JP2002347197A - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフィルム

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JP2002347197A
JP2002347197A JP2001159821A JP2001159821A JP2002347197A JP 2002347197 A JP2002347197 A JP 2002347197A JP 2001159821 A JP2001159821 A JP 2001159821A JP 2001159821 A JP2001159821 A JP 2001159821A JP 2002347197 A JP2002347197 A JP 2002347197A
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Yoshio Meguro
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】耐削れ性、電磁変換特性が良く、フィルム製造
時および磁気記録媒体製造時のスリット性に優れたフィ
ルムを、生産性良く、低コストで提供する。 【解決手段】 ポリエステルからなるB層の両面にポリ
エステルからなるA1層、A2層が積層されている二軸配
向積層ポリエステルフィルムであって、該ポリエステル
1層、およびA2層は、架橋高分子粒子と無機粒子を含
有し、下記式(1)〜(4)を同時に満足すること特徴
とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。 0.10≦A1d/A2d≦0.20 …(1) 2≦A2Ra−A1Ra≦5 …(2) 0.020≦Δn≦0.030 …(3) 1.1≦YTD/YMD≦1.5 …(4) (上記式中、A1d、A2dは、A1、A2層の積層の厚
み、A1Ra、A2Raは、A1、A2層の平均粗さ、Δn
は幅方向の屈折率(nTD)と長手方向の屈折率(nMD
との差、YMDはフィルムの長手方向のヤング率、YTD
フィルムの幅方向のヤング率を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向積層ポリ
エステルフィルムに関する。詳しくは、本発明は、高密
度磁気記録媒体用ベースフィルムとして、磁気記録媒体
としての走行性および電磁変換特性を高度に満足し、耐
削れ性に優れかつドロップアウト発生防止の点で優れる
軸配向積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、各種
の特性を高度にバランス良く有し、コストパフォーマン
スの点で優れるため、産業用資材として広く用いられて
いる。ポリエステルフィルムの数多い用途の中でも、特
に磁気テープ用途において、近年、磁気テープの高品質
化のためにベースフィルムに対する要求特性がますます
高度になってきている。すなわち、電磁変換特性を向上
させるためフィルム表面が平坦であることが強く望ま
れ、ドロップアウトの原因となるような粗大突起が存在
しないことが必須の条件になっている。一方、磁気記録
媒体の走行性を高めるため、フィルム表面を適度に粗面
化し、フィルムの摩擦係数を低くすることも必要であ
る。
【0003】かかる要件に加え、最近は特にフィルム製
造時および磁気記録媒体製造時のフィルムのスリット性
に優れることが望まれるようになっている。フィルムの
スリット性が不足すると、フィルム製造時にはスリット
断面の形状が均一でないためにシワが発生したり、スリ
ット刃の交換を頻繁に行わなくてはならないという問題
が生じる場合がある。また、スリットにより発生した切
り粉や磁気記録媒体製造時のスリット工程で発生した切
り粉が、フィルム表面や磁性層面に付着することにより
ドロップアウトの原因になるという問題がある。一方、
フィルムを加工する工程においては、磁気記録媒体製造
時の磁性層塗布工程やカレンダー工程、巻き取り工程に
おいて、ロールやガイドとの接触によりフィルム表面が
削り取られ、その傷が原因で電磁変換特性が悪化した
り、削れ粉がドロップアウトの原因になるという問題が
ある。
【0004】また、特に最近はビデオソフトの普及に伴
い、ソフトビデオテープ生産性向上のため高速ダビング
装置が使用されるようになり、かかる高速ダビング装置
を使用する場合、磁気テープに対してのみならず、その
ベースフィルムに対しても高度な品質が要求されるよう
になってきた。すなわち、ダビング時のテープの走行速
度は、通常のビデオ再生時の走行よりも高速であるた
め、従来の磁気テープにおける走行性向上とは異なる設
計が必要になる。例えば、高速走行時の走行安定性が良
好で蛇行を起こさないこと、走行時に磁気テープが削れ
て、その削れ粉の影響でドロップアウト等の問題を起こ
さないこと等が要求される。これらの品質の厳しい要求
に加え、コスト低減の要求も強く、ベースフィルム生産
性が良好であることも必数である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたのものであって、その解決課題は、高速走
行でフィルム表面が削り取られにくく、電磁変換特性が
良く、しかもフィルム両面の要求特性に応じて各面それ
ぞれに最適な表面特性を持たせ、さらにフィルム製造時
および磁気記録媒体製造時のスリット性に優れたフィル
ムを、生産性良く、低コストで提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、特定構成の積層フィルムが優れ
た特性を有することを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、ポリエステル
からなるB層の両面にポリエステルからなるA1層、A2
層が積層されている二軸配向積層ポリエステルフィルム
であって、該ポリエステルA1層、およびA2層は、平均
粒径0.10〜0.50μmの架橋高分子粒子を0.0
5〜0.30重量%、平均粒径が0.01〜0.30μ
mの無機粒子を0.30〜0.60重量%含有し、下記
式(1)〜(4)を同時に満足すること特徴とする二軸
配向積層ポリエステルフィルムに存する。 0.10≦A1d/A2d≦0.20 …(1) 2≦A2Ra−A1Ra≦5 …(2) 0.020≦Δn≦0.030 …(3) 1.1≦YTD/YMD≦1.5 …(4) (上記式中、A1dは、A1層の積層厚み(μm)、A2
dは、A2層の積層厚み(μm)、A1Raは、A1層の
平均粗さ(nm)、A2Raは、A2層の平均粗さ(n
m)、Δnは幅方向の屈折率(nTD)と長手方向の屈折
率(nMD)との差、Y MDはフィルムの長手方向のヤング
率(GPa)、YTDはフィルムの幅方向のヤング率(G
Pa)を表す)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にいう積層フィルムとして、全ての層が押し出し
機の口金から共溶融押し出しされる、いわゆる共押し出
し法により押し出されたものを、延伸および熱処理され
たものが挙げられる。以下、共押し出し3層フィルムに
ついて説明するが、本発明の要旨を超えない限り、本発
明は共押し出し3層フィルムに限定されず、4層または
それ以上の多層であってもよい。例えば、B層のA層を
積層する場合に、B層を2層または3層構造とし、フィ
ルム全体として4層または5層のフィルムにするという
形態も採用できる。
【0009】本発明の積層フィルムの各層を構成するポ
リエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステ
ルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリ
エステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチ
レンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフ
タレート単位を有するポリエステルを指す。そして、上
記の範囲内であれば、他の第三成分を含有してもよい。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル
酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例え
ば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン
酸、オキシカルボン酸、(例えば、p−オキシエトキシ
安息香酸等)等を用いることができる。グリコール成分
としては、エチレングリコール以外に、例えば、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコール等の一種または二種以上を用いることがで
きる。
【0010】また、ポリエステルに任意の添加剤、例え
ば、熱安定剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を含有させてもよい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、ポリエ
ステルB層の両面にポリエステルA1層およびA2層を積
層した3層構造からなり、該ポリエステルA1層および
2層に次の二種類の粒子を同時に含有させることに特
徴の一つを有するものである。すなわち、用いる第一の
粒子は、平均粒径が0.01〜0.30μm、好ましく
は0.05〜0.25μm、さらに好ましくは0.10
〜0.20μmの無機粒子である。平均粒径が0.01
μm未満では、耐摩耗性あるいは耐擦り傷性が劣り好ま
しくない。一方、0.30μmを超えると、フィルム表
面平坦性や耐摩耗性が不十分となる。
【0011】無機粒子のポリエステル中の含有量は、
0.30〜0.60重量%、好ましくは0.35〜0.
55重量%、さらに好ましくは0.40〜0.50重量
%である。ポリエステル中の含有量が0.30重量%未
満では、耐擦り傷性が悪化し好ましくない。一方、ポリ
エステル中の含有量が0.60重量%を超えると、フィ
ルムの製造および磁気テープ加工工程のスリット工程に
おいて、切断刃の損傷の度合いが大きくなり、フィルム
の製造および磁気テープ加工工程時に切断刃の取り替え
頻度が多くなり、生産性の低下を招くので好ましくな
い。
【0012】無機粒子としては、例えば酸化アルミニウ
ム粒子を用いることができる。かかる酸化アルミニウム
粒子の製法としては、例えば熱分解法、すなわち無水塩
化アルミニウムを原料として火焔加水分解させる方法、
あるいはアンモニウム明礬ばん熱分解法、すなわち水酸
化アルミニウムを原料として硫酸と反応させて硫酸アル
ミニウムとした後、硫酸アンモニウムと反応させてアン
モニウム明ばんとして焼成する方法等を挙げることがで
きる。これらの方法により得られる酸化アルミニウム粒
子の結晶形態は、耐擦り傷性において有効なのは、δ
型、γ型が好ましく、さらに好ましいのはδ型である。
【0013】本発明の二軸配向積層ポリエステルフィル
ムにおいて、ポリエステルA1層およびA2層に含有する
第二の粒子は、平均粒径が0.10〜0.50μm、好
ましくは0.20〜0.40μm、さらに好ましくは
0.25〜0.35μmの架橋高分子粒子である。架橋
高分子粒子の平均粒径が0.10μm未満では、フィル
ムの滑り性が不足し、フィルム生産性や加工時の生産性
が低下したり、耐摩耗性が不十分である。一方、平均粒
径が0.50μmを超えると、フィルムの平坦性を損な
うため、磁気テープとしたとき出力低下を招き、電磁変
換特性が悪化するので好ましくない。
【0014】本発明において架橋高分子粒子のポリエス
テル中における含有量は、0.05〜0.30重量%、
好ましくは0.10〜0.20重量%である。ポリエス
テル中の含有量が0.05重量%未満では、フィルムの
滑り性や耐摩耗性が不十分である。一方、ポリエステル
中の含有量が0.30重量%を超えると、フィルムの表
面粗度が大きくなり過ぎて、電磁変換特性が低下するの
で好ましくない。かかる架橋高分子粒子は、通常次のよ
うにして得ることができる。すなわち、分子中にただ一
個の脂肪族の不飽和結合を有するモノビニル化合物
(A)と、架橋剤として分子中に二個以上の脂肪族の不
飽和結合を有する化合物(B)との共重合体を例示する
ことができる。この場合かかる共重合体はポリエステル
と反応し得る基を持っていてもよい。
【0015】共重合体の一成分である化合物(A)とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、およびこれらのメチ
ルまたはグリシジルエステル、無水マレイン酸およびそ
のアルキル誘導体、ビニルグリシジルエーテル、酢酸ビ
ニル、スチレン、アルキル置換スチレン等を挙げること
ができる。また、化合物(B)としてはジビニルベンゼ
ン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタクリ
レート等を挙げることができる。化合物(A)および
(B)は、各々一種類以上用いるが、エチレンや窒素原
子を有する化合物を共重合させてもよい。これらの共重
合体の典型的な例としては、メタクリル酸メチルとジビ
ニルベンゼン、アクリル酸メチルとジビニルベンゼンの
共重合体を挙げることができる。
【0016】また、これらアルキルエステル基を有する
架橋高分子をケン化するか、メタクリル酸エステルの代
わりにメタクリル酸、アクリル酸エステルの代わりにア
クリル酸を用いて共重合を行えば容易にカルボキシル基
を有する架橋高分子を得ることができる。市販の弱酸性
陽イオン交換樹脂は、架橋構造を有すると共にカルボキ
シル基を有しているので、本発明に用いる架橋高分子と
して好適に用いることができる。また、この中間原料で
あるアルキルエステル基を有する架橋高分子を利用して
もよい。さらに、スチレンとジビニルベンゼンとの共重
合体も好ましく用いることができる。
【0017】これらの粒子は多孔質であってもよく、そ
のためには化合物(A)と化合物(B)とを共重合させ
るに際し、化合物(C)を存在させ、重合後化合物
(C)を有機溶媒で除去させる方法が一般に好適に採用
される。化合物(C)としては例えばn−ヘキサン、n
−ヘプタン、シクロヘキサン、ケロシン、トルエン、キ
シレン等の炭化水素化合物、n−ブタノール、n−ヘキ
サノール、プロピルアルコール等のアルコール化合物、
およびポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアル
キレンオキサイド等を挙げることができる。なお、化合
物(A)と化合物(B)とを共重合させるための重合開
始剤としては周知の化学的ラジカル開始剤、例えばアゾ
イソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等を用い
るか、紫外線照射法が簡便であるが、単に加熱によって
重合を開始させてもよい。
【0018】いずれにしても、これらの共重合体は架橋
構造を有し、ポリエステルの製造あるいは成型時の高温
においても実質的に不溶、不融で耐熱性を有するもので
なければならない。このためには、かかる架橋高分子の
架橋度は6〜50%、さらには7〜45%が好ましい。
架橋度は下記の式で定義される数値であるが、この値が
8%未満であると粉砕が困難となる傾向があり、50%
を超えても最早粉砕の容易さに変わりはなく、官能基の
密度は減ずるのでポリエステルとの結合力が乏しくな
る。 架橋度(%)=ジビニル化合物重量×100/モノマー
【0019】本発明において用いることのできる架橋高
分子粒子は、これらの共重合体に限定される訳でなく、
例えば熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹
脂、熱硬化性尿素樹脂、ベンゾグアミン樹脂、あるいは
ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂を用
いることもできる。本発明の二軸配向積層ポリエステル
フィルムの最大の特徴は、ポリエステルB層の両面にポ
リエステルA1層およびA2層を積層した3層構造からな
り、ポリエステルA1層およびA2層の積層層厚みを変え
ることで同じ不活性微粒子と含有量であっても、異なる
表面形状にすることにある。すなわち、ポリエステルA
1層の積層厚みA1d(μm)およびポリエステルA2
の積層厚みA2d(μm)は、下記式(1)を満足する
必要がある。 0.10≦A1d/A2d≦0.20 …(1)
【0020】上記式(1)において、(A1d/A2d)
の値が0.10未満では、A1層のフィルム表面が平坦
になり過ぎるために、フィルム製造工程でフィルム表面
に擦り傷発生や巻き取り性が悪化し、歩留まり低下を招
くので好ましくない。一方、(A1d/A2d)の値が
0.20を超えると、磁性層を塗布するA1層のフィル
ム表面が粗面化してくるために、高密度磁気記録媒体用
としての電磁変換特性が悪化するために好ましくない。
(A1d/A2d)の値は、0.15〜0.18の範囲に
あることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.
15の範囲である。それぞれの層の望ましい厚みとして
は、ポリエステルA1層は、0.2〜0.4μmであ
り、ポリエステルA2層は、1.5〜2.5μmの範囲
である。
【0021】さらに、本発明の二軸配向積層ポリエステ
ルフィルムにおいて、ポリエステルA 1層およびA2層そ
れぞれのフィルム表面の平均粗さ(A1Ra、A2Ra
(nm))は、下記式(2)を満足する必要がある。 2≦A2Ra−A1Ra≦5 …(2) 上記式(2)において(A2Ra−A1Ra)の値が2未
満では、ポリエステルA 1層のフィルム表面が粗面化す
るために、電磁変換特性が悪化するために好ましくな
い。(A2Ra−A1Ra)の値が5を超えると、ポリエ
ステルA1層のフィルム表面が平坦になりすぎるため
に、フィルム製造工程でフィルム表面に擦り傷発生や巻
き取り性が悪化し生産性が低下するので好ましくない。
ポリエステルA 1層のフィルム表面の望ましい平均粗さ
は、4〜9nm、好ましくは5〜8nmの範囲である。
【0022】本発明の二軸配向積層ポリエステルフィル
ムの幅方向の屈折率(nTD)と長手方向の屈折率
(nMD)との差(Δn;nTD−nMD)が下記式(3)を
満足する必要がある。 0.020≦Δn≦0.030 …(3) 上記の範囲にすることにより裁断性に優れ、磁気テープ
のベースフィルムとして適したものになる。幅方向の屈
折率(nTD)と長手方向の屈折率(nMD)との差(Δ
n)が0.020未満では、磁気テープをシェアーカッ
ター等で裁断(スリット)する際、切り口が筋状にめく
り上がったり、切り口からヒゲや切粉が発生するため
に、電磁変換特性の悪化やドロップアウトを誘起させる
ので好ましくない。一方、幅方向の屈折率(nTD)と長
手方向の屈折率(nMD)との差(Δn)が0.030を
超えると、熱収縮率等の不都合が生じために好ましくな
い。幅方向の屈折率(nTD)と長手方向の屈折率
(nMD)との差(Δn)が0.022〜0.027の範
囲であることがさらに好ましい。
【0023】本発明の二軸配向積層フィルムのB層を構
成するポリエステルの極限粘度は、通常0.620未
満、好ましくは0.60未満、さらに好ましくは0.5
8未満である。極限粘度が0.62以上では、フィルム
のスリット性が悪化する傾向がある。B層の極限粘度の
下限は、フィルムの生産性の点から、通常0.45、好
ましくは0.48、さらに好ましくは0.500であ
る。A層の極限粘度にもよるが、B層の極限粘度が0.
45未満では、フィルム生産時に破断の発生頻度が高く
なる傾向がある。さらに、B層の極限粘度は表層を構成
するポリエステルの極限粘度は表層を構成するポリエス
テルの極限粘度より0.02以上低いこと、言い換える
と、A1層およびA2層の極限粘度はB層の極限粘度より
も0.02以上、さらには0.03以上高いことが好ま
しい。表層の極限粘度が低くなると、フィルムの耐摩耗
性が悪化する傾向がある。A1層およびA2層の極限粘度
は、好ましくは0.57以上、さらに好ましくは0.5
8以上、特に好ましくは0.600以上である。
【0024】本発明の二軸配向積層フィルムは、幅方向
のヤング率(YTD)と縦方向のヤング率(YMD)の比が
下記式(4)を満足する必要がある。 1.1≦YTD/YMD≦1.5 …(4) 幅方向のヤング率(YTD)と長手方向のヤング率
(YMD)の比が1.1未満では、フィルムのスリット性
が悪化し、磁気テープ製造時の生産性が低下したり、ス
リット時に発生する切り粉が原因で磁気テープのドロッ
プアウト特性が悪化する問題が発生する。一方、幅方向
のヤング率(YTD)と長手方向のヤング率(YMD)の比
が1.5を超えると、フィルム製造時の生産性が低下す
るので好ましくない。幅方向のヤング率(YTD)と長手
方向のヤング率(YMD)の比が1.2〜1.4の範囲で
あることが好ましい。さらに、本発明の二軸配向積層ポ
リエステルフィルムの幅方向のヤング率が通常5.5G
Pa以上、好ましくは5.7GPa以上、さらに好まし
くは6.0GPa以上であり、かつ幅方向の引っ張り破
断伸度が100%以下、好ましくは90%以下である場
合、特にスリット性に優れ、磁気テープのベースフィル
ムとして適したものとなる。幅方向の引っ張り破断伸度
の下限は、好ましくは50%、さらに好ましくは60%
である。また、ヤング率の上限は、10GPa、好まし
くは8.0GPaである。引っ張り破断伸度が低すぎた
り、ヤング率が高すぎる場合は、フィルム製造時の生産
性が悪化することになる。
【0025】本発明において、二軸配向積層フィルムを
得る方法としては、共押し出し法が好ましく用いられ
る。以下共押し出し法による例について説明する。それ
ぞれの層を構成するポリエステル原料を、共押し出し積
層用押し出し装置に供給する。すなわち、2または3台
以上の押し出し機、3層以上のマルチマニホールドまた
はフィードブロックを用いて積層し、スリット状のダイ
から3層以上の溶融シートとして押し出す。その際、そ
れぞれの層の厚みメルトラインに設置したギヤポンプ等
のフィーダーによりポリマーの流量調整により設定する
ことができる。次に、ダイから押し出された溶融シート
を、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度にな
るように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シート
を得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、
シートと回転ドラムとの密着性を高めることが好まし
く、本発明においては静電印加密着法または流体塗布密
着法が好ましく採用される。
【0026】本発明においてはこのようにして得られた
シートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件
について具体的に述べると、前記未延伸シートを好まし
くは70〜150℃、さらに好ましくは75〜130℃
の温度範囲で、まず一方向にロールもしくはテンター方
式の延伸機により3.0〜7倍、好ましくは3.2〜6
倍に延伸する。次に一段目と直交する方向に、好ましく
は75〜150℃、さらに好ましくは80〜140℃の
温度範囲で3.2〜7倍、好ましくは3.5〜6倍に延
伸を行い、2軸に配向したフィルムを得る。なお、一方
向の延伸を2段以上で行う方法も用いることができる
が、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入る
ことが望ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が
10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能
である。
【0027】かくして得られたフィルムを150〜25
0℃で、30%以内の伸長、制限収縮、または定長下で
1秒〜5分間熱処理する。二軸延伸した後、さらに11
0〜180℃の温度で縦方向に1.05〜2.5倍再延
伸を行い、次いで熱処理する方法も採り得る。この際、
再縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前また
は後微小倍率縦延伸等の手法を適宜採用も可能である。
また、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。また、必
要に応じて製膜工程内で各種の表面処理を施しても構わ
ない。また、本発明のフィルムは、特に磁気記録媒体用
として使用する場合、磁性層との接着性を高めるため、
フィルム表面に塗布層を設けてもよい。塗布層は、フィ
ルム製造工程内で設けてもよいし、フィルム製造後に塗
布してもよい。特に塗布厚みの均一性や、生産効率の点
で、フィルム製造工程の縦延伸後、横延伸工程の前に塗
布する方法が好ましい。
【0028】塗布剤の例としては、磁性層との接着性に
優れる、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポ
リアクリレート、ポレカーボネート、ポリアリレート、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアルコール、ポリウレタンなどの樹
脂および樹脂の共重合体や混合体などを挙げることがで
きるが、これらに限定されるわけでない。これらの中で
最も好ましい塗布剤樹脂は、ポリエステル系樹脂であ
る。また、フィルムのブロッキングによる取り扱い性低
下を防止するため、塗布層中に架橋成分を配合すること
が好ましい。架橋成分としては、エポキシ系、メラミン
系、イソシアネート系、アジリジン系、オキサゾリン系
の架橋剤が使用できる。
【0029】本発明で用いる塗布剤は、水を媒体とする
塗布剤であることが好ましい。水を媒体とする場合は、
界面活性剤などによって強制分散化した塗布剤であって
もよいが、好ましくはポリエーテル類のような親水性の
ノニオン成分や、四級アンモニウム塩のようなカチオン
性基を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好ましく
は、アニオン性基を有する水溶性または水分散性樹脂塗
布剤である。特に高速ダビング装置に使用されるビデオ
パンケーキ用の磁気記録媒体ベースフィルムとして使用
される場合は、かかる易接着処理を施し、磁性層の剥離
を防止することが品質を高めるために有効である。な
お、本発明においては、製膜に共するポリエステル全量
に対し、10重量%程度以下の他のポリマー(例えばポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリ
イミド等)を含有させることができる。また、必要に応
じ、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等の添
加剤を配合してもよい。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例における種々の物性および特性の測定法法、定義は下
記のとおりである。実施例および比較例中「部」とある
は「重量部」を示す。
【0031】(1)粒子の平均粒径(μm) 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP
3型)で測定した。本発明において平均粒径とは、その
形状の如何にかかわらず等価球形分布の積算体積分率5
0%の粒径を平均粒径とした。
【0032】 (2)ポリマーの極限粘度[η](dl/g) フィルム1gをフェノール/テトラクロロエタン=50
/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、3
0℃で測定した。
【0033】(3)フィルム積層厚み(μm) フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミク
ロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡
(日立製H−9000)にて観察した。その断面のうち
フィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観
察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型
電子顕微鏡写真1枚について平均し厚みとした。ただ
し、加速電圧は300KV、倍率は最表層厚みに応じ、
1万倍〜10万倍の範囲で設定した。これを少なくとも
50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10
点、薄い方から10点を削除して30点の相加平均値を
フィルム積層厚みとした。
【0034】(4)フィルム表面粗さ(Ra) 中心線平均粗さRa(nm)をもって表面粗さとする。
(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用
いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲
線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の
部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦
倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表した
とき、次の式で与えられた値を[nm]で表す。中心線
平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を
求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心
線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は
2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08
mmとした。 Ra=(1/L)∫0 l|f(x)|dx
【0035】(5)フィルムのヤング率(GPa) (株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用
いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内に
おいて、長さ(チャック間)300mm、幅20mmの
試料フィルムを、10%/分の歪み速度で引っ張り、引
っ張り応力−歪み曲線の初期の直線部分を用いて次の式
によって計算した。 E=Δσ/Δε (上記式中、Eはヤング率(GPa)、Δσは直線上の
2点間の元の平均断面積による応力差(GPa)、Δε
は上記2点間の歪み差/初期長さ(−)を表す)
【0036】(6)耐摩耗性 下記に示す白粉発生量より耐摩耗性を評価した。 〈白粉発生量〉固定した直径6mmの硬質クロム製固定
ピンにフィルムを巻き付け角135°で接触させ、速度
は10m/min.、張力300gでフィルムを100
0mにわたって走行させ、ピンに付着した摩耗白粉量を
目視評価し、下に示すランク別に評価を行った。 ランクA:白粉が全く付着しない。 ランクB:白粉が微量付着する。 ランクC:少量(ランクBよりは多い)白粉が付着す
る。 ランクD:極めて多く白粉が付着する。
【0037】(7)スリット性 フィルムをスリット刃にて10000mスリットした
後、顕微鏡にて刃を観察した。刃の損傷状況により以下
のように評価した。 ◎:損傷はほとんど認められない。 ○:損傷が僅かに認められるが、実用上は問題ない。 △:損傷がやや大きく、長時間使用すると問題となる。 ×:損傷が大きく、実用上使用し難い。 スリット性が悪い場合は、フィルム製造時にはの交換を
頻繁に行わなければならない。また、スリット性は、磁
気テープ特性の中のドロップアウトによっても評価され
る。すなわち、スリット性が不良の場合はドロップアウ
トが増加してしまうことがある。
【0038】(8)磁気テープ特性 磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂30部、ニトロ
セルロース10部、塩化ビニル−酢酸セルロース共重合
体10部、レシチン5部、シクロヘキサン100部、メ
チルイソブチルケトン100部、およびメチルエチルケ
トン300部をボールミルにて48時間混合分散後、ポ
リイソシアネート化合物5部を加えて磁性塗料とし、こ
れをポリエステルフィルムのA1層表面に塗布した後、
塗料が十分乾燥固化する前に磁気配向させ、その後乾燥
し、3μmの膜厚の磁性層を形成した。次いで、この磁
性層塗布フィルムを鏡面仕上げの金属ロールとポリエス
テル系複合樹脂ロールとから構成されている5段の小型
テストカレンダーを用い、ロール温度80℃、線圧20
0kg、走行速度80m/分の条件でカレンダー処理し
た。次いで、上記カレンダー処理テープを1/2インチ
幅にスリットした後、市販のS−VHS用VTR(SO
NY社製SLV−R7)を用いて、下記の磁気テープ特
性を評価した。
【0039】(I)電磁変換特性(VTRヘッド出力) シンクロスコープにより測定周波数7メガヘルツにおけ
るVTRヘッド出力を測定し、基準テープ(S−VHS
用ビデオテープ市販品)と比較し、下に示すランク別に
評価を行った。 ◎:基準テープより非常に優れる。 ○:基準テープと同等である。 △:基準テープより劣る。 ×:明らかに基準テープより劣り、実用に耐えない。
【0040】(II)ドロップアウト 7メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生し、
大倉インダストリー(株)ドロップアウトカウンターで
ドロップアウト数を約20分間測定し、良好なものを
A、不良であまり実用に耐えないものをC、AおよびC
の中間的状況をBとした。
【0041】(9)耐擦り傷性 幅1/2インチにスリットした磁気テープを直径6mm
の硬質クロムメッキ金属ピン(表面仕上げ3S)にテー
プを巻き付け角135°、走行速度4m/分、張力50
gで磁気テープのベースフィルム面を1回擦過させた。
次に擦過面にアルミニウムを約50nm厚となるように
真空蒸着し、傷の量を目視により観察し、下記判定を行
った。 ランク1:傷の量が極めて多い。 ランク2:傷の量が多い。 ランク3:傷の量が2、4の中間。 ランク4:傷の量が少ない。 ランク5:傷が付かない。
【0042】(10)走行性 ビデオデッキを用い、巻き出し側のバックテンションを
ゼロにして、磁気テープを180分間走行させた。シリ
ンダーヘッドの直前のピンで、磁気テープの走行状態を
観察し、下記判定を行った。 A:走行中のテープの走行位置の外れが規定位置から
0.5mm未満である。 B:走行中のテープの走行位置の外れが規定位置から
0.5mm以上2mm未満である。 C:走行中のテープの走行位置が規定位置から2mm以
上外れる。
【0043】実施例1 [架橋高分子粒子の製造]メタクリル酸メチル100
部、ジビニルベンゼン25部、エチルビニルベンゼン2
2部、過酸化ベンゾイル1部、トルエン100部の均一
溶液を水700部に分散させた。次に窒素雰囲気下で8
0℃に6時間攪拌しながら加熱し重合を行った。得られ
たエステル基を有する架橋高分子粒状体の平均粒径は約
0.1mmであった。生成ポリマーを脱塩水で水洗し、
500部のトルエンで2回抽出し少量の未反応モノマー
線状ポリマーを除去した。次に該架橋高分子粒状体をア
トライターで2時間、さらにサンドグラインダーで5時
間粉砕することにより、平均粒径0.4μmの架橋高分
子粒子を得た。次いでスパーデカンターで大粒子を除去
した後、さらに2400メッシュフィルターを用いて濾
過し、大粒子を含まない単分散に近い平均粒径0.37
μmの架橋高分子粒子を得、エチレングリコールスラリ
ーとした。 [ポリエステルの製造]ジメチルテレフタレート100
部、エチレングリコール70部、および酢酸マグネシウ
ム0.06部を反応器にとり、エステル交換反応を行っ
た。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこ
の反応混合物にリン酸0.036部および先に得た平均
粒径0.37μmの架橋高分子粒子0.5部をエチレグ
リコールスラリーとして添加した。さらに重合触媒とし
て三酸化アンチモン0.03部を加えたのち常法に従っ
て重合し、極限粘度0.62のポリエステルを得た(ポ
リエステル(A))。一方、上記ポリエステルの製造に
おいて、平均粒径0.37μmの架橋高分子粒子の代わ
りに熱分解法により得られた平均粒径0.18μmのδ
型の酸化アルミニウム粒子を1.5部をエチレングリコ
ールスラリーとして添加する他は同様に重合を行い、極
限粘度0.61のポリエステルを得た(ポリエステル
(B))。さらに実質的に粒子を含有しない他は同様に
して重合を行い極限粘度0.63のポリエステルを得た
(ポリエステル(C))。また、B層用の原料として、
1層及びA2層と同組成の原料8部とポリエステル
(C)92部とをブレンドした原料を用いた。得られた
ポリエステル(A)、(B)、(C)原料を、下記表1
の含有量となるようにブレンドし、A1層およびA2層の
ポリエステル原料とした。A1層、A2層およびB層用原
料を、それぞれ常法により乾燥し、別個の押し出し機に
より、溶融押し出して(A1/B/A2)の2種3層積層
の無定形シートを得た。次いで、上記の無定形シートを
フィルムの流れ方向(縦方向)に85℃で2.9倍、さ
らに縦方向に76℃で1.20倍延伸し、横方向に11
0℃で4.4倍延伸し、215℃で3秒間熱処理を行
い、さらに200℃で3%横方向に弛緩処理して二軸配
向積層ポリエステルフィルムを得た。フィルムの全厚さ
は15μm、それぞれの積層厚みは表1に記載のように
した。
【0044】実施例2 積層厚みを表1に記載のとおりとする以外は実施例1と
同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0045】実施例3 実施例1において、架橋高分子粒子の組成を、水溶性重
合開始剤として過硫酸カリウム3.2部、分散安定剤と
してラウリル硫酸ナトリウム0.004部、メチルメタ
クリレート5部、エチレングリコールジメタクリレート
65部、ジビニルベンゼン30部とする以外は実施例1
と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得
た。
【0046】比較例1 積層層厚みを表1記載のとおりとする以外は、実施例1
と同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得
た。 比較例2 積層層厚みを表1とする以外は、実施例1と同様にして
二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0047】比較例3 実施例1において、用いた平均粒径0.37μmの架橋
高分子粒子のみを用いること以外は、実施例1と同様に
して二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。 比較例4 実施例1において、用いた平均粒径0.18μmのδ型
酸化アルミニウムのみを用いること以外は、実施例1と
同様にして二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0048】比較例5〜8 実施例1において、架橋高分子粒子の平均粒径および粒
子含有量を本発明の範囲外になるようにする以外は実施
例1と同様にして、二軸配向積層ポリエステルフィルム
を得た。 比較例9および10 実施例1において、フィルムの幅方向のヤング率
(YTD)と長手方向のヤング率(YMD)の比が本発明の
範囲外になるように、縦方向および横方向の延伸倍率お
よび弛緩率を変える以外は、実施例1と同様にして、二
軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
【0049】比較例11および12 実施例1において、幅方向の屈折率(nTD)と長手方向
の屈折率(nMD)との差が本発明の範囲外になるよう
に、縦方向および横方向の遠心倍率を変える以外は、実
施例1と同様にして、二軸配向積層ポリエステルフィル
ムを得た。実施例および比較例で得られたフィルムに磁
性層を塗布して磁気テープを得、その特性を評価した。
下表1〜3にそれぞれのフィルム特性と磁気テープ特性
の評価結果を示した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】本発明の要件を満たす実施例1〜3のフィ
ルムは、走行性、耐摩耗性、耐擦り傷性に優れ、磁気テ
ープ特性において高度に満足するレベルである。これに
対し比較例1〜12のフィルムは本発明の要件を満たさ
ないフィルムの例であるが、耐摩耗性、耐擦り傷性、磁
気テープ特性に劣るものである。
【0055】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のフィル
ムは、磁気記録媒体用ベースフィルムとして、フィルム
製造時及び磁気記録媒体製造時のスリット性に優れ、磁
気記録媒体としての走行性及び電磁変換特性を高度に満
足でき、且つドロップアウト発生防止の点で優れおり、
擦り傷や摩耗粉の発生が極めて少なく、しかも生産性、
コスト面で優れたものであり、その工業的価値は非常に
大きい。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA00A AA00C AA19 AK12A AK12C AK12J AK25A AK25C AK25J AK41A AK41B AK41C AL01A AL01C BA03 BA06 BA10A BA10C BA16 DE01A DE01C GB41 JB12A JB12C JG10 JK07 JK14 JN18 YY00 5D006 CB01 CB06 FA05 FA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルからなるB層の両面にポリ
    エステルからなるA1層、A2層が積層されている二軸配
    向積層ポリエステルフィルムであって、該ポリエステル
    1層、およびA2層は、平均粒径0.10〜0.50μ
    mの架橋高分子粒子を0.05〜0.30重量%、平均
    粒径が0.01〜0.30μmの無機粒子を0.30〜
    0.60重量%含有し、下記式(1)〜(4)を同時に
    満足すること特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィ
    ルム。 0.10≦A1d/A2d≦0.20 …(1) 2≦A2Ra−A1Ra≦5 …(2) 0.020≦Δn≦0.030 …(3) 1.1≦YTD/YMD≦1.5 …(4) (上記式中、A1dは、A1層の積層厚み(μm)、A2
    dは、A2層の積層厚み(μm)、A1Raは、A1層の
    平均粗さ(nm)、A2Raは、A2層の平均粗さ(n
    m)、Δnは幅方向の屈折率(nTD)と長手方向の屈折
    率(nMD)との差、Y MDはフィルムの長手方向のヤング
    率(GPa)、YTDはフィルムの幅方向のヤング率(G
    Pa)を表す)
  2. 【請求項2】 無機粒子が酸化アルミニウムであること
    を特徴とする請求項1記載の二軸配向積層ポリエステル
    フィルム。
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