JP2002348256A - 有機ハロゲン化物分解処理システム - Google Patents

有機ハロゲン化物分解処理システム

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JP2002348256A
JP2002348256A JP2001156666A JP2001156666A JP2002348256A JP 2002348256 A JP2002348256 A JP 2002348256A JP 2001156666 A JP2001156666 A JP 2001156666A JP 2001156666 A JP2001156666 A JP 2001156666A JP 2002348256 A JP2002348256 A JP 2002348256A
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organic halide
oil
decomposition
organic
pcb
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JP2001156666A
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English (en)
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Chisato Tsukahara
千幸人 塚原
Keigo Baba
恵吾 馬場
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変圧器等の絶縁油等のPCB含有物の完全処
理を図るPCB分解処理システムを提供することを課題
とする。 【解決手段】 加熱・加圧された反応器内において炭酸
ナトリウム(Na2 CO 3 )の存在下、ハロゲンガスの
脱塩素反応および酸化分解反応により、PCBを塩化ナ
トリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解
させる水熱酸化分解装置120と、反応液又は処理液中
の油分量を監視する油分モニタリング装置100とを具
備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば変圧器等の
絶縁油等のPCB含有物の完全処理を図る有機ハロゲン
化物分解処理システムに関する。
【0002】
【背景技術】近年では、PCB(Polychlorinated biph
enyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体
の総称)が強い毒性を有することから、その製造および
輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃か
ら国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっ
かけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972
年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義
務)が出された経緯がある。
【0003】PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜1
0個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって
理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のP
CB製品において約100種類以上の異性体が確認され
ている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体
内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化
学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状であ
る。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつで
あって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率
が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能である
という性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残
留することが報告されている。この結果、PCBは体内
で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮
膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・
発生毒性が認められている。
【0004】PCBは、従来からトランスやコンデンサ
などの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるの
で、PCBを処理する必要があり、本出願人は先に、P
CBを無害化処理する水熱酸化分解装置を提案した(特
開平11−253795号公報、特開平11−2537
96号公報、特開2000−126588号公報他参
照)。この水熱酸化分解装置の概要の一例を図6に示す
が、これに限定されるものではない。
【0005】図6に示すように、水熱酸化分解装置12
0は、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の
一次反応器122と、油(又は有機溶剤)、PCB、水
(H 2O)および水酸化ナトリウム(NaOH)の各処
理液123a〜123dを加圧する加圧ポンプ124
と、当該水を予熱する熱交換器125と、配管を螺旋状
に巻いた構成の二次反応器126と、冷却器127およ
び減圧弁128とを備えてなるものである。また、減圧
弁127の下流には、気液分離器129、活性炭槽13
0が配置されており、排ガス(CO2 )131は煙突1
32から外部へ排出され、排水(H2 O,NaCl)1
33は放出タンク134に溜められ、別途必要に応じて
排水処理される。
【0006】なお、処理液123となる油(又は有機溶
剤)、PCB、H2OおよびNaOHの各処理液123
a〜123dは処理液タンク135a〜135dから配
管136a〜136d及びエジェクタ137を介してそ
れぞれ導入される。また、酸素(O2 )等の酸化剤は高
圧酸素供給設備138により供給され、供給配管139
は、一次反応器122に対して直結されている。なお、
油(又は有機溶剤)を入れるのは、特に高濃度のPCB
の分解反応促進のためと、分解装置120の起動時にお
いて反応温度を最適温度まで昇温させるためである。ま
た、処理液として上記PCB、H2OおよびNaOHを
混合させて一次反応器122に投入するようにしてもよ
い。
【0007】上記装置において、加圧ポンプ124によ
る加圧により一次反応器122内は、26MPaまで昇
圧される。また、熱交換器125は、H2Oを300℃
程度に予熱する。また、一次反応器122内には酸素が
噴出しており、内部の反応熱により380℃〜400℃
まで昇温する。サイクロンセパレータ121は、一次反
応器122内で析出したNa2CO3の結晶粒子の大きな
ものを分離し、Na2CO3の微粒子を二次反応器126
に送る。このサイクロンセパレータ121の作用によ
り、二次反応器126の閉塞が防止される。この段階ま
でに、PCBは、脱塩素反応および酸化分解反応を起こ
し、NaCl、CO2およびH2Oに分解されている。つ
ぎに、冷却器127では、二次反応器126からの流体
を100℃程度に冷却すると共に後段の減圧弁128に
て大気圧まで減圧する。そして、気液分離器129によ
りCO2および水蒸気と処理液とが分離され、CO2およ
び水蒸気は、活性炭槽130を通過して環境中に排出さ
れる。
【0008】このような処理装置120を用いてPCB
含有油(例えばトランスやコンデンサ等の絶縁油)等を
処理することで、PCBが脱塩素化されビフェニル
((C65 2 )等の脱塩素化物とされ、該ビフェニ
ルが酸化剤等の作用によりCO2、H2 O等へと完全無
害化がなされている。
【0009】また、上記PCB分解処理装置120に
は、処理対象の粘度等の調整のために、例えば灯油、絶
縁油等の種々の油を処理液タンク135aから投入して
分解処理する場合がある。この場合には、一次反応器1
22内から装置出口において、徐々に分解作用が進行
し、PCBと絶縁油とは分解されるが、一次反応器12
2の出口、二次反応器126の出口においては、微量の
未分解PCBと絶縁油或いは分解中間生成物が存在する
場合がある。これらの未分解物等の残留物や生成物は、
処理装置の分解性能を示唆しており、安定した運転制御
のためには、常時監視し、運転条件を調整する必要があ
る。更には、処理装置出口からの処理液は排水系へと流
れているため、事前に郊外等の排水規制管理の面からも
常時監視する必要がある。
【0010】しかしながら、現状の処理液中の油分測定
方法では、連続的な油分を測定することができないと、
いう問題がある。そのために、JISに規定する油分測
定の重量法などによる人手による分析をバッチ式で実施
しているが、分析には時間を要し、運転制御を行なうこ
とができるような迅速な分析ができないという問題があ
る。
【0011】特に、上記図6に示す水熱酸化分解装置1
20を用いてPCBを処理する場合には、炭酸ナトリウ
ムが生成するので、該炭酸ナトリウムの結晶粒子内に未
分解のPCBが取り込まれる場合には、正確なPCBの
分解処理状況を確認することができないという問題があ
る。
【0012】本発明は上述した問題に鑑み、PCBの分
解処理を迅速且つ的確に把握でき、PCBの分解処理に
迅速にフィードバック処理でき、常に適切なPCBの分
解処理をすることができる有機ハロゲン化物処理システ
ムを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
第1の発明は、加熱・加圧された反応器内において炭酸
ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有機ハロゲン化
物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナ
トリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解
させる水熱酸化分解装置と、反応液又は処理液中の油分
量を監視する油分モニタリング装置とを具備してなるこ
とを特徴とする有機ハロゲン化物分解処理システムにあ
る。
【0014】第2の発明は、第1の発明において、上記
水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータを併設した
筒形状の一次反応器と、油又は有機溶媒,有機ハロゲン
化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)
の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱する
予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応器と、
二次反応器からの処理液を冷却する冷却器と、処理液を
気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてなるこ
とを特徴とする有機ハロゲン化物分解処理システムにあ
る。
【0015】第3の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記油分モニタリング装置が反応液又は処理液中の
一部を取り出し、取り出し液を酸性にするpH調整手段
と、pH調整後の反応液又は処理液に有機溶剤を添加
し、有機溶媒層と水層とに分離する分離手段と、分離し
た有機溶剤中の油分を測定する油分測定手段とを具備し
てなることを特徴とする有機ハロゲン化物分解処理シス
テムにある。
【0016】第4の発明は、第3の発明において、上記
油分測定手段が赤外吸収手段であることを特徴とする有
機ハロゲン化物分解処理システムにある。
【0017】第5の発明は、第3の発明において、上記
水熱酸化分解装置からの処理液又は反応液中の有機ハロ
ゲン化物濃度を計測する有機ハロゲン化物モニタリング
手段を具備してなることを特徴とする有機ハロゲン化物
分解処理システムにある。
【0018】第6の発明は、第3の有機ハロゲン化物分
解処理システムの油分モニタリング装置を用い、油分量
が設定量以上の場合に、水熱酸化分解装置の運転制御を
行なうことを特徴とする有機ハロゲン化物分解処理設備
の運転制御方法にある。
【0019】第7の発明は、第6の発明において、油分
量の監視が水熱酸化分解装置の一次反応器との二次反応
器との間の反応液中、又は気液分離手段で分離後の排水
中のいずれかで行なうことを特徴とする有機ハロゲン化
物分解処理設備の運転制御方法にある。
【0020】第8の発明は、第6の発明において、上記
運転制御が有機ハロゲン化物分解処理設備の加熱制御、
加圧制御、有機ハロゲン化物処理液の投入量の制御、酸
化剤の投入量の制御、又は水酸化ナトリウム(NaO
H)の投入量の制御の少なくとも一であることを特徴と
する有機ハロゲン化物分解処理設備の運転制御方法にあ
る。
【0021】第9の発明は、加熱・加圧された反応器内
において炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有
機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応
により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO
2)等に分解させる水熱酸化分解装置を用いて有機ハロ
ゲン化物を分解処理するに際し、反応液又は排水中の油
分量を監視することを特徴とする有機ハロゲン化物分解
処理設備の油分量の監視方法にある。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明による有機ハロゲン化物分
解処理システムの実施の形態を以下に説明するが、本発
明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0023】図1に有機ハロゲン化物分解処理システム
の概略を示す。図1に示すように、本実施の形態にかか
る有機ハロゲン化物分解処理システムは、加熱・加圧さ
れた反応器内において炭酸ナトリウム(Na2 CO3
の存在下、有機ハロゲン化物(PCB)の脱塩素反応お
よび酸化分解反応により、PCBを塩化ナトリウム(N
aCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる水熱酸
化分解装置120と、反応液又は処理液中の油分量を監
視する油分モニタリング装置100とを具備してなるも
のである。
【0024】上記水熱酸化分解装置120はPCB分解
処理エリア120Aと供給エリア120Bとからなり、
水熱酸化分解装置120としては、図6に示した水熱酸
化分解処理する水熱酸化分解処理手段を用いることがで
きるが、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下でP
CB分解を行なうものであれば、これに限定されるもの
ではない。
【0025】また、図1においては、分析・運転制御エ
リア120Cとして切替弁150により水熱分解装置で
の各所定箇所での反応液、処理液等を分析試料として採
取するようにしている。また、この分析・運転制御エリ
ア120Cには、後述する処理排水中のPCB濃度を測
定するPCBモニタリング装置10も併設している。
【0026】本発明で被処理物としては、例えばトラン
スやコンデンサからのPCB含有絶縁油(高濃度〜低濃
度まで各種)、PCB含有塗料等を例示することができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0027】本発明では、反応液又は処理液中の油分量
を監視する油分モニタリング装置100を設けることに
より、間接的に上記水熱酸化分解装置120のPCB分
解の程度をモニタリングすることができ、適正な分解処
理が進行されていることを監視するものである。
【0028】図2に油分モニタリング装置の一例を示
す。図2に示すように、油分モニタリング装置100
は、処理液(又は反応液)101中の一部を取り出す定
量ポンプ102と、酸性溶液タンク103から定量ポン
プ104を介して酸性溶液105を所定量添加して上記
取り出した処理液101のpHを酸性にするpH調整手
段106と、pH調整後の処理液101に有機溶剤タン
ク107から定量ポンプ108を介して有機溶剤109
を所定量添加して上記pH調整後の処理液101中の油
分を有機溶剤側へ移行させる油分抽出手段110と、上
記油分抽出手段110で攪拌された混合液体を静置し、
有機溶媒層111と水層112とに分離する分離手段1
13と、分離した有機溶剤層111中の油分を測定する
油分測定手段114とを具備してなる。
【0029】なお、上記pH調整手段106と油分抽出
手段110にはそれぞれ図示しない例えば攪拌子等の攪
拌手段等により効率的な攪拌処理ができるようにしてい
る。また、処理液のpHは通常6〜8程度であるので、
その取り出し量は100cc/分程度とすればよい。
【0030】上記pH調整手段106でのpHの調整に
は、例えば5〜10%程度の希塩酸等を用い、pHを2
程度(望ましくはpH2以下)とすることが好ましい。
これは、pHを2程度とすることで処理液101中の炭
酸ナトリウム等の無機塩を効率的に溶解させることがで
きるからである。なお、上記酸性処理する場合において
は、塩酸に限定されるものではなく、例えば硫酸、硝酸
等の他の無機酸を用いるようにしてもよい。
【0031】また、上記油分抽出手段110で用いる有
機溶剤としては、例えばクロロトリフルオロエチレン
[Cl(CF2 −CFCl)2 Cl]、四塩化炭素(C
Cl4)等を用いるのが好ましい。これは、その後に油
分を測定する場合に、赤外吸収法によりその濃度を測定
するので、該赤外領域(3.4〜3.5μm)におい
て、吸収がない溶媒を用いるのが特に好ましいからであ
る。
【0032】上記油分測定手段114は、赤外線発光部
115と受光部116と油分指示計117とを具備して
なる赤外線吸収測定装置である。また、上記油分測定手
段114において、好ましくは有機溶媒層111を連続
的に処理できる赤外吸収部118をフローセル型とする
のが好ましい。上記油分指示計117で計測する油分量
は分解処理条件により異なるが、通常0.1〜0.5ppm
以下程度である。よって、分解処理装置の規模、処理量
により所定の設定値を求め、その所定値に達しているか
否かを判定することができる。
【0033】本実施の形態によれば、分解反応の排水中
の油分濃度を連続的にモニタリングすることができる。
また、オンラインで計測するので、計測結果を、運転制
御に迅速にフィードバックすることができる。
【0034】また、PCBの水熱分解装置において、P
CBをはじめとする油分量の高精度な監視が連続して実
施できるので、分解処理を常に一定に維持することがで
き、分解処理効率が結果として向上することになる。
【0035】また、システムのオンライン化を図ること
で、無人計測が可能であるので、装置の維持費用、運転
費用の削減が可能である。
【0036】[第2の実施の形態]また、本システムに
おいては、図1に示すように排水液133中のPCBモ
ニタリング装置10により外部へ排出するPCB濃度も
監視するようにしている。以下、PCBモニタリング装
置10の一例の概略を説明する。排水モニタリング手段
としては、図1、図3及び図4に示すような、固相抽出
ガスクロマトグラフ装置を挙げることができる。
【0037】図1、図3及び図4に示すように、本実施
の形態にかかるPCBモニタリング装置10は、水溶液
中の有機ハロゲン化物の濃度を検出する検出装置であっ
て、採取試料11を導入し、固相吸着材で有機ハロゲン
化物(PCB)を保持する固相・吸着手段12と、該固
相・吸着手段12からの溶出液をオートサンプラー13
を介して導入し、溶出された有機ハロゲン化物の定性及
び定量分析を行う検出手段14とを備えてなるものであ
る。
【0038】また、この検出手段14により検出された
PCB濃度は、監視司令室へ送ると共に、例えば所定の
モニタ装置15により外部へ公表するようにしてもよ
い。
【0039】上記固相・吸着手段12は、図4(A)に
示すように、抽出カラム21内に固相吸着材22が挿入
されてなるものであり、上記固相吸着材はシリカゲル又
はアルミナから構成されている。
【0040】上記固相吸着材に保持された有機ハロゲン
化物を溶出する溶出液は目的の有機ハロゲン化物のみを
溶出する溶剤であれば特に限定されるものではないが、
例えばPCBの場合には、無極性溶剤(例えばn−ヘキ
サン)を挙げることができる。
【0041】また、排水の監視は所定時間毎に行う必要
があるので、定期的に採取試料を導入する試料導入手段
を設け、自動的なサンプリングが可能となる。
【0042】また、分析精度を向上させるために、必要
に応じて1度に数件体を同時に行うような場合には、上
記カラム21を複数本用意して、同時に有機ハロゲン化
物を固相・吸着するようにしてもよい。
【0043】以下に、固相・吸着手段12の抽出工程を
図4(A)〜(D)を参照して説明する。 コンディショニング工程 再現性のよい結果を得るために、試料を供給する前に、
固相吸着材22にコンディショニング液31を供給し
て、なじませる(図4(A)参照)。 保持工程 次に、採取試料32をカラム21内に導入する(図4
(B)参照)。ここで、試料中には目的物であるPCB
33と、不純物X(不要なマトリックス)及び不純物Y
(その他のマトリックス中の成分)とが含まれていると
する。 洗浄工程 次に、固相吸着材22に保持された不純物Xを洗浄液
(例えばメチルアルーコール)で洗い流す(図4(C)
参照)。 溶出工程 次に、固相吸着材22に保持された目的物であるPCB
33を溶出液(n−ヘキサン)35で溶出させる。この
溶出の際に、不純物Xは固相吸着材22中に残りPCB
33との分離がなされる(図4(D)参照)。
【0044】図5に上記有機ハロゲン化物の検出装置を
用いた固相抽出の工程図を示す。 先ず、固相吸着材22にn−ヘキサンを20mL供給
し、固相乾燥(真空引き)を5分行う(S101)。 次いで、メチルアルコールを20mL、超純水を20
mLを流した後、試料(0.1〜1L)を導入し、PCB
を捕修し、固相抽出する(S102)。この際、試料に
はメチルアルコールを1%添加した。このメチルアルコ
ールの添加はPCBを分散させる機能を有している。 その後、洗浄液(メチルアルコール)を5mLを流し
(通液速度:0.3cc/s)洗浄する(S103)。 その後、固相吸着材22を乾燥(真空引き)を5分行
う(S104)。 その後、n−ヘキサンを用い、通液速度を0.3cc/
sとしてPCBを溶出させ(S105)、5mL定容す
る(S106)。 次いで、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−M
S)又はガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計
(GC−ECD)のいずれかで分析し(S107)、P
CB濃度を測定する(S108)。 上記PCBを溶出したカラムは再生処理したのち、再
度PCBの測定に供することができる。
【0045】この時の分析時間は約2時間弱であった。
なお、検出器はガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器
分析計(GC−ECD)を用いた。
【0046】環境排出基準値は3ppb(0.003mg
/L)以下であることが要求されているが、本発明の装
置によれば、検出下限値が0.5ppbであり、迅速分析
でしかも簡易な装置によって、十分に対応することがで
きた。
【0047】よって、本計測装置を用いて、所定時間毎
に分析して、例えば排水の排出基準を満たしているかを
常に監視することができ、非常事態があった場合に、P
CB濃度が排出基準を超える場合には、タンクを切替
て、再度排水中のPCBを処理すべく、水熱分解装置1
20へ送るようにして、外部環境汚染を防止することが
できる。
【0048】なお、PCBの直接分析には2時間程度を
要するので、上述したように、油分量の測定手段を併用
することで、PCB分解処理が的確に行なわれているか
を常に監視しつつPCB処理することができる。但し、
上記PCB濃度を測定することで、排水基準を維持する
ことを確認するので、本発明のPCB分解処理システム
のように油分モニタリング装置100とPCBモニタリ
ング装置10を併設することで初めて適正な監視をする
ことができる。
【0049】このように、図1に示すように、本発明の
PCB分解処理システムの油分モニタリング装置を用
い、油分が所定量以上の場合に、水熱酸化分解装置の運
転制御を行なうことにより、常に適正な運転を維持する
ことができる。上記運転制御としては、例えばPCB分
解処理設備の加熱制御、加圧制御、PCB処理液の投入
量の制御、酸化剤の投入量の制御、又は水酸化ナトリウ
ム(NaOH)の投入量の制御の少なくとも一を制御す
るものである。
【0050】その他、圧力及び供給する酸化剤等の供給
量を調整するようにしてもよい。
【0051】また、処理対象物中のPCB濃度が低い場
合には、二次反応器126通過後の処理液を再度一次反
応器122へ再度送り、PCB濃度を濃縮するようにし
てもよい。この際の反応条件はPCBは分解しない程度
の条件で分解処理を行なうようにすればよい。
【0052】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明の第1の
発明によれば、加熱・加圧された反応器内において炭酸
ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有機ハロゲン化
物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナ
トリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解
させる水熱酸化分解装置と、反応液又は処理液中の油分
量を監視する油分モニタリング装置とを具備してなるの
で、処理液中の油分を迅速に計測することができ、適正
な有機ハロゲン化物の分解処理がなされていることを間
接的に監視することができる。
【0053】第2の発明は、第1の発明において、上記
水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータを併設した
筒形状の一次反応器と、油又は有機溶媒,有機ハロゲン
化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)
の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱する
予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応器と、
二次反応器からの処理液を冷却する冷却器と、処理液を
気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてなるの
で、有機ハロゲン化物の水熱分解処理が適切に行なわれ
る。
【0054】第3の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記油分モニタリング装置が反応液又は処理液中の
一部を取り出し、取り出し液を酸性にするpH調整手段
と、pH調整後の反応液又は処理液に有機溶剤を添加
し、有機溶媒層と水層とに分離する分離手段と、分離し
た有機溶剤中の油分を測定する油分測定手段とを具備し
てなるので、処理液中の油分を迅速に計測することがで
き、適正な有機ハロゲン化物の分解処理がなされている
ことを間接的に監視することができる。
【0055】第4の発明は、第3の発明において、上記
油分測定手段が赤外吸収手段であるので、油分量を正確
に計測できる。
【0056】第5の発明は、第3の発明において、上記
水熱酸化分解装置からの処理液又は反応液中の有機ハロ
ゲン化物濃度を計測する有機ハロゲン化物モニタリング
手段を具備してなるので、排水処理する排液の監視と分
解監視とを併せて計測することができる。
【0057】第6の発明は、第3の有機ハロゲン化物分
解処理システムの油分モニタリング装置を用い、油分量
が所定の設定量以上の場合に、水熱酸化分解装置の運転
制御を行なうので、適正な有機ハロゲン化物の分解処理
が進行されているか否かを監視することができる。
【0058】第7の発明は、第6の発明において、油分
量の監視が水熱酸化分解装置の一次反応器との二次反応
器との間の反応液中、又は気液分離手段で分離後の排水
中のいずれかで行なうので、各種反応状態を監視でき、
適正な有機ハロゲン化物分解処理が進行されているか否
かを監視することができる。
【0059】第8の発明は、第6の発明において、上記
運転制御が有機ハロゲン化物分解処理設備の加熱制御、
加圧制御、有機ハロゲン化物処理液の投入量の制御、酸
化剤の投入量の制御、又は水酸化ナトリウム(NaO
H)の投入量の制御の少なくとも一であることで、適正
な有機ハロゲン化物の分解処理を行なうことができる。
【0060】第9の発明は、加熱・加圧された反応器内
において炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有
機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応
により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO
2)等に分解させる水熱酸化分解装置を用いて有機ハロ
ゲン化物を分解処理するに際し、反応液又は排水中の油
分量を監視するので、適正な有機ハロゲン化物分解処理
が進行されているか否かを監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物分
解処理システムの概略図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる油分モニタリング装
置の概略図である。
【図3】排水モニタリングシステムの概略図である。
【図4】排水モニタリングシステムの工程図である。
【図5】排水モニタリングシステムのフロー図である。
【図6】水熱酸化分解装置の概要図である。
【符号の説明】
10 有機ハロゲン化物モニタリング装置 11 採取試料 12 固相・吸着手段 13 検出手段 100 油分モニタリング装置 101 処理液(又は反応液) 102 定量ポンプ 103 酸性溶液タンク 104 定量ポンプ 105 酸性溶液 106 pH調整手段 107 有機溶剤タンク 108 定量ポンプ 109 有機溶剤 110 油分抽出手段 111 有機溶媒層 112 水層 113 分離手段 114 油分測定手段 120A PCB分解処理エリア 120B 供給エリア 120C 分析・運転制御エリア 120 水熱酸化分解装置 150 切替弁 121 サイクロンセパレータ 122 一次反応器 123a〜123d 処理液 124 加圧ポンプ 125 熱交換器 126 二次反応器 127 冷却器 128 減圧弁 129 気液分離器 130 活性炭槽 131 排ガス(CO2 ) 132 煙突 133 排水(H2 O,NaCl) 134 放出タンク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱・加圧された反応器内において炭酸
    ナトリウム(Na2CO3 )の存在下、有機ハロゲン化
    物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナ
    トリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解
    させる水熱酸化分解装置と、 反応液又は処理液中の油分量を監視する油分モニタリン
    グ装置とを具備してなることを特徴とする有機ハロゲン
    化物分解処理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記水熱酸化分解装置が、サイクロンセパレータを併設
    した筒形状の一次反応器と、油又は有機溶媒,有機ハロ
    ゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaO
    H)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱
    する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応器
    と、二次反応器からの処理液を冷却する冷却器と、処理
    液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてな
    ることを特徴とする有機ハロゲン化物分解処理システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記油分モニタリング装置が反応液又は処理液中の一部
    を取り出し、取り出し液を酸性にするpH調整手段と、 pH調整後の反応液又は処理液に有機溶剤を添加し、混
    合攪拌した後に有機溶媒層と水層とに分離する分離手段
    と、 分離した有機溶剤中の油分量を測定する油分測定手段と
    を具備してなることを特徴とする有機ハロゲン化物分解
    処理システム。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記油分測定手段が赤外吸収手段であることを特徴とす
    る有機ハロゲン化物分解処理システム。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 上記水熱酸化分解装置からの処理液又は反応液中の有機
    ハロゲン化物濃度を計測する有機ハロゲン化物モニタリ
    ング手段を具備してなることを特徴とする有機ハロゲン
    化物分解処理システム。
  6. 【請求項6】 請求項3の有機ハロゲン化物分解処理シ
    ステムの油分モニタリング装置を用い、油分量が設定量
    以上の場合に、水熱酸化分解装置の運転制御を行なうこ
    とを特徴とする有機ハロゲン化物分解処理設備の運転制
    御方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 油分量の監視が水熱酸化分解装置の一次反応器との二次
    反応器との間の反応液中、又は気液分離手段で分離後の
    排水中のいずれかで行なうことを特徴とする有機ハロゲ
    ン化物分解処理設備の運転制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 上記運転制御が有機ハロゲン化物分解処理設備の加熱制
    御、加圧制御、有機ハロゲン化物処理液の投入量の制
    御、酸化剤の投入量の制御、又は水酸化ナトリウム(N
    aOH)の投入量の制御の少なくとも一であることを特
    徴とする有機ハロゲン化物分解処理設備の運転制御方
    法。
  9. 【請求項9】 加熱・加圧された反応器内において炭酸
    ナトリウム(Na2CO3 )の存在下、有機ハロゲン化
    物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナ
    トリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解
    させる水熱酸化分解装置を用いて有機ハロゲン化物を分
    解処理するに際し、 反応液又は排水中の油分量を監視することを特徴とする
    有機ハロゲン化物分解処理設備の油分量の監視方法。
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