JP2002359949A - 鉄道車両用駆動電動機 - Google Patents

鉄道車両用駆動電動機

Info

Publication number
JP2002359949A
JP2002359949A JP2001164703A JP2001164703A JP2002359949A JP 2002359949 A JP2002359949 A JP 2002359949A JP 2001164703 A JP2001164703 A JP 2001164703A JP 2001164703 A JP2001164703 A JP 2001164703A JP 2002359949 A JP2002359949 A JP 2002359949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dust
fan
machine
outer peripheral
ventilation fan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001164703A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Yagi
信行 八木
Tsutomu Kinoshita
力 木下
Shigetomo Shiraishi
茂智 白石
Tadashi Matsuura
忠 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Transport Engineering Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Transport Engineering Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Transport Engineering Inc filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001164703A priority Critical patent/JP2002359949A/ja
Publication of JP2002359949A publication Critical patent/JP2002359949A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通風ファンの発生音の低減して低騒音化が図
れ、また機内取り入れ外気の塵埃分離除去性能の向上も
図れる鉄道車両用駆動電動機を提供する。 【解決手段】 反駆動側機内に、シャフト6に固定され
た通風ファン21を設け、さらに駆動側機内に、シャフト
6に固定された塵埃加速ファン22を設け、駆動側の塵埃
加速ファンの羽根部分を覆うようにブラケット20を設
け、このブラケットの羽根内周側に相当する位置に入気
口20aを設けるとともに羽根外周側に相当する位置に外
気反転通風路20bを形成し、駆動側の入気口より取り入
れた外気を、塵埃加速ファンの外周部の反転通風路を経
て機内に流入させた後に、反駆動側の通風ファンの外周
側のブラケット19に設けられた排気口19aより機外に
排出する構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己通風冷却型の
鉄道車両用駆動電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】電車等の鉄道車両は、台車内に搭載され
ている駆動電動機(以下、「主電動機」と称する)によ
り車輪を回転駆動して走行する。この主電動機の構造
は、図14に示したようなものである。これについて説
明する。円筒状のフレーム1の両端側にブラケット2と
ハウジング3を設け、このブラケット2とハウジング3
との中心部に軸受4および軸受5を取り付け、この軸受
4,5によりローターのシャフト6の両端部を回転自在
に支持させている。
【0003】シャフト6の軸方向中央部に円筒状のロー
ター鉄心7を設け、このローター鉄心7の外周部に多数
の軸方向の溝を設け、この溝それぞれの中にローターバ
ー8を埋め込んでいる。各々のローターバー8の軸方向
両端部はエンドリンクで結合してある。
【0004】フレーム1の内周部には、円筒状のステー
タ鉄心9を設け、このステータ鉄心9の内周部には多数
の軸方向の溝を形成し、各溝の中にステータコイル10
を収容している。ステータ鉄心9の両側にステータコイ
ル10のコイルエンド部10aが張り出している。ステ
ータ鉄心9の内周面とローター鉄心7の外周面との間に
は、一様な空隙が形成されている。また、ローター鉄心
7には、軸方向に貫通する複数の通風穴7aが設けてあ
る。
【0005】さらに、シャフト6の駆動側の機内部分に
通風ファン11を固定し、反駆動側の端部にセンサ用歯
付き円板12を取り付けてある。フレーム1の側面位置
に速度センサ13を、センサ用歯付き円板12の外周面
と一定の間隔を保つようにして取り付けてある。フレー
ム1の反駆動側に入気口1aを形成し、この入気口1a
を覆うように通風ろ過器14を取り付け、この通風ろ過
器14の外気取り入れ部に目の細かい網などからなるフ
ィルタ14aが設けてある。
【0006】一方、駆動側のブラケット2の通風ファン
11の外周部にあたる位置の円周上に、複数の排気口2
aが設けてある。
【0007】シャフト6の駆動側端部6aは機外に張り
出させ、この部分に継手(図示せず)を取り付け、駆動
歯車装置を介して車輪に直結させてある。
【0008】この様な構造の主電動機では、運転時のス
テータコイル10とローターバー8の温度上昇を抑制す
るため、通風ファン11の回転により外気を機内に導入
して流通させ、冷却を行う。つまり、図14に矢印で示
すように、外気は通風ろ過器14を経て入気口1aより
機内に流入し、ローター鉄心7の通風穴7aおよびステ
ータ鉄心内周面とローター鉄心外周面との間の空隙部を
流通した後、通風ファン11により排気口2aより機外
に排出される。この流通外気により、主電動機内を冷却
し、ステータコイル10、ローターバー8の温度上昇が
限度を超えないように冷却する。
【0009】また、近年になって保守の省力化の目的か
ら、通風ろ過器14をなくした構造の主電動機が開発さ
れており、例えば、特開2000−4324758号公
報に記載された構造のものが知られている。この従来の
主電動機の構造は、図15に示すようなものである。つ
まり、駆動側の通風ファン17の羽根17aの内外周部
を覆うように構成されたブラケット16を設け、このブ
ラケット16の通風ファン羽根内周側の位置に入気口1
6aを設け、羽根17aの外周部に反転通風路16bを
形成したことを特徴としている。なお、その他の構成要
素については、図14に示した従来例と共通する要素に
同一の符号を付して示してある。
【0010】この主電動機の場合、運転時に通風ファン
17の回転によって外気を入気口16aより吸引して機
内に導入し、通風穴7aおよびステータ鉄心9とロータ
ー鉄心7との間の空隙部分とを流通させて冷却し、排気
口15aより機外に排出する。また、反駆動側のシャフ
トに補助ファン18を取り付け、この補助ファン18に
より、機内を流通して温度が高くなった排風が軸受5を
含む軸受支持部材の部分に直接当たらないようにしてい
る。
【0011】この従来の主電動機では、入気口16aよ
り導入された外気を通風ファン17により反転通風路1
6bで反転させることにより、外気に混入している塵
埃、水分等を遠心力で外周側に分離して塵埃排出穴16
cより機外に排出し、機内に流入する空気の清浄化を図
っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】外気を機内に流通させ
るため、運転時の主電動機内には通風ファンによって大
きな圧力が発生する。従来の主電動機の運転時の圧力分
布は、図16に示してある。図14に示した従来の主電
動機(以下、「Aタイプ」とする)では、通風ファン1
1の圧力部HA によって駆動側に大きな負圧を発生さ
せ、この負圧によって入気口1aより外気を機内に吸引
して流通させている。一方、図15に示した従来の主電
動機(以下、「Bタイプ」とする)では、通風ファン1
7の圧力HBによって反転通風路16bの部分に大きな
正圧を発生させ、この正圧によって機内に外気を押し込
み流通させている。いずれにしても、大きな負圧あるい
は正圧が発生するため、運転時に通風ファン11,17
より大きな騒音が発生する。
【0013】近年、環境への配慮より車両、機器の低騒
音化が要望されており、主電動機においても低騒音化が
強く望まれている。主電動機の騒音成分で最も大きいの
は、この通風ファンが発生する騒音であり、特に通風フ
ァンの外周部が大きく開放されているAタイプの主電動
機では騒音が大きく現れることから、その改善が強く望
まれていた。
【0014】また、Aタイプの主電動機の構造では、導
入する外気に混入している塵埃を通風ろ過器14のフィ
ルタ14aで除去するため、フィルタ14aのメッシュ
が次第に目詰まりしてくる。そして目詰まり状態になる
と、機内通風量が減って冷却効果が悪化し、ステータコ
イル10、ローターバー8の温度上昇が許容限度を超え
てしまい、絶縁の劣化や強度の低下による不具合を生じ
る。また、軸受の温度上昇にも影響し、特に排風側位置
の軸受部の温度が上昇して潤滑グリースの劣化を早め、
潤滑グリースの交換が早期に必要になる。そのため、短
い周期で定期的にフィルタ14aを清掃する必要があ
り、保守面から改善が望まれていた。
【0015】さらに、従来のBタイプの主電動機では、
外気をファン外周部の反転通風路16bで反転させて機
内に流入させるため、図16の圧力分布に示したように
この反転部分での大きな圧力損失(ヘッドロス)が発生
する。そのため、通風ファン17の発生圧力HB に対し
て最終的な排気口15aの部分での機外(大気圧)との
圧力差hB が減少し、Aタイプの主電動機の圧力差hA
よりも小さいことから、機内通風量が減少する。そのた
め、同一の能力を有する通風ファンで構成した場合で
は、Aタイプに比べてBタイプの構造の主電動機では、
全体の温度上昇が大きくなる傾向にある。そこでBタイ
プの主電動機において、通風量を確保するために通風フ
ァン17の直径を大きくして通風ファンの発生圧力を増
大させようとすると、ファン羽根17aとブラケット1
6の内壁との間隙Gが小さくなってしまうため、進入外
気の反転に伴う圧力損失がますます大きくなってしま
う。つまり、Bタイプの主電動機は、結果的に通風量の
増大を達成するのが構造的に難しいものである。このた
め、Bタイプの主電動機では、機内各部の温度は高めに
なる傾向にあると同時に、排風側の軸受5の部分を機内
で温度が高くなった流通空気が通過するため、軸受部の
温度上昇が大きくなり、潤滑グリースの劣化が早まり、
早期のグリース交換が必要になる問題点があった。
【0016】加えて、Bタイプの主電動機の場合、排風
側に補助ファン18を設け、この補助ファン18により
流通空気を外周方向に向け、軸受部に直接当たらない構
成としているが、ハウジング3や軸受支持部材に排風が
接触するの十分に防ぐことが難しく、軸受部の温度上昇
を抑制するのは構造的に難しくなっている。
【0017】また、このBタイプの構造では通風量を確
保するために通風ファン17の羽根17aの外径とブラ
ケット16の内壁との間の間隙Gが大きくとれず、その
ため、外気を反転させて塵埃を分離する際に、分離され
た塵埃が羽根17aの回転によって撹拌され、塵埃排出
穴16cより排出される前に機内側に流入する空気に巻
き込まれ、それに再混入して機内に入りやすい。こうし
て流入空気に混入して機内に流入する塵埃は、次第に通
風穴7a内に付着して堆積して通風冷却効果を低下させ
るため、早期の分解による清掃が必要になる問題点もあ
った。そのため、取り入れ空気の塵埃分離除去性能の向
上も望まれていた。
【0018】本発明は、このような従来の技術的課題を
解決するためになされたものであって、通風ファンの発
生音を低減して低騒音化が図れ、また機内取り入れ外気
の塵埃分離除去性能の向上も図れる鉄道車両用駆動電動
機を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、円筒
状のフレームの軸方向中央部の内周面に円筒状のステー
タ鉄心を有し、このステータス鉄心の内周部に設けられ
た複数の軸方向の溝各々の中にステータコイルを配し、
前記フレームの両端部にブラケットとハウジングを支持
し、前記ブラケットとハウジングとの各々に取り付けら
れた軸受によってローターのシャフトの両端部を回転自
在に支持し、前記シャフトの軸方向中央部にローター鉄
心を有し、このローター鉄心の外周部に設けられた複数
の軸方向の溝各々の中にローターバーを配し、前記ロー
ターのシャフトに通風ファンを取り付け、運転時に当該
通風ファンの回転により外気を機内に導入して、ロータ
ー鉄心内に設けられた通風穴及び前記ローター鉄心の外
周面とステータ鉄心の内周面との間に形成された間隙に
前記に導入外気を流通させて冷却を行う自己通風冷却型
の鉄道車両用駆動電動機において、反駆動側機内のロー
ターシャフト上に固定された通風ファンと、駆動側機内
のローターシャフト上に固定された塵埃加速ファンとを
有し、前記塵埃加速ファンの羽根部を覆うようにブラケ
ットを設け、前記ブラケットの塵埃加速ファンの羽根位
置より内径側に位置する壁面に複数個の入気口を設け、
前記塵埃加速ファンの外周部に取り入れ外気を反転させ
て機内に導入する反転通風路を形成し、前記反転通風路
の外周側に当たるブラケット壁面に機外に通じる塵埃排
出口を設けたことを特徴とするものである。
【0020】請求項2の発明は、請求項1の鉄道車両用
駆動電動機において、前記塵埃加速ファンの発生圧力
を、前記通風ファンの発生圧力を含めた全体の圧力の3
0%から60%の範囲内に設定したことを特徴とするも
のである。
【0021】請求項3の発明は、請求項1の鉄道車両用
電動機において、前記通風ファンの羽根枚数と塵埃加速
ファンの羽根枚数とを異なる枚数としたことを特徴とす
るものである。
【0022】請求項4の発明は、請求項1の鉄道車両用
駆動電動機において、前記塵埃加速ファンの外周部に形
成された反転通風路の外周側の一部に仕切りを設け、当
該仕切りと前記ブラケットの内壁面とによって回転方向
に伸びる塵埃進入路を形成し、当該塵埃進入路は、中央
部に斜めに設けられたガイドにより二分され、この二分
された塵埃進入路の一方は、前記反転通風路に広く開口
し、二分された塵埃進入路各々の奥側に機外に通じる塵
埃排出口を設けたことを特徴とするものである。
【0023】請求項5の発明は、請求項1の鉄道車両用
駆動電動機において、前記塵埃加速ファンの外周部に形
成された反転通風路の外周側の壁面に、その全周にわた
って導入溝を設け、この導入溝の奥側に機外に通じる塵
埃排出口を設けたことを特徴とするものである。
【0024】請求項6の発明は、請求項1の鉄道車両用
駆動電動機において、固定子部材に仕切りを設けて、こ
の仕切りを前記通風ファンの主板の外周面に対して接近
させ、この仕切りと前記通風ファンの主板の背面と軸受
支持部材とによって回転方向全周にわたる空間を囲繞
し、この空間を前記通風ファンの内径側に設けられた通
し穴により通風ファンの羽根外周部と連通させると共
に、前記フレーム又は軸受支持部材に設けられた入気穴
により機外に連通させ、前記回転方向全周にわたる空間
に外気を導入し流通させることを特徴とするものであ
る。
【0025】請求項7の発明は、請求項1の鉄道車両用
駆動電動機において、固定子部材にガイドを設けて、こ
のガイドを前記通風ファンの主板の外周面に対して接近
させ、この仕切りと前記通風ファンの主板の背面と軸受
支持部材とによって回転方向全周にわたる空間を囲繞
し、この空間を前記フレームおよび軸受支持部材に設け
られた複数の連通穴により機外に連通させ、前記通風フ
ァンの主板の背面に多数のフィンを設け、前記回転方向
全周にわたる空間内に外気を導入し流通させることを特
徴とするものである。
【0026】請求項8の発明は、請求項1の鉄道車両用
駆動電動機において、反駆動側フレームに仕切り板を設
けて、この仕切り板を前記通風ファンの補助板の外周面
に対して接近させ、この仕切り板によって機内空間と前
記通風ファンの外周部空間とを区分し、前記通風ファン
の外周部空間を前記フレームに設けられた排気口により
機外に連通させたことを特徴とするものである。
【0027】請求項9の発明は、請求項8の鉄道車両用
駆動電動機において、前記フレームの外周部にバイパス
ダクトを設け当該バイパスダクト内の両端側を前記フレ
ームに設けられた通気口により駆動側のステータコイル
エンド外周部の機内空間と反駆動側のステータコイルエ
ンド外周部の機内空間とに各々連通させたことを特徴と
するものである。
【0028】本発明の鉄道車両用駆動電動機では、反駆
動側機内に、シャフトに固定された通風ファンを設け、
さらに駆動側機内に、シャフトに固定された塵埃加速フ
ァンを設け、駆動側の塵埃加速ファンの羽根部分を覆う
ようにブラケットを設け、このブラケットの羽根内周側
に相当する位置に入気口を設けるとともにブラケットの
羽根外周側に相当する位置に外気反転通風路を形成し、
駆動側の入気口より取り入れた外気を、塵埃加速ファン
の外周部の反転通風路を経て機内に流入させた後に、フ
レームの反駆動側の通風ファンの外周側に相当する位置
に設けられた排気口より機外に排出する構造とし、塵埃
加速ファンの発生圧力を、通風ファンの発生圧力を含め
た全体の圧力の30%〜60%に設定し、さらに通風フ
ァンの羽根枚数と塵埃加速ファンの羽根枚数を異なった
枚数に設定することにより、通風ファンの騒音を低減し
て低騒音化し、取り入れ外気の反転通風路での塵埃分離
性能を向上させる。同時に、この構造の鉄道車両用駆動
電動機では、通風ファンの壁によって温度が高くなった
機内冷却風が反駆動側の軸受部に当らなくして、反駆動
側軸受の温度上昇を抑制し、その分、潤滑グリースの補
てんメンテナンス周期を長くする。
【0029】また、本発明の鉄道車両用駆動電動機で
は、駆動側塵埃加速ファンの外周部の反転通風路の外周
部のブラケットの壁に、回転方向に開口し奥側に機外へ
の連通口を有する塵埃進入路を設けて、分離された塵埃
を機内流入空気に混入することなく機外へ排出させる構
造にすることにより、塵埃分離除去性能を向上させる。
【0030】また、本発明の鉄道車両用駆動電動機で
は、塵埃加速ファンの外周部の反転通風路の外周部のブ
ラケットの壁に回転方向全周にわたる溝を設け、この回
転方向全周にわたる溝の奥に機外に通じる排出口を設け
た構造にすることにより、分離された塵埃を機内流入空
気に混入することなく機外へ排出する。
【0031】また、本発明の鉄道車両用駆動電動機で
は、反駆動側の機内のフレーム側板に仕切りを設け、こ
の仕切りを通風ファンの主板の外周面に接近するように
し、この仕切りと通風ファンの主板の背面と反駆動側軸
受支持部材とによって囲繞される回転方向全周にわたる
機内空間を形成し、フレーム側板又は軸受支持部材に設
けた連通穴によりこの機内空間と機外を連通させること
により、通風ファンの回転により外気をこの機内空間内
に流通させて反駆動側の軸受の温度上昇を抑制する。
【0032】また、本発明の鉄道車両用駆動電動機で
は、通風ファンの補助板の外周面に接近するように仕切
りを設け、この仕切りによって通風ファンの外周部空間
と機内空間とを区分し、フレームに設けた排気口により
通風ファン外周部空間を機外に連通させた構造にするこ
とにより、機内冷却風が反駆動側ステータコイルエンド
部を流通できるようにすると同時に、温度上昇した排風
がステータコイルの反駆動コイルエンド部に逆流してス
テータコイルエンド部の温度上昇を抑え、ステータコイ
ルの温度上昇を低減する。
【0033】さらに、本発明の鉄道車両用駆動電動機で
は、通風ファン外周空間と機内空間とを仕切りによって
区分した後、フレームの外周部にバイパスダクトを設
け、このバイパスダクトによって駆動側機内のステータ
コイルエンド外周部の空間と反駆動側機内のステータコ
イルエンド外周部の空間とを連通させ、駆動側の機内に
流入した冷却風の一部をこのバイパスダクトを通して反
駆動側機内の空間に流通させる構造とすることにより、
反駆動側コイルエンド部と反駆動側ローターバーとの温
度上昇を低減させる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1及び図2は本発明の第1の実施
の形態の鉄道車両用駆動電動機の構造を示している。フ
レーム19の両端部にブラケット20とハウジング3と
を設け、このブラケット20とハウジング3とに取り付
けた軸受4と軸受5とによりローターのシャフト6の軸
方向両端部を回転自在に支持させている。
【0035】円筒状のフレーム19の軸方向の中央部付
近の内周面に円筒状のステータ鉄心9を設け、このステ
ータ鉄心9の内周部に設けた多数の軸方向の溝を形成
し、各々の中にステータコイル10を収容している。各
ステータ鉄心9の軸方向の両端側にステータコイル10
のコイルエンド部10aが張り出している。
【0036】ローターのシャフト6の軸方向中央部にロ
ーター鉄心7を取り付け、このローター鉄心7の外周部
に多数の軸方向の溝を形成し、その各々の中にローター
バー8を収容している。各ローターバー8の軸方向の両
端部は、ローター鉄心7より両側に張り出し、各ロータ
ーバー8の両先端部分はエンドリングで一体に結合させ
てある。ローター鉄心7には多数の軸方向に貫通した通
風穴7aが設けてある。ローター鉄心7の外周面とステ
ータ鉄心9の内周面との間に一様な幅の円筒状をなす空
隙を形成してある。
【0037】ローターシャフト6の反駆動側端部にはセ
ンサ用歯付き円板12を取り付け、このセンサ用歯付き
円板12の外周面に一定の間隙を保持するように速度セ
ンサ13を配置し、この速度センサ13をフレーム19
に支持させている。
【0038】駆動側のシャフト端6aは機外に張り出し
ており、この張り出している部分は継手(図示せず)を
介して駆動歯車装置に直結される。
【0039】反駆動側の機内に通風ファン21を配置
し、この通風ファン21の中心部をシャフト6に固定し
ている。駆動側の機内に塵埃加速ファン22を配置し、
この塵埃加速ファン22の中心部をシャフト6に固定し
ている。通風ファン21と塵埃加速ファン22との羽根
枚数は異ならせてある。塵埃加速ファン22の羽根22
aの内周側に位置するブラケット20の壁面に入気口2
0aを設けてある。塵埃加速ファン22の外周側のブラ
ケット20の内壁は断面がほぼ半円状となる湾曲形状に
して、その内部に反転通風路20bを形成している。
【0040】ブラケット20の壁には、反転通風路20
bと機外とを連通させる塵埃排出穴20cが設けてあ
り、通風ファン21の外周位置のフレーム19には排気
口19aが設けてある。
【0041】塵埃加速ファン22の発生圧力は、通風フ
ァン21と塵埃加速ファン22を合わせた全体の発生圧
力の40%付近に設定してある。このため、塵埃加速フ
ァン22の羽根22aの外径dは、図15に示した従来
例の駆動電動機と同様の構造にした場合の通風ファンの
羽根17aの外径よりも小径化していて、羽根22aの
外径面とブラケット20の内壁との間隙G′は、同従来
例の間隙Gより大きくなっている。また、通風ファン2
1の発生圧力は、全体の圧力の60%付近に設定してあ
り、通風ファン21の外径D′は図14に示した従来例
の駆動電動機の通風ファン11の外径Dよりも小径化し
ている。
【0042】次に、上記構造の鉄道車両用駆動電動機の
動作について説明する。運転時には、塵埃加速ファン2
2の回転により外気が入気口22aより吸引されて外周
側に送られた後、反転通風路20bで反転して機内に流
入する。外気が反転通風路20bで旋回する際に、外気
に混入している塵埃、水分は遠心力作用によって外周側
のブラケット20の内壁に押し付けられて回転方向に移
動し、塵埃排出口20cより機外に排出される。
【0043】塵埃が分離除去されて清浄化された外気
は、機内流入後にローター鉄心7の通風穴7a及びロー
ター鉄心7の外周面とステータ鉄心9の内周面との間の
間隙を流通して反駆動側に達し、通風ファン21の回転
によって排風口19aより機外に排出される。この塵埃
の分離、除去作用と清浄化された外気の流通により機内
の各部は冷却され、ステータコイル10、ローターバー
8、軸受4,5等の温度上昇を抑制する。
【0044】この第1の実施の形態の鉄道車両用駆動電
動機では、運転時の機内の圧力分布は図3に示すもので
あり、塵埃加速ファン22の発生圧力H′と通風ファン
21の発生圧力Hとによって外気を機内に流通させる。
【0045】本実施の形態の主電動機の構造では、図1
4に示した従来例の主電動機の構造(Aタイプ)の排気
口部と大気の圧力差hA と同等の圧力を確保する場合の
通風ファン21の発生圧力Hは、従来例の通風ファン1
1の発生圧力HA より大幅に小さくてもよく、そのた
め、本実施の形態の通風ファン21の外径D′は大幅に
小径化できる。そして通風ファン21の外径を小径化で
きることから、運転時の通風ファンの騒音も低減でき
る。
【0046】なお、本実施の形態の主電動機の構造で
は、駆動側の塵埃加速ファン22の騒音が発生するが、
塵埃加速ファン22の発生圧力はH′と小さくてよいの
で、小径化と羽根の幅(回転面積)が小さく設定され、
発生する騒音は比較的小さくなる。同時に、塵埃加速フ
ァン22の側面と外周面とはブラケット20により覆わ
れているため、騒音が機外に漏れる量は少なく、通風フ
ァン21と合わせた騒音の場合でも低騒音化が図れる。
また、通風ファン21の羽根枚数と塵埃加速ファン22
の羽根枚数とを異なったものとしたことにより、騒音ピ
ーク成分が分散され、いっそうの低騒音化が図れる。
【0047】図4には、本実施の形態の主電動機と従来
例の主電動機の周波数分析結果を比較してある。図4
は、通風ファン(従来例、本実施の形態共に)の羽根枚
数は17枚、塵埃加速ファン(本実施の形態)の羽根枚
数は21枚の主電動機を毎分5000回転で運転したと
きの比較である。本実施の形態の主電動機では、騒音周
波数は1417ヘルツと1750ヘルツとにピークが生
じるが、ピークレベルが低いこととピークが分かれてい
ることとにより、従来構造の主電動機の騒音よりも低騒
音となっていることが分かる。
【0048】また、本実施の形態の主電動機の構造で
は、塵埃加速ファン22の羽根22aの外径面とブラケ
ット20の内壁との間隔G′が従来例の図15に示した
Bタイプの主電動機における同部分の間隔Gより大きく
構成できるため、外気が反転通風路20bで反転する際
に羽根22aの回転による影響を受けにくくなり、外気
の旋回反転運動が滑らかに行われ、分離された塵埃が撹
拌されて機内に流入する空気に混入するということがな
くなる。そのため、機内流入空気の清浄化性能が向上す
る。
【0049】また、図3で示したように、塵埃加速ファ
ン22の発生圧力はH′と小さくてよく、従来のBタイ
プの主電動機の通風ファンの発生圧力HB より大幅に小
さくなっていることから、反転通風路20bでの圧力損
失も減少し、前記のG′寸法の増大とあいまって反転通
風路20bの空気の流れが整流化され、塵埃分離除去性
能のいっそうの向上が図れる。
【0050】さらに、入気口20aより流入した外気に
混入している塵埃は、塵埃加速ファン22の羽根22a
の回転により加速されて外周側に送られるので、反転通
風路20bでの遠心力による塵埃分離作用が有効に働
き、塵埃除去性能が高められる。
【0051】本実施の形態の主電動機の構造での塵埃加
速ファン22の圧力H′と通風ファン21の圧力Hとの
分担比率を変化させて塵埃分離除去率を測定した結果が
図5に示してある。塵埃加速ファン22の圧力分担率が
40%付近で最も塵埃分離除去率が良くなり、30%〜
60%の範囲であれば、その効果が大きいという結果が
得られている。この結果から、羽根外周とブラケット内
壁との間の間隙G′による空気の流れと、羽根22aの
塵埃加速作用の大きさとが関係していることが分かる。
【0052】加えて、本実施の形態の主電動機の構造で
は、反駆動側の通風ファン21の外周面より冷却風が円
周方向に排出されるため、温度が高くなった冷却風が軸
受支持部材に当たることがなく、排風による軸受部の温
度上昇を生じることがない。そのため、従来のように軸
受潤滑グリースの劣化による交換周期を早める必要がな
くなる。
【0053】次に、本発明の第2の実施の形態の鉄道車
両用駆動電動機について、図6及び図7を用いて説明す
る。この実施の形態の場合、駆動側のローターのシャフ
ト6に塵埃加速ファン22を取り付け、この塵埃加速フ
ァン22の羽根部分を覆うようにブラケット23の壁を
形成している。ブラケット23の機内側に、塵埃加速フ
ァン22の外周部分を取り囲むように反転通風路23b
を形成し、この反転通風路23bの外周側の一部に仕切
り23cとブラケット23の内壁とによって囲まれた塵
埃進入路23eを形成している。この塵埃進入路23e
の中央部に回転方向に対して斜めに設けたガイド23d
によって塵埃進入路23eを二分させている。二分され
た塵埃進入路23eは回転方向に対称な形状をなし、各
々の一端は反転通風路23bの外周部に広く開口し、奥
に行く程に次第に狭くなり、また奥に機外に通じる塵埃
排出口23fを設けてある。なお、その他の構成につい
ては、図1及び図2に示した第1の実施の形態と共通す
る。
【0054】この第2の実施の形態の鉄道車両用駆動電
動機では、入気口23aから吸引された外気は反転通風
路23bで反転される。この反転する際に、外周側に分
離されてブラケット23の内壁に沿って回転方向に移動
している塵埃が、広く開口している塵埃進入路23eに
入りやすくなる。そして、この塵埃進入路23e位に進
入した塵埃は、直ちに排出口23fより機外に排出され
る。そのため、反転通風路23bで分離された塵埃が機
内を流通する空気に再混入して機内に進入することがな
くなり、塵埃分離除去性能がさらに向上する。
【0055】さらに、鉄道車両用駆動電動機は順逆両回
転方向で運転されるが、本実施の形態の構造にすること
により、回転方向が逆になった場合でも、塵埃進入路2
3eは回転方向に対して対称に構成されているので、同
様の作用により分離した塵埃を機外に効果的に排出する
ことができる。
【0056】次に、図8及び図9を用いて、本発明の第
3の実施の形態の鉄道車両用駆動電動機について説明す
る。第3の実施の形態の主電動機の構造は、塵埃加速フ
ァン22の外周部に、ブラケット24の内壁とガイド2
4cとによって反転通風路24bを形成すると共に、こ
の反転通風路24bの外周側に全周にわたり導入溝24
dを形成し、この導入溝24dの奥に機外に通じる塵埃
排出口24e形成したことを特徴としている。なお、そ
の他の部分の構造は、第1の実施の形態と共通する。
【0057】この第3の実施の形態の主電動機の場合、
入気口24aから吸引される外気から塵埃が反転通風路
24bにおいて分離され、全周にわたって開口している
導入溝24dに押し込められ、導入溝24d内を回転方
向に移動して排出口24eより機外に排出される。この
導入溝24d内には、開口側より反転外気の圧力が常に
作用しているので、導入溝24d内に進入した塵埃は、
反転通風路24b側に逆戻りすることなく、効果的に機
外に排出される。
【0058】これにより、第3の実施の形態の鉄道車両
用駆動電動機にあっても、第2の実施の形態と同様に反
転通風路24bで分離された塵埃が機内を流通する空気
に再混入して機内に進入することがなくなり、塵埃分離
除去性能がさらに向上する。
【0059】次に、本発明の第4の実施の形態の鉄道車
両用駆動電動機について、図10を用いて説明する。第
4の実施の形態の主電動機の反駆動側の構造は、通風フ
ァン26の主板26aの外周面に一定の回転方向全周に
わたる間隙を形成するために、フレーム25の側壁内面
にフランジ25cを設け、このフランジ25cと通風フ
ァン26の背面とハウジング3、軸受5等の軸受支持部
材とに囲まれた回転方向全周にわたる機内空間を形成
し、この機内空間をフレーム25に設けた入気穴25b
によって機外に連通させると同時に通風ファン26の内
周側に設けた通気穴26b及び通気溝26cによって通
風ファン26の羽根内周部の近傍の機内空間に連通させ
てある。
【0060】この実施の形態の主電動機では、通風ファ
ン26の回転に伴い、外気は入気穴25bより軸受支持
部材の外周上の空間に進入し、通気穴26b、通気溝2
6cを経て通風ファン26の羽根内周部に吸引され、機
内の排風と共に排気口25aより機外に排出される。こ
の空気の流通により、軸受支持部材は冷却され、軸受5
の部分の温度上昇はいっそう抑制される。
【0061】このようにして、第4の実施の形態の鉄道
車両用駆動電動機では、通風ファン26の存在により機
内の排気が軸受支持部材に当たらない構造となっている
が、さらに上記の構造を持たせることにより反駆動側の
軸受支持部材の温度上昇抑制効果をいっそう向上させる
ことができ、潤滑グリースの交換周期をさらに延ばすこ
とが可能になる。
【0062】次に、本発明の第5の実施の形態の鉄道車
両用駆動電動機について、図11を用いて説明する。第
5の実施の形態の主電動機の反駆動側の構造は、通風フ
ァン28の主板28aに対向するように、フレーム27
の側壁内面にガイド27dを設け、通風ファン28の背
面とハウジング3、軸受5等の軸受支持部材とガイド2
7dとに囲まれた回転方向全周にわたる機内空間を形成
し、この機内空間内を入気穴27bと排気穴27cとに
より機外に連通させたものである。また、通風ファン2
8の主板28aの背面にフィン28bを多数設けてい
る。なお、その他の構成は、図1に示した第1の実施の
形態と共通する。
【0063】第5の実施の形態の鉄道車両用駆動電動機
では、運転時の通風ファン28の回転によるフィン28
bのファン作用により外気が入気穴27bより機内空間
内に流入し、排気穴27cより排出される。この外気の
流通により、軸受支持部材は冷却され、軸受5の部分の
温度上昇が抑制される。
【0064】このようにして、第5の実施の形態の鉄道
車両用駆動電動機では、通風ファン28の存在により機
内の排気がフレーム27の排気口27aから機外に排出
され、軸受支持部材に当たらない構造となっているが、
さらに上記の構造を持たせることにより反駆動側の軸受
支持部材の温度上昇抑制効果をいっそう向上させること
ができ、潤滑グリースの交換寿命をさらに延ばすことが
可能になる。
【0065】次に、本発明の第6の実施の形態につい
て、図12を用いて説明する。通風冷却を行っている主
電動機の場合は、排風側の機内各部の温度は入気側に比
べて高くなる傾向にある。機内に流入した外気が機内通
過中に熱を奪って温度上昇し、排出側での冷却効果が低
下するためである。特に、従来例の図15に示したBタ
イプの構造の場合、排風側に位置するステータコイル7
の鉄心より外に張り出しているステータコイルエンド部
分は、温度上昇した排風が通過するためにこの傾向が著
しく、この部分の温度上昇の制限により電動機の容量を
増大することができなくなる傾向にある。
【0066】ところが、上述した本発明の実施の形態の
構造では、通風ファン21により排風を排気口19aよ
り集中させて排出するため、ステータコイルエンド部1
0aに直接排風が当たることがなくなり、排風側ステー
タコイルエンド部の温度上昇を抑制する効果があるが、
図12に示した第6の実施の形態の構造にすることによ
り、排風側のステータコイルエンド部分の温度上昇をよ
りいっそう抑制することができる。
【0067】図12に示した第6の実施の形態の鉄道車
両用駆動電動機の構造は、フレーム29の内周面に仕切
り板30を設け、この仕切り板30の先端を通風ファン
21の案内板21aの外周に近接させ、また、フレーム
29の側板に形成した排風口29aによって通風ファン
21の外周部の回転方向全周にわたる空間を機外と連通
させたものである。なお、その他の構成は図1に示した
第1の実施の形態と共通する。
【0068】このような構造にすることにより、第6の
実施の形態の主電動機では、ステータ鉄心9とローター
鉄心7との間の回転方向全周にわたる間隙を流通してき
た冷却風が排風側のステータコイルエンド部10aを流
通してそれを冷却した後に通風ファン21の羽根内周部
に進入し、この通風ファン21の外周部の空間を経て排
気口29aから機外に排出される。
【0069】これにより、第6の実施の形態によれば、
ステータコイルエンド部10aは、冷却風が常に流通す
るので冷却がよく行われると同時に、ローター鉄心7の
通風穴7aを流通して温度上昇した排風が、コイルエン
ド部10aに当たることなく排風口29aより機外に排
出されるため、排風側のステータコイルエンド部分の温
度上昇をいっそう効果的に抑制することができる。ま
た、ステータコイルエンド部10aの温度上昇を抑える
ことができるため、全体の通風量を従来より少なく設定
することができ、その分通風ファン及び塵埃加速ファン
の発生圧力をさらに小さくすることができ、さらなる低
騒音化や、塵埃分離除去性能の向上が図れる。
【0070】次に、本発明の第7の実施の形態の鉄道車
両用駆動電動機について、図13を用いて説明する。第
7の実施の形態の構造は、フレーム31の外周側の一部
にバイパスダクト32を設け、このバイパスダクト32
内を連通穴31a,31bにより入気側機内空間と排気
側機内空間とに連通させ、さらに、第6の実施の形態で
採用したものと同様の仕切り板30によって機内空間と
通風ファン21の外周部の空間と仕切り、通風ファン2
1の外周部空間をフレーム31の側壁に形成した排気口
31cによって機外に連通させたものである。
【0071】この第7の実施の形態の主電動機の構造で
は、入気側から取り入れた冷却風の一部をバイパスダク
ト32内を流通させて排風側コイルエンド部10aの外
周空間に流入させることができる。この結果、温度上昇
のない冷たい冷却風が排風側のステータコイルエンド部
10aに直接流入して流通するため、排風側コイルエン
ド部10aの温度上昇をより効果的に抑制することがで
きる。さらに、排風側ローターバー8の温度上昇をも抑
制することができる。この結果、第6の実施の形態と同
様、全体の通風量を従来より少なく設定することがで
き、その分通風ファン及び塵埃加速ファンの発生圧力を
さらに小さくすることができ、さらなる低騒音化や、塵
埃分離除去性能の向上が図れる。
【0072】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、通風フ
ァンと塵埃加速ファンとの併用により通風冷却を行う構
造としたことにより、主電動機の騒音を低減することが
できる。また、塵埃加速ファンの羽根外径が小径化する
ことにより、反転通風路の整流化を図ることができ、外
気の塵埃分離除去性能を向上させることができ、この結
果として、通風ろ過器(フィルタ)が不要となり、保守
の省力化を図ることができ、同時に塵埃による機内の汚
損を防ぐことができるので分解掃除のような保守をほと
んど不要とすることができる。
【0073】また、駆動側軸受支持部材の温度上昇を抑
制することにより、潤滑グリースの早期交換を防ぐこと
ができ、さらには積極的に軸受支持部材の温度を低減す
ることができるため、潤滑グリースの交換寿命を伸ば
し、保守の省力化を図ることができる。
【0074】またさらに、排風側のステータコイルエン
ド部やローターバー部分が局部的に過大に温度上昇する
のを防ぎ、温度上昇を平準化することができ、このた
め、全体の通風量を従来より少なく設定することがで
き、その分通風ファン及び塵埃加速ファンの発生圧力を
さらに小さくすることができ、さらなる低騒音化や、塵
埃分離除去性能の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の断面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】上記の実施の形態の運転時の空気圧力分布を示
す説明図。
【図4】上記の実施の形態の騒音特性を従来例のものと
比較したグラフ。
【図5】上記の実施の形態における塵埃加速ファンの圧
力分担率と塵埃分離除去能力との関係を示すグラフ。
【図6】本発明の第2の実施の形態の駆動側部分の断面
図。
【図7】図7におけるB−B線断面図及びC部拡大図。
【図8】本発明の第3の実施の形態の駆動側部分の断面
図。
【図9】図8におけるD−D線断面図。
【図10】本発明の第4の実施の形態の反駆動側部分の
断面図。
【図11】本発明の第5の実施の形態の反駆動側部分の
断面図。
【図12】本発明の第6の実施の形態の反駆動側部分の
断面図。
【図13】本発明の第7の実施の形態の断面図。
【図14】従来例のAタイプの主電動機の断面図。
【図15】従来例のBタイプの主電動機の断面図。
【図16】従来例のAタイプ、Bタイプの主電動機の空
気圧力分布を示す説明図。
【符号の説明】
3 ハウジング 4 軸受 5 軸受 6 シャフト 7 ローター鉄心 7a 通風穴 8 ローターバー 9 ステータ鉄心 10 ステータコイル 10a ステータコイルエンド部 19 フレーム 20 ブラケット 20a 入気口 20b 反転通風路 20c 塵埃排出穴 21 通風ファン 22 塵埃加速ファン 23 ブラケット 23b 反転通風路 23e 塵埃進入路 23f 塵埃排出口 24 ブラケット 24a 入気口 24b 反転通風路 24c ガイド 24d 導入溝 24e 塵埃排出口 25 フレーム 25a 排気口 25b 入気穴 25c フランジ 26 通風ファン 26a 主板 26b 通気穴 26c 通気溝 27 フレーム 27a 排気口 27b 入気穴 27c 排気穴 28 通風ファン 28a 主板 28b フィン 29 フレーム 29a 排気口 30 仕切り板 31 フレーム 31a 連通口 31b 連通口 31c 排気口 32 バイパスダクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 力 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 白石 茂智 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 松浦 忠 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 5H605 AA01 AA03 AA05 BB05 BB10 CC01 CC02 DD07 DD09 DD11 DD16 DD31 EB10 EB12 5H609 BB02 BB05 BB18 PP02 PP06 PP07 PP09 QQ02 QQ12 RR03 RR07 RR10 RR11 RR16 RR20 RR21 RR23 RR24 RR27 RR32 RR39 RR40 RR42 RR43 RR44 RR69 RR73 SS04 SS12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のフレームの軸方向中央部の内周
    面に円筒状のステータ鉄心を有し、このステータス鉄心
    の内周部に設けられた複数の軸方向の溝各々の中にステ
    ータコイルを配し、前記フレームの両端部にブラケット
    とハウジングを支持し、前記ブラケットとハウジングと
    の各々に取り付けられた軸受によってローターのシャフ
    トの両端部を回転自在に支持し、前記シャフトの軸方向
    中央部にローター鉄心を有し、このローター鉄心の外周
    部に設けられた複数の軸方向の溝各々の中にローターバ
    ーを配し、前記ローターのシャフトに通風ファンを取り
    付け、運転時に当該通風ファンの回転により外気を機内
    に導入して、ローター鉄心内に設けられた通風穴及び前
    記ローター鉄心の外周面とステータ鉄心の内周面との間
    に形成された間隙に前記に導入外気を流通させて冷却を
    行う自己通風冷却型の鉄道車両用駆動電動機において、 反駆動側機内のローターシャフト上に固定された通風フ
    ァンと、駆動側機内のローターシャフト上に固定された
    塵埃加速ファンとを有し、前記塵埃加速ファンの羽根部
    を覆うようにブラケットを設け、前記ブラケットの塵埃
    加速ファンの羽根位置より内径側に位置する壁面に複数
    個の入気口を設け、前記塵埃加速ファンの外周部に取り
    入れ外気を反転させて機内に導入する反転通風路を形成
    し、前記反転通風路の外周側に当たるブラケット壁面に
    機外に通じる塵埃排出口を設けたことを特徴とする鉄道
    車両用駆動電動機。
  2. 【請求項2】 前記塵埃加速ファンの発生圧力を、前記
    通風ファンの発生圧力を含めた全体の圧力の30%から
    60%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1に
    記載の鉄道車両用駆動電動機。
  3. 【請求項3】 前記通風ファンの羽根枚数と塵埃加速フ
    ァンの羽根枚数とを異なる枚数としたことを特徴とする
    請求項1に記載の鉄道車両用駆動電動機。
  4. 【請求項4】 前記塵埃加速ファンの外周部に形成され
    た反転通風路の外周側の一部に仕切りを設け、当該仕切
    りと前記ブラケットの内壁面とによって回転方向に伸び
    る塵埃進入路を形成し、当該塵埃進入路は、中央部に斜
    めに設けられたガイドにより二分され、この二分された
    塵埃進入路の一方は、前記反転通風路に広く開口し、二
    分された塵埃進入路各々の奥側に機外に通じる塵埃排出
    口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両
    用駆動電動機。
  5. 【請求項5】 前記塵埃加速ファンの外周部に形成され
    た反転通風路の外周側の壁面に、その全周にわたって導
    入溝を設け、この導入溝の奥側に機外に通じる塵埃排出
    口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両
    用駆動電動機。
  6. 【請求項6】 固定子部材に仕切りを設けて、この仕切
    りを前記通風ファンの主板の外周面に対して接近させ、
    この仕切りと前記通風ファンの主板の背面と軸受支持部
    材とによって回転方向全周にわたる空間を囲繞し、この
    空間を前記通風ファンの内径側に設けられた通し穴によ
    り通風ファンの羽根外周部と連通させると共に、前記フ
    レーム又は軸受支持部材に設けられた入気穴により機外
    に連通させ、前記回転方向全周にわたる空間に外気を導
    入し流通させることを特徴とする請求項1に記載の鉄道
    車両用駆動電動機。
  7. 【請求項7】 固定子部材にガイドを設けて、このガイ
    ドを前記通風ファンの主板の外周面に対して接近させ、
    この仕切りと前記通風ファンの主板の背面と軸受支持部
    材とによって回転方向全周にわたる空間を囲繞し、この
    空間を前記フレームおよび軸受支持部材に設けられた複
    数の連通穴により機外に連通させ、前記通風ファンの主
    板の背面に多数のフィンを設け、前記回転方向全周にわ
    たる空間内に外気を導入し流通させることを特徴とする
    請求項1に記載の鉄道車両用駆動電動機。
  8. 【請求項8】 反駆動側フレームに仕切り板を設けて、
    この仕切り板を前記通風ファンの補助板の外周面に対し
    て接近させ、この仕切り板によって機内空間と前記通風
    ファンの外周部空間とを区分し、前記通風ファンの外周
    部空間を前記フレームに設けられた排気口により機外に
    連通させたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両
    用駆動電動機。
  9. 【請求項9】 前記フレームの外周部にバイパスダクト
    を設け当該バイパスダクト内の両端側を前記フレームに
    設けられた通気口により駆動側のステータコイルエンド
    外周部の機内空間と反駆動側のステータコイルエンド外
    周部の機内空間とに各々連通させたことを特徴とする請
    求項8に記載の鉄道車両用駆動電動機。
JP2001164703A 2001-05-31 2001-05-31 鉄道車両用駆動電動機 Pending JP2002359949A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001164703A JP2002359949A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 鉄道車両用駆動電動機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001164703A JP2002359949A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 鉄道車両用駆動電動機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002359949A true JP2002359949A (ja) 2002-12-13

Family

ID=19007488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001164703A Pending JP2002359949A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 鉄道車両用駆動電動機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002359949A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021612A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Yaskawa Electric Corp 内圧防爆構造のロボット
JP2008172855A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Mitsubishi Electric Corp 車両用誘導電動機
JP2008306922A (ja) * 2008-07-07 2008-12-18 Hitachi Ltd 車両駆動用電動機
JP2009118716A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Toshiba Corp 車両用駆動装置
CN102055280A (zh) * 2009-10-30 2011-05-11 三菱电机株式会社 无刷旋转电机
JP2013123284A (ja) * 2011-12-09 2013-06-20 Toyo Electric Mfg Co Ltd 車両用主電動機の塵埃排出構造
JP2013211987A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Toyota Industries Corp 回転電機
JP2016164403A (ja) * 2015-03-06 2016-09-08 株式会社日立製作所 圧縮装置
CN107026530A (zh) * 2017-05-22 2017-08-08 濮阳市华南重工科技有限公司 一种防滴型三相异步电动机及其制造方法
CN107492977A (zh) * 2017-09-21 2017-12-19 明程电机技术(深圳)有限公司 离心风道散热电机
WO2019215969A1 (ja) * 2018-05-11 2019-11-14 株式会社日立製作所 回転電機
CN111864960A (zh) * 2020-08-03 2020-10-30 华育昌(肇庆)智能科技研究有限公司 一种自散热稀土永磁同步电机
CN113794313A (zh) * 2021-09-22 2021-12-14 中车株洲电机有限公司 一种风冷电机
WO2022044450A1 (ja) * 2020-08-26 2022-03-03 株式会社 東芝 回転電機

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021612A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Yaskawa Electric Corp 内圧防爆構造のロボット
JP2008172855A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Mitsubishi Electric Corp 車両用誘導電動機
JP2009118716A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Toshiba Corp 車両用駆動装置
JP2008306922A (ja) * 2008-07-07 2008-12-18 Hitachi Ltd 車両駆動用電動機
CN102055280A (zh) * 2009-10-30 2011-05-11 三菱电机株式会社 无刷旋转电机
CN102055280B (zh) * 2009-10-30 2013-04-24 三菱电机株式会社 无刷旋转电机
JP2013123284A (ja) * 2011-12-09 2013-06-20 Toyo Electric Mfg Co Ltd 車両用主電動機の塵埃排出構造
JP2013211987A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Toyota Industries Corp 回転電機
JP2016164403A (ja) * 2015-03-06 2016-09-08 株式会社日立製作所 圧縮装置
CN107026530A (zh) * 2017-05-22 2017-08-08 濮阳市华南重工科技有限公司 一种防滴型三相异步电动机及其制造方法
CN107492977A (zh) * 2017-09-21 2017-12-19 明程电机技术(深圳)有限公司 离心风道散热电机
WO2019215969A1 (ja) * 2018-05-11 2019-11-14 株式会社日立製作所 回転電機
CN111864960A (zh) * 2020-08-03 2020-10-30 华育昌(肇庆)智能科技研究有限公司 一种自散热稀土永磁同步电机
WO2022044450A1 (ja) * 2020-08-26 2022-03-03 株式会社 東芝 回転電機
CN113794313A (zh) * 2021-09-22 2021-12-14 中车株洲电机有限公司 一种风冷电机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002359949A (ja) 鉄道車両用駆動電動機
KR100720350B1 (ko) 전폐 외선형 전동기
KR100732598B1 (ko) 레일 차량용 전기 모터용 환기 장치 및 이를 구비한 레일 차량용 전기 모터
US7642680B2 (en) Rotary electrical machine
JP4846073B1 (ja) 全閉外扇形電動機
JP4949702B2 (ja) 空冷式電動モータを有するコンプレッサ装置
KR20060050059A (ko) 차량용 전기 팬
KR101563314B1 (ko) 반폐형 유도전동기
JP2005333795A (ja) 車両駆動用全閉形電動機
JP2011166908A (ja) 全閉形電動機
JP2008029150A (ja) 全閉形電動機
US3407317A (en) Ventilation system for rotating electrical machinery
JP2006025521A (ja) 車両駆動用全閉型電動機
JP2006180684A (ja) 車両駆動用全閉形電動機
JPH1030594A (ja) 空冷パッケージ形圧縮機
JP2006132369A (ja) 電動送風機
JP3838929B2 (ja) 車両駆動用電動機
JP5606582B2 (ja) 電動機
JP2004312875A (ja) 車両駆動用全閉形電動機
JP2004187352A (ja) 車両駆動用全閉型電動機
JPWO2011004451A1 (ja) 車両用電動機
JP2002354745A (ja) 電動モータ
JP2004080888A (ja) 車両駆動用全閉型電動機
JP3048052B1 (ja) 車両駆動用電動機
JP3585120B2 (ja) 車両用主電動機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070514

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070626