JP2002356323A - 新規な〔Al〕−SSZ−31(ゼオライト)及びその製造方法 - Google Patents
新規な〔Al〕−SSZ−31(ゼオライト)及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2002356323A JP2002356323A JP2001166462A JP2001166462A JP2002356323A JP 2002356323 A JP2002356323 A JP 2002356323A JP 2001166462 A JP2001166462 A JP 2001166462A JP 2001166462 A JP2001166462 A JP 2001166462A JP 2002356323 A JP2002356323 A JP 2002356323A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ssz
- bea
- molar ratio
- zeolite
- sar
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】大径孔(12員環)を有しかつ十分な触媒活性
を有しながらコーク発生が少なく、特に大きな炭化水素
の化学変換にも有用な新規なゼオライト及びその製造方
法を提供すること並びにアルミニウムがゼオライトの結
晶構造中のフレームワークに均一に導入配置される〔A
l〕−SSZ−31を直接水熱法により合成できる製造
方法を提供すること。 【解決手段】〔Al〕−SSZ−31は、SiO2/A
l2O3のモル比が10〜100の範囲内にある。ま
た、〔Al〕−SSZ−31は、〔Al〕−BEAと、
有機テンプレートと、アルカリ金属水酸化物と、シリカ
源と、水とからなるゲル組成物を、水熱条件下で反応さ
せて製造でき、SiO2/Al2O3のモル比が10〜
100の範囲内にある〔Al〕−SSZ−31は、前記
〔Al〕−BEAのSiO2/Al2O3のモル比を7
〜40とすることによって製造できる。
を有しながらコーク発生が少なく、特に大きな炭化水素
の化学変換にも有用な新規なゼオライト及びその製造方
法を提供すること並びにアルミニウムがゼオライトの結
晶構造中のフレームワークに均一に導入配置される〔A
l〕−SSZ−31を直接水熱法により合成できる製造
方法を提供すること。 【解決手段】〔Al〕−SSZ−31は、SiO2/A
l2O3のモル比が10〜100の範囲内にある。ま
た、〔Al〕−SSZ−31は、〔Al〕−BEAと、
有機テンプレートと、アルカリ金属水酸化物と、シリカ
源と、水とからなるゲル組成物を、水熱条件下で反応さ
せて製造でき、SiO2/Al2O3のモル比が10〜
100の範囲内にある〔Al〕−SSZ−31は、前記
〔Al〕−BEAのSiO2/Al2O3のモル比を7
〜40とすることによって製造できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムの含
有量が高く、高性能触媒や分離剤などとして有用な新規
な〔Al〕−SSZ−31(ゼオライト)及びその製造
方法に関する。
有量が高く、高性能触媒や分離剤などとして有用な新規
な〔Al〕−SSZ−31(ゼオライト)及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然及び合成ゼオライトは、特有の分子
篩い効果と触媒特性により、炭化水素の化学変換や気体
の分離・乾燥に有用であり、石油精製、石油化学、有機
合成において多くの用途が報告されている。代表的なゼ
オライトとしては、H−X、H−Y、ZSM−5等が挙
げられる。しかし、H−X、H−YはSiO2/Al2
O3のモル比(以下、SARと省略する)が1〜3でア
ルミニウムを多量に含むが、耐熱性が低いので再生が困
難、塩酸、硫酸水溶液など酸性条件下で分解する、再生
における水蒸気条件下で分解する、反応条件下でコーク
生成が著しく触媒活性が短期で失活するなど実用的には
問題が多い。ZSM−5は、SARが20以上でアルミ
ニウムをほどよく含み、耐熱性、水蒸気耐性が高いなど
の特徴を有するが、10員環空孔であるために適用でき
る反応が少ないという問題がある。一方、ゼオライトの
SARが高くなると、耐熱性が高く、コーク生成も少な
いという利点があるものの、触媒機能を担う酸点が少な
くなり実用的な触媒活性が発生しないという問題があ
る。以上の状況の下、大径孔を有しながらコーク生成や
触媒活性の観点からSARが好適な範囲内にあるゼオラ
イトの開発が望まれていた。
篩い効果と触媒特性により、炭化水素の化学変換や気体
の分離・乾燥に有用であり、石油精製、石油化学、有機
合成において多くの用途が報告されている。代表的なゼ
オライトとしては、H−X、H−Y、ZSM−5等が挙
げられる。しかし、H−X、H−YはSiO2/Al2
O3のモル比(以下、SARと省略する)が1〜3でア
ルミニウムを多量に含むが、耐熱性が低いので再生が困
難、塩酸、硫酸水溶液など酸性条件下で分解する、再生
における水蒸気条件下で分解する、反応条件下でコーク
生成が著しく触媒活性が短期で失活するなど実用的には
問題が多い。ZSM−5は、SARが20以上でアルミ
ニウムをほどよく含み、耐熱性、水蒸気耐性が高いなど
の特徴を有するが、10員環空孔であるために適用でき
る反応が少ないという問題がある。一方、ゼオライトの
SARが高くなると、耐熱性が高く、コーク生成も少な
いという利点があるものの、触媒機能を担う酸点が少な
くなり実用的な触媒活性が発生しないという問題があ
る。以上の状況の下、大径孔を有しながらコーク生成や
触媒活性の観点からSARが好適な範囲内にあるゼオラ
イトの開発が望まれていた。
【0003】〔Al〕−SSZ−31は、12員環の大
径孔と高表面積とを有し、大きな炭化水素の化学変換な
どに広範に用い得るゼオライトである。従来より〔A
l〕−SSZ−31は、ボロン誘導体として〔B〕−S
SZ−31を水熱法(以下、HTS法と記載することが
ある)により合成後、ボロンをアルミニウムに置換して
得ることができた。他方、この方法は大量のボロンベー
タを必要とし、また焼成工程も必須であるなど非常に煩
雑な製造方法であったため、本発明者らにより、ゼオラ
イト原料と、アルミニウム含有物質と、有機テンプレー
トと、水の混合物からドライゲル法(以下、DGC法と
記載することがある)で〔Al〕−SSZ−31を製造
する方法が提案されている(特開2001−89132
号公報参照)。
径孔と高表面積とを有し、大きな炭化水素の化学変換な
どに広範に用い得るゼオライトである。従来より〔A
l〕−SSZ−31は、ボロン誘導体として〔B〕−S
SZ−31を水熱法(以下、HTS法と記載することが
ある)により合成後、ボロンをアルミニウムに置換して
得ることができた。他方、この方法は大量のボロンベー
タを必要とし、また焼成工程も必須であるなど非常に煩
雑な製造方法であったため、本発明者らにより、ゼオラ
イト原料と、アルミニウム含有物質と、有機テンプレー
トと、水の混合物からドライゲル法(以下、DGC法と
記載することがある)で〔Al〕−SSZ−31を製造
する方法が提案されている(特開2001−89132
号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のボロン
をアルミニウムに置換する製造法で得られる〔Al〕−
SSZ−31のSARは200以上であり、触媒活性の
点で非常に不満足なものであった。一方、DGC法で得
られる〔Al〕−SSZ−31のSARは前記のそれよ
りも改善されてはいるものの、SARを100以下のレ
ベルまで低下させることは困難で、触媒活性の点でやは
り不十分であった。また、これまでにSARが100以
下の〔Al〕−SSZ−31についての報告はない。さ
らに、上記のDGC法による〔Al〕−SSZ−31は
アモルファスな出発原料から合成されるため、結晶構造
中のフレームワークに導入されるアルミニウムの配置が
不均一になることがあり、触媒活性が不安定になった
り、触媒の形状選択性に欠ける可能性があった。
をアルミニウムに置換する製造法で得られる〔Al〕−
SSZ−31のSARは200以上であり、触媒活性の
点で非常に不満足なものであった。一方、DGC法で得
られる〔Al〕−SSZ−31のSARは前記のそれよ
りも改善されてはいるものの、SARを100以下のレ
ベルまで低下させることは困難で、触媒活性の点でやは
り不十分であった。また、これまでにSARが100以
下の〔Al〕−SSZ−31についての報告はない。さ
らに、上記のDGC法による〔Al〕−SSZ−31は
アモルファスな出発原料から合成されるため、結晶構造
中のフレームワークに導入されるアルミニウムの配置が
不均一になることがあり、触媒活性が不安定になった
り、触媒の形状選択性に欠ける可能性があった。
【0005】そこで、本発明は上記事情に鑑みなされた
もので、大径孔(12員環)を有しかつ十分な触媒活性
を有しながらコーク発生が少なく、特に大きな炭化水素
の化学変換にも有用な新規なゼオライト及びその製造方
法を提供することを課題とする。また、アルミニウムが
ゼオライトの結晶構造中のフレームワークに均一に導入
配置される〔Al〕−SSZ−31を直接水熱法により
合成できる製造方法を提供することを課題とする。
もので、大径孔(12員環)を有しかつ十分な触媒活性
を有しながらコーク発生が少なく、特に大きな炭化水素
の化学変換にも有用な新規なゼオライト及びその製造方
法を提供することを課題とする。また、アルミニウムが
ゼオライトの結晶構造中のフレームワークに均一に導入
配置される〔Al〕−SSZ−31を直接水熱法により
合成できる製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の少なくとも1つを解決するため、〔Al〕−SSZ−
31につき鋭意検討を重ねて本発明を完成した。すなわ
ち、本発明の〔Al〕−SSZ−31は、SiO2/A
l2O3のモル比が10〜100の範囲内にあることを
特徴とする。なお、〔Al〕−SSZ−31とは、SS
Z−31ゼオライトにおいて金属として少なくともアル
ミニウムを含むものである。
の少なくとも1つを解決するため、〔Al〕−SSZ−
31につき鋭意検討を重ねて本発明を完成した。すなわ
ち、本発明の〔Al〕−SSZ−31は、SiO2/A
l2O3のモル比が10〜100の範囲内にあることを
特徴とする。なお、〔Al〕−SSZ−31とは、SS
Z−31ゼオライトにおいて金属として少なくともアル
ミニウムを含むものである。
【0007】本発明の〔Al〕−SSZ−31の製造方
法は、〔Al〕−BEAと、有機テンプレートと、アル
カリ金属水酸化物と、シリカ源と、水とからなるゲル組
成物を、水熱条件下で反応させることを特徴とする。な
お、〔Al〕−BEAとは、Betaゼオライトにおい
て金属として少なくともアルミニウムを含むものであ
る。
法は、〔Al〕−BEAと、有機テンプレートと、アル
カリ金属水酸化物と、シリカ源と、水とからなるゲル組
成物を、水熱条件下で反応させることを特徴とする。な
お、〔Al〕−BEAとは、Betaゼオライトにおい
て金属として少なくともアルミニウムを含むものであ
る。
【0008】上記の製造方法において、有機テンプレー
トは1,1,1,8,8,8−ヘキサエチル−1,8−
ジアゾニアオクタンジヒドロキシド又はその塩であるこ
とが好ましい。また、アルカリ金属水酸化物は水酸化ナ
トリウムであることが好ましい。
トは1,1,1,8,8,8−ヘキサエチル−1,8−
ジアゾニアオクタンジヒドロキシド又はその塩であるこ
とが好ましい。また、アルカリ金属水酸化物は水酸化ナ
トリウムであることが好ましい。
【0009】本発明の〔Al〕−SSZ−31の製造方
法において、ゲル組成物中のアルカリ金属水酸化物/S
iO2のモル比が0.002〜0.2で、H2O/Si
O2のモル比が20〜100であることが好ましい。
法において、ゲル組成物中のアルカリ金属水酸化物/S
iO2のモル比が0.002〜0.2で、H2O/Si
O2のモル比が20〜100であることが好ましい。
【0010】本発明のSiO2/Al2O3のモル比が
10〜100の範囲内にある〔Al〕−SSZ−31
は、上記〔Al〕−SSZ−31の製造方法において、
〔Al〕−BEAのSiO2/Al2O3のモル比を7
〜40とすることにより得られる。
10〜100の範囲内にある〔Al〕−SSZ−31
は、上記〔Al〕−SSZ−31の製造方法において、
〔Al〕−BEAのSiO2/Al2O3のモル比を7
〜40とすることにより得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の〔Al〕−SSZ−31
の製造は、〔Al〕−BEAと、有機テンプレートと、
アルカリ金属水酸化物と、シリカ源と、水とからなるゲ
ル組成物を、水熱条件下で反応させて行う。
の製造は、〔Al〕−BEAと、有機テンプレートと、
アルカリ金属水酸化物と、シリカ源と、水とからなるゲ
ル組成物を、水熱条件下で反応させて行う。
【0012】〔Al〕−SSZ−31のアルミニウム源
及びシリカ源である前駆体の〔Al〕−BEAは、どの
ような方法で合成されたものでもよく、例えば水熱法に
より合成されたものでも、あるいはドライゲル法により
合成されたものでもよいが、前駆体のSARが低い場合
には、前駆体の残存割合を極力抑制するためドライゲル
法により合成されたものを用いることがより好ましい。
水熱法により合成された〔Al〕−BEAは市販品を用
いることもでき、このような市販品として例えばVAL
FOR C815β(ThePQCorporatio
n社製)やLP−814B(ZeoLYST社製)を挙
げることができる。〔Al〕−BEAの水熱合成は、米
国特許第5164169号に記載の方法で行うことがで
き、また、〔Al〕−BEAのドライゲル法による合成
は、ラオらの方法で行うことができる(P.R.H.
P.Rao,K.Ueyama,E.Kikuchia
ndM.Matsukata,Chem.Lett.1
998,311)。
及びシリカ源である前駆体の〔Al〕−BEAは、どの
ような方法で合成されたものでもよく、例えば水熱法に
より合成されたものでも、あるいはドライゲル法により
合成されたものでもよいが、前駆体のSARが低い場合
には、前駆体の残存割合を極力抑制するためドライゲル
法により合成されたものを用いることがより好ましい。
水熱法により合成された〔Al〕−BEAは市販品を用
いることもでき、このような市販品として例えばVAL
FOR C815β(ThePQCorporatio
n社製)やLP−814B(ZeoLYST社製)を挙
げることができる。〔Al〕−BEAの水熱合成は、米
国特許第5164169号に記載の方法で行うことがで
き、また、〔Al〕−BEAのドライゲル法による合成
は、ラオらの方法で行うことができる(P.R.H.
P.Rao,K.Ueyama,E.Kikuchia
ndM.Matsukata,Chem.Lett.1
998,311)。
【0013】型剤である有機テンプレートの種類は特に
限定されないが、1,1,1,8,8,8−ヘキサエチ
ル−1,8−ジアゾニアオクタンジヒドロキシド(下記
化学式(a))又はその塩、1,3,3,6,6−ペン
タメチル−6−アゾニアビシクロ〔3.2.1〕オクタ
ンヒドロキシド(下記化学式(b))又はその塩、トリ
メチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド
(下記化学式(c))又はその塩、1,8−ジメチル−
1,1,8,8−テトラエチル−1,8−ジアゾニアオ
クタンジヒドロキシド(下記化学式(d))又はその塩
などを挙げることができ、特に好ましい有機テンプレー
トは1,1,1,8,8,8−ヘキサエチル−1,8−
ジアゾニアオクタンジヒドロキシド又はその塩である。
限定されないが、1,1,1,8,8,8−ヘキサエチ
ル−1,8−ジアゾニアオクタンジヒドロキシド(下記
化学式(a))又はその塩、1,3,3,6,6−ペン
タメチル−6−アゾニアビシクロ〔3.2.1〕オクタ
ンヒドロキシド(下記化学式(b))又はその塩、トリ
メチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド
(下記化学式(c))又はその塩、1,8−ジメチル−
1,1,8,8−テトラエチル−1,8−ジアゾニアオ
クタンジヒドロキシド(下記化学式(d))又はその塩
などを挙げることができ、特に好ましい有機テンプレー
トは1,1,1,8,8,8−ヘキサエチル−1,8−
ジアゾニアオクタンジヒドロキシド又はその塩である。
【0014】
【化1】
【0015】アルカリ源には、アルカリ金属の水酸化物
であれば特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウムなどを挙げることができ、特に
好ましいのは水酸化ナトリウムである。
であれば特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウムなどを挙げることができ、特に
好ましいのは水酸化ナトリウムである。
【0016】シリカ源としては、各種シリカ原料を用い
ることができ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、
アエロジルシリカ、オルトケイ酸エステルなどを挙げる
ことができる。
ることができ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、
アエロジルシリカ、オルトケイ酸エステルなどを挙げる
ことができる。
【0017】本発明の〔Al〕−SSZ−31の製造に
おける具体的な調製方法は特に限定されないが、例えば
有機テンプレートとアルカリ金属水酸化物を混ぜて撹拌
後、シリカ源と水を加えて撹拌し、次いで前駆体の〔A
l〕−BEAを加え撹拌して得られるゲル組成物を水熱
条件下で反応させて行う。水熱反応は、オートクレーブ
などの耐熱容器内で水蒸気雰囲気下120〜200℃、
より好ましくは150〜180℃で3日〜8日間、より
好ましくは4日〜6日間加熱処理することにより行い、
目的の〔Al〕−SSZ−31を得ることができる。
おける具体的な調製方法は特に限定されないが、例えば
有機テンプレートとアルカリ金属水酸化物を混ぜて撹拌
後、シリカ源と水を加えて撹拌し、次いで前駆体の〔A
l〕−BEAを加え撹拌して得られるゲル組成物を水熱
条件下で反応させて行う。水熱反応は、オートクレーブ
などの耐熱容器内で水蒸気雰囲気下120〜200℃、
より好ましくは150〜180℃で3日〜8日間、より
好ましくは4日〜6日間加熱処理することにより行い、
目的の〔Al〕−SSZ−31を得ることができる。
【0018】上記ゲル組成物中のアルカリ金属水酸化物
/SiO2のモル比は0.002〜0.2であることが
好ましく、より好ましくは0.035〜0.065であ
る。また、ゲル組成物中のH2O/SiO2のモル比は
20〜100であることが好ましく、より好ましくは5
0〜85である。上記各範囲から逸脱すると相転換しな
かった前駆体〔Al〕−BEAの残存割合が増大するか
らである。また、SARが10〜100の範囲内にある
〔Al〕−SSZ−31の製造は、SARが7〜40の
範囲内にある〔Al〕−BEAを用いることにより行う
ことができる。 また、〔Al〕−SSZ−31におけ
るSiO2/Al2O3のモル比は10〜100とする
ことが好ましいが、更に好ましくは20〜80であり、
最も好ましくは40〜60である。
/SiO2のモル比は0.002〜0.2であることが
好ましく、より好ましくは0.035〜0.065であ
る。また、ゲル組成物中のH2O/SiO2のモル比は
20〜100であることが好ましく、より好ましくは5
0〜85である。上記各範囲から逸脱すると相転換しな
かった前駆体〔Al〕−BEAの残存割合が増大するか
らである。また、SARが10〜100の範囲内にある
〔Al〕−SSZ−31の製造は、SARが7〜40の
範囲内にある〔Al〕−BEAを用いることにより行う
ことができる。 また、〔Al〕−SSZ−31におけ
るSiO2/Al2O3のモル比は10〜100とする
ことが好ましいが、更に好ましくは20〜80であり、
最も好ましくは40〜60である。
【0019】上記の製造方法により得られる〔Al〕−
SSZ−31がSSZ−31の結晶構造を有するゼオラ
イトであることの確認は、特開平2001−89132
号公報に記載される下記表1のSSZ−31の粉末X線
回析のピークと比較して行う。なお表中、θはブラッグ
角であり、Iはピーク値、I0は最高のピーク値、dは
格子面間隔(Å)を表す。
SSZ−31がSSZ−31の結晶構造を有するゼオラ
イトであることの確認は、特開平2001−89132
号公報に記載される下記表1のSSZ−31の粉末X線
回析のピークと比較して行う。なお表中、θはブラッグ
角であり、Iはピーク値、I0は最高のピーク値、dは
格子面間隔(Å)を表す。
【0020】
【表1】
【0021】上記の製造方法により得られるSARが1
0〜100の範囲内にある〔Al〕−SSZ−31は、
SSZ−31の結晶構造を有する新規な12員環一次元
ゼオライトであり、大きな炭化水素の形状選択的触媒と
して、多環芳香族化合物のアルキル化、例えばナフタレ
ン、ビフェニルなどのアルキル化などに用いることがで
きる。また、多環芳香族炭化水素誘導体からポリエステ
ルポリアミドの原料のジカルボン酸に誘導可能な2,6
−ジアルキルナフタレン、4,4’−ジアルキルビフェ
ニルを効率的に分離する分離剤などとしての利用が期待
できる。
0〜100の範囲内にある〔Al〕−SSZ−31は、
SSZ−31の結晶構造を有する新規な12員環一次元
ゼオライトであり、大きな炭化水素の形状選択的触媒と
して、多環芳香族化合物のアルキル化、例えばナフタレ
ン、ビフェニルなどのアルキル化などに用いることがで
きる。また、多環芳香族炭化水素誘導体からポリエステ
ルポリアミドの原料のジカルボン酸に誘導可能な2,6
−ジアルキルナフタレン、4,4’−ジアルキルビフェ
ニルを効率的に分離する分離剤などとしての利用が期待
できる。
【0022】
【実施例】次いで、本発明を実施例を挙げて説明する
が、本発明は上記の実施の形態及び以下の実施例に限定
されるものではない。
が、本発明は上記の実施の形態及び以下の実施例に限定
されるものではない。
【0023】(SAR=29の〔Al〕−BEAのDG
C法による合成)テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液(35wt%)1.679g(4.0mmo
l)、32wt%NaOH0.377g(3mmol)
をテフロン(登録商標)製ジャーに量り取り、30分間
撹拌した。これにNaAlO2(42.8%Al
2O3、33.7%Na2O)0.0786g(0.3
36mmol−Al2O 3)を80度のイオン交換水
1.399gに溶かした溶液を上記溶液に加え、さらに
60分間撹拌した。次いで、コロイダルシリカ(Lud
oxHS−40)1.504g(10mmol)を加
え、60分間撹拌した。その後、80〜90℃で撹拌を
続け、ゲルの粘度が上がってきたらテフロン製の棒で撹
拌し、全体がドライゲルになるまでこれを続けた。これ
により、粉末状ドライゲル5.238gを得た。次に、
この粉末状のドライゲルをテフロンカップ(内径20m
m、高さ20mm)に移し、このテフロンカップを水
(0.3172g)の入った内容積23mlのオートク
レーブ中に置いた。このオートクレーブを175℃で3
日間静置した。生成した固体を濾過装置に移し、イオン
交換水で洗浄後室温で乾燥して白色粉末0.630gを
得た。
C法による合成)テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液(35wt%)1.679g(4.0mmo
l)、32wt%NaOH0.377g(3mmol)
をテフロン(登録商標)製ジャーに量り取り、30分間
撹拌した。これにNaAlO2(42.8%Al
2O3、33.7%Na2O)0.0786g(0.3
36mmol−Al2O 3)を80度のイオン交換水
1.399gに溶かした溶液を上記溶液に加え、さらに
60分間撹拌した。次いで、コロイダルシリカ(Lud
oxHS−40)1.504g(10mmol)を加
え、60分間撹拌した。その後、80〜90℃で撹拌を
続け、ゲルの粘度が上がってきたらテフロン製の棒で撹
拌し、全体がドライゲルになるまでこれを続けた。これ
により、粉末状ドライゲル5.238gを得た。次に、
この粉末状のドライゲルをテフロンカップ(内径20m
m、高さ20mm)に移し、このテフロンカップを水
(0.3172g)の入った内容積23mlのオートク
レーブ中に置いた。このオートクレーブを175℃で3
日間静置した。生成した固体を濾過装置に移し、イオン
交換水で洗浄後室温で乾燥して白色粉末0.630gを
得た。
【0024】(SAR=97、158、175の〔A
l〕−BEAのDGC法による合成)以下の表2に示す
内容で上記SAR=29の〔Al〕−BEAの合成とほ
ぼ同様の方法で各種のSARを有する〔Al〕−BEA
を製造した。なお、撹拌時間、使用するオートクレーブ
の内容積などは各種のSARに応じて適宜変更して行っ
た。特に、SAR=175の〔Al〕−BEAの合成で
は、得られた粉末状ドライゲルを0.623gと0.6
6gとに分け、これらを各々2つのテフロンカップ(カ
ップB及びカップC、内径20mm、高さ20mm)に
移し、カップBを水(0.1246g)の入った内容積
23mlのオートクレーブB中に、カップCを水(0.
1332g)の入った内容積23mlにオートクレーブ
C中に置いた。オートクレーブBを175℃で14時間
静置し、オートクレーブCを175℃で24時間静置し
た。生成した固体を濾過装置に移し、イオン交換水で洗
浄後室温で乾燥して白色粉末0.369g+0.283
gを得た。
l〕−BEAのDGC法による合成)以下の表2に示す
内容で上記SAR=29の〔Al〕−BEAの合成とほ
ぼ同様の方法で各種のSARを有する〔Al〕−BEA
を製造した。なお、撹拌時間、使用するオートクレーブ
の内容積などは各種のSARに応じて適宜変更して行っ
た。特に、SAR=175の〔Al〕−BEAの合成で
は、得られた粉末状ドライゲルを0.623gと0.6
6gとに分け、これらを各々2つのテフロンカップ(カ
ップB及びカップC、内径20mm、高さ20mm)に
移し、カップBを水(0.1246g)の入った内容積
23mlのオートクレーブB中に、カップCを水(0.
1332g)の入った内容積23mlにオートクレーブ
C中に置いた。オートクレーブBを175℃で14時間
静置し、オートクレーブCを175℃で24時間静置し
た。生成した固体を濾過装置に移し、イオン交換水で洗
浄後室温で乾燥して白色粉末0.369g+0.283
gを得た。
【0025】
【表2】
【0026】(SAR=94の〔Al〕−BEAのHT
S法による合成)テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液(35wt%)18.933g(45mmo
l)、テトラエチルアンモニウムブロミド18.91g
(90mmol)、NaAlO2(42.8Wt%Al
2O3、33.7Wt%Na2O)0.276g(3m
mol)をテフロン製ジャーに量り取り、10分間撹拌
した。これにコロイダルシリカ(LudoxHS−4
0)22.53g(150mmol)を加え、さらに1
0分間撹拌した。次いで、トリエタノールアミン5.0
2g(33mmol)を加え、3時間撹拌した。内容積
125mlのオートクレーブに移し、種を45mg(シ
リカに対して0.5Wt%)加えた後、このオートクレ
ーブを150℃で7.5日間静置した。生成した固体を
濾過装置に移し、イオン交換水で洗浄後室温で乾燥して
白色粉末14.34gを得た。
S法による合成)テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液(35wt%)18.933g(45mmo
l)、テトラエチルアンモニウムブロミド18.91g
(90mmol)、NaAlO2(42.8Wt%Al
2O3、33.7Wt%Na2O)0.276g(3m
mol)をテフロン製ジャーに量り取り、10分間撹拌
した。これにコロイダルシリカ(LudoxHS−4
0)22.53g(150mmol)を加え、さらに1
0分間撹拌した。次いで、トリエタノールアミン5.0
2g(33mmol)を加え、3時間撹拌した。内容積
125mlのオートクレーブに移し、種を45mg(シ
リカに対して0.5Wt%)加えた後、このオートクレ
ーブを150℃で7.5日間静置した。生成した固体を
濾過装置に移し、イオン交換水で洗浄後室温で乾燥して
白色粉末14.34gを得た。
【0027】上記のDGC法及びHTS法で得られた白
色粉末は、X線により回析が行われ、表4に示す既知
(米国特許第5164169号記載)のBEAのX線回
析パターンと比較して生成物はBEAであることが確認
された。表3はDGC法により合成されたSAR=29
の白色粉末の粉末X線回析のピークを示すものであり、
この白色粉末はアルミナ製のシャーレに入れられ、マッ
フル炉を用いて100ml/minの空気気流下室温より
2℃/minで550℃まで昇温した後、550℃で7
時間保持された。この焼結により上記の白色粉末に含ま
れる有機テンプレートが除去され、放冷後再び粉末X線
回析を行ったところ表3に示すピークとほぼ同様でBE
Aであることが確認された。この焼結は合成されたすべ
ての〔Al〕−BEAについて行い、マッフル炉での保
持時間は各種のSARに応じ適宜変更して行った。ま
た、いずれの〔Al〕−BEAも表3とほぼ同様のピー
クを示した。
色粉末は、X線により回析が行われ、表4に示す既知
(米国特許第5164169号記載)のBEAのX線回
析パターンと比較して生成物はBEAであることが確認
された。表3はDGC法により合成されたSAR=29
の白色粉末の粉末X線回析のピークを示すものであり、
この白色粉末はアルミナ製のシャーレに入れられ、マッ
フル炉を用いて100ml/minの空気気流下室温より
2℃/minで550℃まで昇温した後、550℃で7
時間保持された。この焼結により上記の白色粉末に含ま
れる有機テンプレートが除去され、放冷後再び粉末X線
回析を行ったところ表3に示すピークとほぼ同様でBE
Aであることが確認された。この焼結は合成されたすべ
ての〔Al〕−BEAについて行い、マッフル炉での保
持時間は各種のSARに応じ適宜変更して行った。ま
た、いずれの〔Al〕−BEAも表3とほぼ同様のピー
クを示した。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】(1,1,1,8,8,8−ヘキサエチル
−1,8−ジアゾニアオクタンジブロミドの合成)ナス
フラスコ中、1,6−ジブロモヘキサン(15.68
g、61.70mol)とアセトン(80ml)を入
れ、水酸化カリウム管を付けて撹拌した。この溶液にト
リエチルアミン(23.47g、231.8mmol)
のアセトン(30ml)溶液を室温で約10分かけて滴
下した。滴下終了後、70時間還流撹拌を行った。放冷
後濾過し、アセトン(50ml)で洗浄して、1,1,
1,8,8,8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオ
クタンジブロミドの粗結晶25.8g(94%)を得
た。これをメタノール(30ml)に加熱溶解し、放冷
後エーテル(150ml)をゆっくり加えて徐々に結晶
を析出させた。得られた結晶をベンゼン(80ml)で
洗浄し、白色粉末19.81g(71.9%)を得た。
−1,8−ジアゾニアオクタンジブロミドの合成)ナス
フラスコ中、1,6−ジブロモヘキサン(15.68
g、61.70mol)とアセトン(80ml)を入
れ、水酸化カリウム管を付けて撹拌した。この溶液にト
リエチルアミン(23.47g、231.8mmol)
のアセトン(30ml)溶液を室温で約10分かけて滴
下した。滴下終了後、70時間還流撹拌を行った。放冷
後濾過し、アセトン(50ml)で洗浄して、1,1,
1,8,8,8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオ
クタンジブロミドの粗結晶25.8g(94%)を得
た。これをメタノール(30ml)に加熱溶解し、放冷
後エーテル(150ml)をゆっくり加えて徐々に結晶
を析出させた。得られた結晶をベンゼン(80ml)で
洗浄し、白色粉末19.81g(71.9%)を得た。
【0031】Mp.281〜283℃1 H−NMR(400MHz、D2O)δ:1.17
(18H、t、J=7.0Hz、CH 3)、1.35と
1.61(各4H、brs、C−(CH 2)4−C)、
3.05・3.10(4H、m、N−CH 2−C−
C)、3.19(12H、q、J=7.0Hz、CH3
CH 2N)13 C−NMR(100MHz、D2O)δ:7.4
2、21.66、26.02、53.27、57.12
(18H、t、J=7.0Hz、CH 3)、1.35と
1.61(各4H、brs、C−(CH 2)4−C)、
3.05・3.10(4H、m、N−CH 2−C−
C)、3.19(12H、q、J=7.0Hz、CH3
CH 2N)13 C−NMR(100MHz、D2O)δ:7.4
2、21.66、26.02、53.27、57.12
【0032】(1,1,1,8,8,8−ヘキサエチル
−1,8−ジアゾニアオクタンジヒドロキシドの合成)
三角フラスコ中、上記で得られた1,1,1,8,8,
8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオクタンジブロ
ミド(15.54g、34.8mmol)を蒸留水(1
00ml)に溶解した。イオン交換樹脂(三菱化学社
製、DIAION、SA10A、OH形)(188
g)、蒸留水(100ml)を加えて穏やかに48時間
撹拌した。濾過、減圧濃縮で50mlまで濃縮し、蒸留
水で110ml(107.6g)に希釈し、1,1,
1,8,8,8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオ
クタンジヒドロキシドを得た。0.05M塩酸で滴定し
て、濃度0.313mmol/g(R2+として)、交
換率96.6%と決定した。
−1,8−ジアゾニアオクタンジヒドロキシドの合成)
三角フラスコ中、上記で得られた1,1,1,8,8,
8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオクタンジブロ
ミド(15.54g、34.8mmol)を蒸留水(1
00ml)に溶解した。イオン交換樹脂(三菱化学社
製、DIAION、SA10A、OH形)(188
g)、蒸留水(100ml)を加えて穏やかに48時間
撹拌した。濾過、減圧濃縮で50mlまで濃縮し、蒸留
水で110ml(107.6g)に希釈し、1,1,
1,8,8,8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオ
クタンジヒドロキシドを得た。0.05M塩酸で滴定し
て、濃度0.313mmol/g(R2+として)、交
換率96.6%と決定した。
【0033】(実施例1)上記で得られた1,1,1,
8,8,8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオクタ
ンジヒドロキシド水溶液(0.257mmol/g)
7.79g(1.60mmol)、32wt%NaOH
0.105g(0.62mmol)をテフロン製ジャー
に量り取り、15分間撹拌した。これにフュームドシリ
カ(Cab−O−SilM5、Cabot社製)0.4
16g(10.0mmol)とイオン交換水11.4g
(750mml)を加え、さらに30分間撹拌した。次
いで、〔Al〕−BEA0.50g(SAR=29、D
GC法)を加え、4時間撹拌した。オートクレーブに移
し、このオートクレーブを175℃で6日間静置した。
生成した固体を濾過装置に移し、イオン交換水で洗浄後
室温で乾燥して白色粉末0.84gを得た。
8,8,8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオクタ
ンジヒドロキシド水溶液(0.257mmol/g)
7.79g(1.60mmol)、32wt%NaOH
0.105g(0.62mmol)をテフロン製ジャー
に量り取り、15分間撹拌した。これにフュームドシリ
カ(Cab−O−SilM5、Cabot社製)0.4
16g(10.0mmol)とイオン交換水11.4g
(750mml)を加え、さらに30分間撹拌した。次
いで、〔Al〕−BEA0.50g(SAR=29、D
GC法)を加え、4時間撹拌した。オートクレーブに移
し、このオートクレーブを175℃で6日間静置した。
生成した固体を濾過装置に移し、イオン交換水で洗浄後
室温で乾燥して白色粉末0.84gを得た。
【0034】(実施例2〜実施例12)実施例2〜実施
例12は、実施例1と同様の方法で下記の表5に示す内
容で製造した。なお、表5には後記の比較例も示した。
例12は、実施例1と同様の方法で下記の表5に示す内
容で製造した。なお、表5には後記の比較例も示した。
【0035】
【表5】
【0036】(比較例)フュームドシリカを加えない以
外は、実施例1と同様の方法で製造し、白色粉末0.4
70gを得た。
外は、実施例1と同様の方法で製造し、白色粉末0.4
70gを得た。
【0037】表6に各実施例と比較例についての実験結
果を示す。表中、ゲル組成物は比較例を除き、SiO2
1モルに対するゲル組成物中の各成分の割合を示したも
のである。また、ゲル組成物中の各成分の測定は、IC
P蛍光分析法により行った。生成物の結晶構造の確認
は、各実施例及び比較例につき粉末X線回析を行い、S
SZ−31であることは上記表1のピークと比較し、B
EAであることは表4のピークと比較して行った。な
お、表7に実施例1の粉末X線回析ピークを示したが、
他の実施例もほぼ同様のピークであった。
果を示す。表中、ゲル組成物は比較例を除き、SiO2
1モルに対するゲル組成物中の各成分の割合を示したも
のである。また、ゲル組成物中の各成分の測定は、IC
P蛍光分析法により行った。生成物の結晶構造の確認
は、各実施例及び比較例につき粉末X線回析を行い、S
SZ−31であることは上記表1のピークと比較し、B
EAであることは表4のピークと比較して行った。な
お、表7に実施例1の粉末X線回析ピークを示したが、
他の実施例もほぼ同様のピークであった。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】実施例1〜実施例6及び実施例9では、図
1〜図7に電子顕微鏡写真像に示すように、加熱処理2
日目頃から次第に長形板状の〔Al〕−SSZ−31の
結晶が観察できるようになり、4日目あるいは5日目で
ほぼ完全な〔Al〕−SSZ−31の結晶構造となるこ
とが確認された。また、比較例では、前駆体の〔Al〕
−BEAから〔Al〕−SSZ−31へ相転換が見られ
ず、Betaの結晶構造のみが認められた。実施例7、
8及び実施例10〜実施例12では、〔Al〕−SSZ
−31以外に〔Al〕−BEAが認められたが、残存割
合は痕跡程度で、触媒あるいは分離剤としての〔Al〕
−SSZ−31に影響がないものと思われる。
1〜図7に電子顕微鏡写真像に示すように、加熱処理2
日目頃から次第に長形板状の〔Al〕−SSZ−31の
結晶が観察できるようになり、4日目あるいは5日目で
ほぼ完全な〔Al〕−SSZ−31の結晶構造となるこ
とが確認された。また、比較例では、前駆体の〔Al〕
−BEAから〔Al〕−SSZ−31へ相転換が見られ
ず、Betaの結晶構造のみが認められた。実施例7、
8及び実施例10〜実施例12では、〔Al〕−SSZ
−31以外に〔Al〕−BEAが認められたが、残存割
合は痕跡程度で、触媒あるいは分離剤としての〔Al〕
−SSZ−31に影響がないものと思われる。
【0041】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されるため、
以下の効果を奏する。本発明のSiO2/Al2O3の
モル比が10〜100の範囲内にある〔Al〕−SSZ
−31によれば、12員環の大径孔を有しながら酸点に
富むため、活性に優れた形状選択的触媒として用いるこ
とができ、大きな炭化水素の化学変換のための触媒や分
離剤として特に有用である。また、SiO2/Al2O
3のモル比が10以上であるため、コーク発生が少なく
触媒活性を長期に維持できる触媒を得ることができる。
さらに、金属触媒の担体として程良い酸性と高表面積を
有するので、高分散金属と固体酸性の2つの機能を有す
る2次元性触媒としても有用である。また、SiO2/
Al2O3のモル比を任意に調製できることとなり、目
的に応じた触媒の設計が可能となる。
以下の効果を奏する。本発明のSiO2/Al2O3の
モル比が10〜100の範囲内にある〔Al〕−SSZ
−31によれば、12員環の大径孔を有しながら酸点に
富むため、活性に優れた形状選択的触媒として用いるこ
とができ、大きな炭化水素の化学変換のための触媒や分
離剤として特に有用である。また、SiO2/Al2O
3のモル比が10以上であるため、コーク発生が少なく
触媒活性を長期に維持できる触媒を得ることができる。
さらに、金属触媒の担体として程良い酸性と高表面積を
有するので、高分散金属と固体酸性の2つの機能を有す
る2次元性触媒としても有用である。また、SiO2/
Al2O3のモル比を任意に調製できることとなり、目
的に応じた触媒の設計が可能となる。
【0042】また、本発明の〔Al〕−SSZ−31の
製造方法によれば、〔Al〕−SSZ−31は結晶質の
前駆体の〔Al〕−BEAから直接水熱反応により製造
されるため、結晶構造中のフレームワークに導入される
アルミニウムの配置が均一となり、安定した触媒活性と
形状選択性に優れたSSZ−31ゼオライトを製造でき
る。
製造方法によれば、〔Al〕−SSZ−31は結晶質の
前駆体の〔Al〕−BEAから直接水熱反応により製造
されるため、結晶構造中のフレームワークに導入される
アルミニウムの配置が均一となり、安定した触媒活性と
形状選択性に優れたSSZ−31ゼオライトを製造でき
る。
【図1】実施例1に係る加熱処理1日目の電子顕微鏡写
真像
真像
【図2】実施例1に係る加熱処理2日目の電子顕微鏡写
真像
真像
【図3】実施例1に係る加熱処理3日目の電子顕微鏡写
真像
真像
【図4】実施例1に係る加熱処理4日目の電子顕微鏡写
真像
真像
【図5】実施例1に係る加熱処理5日目の電子顕微鏡写
真像
真像
【図6】実施例1に係る加熱処理6日目の電子顕微鏡写
真像
真像
【図7】実施例1に係る加熱処理7日目の電子顕微鏡写
真像
真像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G073 BA57 BB52 BD21 CZ01 FB25 FB30 FC19 FD15 FE05 GA03 UA03 UA06
Claims (6)
- 【請求項1】SiO2/Al2O3のモル比が10〜1
00の範囲内にあることを特徴とする〔Al〕−SSZ
−31。 - 【請求項2】〔Al〕−BEAと、有機テンプレート
と、アルカリ金属水酸化物と、シリカ源と、水とからな
るゲル組成物を、水熱条件下で反応させることを特徴と
する〔Al〕−SSZ−31の製造方法。 - 【請求項3】有機テンプレートが1,1,1,8,8,
8−ヘキサエチル−1,8−ジアゾニアオクタンジヒド
ロキシド又はその塩であることを特徴とする請求項2に
記載の〔Al〕−SSZ−31の製造方法。 - 【請求項4】アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウム
であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の
〔Al〕−SSZ−31の製造方法。 - 【請求項5】ゲル組成物中のアルカリ金属水酸化物/S
iO2のモル比が0.002〜0.2で、H2O/Si
O2のモル比が20〜100であることを特徴とする請
求項2〜請求項4のいずれかに記載の〔Al〕−SSZ
−31の製造方法。 - 【請求項6】〔Al〕−BEAのSiO2/Al2O3
のモル比が7〜40であって、製造される〔Al〕−S
SZ−31のSiO2/Al2O3のモル比が10〜1
00の範囲内となることを特徴とする請求項2〜請求項
5のいずれかに記載の〔Al〕−SSZ−31の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001166462A JP2002356323A (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 新規な〔Al〕−SSZ−31(ゼオライト)及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001166462A JP2002356323A (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 新規な〔Al〕−SSZ−31(ゼオライト)及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002356323A true JP2002356323A (ja) | 2002-12-13 |
Family
ID=19008997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001166462A Pending JP2002356323A (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 新規な〔Al〕−SSZ−31(ゼオライト)及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002356323A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1994982A1 (en) | 2007-03-30 | 2008-11-26 | Fujifilm Corporation | Catalyst body which uses an anodized layer |
CN107311190A (zh) * | 2016-04-27 | 2017-11-03 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种分子筛、其制造方法及其应用 |
CN107311198A (zh) * | 2016-04-27 | 2017-11-03 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种分子筛、其制造方法及其应用 |
JP2019514818A (ja) * | 2016-04-21 | 2019-06-06 | シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド | ゼオライトssz−31の合成 |
CN110191862A (zh) * | 2017-01-11 | 2019-08-30 | 雪佛龙美国公司 | 沸石ssz-31的合成 |
JP2022524679A (ja) * | 2018-11-19 | 2022-05-10 | サウジ アラビアン オイル カンパニー | ナノサイズのメソポーラスベータ型ゼオライトの合成方法およびその使用 |
-
2001
- 2001-06-01 JP JP2001166462A patent/JP2002356323A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1994982A1 (en) | 2007-03-30 | 2008-11-26 | Fujifilm Corporation | Catalyst body which uses an anodized layer |
JP2019514818A (ja) * | 2016-04-21 | 2019-06-06 | シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド | ゼオライトssz−31の合成 |
CN107311190A (zh) * | 2016-04-27 | 2017-11-03 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种分子筛、其制造方法及其应用 |
CN107311199A (zh) * | 2016-04-27 | 2017-11-03 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种分子筛的制造方法及其产品和产品的应用 |
CN107311198A (zh) * | 2016-04-27 | 2017-11-03 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种分子筛、其制造方法及其应用 |
CN107311199B (zh) * | 2016-04-27 | 2019-11-15 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种分子筛的制造方法及其产品和产品的应用 |
CN110191862A (zh) * | 2017-01-11 | 2019-08-30 | 雪佛龙美国公司 | 沸石ssz-31的合成 |
JP2020514224A (ja) * | 2017-01-11 | 2020-05-21 | シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド | ゼオライトssz−31の合成 |
CN110191862B (zh) * | 2017-01-11 | 2022-08-19 | 雪佛龙美国公司 | 沸石ssz-31的合成 |
JP2022524679A (ja) * | 2018-11-19 | 2022-05-10 | サウジ アラビアン オイル カンパニー | ナノサイズのメソポーラスベータ型ゼオライトの合成方法およびその使用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN108290749B (zh) | Emm-28新型合成结晶材料、其制备和用途 | |
TWI360435B (en) | Process for manufacturing molecular sieve of mfs f | |
KR20110081193A (ko) | Uzm-35 알루미노규산염 제올라이트, 제조 방법 및 uzm-35의 사용 방법 | |
EP0002899A1 (en) | Method for preparing aluminosilicates and their use as catalyst supports and catalysts | |
CN102040229B (zh) | 一种mcm-22分子筛的合成方法 | |
KR101509535B1 (ko) | 경질 올레핀류 제조용 촉매 및 경질 올레핀류의 제조 방법 | |
JPS62501275A (ja) | 結晶性マグネシア―シリカ触媒及びその製法 | |
KR20210013692A (ko) | 유기 질소-함유 구조화제의 존재하에서 매우 높은 순도의 afx-구조 제올라이트의 합성 방법 | |
JP2016505573A (ja) | Uzm−39アルミノケイ酸塩ゼオライトを用いた芳香族トランスアルキル化反応 | |
CN106587102B (zh) | Zsm-12型沸石分子筛的合成方法 | |
CN102482176A (zh) | 使用uzm-35来进行芳烃烷基化的方法 | |
JP2002356323A (ja) | 新規な〔Al〕−SSZ−31(ゼオライト)及びその製造方法 | |
JP3322308B2 (ja) | ゼオライトの合成方法 | |
KR101827115B1 (ko) | 알루미노실리케이트 제올라이트 pst-7 및 그 제조 방법 | |
JP5901817B2 (ja) | 重質炭化水素油の接触分解、水素化分解触媒用ヘテロ接合多孔性結晶体 | |
JPS5978922A (ja) | 結晶性ゼオライト物質およびその製造方法 | |
JPH0357050B2 (ja) | ||
JP4462933B2 (ja) | 多孔質結晶性物質(itq−21)およびフッ化物イオンの不存在下でのその製法 | |
CN107021504B (zh) | 一种介孔im-5分子筛的制备方法 | |
CN111252782B (zh) | 一种低硅铝比Beta分子筛的合成方法 | |
WO2020227886A1 (zh) | 一种快速制备高结晶度的ecr-1分子筛的方法 | |
Li et al. | Nonaqueous synthesis: Iron aluminosilicates with the ZSM-48 structure | |
JP2006265056A (ja) | メタロシリケートの製造方法 | |
JP4073405B2 (ja) | Zsm‐5触媒の製造方法 | |
JP5750300B2 (ja) | 新規ヘテロ接合多孔性結晶体の合成方法および新規ヘテロ接合多孔性結晶体 |