JP2002266901A - 電磁多板クラッチ - Google Patents

電磁多板クラッチ

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JP2002266901A JP2001065684A JP2001065684A JP2002266901A JP 2002266901 A JP2002266901 A JP 2002266901A JP 2001065684 A JP2001065684 A JP 2001065684A JP 2001065684 A JP2001065684 A JP 2001065684A JP 2002266901 A JP2002266901 A JP 2002266901A
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発進クラッチなどに用いられる電磁多板クラ
ッチにおいて、断接時のトルク伝達のヒステリシスを小
さくすることによって、トルク容量制御時の制御性を向
上することのできる電磁多板クラッチを提供すること。 【解決手段】 入力側及び出力側トルク伝達部材の断接
を行うメインクラッチ30と、操作手段によって断続操
作されるパイロットクラッチ40と、カムスラスト力に
より押圧系を介してメインクラッチを締結するカム機構
50と、を備えた電磁多板クラッチにおいて、入力ドラ
ムを、第1入力ドラム31と第2入力ドラム32とから
構成し、第1入力ドラム31と第2入力ドラム32の一
方の入力ドラムの外径面をインローとしたインロー部3
2aを有し、このインロー部32aであって、入力ドラ
ム周方向等間隔に複数のボールスプライン37を配置し
たこととした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の動力伝達系
を断続するクラッチに関し、特にエンジンからの駆動力
を断続する発進クラッチなどに用いられる多板クラッチ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、駆動力を伝達する多板クラッチと
して、例えば特開平10−78052号公報に記載の技
術が知られている。この従来技術は、図3に示すよう
に、入力シャフト107と、入力シャフト107にスプ
ライン嵌合した入力ドラム101と、該入力ドラム10
1にスプライン嵌合したドライブプレート104と、入
力クラッチハブ102と、該入力クラッチハブ102に
スプライン嵌合したドリブンプレート105と、クラッ
チを締結するピストン103から構成されている。
【0003】入力シャフト107が回転駆動すると、入
力ドラム101も共に回転し、入力シャフト107に設
けられた油路107aから油圧がピストン室103aに
供給されることで、ピストン103がドライブプレート
104及びドリブンプレート105を押圧し、入力ドラ
ム101と入力クラッチハブ102が締結されること
で、入力シャフト107の回転を入力クラッチハブ10
2に伝達することができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術にあっては、クラッチパック全体を密封しなけ
ればならず、解放時に残っている潤滑油による引きずり
トルク(以下ドラグトルクと記載する)が発生してしま
い、低温時の油粘性が高い状態では、更にドラグトルク
が大きいという問題があった。また、このドラグトルク
発生により締結・解放時のトルク特性にヒステリシスが
発生し、制御性の悪化を招くという問題があった。特
に、この制御性の悪化は、例えばトルク伝達率を可変制
御することで悪路走破性,発進性,加速性,車体の安定
性等の向上を図る際、これらの効果が低下すると共に、
経時変化に応じてトルク伝達特性を正確に補正すること
が困難であるという問題がある。
【0005】また、一般に、スプライン嵌合している回
転体の軸心から軸方向に摺動する摺動部までの半径をr
とし、軸方向に摺動する部位の摺動抵抗をFとすると、
F=k/r(kは定数)という関係が成立する。すなわ
ち、軸心から径方向に対して近い位置では、軸方向への
摺動抵抗が大きく、軸心から径方向に対して遠い位置で
は、軸方向への摺動抵抗が小さい。よって、スプライン
嵌合部であって、軸方向に摺動する部材は軸心から遠い
位置にあるのが好ましい。
【0006】本発明は上述のような課題に基づいて成さ
れたもので、本発明が解決しようとする課題は、発進ク
ラッチなどに用いられる多板クラッチにおいて、締結・
解放時のトルク伝達のヒステリシスを小さくすることに
よって、トルク容量制御時の制御性を向上することので
きる電磁多板クラッチを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、入力側トルク伝達部材に連結した入力ドラムと、出
力側トルク伝達部材に連結した入力クラッチハブとを備
え、前記入力側及び出力側トルク伝達部材の断接を行う
メインクラッチと、操作手段によって断続操作されるパ
イロットクラッチと、該パイロットクラッチの締結によ
り伝達トルクを受けて作動し、その作動に応じて発生す
るカムスラスト力により押圧系を介してメインクラッチ
を締結するカム機構と、を備えた電磁多板クラッチにお
いて、前記入力ドラムを、入力側トルク伝達部材と連結
した第1入力ドラムと、前記パイロットクラッチ締結時
に前記カム機構と一体作動する第2入力ドラムとから構
成し、前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムのどち
らか一方の入力ドラムの外径面をインローとした接合部
を有し、該接合部であって、入力ドラム周方向等間隔に
複数のボールスプラインを配置したことを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の電磁多板クラッチにおいて、前記接合部の前記ボー
ルスプライン以外の部位であって、入力ドラム径方向等
間隔に複数の前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラム
に連通するとともに、前記第1入力ドラムと前記第2入
力ドラムの摺動距離よりも大きい穴径を有する潤滑油排
出穴を設けたことを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の電磁多板クラッチにおいて、前記接合部の径方向に
設けられた複数の潤滑油排出穴を、少なくとも軸方向に
複数列設けるか、又は、接合部の軸方向中央部に設けた
ことを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項1ない
し3に記載の電磁多板クラッチにおいて、前記潤滑油排
出穴は、前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムの摺
動距離よりも大きい穴径を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の作用および効果】請求項1記載の電磁多板クラ
ッチには、入力ドラムが、入力側トルク伝達部材と連結
した第1入力ドラムと、パイロットクラッチ締結時にカ
ム機構と一体作動する第2入力ドラムとから構成されて
いる。そして、第1入力ドラムと第2入力ドラムのどち
らか一方の入力ドラムの外径面をインローとした接合部
であって、入力ドラム周方向等間隔に複数のボールスプ
ラインが配置されている。すなわち、従来技術において
は、軸心から径方向に近い位置で摺動するピストンを用
いていたが、入力ドラムを第1入力ドラム及び第2入力
ドラムから構成し、第2入力ドラムがピストンと同様の
働きをし、外径面を接合部とすることで軸心から径方向
に遠い位置に摺動部を設けており、更に摺動部にボール
スプラインが配置されたことで、摺動抵抗を低減するこ
とが可能となり、締結及び解放時の摺動抵抗によるドラ
グトルクに起因するヒステリシスが大幅に減少でき、制
御性の向上を図ることができる。また、パイロットクラ
ッチの電流−トルク特性によりトルク伝達率を可変制御
することで悪路走破性,発進性,加速性,車体の安定性
等の向上を図り、更に経時変化に応じてトルク伝達特性
を正確に補正する必要が無く、制御性の悪化を防止する
ことができる。
【0012】請求項2記載の電磁多板クラッチには、接
合部のボールスプライン以外の部位であって、入力ドラ
ム径方向等間隔に複数の第1入力ドラムと前記第2入力
ドラムに連通する潤滑油排出穴が設けられている。よっ
て、解放時に確実に効率よく潤滑油をドラム外へ排出す
ることでドラグトルクを抑えることができる。
【0013】請求項3記載の電磁多板クラッチには、接
合部の径方向に設けられた複数の潤滑油排出穴が、少な
くとも軸方向に複数列設けられることで、解放時に確実
に潤滑油をドラム外へ排出することでドラグトルクを抑
えることができる。また、接合部の軸方向中央部に設け
られた場合も同様に、解放時に確実に潤滑油をドラム外
へ排出することでドラグトルクを抑えることができる。
【0014】請求項4に記載の電磁多板クラッチにおい
ては、潤滑油排出穴の穴径が第1入力ドラムと第2入力
ドラムの摺動距離に比べて大きくされているため、摺動
によって潤滑油排出穴をふさいでしまうことが無く、排
出効率を悪化させることがないという効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態におけ
る変速機ユニットの発進クラッチ周辺を表す断面図、図
2は本発明の実施の形態における変速機ユニットの発進
クラッチの第1及び第2入力ドラム31,32の断面を
表す図である。尚、本実施の形態に使用される自動変速
機は、ギヤ式の多段自動変速機とし、変速動作等につい
ては説明を省略する。
【0016】21は変速機ケース、23は変速機ケース
21の前端開口に取着した入力クラッチハウジングを示
す。入力クラッチハウジング23には、ボルト取り付け
座面23aでボルト12により液密にフロントカバー2
8が取着され、これによりトーショナルダンパ80を収
装する大気開放された第1収装室23bを画成してい
る。また、変速機ケース21,入力クラッチハウジング
23の一部及びフロントカバー28により油潤滑が成さ
れる第2収装室21aを画成している。
【0017】変速機ケース21及び入力クラッチハウジ
ング23の間にはオイルポンプ24を介在させている。
このオイルポンプ24は、ポンプハウジング25及びポ
ンプカバー26により画成される空間内に内接歯車ポン
プ要素を収納して構成した通常のギヤポンプである。ポ
ンプカバー26の内周に固定の中空スリーブ27を嵌着
し、この中空スリーブ27内に入力シャフト5を回転自
在に挿着する。
【0018】入力クラッチハウジング23内に突出する
入力シャフト5の前端部上には電磁多板クラッチを配置
している。この電磁多板クラッチは、パイロットクラッ
チ40と、このパイロットクラッチ40の外周に配置し
たメインクラッチ30と、このパイロットクラッチ40
の内周に配置したトルクカム機構50から構成されてい
る。
【0019】メインクラッチ30の第1入力ドラム31
は、有底筒形状であり、有底側端部は、入力ハブ70が
スプライン圧入されている。また、この第1入力ドラム
31は、入力ハブ70をナット71により固定する軸部
13bと、オイルシール28aとの摺動部である小径軸
13dと、第1入力ドラム31をフロントカバー28に
より軸受28bを介して支持するベアリング支持部13
eから構成されている。
【0020】メインクラッチ30の第2入力ドラム32
は、有底二重筒形状をしており、最外筒面は図2に示す
ように、インロー部32aで第1入力ドラム31と芯出
しし、周方向等間隔で配置された複数のボールスプライ
ン部37により、第1入力ドラム31と一体回転でき、
かつ第2入力ドラム32の軸方向移動時の摺動抵抗が極
力小さくなるように構成されている。第2入力ドラム3
2の外筒内周側は、電磁多板クラッチのドライブプレー
ト(金属プレート)33,リテーニングプレート36が
スプライン嵌合しており、端面は、スナップリング36
aで抜け止めされている。
【0021】第2入力ドラム32の内筒内径には、パイ
ロットクラッチ40を構成するロータ41,アウタープ
レート44,アーマチャ43が一体回転可能なようにス
プライン嵌合し、アーマチャ43端面は、スナップリン
グ43aにより抜け止めされている。ロータ41の凹部
には、電磁石42が僅かな空隙を許容する形で、軸受4
6により支持されており、ロータ41が回転しても電磁
石42は非回転状態を維持できるようになっている。
【0022】第2入力ドラム32の内筒外径部の外側に
は、入力クラッチハブ60が進入しており、メインクラ
ッチ30のドライブプレート33と交互に配置されるよ
うに、ペーパ摩擦材を接着したドリブンプレート34が
入力クラッチハブ60の円筒面にスプライン嵌合してい
る。また、ドリブンプレート34の最左端面は、フロー
ティングプレート35を介して、入力クラッチハブ60
の接触部60aで押圧できるようになっている。
【0023】トルクカム機構50は、第1カム部材5
1,第2カム部材52,カムフォロアー(ボール)53
から構成されている。第1カム部材51の外径側は、入
力クラッチハブ60の延長部と一体溶接され、内径側は
入力シャフト5の端部スプライン5eと嵌合しており、
第1カム部材51の軸方向移動はスラストニードル軸受
C,第1入力ドラム31の有底側面31a,軸受28
b,フロントカバー28により規制されている。
【0024】第2カム部材52の外径部は、パイロット
クラッチ40のインナープレート45がスプライン嵌合
しており、第2入力ドラム32とスプライン嵌合するア
ウタープレート44と交互配置されている。第2カム部
材52の軸方向推力は、スラストニードルベアリングA
を介してロータ41に伝えられ、スナップリング41a
により、ロータ41と同じだけ軸方向移動する。更に、
アウタープレート44,アーマチャ43は、第2入力ド
ラム32の内筒内径面にスプライン嵌合して、アーマチ
ャ43の端面はスナップリング43aで軸方向移動を規
制されているため、第2カム部材52が軸方向移動して
も、パイロットクラッチ40の電磁石42,ロータ4
1,アウタープレート44,インナープレート45,ア
ーマチャ43の軸方向相対位置関係は、軸方向移動して
いない状態と同一とすることができる。なお、ロータ4
1は、ニードルベアリングBを介して中空スリーブ27
上を軸方向移動し、第2入力ドラム32は第1入力ドラ
ム31との間のボールスプライン部を摺動する。
【0025】図示しないエンジンの動力は、トーショナ
ルダンパ80のドリブンプレート82と一体回転可能に
嵌合し、第1入力ドラム31に固定された入力ハブ7
0、第1入力ドラム31、第1入力ドラム31とスプラ
イン嵌合する第2入力ドラム32、第2入力ドラム32
と一体回転可能に嵌合するパイロットクラッチ40のロ
ータ41に伝達される。ロータ41の一端41bは、オ
イルポンプ24の駆動爪になっている。
【0026】パイロットクラッチ40を締結すると、ト
ルクカム機構50にエンジン回転が入力される。トルク
カム機構50は、ボールが傾斜面を転動するカム作用に
より入力クラッチハブ60(ドリブン側)に図1の右方
へ移動しようというスラスト力が発生する。一方その反
力として、スラストニードルベアリングAを介して、第
2入力ドラム32,ロータ41及び電磁石42をスナッ
プリング15で止められたリターン皿ばね16に抗して
図1の左方に移動させようとするスラスト力が作用す
る。
【0027】ところで、入力クラッチハブ60は、入力
シャフト5とスプライン嵌合するとともに、図1に示す
右端部は、スラストニードル軸受Cで止められており、
軸方向移動は不能になっているため、実際は、第2入力
ドラム32側が左方移動する。第2入力ドラム32に
は、ドライブプレート33が一体回転可能に嵌合してお
り、図1の右端側はリテーニングプレート36を介して
スナップリング36aで軸方向の移動を規制している。
【0028】一方、入力クラッチハブ60側は、摩擦材
フェーシングが両面に接着された、ドリブンプレート3
4が入力クラッチハブ60と一体回転可能に嵌合してい
る。ドライブプレート33と、ドリブンプレート34と
は、軸方向交互に配置されており、電磁多板クラッチ締
結時において、入力クラッチハブ60の接触面60a
は、ドリブンプレート34の摩擦材フェーシング面と接
触し、フェーシング面を摩耗、剥離させてしまう。そこ
で、図1に示すようにフローティングプレート35を介
して当接するような構成としている。また、入力クラッ
チハブ60の接触面60aに最も近いドリブンプレート
34だけは、ドライブプレート33と接触する面にだけ
フェーシングを貼り、接触面60a側は、フェーシング
を貼らない構成にすればフローティングプレート35を
挿入しなくても良い。
【0029】次に電磁式多板クラッチの潤滑について説
明する。図示しないコントロールバルブ回路(従来のロ
ックアップクラッチ供給回路の流用)から供給される潤
滑油は、入力シャフト5の開口部5c→中空部5a→開
口部5bを介して、遠心ポンプ作用により、パイロット
クラッチ40及びその直上にあるメインクラッチ30、
各部軸受を潤滑する。また、入力シャフト5のエンジン
側端部に設けられた、おわん型オリフィス4からも潤滑
油が供給され、第1入力ドラム31に設けられた開口部
31bを経由して、オイルシール28a及び軸受28b
を潤滑すると共に、スラストニードルベアリングCを経
由して、第1入力ドラム31の有底側面31aと入力ク
ラッチハブ60の間を通り、更に、ボールスプライン3
7とスプライン37のインロー側32aを潤滑する。
【0030】ここで、図2に示すように、入力ドラム3
1と、入力ドラム32の接合面には、周方向に複数の潤
滑穴31c,32cがそれぞれ連通し、かつ、穴径が第
1入力ドラム31と第2入力ドラム32の摺動距離に比
べて大きくされていることで、摺動によって潤滑穴31
c,32cをふさいでしまうことが無く、排出効率を悪
化させることがない。更に、潤滑穴31cが軸方向にも
2列設けられている。よって、入力ドラム32に単独で
開口する潤滑穴32bとあわせて効率よく第1及び第2
入力ドラム31,32の外方に排出させることができ
る。これにより、解放時のドラグトルクを抑えることが
できる。なお、第1入力ドラム31と、第2入力ドラム
32の接合面の潤滑穴31c,32cは、2列にせず、
メインクラッチ30の軸方向ほぼ中央に1列開口して
も、有効な潤滑が可能である。また、オイルポンプ24
最内周部の開口5dを経由する潤滑油は、軸受46、電
磁石42を冷却する。更に、入力シャフト5の右端面
に、おわん型オリフィス4が圧入されており、潤滑油の
一部は、このおわん型オリフィス4→第1入力ドラムの
開口部31bを経由して、オイルシール28a,軸受2
8bを潤滑する。
【0031】第1入力ドラム31及び第2入力ドラム3
2には、複数の開口部が配置され、潤滑油は、この開口
部を経由して、フロントカバー28と入力クラッチハウ
ジング23とで密封された空間に溜まり、入力クラッチ
ハウジング23の下端部に開口する図示していないドレ
ーンポートを経由して、変速機ケース21側に設けられ
たオイルパン部にリターンされる。
【0032】以上説明したように、本実施の形態におけ
る変速機ユニットにおいては、入力ドラムが、第1入力
ドラム31と第2入力ドラム32とから構成され、第2
入力ドラム32の外径面をインローとしたインロー部3
2aであって、入力ドラム周方向等間隔に複数のボール
スプライン37が配置されている。よって、第2入力ド
ラム32が従来技術におけるピストンと同様の働きを
し、外径面を摺動部とすることで軸心から径方向に遠い
位置に摺動部であるインロー部32aが設けられてい
る。よって、摺動抵抗を低減することが可能となり、締
結及び解放時の摺動抵抗によるひきずりトルクに起因す
るヒステリシスが生じることなく、制御性の向上を図る
ことができる。また、インロー部32aにボールスプラ
イン37が配置されたことで、更に摺動抵抗を低減する
ことが可能となり、伝達トルクにヒステリシスが生じて
しまい、制御性が悪化するという問題を解決することが
できる。また、パイロットクラッチ40の電流−トルク
特性によりトルク伝達率を可変制御することで悪路走破
性,発進性,加速性,車体の安定性等の向上を図る際、
電流−トルク特性にヒステリシスを設ける必要が無く、
更に経時変化に応じてトルク伝達特性を正確に補正する
必要が無く、制御性の悪化を防止することができる。
【0033】また、インロー部32aのボールスプライ
ン37以外の部位であって、入力ドラム径方向等間隔に
複数の潤滑油排出穴32cが、軸方向に複数列設けられ
ることで、解放時に確実に潤滑油をドラム外へ排出する
ことが可能となり、ドラグトルクを抑えることができ
る。また、この潤滑油排出穴32cの穴径が第1入力ド
ラム31と第2入力ドラム32の摺動距離に比べて大き
くされているため、摺動によって潤滑油排出穴32cを
ふさいでしまうことが無く、排出効率を悪化させること
がない。
【0034】(その他の実施の形態)なお、本実施の形
態では、軸方向に複数列の潤滑油排出穴32cを設けた
が、この構成に限られるものではなく、例えば、インロ
ー部32aの軸方向中央部に一列だけ設けてもよい。こ
の場合も、解放時に確実に潤滑油をドラム外へ排出する
ことでドラグトルクを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における変速機ユニットの発進クラ
ッチ周辺を表す断面図である。
【図2】実施の形態における第1入力ドラム及び第2入
力ドラムの側面図である。
【図3】従来技術の多板クラッチを表す断面図である。
【符号の説明】
3d 開口部 4 おわん型オリフィス 5 入力シャフト 5a 中空部 5b 開口部 5c 開口部 6 ダンパ 12 ボルト 13b 軸部 13d 小径軸 13e ベアリング支持部 15 スナップリング 21a 収装室 21 変速機ケース 23 入力クラッチハウジング 23a 座面 23b 収装室 24 オイルポンプ 25 ポンプハウジング 26 ポンプカバー 27 中空スリーブ 28 フロントカバー 28a オイルシール 28b 軸受 30 メインクラッチ 31 第1入力ドラム 31a 有底側面 31b 開口部 31c 潤滑油排出穴 32 第2入力ドラム 32a インロー部 32b 潤滑穴 32c 潤滑油排出穴 33 ドライブプレート 34 ドリブンプレート 35 フローティングプレート 36 リテーニングプレート 36a スナップリング 37 ボールスプライン 37 ボールスプライン部 40 パイロットクラッチ 41a スナップリング 41 ロータ 41a 一端 42 電磁石 43 アーマチャ 43a スナップリング 44 アウタープレート 45 インナープレート 46 軸受 50 トルクカム機構 51 カム部材 52 カム部材 60 入力クラッチハブ 60a 接触面 70 入力ハブ 71 ナット 80 トーショナルダンパ 82 ドリブンプレート 101 入力ドラム 102 入力クラッチハブ 103 ピストン 103a ピストン室 104 ドライブプレート 105 ドリブンプレート 107 入力シャフト 107a 油路 A スラストニードルベアリング B ニードルベアリング C スラストニードルベアリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側トルク伝達部材に連結した入力ド
    ラムと、出力側トルク伝達部材に連結した入力クラッチ
    ハブとを備え、前記入力側及び出力側トルク伝達部材の
    断接を行うメインクラッチと、 操作手段によって断続操作されるパイロットクラッチ
    と、 該パイロットクラッチの締結により伝達トルクを受けて
    作動し、その作動に応じて発生するカムスラスト力によ
    り押圧系を介してメインクラッチを締結するカム機構
    と、 を備えた電磁多板クラッチにおいて、 前記入力ドラムを、入力側トルク伝達部材と連結した第
    1入力ドラムと、前記パイロットクラッチ締結時に前記
    カム機構と一体作動する第2入力ドラムとから構成し、 前記第1入力ドラムと前記第2入力ドラムのどちらか一
    方の入力ドラムの外径面をインローとした接合部を有
    し、該接合部であって、入力ドラム周方向等間隔に複数
    のボールスプラインを配置したことを特徴とする電磁多
    板クラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電磁多板クラッチにお
    いて、 前記接合部の前記ボールスプライン以外の部位であっ
    て、入力ドラム径方向等間隔に複数の前記第1入力ドラ
    ムと前記第2入力ドラムに連通する潤滑油排出穴を設け
    たことを特徴とする電磁多板クラッチ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の電磁多板クラ
    ッチにおいて、 前記接合部の径方向に設けられた複数の潤滑油排出穴
    を、少なくとも軸方向に複数列設けるか、又は、接合部
    の軸方向中央部に設けたことを特徴とする電磁多板クラ
    ッチ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の電磁多板クラ
    ッチにおいて、 前記潤滑油排出穴は、前記第1入力ドラムと前記第2入
    力ドラムの摺動距離よりも大きい穴径を有することを特
    徴とする電磁多板クラッチ。
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