JPH0544737A - 回転クラツチの遠心油圧キヤンセル機構 - Google Patents

回転クラツチの遠心油圧キヤンセル機構

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JPH0544737A
JPH0544737A JP3360391A JP36039191A JPH0544737A JP H0544737 A JPH0544737 A JP H0544737A JP 3360391 A JP3360391 A JP 3360391A JP 36039191 A JP36039191 A JP 36039191A JP H0544737 A JPH0544737 A JP H0544737A
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祥浩 飯島
Kojiro Kuramochi
耕治郎 倉持
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Norihiro Kitamura
憲弘 北村
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    • F16D25/06Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャンセル室の実質的な有効半径を内周側に
拡大して、クラッチの係合・解放に対する遠心油圧の影
響を確実に解消する。 【構成】 油圧室12にピストン11を挟んで対向する
キャンセル室18を設け、さらにそのキャンセル室18
の内周側に、充分な量のオイルを収容できる補助油室2
0を設け、この補助油室20とキャンセル室18とを連
通孔28で連通する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動変速機において
トルクの伝達経路を変えて変速を行うクラッチのよう
に、それ自体回転することのある回転クラッチに関し、
特に油圧によって係合・解放される回転クラッチにおい
て遠心力に起因する油圧を相殺するキャンセル機構に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように自動変速機は、クラッチや
ブレーキを適宜に係合あるいは解放することにより、歯
車列における動力の伝達経路を変えて複数の変速段に設
定するよう構成されている。これらのクラッチやブレー
キは、一般には、油圧によってピストンを駆動する油圧
サーボ機構によって係合させるよう構成されているが、
これらのクラッチやブレーキは、単にトルクを伝達した
り反力を与えるだけでなく、変速に伴う慣性エネルギを
吸収して変速ショックを低減する作用を行っており、し
たがって油圧サーボ機構によってクラッチやブレーキを
係合あるいは解放させるタイミングを適正に制御するこ
とは、変速ショックを低減するための重要な要件であ
る。
【0003】油圧サーボ機構によるクラッチやブレーキ
の係合・解放のタイミングは、油圧サーボ機構に給排さ
れる油圧の上昇あるいは低下の度合いによってほぼ決定
されるが、その油圧は、油圧サーボ機構が回転している
場合には、遠心力の影響を受け、所期どおりに制御する
ことが困難な場合がある。
【0004】すなわちクラッチは、入力軸等の回転して
いる部材から他の回転部材にトルクを伝達する継手であ
るから、これを係合させるための油圧サーボ機構も同様
に回転する。したがって油圧サーボ機構に供給されたオ
イルには、回転速度や回転半径に応じた遠心力が作用す
るため、クラッチを解放するべく油圧サーボ機構から排
圧しても、ピストンには遠心力に基づく油圧が作用し、
クラッチの解放が遅くなる。
【0005】このような不都合を解消するために、ピス
トンを駆動するための油圧を供給するピストン室にチェ
ックボールバルブを設け、排圧時にこのチェックボール
バルブを開放させて、ピストン室からの排圧を促進する
ことが行われている。
【0006】しかしながらチェックボールバルブも遠心
力を受けて容易に開かない場合もあるので、より積極的
に遠心油圧による影響を回避するキャンセル機構(バラ
ンス機構)が、従来、種々試みられており、その一例が
特開昭62−52249号公報に記載されている。
【0007】これは、ピストンをクラッチに向けて前進
させるよう高圧液を供給する作動液圧室と、ほぼ大気圧
の液体を供給する遠心液圧室とを、ピストンを挟んで形
成し、遠心力に起因して作動液室に生じる圧力と、遠心
液圧室で遠心力によって生じる圧力とをバランスさせる
ことにより、ピストンの動作すなわちクラッチの係合・
解放に対する遠心力の影響を解消するよう構成したもの
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したキャンセル機
構においては、ピストンの前進および後退に伴って遠心
液圧室の容積が増減する。そこで従来では、入力軸の軸
心に沿う主油路から分岐した油路を遠心液圧室の内周部
分に開口させ、遠心液圧室の液体(オイル)を主油路に
排出し、あるいは主油路から供給している。
【0009】しかしながら主油路は、軸受などの多数の
箇所にオイルを供給するためのものであって、油圧サー
ボ機構が動作することに伴う容積の変化量に等しい量の
オイルを収容するほどの容積を備えていない。そのため
前述した従来のキャンセル機構では、ピストンが作動液
圧室側に後退して遠心液圧室の容積が増大した場合、遠
心液圧室に供給されるオイルの量が不足し、その結果、
遠心液圧室に空洞部分が生じる可能性が高い。
【0010】すなわち従来のキャンセル機構では、遠心
液圧室に空洞が生じ、ここで発生する所謂遠心液圧(遠
心油圧)が、作動液圧室における遠心液圧よりも大幅に
低くなり、その結果、ピストンの動作に対する遠心力の
影響を必ずしも充分には解消することができない場合が
あり、このような場合にはクラッチの係合あるいは解放
のタイミングが不適切となって変速ショックが大きくな
るおそれがあった。
【0011】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、クラッチの係合・解放に対する遠心力の影響を確
実に解消して変速ショックの悪化を防止することのでき
る遠心油圧キャンセル機構を提供することを目的とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、第1円筒体の内周面と第1円筒体に
対して同心状に配置されかつ第1円筒体より小径の第2
円筒体の外周面とに、相互に摩擦圧接されてトルク伝達
する摩擦板が取付けられ、これらの摩擦板を摩擦圧接さ
せるピストンが摩擦板に対して前後動するよう配置され
るとともに、そのピストンに対し摩擦板とは反対側に油
圧室が形成され、かつピストンを挟んで前記油圧室とは
反対側に油圧を給排可能なキャンセル室が形成された回
転クラッチの遠心油圧キャンセル機構において、キャン
セル室にオイルを供給する油路がキャンセル室の内周部
に開口して形成されるとともに、キャンセル室よりも回
転中心側に位置し前記油路の内容積よりも大容積でかつ
前記油路によってキャンセル室に連通された補助油室が
設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】この発明においては、油圧室に圧油を供給する
ことによりピストンが摩擦板に向けて前進し、その摩擦
板を相互に圧接させ、クラッチを係合状態とする。これ
とは反対に油圧室から排圧すれば、ピストンが後退し
て、クラッチが解放状態となる。
【0014】この油圧室に対してピストンを挟んだ反対
側のキャンセル室には、油路を介して供給されたオイル
が入っているので、キャンセル室がピストンなどと共に
回転することによりキャンセル室に遠心油圧が生じ、こ
れが油圧室での遠心油圧を相殺するように作用する。
【0015】このキャンセル室の容積は、ピストンが油
圧室側に後退することにより増大するが、その場合、キ
ャンセル室には、それよりも回転中心側に形成された補
助油室から油路を介してオイルが供給され、しかも補助
油室がキャンセル室の増大する容積に対して充分な容積
を有しているから、キャンセル室には充分な量のオイル
が流入して空洞が生じることはない。したがってキャン
セル室の実質的な有効半径が内周側に増大し、その結
果、油圧室とキャンセル室との遠心油圧が相互にバラン
スし、ピストンの動作に対する遠心油圧の影響を解消
し、あるいは僅少にすることができる。
【0016】
【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいて説明す
る。図1はこの発明の一実施例を示す断面図であって、
中心軸線からほぼ上半分を示している。すなわち図1に
示す回転クラッチ1は、第1の円筒体であるクラッチド
ラム2の内周面に複数枚のクラッチプレート3をスプラ
イン嵌合させるとともに、このクラッチプレート3の間
に挟み込んだクラッチディスク4を、クラッチドラム2
より小径の第2の円筒体であるクラッチハブ5の外周面
にスプライン嵌合させ、これらのクラッチプレート3と
クラッチディスク4とを摩擦圧接させることによりトル
クを伝達するよう構成されている。
【0017】このクラッチ1を係合あるいは解放させる
油圧サーボ機構6は、クラッチドラム2と一体となって
回転するよう構成されている。すなわちクラッチドラム
2はピストンハウジング7と一体となっており、そのピ
ストンハウジング7はクラッチドラム2より大幅に小径
のボス部8を内周側に備え、そのボス部8の端部で入力
軸9に連結されている。またピストンハウジング7は、
そのボス部8を固定ボス部10の外周に回転自在に嵌合
させることにより、回転自在に支持されている。この固
定ボス部10としては、例えば図示しないオイルポンプ
カバーに突設したボス部が使用される。
【0018】ピストンハウジング7の内部には、ボス部
8の外周面とピストンハウジング7の内周面との間を液
密状態にシールしたピストン11が、前記クラッチプレ
ート3およびクラッチディスク4に対して前後動するよ
う収容されている。このピストン11の背面側すなわち
クラッチプレート3およびクラッチディスク4とは反対
側(図1の右側)に油圧室12が形成されている。この
油圧室12は、ここに所定圧のオイルを供給することに
よってピストン11を前進させ、これによりクラッチ1
を係合させるためのものであり、この油圧室12に対し
てオイルを給排する油路として、ボス部8に形成した油
孔13および固定ボス部10に形成した油路14が設け
られている。
【0019】ピストン11の前面側すなわち油圧室12
とは反対側(図1の左側)にバランスピストン15が配
置されている。このバランスピストン15は、断面形状
が図1に示す形状をなす環状の部材であって、内周縁で
ボス部8の外周面に嵌合するとともに外周縁でピストン
11の内周面に嵌合しており、これら内外周縁のそれぞ
れがシール材16によって液密状態にシールされてい
る。さらにバランスピストン15は、ボス部8に嵌め込
んだスナップリング17によって固定されている。
【0020】したがってバランスピストン15の内外周
縁がシールされ、かつピストン11の内周部がボス部8
に対してシールされていることにより、これらバランス
ピストン15とピストン11との間に、オイルを充填す
ることのできる空間部すなわちキャンセル室18が形成
されている。なお、図1中符号19はリターンスプリン
グを示し、ピストン11を油圧室12側に押圧するよう
バランスピストン15の内周面に取付けられている。
【0021】前記ボス部8の内周側でかつ前記固定ボス
部10の先端側に空間があいており、この空間内に補助
油室20を区画形成する隔壁板21が設けられている。
この隔壁板21は、断面形状が図1に示す形状をなす環
状の部材であって、前記ボス部8の内周側に嵌め込まれ
るとともにスナップリング22によって固定されてい
る。また隔壁板21の内周縁は、入力軸9の外周面との
間に僅かな隙間が生じる程度に入力軸9に接近してい
る。したがって補助油室20は、内周側の入力軸9との
間に僅かな開口部を有する油室として前記キャンセル室
18の内周側に区画形成されている。
【0022】入力軸9のうち油圧サーボ機構6および回
転クラッチ1より内周側の部分が中空となっており、こ
こに中間軸23が挿入されている。中間軸23には先端
部をプラグで密閉した主油路24が中心軸線に沿って形
成されており、またその主油路24から中間軸23の外
周面に至る分岐油路25が形成されている。
【0023】これに対し入力軸9の中空部分には、内周
部から補助油室20に開口する第1油路26と、内周部
から前記クラッチハブ5が位置するドレン空間部Sd に
開口する第2油路27とが形成されている。これらの油
路26,27のうち、第2油路27におけるドレン空間
部Sd 側の開口端の回転中心からの寸法Rは、前記隔壁
板21の内周縁の回転中心からの寸法Rと等しくなって
いる。すなわち遠心油圧は回転半径に応じて大きくなる
が、補助油室20の内周側の開口部である隔壁板21の
内周縁の回転半径と、第2油路27のドレン空間部Sd
への開口端の回転半径を等しくしておけば、第1油路2
6と第2油路27とにおける遠心油圧が等しくなるの
で、補助油室20から内周側へのオイルの排出が容易に
なる。またさらにピストンハウジング7におけるボス部
8には、補助油室20とキャンセル室18とを連通させ
る連通孔28が形成されている。
【0024】つぎに上述した遠心油圧キャンセル機構の
作用について説明する。図1に示す状態は回転クラッチ
1が解放されている状態であって、油圧室12から排圧
されることにより、ピストン11がリターンスプリング
19に押圧されて後退している。
【0025】図示しない所定のバルブが切替わって固定
ボス部10内の油路14およびボス部8の油孔13を介
して油圧室12にオイルが供給されると、ピストン11
はその油圧によりリターンスプリング19を圧縮しつつ
前進する。その場合、キャンセル室18の容積が減少す
るから、その内部のオイルが、連通孔28および補助油
室20ならびに第1油路26を経て入力軸9の内部に向
けて押し出される。このようにして行われるオイルの排
出に対して遠心油圧が抵抗力として作用することになる
が、前述したように隔壁板21の内周縁の半径位置と第
2油路27の外周側の開口端の半径位置とが等しく、そ
の結果、補助油室20に開口する第1油路26における
遠心油圧とドレン空間部Sd に開口する第2油路27に
おける遠心油圧とが等しくなる。そのためドレン空間部
Sd に対するオイルの排出が生じ易く、キャンセル室1
8からのオイルの排出がスムースに生じる。
【0026】また一方、油圧室12においては、これが
回転することによりその内部のオイルに遠心油圧が生じ
るが、油圧室12にピストン11を挟んで対向するキャ
ンセル室18においても同様に遠心油圧が生じ、またキ
ャンセル室18より内周側に位置する補助油室20にオ
イルが充満していてそのオイルでの遠心油圧が、キャン
セル室18内の油圧に付加され、その結果、油圧室12
およびキャンセル室18での受圧面積に応じて遠心油圧
が相殺される。
【0027】したがってピストン11の前進動作に対す
る遠心油圧の影響は皆無もしくは僅少であり、ピストン
11は油圧室12に供給されるオイルの圧力に応じて前
進動作し、クラッチプレート3およびクラッチディスク
4を圧接させる。すなわち回転クラッチ1の係合タイミ
ングあるいはトルク容量が、油圧室12に供給する油圧
によって所期どおりに制御される。
【0028】回転クラッチ1が係合している状態におい
ても、キャンセル室18および補助油室20にオイルが
充満している。この状態から回転クラッチ1を解放する
べく油圧室12から排圧すると、ピストン11はリター
ンスプリング19によって押し戻される。その場合、油
圧サーボ機構6が回転していることにより油圧室12の
内部に遠心油圧が生じているが、これに対抗する遠心油
圧がキャンセル室18に生じているので、ピストン11
は油圧室12における油圧の低下の度合いに応じて後退
する。
【0029】ピストン11の後退に伴ってキャンセル室
18の容積が増大するので、キャンセル室18にはその
内周側の連通孔28を経てオイルが供給される。そのオ
イルは、キャンセル室18に隣接させてその内周側に形
成した補助油室20から供給され、しかも補助油室20
には充分な量のオイルが既に収容されているので、キャ
ンセル室18にはその容積の増大に見合った必要充分な
量のオイルが迅速に供給される。
【0030】したがって上述したキャンセル機構では、
キャンセル室18のオイルの量が不足して空洞が生じた
り、それに伴って遠心油圧が低下したりすることがない
ので、回転クラッチ1の解放のタイミングあるいはトル
ク容量が油圧室12での油圧によって所期どおりに制御
される。
【0031】なお、上述した実施例では、隔壁板21を
ボス部8の内周部に嵌め込むことにより補助油室20を
区画形成したが、この発明における補助油室の構造は上
記の実施例で示した構造に限定されるものではない。す
なわち図2は上記の隔壁版21を使用せずに補助油室を
形成した例である。なお、以下の説明で図1に示す構成
と同一の部材あるいは部分には、図2に図1における符
号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】図2において、入力軸9の先端部には、前
記固定ボス部10の先端面に接近したフランジ9aが形
成されており、そのフランジ9aの外周端にクラッチド
ラム2におけるボス部8が固着されている。またこのボ
ス部8は、フランジ9aに対する固着部分よりも先端側
(図2の左側)に延びて円筒部8aを形成している。一
方、前記クラッチハブ5の内周側の部分には、その円筒
部8aの内周側に嵌合する壁面5aのある円筒部5bが
形成されており、この円筒部5bの外周面とボス部8の
円筒部8aとの間がシールリング29によって液密状態
にシールされている。そして入力軸9のフランジ9aと
クラッチハブ5の壁面5aとには回転中心からの半径位
置が同一の油路30,31が形成されている。したがっ
て入力軸9のフランジ9aおよびクラッドラム2の円筒
部8aならびにクラッチハブ5の円筒部5bによって区
画された空間部分のうち、前記油路30,31より外周
側の部分が補助油室20となっている。この補助油室2
0とキャンセル室18とは連通孔28によって連通して
いる。
【0033】図2に示す構成においても、補助油室20
およびキャンセル室18に充填されているオイルが遠心
力を受けて、ピストン11を図2の右方向に押し戻す遠
心油圧を発生するから、バランスピストン15の外径を
大きくすることなく、必要十分な圧力の遠心油圧を生じ
させ、回転クラッチ1の解放時にはピストン11を確実
に押し戻して回転クラッチ1の解放を所期どおりに制御
することができる。また図2に示す構成では、図1に示
す隔壁板21を設けていないので、その分の軸線方向で
のスペースを省略でき、その結果、自動変速機の軸長の
短縮化を図ることができる。
【0034】またこの発明では、前記隔壁板21に類す
る部材をボス部8に一体的に形成して補助油室を形成し
てもよく、あるいは適宜の中空の部材をキャンセル室1
8の内周側に嵌め込み、その中空の部材を補助油室とし
てもよい。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
の遠心油圧キャンセル機構によれば、キャンセル室に連
通する補助油室をキャンセル室の内周側に形成し、かつ
その補助油室に必要十分なオイルを充填させるよう構成
したので、キャンセル室の実質的な有効半径を内周側に
拡大して大きくすることができ、その結果、キャンセル
室で生じる遠心油圧によって、油圧室で生じる遠心油圧
を、常時確実に減じ、もしくは完全に相殺することで
き、したがって回転クラッチの係合・解放の制御を遠心
油圧の影響を受けずに精度良く行って、変速ショックの
悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す部分断面図である。
【図2】この発明の他の実施例を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 回転クラッチ 2 クラッチドラム 3 クラッチプレート 4 クラッチディスク 5 クラッチハブ 6 油圧サーボ機構 11 ピストン 12 油圧室 18 キャンセル室 20 補助油室 24 主油路 26 第1油路 28 連通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 幹雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 北村 憲弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 安田 勇治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1円筒体の内周面と第1円筒体に対し
    て同心状に配置されかつ第1円筒体より小径の第2円筒
    体の外周面とに、相互に摩擦圧接されてトルク伝達する
    摩擦板が取付けられ、これらの摩擦板を摩擦圧接させる
    ピストンが摩擦板に対して前後動するよう配置されると
    ともに、そのピストンに対し摩擦板とは反対側に油圧室
    が形成され、かつピストンを挟んで前記油圧室とは反対
    側に油圧を給排可能なキャンセル室が形成された回転ク
    ラッチの遠心油圧キャンセル機構において、 キャンセル室にオイルを供給する油路がキャンセル室の
    内周部に開口して形成されるとともに、キャンセル室よ
    りも回転中心側に位置し前記油路の内容積よりも大容積
    でかつ前記油路によってキャンセル室に連通された補助
    油室が設けられていることを特徴とする回転クラッチの
    遠心油圧キャンセル機構。
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