JP2002341061A - 中間支持構造体及びこれを備えた電子時計 - Google Patents

中間支持構造体及びこれを備えた電子時計

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JP2002341061A
JP2002341061A JP2001141191A JP2001141191A JP2002341061A JP 2002341061 A JP2002341061 A JP 2002341061A JP 2001141191 A JP2001141191 A JP 2001141191A JP 2001141191 A JP2001141191 A JP 2001141191A JP 2002341061 A JP2002341061 A JP 2002341061A
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Kenichi Nakajima
健一 中島
Morinobu Endo
守信 遠藤
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Seiko Instruments Inc
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    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04GELECTRONIC TIME-PIECES
    • G04G17/00Structural details; Housings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04CELECTROMECHANICAL CLOCKS OR WATCHES
    • G04C3/00Electromechanical clocks or watches independent of other time-pieces and in which the movement is maintained by electric means
    • G04C3/008Mounting, assembling of components

Abstract

(57)【要約】 【課題】 最小限のサイズで支持機能と接地機能との両
方の機能を備えた中間支持構造体、及びこれを用いた電
子時計を提供すること。 【解決手段】 電子時計1の中間支持構造体10は、母
材が樹脂からなり弾性変形可能であって、樹脂母材中に
導電性カーボンナノチューブを分散させてなる導電性部
分を有し、該導電性部分が、二つの導電性物品62,6
0及び40間に導電路を与えるべく、表面露出接点部1
3,18において対応する導電性物品62,40に当接
するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な中間支持構
造体に係り、より詳しくは、部品の支持と接地等とを兼
ね備え得る新規な中間支持構造体に係る。
【0002】ここで、中間支持構造体とは、典型的に
は、実質的に剛性の枠体と実質的に剛性の被支持物との
間に介在して、被支持物を枠体に対して固定ないし保持
するものを指す。
【0003】
【従来の技術】ウォッチにおいては、ムーブメントの輪
列に巻真の内端の歯車部が係合され、巻真の突出端の竜
頭を回すことによりムーブメントの輪列やカナ部等を介
してないし表示時刻針位置の修正や日付の調整が行われ
る。なお、今日のウォッチは、いわゆるクォーツ式の電
子時計の形態であり、ムーブメントには、水晶発振器や
モータ等の駆動や動作を制御する集積回路(IC)や回
路ブロックが組込まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような機械的な繋がりや接触関係が、静電的には、不測
の不具合をもたらすことがある。すなわち、ウォッチの
使用者等が、表示時刻や日付を修正しようとして、静電
的に帯電した体でウォッチの竜頭に触れると、静電気
が、図4の(a)に示したように、使用者の体から指を
通って竜頭110の金属製部分に伝わり、更に、該竜頭
110が取付けられた金属製巻真120を介して該巻真
120の先端の歯車部に噛合した輪列を含むムーブメン
ト130の金属部分に伝わって、最終的には、ムーブメ
ント130のIC140等に達するような静電気の漏れ
が生じることがある。このとき流れる静電気の電気量が
大きかったり、体の帯電電位ないし電圧が高い場合に
は、IC140等に過大な電流が流れたりIC140等
に過大な電圧がかかって、IC140等が壊れたり誤動
作する虞れがある。なお、IC140等に至る直接的な
導体路がなくても高電圧下の放電によって、IC140
等が壊れたり誤動作する虞れもある。
【0005】このような静電気の影響を避けるために、
中枠等で支えられたムーブメント130の裏面に金属板
を設けると共に該金属板と裏蓋との間に金属製板バネを
設けたり、ムーブメント130の内部の導体部に達する
穴をムーブメント130の裏面に形成しておき該穴の底
の導体と金属製裏蓋との間に金属製コイルバネを設けて
静電気を逃がすようにした電子時計も知られている。し
かしながら、この種の従来の電子時計では、ウォッチの
厚さなどのサイズが大きくなったり、バネ等を配置する
スペースを確保するためにムーブメント130自体の形
状に制約が生じたりするのを避け難かった。
【0006】本発明は、前記諸点に鑑みなされたもので
あって、その目的とするところは、最小限のサイズで中
間支持機能と接地機能との両方の機能を備えた新規な中
間支持構造体を提供することにある。
【0007】本発明の別の目的は、そのような新規な中
間支持構造体を備えた電子時計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の中間支持構造体
は、前記目的を達成すべく、母材が樹脂からなる弾性変
形可能な中間支持構造体であって、樹脂母材中に導電性
カーボンナノチューブを分散させてなる導電性部分を有
し、該導電性部分が、二つの導電性物品間に導電路を与
えるべく、表面露出接点部において対応する導電性物品
に当接するように構成されている。
【0009】本発明の中間支持構造体では、「表面露出
接点部において対応する導電性物品に当接するように構
成された導電性部分」が設けられているから、該中間支
持構造体の導電性部分によって(二つの)導電性物品間
に導電路が与えられる。また、本発明の中間支持構造体
では、「母材が樹脂からなり弾性変形可能」であるか
ら、中間支持構造体が実質的に剛性である場合(例えば
ステンレス鋼の如き金属材料からなる場合)とは異な
り、被支持物を支持する中間支持構造体と実質的に剛性
の枠体等と間にバネなどを介在させることなく、中間支
持構造体自体を実質的に剛性の枠体に押付けることによ
り該被支持物を枠体に対して固定ないし保持し得るか
ら、占有スペースを最小限にし得る。ここで、このよう
な導電性機能と弾性的な中間支持機能との両方が同時に
満たされるのは、「樹脂母材中に導電性カーボンナノチ
ューブが分散されてなる導電性部分」を、中間支持構造
体が有することによる。
【0010】「弾性変形」とは、薄肉環状や薄肉リング
状や薄片状等の如く曲げ変形を受け易い形状に起因する
弾性変形、及び母材が樹脂であることによる素材自体の
軟らかさ(圧縮などに対して素材自体が弾性変形され易
いこと)のいずれか一方又は両方を指す。因みにこの中
間支持構造体と同一形状のものを仮にステンレス鋼のよ
うな金属材料で形成した場合には、剛性が高く素材自体
の軟らかさに欠けるので、いずれの観点でも、「弾性変
形可能」とは、実際上言い難く、バネ体等の使用を避け
難い。樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂が
用いられる。但し、上述の意味で弾性変形可能な中間支
持構造体を形成するに適した材料であって、且つカーボ
ンナノチューブの一様ないし均一な分散が可能な材料で
あれば、他のどのような樹脂でもよい。素材自体の軟ら
かさによる弾性変形を利用するときは、中間支持構造体
は、典型的には、他の物品(典型的には剛性枠体)に押
付けられる突起部を有する。この突起部の少なくとも一
部は、典型的には、表面露出接点部としての役割を果た
す。その場合、表面露出接点部が、支持機能及び接地機
能の両方の機能を果たす。
【0011】ここで、中間支持構造体の全体が導電性部
分からなっていても、又は母材の樹脂中に非導電性カー
ボンナノチューブが分散された非導電性本体部を有し、
この非導電性本体部が前記導電性部分と一体的に成形さ
れて中間支持構造体を形成していてもよい。この場合、
中間支持構造体は、被支持物に静電気の影響が及ぶのを
最小限にすべく、典型的には、非導電性部分(非導電性
本体部)で被支持物を支える。この支持のためには、両
方の表面の一部が相互に当接するように接触係合してい
ても、相互に相補的形状を備えて係合ないし嵌合してい
ても、ネジやピンにより相互に固定されていても他の形
態の支持でもよい。但し、被支持物から離れたところに
静電気漏洩用の充分な導電路を有する限り、導電性部分
で被支持物を支えるようになっていてもよい。なお、こ
こで、典型的には、非導電性本体部の方が導電性部分よ
りも大きい体積を占めるけれも、場合によっては、導電
性部分の方が非導電性本体部よりも大きい体積を有して
いてもよい。
【0012】別の観点では、本発明の中間支持構造体
は、前記目的を達成すべく、実質的に剛性の被支持物と
実質的に剛性で二つの導電性物品が取付けられた枠体と
の間に介在して被支持物を枠体に固定する中間支持構造
体であって、非導電性本体部と該本体部と一体に成形さ
れた少なくとも一つの導電性部分とを有し、非導電性本
体部が非導電性カーボンナノチューブを含み、導電性部
分が、導電性カーボンナノチューブを含み、且つ二つの
導電性物品間の導電路を与えるべく中間支持構造体の表
面の二箇所に露出した接点部を有し、非導電性本体部及
び導電性部分のうちの少なくとも一方が、枠体に弾性的
に押付けられる突出部を備える。
【0013】この場合、本発明の中間支持構造体では、
「導電性部分が二つの導電性物品間の導電路を与えるべ
く中間支持構造体の表面の二箇所に露出した接点部を有
する」から、二つの導電性物品間が二箇所の接点部を介
して導電性部分によって導通され得る。従って、二つの
導電性物品のうちの一方の導電性物品が例えば竜頭のよ
うに静電気の影響を直接受ける場合でも、時計の導電性
外装部品の如く静電気の逃げ場を与える物品が他方の導
電性物品になるような位置に、二箇所の接点部を形成し
ておくことにより、竜頭のような導電性部品から不可避
的に入る静電気をICのような電子部品などに悪影響を
与えないように漏洩させ得る。
【0014】なお、「実質的に剛性で二つの導電性物品
が取付けられた枠体」とは、二つの導電性物品のうちの
両方が実質的に剛性の枠体の一部又は全部を形成してい
る場合と、二つの導電性物品のうちの一方が実質的に剛
性の枠体の一部を形成し他方が剛性枠体に可動に又は軽
く取付けられている場合(前述の竜頭の例)と、二つの
導電性物品の両方が剛性枠体に可動に又は軽く取付けら
れている場合を含む趣旨である。「実質的に剛性」と
は、中間支持構造体の形状又は素材の弾性(弾性変形し
易さ)と比較して、変形され難いことをいう。
【0015】また、本発明の中間支持構造体では、導電
性部分が該中間支持構造体の非導電性本体部と一体的に
成形されているから、例えば、金属製のバネ体を付加的
に配設する場合とは異なり、余分のスペースを要しな
い。従って、中間支持構造体が組込まれる装置のサイズ
を最小限にし得るだけでなく、中間支持構造体に隣接し
て配置される他の部品(例えば被支持物)の形状の自由
度が増す。
【0016】更に、本発明の中間支持構造体では、非導
電性本体部が非導電性カーボンナノチューブを含み、導
電性部分が導電性カーボンナノチューブを含むから、一
体成形される非導電性本体部及び導電性部分が導電性の
点で異なるだけでその他の点では実質的に同様な材料で
形成されるので、非導電性本体部と導電性部分との一体
成形が強固に行われ得る。また、非導電性本体部及び導
電性部分が非導電性及び導電性カーボンナノチューブを
含むことにより、夫々のカーボンナノチューブで補強さ
れ得るから、全体的な機械的強度も高くなる。従って、
非導電性本体部は、中間支持構造体が採るべき任意の幾
何学的形状ないし三次元形状を採り得る。その結果、非
導電性本体部のうち「物品と機械的に係合して該物品を
支える係合部」が、所望に応じた複雑さの形状で形成さ
れ得るから、非導電性本体部に、非導電性部分特有の支
持ないし係合などの機能をもたせることも容易になる。
【0017】また、本発明の中間支持構造体では、非導
電性本体部及び導電性部分のうちの少なくとも一方が、
枠体に弾性的に押付けられる突出部を備えるから、実質
的に剛性の被支持物と実質的に剛性で二つの導電性物品
が取付けられた枠体との間に介在して該突出部が弾性変
形されることにより中間支持構造体が枠体に固定的に保
持され得るので、被支持物が中間支持構造体を介して枠
体に固定的に保持され得る。ここで、突出部は、中間支
持構造体の素材が比較的軟らかい場合には、典型的に
は、表面からほぼ垂直に突出した弾性的に圧縮変形可能
な突起からなり、一方、中間支持構造体の素材が比較的
硬い場合には、典型的には、表面から斜めに突出した薄
片状バネ部からなる。但し、所望ならば、他の形態でも
よい。
【0018】導電性部分の接点部は、少なくとも二つあ
れば、二つでも三つ以上でもよい。また、二つの接点部
は、中間支持構造体の表面を構成する面のうち実際上同
一の面であっても異なる面であってもよい。
【0019】なお、中間支持構造体の電気伝導性に関し
て、本体部が「非導電性」とは、「導電性部分と比較し
て識別可能な程度に本体部の導電性が低いことをい
う」。従って、導電性部分が金属的な導電性ないし導電
度を有する場合、非導電性本体部は、典型的には、電気
絶縁性の高いいわゆる絶縁体からなるけれども、場合に
よっては、半導電性(典型的には使用温度範囲において
半導体的な導電的性質及び導電度)であってもよい。ま
た、非導電性本体部が、導電性部分を介して相互に離れ
た複数の非導電性領域からなる場合、全ての非導電性領
域が実質的に同様なものからなっていても、一つ又は複
数の非導電性領域が相互に異なるものからなっていても
よい。一方、導電性部分が半導電性を有する場合、非導
電性本体部は、典型的には、絶縁体からなる。なお、非
導電性本体部と導電性部分とが導電性に関して識別可能
な程度の差異がある限り、場合によっては、非導電性本
体部及び導電性部分の両方が通常は金属的と呼ばれるよ
うな導電性を有していても、両方が通常は電気絶縁性と
呼ばれるような非導電性(絶縁性)を有していても、両
方が通常は半導電性を有していてもよい。また、導電性
部分が、非導電性本体部の一部をなす非導電性領域を介
して相互に離れた複数の導電性領域からなる場合、全て
の導電性領域が実質的に同様なものからなっていても、
一つ又は複数の導電性領域が相互に異なるものからなっ
ていてもよい。
【0020】導電性部分は、二つの導電性物品の間に導
電路を与えるべく非導電性本体部の表面の二箇所に露出
した接点部を備える限り、露出接点部以外の部分が非導
電性本体部にどのように分布していてもよい。なお、導
電性物品は全体が導電性であっても接点部に接触する部
分を含む一部の領域で導電性であってもよい。また、導
電性部分の接点部は、例えば、細長い導電性部分の端部
に位置していてもその中間部部分であってもよく、ま
た、導電性部分が無端ループをなしていてもよい。
【0021】接点部における露出の形態は、中間支持構
造体の表面に沿った層の形でも、中間支持構造体の表面
からの突出した突起部でもよい。後者の場合、典型的に
は、接点部の接点が導電性部分のうち非導電性本体部の
表面から突出した突起部の先端に形成される。なお、場
合によっては、露出した接点部が、弾性変形可能に非導
電性本体部から突出し導電性物品に押付けられるバネ性
突出部からなっていてもよい。
【0022】この場合、従来は別体の金属バネ体からな
っていた突出部が、導電性部分の一部として、非導電性
本体部と一体に組込まれ得るから、その複合電気部品が
全体として小型化され得るだけでなく、該中間支持構造
体の組付けなどの際その取扱が極めて容易になる。ま
た、二色又は多色射出成形によって中間支持構造体が製
造される場合、細長い突出部を形成するカーボンナノチ
ューブは、典型的には、該突出部の延在方向に沿って多
少なりとも整列されるから、突出部の曲げ強度も高くな
る。
【0023】導電性部分の数は、一つないし一本又は一
層でも、複数(例えば一対ないし二つでも、三つ以上)
でもよい。ここで、導電性部分について、数とは、電気
的に相互に絶縁された導電性部分の数をいう。従って、
一つの導電性部分が、一つ又は複数の枝ないし分枝を備
えていてもよい。
【0024】一方、導電性部分は、被支持物に対する電
気絶縁や容量性結合なども考慮した中間支持構造体の占
有スペースを最小限にし得るように、前記導電性物品に
電気接続される接点部の近傍以外の領域において、非導
電性本体部内に埋設されても、端子部以外の部位が部分
的に非導電性本体部の表面に露出していても、全ての領
域において、非導電性本体部の表面に露出していてもよ
い。この場合、非導電性本体部は、被支持物の表面に接
触係合して被支持物を支持していても、被支持物の被係
合部に嵌合等により係合して被支持物を支持していて
も、ネジ等の締付ないし固定手段で被支持物に固定され
て被支持物を支持していてもよい。なお、導電性部分
は、典型的には、その長手方向の部位にかかわらず、ほ
ぼ一定の乃至同様な横断面形状及びサイズを有するけれ
ども、その延在方向の部位によってその横断面形状など
が異なっていてもよい。
【0025】導電性部分に含まれるカーボンナノチュー
ブは、典型的には、大半が導電性のカーボンナノチュー
ブからなるけれども、導電性部分が非導電性本体部と比
較して充分に導電性が高い限り、導電性部分に含まれる
カーボンナノチューブの一部または相当部分が相対的に
非導電性であってもよい。相当部分の割合は、典型的に
は例えば50%程度以下であるけれども、場合によって
は、50%程度を越えていてもよい。なお、導電性部分
に含まれるカーボンナノチューブの実質的に全てが導電
性のカーボンナノチューブからなっていてもよい。ま
た、導電性部分には、カーボンナノチューブ以外のもの
が同時に配合ないし混入せしめられていてもよい。
【0026】同様に、非導電性本体部に含まれるカーボ
ンナノチューブは、典型的には、大半が非導電性のカー
ボンナノチューブからなるけれども、非導電性本体部が
導電性部分と比較して充分に導電性が低い限り、非導電
性本体部に含まれるカーボンナノチューブの一部または
相当部分が相対的に導電性であってもよい。相当部分の
割合は、典型的には50%程度以下であるけれども、場
合によっては、50%を越えていてもよい。なお、非導
電性本体部に含まれるカーボンナノチューブの実質的に
全てが非導電性のカーボンナノチューブからなっていて
もよい。また、非導電性本体部には、カーボンナノチュ
ーブ以外のものが同時に配合ないし混入せしめられてい
てもよい。
【0027】中間支持構造体の非導電性本体部及び導電
性部分が夫々の導電特性のカーボンナノチューブを同一
又は同種の樹脂母材に分散させてなる場合には、中間支
持構造体は、典型的には、突出部として突起部を備え
る。この場合、(ステンレス鋼のような金属材料と比較
して)樹脂母材の剛性が低いから、樹脂母材を含む突起
部が弾性変形されて枠体に押付けられることにより、中
間支持構造体が枠体に固定的に保持され得る。ここで、
典型的には、接点部が突起部になっており、接点部が、
支持機能と接地機能との両方を有する。但し、接点部以
外にこのような突起部があってもよく、また、接点部の
一部又は全部がこのような突起部になっていなくてもよ
い。
【0028】カーボンナノチューブに関して、導電性又
は非導電性というのも、中間支持構造体の(導電性)部
分及び本体部に関して、導電性又は非導電性という場合
と、同様に、導電性の面で識別可能な程度に相対的に電
気伝導度が高いか低いことをいい、典型的には、導電性
カーボンナノチューブは、金属的な導電性を備えたカー
ボンナノチューブを指し、非導電性カーボンナノチュー
ブは、バンドギャップの比較的大きい半導体又は絶縁体
のような比較的電気絶縁性の高いカーボンナノチューブ
を指す。
【0029】なお、カーボンナノチューブが、その径や
カイラル角(螺旋度)に応じて、導電性(金属的な導電
性)であったり非導電性(半導体又は電気絶縁体の導電
性)である事自体は、周知である。導電性カーボンナノ
チューブは、非導電性カーボンナノチューブに対して充
分に大きい導電性を有する限り、径やカイラル角が一定
のものからなっていても、径やカイラル角の異なるもの
が混ざっていてもよい。また、各カーボンナノチューブ
自体の径などが一定でなくてもよい。同様に、非導電性
カーボンナノチューブは、導電性カーボンナノチューブ
に対して充分に小さい導電性を有する限り、径やカイラ
ル角が一定のものからなっていても、径やカイラル角の
異なるものが混ざっていてもよい。カーボンナノチュー
ブの長さは、一様な分散をさせるためには巨視的には非
導電性本体部のサイズと比べて充分に短い方が好ましい
けれども、母材として働く樹脂などがカーボンナノチュ
ーブを充分に一様にないし均等に分散させ得る限り、比
較的長くてもよい。また、カーボンナノチューブ相互の
結合(絡合いのようなものを含む)を強固にするために
は、場合によっては、長さが比較的長くてもよい。
【0030】カーボンナノチューブは、典型的には、い
わゆる単層ナノチューブからなるけれども、所望の導電
特性が得られる限り、複層(多層)のものでも、単層の
ものと複層のものとが混在していてもよい。また、カー
ボンナノチューブは、典型的には、カーボンのみならな
るけれども、場合によっては、ナノチューブの内部や表
面又はチューブ間に炭素以外の原子が介在していてもよ
い。
【0031】中間支持構造体の非導電性本体部及び導電
性部分は、典型的には、同一の樹脂の異なる領域ないし
部分に導電性の異なるカーボンナノチューブを分散させ
てなる。すなわち、典型的には、樹脂材料に非導電性カ
ーボンナノチューブを所望割合で一様な分布密度で分散
させてなる非導電性樹脂素材(非導電性本体部が複数種
類の副次的な非導電性部分からなる場合にはその種類に
応じて一種類又は複数種類の非導電性樹脂素材)と樹脂
材料に導電性カーボンナノチューブを所望割合で一様な
分布密度で分散させてなる導電性樹脂素材(導電性部分
が複数種類の副次的な導電性部分からなる場合にはその
種類に応じて一種類又は複数種類の導電性樹脂素材)と
を別々に準備しておいて、例えば、いわゆる二色又は多
色射出成形により、非導電性本体部(領域)及び所望の
パターンの導電性部分(領域)を形成して一体に成形す
る。一様な分布密度で樹脂中に分散されたカーボンナノ
チューブは、その向きないし配向も一様に(等法的に)
分布していてもよいけれども、全体として帯状ないし片
状や線状の形状を有する場合には、その長手方向にある
程度またはほぼ完全に配向が揃っていていもよい。な
お、樹脂の二色又は多色射出成形技術自体は周知である
(例えば、特許庁編の特許マップシリーズのうち「射出
成形用金型 機械7」(発明協会発行)の中、「第1章
1.5.6二色(多色)射出成形法」参照)。
【0032】樹脂としては、例えば、前述のように、ポ
リカーボネート樹脂が用いられる。但し、中間支持構造
体を形成するに適した材料であって、且つカーボンナノ
チューブの一様ないし均一な分散が可能な材料であれ
ば、他のどのような樹脂でもよい。
【0033】非導電性本体部と導電性部分とを一体的な
中間支持構造体に形成し得る限り、樹脂中に分散させる
カーボンナノチューブ粒子ないし粉の割合は、中間支持
構造体の非導電性本体部及び導電性部分が有すべき、特
性に応じて任意に選択すればよい。導電性の観点では、
特に、導電性カーボンナノチューブを分散させてなる導
電性領域(部分)においては、カーボンナノチューブの
割合が高い方が好ましい。一方、機械的強度の観点で
は、カーボンナノチューブの割合が高くなったとき母材
としての樹脂による一体化が損なわれ易くなる虞れがあ
る場合には、カーボンナノチューブの配合割合には、可
動体の種類や樹脂の種類等に応じて、実質的に上限があ
ることになる。また、母材樹脂の弾性限界内での軟らか
さを所定レベル以上に残すことを基準として、カーボン
ナノチューブの含量ないし配合割合に上限を設けてもよ
い。一方、典型的には、カーボンナノチューブは、機械
的強度が高いだけでなくそれ自体弾性を備えるから、カ
ーボンナノチューブを樹脂中に分散させることにより、
その機械的強度や弾性を高め得る。従って、機械的特性
の観点からは、カーボンナノチューブの割合には、中間
支持構造体の種類や樹脂の種類等に応じて、下限が生じ
得る。特に、導電性部分の接点部を非導電性本体部から
突出させバネの如く弾性的に導電性物品に押付けて接地
等する場合には、導電性部分は、少なくとも該突出領域
及びその近傍においては、比較的高割合で導電性カーボ
ンナノチューブを含むことが好ましい。以上のように、
上限や下限すなわち好ましい範囲は、中間支持構造体の
種類や樹脂の種類等に応じて異なり得る。
【0034】なお、母材としての樹脂により非導電性本
体部と導電性部分との一体化を達成する代わりに、バイ
ンダとして働く有機物素材などを用いて中間支持構造体
の当初の成形を行い、その後、加熱して、バインダ部分
を熱分解や気化などによって実質的に焼き飛ばすことに
より、カーボンナノチューブを実質上焼き固めて、カー
ボンナノチューブの割合ないし純度が高い中間支持構造
体の成形体を形成するようにしてもよい。この場合、例
えば、焼飛ばしによる残滓がカーボンナノチューブを相
互に結合させるようにしておく。但し、中間支持構造体
の用途に応じた所望の強度でカーボンナノチューブが相
互に結合され得る場合には、残滓等が実際上なくてもよ
い。
【0035】なお、接地機能と共に又は接地機能の代わ
りに静電遮蔽機能をもたせる場合には、中間支持構造体
は、非導電性カーボンナノチューブを含む非導電性本体
部と、妨害信号が被遮蔽物に入るのを抑制すべく、該本
体部に一体成形されて被遮蔽物を取囲み、導電性カーボ
ンナノチューブを含む導電性部分とを備えればよい。
【0036】以上のように、中間支持構造体は、そのサ
イズが最小限に抑えられうるから、例えば、クォーツ式
のウォッチのような電子時計の部品の如く、小さな電気
機械部品として用いられるに適する。例示した従来技術
との対比で言えば、中間支持構造体の導電性部分の二つ
の表面露出接点部ないし二箇所の接点部と接触する二つ
の導電性部品のうちの一つが、例えば、巻真に対応し、
他の一つが時計の裏蓋の如き外装部品に対応する。ここ
で、中間支持構造体は、例えば、中枠またはムーブメン
ト本体部の役割とバネの役割との両方の役割を果たす。
当然ながら、中間支持構造体は、電子時計の中枠やムー
ブメント本体部などの代わりに他の一つ又は複数の時計
部品の役割を果たしても、電子時計以外の電子装置又は
電気機械装置の部品などとして用いられてもよい。一
方、時計のICや回路ブロックを含むムーブメントの電
子・電機部品部分に近接もしくは接触する領域またはム
ーブメント自体に近接もしくは接触する領域において
は、ICや回路ブロック等への静電気の漏れないし流入
を避けるべく、該領域を非導電性として、即ち非導電性
本体部に含めるようにしておいてもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態のいくつかを添付図面に示した好ましい実施例に基づ
いて説明する。
【0038】
【実施例】図1及び図2には、本発明による好ましい第
一実施例の中間支持構造体としての中枠10を用いた電
子時計としての女性用クォーツ式ウォッチ1が示されて
いる。このウォッチ1では、剛性枠体としての胴30及
びこれに取付けられた前面のガラス板2並びに胴30に
取付けられた剛性枠体としての裏蓋40により、外装ケ
ース3が形成され、ケース3内に被支持物としてのムー
ブメント50が収容されている。なお、4は文字板、5
は針(秒針5a,分針5b,時針5c)である。
【0039】ほぼ環状の胴30は、中央に、同心の小径
及び大径の開口部ないし中央孔部31,32を有し、小
径開口部31の表面側周縁部の環状切欠部33にガラス
板2が取付けられ、大径開口部32と小径開口部31と
の間の環状平面部34に文字板4が当接している。
【0040】ムーブメント50は、地板51を介して胴
30に支持され、この地板51には、裏蓋40側で開口
した電池収容凹部52が形成され、該凹部52にムーブ
メント50を駆動するボタン型電池6が収容されてい
る。ムーブメント50は、電気的または電子的には、電
池6により駆動される各種の集積回路チップ(IC)
7、発振器8、及びモータその他の電気機械部品(図示
せず)ないし電気部品9が実装され配線パターンを備え
た回路板(図示せず)並びに回路ブロック(図示せず)
を含み、機械的には、回路ブロックや回路板に実装され
た回路の制御下で駆動される輪列(図示せず)及びカナ
部53を介して針5を回転駆動する。
【0041】なお、胴30の周壁35には、大径凹部3
2の周面で開口する径方向孔36が形成され、この孔3
6には、先端歯車部(図示せず)が輪列を介してカナ部
53に係合可能な金属製巻真60が挿通され、巻真60
の基端ないし外側端部には、指で操作可能な竜頭62が
取付けられている。竜頭62は、例えば、金属製部分6
3と非導電性部分64とを含む。
【0042】より詳しくは、ムーブメント50と裏板4
0との間に、導電性カーボンナノチューブを樹脂に一様
に分散させ一体成形してなる複合導電性樹脂材料製の中
枠10が配設されている。中枠10は、図1の平面図及
び図2の断面図に加えて図3の斜視図で示したように、
ほぼ環状の本体部11と、該本体部11の周方向Bにほ
ぼ等間隔に該周方向Bの四つの領域D,E,F,Gにお
いて、時計1の中心軸線Cに平行に裏蓋40に向かって
突出した支持用脚部12d,12e,12f,12g
(総称するとき又は夫々を区別しないときは符号「1
2」で表す)を有する。なお、領域Eにおいては、支持
用脚部12eは、周方向Bに間隔をおいて形成された二
つの脚部12e1,12e2からなり、脚部12e1,
12e2の間には、巻真60の配設用の凹部13が形成
されている。なお、凹部13の底壁をなすブリッジ部1
3aは、巻真60の先端大径部65に接触している。一
方、領域Gにも、中心軸線Cに関して脚部12eの脚部
12e1,12e2とほぼ対称な位置に二つの脚部12
g1,12g2が形成されている。なお、各脚部12
d,12e,12f,12gの基部には、図1及び図3
からわかる通り、環状平板状の中枠本体部11に対して
半径方向に突出した突出部ないし突起部14d,14
e,14f,14g(総称するとき又は夫々を区別しな
いときは符号「14」で表す)が形成されており、中枠
10は、この突起部14d,14e(14e1及び14
e2からなる),14f,14g(14g1及び14g
2からなる)の突出端において胴30の大径開口部32
の周面に当接して、胴30により支持されている。中枠
本体部11のほぼ円形の内周面15は、内側に配置され
るべきムーブメント50(地板51を含む)の形状に適
合するように、例えば、凹部16a,16b(総称する
とき又は夫々を区別しないときは符号「16」で表す)
で切欠かれており、一方、ムーブメント50の地板51
には、中枠10の環状本体部11の内周面16及び表側
端面17の一部を受ける軸線方向延在及び径方向延在係
合面54a,54b(総称するとき又は区別しないとき
は「54」で表す)を与える切欠部55が形成されてい
る。
【0043】なお、図3からわかる通り、中間支持構造
体としての中枠10の本体部11は、その環状ないしリ
ング状形状が該環ないしリングの面内で環ないしリング
が非円形になるように弾性変形可能であるだけでなく、
環ないしリングがその任意の方向の径に沿った軸線のま
わりでねじられて環ないしリングにより形成される面が
曲面になるように弾性変形可能である。また、中枠10
は、母材が樹脂からなるので、大きな外力がかかった場
合、軸線方向の突起部をなす支持脚部12及び径方向の
突起部14が、その弾性限界内で比較的容易に圧縮変形
され得る。
【0044】従って、裏蓋40の係合部(図示せず)を
胴30の係合部(図示せず)に係合させることにより中
枠10を時計1内に組付ける際、軸線方向については、
脚部12の下端ないし突出端18が裏蓋40の内側凹部
41の底面42によって表側に向かってC1方向II押さ
れ、表側端面17の一部がムーブメント50の地板51
の対応する係合面54b等に当たり、ムーブメント50
を胴30の環状平面部34に支持された文字板5に押付
け、ムーブメント50を胴30に対して固定する。
【0045】一方、径方向については、裏蓋40と胴3
0との係合により中枠10を時計1内に組付ける際、中
枠10の突起部14が胴30の大径開口部32の周面に
当って中枠10の環状本体部11の内周面16等でムー
ブメント50の対応する外周部に押付けられるので、ム
ーブメント50を胴30に対して固定する。
【0046】この中枠10の組付けの際、寸法誤差や形
状の誤差などに起因して、中枠10の支持脚部12d,
12e,12f,12gにかかるC1方向の力がある程
度異なっても、中枠10の環状平板状本体部11は、そ
の環の平面が曲面状に曲がるようにその弾性限界内で捩
れたり、支持脚部12d,12e,12f,12gが弾
性限界内で圧縮変形されることにより、寸法や形状の誤
差を吸収ないし補償する。同様に、寸法誤差や形状の誤
差などに起因して、中枠10の支持脚部12d,12
e,12f,12gにかかる径方向の力がある程度異な
っても、中枠10の環状本体部11の環がその弾性限界
内で楕円形などの如く非円形になったり、突起部14
d,14e,14f,14gがその弾性限界内で圧縮変
形されることにより、寸法や形状の誤差を吸収ないし補
償する。ここで、中枠10の弾性変形は、ムーブメント
50を中枠10により胴30及び裏蓋40を含むケース
3内に固定する役割を果たす。
【0047】以上の如く構成された電子時計1におい
て、時計1の使用者が静電的に帯電した状態で、例えば
時刻合わせなどのために竜頭62の金属製部分63に指
で触ると、図4の(b)に示したように、使用者の体の
静電気が竜頭62の金属製部分63から金属製巻真60
に伝わり、次に、該巻真60の先端大径部65から該大
径部65に接触した導電性複合樹脂材料製の中枠10の
凹部13の底部ブリッジ部13aに伝わり、更に、導電
性複合樹脂材料製中枠10の支持脚部12からこれに接
触した裏蓋40に伝わる。勿論、電荷の流れる向き又は
電流の流れる向きは、指の帯電が相対的にプラスかマイ
ナスかに応じて逆向きになる。なお、例えば右手の指と
時計1をはめた左手の手首との間に実際上電位差がない
場合には、利用者が帯電しているか否かにかかわらず、
静電気の電荷が時計1のムーブメント50のIC7等に
流れ込む虞れが実際上ない。
【0048】その結果、ウォッチ1の使用者が帯電した
状態で竜頭62の金属部分63に触っても、静電気に起
因する電荷がウォッチ1のIC7等に流れる虞れが少な
く、IC7等が壊れたり誤動作する虞れが少ない。
【0049】以上の如く、このウォッチ1では、複合樹
脂材料からなる中枠10がムーブメント50と裏蓋40
及び胴30との間に介在しているから、不均等な応力や
過大な圧縮応力を該中枠10自体の形状的な又は材料的
な弾性変形によって吸収し得るので、金属製のバネなど
を用いることなくしても、中枠10がムーブメント50
をケース3内において固定的に保持し得る。なお、この
例において、支持脚部12の配置や数、突起部14の配
置や数、更には、中枠10の形状などは、所望に応じて
変更され得る。
【0050】また、このウォッチ1では、導電性複合樹
脂材料からなる中枠10がその表面側凹部13において
巻真60に接触し且つ支持脚部12の下端面18におい
て金属製裏蓋40に接触しているので、静電気が竜頭6
2のところから入っても、ムーブメント50内部のIC
7等に静電気による電流が流れたり該ムーブメント50
のIC7等に過大な電圧がかかるのを実質的に避け得る
ように、導電性中枠10を介して、静電気を金属製裏蓋
40に流し得るから、IC7等が壊れたり誤作動する虞
れが少ない。
【0051】なお、中枠10が凹部13と支持脚部12
の下端面18との間に導電路を有する限り、中枠10の
全体が導電性である代わりに、中枠10の一部が導電性
であってもよい。特に、中枠10のうちムーブメント5
0の各種電子部品や配線パターン等に直接隣接又は対面
する領域において帯電に伴う放電などが生じる虞れを避
けるべく、ムーブメント50のこれらの領域を含む領域
を非導電性にしてもよい。また、所望ならば、胴30の
開口部32の周面に当接する突起部14の一部分若しく
は全体を又は該突起14を含むより大きな領域を非導電
性にしてもよい。このような非導電性本体部としての非
導電性領域は、導電性部分ないし領域よりも小さくても
大きくてもよく、例えば、中枠10の大半の領域を占め
てもよい。いずれの場合でも、非導電性領域は、非導電
性カーボンナノチューブを樹脂中に分散させてなる非導
電性複合樹脂材料により形成する。ここで、非導電性領
域の形成のためには、典型的には、導電路を形成する導
電性領域の形成のために導電性カーボンナノチューブを
分散させる導電性複合樹脂材料の樹脂母材と実質的に同
一の樹脂母材が用いられ、導電性領域(導電性部分)と
非導電性領域(非導電性部分ないし非導電性本体部)と
が、いわゆる二色ないし多色射出成形法により一体成形
される。
【0052】なお、カーボンナノチューブが分散され該
カーボンナノチューブで補強されているとしても複合樹
脂材料の剛性率(圧縮変形に対するN/m2単位の弾性
率)はステンレス鋼などの金属材料の剛性率よりも充分
に小さく硬いから、中枠10をムーブメント50の本体
部(例えば地板51等)とは別体で形成する代わりに、
図5及び6に示したように、ムーブメント50の本体部
70を中間支持構造体として、導電性部分71と非導電
性部分72とで形成してもよい。ムーブメント50の他
の部分は、典型的には、ネジ止めや嵌着などにより直接
的または間接的に本体部70に固定される。ここで、導
電性部分71は典型的には導電性カーボンナノチューブ
を樹脂母材に分散させてなる導電性剛性樹脂材料で、非
導電性部分72は典型的には非導電性カーボンナノチュ
ーブを導電性部分71の樹脂母材と同一又は同種の樹脂
母材に分散させてなる非導電性剛性樹脂材料で形成さ
れ、導電性部分71及び非導電性部分72は二色又は多
色射出成形法により一体成形される。なお、図5から図
7に示した本発明の第二実施例において、図1から図4
に示した実施例と同一又は同様な部材、部位又は要素に
は第一実施例の場合と同一の符号が付されている。
【0053】導電性部分71は、より詳しくは、例え
ば、巻真60の大径部65に接触する巻真支持部73
と、ムーブメント本体部70のうち裏蓋40の内側凹部
41の底面42に対面する裏面74から突出した突起部
75d,75e,75f,75g(総称するとき又は区
別しないときには符号「75」で表す)と、巻真支持部
73と突起部75とをつなぐ表面導電路部76とからな
る。この表面導電路部76は、例えば、突起部75をつ
なぐ円形ないし環状の導電路76aと、環状導電路76
aと巻真支持部73とをつなぐ径方向及び軸線方向導電
路76b,76cとを含む。なお、導電性巻真支持部7
3又は導電性大径部65のうちのいずれか一方が、導電
性軸受部であってもよい(第一実施例の場合も同様)。
【0054】なお、なお、第二実施例のウォッチ1で
は、ムーブメント本体部70の周面部のうちウォッチ1
の表面に近い部分に、非導電性複合樹脂材料からなる非
導電性本体部分72の一部をなす突起14d,突起14
e(即ち突起14e1,14e2),突起14f,突起
14g(即ち突起14g1,14g2)が、形成されて
いる。
【0055】この第二実施例のウォッチ1では、裏蓋4
0によってムーブメント50を組付ける際における各種
の寸法及び形状誤差は、複合樹脂材料製のムーブメント
本体部70の突起部75及び突起部14の弾性限界内で
の変形によって吸収され、ムーブメント50がケース3
内に固定され得る。
【0056】また、この第二実施例のウォッチ1では、
ムーブメント50の本体部70に巻真支持部73の接触
面と突起75の接触面とをつなぐ表面導電路部76が形
成されているから、体が静電気で帯電した状態で竜頭6
2の金属部分63を指で触っても、静電気が、竜頭62
の金属部分63から、巻真60、並びにムーブメント本
体部70の導電性部分71(すなわち導電性部分71の
導電性巻真支持部73、導電路76及び導電性突起部7
5)を通って、裏蓋40に逃げる。従って、ムーブメン
ト50の電子処理本体部をなすIC7等に静電気による
過電流が流れたり静電気による過電圧がかかったりする
虞れが少なく、該IC7等が壊れたり誤動作する虞れが
少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい第一実施例の電子時計の
底面説明図(裏蓋を外した状態)。
【図2】図1のII−II線断面説明図。
【図3】図1の電子時計の中枠の斜視説明図。
【図4】帯電した体で竜頭に触ったときの静電気の流れ
を説明するための図で、(a)は従来の電子時計の場合
の説明図、(b)は図1の電子時計の場合の説明図。
【図5】本発明による好ましい第二実施例の電子時計に
ついての底面説明図(裏蓋を外した状態)。
【図6】図5のVI−VI線断面説明図。
【図7】図5の電子時計において、静電気を帯びた体で
竜頭に触ったときの静電気の流れを説明するための図。
【符号の説明】
1 電子時計 3 ケース 4 文字板 5 針 6 電池 7 集積回路(IC) 10 中枠 12,12d,12e,12e1,12e2,12f,
12g,12g1,12g2 支持脚部 13 凹部 14,14d,14e,14e1,14e2,14f,
14g,14g1,14g2 突出部(突起部) 17 表面側端面 18 下端部 30 胴 31,32 開口部 40 裏蓋 41 内側凹部 42 底面 50 ムーブメント 51 地板 53 カナ部 55 切欠部 60 巻芯 62 竜頭 70 ムーブメント本体部 71 導電性部分 72 非導電性部分 73 導電性巻真支持部 75,75d,75e,75f,75g 突起 76,76a,76b,76c 導電路部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材が樹脂からなる弾性変形可能な中間
    支持構造体であって、樹脂母材中に導電性カーボンナノ
    チューブを分散させてなる導電性部分を有し、該導電性
    部分が、二つの導電性物品間に導電路を与えるべく、表
    面露出接点部において対応する導電性物品に当接するよ
    うに構成されている中間支持構造体。
  2. 【請求項2】 全体が導電性部分からなる請求項1に記
    載の中間支持構造体。
  3. 【請求項3】 母材の樹脂中に非導電性カーボンナノチ
    ューブが分散された非導電性本体部を有し、該非導電性
    本体部が前記導電性部分と一体的に成形されている請求
    項1に記載の中間支持構造体。
  4. 【請求項4】 非導電性本体部において、被支持物と機
    械的に係合して該被支持物を支えるように構成された請
    求項3に記載の中間支持構造体。
  5. 【請求項5】 実質的に剛性の被支持物と実質的に剛性
    で二つの導電性物品が取付けられた枠体との間に介在し
    て被支持物を枠体に固定する中間支持構造体であって、 非導電性本体部と該本体部と一体に成形された少なくと
    も一つの導電性部分とを有し、 非導電性本体部が非導電性カーボンナノチューブを含
    み、 導電性部分が、導電性カーボンナノチューブを含み、且
    つ二つの導電性物品間の導電路を与えるべく中間支持構
    造体の表面の二箇所に露出した接点部を有し、 非導電性本体部及び導電性部分のうちの少なくとも一方
    が、枠体に弾性的に押付けられる突出部を備える中間支
    持構造体。
  6. 【請求項6】 導電性及び非導電性カーボンナノチュー
    ブの夫々が樹脂母材に一様に分散されてなり、突出部が
    突起部からなる請求項5に記載の中間支持構造体。
  7. 【請求項7】 導電性部分が、接点部以外の部分におい
    て、非導電性本体部の内部に位置する請求項3から6ま
    でのいずれか一つの項に記載の中間支持構造体。
  8. 【請求項8】 導電性部分が接点部間において中間支持
    構造体の表面に沿って延びている請求項3から6までの
    いずれか一つの項に記載の中間支持構造体。
  9. 【請求項9】 中間支持構造体が電子時計の部品である
    請求項3から8までのいずれか一つの項に記載の中間支
    持構造体。
  10. 【請求項10】 前記導電性部品のうちの一つが巻真で
    ある請求項9に記載の中間支持構造体。
  11. 【請求項11】 前記導電性部品のうちの一つが時計の
    外装部品である請求項9又は10に記載の中間支持構造
    体。
  12. 【請求項12】 請求項9から11までのいずれか一つ
    の項に記載の中間支持構造体を備えた電子時計。
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