JP2002357233A - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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JP2002357233A
JP2002357233A JP2001168389A JP2001168389A JP2002357233A JP 2002357233 A JP2002357233 A JP 2002357233A JP 2001168389 A JP2001168389 A JP 2001168389A JP 2001168389 A JP2001168389 A JP 2001168389A JP 2002357233 A JP2002357233 A JP 2002357233A
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JP
Japan
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clutch
oil
housing
case
chamber
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JP2001168389A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Tashiro
明義 田代
Hiroshi Takuno
博 宅野
Toshiya Kubo
俊哉 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジングの回転中に、ケースの上方よりク
ラッチオイルを滴下して、軸受等の潤滑を円滑に行うこ
とである。 【解決手段】 ケースにハウジングをオイル室内で回転
可能に支承し、ハウジングに回転部材をクラッチ収納室
内で回転可能に支承し、ハウジングと回転部材とをクラ
ッチにより係脱可能に連結するクラッチ装置において、
オイル室内周面の少なくとも上方部分にクラッチオイル
を滞留滴下するための凹凸を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ装置内の
潤滑箇所をクラッチオイルにより適切に潤滑することに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の入力軸の回転を出力軸に伝達する
クラッチ装置としては、ケース内にクラッチオイルを貯
留するオイル室が形成され、該オイル室内に回転可能に
支承されたハウジングにメインクラッチ、電磁式パイロ
ットクラッチ及びカム機構が収納されるクラッチ収納室
が形成され、該ハウジングの周壁にハウジング外側のオ
イル室とハウジング内側のクラッチ収納室を連結する連
結穴が設けられた開放式のものがある。クラッチオイル
は連結穴を通ってクラッチ室に流入し、ハウジングの回
転に基づく遠心力により連結穴を通ってクラッチ収納室
内からオイル室へと排出されて、クラッチ収納室内外を
循環し、クラッチ装置の冷却及び潤滑を行っていた。図
1に示すように、従来のクラッチ装置のケース11内周
壁面及びハウジング13外周壁面は滑らかであり、ハウ
ジング13の回転遠心力でクラッチ収納室14の連結穴
から排出されてケース11内壁面に飛散したクラッチオ
イル19は、ケース11の滑らかな内壁面を伝って流れ
落ちていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来のクラッチ
装置において、クラッチオイルはハウジング13の回転
遠心力でクラッチ収納室14の連結穴から排出され、か
つ排出されたクラッチオイル19はケース11の滑らか
な内壁面を伝って流れ落ちてしまい、潤滑箇所に流入し
なかったので軸受に対して適切量のクラッチオイル19
を供給することができない場合があった。また、潤滑箇
所の潤滑を円滑に行うためにオイルポンプ等を使用する
方法もあるが、クラッチ装置の構造が複雑となるので高
価になり、重量が増加する不具合があった。
【0004】本発明は係る従来の不具合を解消するため
になされたもので、ハウジング13の回転中に、ケース
11の上方よりクラッチオイル19が滴下して軸受等の
潤滑箇所に流入するようにし、クラッチ装置内のクラッ
チオイル19による潤滑を円滑に行うことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、ケースに
オイル室を形成し、該ケースに回転軸線上で回転可能に
支承された一方軸にクラッチ収納室が形成されたハウジ
ングを前記オイル室内で一体的に連結し、該ハウジング
に回転可能に支承され前記クラッチ収納室内に延在する
回転部材を前記ケースに前記回転軸線上で回転可能に支
承された他方軸に一体的に連結し、前記ハウジングと前
記回転部材間で動力伝達を行うクラッチを前記クラッチ
収納室内に配設し、前記オイル室に前記ハウジングの下
方部分を浸漬するクラッチオイルを貯留し、前記クラッ
チを作動して前記一方軸と他方軸との間でトルク伝達す
るようにしたクラッチ装置において、前記オイル室内壁
の少なくとも上方部分に前記クラッチオイルを滞留、滴
下するための凹凸を設けたことである。
【0006】請求項2に係る発明の構成上の特徴は、ケ
ースにオイル室を形成し、該ケースに回転軸線上で回転
可能に支承された一方軸にクラッチ収納室が形成された
ハウジングを前記オイル室内で一体的に設け、該ハウジ
ングに回転可能に支承され前記クラッチ収納室内に延在
する回転部材を前記ケースに前記回転軸線上で回転可能
に支承された他方軸に一体的に連結し、前記クラッチ収
納室内にメインクラッチ、電磁式パイロットクラッチ及
びカム機構を配設し、前記パイロットクラッチにより伝
達される回転トルクを前記カム機構によって推力に増幅
変換して前記メインクラッチを作動し、前記オイル室内
壁の少なくとも上方部分に前記クラッチオイルを滞留、
滴下するための凹凸を設けたことである。
【0007】請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1又は請求項2に記載のクラッチ装置において、前
記凹凸を前記クラッチオイルを滴下させたい潤滑箇所の
上方まで延在させて該潤滑箇所に向かって下方に傾斜さ
せたことである。
【0008】請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1乃至請求項3のいずれかに記載のクラッチ装置に
おいて、前記ハウジングの外周に前記クラッチオイルを
跳ね上げるためのフィンを設けたことである。
【0009】請求項5に係る発明の構成上の特徴は、至
請求項4に記載のクラッチ装置において、前記フィンが
前記クラッチオイルを必要な方向に跳ね上げるように前
記フィンを傾斜させたことである。
【0010】
【発明の作用・効果】上記のように構成した請求項1に
係る発明においては、ケースに軸承された一方軸にハウ
ジングをオイル室内で一体的に連結し、ハウジングにク
ラッチ収納室内で回転可能に支承された回転部材をケー
スに軸承された他方軸に一体的に連結し、ハウジングと
連結部材とをクラッチ収納室内でクラッチにより係脱可
能に連結し、オイル室にクラッチオイルを貯留し、クラ
ッチの作動により一方軸と他方軸との間でトルク伝達が
されるようになっている。ハウジングの回転によりクラ
ッチ収納室内のクラッチオイルは、遠心力で連結穴から
排出されケースの内壁面に飛散する。飛散したクラッチ
オイルは、オイル室内壁の少なくとも上方部分に設けた
凹凸により滞留されるため、ケースの内壁面を伝って流
れ落ちることがなく、ケースの上方より軸受部分に流入
するように滴下するので、簡単で安価な構造によりクラ
ッチ装置の軸受部を良好に潤滑することができる。
【0011】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、ケースに軸承された一方軸にハウジングを
オイル室内で一体的に連結し、ハウジングにクラッチ収
納室内で回転可能に支承された回転部材をケースに軸承
された他方軸に一体的に連結している。クラッチ収納室
内にはメインクラッチ、電磁式パイロットクラッチ及び
カム機構が配設されており、電磁式パイロットクラッチ
により伝達される回転トルクがカム機構により推力に増
幅変換されてメインクラッチが接続され、一方軸と他方
軸との間でトルク伝達がされる。ハウジングの回転によ
りクラッチ収納室内のクラッチオイルは、遠心力で連結
穴から排出されケースの内壁面に飛散する。飛散したク
ラッチオイルは、オイル室内壁の少なくとも上方部分に
設けた凹凸により滞留されるために、ケースの内壁面を
伝って流れ落ちることがなく、ケースの上方より滴下す
るので、簡単で安価な構造により、クラッチ装置の軸受
部を良好に潤滑することができる。
【0012】上記のように構成した請求項3に係る発明
においては、ケース内周面に形成した凹凸をクラッチオ
イルを滴下させたい潤滑箇所の上方まで延在させて潤滑
箇所に向かって下方に傾斜させたので、軸受等の潤滑が
必要な箇所にクラッチオイルを滴下して流入させること
ができる。
【0013】上記のように構成した請求項4に係る発明
においては、ハウジングの外周にフィンを設けて、下方
部分に貯留しているクラッチオイルを跳ね上げるように
したので、フィンにより跳ね上げられたクラッチオイル
が直接、或いはケース上方の凹凸に滞留されてからケー
スの上方よりクラッチオイルを滴下させることができ、
軸受等の潤滑箇所にクラッチオイルを良好に供給するこ
とができる。
【0014】上記のように構成した請求項5に係る発明
においては、ハウジングの外周に設けられたフィンを傾
斜させ、クラッチオイルを必要な方向に跳ね上げるよう
にしたので、潤滑が必要な箇所にクラッチオイルを確実
に供給することができる。
【0015】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明に係るクラ
ッチ装置の第1の実施形態について説明する。図2はク
ラッチ装置10の側面の断面図であり、車体に固定され
たケース11、ケース11内に形成されたオイル室1
2、ケース11にオイル室12内で回転可能に支承され
たハウジング13、ハウジング13内に形成されたクラ
ッチ収納室14、ハウジング13にクラッチ収納室14
内で回転可能に支承された回転部材であるインナシャフ
ト15、クラッチ収納室14に収納されたメインクラッ
チ16、電磁式パイロットクラッチ17及びカム機構1
8で基本的に構成されている。
【0016】クラッチ装置10のケース本体11aは後
方である一方が開口した筒形状であり、該開口部がリヤ
カバー20により覆蓋されてケース11が構成され、内
側にオイル室12が設けられている。ケース11には後
方端に開口部を有する有底筒状のハウジング本体13a
がオイル室12内で回転可能に支承されている。ハウジ
ング本体13aの開口部には段付筒形状のリヤカバー3
7及び38が固定されてハウジング13が形成されてい
る。ハウジング本体13a、リヤカバー37及び38は
磁性材料であり、リヤカバー37,38間には非磁性体
であるステンレス製の中間部材39が溶接等により固着
され、後述の電磁式パイロットクラッチ17の電磁コイ
ル33による磁路が形成され易い構造となっている。
【0017】クラッチ装置10は、図3に示すように、
自動二輪車等の後輪5へ駆動力を伝達する経路に搭載さ
れる。エンジン6の出力はVベルト式自動変速機である
CVT8に入力されるようになっており、CVT8から
の出力は、第一の減速機7で減速された後に伝達軸を介
してケース11に回転軸線上で軸受27を介して回転可
能に支承された、一方軸としての入力軸21に伝達され
る。入力軸21は、オイル室12内でハウジング13の
一端面22に一体的に連結されている。ハウジング13
内に形成されたクラッチ収納室14内には回転軸線上に
沿って段付筒形状のインナシャフト15が延在し、この
インナシャフト15はハウジング13に軸受24及びニ
ードル軸受25を介して回転可能に支承されている。ケ
ース11に軸受26により回転可能に支承された他方軸
としての出力軸23の先端部には外スプライン53が形
成されており、インナシャフト15の後端開口部に形成
されている内スプライン54とスプライン嵌合してトル
ク伝達ができるように一体的に連結されている。出力軸
23の回転は第二の減速機9を介して車軸4に伝達さ
れ、自動二輪車の後輪5が回転駆動されるようになって
いる。入力軸21及び出力軸23の各外周には、クラッ
チオイル19をオイル室12内から外部に漏らさないた
めの環状のオイルシール53,54が取付けられてい
る。
【0018】クラッチ収納室14内には、メインクラッ
チ16、電磁式パイロットクラッチ17及びカム機構1
8が配設されている。メインクラッチ16は、湿式多板
式の摩擦クラッチであり、複数のインナクラッチプレー
ト31及びアウタクラッチプレート32を備えている。
メインクラッチ16を構成する各インナクラッチプレー
ト31は、インナシャフト15の外周にスプライン嵌合
して軸線方向へ移動可能に組付けられている。各アウタ
クラッチプレート32はハウジング13のクラッチ収納
室14内周面に形成されたスプライン歯にスプライン嵌
合して軸線方向へ移動可能に組付けられている。各イン
ナクラッチプレート31と各アウタクラッチプレート3
2は交互に位置していて、係合時は互いに当接して摩擦
係合するとともに、離脱時は互いに離間して非係合状態
となる。
【0019】電磁式パイロットクラッチ17は、電磁コ
イル33、パイロットクラッチ34、アーマチャ35及
びヨーク36にて構成されている。電磁コイル33は環
状を呈し、ヨーク36に嵌着され、該ヨーク36はリヤ
カバー37に軸受28により回転可能に支承され、突出
部37aがケース11に係合して回転を規制している。
ヨーク36は、リヤカバー37とは微小隙間を保ち回転
可能に組付けられている。パイロットクラッチ34は、
2枚のアウタクラッチプレート42と1枚のインナクラ
ッチプレート43とからなり、各アウタクラッチプレー
ト42はハウジング13のクラッチ収納室14内周面に
形成されたスプライン歯にスプライン嵌合して軸線方向
へ移動可能に組付けられ、インナクラッチプレート43
は後述するカム機構18を構成する第1カム部材44の
外周にスプライン嵌合して軸線方向へ移動可能に組付け
られている。アーマチャ35は環状を呈するもので、ク
ラッチ収納室14内周にスプライン嵌合して軸線方向へ
移動可能に組付けられていて、パイロットクラッチ34
の前側に位置して対向している。
【0020】カム機構18は、メインクラッチ16と電
磁式パイロットクラッチ17との間に配設されているも
ので、第1カム部材44、第2カム部材45及び複数の
カムフォロア40にて構成されている。第1カム部材4
4は、インナシャフト15の外周に回転可能に嵌合され
た状態でパイロットクラッチ34の半径方向内側に位置
している。第2カム部材45は、インナシャフト15の
外周にスプライン嵌合した状態で、第1カム部材44及
びアーマチャ35とメインクラッチ16との間に位置し
ている。第2カム部材45とインナシャフト15の段部
間には皿バネ55が介装されており、電磁式パイロット
クラッチ17が非作動状態のときに第2カム部材45を
皿バネ55の撥力によりメインクラッチ16から開離さ
せてメインクラッチ16のインナクラッチプレート31
とアウタクラッチプレート32を離間させて所定の隙間
を保持させるようになっている。各カムフォロア40は
ボール状を呈するもので、両カム部材44,45の互い
に対向する面に形成した各カム溝に係合している。
【0021】電磁式パイロットクラッチ17を構成する
電磁コイル33が非通電状態にある場合には磁路は形成
されず、パイロットクラッチ34は非係合状態にある。
このとき、カム機構18においては、第1カム部材44
はカムフォロア40を介して第2カム部材45と一体に
回転可能な状態にあって、メインクラッチ16は非係合
の状態にあり、出力軸23にトルク伝達は行なわれな
い。
【0022】電磁コイル33への通電がなされると、電
磁式パイロットクラッチ17には電磁コイル33を基点
としてヨーク36、リヤカバー37、アーマチャ35及
びリヤカバー38を循環する磁路が形成されて、アーマ
チャ35を吸引する。このため、アーマチャ35はパイ
ロットクラッチ34を押圧して摩擦係合させる。この結
果、電磁式パイロットクラッチ17にパイロットトルク
が発生し、カム機構18においては、第1カム部材44
と第2カム部材45との間に相対回転が発生して、カム
フォロア40とカム溝の作用により、第2カム部材45
がメインクラッチ16を押圧する。これにより、メイン
クラッチ16は、パイロットクラッチ34の摩擦係合力
に応じて摩擦係合して、ハウジング13とインナシャフ
ト15間でトルク伝達する。
【0023】オイル室12内には、全容積の約1/4を
満たす量のクラッチオイル19が貯留されており、ハウ
ジング13の下方部分を浸漬している。ハウジング13
の周壁にはクラッチオイル19をクラッチ収納室14内
に導入する連結穴46,47が、ハウジング13の周壁
にメインクラッチ16近傍と電磁式パイロットクラッチ
17近傍に円周方向に4個づつ穿設されている。各4個
の連結穴46,47のうちいずれか一つがクラッチオイ
ル19の液面下に位置できる構造になっており、クラッ
チ収納室14内にクラッチオイル19が確実に流入する
ことができ、クラッチ収納室14内の潤滑を円滑に行え
るとともに、ハウジング13の停止時に小量のクラッチ
オイルがクラッチ収納室14内に分離して滞留されない
ようになっている。
【0024】図2,4に示すように、ケース11の内周
壁面には、複数の凹凸48が放射線状に配設され、回転
軸線方向に沿ってクラッチオイル19を滴下させたい潤
滑箇所まで延在しており、潤滑箇所で下方に傾斜してい
る滴下部48aが設けられている。この凹凸48によ
り、ケース11の内周壁面に飛散したクラッチオイル1
9が壁面を伝って下方へ流れ落ちることなく凹凸48に
滞留してハウジング13上に滴下されるとともに、滴下
部48aから所望する潤滑箇所に確実にクラッチオイル
19を滴下することができる。
【0025】クラッチ収納室14内のメインクラッチ1
6及び軸受24へのクラッチオイル19の供給を補助す
るために、複数のオイル供給穴49がハウジング13の
前方で外周壁を貫通してクラッチ収納室14に軸受24
の近傍で開口して穿設されている。更に、ハウジング1
3のリヤカバー20には複数の溝部50が形成されてお
り、またヨーク36には複数の溝部60が形成されてお
り、滴下部48aより滴下したクラッチオイル19が軸
受26に流入できるようになっている。
【0026】上記のように構成したクラッチ装置の実施
形態においては、エンジン6を始動すると、エンジン6
の出力が、CVT8、第一の減速機7を介して入力軸2
1へ伝達され、ハウジング13が回転駆動される。エン
ジン6の始動時は、通常、電磁式パイロットクラッチ1
7の電磁コイル33は非通電状態であり、パイロットク
ラッチ34は非係合状態にある。このため、カム機構1
8の第1カム部材44はカムフォロア40を介して第2
カム部材45と一体的に回転され、メインクラッチ16
は非係合状態であり、出力軸23へはトルク伝達がなさ
れず自動二輪車の後輪5へのトルク伝達は行われない。
【0027】ハウジング13がオイル室12に貯留され
たクラッチオイル19に浸漬する部分で、クラッチオイ
ル19は連結穴46,47を通ってクラッチ収納室14
内に流入し、ハウジング13の回転により上方に回転し
た連結穴46,47から排出される。上方に排出された
クラッチオイル19はケース11の内壁面に飛散して、
上方にある複数の凹凸48及び滴下部48aに滞留して
ハウジング13上に滴下される。ハウジング13の前方
に滴下されたクラッチオイル19は、ハウジング13外
壁を伝って軸受27に流入するとともに、オイル供給穴
49を通って軸受24とメインクラッチ16のスプライ
ン部を良好に潤滑することができる。ハウジング13後
方に滴下部48aより滴下されたクラッチオイル19
は、溝部50,60を通って軸受25,26,28を確
実に潤滑することができる。
【0028】電磁コイル33が通電されて、電磁式パイ
ロットクラッチ17が作動し、カム機構18が作動して
メインクラッチ16が摩擦係合し、ハウジング13とイ
ンナシャフト15間でトルク伝達がなされて自動二輪車
が走行状態にある場合も同様に、ケース11内周壁面に
飛散したクラッチオイル19を複数の凹凸48及び滴下
部48aに滞留させて潤滑が必要な箇所に滴下すること
ができ、軸受等の潤滑を良好に行うことができる。
【0029】上記の実施形態では、ケース11の内壁面
のみに複数の凹凸48が形成されてケース11上方より
クラッチオイル19を滴下するようにしているが、図
5,6に示すように、ハウジング13の外周に複数のフ
ィン51を設けて、ケース11の下端部に貯留している
クラッチオイル19を汲み上げるようにして、より多く
のクラッチオイル19をオイル室12内で飛散させるよ
うにしてもよい。これにより、軸受26等のクラッチオ
イルが直接流入可能な潤滑箇所及びクラッチオイル19
を多く必要とする箇所にクラッチオイル19を直接跳ね
かけることができ、潤滑箇所に直接クラッチオイル19
を供給し、かつ凹凸48及び滴下部48aからより多く
のクラッチオイル19を滴下させることができるので、
潤滑の効果を向上させることができる。更に、フィン5
1の傾斜角度を変えることにより、クラッチオイル19
を必要な方向に跳ね上げて、潤滑効果を向上させること
もできる。
【0030】また、上記の実施形態では、凹凸48の滴
下部48aが後方に一ヶ所のみ設けられていたが、図7
に示すように、前方にも滴下部48bを設けてもよい。
なお、必要に応じて複数個の滴下部を凹凸48に形成し
てもよい。
【0031】更に、上記の実施形態では、複数の凹凸4
8がケース11の全内周壁面に放射線状に配設されてい
たが、図8に示すように、ケース11内周壁面の上部に
のみ凹凸を配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のクラッチ装置の滑らかなケース本体内
周面及びハウジング本体外周面を示す図である。
【図2】 本発明に係るクラッチ装置の縦断面図であ
る。
【図3】 自動二輪車の駆動力伝達経路を示す図であ
る。
【図4】 ケース本体内周面に形成された複数の凹凸を
示す図である。
【図5】 ハウジング外周面にフィンが形成された他の
実施形態のクラッチ装置の縦断面図である。
【図6】 ハウジング外周面に形成されたフィンを示す
図である。
【図7】 ケース本体内周面の凹凸に複数の滴下部を有
する他の実施形態のクラッチ装置の縦断面図である。
【図8】 ケース本体内周面の上部にのみ凹凸が形成さ
れている状態を示す図である。
【符号の説明】
6・・・エンジン、7,9・・・減速機、8・・・CV
T(Vベルト式自動変速機)、10・・・クラッチ装
置、11・・・ケース、11a・・・ケース本体、12
・・・オイル室、13・・・ハウジング、13a・・・
ハウジング本体、14・・・クラッチ収納室、15・・
・インナシャフト(回転部材)、16・・・メインクラ
ッチ、17・・・電磁式パイロットクラッチ、18・・
・カム機構、19・・・クラッチオイル、21・・・入
力軸、23・・・出力軸、46,47・・・連結穴、4
8・・・凹凸、48a,48b・・・滴下部、49・・
・オイル供給穴、50,60・・・溝部、51・・・フ
ィン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 俊哉 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3J056 AA34 AA60 AA62 BA05 BE06 BE07 CD01 GA02 GA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースにオイル室を形成し、該ケースに
    回転軸線上で回転可能に支承された一方軸にクラッチ収
    納室が形成されたハウジングを前記オイル室内で一体的
    に連結し、該ハウジングに回転可能に支承され前記クラ
    ッチ収納室内に延在する回転部材を前記ケースに前記回
    転軸線上で回転可能に支承された他方軸に一体的に連結
    し、前記ハウジングと前記回転部材間で動力伝達を行う
    クラッチを前記クラッチ収納室内に配設し、前記オイル
    室に前記ハウジングの下方部分を浸漬するクラッチオイ
    ルを貯留し、前記クラッチを作動して前記一方軸と他方
    軸との間でトルク伝達するようにしたクラッチ装置にお
    いて、前記オイル室内壁の少なくとも上方部分に前記ク
    ラッチオイルを滞留、滴下するための凹凸を設けたこと
    を特徴とするクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 ケースにオイル室を形成し、該ケースに
    回転軸線上で回転可能に支承された一方軸にクラッチ収
    納室が形成されたハウジングを前記オイル室内で一体的
    に設け、該ハウジングに回転可能に支承され前記クラッ
    チ収納室内に延在する回転部材を前記ケースに前記回転
    軸線上で回転可能に支承された他方軸に一体的に連結
    し、前記クラッチ収納室内にメインクラッチ、電磁式パ
    イロットクラッチ及びカム機構を配設し、前記電磁式パ
    イロットクラッチにより伝達される回転トルクを前記カ
    ム機構によって推力に増幅変換して前記メインクラッチ
    を作動し、前記オイル室内壁の少なくとも上方部分に前
    記クラッチオイルを滞留、滴下するための凹凸を設けた
    ことを特徴とするクラッチ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のクラッチ
    装置において、前記凹凸を前記クラッチオイルを滴下さ
    せたい潤滑箇所の上方まで延在させて該潤滑箇所に向か
    って下方に傾斜させたことを特徴とするクラッチ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のクラッチ装置において、前記ハウジングの外周に前記
    クラッチオイルを跳ね上げるためのフィンを設けたこと
    を特徴とするクラッチ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のクラッチ装置におい
    て、前記フィンが前記クラッチオイルを必要な方向に跳
    ね上げるように前記フィンを傾斜させたことを特徴とす
    るクラッチ装置。
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