JP4884683B2 - シール部材冷却構造及び変速機の多板クラッチ構造 - Google Patents

シール部材冷却構造及び変速機の多板クラッチ構造 Download PDF

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    • F16H57/0469Bearings or seals

Description

本発明は、シール部材冷却構造及び変速機の多板クラッチ構造に関する。
一般に使用される車両用自動変速機は、トルクコンバータと多段変速機構を組み合わせて構成されている。このような自動変速機の変速機構は、多段変速機構に配設された多板クラッチ等を選択的に作動させて動力伝達系路を切り換え、所定の変速段を得るように構成されている。
自動変速機に用いられる多板クラッチは、例えば変速機ケースに設けられ固定部材にクラッチドラムの基部が回転自在に支持され、クラッチハブが同軸芯上に回転自在に配置され、クラッチドラムの内周に形成されたスプライン溝に外周が嵌合する複数のクラッチディスクと、クラッチハブの外周に形成されたスプライン溝に内周が嵌合する複数のクラッチディスクが交互に配置されている。このクラッチドラムに形成された油圧室に供給される作動油でピストンを介して上記各クラッチディスクを押圧し、互いに摩擦係合する各クラッチディスクによってクラッチドラムとクラッチハブとの間で動力伝達するように構成されている。
この油圧室へ作動油を供給及びドレンする作動油供給系路は、固定部材に穿設された供給側が外部において制御弁を介して油圧供給源に連通すると共に吐出口がクラッチドラムの基部と摺接する外周に開口する油圧供給孔と、この吐出口に供給孔が対向して吐出口が油圧室に開口するクラッチドラムの基部に穿設された油圧供給孔を有し、予め設定された制御圧の作動油を固定部材に穿設された油圧供給孔及びクラッチドラムの基部に穿設された油圧供給孔から油圧室に供給、或いは油圧室から作動油をドレンすることによってピストンの作動を制御している。また、固定部材の外周と基部の内周との間には油圧供給孔を隔てて両側に環状のシール部材を配設して該部から作動油が流出するのを防止している(例えば、特許文献1参照)。
また、回転軸に周設された装着溝に装着されて外周をハウジングの内壁に摺動自在に密着させるシール部材に、その軸方向一端面及び内径面に開口する渦巻き状の流体導入溝を設け、回転時に流体導入溝に潤滑油を導入してシール部材を冷却すると共に摺動部を潤滑することも知られている(例えば、特許文献2参照)
特開平5−106723号公報 実開平5−30634号公報
上記特許文献1の多板クラッチ構造によると、固定部材の外周と基部の内周との間に油圧供給孔を隔てて一対の環状のシール部材を配設することによって、固定部材と基部との間から作動油が流出するのを防止している。
一方、変速機の車体搭載性や燃費の向上を目的として多板クラッチの軽量化を図るため小型化を図ると、その小型化に伴って多板クラッチのクラッチ容量低下を招くことになる。このクラッチ容量低下を補うために油圧室内に供給する作動油の制御油圧を高めると、シール部材に大きな負荷が掛かると共に該部から作動油が漏れ出すことが懸念される。このため作動油の漏れ出しも考慮して多板クラッチの油圧室に供給する作動油の制御油圧を設定している。しかし、多板クラッチの温度変化、作動油の油温や制御油圧の変化等の種々の要因変化に伴って漏れ出し量が複雑に変化することから最適の油圧制御が極めて困難であった。
また、クラッチディスクの摺動熱や油圧室に供給される作動油の油温により固定部材とクラッチドラムの基部との間に配設されたシール部材に熱的影響を及ぼし、シール部材の耐久性を低下させる要因となる。
また、多板クラッチに限らずシール部材を用いて回転部分からの作動油の漏れ出しを防止する他の構成においても同様のことが懸念される。
一方、特許文献2においては、シール部材に形成した流体導入溝に潤滑油を導入することでシール部材の冷却及び摺動部の潤滑を図ることができる。しかし、このシール部材を特許文献1のように固定部材とクラッチドラムの基部との間に油圧供給孔を隔てて両側に配置する場合には、特許文献1と同様のことが懸念されると共に、シール部材の形状が複雑でシール部材のコストが増大し、かつシール部材が比較的大きくなり該部寸法が増大する。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、シール部材の耐久性及び安定した油密性が確保できるシール部材冷却構造及び変速機の多板クラッチ構造を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載のシール部材の冷却構造の発明は、回転軸と、該回転軸に結合される基部と上記回転軸の外周面と間隙を介して内周面が対向しかつ外周面が変速機ケースに開口する軸受部の内周面に摺接して回転自在に支持される円筒状の軸部とが一体形成された回転部材と、上記変速機ケースに穿設されて上記軸部の外周面が回転自在に摺接する上記軸受部の内周面に吐出口が開口する油圧供給孔及び上記回転部材に穿設されて上記軸部の外周面に開口して上記吐出口に連通する供給口を有する油圧供給孔を有する作動油供給系路と、上記作動油供給系路を隔てて配設されて上記軸受部の内周面と軸部の外周面との間を液密にする一対のシール部材と、上記軸部の内周面と回転軸との間に形成された間隙に潤滑油を送給する潤滑油送給手段と、を備え、上記円筒状の軸部は、上記回転軸の軸芯に沿って上記軸受部側に突出して上記軸部の内周面と上記回転軸との間及び上記回転軸の外周面と上記軸受部の内周面にそれぞれ隙間を形成し、これらの隙間は連続形成されること、を特徴とする。
上記目的を達成する請求項2に記載の変速機の多板クラッチ構造の発明は、回転軸に基部が結合するクラッチドラムと上記回転軸に対して同軸芯上で回転自在に配置された被駆動部材に動力伝達可能に結合されたクラッチハブを備え、上記クラッチドラムに形成された油圧室に供給される作動油の制御油圧でピストンを介して上記クラッチドラムとクラッチハブとの間に配置された複数のクラッチディスクを押圧して上記クラッチドラムとクラッチハブとの間を動力伝達する変速機の多板クラッチ構造において、上記クラッチドラムは、上記回転軸に結合される基部と、該基部から径方向外方に延設された油圧室形成部と、上記回転軸の外周面と間隙を介して内周面が対向しかつ外周面が変速機ケースに開口する軸受部の内周面に摺接して回転自在に支持される円筒状の軸部とが一体形成され、油圧供給源から上記油圧室に作動油を供給する作動油供給系路は、上記変速機ケースに穿設されて上記軸部の外周面が回転自在に摺接する上記軸受部の内周面に吐出口が開口する油圧供給孔及び、クラッチドラムに穿設されて上記軸部の外周面に開口して上記吐出口に連通する供給口と上記油圧室に開口する吐出口とを連通する油圧供給孔を有し、上記作動油供給系路を隔てて配設されて上記軸受部の内周面と軸部の外周面との間を液密にする一対のシール部材と、上記軸部の内周面と回転軸との間に形成された間隙に潤滑油を送給する潤滑油供給手段と、を備え、上記円筒状の軸部は、上記回転軸の軸芯に沿って上記油圧室から離れる方向に突出して上記軸部の内周面と上記回転軸との間及び上記回転軸の外周面と上記軸受部の内周面にそれぞれ隙間を形成し、これらの隙間は連続形成されること、を特徴とする。
また、上記目的を達成する請求項に記載の変速機の多板クラッチ構造の発明は、回転軸に基部が結合するクラッチドラムと上記回転軸に対して同軸芯上で回転自在に配置された被駆動部材に動力伝達可能に結合されたクラッチハブを備え、上記クラッチドラムに形成された油圧室に供給される作動油の制御油圧でピストンを介して上記クラッチドラムとクラッチハブとの間に配置された複数のクラッチディスクを押圧して上記クラッチドラムとクラッチハブとの間を動力伝達する変速機の多板クラッチ構造において、上記クラッチドラムは、上記回転軸に結合される基部と、該基部から径方向外方に延設された油圧室形成部と、上記回転軸の外周面と間隙を介して内周面が対向しかつ外周面が変速機ケースに開口する軸受部に配設された環状の摺動カラーの内周面に摺接して回転自在に支持される円筒状の軸部とが一体形成され、油圧供給源から上記油圧室に作動油を供給する作動油供給系路は、上記摺動カラーに穿設されて上記軸部の外周面が回転自在に摺接する該摺動カラーの内周面に吐出口が開口する油圧供給孔及び、クラッチドラムに穿設されて上記軸部の外周面に開口して上記吐出口に連通する供給口と上記油圧室に開口する吐出口とを連通する油圧供給孔を有し、上記作動油供給系路を隔てて配設されて上記摺動カラーの内周面と軸部の外周面との間を液密にする一対のシール部材と、上記軸部の内周面と回転軸との間に形成された間隙に潤滑油を送給する潤滑油供給手段と、を備え、上記円筒状の軸部は、上記回転軸の軸芯に沿って上記油圧室から離れる方向に突出して上記軸部の内周面と上記回転軸との間及び上記回転軸の外周面と上記摺動カラーの内周面にそれぞれ隙間を形成し、これらの隙間は連続形成されること、を特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項2又は3の何れか1項に記載の変速機の多板クラッチ構造において、上記潤滑油供給手段は、一端が潤滑油供給源に連続すると共に上記回転軸の軸芯に沿って穿設された潤滑油供給孔と、上記回転軸に穿設されて上記回転軸と軸部との間に形成される間隙と上記潤滑油供給孔と連通する潤滑油噴出孔と、を有することを特徴とする。
請求項1の発明によると、回転部材の軸部と回転軸との間に形成される間隙に潤滑油送給手段によって潤滑油を送給することによって、潤滑油によって回転部材の軸部及び油圧供給孔内の作動油が冷却され、かつ軸部の外周面と軸受部の内周面との摺動熱及びシール部材と軸受部の内周面との摺動熱が効率的に冷却されてシール部材への熱的影響が軽減される。このシール部材への熱的影響の軽減によってシール部材の耐久性が向上し、シール部材による安定した油密性が確保できる。
このシール部材による油密性の確保により、作動油供給系路における作動油の漏れ出しが防止できて制御油圧の設定にあたり作動油の漏れ出しを考慮する必要がなくなり、制御油圧の設定が容易になる。
請求項2の発明によると、クラッチドラムの軸部と回転軸との間に形成される間隙に潤滑油送給手段によって潤滑油を送給することによって、潤滑油によって軸部及び油圧供給孔内の作動油が冷却され、軸部と軸受部の内周面との摺動熱及び軸受部の内周面とシール部材の摺動熱が冷却されてシール部材の温度上昇が抑制され、シール部材への熱的影響が軽減される。このシール部材への熱的影響の軽減によってシール部材の耐久性が向上し、シール部材による安定した油密性が確保できる。
このシール部材による油密性の確保により、作動油供給系路における作動油の漏れ出しが防止できて制御油圧の設定にあたり作動油の漏れ出しを考慮する必要がなくなり、多板クラッチの油圧室に供給する制御油圧の設定が容易になり、かつ最適な多板クラッチの油圧制御が可能になる。
更に、軸受部の内周面の一部と回転軸との間に軸部の内周面と回転軸との隙間と連続する間隙が形成することによって、軸受部の内周面が潤滑油によって直接的に冷却されてより確実にシール部材への熱的影響が軽減できる。
請求項の発明によると、クラッチドラムの軸部と回転軸との間に形成される間隙に潤滑油送給手段によって潤滑油を送給することによって、潤滑油によって軸部及び油圧供給孔内の作動油が冷却され、軸部と摺動カラーの内周面の摺動熱及び摺動カラーの内周面とシール部材の摺動熱が冷却されてシール部材の温度上昇が抑制され、シール部材への熱的影響が軽減される。このシール部材への熱的影響の軽減によってシール部材の耐久性が向上して安定したシール部材による安定した油密性が確保できる。
このシール部材による油密性の確保により多板クラッチの油圧室に供給する制御油圧の設定が容易になり、かつ最適な多板クラッチの油圧制御が可能になる。
更に、摺動カラーの内周面の一部と回転軸との間の間隙と軸部の内周面と回転軸との隙間とが連続し、摺動カラーの内周面が潤滑油によって直接的に冷却されて摺動カラーが冷却される。摺動カラーの効率的な冷却により確実にシール部材への熱的影響が軽減される。
請求項の発明によると、回転軸に穿設された潤滑油供給孔及び潤滑油噴出孔によって潤滑油供給手段を構成することができる。
以下、本発明によるシール部材の冷却構造及びシール部材冷却構造を備えた変速機の多板クラッチ構造の実施の形態を車両用変速機の多板クラッチ構造を例に、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1乃至図4を参照して第1実施の形態を説明する。図1は変速機の要部断面図であり、図2は図1のI−I線断面図、図3は図1のA部拡大図、図4は図1のB部拡大図である。符号1は中空状の変速機ケース本体2とこの変速機ケース本体2に固定される板状の固定部材3を備えた変速機ケースであり、変速機ケース1内に変速機構が収容されている。変速機ケース1内に軸芯Lに沿って中空状の入力軸11と、入力軸11内に配置された中空状の出力軸16とを備えた回転軸10を有し、入力軸11が変速機ケース1に設けられた図示しない固定軸によって回転自在に支持され、この入力軸11と同軸芯上に図示しないベアリング等を介して出力軸16が回転自在に支持されている。
入力軸11の先端部は、多板クラッチ21を介して出力軸16の外周にニードルベアリング20a等を介して回転自在に支持された被駆動部材となる従動歯車20と連結され、多板クラッチ21の締結によって入力軸11から従動歯車20に動力伝達され、従動歯車20から図示しないプラネタリギヤや他の歯車機構等を介して変速制御されて出力軸16に伝達される。
入力軸11の先端部にはスプライン12が形成され、先端に沿って環状のクリップ溝13aが形成されると共に、後述するクラッチドラム22の筒状の基部23に形成された潤滑油孔33に対応して潤滑油孔14が放射状に複数穿孔されている。また、スプライン12の基端12a近傍に軸部26の内周面26bに対向して潤滑油射出孔15が半径方向に穿孔されている。
出力軸16は、軸芯Lに沿って穿孔された潤滑油供給孔17を有し、外周面16aに入力軸11に形成された潤滑油孔14及び潤滑油射出孔15にそれぞれ対応して環状の凹溝18a、19aが形成されている。この凹溝18aと潤滑油供給孔17とを連通する連通孔18bを有し、凹溝18aと連通孔18bによって潤滑油孔18を形成している。また、凹部19aと潤滑油供給孔17と連通する連通孔19bによって潤滑油射出孔19を形成している。
出力軸16に穿設された潤滑油供給孔17の一端が潤滑油供給源に連続し、潤滑供給源から潤滑供給孔17に送給された潤滑油を潤滑油射出孔19及び入力軸11に穿設された潤滑油射出孔15を介して後述する潤滑油室8内に送給する潤滑油供給手段を構成している。
多板クラッチ21は、クラッチドラム22が入力軸11の先端部に結合されると共に変速機ケース1に回転自在に支持される一方、クラッチハブ35が従動歯車20と一体に形成されている。
クラッチドラム22は、入力軸11の先端に形成されたスプライン12に嵌合するためのスプライン23aが内周に形成された筒状の基部23と、基部23の基端側から径方向外方に延接された円板状の油圧室形成部24と、基部23と同軸芯Lを有し油圧室形成部24の外周から基部23の外周面と対向する内周に軸芯L方向に延在するスプライン溝25bが形成された円筒状の大径部25と、基部23と同軸芯Lを有して油圧室形成部24の外面から円筒状に突出する軸部26とが一体形成されている。更に、油圧室形成部24から内周面26bに沿って等間隔で軸芯L方向に延在する複数、本実施の形態では3本のリブ26cが突出形成され、各リブ26cの頂端26dが入力軸11の外周面11aに当接可能に形成されている。
このクラッチドラム22は、入力軸11の先端部に形成されたスプライン12に基部22の内周に形成されたスプライン23aが嵌合すると共に、軸部26の内周面26bが入力軸11の外周面11aと間隔aを有して対向して軸部26の先端が変速機ケース1内に開放され、かつ各リブ26cの頂端26dが入力軸11の外周面11aに当接して嵌合して入力軸11とクラッチドラム22とが高精度で位置決めされた状態で、入力軸11にクリップ溝13aに係止されたクリップ13によって固定されている。
クラッチドラム22の軸部26は、油圧室形成部24から外周面26a及び内周面26bを有する円筒状で軸芯Lに沿って油圧室28から離れる方向に突出し、外周面26aが変速機ケース本体2に結合された固定部材3に開口する軸受部の内周面3aに摺動カラー7を介して回転自在に支持されている。なお、摺動カラー7の内周面7bの一部は軸部26の外周面26aから軸芯L方向に延接されている。この軸方向に延接された摺動カラー7の内周面7bの一部7cは軸部26によって覆われることなく変速機ケース1内に露出している。
即ち、入力軸11の外周面11aと軸部26の内周面26bによって形成される間隙によって入力軸11と軸部26の内周面26bとの間に、潤滑油噴出孔15に連通する潤滑油室8が形成される。この入力軸11と軸部26の内周面26bによって形成される間隙と、入力軸11の外周面11aと摺動カラー7の内周面7bとの間に形成される間隙とは連続形成されている。
基部23の外周と大径部25の内周に摺動自在な環状で、かつ外周27aが大径部25に沿って円筒状に折曲されたピストン27が嵌挿され、油圧室形成部24の内面とピストン27との間に油圧室28が形成されている。油圧室28とピストン27を隔てた反対側に基部23の外周面に内周がクリップ29によって係止され外周がピストン27の外周27aに摺動自在なリテーナ30が、基部23の外周面とピストン27の外周27aとの間に掛け渡されている。このピストン27とリテーナ30との間に配置されたリターンスプリング31によって常時ピストン27に押圧力が付勢されている。
ピストン27とリテーナ30との間にバランス油圧室32が形成され、バランス油圧室32と出力軸16の潤滑油供給孔17とが、基部23の潤滑油孔33、入力軸11の潤滑油孔14、出力軸16の潤滑油孔18を介して連通されている。クラッチドラム22の回転によって油圧室28に発生する遠心油圧は、このバランス油圧室32の油圧によって相殺される。
一方、クラッチハブ35は、基部36が被駆動歯車20と一体に形成されて被駆動歯車20と共にニードルベアリング20aを介して出力軸16に回転自在に支持され、基部36と一体に形成されてクラッチドラム22の大径部25と対向する円筒状の大径部37を有し、大径部37の外周に軸芯L方向に延在するスプライン溝37bが形成されている。
クラッチドラム22の大径部25の内周に形成されたスプライン溝25bに外周が嵌合する複数のクラッチディスク39aと、クラッチハブ35の大径部25の外周面に形成されたスプライン溝37bに内周が嵌合する複数のクラッチディスク39bが交互に配置され、クラッチドラム22の大径部25に固定されたスナップリング39cに当接してリテーニングプレート39dが配置されている。
クラッチドラム22の油圧室28に供給されて作動油の制御油圧でピストン27を介して各クラッチディスク39a、39bをクラッチドラム2に固定したスナップリング39に当接するリテーニングプレート39dに押圧して、互いに摩擦係合する各クラッチディスク39aと39bによってクラッチドラム22とクラッチハブ35との間で動力伝達するように構成されている。クラッチドラム21の大径部25にはスプライン溝25bや各クラッチディスク39a、39b等に潤滑油を供給するための潤滑孔25cが穿設されている。なお、入力軸11の先端とクラッチハブ35の基部36との間にスラストベアリング40が介在してクラッチハブ35とクラッチドラム22の軸芯L方向の相対位置を規制している。
油圧室28へ作動油を供給及びドレンする作動油供給系路41は、図2及び図3に示すように固定部材3に穿設された供給側が外部において制御弁を介して油圧供給源に連通すると共に吐出口42aが内周面3aに開口する油圧供給孔42と、油圧供給孔42の吐出口42aと対向して摺動カラー7の外周面7aに環状で軸芯L方向の寸法が比較的大きな幅広の凹溝状に形成された供給口43a及び供給口43aと内周面7aに形成された吐出口43bとを連通する連通孔43cを備えた油圧供給孔43と、摺動カラー7の内周面7bに開口する油圧供給孔43の吐出口43bと対向して軸部26の外周面26aに環状で軸芯L方向の寸法が比較的大きな幅広の凹溝状に形成された供給口44a及びこの供給口44aと油圧室28に開口する吐出口44bとをリブ26c内に穿設されて連通する連通路44cを備えた油圧供給孔44とによって形成されている。
軸部26の外周面26aに供給口44aを隔てて環状のシール部材45を嵌着するシール溝26eが形成され、摺動カラー7の内周面7bと軸部26の外周面26aとの間に供給口44aを隔てて一対のシール部材45が配置されて該部から作動油が流出するのを防止している。
次に、作動を説明する。例えば、入力軸11が回転駆動されている状態で、作動油供給系路41から油圧室28内の作動油がドレンされた多板クラッチ21の締結が解除された状態では、リターンスプリング31の押圧力でピストン27が押しやられて交互に配置されたクラッチディスク39aと39bは圧接することがない。これにより、入力軸11に基部23がスプライン嵌合しているクラッチドラム22は回転駆動されるものの、クラッチドラム22とクラッチハブ35との間の動力伝達は行われない。
この締結が解除された状態において、出力軸16の潤滑孔17内に圧送供給された潤滑油の一部は、出力軸16に穿設された潤滑油噴出孔19を介して回転する入力軸11に形成した潤滑油噴出孔15に供給され、回転する入力軸11の潤滑油噴出孔15からクラッチドラム22に形成された軸部26の内周面26bの広範囲及び摺動カラー7の内周面7bの一部7cに向けて潤滑油室8内に噴出され、潤滑油室8内に送給された潤滑油は滞留して軸部26及び摺動カラー7が潤滑油によって直接的に効率よく冷却する。更に、互いに摺接する軸部26の外周面26aと摺動カラー7の内周面7bの摺動熱及びシール部材45と摺動カラー7の内周面7bの摺動熱を冷却すると共に、シール部材45が冷却されて該部の温度上昇が抑制される。
この軸部26及び摺動カラー7の冷却に伴って摺動カラー7に形成された比較的大きな幅広の凹溝状に形成された環状の供給口43a及び連通路43cからなる油圧供給孔43と、軸部26に形成された比較的大きな幅広の凹溝状に形成された環状の供給口44a及び連通路44cからなる油圧供給孔43内の作動油が冷却されて油温の上昇が抑制される。
締結が解除された状態で、油圧供給源から油圧制御された作動油を固定部材3の油圧供給孔42、摺動カラー7の油圧供給孔43、クラッチドラム22の軸部26に形成された油圧供給孔44を介して油圧室28に供給すると、その制御油圧に応じてリターンスプリング31の押圧力に抗してピストン27が応動して各クラッチディスク39a、39bをスナップリング39cに当接するリテーニングプレート39dに押圧し、互いに圧接するクラッチディスク39a、39bの摩擦係合によってクラッチドラム22からクラッチハブ35に動力伝達可能な締結状態になり、従動歯車20が回転駆動される。このピストン27の移動に応じてバランス油圧室32内の潤滑油はクラッチドラム22の基部23に穿孔された潤滑油孔33、入力軸11の潤滑油孔14、出力軸16の潤滑油孔18から出力軸の潤滑油供給孔17内に押し出される。
従って、油圧室28に供給される作動油の制御油圧に応じて各クラッチディスク39aと39bの摩擦係合状態が制御され、油圧室28に供給される制御油圧に相応した伝達力が入力軸11から多板クラッチ21を介して従動歯車20に動力伝達される。
この油圧室28に制御油圧の作動油が供給されて圧接するクラッチディスク39aと39bの摩擦係合によって動力伝達可能な締結状態においても、出力軸16の潤滑孔17内に圧送供給された潤滑油の一部は、出力軸16に穿設された潤滑油噴出孔19を介して回転する入力軸11に形成した潤滑油噴出孔15に供給され、回転する入力軸11の潤滑油噴出孔15からクラッチドラム22に形成された軸部26の内周面26b及び摺動カラー7の内周面7bの一部7cに向けて噴出されて潤滑油室8内に送給され、潤滑油室8内に滞留して軸部26及び摺動カラー7が効率的に冷却する。更に、互いに摺接する軸部26の外周面26aと摺動カラー7の内周面7bの摺動熱及びシール部材45と摺動カラー7の内周面7bの摺動熱を冷却すると共に、シール部材45が冷却されて該部の温度上昇が抑制される。
この軸部26及び摺動カラー7の冷却に伴って摺動カラー7に形成された油圧供給孔43及び軸部26に形成された油圧供給孔43内の作動油が冷却されて油温の上昇が抑制される。
ここで、特に、軸部26は油圧室形成部24から軸芯Lに沿って油圧室28から離れる方向に突出して形成されることから、制御油圧に供給されて油温が上昇した油圧室28内の作動油や油圧室28及び、摩擦係合して温度が上昇したクラッチディスク29a、29bやクラッチドラム22の大径部25等の熱発生部分から十分に分離されてこれらからの熱的影響が回避或いは熱的影響が抑制されて効率的に軸部26、摺動カラー7、及び摺動カラー7や軸部26に形成された油圧供給孔43、44内の作動油の温度上昇が抑制される。
一方、油圧室28の作動油を、各油圧供給孔42、43、44を介してドレンすることによって、油圧室28の油圧が減圧され、リターンスプリング31によってピストン27が押し戻されて各クラッチディスク39aと39bの圧接が解除されて多板クラッチ21の締結が解除されると、入力軸11から多板クラッチ21を介して従動歯車20への動力伝達が中断する。このピストン27の移動に応じて、バランス油圧室32内には、出力軸16の潤滑油供給孔17内の潤滑油が出力軸16の潤滑油孔18、入力軸11の潤滑油孔14及びクラッチドラム22の基部23に穿孔された潤滑油孔33を介して供給される。
このように構成された本実施の形態によると、出力軸16の潤滑孔17内に圧送供給された潤滑油の一部が、入力軸11の潤滑油噴出孔15からクラッチドラム22に形成された軸部26の内周面26b及び摺動カラー7の内周面7bの一部7cに向けて潤滑油室8内に噴出されて軸部26及び摺動カラー7が効率的に冷却され、かつ軸部26と摺動カラー7の摺動熱及び摺動カラー7とシール部材45の摺動熱が効率的に冷却されてシール部材45の温度上昇が抑制され、シール部材45への熱的影響が軽減される。このシール部材45への熱的影響の軽減によってシール部材45の耐久性が向上し、シール部材45による安定した油密性が確保できる。
シール部材45による安定したシール性の確保により、作動油の漏れ出しを考慮する必要がなくなり、多板クラッチ21の油圧室28に供給する作動油の制御油圧を設定することが容易になり、容易に最適な多板クラッチ21の油圧制御が可能になる。
(第2実施の形態)
図5及び図6を参照して第2実施の形態を説明する。図5は変速機の要部断面図であり、図6は図5のII−II線断面図である。なお、図5及び図6において図1乃至図4と対応する部分には同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。
本実施の形態は、第1実施の形態における摺動カラー7を省略して固定部材4によって直接的にクラッチドラム21の軸部26を回転自在に摺接することを特徴としている。
第1実施の形態における固定部材3に代えて変速機ケース本体2に取り付けられる固定部材4は、クラッチドラム22の軸部26を回転自在に支持する内周面8aを有する軸受部が開口している。更に固定部材4に供給側が外部において制御弁を介して油圧供給源に連通すると共に吐出口42aが内周面4aに、軸部26の外周面26aに環状の凹溝状に形成された供給口44aと対向して開口する油圧供給孔42が穿設されている。
クラッチドラム22の軸部26は、外周面26aが変速機ケース2に固定された固定部材4に開口する軸受部の内周面4aに回転自在に支持されている。固定部材4の内周面4aの一部4bは軸部26によって覆われることなく変速機ケース1内に露出している。
これら入力軸11の外周面11aと軸部26の内周面26bによって形成される間隙によって入力軸11の外周面11aと軸部26の内周面26bとの間に、潤滑油噴出孔15に連通する潤滑油室8が形成される。この入力軸11と軸部26の内周面26bによって形成される間隙と、入力軸11の外周面11aと固定部材4に開口する軸受部の内周面4aとの間に形成される間隙とは連続形成されている。
また、第1実施の形態と同様に軸部26の外周面26aに供給口44aを隔てて凹設されたシール溝26eにシール部材45が嵌装され、シール部材45によって固定部材4の内周面4aと軸部26の外周面26aとの間から作動油の流出を防止している。
これら固定部材8に穿設され油圧供給孔42及びクラッチドラム22に穿設された油圧供給孔44によって油圧室28に作動油を供給し、かつ油圧室28内の作動油をドレンする作動油供給系路41が形成される。
入力軸11が回転駆動されている状態で、作動油供給系路41から油圧室28内の作動油がドレンされた多板クラッチ21の締結が解除された状態及び油圧室28に制御油圧の作動油が供給されて圧接するクラッチディスク39aと39bの摩擦係合によって動力伝達可能な締結状態において、出力軸16の潤滑孔17内に圧送供給された潤滑油の一部は、出力軸16に穿設された潤滑油噴出孔19を介して入力軸11に形成した潤滑油噴出孔15に供給され、回転する入力軸11の潤滑油噴出孔15からクラッチドラム22に形成された軸部26の内周面26b及び固定部材4の内周面7bの一部7cに向けて噴出されて潤滑油室8内に送給され、かつ潤滑油室8内に滞留して軸部26及び固定部材4が効率的に冷却する。更に、互いに摺接する軸部26の外周面26aと固定部材4の内周面4bの摺動熱及びシール部材45と固定部材4の内周面4bの摺動熱を冷却すると共に、シール部材45が冷却されて該部の温度上昇が抑制され、シール部材45への熱的影響が軽減される。このシール部材45への熱的影響の軽減によってシール部材45の耐久性が向上し、シール部材45による安定した油密性が確保できる。
よって、第1実施の形態と同様にシール部材45による安定したシール性の確保により、作動油の漏れ出しを考慮する必要がなくなり、多板クラッチ21の油圧室28に供給する作動油の制御油圧を設定することが容易になり、容易に最適な多板クラッチ21の油圧制御が可能になる。
従って、本実施の形態によると、第1実施の形態に加え、摺動カラー7を省略して固定部材4によって直接的にクラッチドラム21の軸部26を回転自在に支持することによって、構成部品の削減及び構成の簡素化が得られ、製造コストの低減が期待できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記各実施の形態では変速機ケース本体2に固定された固定部材3或いは4によってクラッチドラム22の軸部26を回転自在に摺接したが、変速機ケース本体2にクラッチドラム22の軸部26を回転自在に摺接する軸受部を形成することもできる。
また、上記各実施の形態では、出力軸16に穿設された潤滑油供給孔17、潤滑油射出孔19及び入力軸11に穿設された潤滑油射出孔15によって潤滑油室8に潤滑油を供給する潤滑油供給手段を構成したが、油圧ポンプ等により潤滑油を潤滑油室8内に送給する等他の手段により潤滑油供給手段を構成することもできる。
また、本発明は、変速機の多板クラッチに限らずシール部材を用いて回転部分からの作動油の漏れ出しを防止する他の構造に適用することもできる。
本発明による変速機の多板クラッチ構造の第1実施の形態の概要を示す変速機の要部断面図である。 図1のI−I線断面図である。 図1のA部拡大図である。 図1のB部拡大図である。 本発明による変速機の多板クラッチ構造の第2実施の形態の概要を示す変速機の要部断面図である。 図5のII−II線断面図である。
符号の説明
1 変速機ケース
3a 内周面
4 固定部材
4a 内周面
7 摺動カラー
8 潤滑油室
10 回転軸
11 入力軸
11a 外周面
14 潤滑油孔
15 潤滑油射出孔(潤滑油供給手段)
16 出力軸
17 潤滑油供給孔(潤滑油供給手段)
18 潤滑油孔
19 潤滑油射出孔(潤滑油供給手段)
20 従動歯車(被駆動部材)
21 多板クラッチ
22 クラッチドラム(回転部材)
23 基部
24 油圧室形成部
26 軸部
26a 外周面
26b 内周面
27 ピストン
28 油圧室
33 潤滑油孔
35 クラッチハブ
36 基部
39a、39b クラッチディスク
41 作動油供給系路
42 油圧供給孔
43 油圧供給孔
44 油圧供給孔
45 シール部材
L 軸芯

Claims (4)

  1. 回転軸と、
    該回転軸に結合される基部と上記回転軸の外周面と間隙を介して内周面が対向しかつ外周面が変速機ケースに開口する軸受部の内周面に摺接して回転自在に支持される円筒状の軸部とが一体形成された回転部材と、
    上記変速機ケースに穿設されて上記軸部の外周面が回転自在に摺接する上記軸受部の内周面に吐出口が開口する油圧供給孔及び上記回転部材に穿設されて上記軸部の外周面に開口して上記吐出口に連通する供給口を有する油圧供給孔を有する作動油供給系路と、
    上記作動油供給系路を隔てて配設されて上記軸受部の内周面と軸部の外周面との間を液密にする一対のシール部材と、
    上記軸部の内周面と回転軸との間に形成された間隙に潤滑油を送給する潤滑油送給手段と、を備え
    上記円筒状の軸部は、
    上記回転軸の軸芯に沿って上記軸受部側に突出して上記軸部の内周面と上記回転軸との間及び上記回転軸の外周面と上記軸受部の内周面にそれぞれ隙間を形成し、これらの隙間は連続形成されること、
    特徴とするシール部材冷却構造。
  2. 回転軸に基部が結合するクラッチドラムと上記回転軸に対して同軸芯上で回転自在に配置された被駆動部材に動力伝達可能に結合されたクラッチハブを備え、上記クラッチドラムに形成された油圧室に供給される作動油の制御油圧でピストンを介して上記クラッチドラムとクラッチハブとの間に配置された複数のクラッチディスクを押圧して上記クラッチドラムとクラッチハブとの間を動力伝達する変速機の多板クラッチ構造において、
    上記クラッチドラムは、
    上記回転軸に結合される基部と、該基部から径方向外方に延設された油圧室形成部と、上記回転軸の外周面と間隙を介して内周面が対向しかつ外周面が変速機ケースに開口する軸受部の内周面に摺接して回転自在に支持される円筒状の軸部とが一体形成され、
    油圧供給源から上記油圧室に作動油を供給する作動油供給系路は、
    上記変速機ケースに穿設されて上記軸部の外周面が回転自在に摺接する上記軸受部の内周面に吐出口が開口する油圧供給孔及び、クラッチドラムに穿設されて上記軸部の外周面に開口して上記吐出口に連通する供給口と上記油圧室に開口する吐出口とを連通する油圧供給孔を有し、
    上記作動油供給系路を隔てて配設されて上記軸受部の内周面と軸部の外周面との間を液密にする一対のシール部材と、
    上記軸部の内周面と回転軸との間に形成された間隙に潤滑油を送給する潤滑油供給手段と、を備え
    上記円筒状の軸部は、
    上記回転軸の軸芯に沿って上記油圧室から離れる方向に突出して上記軸部の内周面と上記回転軸との間及び上記回転軸の外周面と上記軸受部の内周面にそれぞれ隙間を形成し、これらの隙間は連続形成されること、
    特徴とする変速機の多板クラッチ構造。
  3. 回転軸に基部が結合するクラッチドラムと上記回転軸に対して同軸芯上で回転自在に配置された被駆動部材に動力伝達可能に結合されたクラッチハブを備え、上記クラッチドラムに形成された油圧室に供給される作動油の制御油圧でピストンを介して上記クラッチドラムとクラッチハブとの間に配置された複数のクラッチディスクを押圧して上記クラッチドラムとクラッチハブとの間を動力伝達する変速機の多板クラッチ構造において、
    上記クラッチドラムは、
    上記回転軸に結合される基部と、該基部から径方向外方に延設された油圧室形成部と、上記回転軸の外周面と間隙を介して内周面が対向しかつ外周面が変速機ケースに開口する軸受部に配設された環状の摺動カラーの内周面に摺接して回転自在に支持される円筒状の軸部とが一体形成され、
    油圧供給源から上記油圧室に作動油を供給する作動油供給系路は、
    上記摺動カラーに穿設されて上記軸部の外周面が回転自在に摺接する該摺動カラーの内周面に吐出口が開口する油圧供給孔及び、クラッチドラムに穿設されて上記軸部の外周面に開口して上記吐出口に連通する供給口と上記油圧室に開口する吐出口とを連通する油圧供給孔を有し、
    上記作動油供給系路を隔てて配設されて上記摺動カラーの内周面と軸部の外周面との間を液密にする一対のシール部材と、
    上記軸部の内周面と回転軸との間に形成された間隙に潤滑油を送給する潤滑油供給手段と、を備え
    上記円筒状の軸部は、
    上記回転軸の軸芯に沿って上記油圧室から離れる方向に突出して上記軸部の内周面と上記回転軸との間及び上記回転軸の外周面と上記摺動カラーの内周面にそれぞれ隙間を形成し、これらの隙間は連続形成されること、
    特徴とする変速機の多板クラッチ構造。
  4. 上記潤滑油供給手段は、
    一端が潤滑油供給源に連続すると共に上記回転軸の軸芯に沿って穿設された潤滑油供給孔と、
    上記回転軸に穿設されて上記回転軸と軸部との間に形成される間隙と上記潤滑油供給孔と連通する潤滑油噴出孔と、
    を有することを特徴とする請求項2又は3の何れか1項に記載の変速機の多板クラッチ構造。
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