JP2002343846A - ストッカ - Google Patents

ストッカ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吹き降ろされるクリーンエアが、上下どの段
の保管部にも万遍なく入るようにして、いずれの保管部
でもクリーンルーム機能が発揮できるように改善された
ストッカを提供する。 【解決手段】 ウェハー用カセット3を載置する保管部
2aが上下複数段積層された保管棚2と、保管棚2に対
して背面側に位置する背側壁10と、天井壁9から下に
向けて噴出される清澄用の風を送風口12を経て前記保
管棚2と前記背側壁10との間の空間部21に導くスト
ッカにおいて、前記保管部2内に風を取込むための流通
孔20を前記保管棚2の背面に形成し、前記送風口12
から前記空間部21を下方に流れる風の量を調整する調
整手段22を装備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハー等
の保管対象を保管する保管部が上下複数段に装備された
ストッカに係り、詳しくは、塵埃除去用の送風(クリー
ンエア)を複数の保管部に万遍なく行き渡るようにさせ
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のストッカは、図2(P−P線の左
側)に示すように、保管対象を載置する保管部が上下に
複数段積層されて成る保管棚と、保管棚に対して背面側
に位置する背側壁と、天井壁から下に向けて噴出する清
澄用の風を取り入れるための送風口を前記背側壁の上方
に設けた構造のものが一般的であった。
【0003】即ち、天井から吹き出た風は、保管棚の前
後に分かれて下方に流れるようになり、保管棚の背面と
ストッカ室の側壁との間の空間部を下方に流れる風が保
管棚背面の流通孔から保管部に導入され、保管部内にて
後から前へと横方向に流れてから保管部前面から出る。
保管部前面から出た風は、保管棚の前面側において下方
に流れる吹き降ろし風に合流して下方に流れるようにな
る。つまり、保管棚における各保管部では、その後側か
ら前に向く風が流れるようにして、保管部に塵埃が付着
しないようにするクリーンルーム機能が生じるように構
成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の送風装置は、上
下に並ぶ複数段の保管部のいずれにもほぼ均等的にクリ
ーンエアを送るために設けられていたのであるが、図2
に示されるように、実際には最下段の保管部に風が集中
しており、その他の保管部には十分な風が供給されてい
ないことが分かってきた。特に最上段の保管部には、殆
ど風が取り込まれないばかりか、保管部内にて風が舞っ
て淀んでおり、僅かに取り込まれた風が、導風口である
べき流通孔から反対に出てしまっていることも分かって
きており、塵埃(パーティクル)が滞留してクリーン度
が悪化するおそれがある等、ストッカとしては改善の余
地が残されているものであった。
【0005】本発明の目的は、送風装置による風が、上
下どの段の保管部にも万遍なく供給することができ、い
ずれの保管部でもクリーンルーム機能が発揮できるよう
に改善されたストッカを提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の構成は、保管
対象を載置する保管部が上下に複数段積層されて成る保
管棚と、前記保管棚に対して背面側に位置する背側壁
と、天井壁から下に向けて噴出される清澄用の風を送風
口を経て前記保管棚と前記背側壁との間の空間部に導く
ストッカであって、前記保管部内に風を取込むための流
通孔を前記保管棚の背面に形成し、前記保管部内に風を
取込むための流通孔を前記保管棚の背面に形成し、前記
送風口から前記空間部を下方に流れる風の量を調整する
調整手段を装備してあることを特徴とする。
【0007】請求項1の構成によれば、調整手段を設け
て、上から下へと吹く風が保管棚に順次流れるように風
量を調整するようにしたので、最上段の保管部といっ
た、従来では風が殆ど流れて来なかった保管部にも必要
十分に風を供給することが可能になる。即ち、直線的な
送風経路に対して直交する方向に開口する風の取り込み
口が、風の流れ方向に単に複数並んで配置されている場
合、背圧が次第に高くなる風流れ方向下手側の取り込み
口ほど風が多く流れ込み、風流れ方向上手側の取り込み
口ほど風が入らないようになる。従って、風量の調整手
段によって上流側の風量を変えることにより、上下に並
ぶ保管部毎の流通孔に作用する風圧条件が極力同じにな
るように作用させることができたのである。
【0008】請求項2の構成は、請求項1の構成におい
て、前記空間部の上方から下方への途中に配設された孔
開きプレートであることを特徴とするものである。
【0009】請求項2の構成によれば、次のような作用
がある。前述したように、風量の調整手段を設けたこと
によって、それより下方に位置する保管部への風圧条件
を改善することが可能になるから、その調整手段の配置
高さを適切にするほど、改善される保管部が増えるよう
になる。例えば、下から2番目保管部高さに相当する位
置に設けるよりも、最上段の保管部高さに相当する位置
に設けた方が、風条件が改善される保管部の数が増える
のである。従って、背側壁の上部に調整手段を設けるこ
とにより、風取り込み条件の改善対象保管部の数を多く
することができる。
【0010】請求項3の構成は、請求項2の構成におい
て、前記孔開きプレートの孔の開口が調整可能に構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0011】請求項3の構成によれば、開口が調節自在
であるから、送風手段の送風条件の異なり、保管部での
保管対象の異なり、湿度、温度、気圧等の気象条件の異
なり、或いは保管棚の寸法異なりといった種々の条件変
化に対応して、好適に風を各保管部へ送ることが可能に
なる。
【0012】請求項4の構成は、請求項1〜3の構成に
おいて、前記保管棚の内部に、前記流通孔から入ってく
る風を横方向に導く内風向板を設けてあることを特徴と
する。
【0013】請求項4の構成によれば、保管部内に取込
まれた後の風の向きを横向きに整えることができ、保管
部に載置されている保管対象に確実に風を送ることがで
きるよになる。保管部に取込まれたときの風の向きは、
上段の保管部内ほど下向き成分が強いといった具合に、
保管部の高さ位置の上下によって異なるから、内風向板
を設けることにより、どの保管部内でも風の向きを同じ
条件に極力揃えること、即ち、送風による塵埃除去作用
を等しく発揮させることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に、片側の保管棚2に関する
ストッカ1の斜視図が、図2には、ストッカ1の横断断
面図が夫々示されている。図2は、中心線P−Pの紙面
左側に従来の構造を、そして紙面右側に本発明による構
造を示してある。
【0015】このストッカ1は、対向配置される一対の
保管棚2,2と、この保管棚2,2の背面から所定間隔
隔てて立設された左右の側壁(背側壁の一例)10,1
0と、両保管棚2,2間のロボット移動用空間Sとを有
して構成されたクリーンルーム内設置構造物であり、天
井壁9の一面からこの構造物の上面にクリーンエアが吹
き降ろされるようになっている。両保管棚2,2の間の
ロボット移動用空間Sの入り口には、整流作用を出すべ
く多数の風通し用の孔を有したシャッター壁34が装備
されている。
【0016】保管棚2には、ウェーハを保持するカセッ
ト(保管対象の一例)3を収容する保管部2aが上下複
数段で横複数列に配列することで多数設けてある。これ
ら保管部2aには、位置決め座標を教示するためのマー
ク手段15が設けられた載置板16を設置してある。一
対の保管棚2,2の間(片側の保管棚2についてはその
前方側)のロボット移動用空間Sには、これら保管棚
2,2と平行な走行レール4が敷設されているととも
に、走行レール4には、ストッカ用ロボット5が矢符
(左右)方向に往復移動可能に設けられている。
【0017】ストッカ用ロボット5は、走行レール4上
を走行する走行部6と、走行部6に縦設されたポスト部
7と、ポスト部7に昇降可能に設けたカセット保持部8
とを有している。そして、保管棚2の縦横の行列状に複
数備えられた各保持部2aでハンド部11を位置決め座
標に基づいて移動させることによりワークとなる、例え
ば、カセット3をハンドリングし、保管部2a移載した
り、保管部から取り出したりするものである。尚、18
は載置板16に設置されたIDマークである。
【0018】図2に示すように、天井壁9には、その一
面に亘る状態で多数のスリット状送風口9aが形成され
た所謂シャッター壁に構成されており、天井壁9の上側
に装備された送風手段13により、天井壁9一面から塵
埃(パーティクル)除去用のクリーンエア(清澄用の
風)が吹き降ろされる状態に構成されている。送風手段
13としては、ブロア、シロッコファン等種々のものが
考えられる。
【0019】保管棚2は、前述の載置板16の他、天板
14、背板(背面の一例)17、左右側板28,28
(図1参照)、仕切り板19(図1参照)等を備えて構
成されており、ストッカ用ロボット5によるカセット3
の出し入れのため、保管部2aの前面は解放されてお
り、前面壁は存在しない。背板17には上下左右に並ぶ
多数のスリット20が形成されている。これらスリット
20は、保管棚2と側壁10との間の背面側空間(空間
部の一例)21にて吹き降ろされているクリーンエア
を、各保管部2aに取込むための流通孔20として機能
する。
【0020】図2、図3に示すように、前記背面側空間
21の上端は送風口12になっておおり、この背面側空
間21の上部であって、最上段の保管部の載置板16と
同じ高さに、該背面側空間21において下方に流れる風
量を制限する調整手段22を装備してある。調整手段2
2は、アルミ合金の押出し型材で成る横臥姿勢のサッシ
枠23,23aに支持された孔開き固定板24と、この
孔開き固定板24の上にスライド自在に載せられた孔開
き可動板25とで構成されている。
【0021】固定板24及び可動板25とは、同じ形状
のスリット孔24a、25aを有している。スリット孔
24a,25aの短い幅方向に、可動板25をスライド
可能させ、開口面積を可変とするための開口調整機構2
9は、可動板25に設けられスリット孔25aと直交す
る向きの長孔25bと、この長孔25bに通され、固定
板24にネジ止めされるボルト24bとから構成されて
いる。尚、開口調節機構29としては、例えば、操作ワ
イヤ等を介することで離れた箇所でレバー操作できるよ
うにした遠隔操作構造や、モータ等の駆動源を用いた駆
動操作式のものでも良い。
【0022】調整手段22は、最上段の保管部2aの下
面とほぼ同じ高さレベルで、背面側空間21を仕切る様
に配設してあり、その結果、図4に示すように、背面側
空間21における吹き降ろし風が最上段の保管部2aに
強く流れるように機能し、流通孔20に取込まれる風圧
条件が、いずれの段の保管部2aでもほぼ均等となるよ
うに作用していることが理解できる。調整手段22がな
い場合の風速はaラインのようになるが、調整手段22
によって風速がbラインのように偏向され、aラインと
bラインの合成として略均一のcラインの風速が得られ
る。
【0023】又、保管棚の内部、即ち、保管部2a内に
は、流通孔20から入ってくる風を前横方向に導く内風
向板27を設けてあり、取込んだクリーンエアが解放面
である保管部2aの前面側に向けて円滑に流れ、カセッ
ト3に有効な塵埃除去作用を付与できる状態が得られる
ようにしてある。保管部2aからその前面側に出た排風
は、ロボット移動用空間Sにて吹き降ろされるクリーン
エアに合流し、下方に流れて行くようになる。
【0024】調整手段22を設けたことにより、背面側
空間21を下方に流れるクリーンエアを、上下複数段
(4段)の各保管部2a内にほぼ均等的に取込むことが
でき、内風向板27の存在によって取込まれた風は円滑
に保管部2a内を前面側に向けて流れるようになったと
ともに、最上段の保管部2a内にて風が舞い、流通孔2
0から風が逆戻りする逆流現象も解消され、いずれの段
の保管部2aでもカセット3に対する有効な塵埃除去作
用を得ることができた。
【0025】上述した実施形態において、以下の様に変
更して実施することができる。 《1》 調整手段22を構成するスリット孔付きの板2
4,25は、背面側空間21に略水平に配設するものに
限らず、背板17に向かって傾斜するように配置しても
よい。この場合、調整手段22は、風向きを偏向する整
流手段としても機能させることができ、特に最上段の保
管部2aに対する良好な通風を確保するために有効であ
る。
【0026】《2》 調整手段22を構成するスリット
孔付きの板24,25は、送風口12から順に開口が大
きくなるものを複数段設置するものであってもよい。複
数段にすることにより、風量の上下方向の調整が細やか
にできる。
【0027】《3》 調整手段22の固定板と可動板に
形成される孔はスリット孔に限らず、円形孔であっても
よい。また孔開きの固定板とこの固定板の孔を部分的に
塞ぐ邪魔板の組み合わせであってもよい。
【0028】《4》 調整手段22は、開口を調整でき
るものに限らず、固定的な孔を有するパンチングメタル
又は樹脂製多孔板であってもよい。風量の調整が必要な
保管部が決まっている場合には、所定の場所に固定的な
孔を有するパンチングメタルを取り付け、微調整はパン
チングメタルの孔を適宜調整板で塞ぐ程度で風量調整が
可能である。
【0029】
【発明の効果】請求項1に記載のストッカでは、保管棚
の背面側にて上から下向きに流れる清澄風の保管棚側に
向かわせる風量を調整する調整手段を設ける工夫によ
り、上下に並ぶ各保管部に極力等しい条件で風を取込め
るようになり、従来に比べて、保管対象に清澄風による
塵埃除去作用を付与できる有効な保管部を増やすことが
できる。
【0030】請求項2に記載のストッカでは、孔開き板
の配置高さを高くすることにより、保管対象に清澄風に
よる塵埃除去作用を付与できる有効な保管部をより増や
すことができ、請求項1の構成による前記効果を強化す
ることができる。
【0031】請求項3に記載のストッカでは、開口調節
により、種々の環境条件変化に対応することや、最適な
風条件を得ることが可能になり、上下高さの異なる保管
部への風供給条件の一層の均等化を図りながら、請求項
2の構成による前記効果が得られる利点がある。
【0032】請求項4に記載のストッカでは、保管部に
取り込まれた清澄風を有効に保管対象に作用させること
ができ、請求項1〜3の構成による前記いずれかの効果
をより有効に発揮できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストッカ全体の構造を示す半割断面状態での斜
視図である。
【図2】ストッカの横断断面図を示し、P−P線の右側
は本発明による構造図であり、右側は従来例の構造図で
ある。
【図3】調整手段の構造を示す斜視図である。
【図4】調整手段による整流状態を示す作用図である。
【符号の説明】
2 保管棚 2a 保管部 3 保管対象 9 天井壁 10 背側壁 12 送風口 17 背面 21 空間部 22 調整手段 24 固定板 25 可動板 29 開口調整機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 日郎 三重県伊勢市竹ケ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 小林 直也 三重県伊勢市竹ケ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 Fターム(参考) 3F022 AA08 BB09 CC02 EE05 FF01 JJ09 KK20 5F031 CA02 DA17 NA03 NA16 NA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保管対象を載置する保管部が上下に複数
    段積層されて成る保管棚と、前記保管棚に対して背面側
    に位置する背側壁と、天井壁から下に向けて噴出される
    清澄用の風を送風口を経て前記保管棚と前記背側壁との
    間の空間部に導くストッカであって、 前記保管部内に風を取込むための流通孔を前記保管棚の
    背面に形成し、前記送風口から前記空間部を下方に流れ
    る風の量を調整する調整手段を装備してあるストッカ。
  2. 【請求項2】 前記調整手段が、前記空間部の上方から
    下方への途中に配設された孔開きプレートである請求項
    1に記載のストッカ。
  3. 【請求項3】 前記孔開きプレートの孔の開口が調整可
    能に構成されている請求項2に記載のストッカ。
  4. 【請求項4】 前記保管棚の内部に、前記流通孔から入
    ってくる風を横方向に導く内風向板を設けてある請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のストッカ。
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