メルトフローレートとは、JIS―K―7210
に準拠して、230℃、2.16Kg荷重下で測定する
ことにより求められる値である。
【0014】(A)はキャピラリーレオメーターによる
ダイスウェル比が1.7以上である必要があり、好まし
くは1.8以上であり、より好ましくは2.0以上であ
る。ダイスウェル比が1.7未満の場合は、得られる多
層成形体の表皮層として使用する場合、耐傷つき性や耐
摩耗性が不十分となるという問題がある。多層成形体の
発泡層として使用する場合、発泡倍率が高くならず軽量
性及び反発弾性に劣るという問題がある。ここでダイス
ウェル比は、JIS−K−7199に準拠して、バレル
温度190℃、キャピラリー直径1mm、キャピラリー
長さ10mm、せん断速度122sec-1の条件で
(A)を押出した時の試料の直径を、キャピラリー直径
で除した値である。
【0015】(A)は、公知の各種熱可塑性樹脂から広
範に選択することができるが、たとえば高密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン
系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン
−メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−メタク
リル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体
樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−
スチレン共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブ
テン系樹脂、ポリ−4−メチル−ペンテン−1系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレ
ンオキサイド樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、環状オレフィン単独重合体樹脂、環状オ
レフィン共重合体樹脂等があげられる。好ましくはポリ
オレフィン系樹脂であり、より好ましくは炭素数2以上
の脂肪族オレフィンを主成分とするポリオレフィン系樹
脂であり、更に好ましくは、炭素数3以上の脂肪族オレ
フィンを主成分とするポリオレフィン系樹脂であり、特
に好ましくは、ポリプロピレン系樹脂である。
【0016】ポリプロピレン系樹脂としては、アイソタ
クチックもしくはシンジオタクチックシークエンス構造
を主として有する結晶性のポリプロピレンで、ホモタイ
プやコモノマーを含むランダムタイプ、もしくは、多段
重合によるブロックタイプ等広範な構造のものが使用可
能である。尚、該ポリプロピレン系樹脂は、気相重合
法、バルク重合法、溶媒重合法及び任意にそれらを組み
合わせて多段重合を採用することができる。
【0017】ポリプロピレン系樹脂の結晶性の指標とし
ては、たとえば、融点、結晶融解熱量などが用いられ、
融点は80〜176℃、結晶融解熱量は30〜120J
/gの範囲にあることが好ましい。更には、融点は12
0〜176℃、結晶融解熱量は60〜120J/gの範
囲にあることが好ましい。結晶の融点が80℃未満の場
合、もしくは融解熱量が30J/gの場合は、得られる
多層成形体の耐熱性及び強度が低下する場合がある。
【0018】ポリプロピレン系樹脂を製造する方法とし
ては、一般的には、いわゆるチタン含有固体状遷移金属
成分と有機金属成分を組み合わせて用いるチーグラー・
ナッタ型触媒、周期律表第4族〜第6族の遷移金属化合
物を必須としてなる触媒、又はシクロペンタジエニル骨
格を少なくとも1個有する周期律表第4族〜第6族の遷
移金属化合物を必須としてなるメタロセン触媒を用い
て、スラリー重合、気相重合、バルク重合、溶液重合等
又はこれらを組み合わせた重合法で一段又は多段で、プ
ロピレンを単独重合することによって単独重合体を得た
り、又はプロピレンとそれら以外の炭素数2〜12のオ
レフィンから選ばれる1種以上のオレフィンとを一段又
は多段で共重合させることによって共重合体を得たりす
る方法をあげることができる。なお、市販の該当品を用
いることも可能である。
【0019】(A)の構成要件を満たすポリプロピレン
系樹脂として、たとえば特開平11−228629号公
報、特開平7−138430号公報、WO99/167
97号公報記載のポリプロピレン系樹脂をあげることが
できる。
【0020】本発明の本発明の多層成形体に使用される
熱可塑性エラストマー組成物を構成するオレフィン系共
重合体(B)とは、下記式(1)の関係を充足するオレ
フィン系共重合体である。 Ua≦0.15×Sa (1) ここで、Uaは、該オレフィン系共重合体50重量部
と、JIS−K−7203に準拠して測定した曲げ弾性
率(Sa)が1400±100MPa、荷重2.16k
gにおける230℃でのメルトフローレートが12±3
g/10分、JISK 7122に準拠して示差走査熱
量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく
ピーク位置(融点)が162±2℃であるホモポリプロ
ピレン樹脂50重量部とからなる評価用樹脂組成物の、
JIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率
(MPa)を示し、Saは該ホモポリプロピレン樹脂のJ
IS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(M
Pa)を示す。
【0021】(B)は上記の式(1)の関係を充足する
必要があり、好ましくは、Ua≦0.14×Saを、更
に好ましくは、Ua≦0.13×Saを、特には、Ua
≦0.12×Saを充足していることが好ましい。
【0022】上記の式(1)の関係を充足しない場合
は、得られる多層成形体の柔軟性が劣り、多層成形体の
発泡層として使用する場合は、発泡倍率が高くならず軽
量性及び反発弾性に劣るという問題があり、多層成形体
の非発泡層として使用する場合は、耐傷つき性に劣ると
いう問題がある。
【0023】あるオレフィン系共重合体が上式(1)を
満足するかどうかは、以下の手順からなる方法で決定さ
れる。 (1)ホモポリプロピレン樹脂として、JIS−K−7
203に準拠して測定した曲げ弾性率(Sa)が140
0±100MPa、荷重2.16kgにおける230℃
でのメルトフローレートが12±3g/10分、JIS
−K−7122に準拠して示差走査熱量計(DSC)で
測定して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融
点)が162±2℃、であるプロピレンの単独重合体を
用いる。該ホモポリプロピレン樹脂として、市販品を用
いてもよい。 (2)該ホモポリプロピレン樹脂の曲げ弾性率(Sa)
を、JIS−K−7203に準拠して測定する。 (3)該ホモポリプロピレン樹脂50重量部と、オレフ
ィン系(共)重合体50重量部と、チバ・スペシャルテ
ィ・ケミカルズ製の商品名がイルガノックス1010な
る酸化防止剤0.25重量部とを、バッチ式密閉混練機
(例えば、ブラベンダー社製の商品名がプラスチコーダ
ーPLV151型なる混練機)にて、スクリュー回転数
10rpm、200℃で2分間混練した後、次いで、1
00rpmで5分間混練することによって、評価用樹脂
組成物を得る。 (4)上記評価用樹脂組成物を、JIS−K−6758
に準拠して230℃でプレス成形し、3種類のシートを
得る。 (5)該シートの曲げ弾性率(Ua)を、JIS−K−
7203に準拠して測定する。 (6)上記のSa値を上式(1)の右辺に代入し、右辺
の値を求める。 (7)該右辺の値と上記Ua値とを比較して、評価用樹
脂組成物(1)が上式(1)を満足するかどうかを検定
する。 (8)評価用樹脂組成物が上式(1)を満足する場合、
上記オレフィン系共重合体は本発明で用いられる成分
(B)に該当するものとする。
【0024】(B)は示差走査熱量計(DSC)を用
い、JIS K 7122に準拠して測定した場合に、結
晶の融解ならびに結晶化に基づく1J/g以上のピーク
のいずれをも有しない非晶性オレフィン系共重合体であ
ることが好ましい。かかるピークを有する場合得られる
多層成形体の柔軟性や耐傷つき性に劣る場合がある。
【0025】(B)は、ゲルパーミエイションクロマト
グラフィー(GPC)によって測定し、得られたポリス
チレン換算重量平均分子量(Mw)と、数平均分子量
(Mn)の比である分子量分布(Mw/Mn)が5以下
であることが好ましく、より好ましくは4以下であり、
更に好ましくは3以下である。分子量分布が5を超える
場合には、得られる多層成形体の成形性に劣る場合があ
る。
【0026】(B)の、温度135℃におけるテトラリ
ン溶媒中でウベローデ粘度計を用いて測定した値から求
めた極限粘度[η]は、好ましくは0.3〜10.0d
l/gであり、より好ましくは0.5〜7.0dl/g
であり、更に好ましくは0.7〜5.0dl/gであ
る。極限粘度[η]が0.3dl/g未満の場合は、得
られる多層成形体の耐傷つき性に劣る場合があり、ま
た、極限粘度[η]が10.0dl/gを超える場合
は、得られる多層成形体の柔軟性に劣る場合がある。
【0027】(B)は、エチレン及び炭素数3から20
のα−オレフィンを必須とし、任意にポリエン化合物、
環状オレフィン及びビニル芳香族化合物から選択される
1種類以上のモノマー成分を共重合して得られる共重合
体であることが好ましく、かかるオレフィン系共重合体
を構成するモノマ−の具体例としては下記(a)〜
(d)のモノマーが例示される。
【0028】(a)α−オレフィン 炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状及び
分岐状のα−オレフィンが含まれ、たとえば、直鎖状の
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ド
デセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペン
タデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−
オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等が例
示され、分岐状のα−オレフィンとしては、3−メチル
−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル
−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,
4−トリメチル−1−ペンテン等が例示され、好ましく
は直鎖状のプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等である。
【0029】(b)ポリエン化合物 好適に使用されるポリエン化合物としては、二重結合間
に単結合を1つ挟んだいわゆる共役ポリエン化合物や、
それ以外の非共役ポリエン化合物が含まれる。共役ポリ
エン化合物としては、脂肪族共役ポリエン化合物及び脂
環族共役ポリエン化合物等があげられる。脂肪族共役ポ
リエン化合物としては直鎖状脂肪族共役ポリエン化合物
及び、分岐状脂肪族共役ポリエン化合物が含まれる。ま
た、脂肪族共役ポリエン化合物及び脂環族共役ポリエン
化合物は、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ
基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等を含んでいて
もよい。脂肪族共役ポリエン化合物としては、たとえ
ば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−
1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3―ブタジエ
ン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキ
シル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−
1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジ
エン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエン等が例
示される。脂環族共役ポリエン化合物としては、たとえ
ば、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メ
チル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル
−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブ
タジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1
−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3
−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジ
エン、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエン等が例
示される。
【0030】非共役ポリエン化合物としては、脂肪族非
共役ポリエン化合物、脂環族非共役ポリエン化合物及び
芳香族非共役ポリエン化合物等があげられる。脂肪族非
共役ポリエン化合物としては直鎖状脂肪族非共役ポリエ
ン化合物及び分岐状脂肪族非共役ポリエン化合物が含ま
れる。また、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環族非共
役ポリエン化合物及び芳香族非共役ポリエン化合物は、
アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラル
キル基、アラルキルオキシ基等を含んでいてもよい。
【0031】脂肪族非共役ポリエン化合物のとしては、
たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエ
ン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、
1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−
デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9
−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、
4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,
4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエ
ン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3.3−ジメ
チル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,
5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエ
ン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−
1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジ
エン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル
−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタ
ジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4
−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4
−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、
4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,
4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエ
ン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−
1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジ
エン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル
−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタ
ジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブ
チル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノ
ナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチ
ル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジ
エン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−
1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエ
ン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−
1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエ
ン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−
1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエ
ン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−
1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエ
ン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−
1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエ
ン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−
1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエ
ン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−
1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエ
ン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−
1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエ
ン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−
1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエ
ン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−
1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデ
カジエン、6,10−ジメチル1,5,9−ウンデカト
リエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエ
ン、4−エチリデン8−メチル−1,7−ノナジエン、
13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカ
トリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,1
2−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−
1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−
12−メチル−1,11−ペンタデカジエン等が例示さ
れる。
【0032】脂環族非共役ポリエン化合物としては、た
とえば、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル2−ノルボ
ルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチ
レン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノ
ルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエ
ン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、
2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−
2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデ
ン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロ
ピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−
イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニル
シクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、
1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシ
クロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサ
ン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5
−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオク
タン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサ
ン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、
1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチ
ルテトラヒドロインデン等が例示される。芳香族非共役
ポリエン化合物としては、たとえば、ジビニルベンゼ
ン、ビニルイソプロペニルベンゼン等があげられる。
【0033】(c)環状オレフィン化合物 環状オレフィンとしては、たとえば、ノルボルネン、5
−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−
プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネ
ン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネ
ン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニ
ルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチ
リデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデ
ン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フル
オロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−
ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、
5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネ
ン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフル
オロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロ
ロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、
5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレー
ト、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノル
ボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテ
ン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシク
ロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−ク
ロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシク
ロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメ
チルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シク
ロへプテン等が例示される。
【0034】(d)ビニル芳香族化合物 ビニル芳香族化合物としては、たとえばスチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレ
ン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロ
ムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p
−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニル
ナフタレン、ジビニルベンゼン等が例示される。
【0035】上記モノマーの組み合わせによる共重合体
の例としては、下記〜の共重合体があげられる。 エチレン、炭素数4〜20のα−オレフィンからなる
オレフィン系共重合体 エチレン及び炭素数4〜20のα−オレフィンを必須
として、任意にポリエン化合物、環状オレフィン及びビ
ニル芳香族化合物から選択される1種類以上のモノマー
成分を共重合して得られるオレフィン系共重合体 エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフ
ィンからなるオレフィン系共重合体 エチレン、プロピレン、及び炭素数4〜20のα−オ
レフィンを必須成分として、任意にポリエン化合物、環
状オレフィン及びビニル芳香族化合物から選択される1
種類以上のモノマー成分を共重合して得られるオレフィ
ン系共重合体 プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィンを共重
合して得られるオレフィン系共重合体 プロピレン、及び炭素数4〜20のα−オレフィンを
必須成分として、任意にポリエン化合物、環状オレフィ
ン及びビニル芳香族化合物から選択される1種類以上の
モノマー成分を共重合して得られる請求項1記載のオレ
フィン系共重合体
【0036】中でも(B)は、エチレン、プロピレン及
び炭素数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ば
れた二種類以上のオレフィンであって、該選ばれたオレ
フィンの炭素数の合計が6以上である二種類以上のオレ
フィンを共重合して得られ、かつ下記式(2)の関係 [y/(x+y)]≧0.30 (2) を充足することが好ましく、より好ましくは、 [y/(x+y)]≧0.35 更には、 [y/(x+y)]≧0.40 を充足することが好ましい。(xは、(B)中のエチレ
ン含有量(モル%)を表し、yは(B)中の炭素数4〜
20のα−オレフィンの含有量(モル%)を表す。)
【0037】上記の式(2)に関係を充足しない場合
は、得られる多層成形体の柔軟性に劣る場合がある。
【0038】(B)は、公知のチーグラー・ナッタ型触
媒又は公知のシングルサイト触媒(メタロセン系等)を
用いて製造することができるが、得られる重合体の組成
分布の均一性という観点から、公知のシングルサイト触
媒(メタロセン系等)が好ましく用いられる。かかるシ
ングルサイト触媒の例としては、特開昭58−1930
9号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60
−35006号公報、特開昭60−35007号公報、
特開昭60−35008号公報、特開昭61−1303
14号公報、特開平3−163088号公報、特開平4
−268307号公報、特開平9−12790号公報、
特開平9−87313号公報、特開平10−50805
5号公報、特開平11−80233号公報、特表平10
−508055号公報等に記載のメタロセン系触媒、特
開平10−316710号公報、特開平11−1003
94号公報、特開平11−80228号公報、特開平1
1−80227号公報、特表平10−513489号公
報、特開平10−338706号公報、特開表11−7
1420号公報記載の非メタロセン系の錯体触媒があげ
られる。これらの中でも、一般的にはメタロセン触媒が
使用され、その中でも好適なメタロセン触媒の例として
は、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1
個有し、かつ得られる重合体の柔軟性という観点から
は、C1対称構造を有する周期表第3族〜第12族の遷
移金属錯体が好ましい。更に、高分子量の重合体を得る
に際してのメタロセン触媒を用いた好適な製造方法の例
として、特願平11−206054号公報に記載される
製造方法があげられる。
【0039】本発明の多層成形体に使用される熱可塑性
エラストマーは、(A)及び(B)を、(A)/(B)
の重量比で5/95〜95/5の割合で必須として含有
するものであり、好ましくは15/85〜85/15で
あり、より好ましくは20/80〜55/45であり、
特に好ましくは20/80〜45/55である。(A)
が過多の場合は多層成形体の柔軟性が劣り、一方(A)
が過少の場合は、多層成形体の強度や耐熱性が劣る。
【0040】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
(A)及び(B)の他に、(A)及び(B)の合計量1
00重量部あたり0.1〜200重量部の下記(C)及
び/又は(D)を、含有してなる熱可塑性エラストマー
組成物であってもよい。(C):エチレン及び炭素数3
〜20のα−オレフィンからなり、キャピラリーレオメ
ーターによるダイスウェル比(190℃、せん断速度1
22sec-1、L/D=10/1)が1.7未満である
エチレン−α−オレフィン系共重合体 (D):下記(D−1)及び/又は(D−2) (D−1):ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
とからなるブロック共重合体 (D−2):(D−1)の水素添加物
【0041】(C)としては、高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹
脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−
メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重
合体樹脂、エチレン−スチレン共重合体樹脂などをあげ
ることができる。これらは、その一種を単独で用いても
よく、二種以上を併用してもよい。
【0042】かかる(C)を含有することにより、得ら
れる多層成形体の耐寒衝撃性を向上させることができ
る。なお、(C)の含有量が(A)及び(B)の合計量
100重量部あたり200重量部を超える場合、得られ
る多層成形体の耐熱性が低下し、粘着性が生じる場合が
ある。
【0043】(D)は、下記(D−1)及び/又は(D
−2)である。
【0044】(D−1)は、ビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックとからなるブロック共重合体である。
【0045】ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックは、ビニル芳香族化合物を主体として含有し、そ
の他の構成成分として共役ジエン化合物などを含有する
重合体ブロックである。ビニル芳香族化合物としてはス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビ
ニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレ
ン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロ
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチ
レン、ビニルナフタレンなどをあげることができる。こ
れらは単独で又は2種以上組み合わせて使用される。こ
れらのうち特に好ましいものは、スチレンである。該重
合体ブロックにおけるビニル芳香族化合物の含有量は5
0重量%以下が好ましい。該含有量が50重量%を超え
ると、得られる多層成形体の硬度が高くなり、感触及び
耐傷つき性に劣る場合がある。
【0046】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックは、共役ジエン化合物を主体として含有する重合体
ブロックである。共役ジエン化合物としては1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2
−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−
ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖及び側
鎖共役ヘキサジエンなどをあげることができる。これら
は単独で又は2種以上組み合わせて使用される。これら
のうち特に好ましいものは、1,3−ブタジエン、イソ
プレンである。該重合体ブロックにおける共役ジエン化
合物の含有量は50重量%以上が好ましい。該含有量が
50重量%未満であると得られる多層成形体の非発泡層
に用いる場合は耐傷つき性、耐衝撃性に劣り、発泡層に
用いる場合は発泡倍率が低くなり感触に劣るという問題
がある。
【0047】ブロック共重合体(D)は、具体的には一
般式:(H−S)n、(H−S)n−H、(H−S)n
−X(式中、Hはビニル芳香族化合物を主体とする重合
体ブロック、Sは共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロック、Xはカップリング剤残基、nは1以上の整数
である。)で表される。
【0048】ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
とからなるブロック共重合体におけるビニル芳香族化合
物を主体とする重合体ブロック/共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックの含有比率は2/98〜50/
50であることが好ましい。該比率が過少であると、得
られる多層成形体の硬度が高くなり、感触及び耐傷つき
性に劣る場合がある。
【0049】(D−1)を得るには、たとえば、一般に
有機溶媒中で、有機リチウム化合物等の重合開始剤を用
いて、まずブロックH又はブロックSを重合し、続いて
ブロックS又はブロックHを重合すればよい。ブロック
HあるいはブロックSのどちらを先に重合してもよい。
またこれらの操作を繰り返すことで、(H−S)nブロ
ック共重合体(nは1以上の整数である。)を得ること
もできる。
【0050】また、有機溶媒中で、有機リチウム化合物
等の重合開始剤を用いて、ブロックHを重合し、続いて
ブロックSを重合し、更にブロックHを重合すること
で、H−S−Hブロック共重合体を得ることができる。
これらの操作を繰り返すことで、(H−S)n−Hブロ
ック共重合体(nは1以上の整数である。)を得ること
もできる。
【0051】このようにして得られる(H−S)nブロ
ック共重合体に、カップリング剤を添加することによ
り、(H−S)n−Xブロック共重合体(Xはカップリ
ング剤残基、nは1以上の整数である。)を得ることも
できる。
【0052】カップリング剤としては、アジピン酸ジエ
チル、ジビニルベンゼン、テトラクロロシラン、ブチル
トリクロロシラン、テトラクロロスズ、ブチルトリクロ
ロスズ、ジメチルジクロロシラン、テトラクロロゲルマ
ニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−クロロメチ
ルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキ
シ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4
−ベンゼントリイソシアネートなどをあげることができ
る。
【0053】なお、(D−1)のビニル芳香族化合物を
主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックとからなるブロック共重合体として
は、該当する市販品を用いることもできる。
【0054】(D−2)は、上記(D−1)の水素添加
物である。(D−2)を得るには、たとえば、上記(D
−1)を、不活性溶媒中に溶解し、20〜150℃、1
〜100kg/cm2Gの加圧水素下で水素化触媒の存
在下で水素添加を行えばよい。上記(D−2)中の共役
ジエン化合物の水素添加率は、水素化触媒、水素化化合
物の添加量、又は水素添加反応時における水素圧力、反
応時間を変えることにより調節される。
【0055】成分(D)は、(D−1)及び/又は(D
−2)である。すなわち、(D−1)又は(D−2)を
単独で用いてもよく、両者を併用してもよい。
【0056】本発明の多層成形体に使用される熱可塑性
エラストマーには、必須の成分である(A)及び(B)
に加えて、本発明の目的を損なわない範囲において、必
要に応じて、(A)の要件を充足しない熱可塑性樹脂、
他の樹脂成分、各種付加成分等を適宜配合することがで
きる。
【0057】ここで熱可塑性樹脂としては、たとえば、
前記(A)の要件を充足しない各種熱可塑性樹脂、天然
ゴム、ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、ポリアク
リロニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴム、水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ク
ロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、ウレタ
ンゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム、ハロ
ゲン化イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム、ポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリ
ブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系
熱可塑性エラストマー、トランスポリイソプレン系熱可
塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラ
ストマー等がある。
【0058】他の樹脂成分として、たとえば、ロジン系
樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系
樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系
樹脂及びイソプレン系樹脂などを適宜配合することがで
きる。ロジン系樹脂としては、天然ロジン、重合ロジ
ン、部分及び完全水添ロジン、これら各種ロジンのグリ
セリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチ
レングリコールエステル、メチルエステルなどのエステ
ル化物、更には、不均化、フマール化、ライム化あるい
はこれらを適宜組み合わせたロジン誘導体があげられ
る。ポリテルペン系樹脂としては、α−ピネン、β−ピ
ネン、ジペンテンなどの環状テルペンの単独重合体ある
いは共重合体及び上記の各種のテルペンとフェノール、
ビスフェノールなどのフェノール系化合物との共重合体
であるα−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェ
ノール樹脂、テルペン−ビスフェノール樹脂などのテル
ペン−フェノール系樹脂、更には上記各種テルペンと芳
香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹
脂があげられる。合成石油樹脂としては、ナフサ分解油
のC5留分、C6〜C11留分及びその他オレフィン系留分
の単独重合体あるいは共重合体及びこれら重合体の水添
物である脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族
系石油樹脂、脂肪族−脂環族共重合樹脂などがあげられ
る。
【0059】更に、上記の各種のナフサ分解油と前記の
各種テルペンとの共重合体やその水添物である共重合系
石油樹脂などもあげられる。ここでナフサ分解油のC5
留分としては、イソプレン、シクロペンタジエン、1,
3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチ
ル−2−ブテンなどのメチルブテン類、1−ペンテン、
2−ペンテンなどのペンテン類、ジシクロペンタジエン
などが好ましく、C6〜C11留分としてはインデン、ス
チレン、o−、m−、p−ビニルトルエン、α−、β−
メチルスチレンなどのメチルスチレン類、メチルインデ
ン、エチルインデン、ビニルキシレン、プロペニルベン
ゼンなどが好ましく、その他オレフィン系留分としては
ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエン、
オクタジエンなどが好ましい。
【0060】フェノール系樹脂としては、アルキルフェ
ノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合
によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂及びこれら
の変性物があげられる。ここで、これらフェノール系樹
脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノ
ボラック型樹脂、アルカリ触媒でメチロール化したレゾ
ール型樹脂のいずれであってもよい。
【0061】キシレン系樹脂としては、m−キシレンと
ホルムアルデヒドから成るキシレン−ホルムアルデヒド
樹脂、これに第3成分を添加、反応させた変性樹脂など
があげられる。
【0062】スチレン系樹脂としては、スチレンの低分
子量品、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重
合樹脂、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共
重合樹脂などがあげられる。
【0063】イソプレン系樹脂としては、イソプレンの
二量化物であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物を共
重合して得られる樹脂などがあげられる。
【0064】上記各種粘着性付与樹脂のなかで、ロジン
系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂などが好ま
しく、これらのなかで、脂肪族及び/又は脂環族構造を
有するものが、得られる熱可塑性樹脂組成物を用いて成
形した成形品の透明性の点からより好ましい。ここで脂
肪族及び/又は脂環族構造を有する粘着性付与樹脂とし
て特に好ましいものとして、ロジン系樹脂では部分及び
完全水添ロジンとそれらの誘導体、ポリテルペン系樹脂
では環状テルペンの単独重合体あるいは共重合体、合成
石油樹脂では脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、脂
肪族−脂環族共重合樹脂、ナフサ分解油と各種テルペン
との共重合体の水添物があげられる。これらの樹脂成分
はは単独で、あるいは2種以上を混合して用いられる。
なお、樹脂成分としては、該当する市販品を使用するこ
とができる。
【0065】各種付加成分としては、たとえば、添加
剤、充填剤、軟化剤、難燃剤、高周波加工助材、光輝材
フィラー、造核剤、可塑剤、抗菌剤などを適宜配合する
ことができる。
【0066】添加剤としては、たとえば、老化防止剤、
酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤等の各種安定剤を適宜配合することができる。また、
帯電防止剤、スリップ剤、内部剥離剤、着色剤、分散
剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤などがある充
填剤としては、たとえば、ガラス繊維、炭素繊維、金属
繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カルシ
ウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、アラミド
繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂など
がある。
【0067】軟化剤としては、たとえば、ナフテン油、
パラフィン系鉱物油等の鉱物油系軟化剤などがある。
【0068】難燃剤としては、たとえば、アンチモン系
難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほ
う酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤
等の無機化合物、ポリりん酸アンモニウム、エチレンビ
ストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリ
ド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリ
ス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(3−
ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のりん酸エ
ステル及びりん化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリ
オレフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系
難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモ
ノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラ
ブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘
導体、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモジ
ペンタエリスリトール等の臭素系難燃剤及びそれらの混
合物などがある。
【0069】高周波加工助材として、たとえば、極性ポ
リマーを添加することができる。極性ポリマーの具体例
としては、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、エタ
クリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のジカルボ
ン酸やそのモノエステル、メチルメタクリレート、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸又
はメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等の飽和カルボン酸のビニルエステル及びそのアイ
オノマーから選ばれた1つ又は、2つ以上のコモノマー
との共重合体又は、多元共重合体が例示できる。
【0070】本発明の多層成形体に使用される熱可塑性
エラストマー組成物は、(A)、(B)及び必要に応じ
て他の成分を公知の混合装置、たとえばバンバリーミキ
サー、押出機等を用いて混合することにより得ることが
できる。また、各成分を溶融させることなくペレット状
態で混合し、成形に用いることもできる。また熱可塑性
エラストマー組成物として、必要に応じて公知の硫黄架
橋、有機過酸化物架橋等の架橋処理を行った後の部分架
橋型熱可塑性エラストマー組成物を用いることもでき
る。中でも、有機過酸化物等の架橋剤や、ビスマレイミ
ドやジビニルベンゼン等の架橋助剤を用いた動的架橋法
が好ましく用いられる。
【0071】本発明の多層成形体は、上記の熱可塑性エ
ラストマー組成物からなる層を1層以上有する多層成形
体であり、上記の熱可塑性エラストマー組成物からなる
非発泡層及び/又は発泡層を1層以上有するものであ
る。
【0072】上記の熱可塑性エラストマー組成物は本発
明の多層成形体の(1)非発泡層として、(2)発泡層
として、(3)非発泡層及び発泡層の両層として使用す
ることができる。ここで多層成形体は、通常非発泡層−
発泡層、非発泡層−発泡層−非発泡層、発泡層−非発泡
層−発泡層、非発泡層−発泡層−非発層−発泡層等の構
成を有する。なお、本発明の多層成形体において、上記
の熱可塑性エラストマー組成物からなる層が2層以上あ
る場合、熱可塑性エラストマー組成物を構成する前記
(A)、(B)及び必要に応じて選択されるその他の成
分の含有量は同一であってもよいし、異なっていてもよ
い。また、後述する該熱可塑性エラストマー組成物以外
の各種重合体からなる層を含んでいてもよい。
【0073】本発明の多層成形体における非発泡層の厚
みは、通常0.1〜2mm、好ましくは0.5〜1.2
mmであり、発泡層の厚みは、通常1〜10mm、好ま
しくは2〜8mmに製造される。非発泡層の厚みが0.
1mm未満であると突き刺し強度が劣り、2mmを超え
ると多層成形体の柔軟性が低下する傾向がある。また、
発泡層の厚みが1mm未満の場合はソフト感、反発弾性
等の触感に劣り、10mmを超えると多層成形体の強度
が低下する傾向がある。
【0074】上記の熱可塑性エラストマー組成物を非発
泡層に使用する場合、耐傷つき性、耐摩耗性及び耐衝撃
性等の各種物性に優れる多層成形体を得ることができ
る。該非発泡層の表面には、しぼ模様やステッチ模様等
が施されていても良く、この場合は意匠性に優れた多層
成形体を製造することができる。
【0075】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物を発泡層に使用する場合、発泡体の発泡倍率が高くな
り(軽量性に優れる)、クッション性及び反発弾性等の
触感に優れる多層成形体を得ることができる。
【0076】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を非
発泡層及び発泡層に使用する場合、これらの特性を併せ
持つ多層成形体を得ることができる。
【0077】さらには、上記の非発泡層と発泡層とから
なる多層成形体の発泡層側に、さらに芯材が積層されて
なる多層成形体として使用することもできる。
【0078】なお、上記の熱可塑性エラストマー組成物
からなる非発泡層に芯材を積層した多層成形体、上記の
熱可塑性エラストマー組成物からなる発泡層に芯材を積
層した多層成形体として使用することもできる。これら
の場合、非発泡層又は発泡層は、複数の層から構成され
ていてもよい。
【0079】本発明の多層成形体は、例えば下記の方法
により製造することができる。
【0080】(1)上記の熱可塑性エラストマー組成物
を非発泡層として使用し、該熱可塑性エラストマー以外
の重合体を発泡体として使用する場合 (i)非発泡層−発泡層からなる多層成形体の製造 非発泡層−発泡層からなる多層成形体は、接着又は熱融
着法、一体製造法等の方法を用いて製造することができ
る。
【0081】接着又は熱融着法 上記の熱可塑性エラストマー組成物を所望の形状の非発
泡体に成形した後、別途製造した該熱可塑性エラストマ
ー組成物以外からなる発泡体を公知の接着剤を用いる方
法、あるいは熱融着法で一体化する方法である。
【0082】ここで熱可塑性エラストマー組成物を所望
の形状を有する非発泡体に成形する方法としては、押出
成形法、射出成形法、圧縮成形法、粉末成形法、真空成
形法等があげられる。
【0083】この場合、別途製造した発泡体が本発明の
多層成形体の発泡層として用いられるが、該発泡層には
上記の熱可塑性エラストマー組成物以外のエラストマー
組成物、ポリウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル
系樹脂、先述のポリオレフィン系樹脂又はその架橋体等
の各種重合体からなる発泡体が通常用いられる。
【0084】中でも、ポリオレフィン系樹脂又はその架
橋体、上記の熱可塑性エラストマー組成物以外のオレフ
ィン系エラストマー組成物が、本発明の多層成形体の各
層がポリオレフィン系材料に統一されるため、リサイク
ル等の観点から好ましい。なお、これらの重合体には、
先述の顔料、各種安定剤、フィラー等を配合することも
できる。
【0085】一体製造法 接着又は熱融着法また、共押出成形法、二層射出成形
法、二層粉末成形法等により、上記の熱可塑性エラスト
マー組成物からなる非発泡層と、上記の重合体からなる
発泡層とを一体製造することも可能である。この場合、
多層成形体はシート状(二層粉末成形法では複雑な形状
とすることもできる)、筒状等の形状に製造される。
【0086】このような方法で製造された多層成形体
は、真空成形法等を適用したり、折り曲げることによっ
て、さらに所望の形状に加工することもできる。
【0087】他に、前記各種成形を行うに際し、該雄金
型又は雌金型内に発泡層を配置した状態で、前記非発泡
層の成形を行うことにより、非発泡層の成形と同時に非
発泡層及び発泡層を一体化することにより製造すること
もできる。
【0088】(ii)発泡層側にさらに芯材が積層されてな
る多層成形体の製造 また、本発明の多層成形体を、発泡層側にさらに芯材が
積層されてなる三層構造の多層成形体として使用するこ
ともできる。芯材を構成する材料としては、公知のポリ
プロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
等の剛性を有する樹脂が好ましく用いられる。なお、芯
材の厚みは、通常1〜20mmであり、好ましくは2〜
5mmである。芯材の厚みが1mm未満の場合は、得ら
れる多層成形体の強度が不十分となることがある。
【0089】芯材が積層されてなる多層成形体の製造方
法としては、積層一体成形法、ウレタン発泡法、接着又
は熱融着法、芯材用の溶融樹脂を供給賦型する方法等が
あげられる。
【0090】積層一体成形法 積層一体成形法とは、具体的には射出成形法、低圧射出
成形法、射出圧縮成形法、圧縮成形法等を用い、雄、雌
一対の金型を使用し、予め賦型された非発泡層と予め賦
型された芯材を雄型内と雌型内に各々に配置し、次いで
該非発泡層と該芯材との間に、発泡剤を含有した前記重
合体の溶融体を供給し、必要に応じて賦型した後、発泡
させることにより該非発泡層と該芯材との間に発泡層を
形成すると同時に、非発泡層、発泡層及び芯材を一体化
する方法である。
【0091】また、前記製造方法において、発泡剤を含
有した前記重合体の溶融体を前記非発泡層と芯材層間に
供給し、必要に応じて賦型した後、該前記重合体の溶融
体が冷却固化しない間に、該雄金型及び/又は該雌金型
を所定量開き、該非発泡層と芯材の間に構成される発泡
層の賦型容積を拡大することにより、より発泡倍率の高
い発泡層を有する多層成形体を製造することもできる
(以下、キャビスライド法と称す)。
【0092】発泡層の発泡倍率は、キャビスライド法以
外の積層一体成形法を用いた場合は、主に発泡剤を含有
した重合体の非発泡層と芯材間への充填量で調整され、
キャビスライド法においては、さらに該雄金型及び/又
は該雌金型の開き量によっても発泡倍率を任意に調整す
ることができる。
【0093】なお、前記重合体からなる発泡層の発泡倍
率は、触感の観点から1.2倍以上であることが好ま
く、1.3倍以上がより好ましく、さらには1.5倍以
上が好ましい。発泡倍率が1.2倍未満であると十分な
柔軟な触感が得られ難く、軽量化を達成することができ
ない。発泡剤としては、後述する化学発泡剤及び/又は
物理発泡剤を使用することができる。
【0094】また、上記芯材の代わりに、上記の熱可塑
性エラストマー組成物やそれ以外のオレフィン系エラス
トマー組成物等からなる予め賦型されたシート状成形体
を用いることにより、非発泡層―発泡層―非発泡層から
なる多層成形体を製造することもできる。
【0095】ウレタン発泡法 ウレタン発泡法とは、前記積層一体成形法の他には、上
記の熱可塑性エラストマー組成物からなる非発泡層と芯
材との間に、ポリオール及びポリイソシアネートからな
る発泡性混合液を注入、発泡後固化させることにより、
発泡層が発泡ポリウレタンである多層成形体を製造する
方法である。
【0096】なお、非発泡層と発泡ポリウレタン体、芯
材と発泡ポリウレタンとの接着性に劣る場合は、非発泡
層及び/又は芯材の発泡層に対向する面を、本方法を実
施する前に塩素化ポリオレフィン等のプライマーで処理
したり、コロナ処理をしておくことにより接着性を向上
することができる。
【0097】接着又は熱融着法 なお、非発泡層−発泡層−芯材からなる多層成形体を製
造する際、非発泡層及び発泡層からなる二層成形体を製
造した後、非発泡層及び/又は発泡層を公知の接着剤又
は熱融着で貼合することによっても製造することができ
る。また、発泡層及び芯材からなる二層成形体を製造し
た後、芯材を同方法で貼合することもできるし、非発泡
層、発泡層及び芯材を、本方法を用いて一度に貼合する
こともできる。
【0098】芯材用の溶融樹脂を供給賦型する方法 芯材を有する多層成形体は、先述の射出成形法、低圧射
出成形法、射出圧縮成形法、圧縮成形法等の方法により
上記の芯材形成用の溶融体を非発泡層−発泡層からなる
多層成形体の発泡層側に供給し、必要に応じて賦型する
ことにより芯材の成形と同時に一体化することにより製
造することもできる。
【0099】他に、上記芯材の代わりに、シート状の非
発泡体を用いて、上記の熱可塑性エラストマー組成物か
らなる非発泡層―上記の熱可塑性エラストマー組成物以
外からなる発泡層―非発泡層からなる多層成形体を製造
することもできる。シート状の非発泡体は、本発明の熱
可塑性エラストマー組成物からなるものであってもよい
し、異なるものであってもよい。
【0100】(2)上記の熱可塑性エラストマー組成物
を発泡層とし、該熱可塑性エラストマー組成物以外を非
発泡層として使用する場合 (i)非発泡層−発泡層からなる多層成形体の製造 非発泡層−発泡層からなる多層成形体は、前記の接着又
は熱融着法、一体製造法等の方法を用いて製造すること
ができる。
【0101】接着又は熱融着法 上記の熱可塑性エラストマー組成物を所望の形状の発泡
体に成形した後、別途製造した該熱可塑性エラストマー
組成物以外からなる非発泡体を公知の接着剤を用いる方
法、あるいは熱融着法で一体化する方法である。
【0102】この場合、別途製造した該熱可塑性エラス
トマー組成物以外からなる非発泡体が本発明の多層成形
体の非発泡層として用いられるが、該非発泡層には本発
明の熱可塑性エラストマー組成物以外からなるオレフィ
ン系エラストマー組成物、ポリウレタン系エラストマ
ー、ポリ塩化ビニル系樹脂、先述のポリオレフィン系樹
脂又はその架橋体等の各種重合体が通常用いられるが、
中でもポリオレフィン系樹脂又はその架橋体、本発明の
熱可塑性エラストマー組成物以外からなるオレフィン系
エラストマー組成物が、本発明の多層成形体の各層がポ
リオレフィン系材料に統一されるため、リサイクル等の
観点から好ましい。なお、これらの重合体には顔料、各
種安定剤、フィラー等を配合することもできる。
【0103】ここで熱可塑性エラストマー組成物を所望
の形状を有する非発泡体に成形する方法としては、押出
成形法、射出成形法、圧縮成形法、粉末成形法、真空成
形法等があげられる。
【0104】なお、該非発泡層を粉末成形法により製造
する場合、例えば、特開平10−30036号公報、特
開平5−5050号公報、特開2001−49052号
公報等に記載された粉末成形用エラストマー組成物パウ
ダーが好ましく使用される。
【0105】ここで熱可塑性エラストマー組成物を所望
の形状を有する発泡体に成形する方法としては、押出成
形法、射出成形法、圧縮成形法、粉末成形法、真空成形
法等があげられる。
【0106】本発明の多層成形体における熱可塑性エラ
ストマー組成物からなる発泡層は、上記の熱可塑性エラ
ストマー組成物に発泡剤を配合したものを押出成形、射
出成形、低圧射出成形、射出圧縮成形、スタンピング成
形及び型内発泡成形法等を用いる製造することができ
る。
【0107】発泡層の製造に用いられる発泡剤は特に限
定されるものではなく、重曹、アゾジカルボン酸アミド
などに代表される化学発泡剤、炭酸ガス、窒素ガス、ブ
タンなどに代表される物理発泡剤などが使用でき、これ
らの併用も可能である。また、気泡核剤として、タル
ク、シリカなどの無機フィラーを添加することもでき
る。
【0108】化学発泡剤としては、加熱により分解して
気体を発生する熱分解型のものとして、たとえば、アゾ
ジカルボンアミド、オキシベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、アゾビスビソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バ
リウム、ヒドラゾジカルボンアミド等があげられる。ま
た、均一な気泡を有する発泡層を得るためには、発泡剤
の分解温度を熱可塑性エラストマー組成物の溶融温度付
近とすることが好ましく、発泡剤の分解温度を調節する
ための発泡助剤を添加してもかまわない。発泡剤の添加
量としては、必要なガス量を発生する量であれば、特に
限定されないが、上記熱可塑性エラストマー組成物10
0重量部あたり、通常0.1〜10重量部、好ましくは
0.5〜5重量部配合される。発泡剤の添加量が10重
量部を超える場合、得られる発泡層のセル荒れや強度低
下等の問題が発生することがある。また、0.5重量部
未満の場合は発泡倍率が上がらないため、柔軟性、反発
弾性等の触感及び軽量性に優れる多層成形体が得られな
いという問題が発生することがある。
【0109】化学発泡剤の配合は、熱可塑性エラストマ
ー組成物及び化学発泡剤が均一に配合されればよく、タ
ンブラーミキサーやヘンシェルミキサー等による機械的
混合方法等があげられる。
【0110】化学発泡剤を配合する前の熱可塑性エラス
トマー組成物は、予め押出機等を用いて溶融混練したも
のであってもよい。また、該熱可塑性エラストマー組成
物を構成する(A)、(B)及び必要に応じて添加され
る成分がペレット形状又はパウダー形状の場合は、これ
らと化学発泡剤を上記の方法で機械的に混合したものを
使用してもよい。また、(A)、(B)及び必要に応じ
て添加される成分及び化学発泡剤を、化学発泡剤の分解
温度以下の温度で溶融混練したものを使用することもで
きる。
【0111】さらに、化学発泡剤の分解時の発熱によ
り、不均一な気泡が生成するのを防止するため、吸熱性
の分解挙動を示す発泡剤を併用してもよい。
【0112】本発明に用いる物理発泡剤としては、窒素
ガス、炭酸ガス等の不活性ガスが通常使用される。ま
た、物理発泡剤と化学発泡剤を併用して使用することも
できる。
【0113】特に、押出成形法を用いて上記熱可塑性エ
ラストマー組成物からなる発泡層を製造した後、前記非
発泡層と発泡層とを接着剤で接着して多層成形体を製造
する場合、発泡ガスとして窒素ガスと炭酸ガスとの混合
ガスを用いるのが微細な気泡径を有する発泡成形体が得
られるという観点から好ましく、この場合にはたとえ
ば、窒素ガスと炭酸ガスとの混合ガスを直接押出機内へ
圧入する方法や、分解により主として窒素ガスを発生す
る熱分解型発泡剤と、分解により主として炭酸ガスを発
生する熱分解型発泡剤とを併用することもできる。
【0114】ここで、主として窒素ガスを発生する熱分
解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビス
イソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−
オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を例示
することができ、アゾジカルボンアミドが好ましく使用
される。なお、これらの発泡剤は併用してもよい。
【0115】また、主として炭酸ガスを発生する熱分解
型発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウ
ム、重炭酸アンモニウムを例示することができ、重炭酸
ナトリウムが好ましく使用される。なお、これらの発泡
剤は併用してもよい。
【0116】発泡剤には必要に応じて発泡剤と発泡助剤
とを併用してもよい。発泡助剤として、酸化亜鉛、硝酸
亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、フタル酸
鉛、炭酸鉛、尿素、グリセリンを例示することができ
る。また、気泡造核剤としての炭酸カルシウム、タル
ク、シリカ等の粉体を併用することも好ましい。
【0117】主として窒素ガスを発生する熱分解型有機
発泡剤と、主として炭酸ガスを発生する熱分解型無機発
泡剤とを併用する場合、前者の発泡剤と後者の発泡剤と
の重量比は、気泡径が微細・均一という観点から、1/
99〜30/70、好ましくは1/99〜20/80、
より好ましくは1/99〜10/90である。
【0118】発泡剤として窒素ガスと炭酸ガスとの混合
ガスを使用する場合、窒素ガスと炭酸ガスとの体積比は
1/99〜30/70、好ましくは1/99〜20/8
0、より好ましくは1/99〜10/90である。この
場合、気泡造核剤としての炭酸カルシウム、タルク、シ
リカ等の粉体を用いることが好ましい。
【0119】押出成形法を用いて発泡層を製造する場
合、上記の熱可塑性エラストマー組成物と発泡剤との混
合物を原料投入口に投入し、押出機内で熱可塑性エラス
トマー組成物の溶融とガスの発生とを起こさせ、熱可塑
性エラストマー組成物の溶融体とガスとを充分に混練し
て均一化させ、均一化された混合物を発泡に適した温度
にまで冷却させた後、混合物をダイスから押出して発泡
させ、引取機にて冷却する方法が適用される。
【0120】押出成形方法による発泡層の製造に用いら
れる押出機についての制限は特になく、少なくとも、熱
可塑性エラストマー組成物と発泡ガスとを充分に混練・
均一化させ、発泡に適した温度まで冷却・調整できる押
出機であればよく、かかる押出機として、たとえば、単
軸押出機、多軸押出機を例示することができる。多軸押
出機としては一般に2軸押出機が用いられ、スクリュー
の回転方向が同方向のものであってもよいし、異方向の
ものであってもよい。2軸押出機の様式については、ス
クリューの径が一定である平行2軸の押出機であっても
よいし、スクリューの先端の径が小さい斜軸2軸押出機
であってもよい。2軸押出機の場合、発泡ガスがホッパ
ーから抜けやすいため、スクリューにシーリングセグメ
ントを設けることが好ましい。単軸押出機は、発泡ガス
がホッパーから抜けることが少なく低コストであるとい
う観点から、好ましく使用される。また、単軸押出機と
多軸押出機とを組み合わせたタンデム押出機を使用する
ことも可能である。押出機のダイスとしては、フラット
ダイスやサーキュラーダイスが用いることができ、ダイ
ス先端部のリップギャップを調節することにより、発泡
層の厚みをコントロールすることができる。
【0121】次に、射出成形法、低圧射出成形法、射出
圧縮成形法、スタンピング成形法等の方法で一対の雄、
雌金型を用いて発泡層を製造する場合においても、押出
成形法と同様、上記の熱可塑性エラストマー組成物と化
学発泡剤及び/又は物理発泡剤を供給シリンダー内で溶
融混練して均一化させる。溶融混練されて均一化した該
発泡剤含有の溶融状熱可塑性エラストマー組成物を、一
対の雄、雌金型で形成される金型キャビティ内に供給
し、必要に応じて賦型した後、金型内で冷却固化させる
ことにより発泡層を製造することができる。
【0122】射出成形法では、該雄、雌金型が閉じた状
態で該発泡剤を含有した熱可塑性エラストマー組成物の
溶融体が金型内に供給し賦型することにより、本発明の
熱可塑性エラストマー組成物からなる発泡層を製造する
ことができる。
【0123】射出圧縮成形法及びスタンピング成形法に
おいては、未閉鎖の雄、雌金型間に前記発泡剤を含有し
た熱可塑性エラストマー組成物の溶融体を供給した後、
又は供給しながら該雄及び雌金型を型締め圧縮すること
により金型キャビティ内に賦型することにより、本発明
の熱可塑性エラストマー組成物からなる発泡層を製造す
ることができる。
【0124】なお、前記の各種成形法において、金型キ
ャビティ内に供給、賦形された発泡熱可塑性エラストマ
ー組成物が冷却固化されないうちに、前記のキャビスラ
イド法を用いて金型キャビティ容積を拡大することによ
り、より高発泡倍率を有する発泡層を製造することもで
きる。
【0125】一体製造法 上記の熱可塑性エラストマー組成物以外からなる非発泡
層−上記の熱可塑性エラストマー組成物からなる発泡層
からなる多層成形体は、共押出成形法、二層射出成形
法、二層粉末成形法等により、一体的製造することも可
能である。この場合、多層成形体はシート状(二層粉末
成形法では複雑な形状とすることもできる)、筒状等の
所望の形状に製造される。
【0126】このような方法で製造された多層成形体
は、真空成形法等を適用したり、折り曲げることによっ
て、さらに所望の形状に加工することもできる。
【0127】他に、前記各種成形を行うに際し、該雄金
型又は雌金型内に非発泡層を配置した状態で、前記発泡
層の成形を行うことにより、発泡層の成形と同時に非発
泡層及び発泡層を一体化することにより製造することも
できる。
【0128】(ii)発泡層側にさらに芯材が積層されて
なる多層成形体の製造 また、前記同様、先述の多層成形体を、発泡層側にさら
に芯材が積層されてなる三層構造の多層成形体として使
用することもできる。芯材を構成する材料としては、公
知のポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチ
レン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体等の剛性を有する樹脂が好ましく用いられる。な
お、芯材の厚みは、通常1〜20mmであり、好ましく
は2〜5mmである。芯材の厚みが1mm未満の場合
は、得られる多層成形体の強度が不十分となることがあ
る。
【0129】芯材が積層されてなる多層成形体の製造方
法としては、前記の積層一体成形法、接着又は熱融着
法、芯材用の溶融樹脂を供給賦型する方法等があげられ
る。
【0130】しかしながら、接着法では溶剤を用いるた
め作業環境の面で問題があり、また芯材用の溶融樹脂を
供給賦型する方法においては、芯材を成形する際に発泡
層が熱及び圧力の影響を受けてつぶれやすいという問題
点がある。
【0131】これらの問題点を解決するためには、前記
の積層一体成形法を用いることが好ましい。本方法で
は、射出成形法、低圧射出成形法、射出圧縮成形法、圧
縮成形法等を用い、予め賦形された非発泡層及び芯材と
の間に、発泡剤を含有した上記の熱可塑性エラストマー
組成物を溶融状態で供給し、発泡させるとともに一体化
する。
【0132】以下、射出圧縮成形法を用いた非発泡層と
芯材の間に発泡剤を含有した熱可塑性エラストマー組成
物を溶融状態で供給して発泡させ、非発泡層―発泡層―
芯材を積層一体化する方法を例示する。
【0133】図1には、射出圧縮成形法で用いる雌金型
(1)と溶融樹脂通路(3)を有する雄金型(2)を示
している。雌金型(1)内には予め賦型された非発泡層
(4)が配置されており、雄金型(2)内にも樹脂通路
(3)の位置に対応する個所に予め賦型された貫通孔
(6)を有する芯材(5)が予め配置されている。
【0134】図2に示すように、雄、雌金型を所定の位
置まで接近させ、射出機(図示せず)で溶融混練された
発泡剤を含有した熱可塑性エラストマー組成物の溶融体
(8)を雄金型(2)の樹脂通路(3)を通じて芯材
(5)の貫通孔(6)より非発泡層(4)と芯材(5)
で形成されるキャビティ(7)内に供給する。
【0135】貫通孔の形状は、発泡剤を含有した熱可塑
性エラストマー組成物の溶融体がキャビティ(7)内に
供給できるものであれば特に限定されるものではなく、
丸孔、角孔等任意の孔形状が適用できる。また、貫通孔
の大きさについても特に限定されるものではないが、あ
まり大きすぎると芯材としての剛性が低下してしまうた
めできるだけ小さくすることが好ましい。
【0136】発泡剤と該熱可塑性エラストマー組成物の
射出機内での溶融混練温度は、使用する発泡剤などによ
り任意に設定されるが、通常170℃から260℃の範
囲である。
【0137】次に、供給完了後又は、供給を行いながら
雄金型(2)及び/又は雌金型(1)を移動型締めし
て、発泡剤を含有した熱可塑性エラストマー組成物の溶
融体(8)をキャビティ(7)内に充填、賦形し該熱可
塑性エラストマー組成物を発泡させるとともに非発泡層
(4)と芯材(5)を積層一体化する(図3)。この型
締めによる賦形圧力は、発泡熱可塑性エラストマー組成
物をより発泡しやすくするためできるだけ低い圧力とす
るのが望ましく、10MPa以下とするのが好ましい。
【0138】積層一体化した後、金型内で冷却し、その
後金型を開き多層積層体を取り出すことにより、非発泡
層−発泡層−芯材からなる多層積層体(9)が得られ
る。
【0139】また、図4にはキャビスライド法の例を示
しており、図3で示した発泡剤含有の発泡剤を含有した
熱可塑性エラストマー組成物の溶融体(8)を型締めに
よりキャビティ(7)内に充填、賦形して発泡させ、非
発泡層(4)と芯材(5)を積層一体化した後、該発泡
熱可塑性エラストマー組成物の冷却が完了しない間に雄
金型(2)及び/又は雌金型(1)を所定量開いてキャ
ビティ容積を拡大することにより、該発泡層の発泡倍率
をより高めた多層積層体(10)を得ることができるよ
うになる。金型を所定量開くタイミングは、熱可塑性エ
ラストマー組成物が発泡できる状態であればいつでもよ
いが、あまり冷却が進むと発泡倍率が高くできないため
賦形完了後10秒以内に型開きをおこなうことが望まし
い。
【0140】該熱可塑性エラストマー組成物からなる発
泡層の発泡倍率は、触感の観点から1.2倍以上である
ことが好まく、1.3倍以上がより好ましく、さらには
1.5倍以上が好ましく、特には1.8倍以上が好まし
い。発泡倍率が1.2倍未満であると十分な柔軟な触感
が得られ難く、軽量化を達成することができない。
【0141】また、上記芯材の代わりに、シート状の非
発泡体を用いて、上記の熱可塑性エラストマー組成物以
外からなる非発泡層―上記の熱可塑性エラストマー組成
物からなる発泡層―非発泡層からなる多層成形体を製造
することもできる。シート状の非発泡体は、本発明の熱
可塑性エラストマー組成物からなるものであってもよい
し、異なるものであってもよい。
【0142】(3)上記発明の熱可塑性エラストマー組
成物を非発泡層及び発泡層の両層に使用する場合上記の
熱可塑性エラストマー組成物を非発泡層及び発泡層の両
層に使用した多層成形体を製造する方法としては、前記
の積層一体成形法、接着又は熱融着法、共押出成形法、
二層射出成形法、二層粉末成形法等により非発泡層と発
泡層を同時に製造する方法等があげられる。
【0143】また、前記(2)と同様、非発泡層―発泡
層からなる多層成形体の発泡層側に芯材が積層されてな
る三層構造の多層成形体として使用することもできる。
芯材を有する多層成形体の製造方法は(2)と同様、前
記の積層一体成形法、接着又は熱融着法、芯材用の溶融
樹脂を供給賦型する方法等があげられる。
【0144】しかしながら、接着法では溶剤を用いるた
め作業環境の面で問題があり、また芯材用の溶融樹脂を
供給賦型する方法においては、芯材を成形する際に発泡
層が熱及び圧力の影響を受けてつぶれやすいという問題
点がある。
【0145】これらの問題点を解決するためには、前記
の積層一体成形法を用いることが好ましい。本方法で
は、射出成形法、低圧射出成形法、射出圧縮成形法、圧
縮成形法等を用い、予め賦形された非発泡層及び芯材と
の間に、発泡剤を含有した上記の熱可塑性エラストマー
組成物を溶融状態で供給し、発泡させるとともに一体化
する。
【0146】以下、積層一体成形方法の一つである射出
圧縮成形法による非発泡層と発泡層を同時に成形すると
ともに芯材と積層一体化する方法について例示する。
【0147】前記(2)の射出圧縮成形法の例で説明し
た製造工程(図1〜図3)において、予め雌金型内に非
発泡層を配置しないこと以外は、前記(2)の射出圧縮
成形法と同様にして非発泡層―発泡層―芯材を積層一体
成形できる。
【0148】ここでは、図1における非発泡層(4)を
雌金型(1)内に配置しないため、発泡剤を含有した熱
可塑性エラストマー組成物の溶融体(8)は、雌金型
(1)と芯材(5)で形成される金型キャビティ内に供
給され、型締めされることにより賦形される。この際、
金型キャビティ内に供給、賦形された発泡剤を含有した
熱可塑性エラストマー組成物の溶融体は、雌金型面で急
速に冷却されることにより発泡していない非発泡層が発
泡層の雌金型側に形成でき、これら非発泡層―発泡層を
成形するとともに雄金型(2)内に配置された芯材
(5)とも積層一体化することができる。
【0149】また、前記(2)の図4で説明したキャビ
スライド法を用いることにより、さらに発泡倍率の高い
発泡層を成形することができる。
【0150】本方法により得られる該熱可塑性エラスト
マー組成物からなる発泡層の発泡倍率は、触感の観点か
ら1.2倍以上であることが好まく、1.3倍以上がより
好ましく、さらには1.5倍以上が好ましく、特には1.
8倍以上が好ましい。発泡倍率が1.2倍未満であると
十分な柔軟な触感が得られ難く、軽量化を達成すること
ができない。
【0151】さらに、非発泡層を形成する雌金型又は雄
金型の製品面に皮しぼ模様やステッチ模様を予め施して
おくことにより、これが非発泡層面に転写され高級感を
付与することができる。
【0152】芯材及び発泡剤は上記(2)に記載したも
のと同じものを使用することができる。
【0153】また、上記芯材の代わりに、シート状の非
発泡体を用いて上記の熱可塑性エラストマー組成物から
なる非発泡層―上記の熱可塑性エラストマー組成物から
なる上記の熱可塑性エラストマー組成物からなる発泡層
―非発泡層からなる多層成形体を製造することもでき
る。この場合、シート状の非発泡体は上記の熱可塑性エ
ラストマー組成物からなるものであってもよいし、異な
るものであってもよい。
【0154】本発明における多層成形体は、その優れた
特徴を利用して、車両部品、電気・電子機器部品、電
線、建築材料、農・水産・園芸用品、化学産業用品、土
木資材、産業・工業資材、家具、文房具、日用・雑貨用
品、衣服、容器・包装用品、玩具、レジャー用品、医療
用品等の用途に用いることができる。車両部品として
は、たとえば、インパネ、ドア、ピラー、エアーバッグ
カバー、オーバーフェンダー、クラウディングパネル、
ルーフレール、サイドモール等の自動車外装部品、自転
車部品等があげられる。電気・電子機器部品としては、
たとえば、電気・機部品、電子部品、弱電部品、家電部
材、冷蔵庫用品、照明器具、電気用各種カバー等があげ
られる。電線としては、プラスチックケーブル、絶縁電
線、電線保護材等があげられる。建築材料としては、た
とえば、リブ、巾木、パネル、ターポリン等の壁・天井
材用途、波板、樋、屋根下地材等の屋根材用途、敷居
材、タイル等の床部材用途、目地、目地棒、防水シート
等の防水用途、ダクト、ケーブルダクト、プレハブ部
材、浄化槽等の設備・装置部品用途、建築用エッジ、建
築用ガスケット、カーペット抑え、アングル、ルーバー
等の構造・造作材用途、ジョイナー、養生シート等の工
業資材用途があげられる。農・水産・園芸用品として
は、たとえば、農業用ハウス用途等があげられる。産業
・工業用資材としては、たとえば、機械カバー、機械部
品、パッキング、ガスケット、フランジ、レザー帆布、
ボルト、ナット、バルブ、金属保護用フィルム等があげ
られる。家具としては、たとえば、キャビネット、スツ
ール、ソファー、マット、カーテン、テーブルクロス等
があげられる。文房具としては、カードケース、筆記具
ケース、アクセサリー、キーケース、キャッシュカード
ケース、ステッカー、ラベル、ブックカバー、ノートカ
バー、バインダー、手帳、表紙、ファイル、カード、定
期類、下敷き、ホルダー、マガジントレー、アルバム、
テンプレート、筆記具軸等があげられる。日用・雑貨用
品としては、たとえば、風呂蓋、すのこ、バケツ、洋服
カバー、布団ケース、洋傘、傘カバー、すだれ、裁縫用
具、棚板、棚受け、額縁、エプロン、トレー、テープ、
紐、ベルト類、鞄、等があげられる。衣服としては、レ
インコート、合羽、雨具シート、子供レザーコート、
靴、シューズカバー、履き物、手袋、スキーウエア、帽
子、帽子用副資材等があげられる。容器・包装用品とし
ては、たとえば、食品容器、衣料包装品、梱包・包装資
材、化粧品瓶、化粧品容器、薬品瓶、食品瓶、理化学
瓶、洗剤瓶、コンテナ、キャップ、フードパック等があ
げられる。
【0155】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を
限定するものと解すべきではない。 [I]成分(A)熱可塑性樹脂の評価(表1) (1)メルトフローレート JIS−K−7210に準拠して、230℃でのメルト
フローレートを測定した(荷重2.16kg)。 (2)ダイスウェル比 JIS−K−7199に準拠して、バレル温度190
℃、キャピラリー直径1mm、キャピラリー長さ10m
m、せん断速度122sec-1の条件で熱可塑性樹脂を
押出し、ダイスウェル比(試料の直径/キャピラリー直
径)をノギスを用いて測定した値から求めた。
【0156】[II]成分(B)オレフィン系共重合体の
製造 重合触媒として(1)トリイソブチルアルミニウム、
(2)N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロ)フェニルボレート、(3)ジメチルシリル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert
−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジ
クロライドを用い、エチレン、プロピレン、1−ブテン
の共重合を実施した。(1)、(2)、(3)はモル比
で633:28:1で使用した。重合温度は50℃、重
合圧力は0.8MPa、重合溶媒及び、触媒調整溶媒は
ヘキサンを使用した。
【0157】[III]成分(B)オレフィン系共重合体
の評価(表2) 測定は下記のとおり行った。 (1)示差走査熱量計(DSC)測定 示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220
C)を用いて、昇温及び降温過程のいずれも10℃/分
の速度で測定を行った。 (2)GPC測定 GPC装置にはWaters社製150C、溶出温度は
140℃、使用カラムは、昭和電工社製Shodex
Packed ColumnA−80M、分子量標準物
質はポリスチレン(たとえば、東ソー社製、分子量68
−8,400,000)を用いた。得られたポリスチレ
ン換算重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(M
n)、更にこの比(Mw/Mn)を分子量分布として求
めた。測定サンプルは約5mgの重合体を5mlのo−
ジクロロベンゼンに溶解し、約1mg/mlの濃度とし
た。得られたサンプル溶液の400μlをインジェクシ
ョンし、溶出溶媒流速は1.0ml/minとし、屈折
率検出器にて検出した。 (3)極限粘度[η] 135℃テトラリン中でウベローデ粘度計を用いて行っ
た。サンプルは300mgを100mlテトラリンに溶
解し、3mg/mlの溶液を調整した。更に当該溶液を
1/2、1/3、1/5に希釈し、それぞれを135℃
(±0.1℃)の恒温油槽中で測定し、比粘度を得た。
かかる比粘度をテトラリン溶媒中の濃度で除した値にお
いて、該テトラリン溶媒中の濃度を0に外挿した値から
求めた。 (4)IR測定(エチレン/プロピレン/1−ブテン定
量方法) 上記[II]で得られた共重合体を赤外吸光度比で分析した
ところ、720cm-1にエチレンのメチレン横ゆれ振
動、1154cm-1にプロピレンのメチル分岐由来のメ
チル基横ゆれ振動、770cm-1に1−ブテンのエチル
分岐由来のメチル基横ゆれ振動が観察され、各モノマー
成分が共重合していることが確認された。 (5)ホモポリプロピレン樹脂とのブレンド組成物の曲
げ弾性率 230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレー
トが14g/10分、曲げ弾性率Saが1380MPa
であるホモポリプロピレン樹脂を用い、該ホモポリプロ
ピレン樹脂50重量部、オレフィン系重合体50重量
部、酸化防止剤0.25重量部を、ブラベンダー社製プ
ラスチコーダーPLV151型を用いて、温度200
℃、スクリュー回転数10rpmで2分間予備混練を行
った後、100rpmで5分間混練を行った。該組成物
をJIS−K−6758に準拠して230℃でプレス成
形を行ない、シートを作成した。該シートをJIS−K
−7203に準拠して曲げ弾性率を測定した。
【0158】[IV]熱可塑性エラストマー組成物の製造 表3に示す配合を、ブラベンダー社製プラスチコーダー
PLV151型を用いて、温度200℃、スクリュー回
転数10rpmで2分間予備混練を行った後、100r
pmで5分間混練を行った。
【0159】[V]多層成形体の製造 直径300mmの円板金型を用い、雌金型と雌金型のそ
れぞれに厚み0.6mmのポリプロピレン及びエチレン
・α−オレフィン系ゴムからなるポリオレフィン系エラ
ストマー組成物からなる非発泡体を配置し、射出圧縮成
形法のキャビスライド法により両非発泡体間に実施例1
〜3、比較例1の熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
トに、それぞれ無機系化学発泡剤40%含有のマスター
バッチMB3074(三協化成製)を8重量部添加し混
合したペレットをペレットブレンドで供給し、非発泡層
―発泡層―非発泡層からなる積層成形体の一体成形を行
った。ここでは、キャビスライド時に発泡させる方法を
用いた。上記の発泡剤を含有する熱可塑性エラストマー
組成物を射出機に投入し、200℃の温度で溶融、混練
した。
【0160】溶融混練後、未発泡状態換算で厚み2mm
となる量の発泡剤を含有した熱可塑性エラストマー組成
物の溶融体を未閉鎖の雄、雌金型内に配置された両非発
泡体の間に供給し、加圧面圧5Mpaで型締めし該熱可塑
性エラストマー組成物の溶融体を厚み2mmに賦形する
とともに、両非発泡体と発泡層材料を積層一体化した。
次に、型締めによる賦形完了から1.5秒間5Mpaで加
圧した後、該雄金型と雌金型の間の距離がを8.8mm
になるまで開き、該発泡剤を含有した熱可塑性エラスト
マー組成物の溶融発泡体を発泡させた。この状態のまま
60秒間金型内で冷却した後、金型を開いて非発泡体−
発泡層−非発泡体からなる多層成形体を取り出した。評
価結果を表3示す。
【0161】[VI]多層成形体の評価方法 実施例及び比較例に記した多層成形体の諸特性は次の方
法により測定した。 (1)発泡倍率の測定方法 成形品肉厚が2mmであるキャビティーを拡大して発泡
させた時の発泡体の肉厚を、未発泡時2mmで割った値
を発泡倍率とした。 (2)硬度 JIS−K−6253に準拠して、非発泡層側からAS
KER Cタイプ(高分子計器社製)を用いて、1Kg
荷重で硬さを測定した。 (3)曲げ弾性率 JIS K7106に準拠して測定した。 (4)セルの均一さ 発泡層を目視により観察し、セルが均一である場合を
○、セルが不均一である場合を×とした。
【0162】
【表1】
【0163】
【表2】
【0164】
【表3】 (D―2);水添スチレン−ブタジエンブロック共重合
体 (MFR230℃、2.16kg荷重 10g/10
分、スチレン単位含有量 9重量%) EPR ;エチレン―プロピレン共重合体 (MFR230℃ 2.16Kg 1.2g/10mi
n)
【0165】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明により、
特定の熱可塑性樹脂並びに特定の物性を有するオレフィ
ン系共重合体を含有する熱可塑性エラストマー組成物か
らなる層を1層以上有する多層成形体であって、強度、
耐熱性、外観、耐傷付性、耐摩耗、軽量性及び反発弾性
に優れる多層成形体を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出圧縮成形法において、非発泡層と芯材を予
め配置したことを示す図である。
【図2】射出圧縮成形法において、熱可塑性エラストマ
ー組成物の溶融体をキャビティ内に供給することを示す
図である。
【図3】射出圧縮成形法において、熱可塑性エラストマ
ー組成物の溶融体を、キャビティ内に充填、賦形して発
泡させ積層一体化する方法を示す図である。
【図4】射出圧縮成形法において、キャビスライド法を
示す図である。
【符号の説明】
1:雌金型 2:雄金型 3:樹脂通路 4:非発泡層 5:芯材 6:貫通孔 7:キャビティ 8:発泡剤を含有した熱可塑性エラストマー組成物の溶
融体 9:非発泡層−発泡層−芯材からなる多層成形体 10:多層成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 穂積 英威 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 3D044 BA01 BA03 BB01 BC04 4F100 AK01E AK03A AK03B AK03C AK03D AK03E AK07A AK07B AK07C AK07D AK07E AK62 AL01A AL01B AL01C AL01D AL01E AL05A AL05B AL05C AL05D AL05E AL09A AL09B AL09C AL09D AL09E AT00A BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10D BA10E BA13 DJ01E EH17 EH172 EH20 EH202 EJ02 EJ022 GB32 JA04A JA04B JA04C JA04D JA04E JA06A JA06B JA06C JA06D JA06E JA20A JA20B JA20C JA20D JA20E JB16A JB16B JB16C JB16D JB16E JJ03 JK01 JK14 JL03 YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)及び(B)を含有し、(A)
    /(B)の重量比が5/95〜95/5である熱可塑性
    エラストマー組成物からなる層を1層以上有する多層成
    形体。 (A):230℃、2.16kg荷重下で測定されるメ
    ルトフローレートが0.001〜100g/10分の範
    囲にあり、キャピラリーレオメーターによるダイスウェ
    ル比(190℃、せん断速度122sec-1、L/D=
    10/1)が1.7以上である熱可塑性樹脂 (B):下式(1)の関係を充足するオレフィン系共重
    合体 Ua≦0.15×Sa (1) ここで、Uaは、該オレフィン系共重合体50重量部
    と、JIS−K−7203に準拠して測定した曲げ弾性
    率(Sa)が1400±100MPa、荷重2.16k
    gにおける230℃でのメルトフローレートが12±3
    g/10分、JISK 7122に準拠して示差走査熱
    量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく
    ピーク位置(融点)が162±2℃であるホモポリプロ
    ピレン樹脂50重量部とからなる評価用樹脂組成物の、
    JIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率
    (MPa)を示し、Saは該ホモポリプロピレン樹脂のJ
    IS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(M
    Pa)を示す。
  2. 【請求項2】 非発泡層と発泡層とからなり、非発泡層
    が請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる
    非発泡層である請求項1記載の多層成形体。
  3. 【請求項3】 非発泡層と発泡層とからなり、発泡層が
    請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形
    させてなる発泡層である請求項1記載の多層成形体。
  4. 【請求項4】 非発泡層が請求項1記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物からなる非発泡層である請求項3記載の
    多層成形体。
  5. 【請求項5】 発泡層側にさらに芯材が積層されてなる
    請求項2又は3記載の多層成形体。
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