JP4125494B2 - 電磁多板クラッチ - Google Patents

電磁多板クラッチ Download PDF

Info

Publication number
JP4125494B2
JP4125494B2 JP2001065684A JP2001065684A JP4125494B2 JP 4125494 B2 JP4125494 B2 JP 4125494B2 JP 2001065684 A JP2001065684 A JP 2001065684A JP 2001065684 A JP2001065684 A JP 2001065684A JP 4125494 B2 JP4125494 B2 JP 4125494B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input
clutch
input drum
drum
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001065684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002266901A (ja
Inventor
芳章 加藤
浩一 飯塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2001065684A priority Critical patent/JP4125494B2/ja
Publication of JP2002266901A publication Critical patent/JP2002266901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4125494B2 publication Critical patent/JP4125494B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の動力伝達系を断続するクラッチに関し、特にエンジンからの駆動力を断続する発進クラッチなどに用いられる多板クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駆動力を伝達する多板クラッチとして、例えば特開平10−78052号公報に記載の技術が知られている。この従来技術は、図3に示すように、入力シャフト107と、入力シャフト107にスプライン嵌合した入力ドラム101と、該入力ドラム101にスプライン嵌合したドライブプレート104と、入力クラッチハブ102と、該入力クラッチハブ102にスプライン嵌合したドリブンプレート105と、クラッチを締結するピストン103から構成されている。
【0003】
入力シャフト107が回転駆動すると、入力ドラム101も共に回転し、入力シャフト107に設けられた油路107aから油圧がピストン室103aに供給されることで、ピストン103がドライブプレート104及びドリブンプレート105を押圧し、入力ドラム101と入力クラッチハブ102が締結されることで、入力シャフト107の回転を入力クラッチハブ102に伝達することができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、クラッチパック全体を密封しなければならず、解放時に残っている潤滑油による引きずりトルク(以下ドラグトルクと記載する)が発生してしまい、低温時の油粘性が高い状態では、更にドラグトルクが大きいという問題があった。また、このドラグトルク発生により締結・解放時のトルク特性にヒステリシスが発生し、制御性の悪化を招くという問題があった。特に、この制御性の悪化は、例えばトルク伝達率を可変制御することで悪路走破性,発進性,加速性,車体の安定性等の向上を図る際、これらの効果が低下すると共に、経時変化に応じてトルク伝達特性を正確に補正することが困難であるという問題がある。
【0005】
また、一般に、スプライン嵌合している回転体の軸心から軸方向に摺動する摺動部までの半径をrとし、軸方向に摺動する部位の摺動抵抗をFとすると、F=k/r(kは定数)という関係が成立する。すなわち、軸心から径方向に対して近い位置では、軸方向への摺動抵抗が大きく、軸心から径方向に対して遠い位置では、軸方向への摺動抵抗が小さい。よって、スプライン嵌合部であって、軸方向に摺動する部材は軸心から遠い位置にあるのが好ましい。
【0006】
本発明は上述のような課題に基づいて成されたもので、本発明が解決しようとする課題は、発進クラッチなどに用いられる多板クラッチにおいて、締結・解放時のトルク伝達のヒステリシスを小さくすることによって、トルク容量制御時の制御性を向上することのできる電磁多板クラッチを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、入力側トルク伝達部材に連結した入力ドラムと、出力側トルク伝達部材に連結した入力クラッチハブとを備え、前記入力側及び出力側トルク伝達部材の断接を行うメインクラッチと、操作手段によって電磁的に断続操作されるパイロットクラッチと、該パイロットクラッチの締結により伝達トルクを受けて作動し、その作動に応じて発生するカムスラスト力により押圧系を介してメインクラッチを締結するカム機構と、を備えた電磁多板クラッチにおいて、前記メインクラッチを、前記パイロットクラッチの径方向外側に配設し、前記入力ドラムを、入力側トルク伝達部材と連結した第1入力ドラムと、前記パイロットクラッチ締結時に前記カム機構により前記パイロットクラッチ軸方向に一体作動し前記メインクラッチを締結する第2入力ドラムとから構成し、前記メインクラッチの径方向外側であって、前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムのどちらか一方の入力ドラムの外径面をインローとした接合部を有し、該接合部であって、入力ドラム周方向等間隔に複数のボールスプラインを配置したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電磁多板クラッチにおいて、
前記接合部の前記ボールスプライン以外の部位であって、入力ドラム径方向等間隔に複数の前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムに連通するとともに、前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムの摺動距離よりも大きい穴径を有する潤滑油排出穴を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の電磁多板クラッチにおいて、
前記接合部の径方向に設けられた複数の潤滑油排出穴を、少なくとも軸方向に複数列設けるか、又は、接合部の軸方向中央部に設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3に記載の電磁多板クラッチにおいて、
前記潤滑油排出穴は、前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムの摺動距離よりも大きい穴径を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の電磁多板クラッチには、入力ドラムが、入力側トルク伝達部材と連結した第1入力ドラムと、パイロットクラッチ締結時にカム機構と一体作動する第2入力ドラムとから構成されている。そして、第1入力ドラムと第2入力ドラムのどちらか一方の入力ドラムの外径面をインローとした接合部であって、入力ドラム周方向等間隔に複数のボールスプラインが配置されている。
すなわち、従来技術においては、軸心から径方向に近い位置で摺動するピストンを用いていたが、入力ドラムを第1入力ドラム及び第2入力ドラムから構成し、第2入力ドラムがピストンと同様の働きをし、外径面を接合部とすることで軸心から径方向に遠い位置に摺動部を設けており、更に摺動部にボールスプラインが配置されたことで、摺動抵抗を低減することが可能となり、締結及び解放時の摺動抵抗によるドラグトルクに起因するヒステリシスが大幅に減少でき、制御性の向上を図ることができる。また、パイロットクラッチの電流−トルク特性によりトルク伝達率を可変制御することで悪路走破性,発進性,加速性,車体の安定性等の向上を図り、更に経時変化に応じてトルク伝達特性を正確に補正する必要が無く、制御性の悪化を防止することができる。
【0012】
請求項2記載の電磁多板クラッチには、接合部のボールスプライン以外の部位であって、入力ドラム径方向等間隔に複数の第1入力ドラムと前記第2入力ドラムに連通する潤滑油排出穴が設けられている。
よって、解放時に確実に効率よく潤滑油をドラム外へ排出することでドラグトルクを抑えることができる。
【0013】
請求項3記載の電磁多板クラッチには、接合部の径方向に設けられた複数の潤滑油排出穴が、少なくとも軸方向に複数列設けられることで、解放時に確実に潤滑油をドラム外へ排出することでドラグトルクを抑えることができる。
また、接合部の軸方向中央部に設けられた場合も同様に、解放時に確実に潤滑油をドラム外へ排出することでドラグトルクを抑えることができる。
【0014】
請求項4に記載の電磁多板クラッチにおいては、潤滑油排出穴の穴径が第1入力ドラムと第2入力ドラムの摺動距離に比べて大きくされているため、摺動によって潤滑油排出穴をふさいでしまうことが無く、排出効率を悪化させることがないという効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態における変速機ユニットの発進クラッチ周辺を表す断面図、図2は本発明の実施の形態における変速機ユニットの発進クラッチの第1及び第2入力ドラム31,32の断面を表す図である。尚、本実施の形態に使用される自動変速機は、ギヤ式の多段自動変速機とし、変速動作等については説明を省略する。
【0016】
21は変速機ケース、23は変速機ケース21の前端開口に取着した入力クラッチハウジングを示す。入力クラッチハウジング23には、ボルト取り付け座面23aでボルト12により液密にフロントカバー28が取着され、これによりトーショナルダンパ80を収装する大気開放された第1収装室23bを画成している。また、変速機ケース21,入力クラッチハウジング23の一部及びフロントカバー28により油潤滑が成される第2収装室21aを画成している。
【0017】
変速機ケース21及び入力クラッチハウジング23の間にはオイルポンプ24を介在させている。このオイルポンプ24は、ポンプハウジング25及びポンプカバー26により画成される空間内に内接歯車ポンプ要素を収納して構成した通常のギヤポンプである。ポンプカバー26の内周に固定の中空スリーブ27を嵌着し、この中空スリーブ27内に入力シャフト5を回転自在に挿着する。
【0018】
入力クラッチハウジング23内に突出する入力シャフト5の前端部上には電磁多板クラッチを配置している。この電磁多板クラッチは、パイロットクラッチ40と、このパイロットクラッチ40の外周に配置したメインクラッチ30と、このパイロットクラッチ40の内周に配置したトルクカム機構50から構成されている。
【0019】
メインクラッチ30の第1入力ドラム31は、有底筒形状であり、有底側端部は、入力ハブ70がスプライン圧入されている。また、この第1入力ドラム31は、入力ハブ70をナット71により固定する軸部13bと、オイルシール28aとの摺動部である小径軸13dと、第1入力ドラム31をフロントカバー28により軸受28bを介して支持するベアリング支持部13eから構成されている。
【0020】
メインクラッチ30の第2入力ドラム32は、有底二重筒形状をしており、最外筒面は図2に示すように、インロー部32aで第1入力ドラム31と芯出しし、周方向等間隔で配置された複数のボールスプライン部37により、第1入力ドラム31と一体回転でき、かつ第2入力ドラム32の軸方向移動時の摺動抵抗が極力小さくなるように構成されている。第2入力ドラム32の外筒内周側は、電磁多板クラッチのドライブプレート(金属プレート)33,リテーニングプレート36がスプライン嵌合しており、端面は、スナップリング36aで抜け止めされている。
【0021】
第2入力ドラム32の内筒内径には、パイロットクラッチ40を構成するロータ41,アウタープレート44,アーマチャ43が一体回転可能なようにスプライン嵌合し、アーマチャ43端面は、スナップリング43aにより抜け止めされている。ロータ41の凹部には、電磁石42が僅かな空隙を許容する形で、軸受46により支持されており、ロータ41が回転しても電磁石42は非回転状態を維持できるようになっている。
【0022】
第2入力ドラム32の内筒外径部の外側には、入力クラッチハブ60が進入しており、メインクラッチ30のドライブプレート33と交互に配置されるように、ペーパ摩擦材を接着したドリブンプレート34が入力クラッチハブ60の円筒面にスプライン嵌合している。また、ドリブンプレート34の最左端面は、フローティングプレート35を介して、入力クラッチハブ60の接触部60aで押圧できるようになっている。
【0023】
トルクカム機構50は、第1カム部材51,第2カム部材52,カムフォロアー(ボール)53から構成されている。第1カム部材51の外径側は、入力クラッチハブ60の延長部と一体溶接され、内径側は入力シャフト5の端部スプライン5eと嵌合しており、第1カム部材51の軸方向移動はスラストニードル軸受C,第1入力ドラム31の有底側面31a,軸受28b,フロントカバー28により規制されている。
【0024】
第2カム部材52の外径部は、パイロットクラッチ40のインナープレート45がスプライン嵌合しており、第2入力ドラム32とスプライン嵌合するアウタープレート44と交互配置されている。第2カム部材52の軸方向推力は、スラストニードルベアリングAを介してロータ41に伝えられ、スナップリング41aにより、ロータ41と同じだけ軸方向移動する。更に、アウタープレート44,アーマチャ43は、第2入力ドラム32の内筒内径面にスプライン嵌合して、アーマチャ43の端面はスナップリング43aで軸方向移動を規制されているため、第2カム部材52が軸方向移動しても、パイロットクラッチ40の電磁石42,ロータ41,アウタープレート44,インナープレート45,アーマチャ43の軸方向相対位置関係は、軸方向移動していない状態と同一とすることができる。なお、ロータ41は、ニードルベアリングBを介して中空スリーブ27上を軸方向移動し、第2入力ドラム32は第1入力ドラム31との間のボールスプライン部を摺動する。
【0025】
図示しないエンジンの動力は、トーショナルダンパ80のドリブンプレート82と一体回転可能に嵌合し、第1入力ドラム31に固定された入力ハブ70、第1入力ドラム31、第1入力ドラム31とスプライン嵌合する第2入力ドラム32、第2入力ドラム32と一体回転可能に嵌合するパイロットクラッチ40のロータ41に伝達される。ロータ41の一端41bは、オイルポンプ24の駆動爪になっている。
【0026】
パイロットクラッチ40を締結すると、トルクカム機構50にエンジン回転が入力される。トルクカム機構50は、ボールが傾斜面を転動するカム作用により入力クラッチハブ60(ドリブン側)に図1の右方へ移動しようというスラスト力が発生する。一方その反力として、スラストニードルベアリングAを介して、第2入力ドラム32,ロータ41及び電磁石42をスナップリング15で止められたリターン皿ばね16に抗して図1の左方に移動させようとするスラスト力が作用する。
【0027】
ところで、入力クラッチハブ60は、入力シャフト5とスプライン嵌合するとともに、図1に示す右端部は、スラストニードル軸受Cで止められており、軸方向移動は不能になっているため、実際は、第2入力ドラム32側が左方移動する。第2入力ドラム32には、ドライブプレート33が一体回転可能に嵌合しており、図1の右端側はリテーニングプレート36を介してスナップリング36aで軸方向の移動を規制している。
【0028】
一方、入力クラッチハブ60側は、摩擦材フェーシングが両面に接着された、ドリブンプレート34が入力クラッチハブ60と一体回転可能に嵌合している。ドライブプレート33と、ドリブンプレート34とは、軸方向交互に配置されており、電磁多板クラッチ締結時において、入力クラッチハブ60の接触面60aは、ドリブンプレート34の摩擦材フェーシング面と接触し、フェーシング面を摩耗、剥離させてしまう。そこで、図1に示すようにフローティングプレート35を介して当接するような構成としている。また、入力クラッチハブ60の接触面60aに最も近いドリブンプレート34だけは、ドライブプレート33と接触する面にだけフェーシングを貼り、接触面60a側は、フェーシングを貼らない構成にすればフローティングプレート35を挿入しなくても良い。
【0029】
次に電磁式多板クラッチの潤滑について説明する。
図示しないコントロールバルブ回路(従来のロックアップクラッチ供給回路の流用)から供給される潤滑油は、入力シャフト5の開口部5c→中空部5a→開口部5bを介して、遠心ポンプ作用により、パイロットクラッチ40及びその直上にあるメインクラッチ30、各部軸受を潤滑する。また、入力シャフト5のエンジン側端部に設けられた、おわん型オリフィス4からも潤滑油が供給され、第1入力ドラム31に設けられた開口部31bを経由して、オイルシール28a及び軸受28bを潤滑すると共に、スラストニードルベアリングCを経由して、第1入力ドラム31の有底側面31aと入力クラッチハブ60の間を通り、更に、ボールスプライン37とスプライン37のインロー側32aを潤滑する。
【0030】
ここで、図2に示すように、入力ドラム31と、入力ドラム32の接合面には、周方向に複数の潤滑穴31c,32cがそれぞれ連通し、かつ、穴径が第1入力ドラム31と第2入力ドラム32の摺動距離に比べて大きくされていることで、摺動によって潤滑穴31c,32cをふさいでしまうことが無く、排出効率を悪化させることがない。更に、潤滑穴31cが軸方向にも2列設けられている。よって、入力ドラム32に単独で開口する潤滑穴32bとあわせて効率よく第1及び第2入力ドラム31,32の外方に排出させることができる。これにより、解放時のドラグトルクを抑えることができる。なお、第1入力ドラム31と、第2入力ドラム32の接合面の潤滑穴31c,32cは、2列にせず、メインクラッチ30の軸方向ほぼ中央に1列開口しても、有効な潤滑が可能である。また、オイルポンプ24最内周部の開口5dを経由する潤滑油は、軸受46、電磁石42を冷却する。更に、入力シャフト5の右端面に、おわん型オリフィス4が圧入されており、潤滑油の一部は、このおわん型オリフィス4→第1入力ドラムの開口部31bを経由して、オイルシール28a,軸受28bを潤滑する。
【0031】
第1入力ドラム31及び第2入力ドラム32には、複数の開口部が配置され、潤滑油は、この開口部を経由して、フロントカバー28と入力クラッチハウジング23とで密封された空間に溜まり、入力クラッチハウジング23の下端部に開口する図示していないドレーンポートを経由して、変速機ケース21側に設けられたオイルパン部にリターンされる。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態における変速機ユニットにおいては、入力ドラムが、第1入力ドラム31と第2入力ドラム32とから構成され、第2入力ドラム32の外径面をインローとしたインロー部32aであって、入力ドラム周方向等間隔に複数のボールスプライン37が配置されている。よって、第2入力ドラム32が従来技術におけるピストンと同様の働きをし、外径面を摺動部とすることで軸心から径方向に遠い位置に摺動部であるインロー部32aが設けられている。よって、摺動抵抗を低減することが可能となり、締結及び解放時の摺動抵抗によるひきずりトルクに起因するヒステリシスが生じることなく、制御性の向上を図ることができる。また、インロー部32aにボールスプライン37が配置されたことで、更に摺動抵抗を低減することが可能となり、伝達トルクにヒステリシスが生じてしまい、制御性が悪化するという問題を解決することができる。また、パイロットクラッチ40の電流−トルク特性によりトルク伝達率を可変制御することで悪路走破性,発進性,加速性,車体の安定性等の向上を図る際、電流−トルク特性にヒステリシスを設ける必要が無く、更に経時変化に応じてトルク伝達特性を正確に補正する必要が無く、制御性の悪化を防止することができる。
【0033】
また、インロー部32aのボールスプライン37以外の部位であって、入力ドラム径方向等間隔に複数の潤滑油排出穴32cが、軸方向に複数列設けられることで、解放時に確実に潤滑油をドラム外へ排出することが可能となり、ドラグトルクを抑えることができる。また、この潤滑油排出穴32cの穴径が第1入力ドラム31と第2入力ドラム32の摺動距離に比べて大きくされているため、摺動によって潤滑油排出穴32cをふさいでしまうことが無く、排出効率を悪化させることがない。
【0034】
(その他の実施の形態)
なお、本実施の形態では、軸方向に複数列の潤滑油排出穴32cを設けたが、この構成に限られるものではなく、例えば、インロー部32aの軸方向中央部に一列だけ設けてもよい。この場合も、解放時に確実に潤滑油をドラム外へ排出することでドラグトルクを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における変速機ユニットの発進クラッチ周辺を表す断面図である。
【図2】実施の形態における第1入力ドラム及び第2入力ドラムの側面図である。
【図3】従来技術の多板クラッチを表す断面図である。
【符号の説明】
3d 開口部
4 おわん型オリフィス
5 入力シャフト
5a 中空部
5b 開口部
5c 開口部
6 ダンパ
12 ボルト
13b 軸部
13d 小径軸
13e ベアリング支持部
15 スナップリング
21a 収装室
21 変速機ケース
23 入力クラッチハウジング
23a 座面
23b 収装室
24 オイルポンプ
25 ポンプハウジング
26 ポンプカバー
27 中空スリーブ
28 フロントカバー
28a オイルシール
28b 軸受
30 メインクラッチ
31 第1入力ドラム
31a 有底側面
31b 開口部
31c 潤滑油排出穴
32 第2入力ドラム
32a インロー部
32b 潤滑穴
32c 潤滑油排出穴
33 ドライブプレート
34 ドリブンプレート
35 フローティングプレート
36 リテーニングプレート
36a スナップリング
37 ボールスプライン
37 ボールスプライン部
40 パイロットクラッチ
41a スナップリング
41 ロータ
41a 一端
42 電磁石
43 アーマチャ
43a スナップリング
44 アウタープレート
45 インナープレート
46 軸受
50 トルクカム機構
51 カム部材
52 カム部材
60 入力クラッチハブ
60a 接触面
70 入力ハブ
71 ナット
80 トーショナルダンパ
82 ドリブンプレート
101 入力ドラム
102 入力クラッチハブ
103 ピストン
103a ピストン室
104 ドライブプレート
105 ドリブンプレート
107 入力シャフト
107a 油路
A スラストニードルベアリング
B ニードルベアリング
C スラストニードルベアリング

Claims (4)

  1. 入力側トルク伝達部材に連結した入力ドラムと、出力側トルク伝達部材に連結した入力クラッチハブとを備え、前記入力側及び出力側トルク伝達部材の断接を行うメインクラッチと、
    操作手段によって電磁的に断続操作されるパイロットクラッチと、
    該パイロットクラッチの締結により伝達トルクを受けて作動し、その作動に応じて発生するカムスラスト力により押圧系を介してメインクラッチを締結するカム機構と、
    を備えた電磁多板クラッチにおいて、
    前記メインクラッチを、前記パイロットクラッチの径方向外側に配設し、
    前記入力ドラムを、入力側トルク伝達部材と連結した第1入力ドラムと、前記パイロットクラッチ締結時に前記カム機構により前記パイロットクラッチ軸方向に一体作動し前記メインクラッチを締結する第2入力ドラムとから構成し、
    前記メインクラッチの径方向外側であって、前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムのどちらか一方の入力ドラムの外径面をインローとした接合部を有し、該接合部であって、入力ドラム周方向等間隔に複数のボールスプラインを配置したことを特徴とする電磁多板クラッチ。
  2. 請求項1に記載の電磁多板クラッチにおいて、
    前記接合部の前記ボールスプライン以外の部位であって、入力ドラム径方向等間隔に複数の前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムに連通する潤滑油排出穴を設けたことを特徴とする電磁多板クラッチ。
  3. 請求項1または2に記載の電磁多板クラッチにおいて、
    前記接合部の径方向に設けられた複数の潤滑油排出穴を、少なくとも軸方向に複数列設けるか、又は、接合部の軸方向中央部に設けたことを特徴とする電磁多板クラッチ。
  4. 請求項2または3に記載の電磁多板クラッチにおいて、
    前記潤滑油排出穴は、前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムの摺動距離よりも大きい穴径を有することを特徴とする電磁多板クラッチ。
JP2001065684A 2001-03-08 2001-03-08 電磁多板クラッチ Expired - Fee Related JP4125494B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001065684A JP4125494B2 (ja) 2001-03-08 2001-03-08 電磁多板クラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001065684A JP4125494B2 (ja) 2001-03-08 2001-03-08 電磁多板クラッチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002266901A JP2002266901A (ja) 2002-09-18
JP4125494B2 true JP4125494B2 (ja) 2008-07-30

Family

ID=18924291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001065684A Expired - Fee Related JP4125494B2 (ja) 2001-03-08 2001-03-08 電磁多板クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4125494B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4525046B2 (ja) * 2003-10-15 2010-08-18 シンフォニアテクノロジー株式会社 電磁ボールクラッチ
JP4102341B2 (ja) 2004-08-17 2008-06-18 ジヤトコ株式会社 自動変速機の制御装置
JP2006342941A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Jtekt Corp 駆動力伝達装置の取付構造
US10093409B2 (en) * 2016-05-17 2018-10-09 The Boeing Company Electromechanical decoupler

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002266901A (ja) 2002-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7500548B2 (en) Dual-mode one-way torque transmitting device
US20070221468A1 (en) Hydraulically actuated double clutch
KR101774673B1 (ko) 자동 변속기에 있어서의 마찰 체결 요소의 윤활 구조
KR101265206B1 (ko) 유압클러치
JP2005233426A (ja) 振動ダンパを備えたクラッチアセンブリー
JP2004347120A (ja) クラッチ装置及び多板クラッチを駆動するための方法
WO2017169980A1 (ja) 自動変速機及び摩擦締結要素
US8875859B2 (en) Hydraulic clutch and transmission device provided with the same
KR100882593B1 (ko) 유압클러치
US6676563B2 (en) Semi-automatic transmission
JPH0617904A (ja) 制御弁
JP2000283188A (ja) 流体継手装置
JP4125494B2 (ja) 電磁多板クラッチ
KR101437152B1 (ko) 클러치
EP3892882B1 (en) Oil feed structure including hydraulic clutch
JP3571896B2 (ja) 自動変速機の油圧締結装置
KR100907322B1 (ko) 유압클러치
KR20180058901A (ko) 이중 클러치
JP3389172B2 (ja) 回転軸の油供給構造
JP4009816B2 (ja) クラッチ装置
JP4884683B2 (ja) シール部材冷却構造及び変速機の多板クラッチ構造
JPH0544737A (ja) 回転クラツチの遠心油圧キヤンセル機構
JP4006187B2 (ja) 変速機ユニット
JPH0453461Y2 (ja)
CN116136235A (zh) 用于动力传动系统的湿式离合器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040819

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20041116

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050830

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20051110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080430

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140516

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees