JP2002346704A - 連続鋳造用タンディッシュおよびそれを用いる酸化物等の除去方法 - Google Patents

連続鋳造用タンディッシュおよびそれを用いる酸化物等の除去方法

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JP2002346704A
JP2002346704A JP2001158575A JP2001158575A JP2002346704A JP 2002346704 A JP2002346704 A JP 2002346704A JP 2001158575 A JP2001158575 A JP 2001158575A JP 2001158575 A JP2001158575 A JP 2001158575A JP 2002346704 A JP2002346704 A JP 2002346704A
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oxides
gas supply
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Kenji Hamaogi
健司 濱荻
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化物等の高い除去効果を得ることができる連
続鋳造用タンディッシュ、およびそれを用いる酸化物等
の除去方法を提供する。 【解決手段】タンディッシュ2の長手方向の少なくとも
2箇所にタンディッシュ底部側が開口をなす上部堰5を
有し、前記2箇所の上部堰の間にタンディッシュ底部側
および溶鋼表面側が開口をなす中層堰6を有し、前記上
部堰と中層堰のそれぞれの堰間部へガスを泡状に吹き込
むガス供給装置(タンディッシュ底部にポーラスプラグ
または単孔プラグを有するものが望ましい)4、4a、
4bを有する連続鋳造用タンディッシュ、およびそれを
用いる酸化物等の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼中の酸化物等
(ここでは、溶鋼が凝固した状態で非金属介在物として
検出されるものをいう)を効果的に除去することができ
る連続鋳造用タンディッシュ、およびこのタンディッシ
ュを用いる酸化物等の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製鋼プロセスにおける連続鋳造過程で
は、溶鋼は取鍋からタンディッシュへ供給され、その
後、連続鋳造用モールドへ供給される。通常、このタン
ディッシュにおいて、酸化物等は溶鋼との密度差を利用
して浮上分離され、介在物の少ない清浄鋼のスラブが生
産されている。
【0003】しかしながら、微小径の酸化物等の溶鋼中
での浮上速度は極めて小さいので、容量に制約があり、
限られた溶鋼滞留時間しかもち得ないタンディッシュ内
においてこの微小酸化物等の全量を完全に分離すること
は不可能である。そのため、モールド内へ、ひいては製
品スラブ内へ非金属介在物として混入し、最終製品にお
いて表面疵の原因となったり、機械的性質の低下を招い
たりする。また、昨今の、より清浄度の高い製品へのニ
ーズの高まりによって、より微小な酸化物等を除去する
ことが要求されており、微小酸化物等の分離、除去に対
する要請は一層大きくなっている。
【0004】タンディッシュ内での酸化物等の除去方法
については、従来から数多くの研究、開発が行われてき
た。それらの方法は、以下に述べる(a)〜(d)の方
法に大別される。
【0005】すなわち、(a)タンディッシュ内の複数
箇所に堰を設けて、取鍋内の溶鋼をタンディッシュへ供
給するロングノズルの出口から鋳型(モールド)へ溶鋼
を供給する浸漬ノズルの入口へのほぼ短絡的な溶鋼の流
動(つまり、ロングノズルの出口から浸漬ノズルの入口
へのショートカット)を妨げ、溶鋼のタンディッシュ内
での滞留時間を延長することにより酸化物等の浮上分離
を期待する方法、(b)タンディッシュの底部から不活
性ガスを吹き込み、気泡による攪拌効果を利用したり、
気泡自身に酸化物等を取り込み浮上分離させる方法、
(c)タンディッシュ内の溶鋼に電磁力を作用させて水
平旋回流を発生させ、その遠心力により酸化物等を効率
的に除去する方法、同様に移動磁場を印加してタンディ
ッシュ内の溶鋼の流動を制御し、タンディッシュ内にお
ける溶鋼の滞留時間を延長して酸化物等を浮上分離させ
る方法、(d)溶鋼をタンディッシュへ供給するロング
ノズルの配置を工夫することにより旋回流を発生させ酸
化物等を除去する方法、である。
【0006】これらの方法のうち、(a)の方法は簡便
であるため従来から多用されてきた。例えば、特開平6
−7903号公報では、タンディッシュにおける溶融金
属の取鍋からの注湯位置と鋳型への流出位置の間に仕切
り壁を設けて溶融金属の迂回路を形成し、溶融金属のタ
ンディッシュ内における滞留時間を大幅に延長して介在
物の浮上除去を促進する方法が開示されている。また、
取鍋からロングノズルを介して、底部を密閉した固定堰
を有するタンディッシュに溶鋼を供給するに際し、ロン
グノズルの内径および浸漬深さを適正な条件に規定する
ことによって、浮上した介在物(本発明でいう酸化物等
である。以下、従来の技術の欄において同じ)の浸漬ノ
ズルへの進入を防ぎ、溶鋼中の介在物を効率よく浮上分
離する方法、水平または斜め上向きの吐出口有するロン
グノズルと上側堰および下側堰を設けたタンディッシュ
を使用することによってタンディッシュ内で非金属介在
物を効率よく浮上分離する方法も知られている。
【0007】これらの方法は、粒径が100μmを超え
るような大型の介在物の除去には絶大な効果があり、そ
れよりも小さい50〜100μmの介在物に対しても効
果があるため、その有用性は明らかである。しかしなが
ら、高清浄度鋼を生産する際に除去することが望まれる
10〜50μm程度の微小介在物の溶鋼中での浮上速度
は非常に小さいため、溶鋼のタンディッシュ内での滞留
時間を延長するだけではこの微小介在物の除去は十分で
はない。
【0008】(b)の方法としては、例えば、特開平8
−117939号公報に記載されるように、ロングノズ
ルから浸漬ノズルの間に流れ方向に凹凸を有する通路を
設けて溶鋼を通過させ、凸部からガスを吹き込み微細な
気泡を溶鋼に混入させることによる介在物の除去が試み
られている。また、取鍋からタンディッシュへ注入され
る溶鋼の下降流とガス吹き込みによる溶鋼の上昇流とを
衝突させることによって溶鋼中における気泡の滞在時間
を延長させ、介在物との衝突確率を増加させることによ
って介在物の除去効率を向上させる方法も知られてい
る。しかしながら、これらの方法において十分な効果を
得るためにはガスの吹き込み量を増す必要があり、溶鋼
表面が乱されることとなって、スラグの巻き込みや浮上
した介在物の再巻き込みが発生する場合がある。
【0009】(c)の方法としては、例えば、特開平4
−314813号公報等には、タンディッシュを2槽に
分割し、溶融金属を受け容れる側を円筒形状槽とし、電
磁力の作用により水平旋回流を発生させて非金属介在物
を凝集肥大させ分離浮上させるとともに、この円筒形状
槽に連接するもう一方の側(溶融金属の流出口を備える
側)を浮上槽として、残存する介在物を浮上させる非金
属介在物の除去装置が開示されている。また、タンディ
ッシュ内の溶鋼に移動磁場を印加し、溶鋼を移動磁場方
向に強制的に移動させさせることによりタンディッシュ
内の溶鋼流動パターンを最適パターンに制御して介在物
の除去効率を高める方法が知られている。
【0010】しかしながら、これらの方法では、電磁力
を用いるため設備が極めて大規模なものとなり、設備コ
ストの増大が不可避であった。
【0011】また、(d)の方法としては、特開平7−
290210号公報等にみられるように、円筒形状槽に
偏心配置したロングノズルから溶融金属を横向きに吐出
させて旋回流を発生させるとともに、ロングノズル内に
不活性ガスを吹き込んで非金属介在物の捕集効果を高め
ようという試みがなされている。しかし、この方法で
は、介在物を除去するに十分な旋回速度は得られず、ノ
ズル内に吹き込んだ不活性ガスはノズル内での気泡同士
の衝突、合体により大径の気泡になってしまい、十分な
介在物除去効果が得られない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術における問題を解決するためになされたものであ
り、その課題は、複数の堰を組み合わせ、ガスの吹き込
み条件を適切に選択することにより高い酸化物等の除去
効果を得ることができる連続鋳造用タンディッシュ、お
よびそれを用いる酸化物等の除去方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため種々検討を重ねた結果、タンディッシュ
内に形状の異なる堰を組み合わせて溶鋼の循環流を生じ
させ得る領域を1箇所もしくは複数箇所形成させ、その
領域内にガス(気泡)を吹き込むことにより、下記
(a)〜(b)に記載の作用効果が得られることを見い
だした。 (a)ガス吹き込みに伴う溶鋼中の乱流強度の増大によ
り、酸化物等の凝集肥大化が促進される。 (b)1箇所もしくは複数箇所での溶鋼循環流中で溶鋼
とガス(気泡)とを長時間接触させることにより、気泡
による酸化物等の捕捉除去効果が高められる。 (c)ガス(気泡)の供給量や供給方法をコントロール
することにより、ガスの吹き込みに伴う溶鋼表面の乱れ
が抑制され、スラグおよび表面に浮上した酸化物等の再
巻き込みが抑制されて微小な酸化物等が効果的に除去さ
れる。
【0014】本発明は上記の知見に基づくもので、その
要旨は、下記(1)の連続鋳造用タンディッシュ、およ
びそれを用いる下記(2)の酸化物等の除去方法にあ
る。
【0015】(1)タンディッシュの長手方向の少なく
とも2箇所にタンディッシュ底部側が開口をなす上部堰
を有し、前記少なくとも2箇所のそれぞれの上部堰の間
にタンディッシュ底部側および溶鋼表面側が開口をなす
中層堰を有し、前記上部堰と中層堰のそれぞれの堰間部
へガスを泡状に吹き込むガス供給装置を有する連続鋳造
用タンディッシュ。
【0016】上記(1)に記載の連続鋳造用タンディッ
シュにおいて、ガス供給装置が、前記上部堰と中層堰の
それぞれの堰の間のタンディッシュ底部においてタンデ
ィッシュの幅方向の少なくとも一部にポーラスプラグま
たは単孔プラグを有するものであれば、介在物の除去効
果が大きく、望ましい。
【0017】(2)上記(1)に記載の連続鋳造用タン
ディッシュを用いる酸化物等の除去方法であって、上部
堰の開口部の高さHに対する中層堰のタンディッシュ
底部側開口部の高さHの比(H/H)を0.2〜
3.0の範囲内に調整し、中層堰を挟んで隣り合う堰間
部へのガスの供給量を制御して前記少なくとも2箇所の
それぞれの上部堰に挟まれた領域にある溶鋼を中層堰の
まわりに循環させる酸化物等の除去方法。
【0018】中層堰を挟んで隣り合う堰間部へのガスの
供給量を制御して前記少なくとも2箇所のそれぞれの上
部堰に挟まれた領域にある溶鋼の表面流速をスラグの巻
き込みが生じない速度範囲に低下させれば、微小な酸化
物等を効果的に除去できるので、望ましい。
【0019】なお、本発明において、「酸化物等」と
は、先にも付記したように、溶融金属が凝固した状態で
いわゆる非金属介在物として検出されるものの総称であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の連続鋳造用タンデ
ィッシュおよびそのタンディッシュを用いる酸化物等の
除去方法を図面を用いて詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の連続鋳造用タンディッシュ
の一例の構成を示す縦断面図である。図1に示すよう
に、本発明のタンディッシュ1は、タンディッシュ1の
長手方向の少なくとも2箇所にタンディッシュ底部側が
開口をなす上部堰5を有し、前記少なくとも2箇所のそ
れぞれの上部堰5の間にタンディッシュ底部側および溶
鋼表面側が開口をなす中層堰6を有し、さらに、前記上
部堰5と中層堰6のそれぞれの堰間部へガス(気泡)を
吹き込むガス供給装置4を有している。
【0022】前記の「タンディッシュの長手方向」と
は、取鍋からタンディッシュ1へ溶鋼を供給するロング
ノズル2が設置される側から連続鋳造機の鋳型へ溶鋼を
供給する浸漬ノズル3が取り付けられている側へ向かう
方向、すなわち溶鋼が流通する方向である。通常、タン
ディッシュ内における溶鋼の滞留時間を十分にとるため
に、ロングノズル2はタンディッシュ1の長手方向の一
方の側に設置され、浸漬ノズル3は他方の側に取り付け
られるので、前記の上部堰5および中層堰6はこれらロ
ングノズル2と浸漬ノズル3の間に設けられることにな
る。
【0023】上部堰5はタンディッシュ1内の溶鋼の上
層部および中層部における溶鋼流を止め、低層部でのみ
溶鋼を通過させる機能を有し、中層堰6は中層部の溶鋼
流を止め、上層部と低層部で溶鋼を通過させる機能を有
している。2箇所に設けられた上部堰5とこれら2箇所
の上部堰5の中間位置に設けられた中層堰6は一つのユ
ニット7(図1中に二点鎖線で囲んだ部分)として構成
されている。なお、図示したユニット7の左側の上部堰
5は隣接するユニットの構成にもあずかる。したがっ
て、図1に例示したタンディッシュは、三つのユニット
7で構成されている。
【0024】ガス供給装置4は、上部堰5と中層堰6の
それぞれの堰間部へガスを泡状に、つまり気泡として吹
き込むことができるものであればよい。吹き込み用のガ
スとしては、不活性ガス、特にアルゴンガス等が鋼質に
悪影響を及ぼすことがなく、好ましい。ガス(気泡)の
吹き込み口はタンディッシュ底部または底部近傍に取り
付けられているのが望ましい。ガスを泡状に吹き込むこ
とにより溶鋼中に強い乱流を生じさせ、酸化物等を凝集
肥大化させるとともに、気泡に取り込ませ浮上除去する
ことができるからである。
【0025】上記の連続鋳造用タンディッシュにおい
て、ガス供給装置が、前記の上部堰と中層堰のそれぞれ
の堰の間のタンディッシュ底部のタンディッシュの幅方
向の少なくとも一部にポーラスプラグまたは単孔プラグ
を備えるものであれば、吹き込むガスを微細な気泡とし
得るので、酸化物等の除去効果が大きく、望ましい。ポ
ーラスプラグまたは単孔プラグの配置はタンディッシュ
の幅方向全体にわたっているのがより好ましいが、幅方
向の一部であっても効果がある。また、タンディッシュ
の幅方向全体にわたって、または幅方向の一部におい
て、ポーラスプラグまたは単孔プラグが連続的に配置さ
れているのが好ましいが、多少の隙間を挟んで間欠的に
配置されていてもよい。なお、「タンディッシュの幅方
向」とは、前記のタンディッシュの長手方向と直角の方
向である。
【0026】次に、本発明の酸化物等の除去方法につい
て説明する。
【0027】本発明の酸化物等の除去方法は、上記本発
明の連続鋳造用タンディッシュを用い、上部堰の開口部
の高さHに対する中層堰のタンディッシュ底部側開口
部の高さHの比(H/H)を0.2〜3.0の範
囲内に調整し、中層堰を挟んで隣り合う堰間部へのガス
の供給量を制御して前記少なくとも2箇所のそれぞれの
上部堰に挟まれた領域にある溶鋼を中層堰のまわりに循
環させる酸化物等の除去方法である。
【0028】従来、タンディッシュ内に堰を設けて溶鋼
中の酸化物等を除去しようとする場合、例えば、図2に
示すように、タンディッシュ1の長手方向に上部堰8と
下部堰9を設置することによりロングノズル2と浸漬ノ
ズル3の間の溶鋼の短絡的な流れを防いできた。この場
合の溶鋼の流動パターンは図2中に矢印で示したように
なり、溶鋼の流動距離を長くすることができるので、大
型の酸化物等の除去には非常に大きな効果がある。しか
し、微小な酸化物等を除去することはできない。一般
に、溶鋼中の酸化物等を浮上分離するためには溶鋼の流
れを極めて穏やかな状況にする必要があるが、それでも
浮上分離できる酸化物等は溶鋼が凝固して介在物となっ
たときの粒径が50μmを超える大きなものにとどま
る。溶鋼の流動を極めて穏やかにすると微小な酸化物等
の凝集肥大効果が非常に小さくなるからである。
【0029】また、図3に示すように、タンディッシュ
内にガス供給装置10からガス(気泡)を吹き込んで溶
鋼中の酸化物等を除去しようとする場合、図3中に矢印
で示したような溶鋼の循環流が発生し、安定した溶鋼の
流動距離を確保することが困難となる。さらに、溶鋼が
気泡と接触する気泡−溶鋼接触領域11(図3中に斜線
で示した部分)は狭い範囲に限定され、酸化物等の気泡
による捕捉のチャンスは非常に小さい。また、気泡によ
る酸化物等の捕捉効果を高めるために気泡吹き込み量を
増した場合、前記の循環流の強度(流れの速さ、流量)
が高まって大型の酸化物等の浮上分離が阻害されるとと
もに、溶鋼表面での流速が大きくなるため、スラグや浮
上した酸化物等の再巻き込みが生じる。
【0030】これに対して、本発明のタンディッシュを
用いると、以下に説明する図4〜図6に示すように、二
つの上部堰5とそれらの中間位置に設けられた中層堰6
とで構成される前記のユニット7内でのガス(気泡)の
供給量や供給方法をコントロールすることによって種々
の溶鋼流動パターンを得ることができ、酸化物等を効果
的に除去することが可能となる。
【0031】図4は、数値シミュレーションによって得
られた一つのユニット内でのガス(気泡)吹き込み形態
による溶鋼流動パターンの変化を模式的に示す図であ
る。図4(a)のパターン1は、タンディッシュ底部の
上部堰5と中層堰6の間に設けられたガス供給位置4
a、4bからのガス供給を行わない場合で、溶鋼流は、
図中に矢印で示したように、上部堰5の低部側の開口部
と中層堰6の低部側の開口部を通過する単純な流れとな
る。
【0032】一方、ガス供給位置4bからのガス供給は
行わず、ガス供給位置4aからのガス供給量を増大させ
ていくと、種々の溶鋼流動パターンが得られる。図4
(b)のパターン2はガス供給位置4aからのガス供給
量を比較的少なくした場合で、上部堰5および中層堰6
の底部側の開口部を通過する溶鋼流に加えて中層堰6の
上層部へ迂回する流れが発生する。図4(c)のパター
ン3はガス供給位置4aからのガス供給量を増大させた
場合で、中層堰6の底部側の開口部を通過する溶鋼流は
生じなくなる。図4(d)のパターン4はガス供給量を
さらに増大させた場合で、中層堰6の底部側の開口部を
逆方向に向かう溶鋼流が発生し、ユニット内において中
層堰6のまわりの循環流が形成されることとなる。ま
た、逆に、ガス供給位置4aからのガス供給は行わず、
ガス供給位置4bからのみガスを供給した場合、前記の
(d)のパターンとは逆方向の循環流が形成される。
【0033】このように、上部堰5で挟まれたユニット
7において、対をなすガス供給位置4a、4bからのガ
ス(気泡)の供給方法や供給量を制御することによりパ
ターン1〜パターン5の溶鋼流動形態を得ることが可能
である。パターン1の溶鋼流動形態は酸化物等の除去に
は寄与しないが、パターン2、3の流動形態をとる場合
は、中層堰6の上層部へ迂回する溶鋼の流動経路ができ
るのでその分溶鋼の流動距離が長くなり、この領域で酸
化物等と気泡とを安定して接触させることが可能であ
る。
【0034】また、パターン4、5の流動形態をとる場
合は、供給ガス(気泡)量の増大、および上部堰の開口
部高さHに対する中層堰のタンディッシュ底部側開口
部高さHの比(H/H、以下、これを「堰の開口
比」という)の増大に伴い、前記の中層堰6のまわりを
循環する溶鋼量(以下、「溶鋼循環量」という)が増大
する。
【0035】図5は、前記図4の(d)に示したパター
ン4の溶鋼流動形態をとる場合について、数値シミュレ
ーションによって求めたガス供給量、堰の開口比(H
/H )および溶鋼循環量の関係を模式的に示した図
で、(a)は溶鋼流動形態の拡大図(ここでは、ガス供
給量をq、上部堰の開口部高さをH、中層堰のタン
ディッシュ底部側開口部高さをH、溶鋼の通過流量を
、溶鋼循環量をQとして表示)、(b)は堰の開
口比(H/H)と溶鋼循環量/溶鋼の通過量(Q
/Q)の関係をガス供給量をパラメータとして模式的
に示す図である。
【0036】図5(a)に示した溶鋼流動形態は、図中
に溶鋼循環量Qを表す矢印を通過流量Qを表す矢印
よりも太い矢印で表示しているように、溶鋼循環量Q
が溶鋼の通過量Qを超える場合であるが、このような
場合、溶鋼が上部堰5の底部側の開口部を通過して隣の
ユニットに流入するまでに、溶鋼の一部を複数回循環さ
せることが可能となる。それによって、循環する溶鋼は
気泡による攪拌を複数回、つまり長時間にわたって受け
ることとなり、酸化物等は凝集肥大化するとともに気泡
により捕捉される機会も増え、その結果、隣接するユニ
ットへは、酸化物等の数が低減し、凝集肥大化が進んだ
溶鋼が流入することとなる。
【0037】本発明の酸化物等の除去方法で、2箇所の
上部堰に挟まれた領域にある溶鋼を中層堰のまわりに循
環させるのは、このように気泡による攪拌(酸化物等の
凝集肥大化)効果および酸化物等の捕捉効果を高めるた
めで、そのために図4で説明したように中層堰を挟んで
隣り合う堰間部へのガスの供給量を制御するのである。
【0038】図5(b)は、堰の開口比(H/H
が大きくなると、溶鋼循環量/溶鋼の通過量(Q/Q
)が増大し、ガス供給量qの多寡に応じて異なる極
大値を経た後減少することを示している。溶鋼の通過量
は鋳型への溶鋼の供給量であって、一定と見なし得るか
ら、H/Hの増大に伴って溶鋼循環量Qが一旦は
増大し、極大値を経た後減少するとみることができる。
溶鋼循環量が増大すると、上記のように、酸化物等の数
が低減し、凝集肥大化が進むので、堰の開口比(H
)は、溶鋼循環量が大きくなるように調整するのが
好ましいといえる。本発明の酸化物等の除去方法では、
堰の開口比(H/H)を0.2〜3.0の範囲内に
調整するが、この範囲は、後述する実施例の結果に基づ
き定めたものである。
【0039】本発明の連続鋳造用タンディッシュを用い
て酸化物等を除去するに際し、中層堰を挟んで隣り合う
堰間部へのガスの供給量を制御して前記2箇所の上部堰
に挟まれた領域にある溶鋼の表面流速をスラグの巻き込
みが生じない速度以下に低下させれば、以下に述べるよ
うに、微小な酸化物等を効果的に除去できる。
【0040】ガス供給量(つまり、気泡量)を増した場
合、攪拌効果および気泡による酸化物等の捕捉効果は高
まるものの、溶鋼の循環流速が増大するため、溶鋼表面
でのスラグや浮上酸化物等の巻き込みが発生する場合が
ある。しかしながら、中層堰6を挟むガス供給位置(図
4の符号4a、4bで示した位置)からのガス供給量の
比を制御することにより、溶鋼の循環流速を抑制しつつ
ガス供給量を増やすことが可能となる。
【0041】図6は、前記の図1に示した構成を有する
タンディッシュにおいて、〜のガス供給位置からの
ガス供給量の比を表1に示したように変化させた場合の
ガス供給量の総量(総ガス供給量)が溶鋼の表面におけ
る流速(溶鋼表面流速)に及ぼす影響を数値シミュレー
ションによって求めた結果を示す図である。なお、前記
のガス供給位置、およびが図4で示したガス供給
位置4aに、ガス供給位置、およびがガス供給位
置4bに該当する。また、表1において、「ガス吹き込
み形態」のうち、例えば、タイプ1とは、供給ガスの全
量をガス供給位置4aに、すなわち、ガス供給位置、
およびに分割して吹き込み、ガス供給位置4bには
全く吹き込まない形態であり、タイプ4とは、総ガス供
給量の半分をガス供給位置4a(ガス供給位置、お
よび)に、他の半分をガス供給位置4b(ガス供給位
置、および)に吹き込む形態である。
【0042】
【表1】 図6によれば、いずれのタイプのガス吹き込み形態にお
いても、総ガス供給量の増大とともに溶鋼表面流速が大
きくなり、特にタイプ1の場合、その傾向が顕著であ
る。溶鋼表面流速が大きくなると、それに伴って中層堰
6のまわりの溶鋼循環量が増大し、乱流強度の増大も予
想され、酸化物等の凝集肥大化が期待できるが、タイプ
1の場合、総ガス供給量が比較的小さい領域においても
溶鋼表面流速が大きくなり、図中に示したスラグ巻込み
限界流速を超え、巻き込まれたスラグや一旦浮上した酸
化物等の再巻き込みにより溶鋼が汚れるおそれがある。
これに対して、タイプ2、3、4のように、ガス供給位
置4aと4bの両方からからガスを供給した場合は、溶
鋼表面流速を低く抑えた状況下でガス供給量を増やすこ
とが可能である。特に、タイプ4の場合は、ガス供給量
を増大させてもスラグや一旦浮上した酸化物等の巻き込
みが起こりにくく、後述する実施例で示すように、酸化
物等の除去効果が大きい。
【0043】このように、本発明の連続鋳造用タンディ
ッシュを用いれば、ガス(気泡)の供給方法や供給量を
必要に応じて適宜コントロールすることにより種々の溶
鋼流動パターンを得ることができ、酸化物等を効果的に
除去することが可能となる。
【0044】
【実施例】(実施例1)図1に示した構成を有する本発
明の連続鋳造用タンディッシュを用い、これに溶鋼を供
給し、ガスの供給量や供給方法を種々変化させて鋳造を
行い、タンディッシュ内での溶鋼中の酸化物等の除去効
果を調査した。
【0045】タンディッシュは、幅が1.2m、長さが
3.5m、浴深さが1.0mであり、ロングノズル2側
のタンディッシュ壁から0.4m、0.9m、1.4m
および1.9mの位置に上部堰5が設けられ、同じく
0.65m、1.15mおよび1.65mの位置に中層
堰6が設けられ、これら上部堰5と中層堰6のそれぞれ
の堰の間のタンディッシュ底部にガスを供給するための
ポーラスプラグ4がタンディッシュの全幅にわたって配
置されている。また、浸漬ノズル3に最も近い側に位置
する上部堰5の浸漬ノズル3側には、上部堰5の底部を
通過した溶鋼流が直接浸漬ノズル3に到るのを防ぐため
に、下部堰12が設けられている。上部堰5には底部側
に高さHの開口部が設けられ、中層堰6には上部側に
10cmの開口部と底部側に高さHの開口部が設けら
れている。
【0046】鋳造に際しては、タンディッシュに極低炭
素鋼の溶鋼を2.5t/minで供給し、吹き込みに用
いたアルゴンガスの供給量、および堰の開口比(H
)を変化させた。なお、ガスの吹き込みは、図1の
ガス供給位置、およびの3箇所から行った。
【0047】溶鋼中の酸化物等の除去効果の評価は、取
鍋から供給される溶鋼中の酸化物等の量を「流入酸化物
量」、浸漬ノズルから鋳型へ供給される酸化物等の量を
「流出酸化物量」としてそれらの比(流出酸化物量/流
入酸化物量)、すなわち、タンディッシュ内に流入した
酸化物等が除去されずに溶鋼中に残存してタンディッシ
ュから流出する「酸化物等の残存割合」を求め、相互に
比較することにより行った。その際、溶鋼が凝固した後
の介在物としての粒径別に(具体的には、介在物として
の粒径が40μm以上、20μm以上40μm未満、お
よび10μm以上20μm未満のそれぞれの場合につい
て)評価した。
【0048】比較のために、幅、長さ、浴深さが上記の
実施例で用いたタンディッシュと同じで、前記の図2に
示した構成を有する、すなわち、ロングノズル2側に下
部堰9と上部堰8が設けられ、浸漬ノズル3側に下部堰
9が設けられたタンディッシュを用いた場合(比較例
1)、および、幅、長さ、浴深さが上記の実施例で用い
たタンディッシュと同じで、図7に示すように、ロング
ノズル2側に下部堰9と上部堰8が設けられ、ロングノ
ズル2の直下に設けられたガス供給装置10からガスの
吹き込みができるように構成されたタンディッシュを用
いた場合(比較例2)についても酸化物等の残存割合を
求めた。
【0049】図8(a)〜(g)に本発明の連続鋳造用
タンディッシュを用いた場合の結果を、また、図9
(a)および(b)に比較のためのタンディッシュを用
いた場合(比較例1および2)の結果を示す。図中に示
した「40μm」とは、介在物としての粒径が40μm
以上を、「20μm」とは20μm以上40μm未満
を、「10μm」とは10μm以上20μm未満を意味
する。なお、図9(a)の比較例1ではガスの吹き込み
は実施していないので、横軸の総ガス供給量は0Nl
(リットル)/minと表示している。
【0050】図8の(a)〜(g)はそれぞれ堰の開口
比(H/H)を0.1〜5.0の範囲で変化させた
場合であるが、そのいずれにおいても、総ガス供給量が
0Nl/min(ガスの吹き込みを行わない)の場合、
酸化物等の残存割合(流出酸化物量/流入酸化物量)は
図9(a)、(b)に示した比較例1、2に比べて若干
高く、酸化物等の除去効果はよくなかった。これは、図
4(a)で示したように、溶鋼が上部堰5および中層堰
6の底部側の開口部を直通したことによるものである。
【0051】ガスの吹き込みを実施し、ガス供給量を増
大させていくと、酸化物等の除去効果は急速に向上し、
比較例1、2の場合のそれを上回るようになる。これ
は、図4(b)、(c)に示したように、溶鋼が中層堰
6の上部側の開口を流れる迂回経路が生じ、さらには、
図4(d)に示したように、循環流が発生し、酸化物等
の気泡による捕捉、凝集肥大化が促進されたことによる
ものと考えられる。
【0052】一方、堰の開口比(H/H)が小さい
場合、ガス供給量を増大させても図4(d)に示したよ
うな溶鋼の循環が生じにくく、ガス供給量増大の効果は
比較的小さい(図8(a)参照)。しかしながら、堰の
開口比(H/H)が増すにつれて溶鋼の循環流が生
じやすくなり、図8の(b)〜(f)に示したように、
ガス供給量が比較的少ない場合でも比較例1、2の場合
の酸化物等の除去効果を超える効果が得られる。
【0053】しかし、H/Hの値が3を越えると、
特に微小な酸化物等についてガス供給量の増大による除
去効果が減少する傾向が見られ、H/Hの値が5に
なると、介在物としての粒径には関係なくその傾向は一
層顕著になる。これは、ガス供給量の増大に伴い、溶鋼
循環量が増大することによって酸化物等の除去効果が向
上する一方で、溶鋼表面流速が増大してスラグの巻き込
みおよび一旦浮上した酸化物等の再巻き込みによる悪影
響が現れたことによるものと考えられる。
【0054】図8の(a)〜(g)の結果から、堰の開
口比(H/H)は0.2〜3.0の範囲内に調整す
るのがよく、2程度とするのが最も望ましいといえる。
【0055】(実施例2)実施例1の場合と同じタンデ
ィッシュを用い、これに溶鋼を供給し、ガスの供給量、
および堰の開口比(H/H)を変化させるととも
に、供給方法を前記の表1に示したように変化させて鋳
造を行い、タンディッシュ内での溶鋼中の酸化物等の除
去効果を調査した。なお、溶鋼の鋼種、供給速度、使用
したガス、酸化物等の低減効果の評価方法等は、実施例
1の場合と同じである。
【0056】結果を図10〜図12に示す。図10は堰
の開口比(H/H)が1.0の場合、図11は同じ
く2.0の場合、図12は3.0の場合である。なお、
これらの図において、「流量比条件1〜4」は、表1に
おける「ガス吹き込み形態」の「タイプ1〜4」にそれ
ぞれ対応する。
【0057】流量比条件2、3では、ガス供給量が比較
的大きい場合に、流量比条件1に比べて酸化物等の除去
効果が大きかった。これは、前記の図6に示したよう
に、流量比条件2、3においてはガス供給量を増大させ
ても流量比条件1に比べて溶鋼表面流速が小さく、スラ
グ巻き込みおよび浮上した酸化物等の再巻き込みが抑制
されたことによるものである。
【0058】流量比条件4の場合、ガス供給量が少ない
場合は流量比条件1に比べて酸化物等の除去効果は若干
低下し、ガス供給量が多くなると良好な除去効果が得ら
れた。これは、中層堰を挟んで隣接するガス供給位置か
らのガス供給量が同じであるため、ガス供給量が少ない
場合は流量比条件1に比べて溶鋼の循環量が少なく、除
去効果が小さいが、ガス供給量が多くなると溶鋼の流動
の瞬間的な変動が大きくなって酸化物等の凝集肥大化が
促進され、しかも図6に示したように、溶鋼表面流速が
スラグ巻き込み限界流速以下に抑制されることによるも
のと考えられる。
【0059】上記の結果から、高い酸化物等の除去効果
が要求される場合、ガス吹き込みの際に、中層堰を挟ん
で隣接するガス供給位置からのガス供給量の比を適正に
コントロールして溶鋼表面流速を低く抑えつつガス供給
量を増大させるのが望ましいといえる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、大規模な装置を必要と
する磁場を用いず、タンディッシュ内に形状の異なる複
数の堰を組み合わせ、ガスの吹き込み条件を適切に選択
することにより高い酸化物等の除去効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造用タンディッシュの一例の構
成を示す縦断面図である。
【図2】従来の連続鋳造用タンディッシュの一例の構成
を示す縦断面図である。
【図3】従来の連続鋳造用タンディッシュの他の例の構
成を示す縦断面図である。
【図4】本発明の連続鋳造用タンディッシュについて、
数値シミュレーションによって得られたガス(気泡)吹
き込み形態による溶鋼流動パターンの変化を模式的に示
す図である。
【図5】図4(d)の溶鋼流動パターンをとる場合につ
いて、数値シミュレーションによって得られたガス供給
量、堰の開口比(H/H)および溶鋼循環量の関係
を模式的に示す図である。
【図6】本発明の連続鋳造用タンディッシュについて、
数値シミュレーションによって得られたガス吹き込み形
態および総ガス供給量が溶鋼表面流速に及ぼす影響を示
す図である。
【図7】比較例として用いた連続鋳造用タンディッシュ
の構成を示す縦断面図である。
【図8】実施例の結果で、酸化物等の除去効果に及ぼす
ガス供給量および堰の開口比(H/H)の影響を示
す図である。
【図9】図8に示した実施例に対する比較例の結果を示
す図である。
【図10】実施例の結果で、酸化物等の除去効果に及ぼ
すガス供給量、およびガス吹き込み形態の影響を示す図
(堰の開口比(H/H)が1.0の場合)である。
【図11】実施例の結果で、酸化物等の除去効果に及ぼ
すガス供給量、およびガス吹き込み形態の影響を示す図
(堰の開口比(H/H)が2.0の場合)である。
【図12】実施例の結果で、酸化物等の除去効果に及ぼ
すガス供給量、およびガス吹き込み形態の影響を示す図
(堰の開口比(H/H)が3.0の場合)である。
【符号の説明】
1:タンディッシュ 2:ロングノズル 3:浸漬ノズル 4:ガス供給装置 5:上部堰 6:中層堰 7:ユニット 8:上部堰 9:下部堰 10:ガス供給装置 11:気泡−溶鋼接触領域 12:下部堰

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンディッシュの長手方向の少なくとも2
    箇所にタンディッシュ底部側が開口をなす上部堰を有
    し、前記少なくとも2箇所のそれぞれの上部堰の間にタ
    ンディッシュ底部側および溶鋼表面側が開口をなす中層
    堰を有し、前記上部堰と中層堰のそれぞれの堰間部へガ
    スを泡状に吹き込むガス供給装置を有することを特徴と
    する連続鋳造用タンディッシュ。
  2. 【請求項2】ガス供給装置が、前記上部堰と中層堰のそ
    れぞれの堰の間のタンディッシュ底部においてタンディ
    ッシュの幅方向の少なくとも一部にポーラスプラグまた
    は単孔プラグを有するものである請求項1に記載の連続
    鋳造用タンディッシュ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の連続鋳造用タン
    ディッシュを用いる酸化物等の除去方法であって、上部
    堰の開口部の高さHに対する中層堰のタンディッシュ
    底部側開口部の高さHの比(H/H)を0.2〜
    3.0の範囲内に調整し、中層堰を挟んで隣り合う堰間
    部へのガスの供給量を制御して前記少なくとも2箇所の
    それぞれの上部堰に挟まれた領域にある溶鋼を中層堰の
    まわりに循環させることを特徴とする酸化物等の除去方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の連続鋳造用タン
    ディッシュを用いる酸化物等の除去方法であって、中層
    堰を挟んで隣り合う堰間部へのガスの供給量を制御して
    前記少なくとも2箇所のそれぞれの上部堰に挟まれた領
    域にある溶鋼の表面流速をスラグの巻き込みが生じない
    速度に調整することを特徴とする酸化物等の除去方法。
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