JP2002338612A - 光硬化性組成物およびその硬化方法 - Google Patents

光硬化性組成物およびその硬化方法

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JP2002338612A
JP2002338612A JP2001142263A JP2001142263A JP2002338612A JP 2002338612 A JP2002338612 A JP 2002338612A JP 2001142263 A JP2001142263 A JP 2001142263A JP 2001142263 A JP2001142263 A JP 2001142263A JP 2002338612 A JP2002338612 A JP 2002338612A
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JP2001142263A
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Naohiro Honda
直弘 本田
Shigenori Nagahara
重徳 永原
Satoshi Imahashi
聰 今橋
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業環境問題や大気汚染等の環境問題を低減
し、しかもその硬化物の性能、特に耐水性(耐沸水
性)、接着性、エッチング後の細線の再現性、電気特性
等に優れた光硬化性組成物およびその硬化方法を提供す
ること。 【解決手段】酸性基含有樹脂、反応性プレポリマーお
よび/または反応性モノマー、光重合開始剤を含む組成
物を乳化剤によりエマルジョン化した光硬化性組成物エ
マルジョンであり、乳化剤としてノニオン界面活性剤を
含有することを特徴とする光硬化性組成物であり、反
応性プレポリマーが、少なくとも1分子中に1個以上の
エチレン性不飽和結合と酸性基を含有することを特徴と
する記載の光硬化性組成物であり、前記〜のい
ずれかに記載の光硬化性組成物を塗工した後、光処理お
よび/または熱処理することを特徴とする硬化性組成物
の硬化方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性組成物に
関する。詳しくは界面活性剤を含有する光硬化性組成物
に関する。更に詳しくはノニオン性界面活性剤を含有す
る光硬化性組成物であり、この光硬化性組成物からなる
硬化物の性能、特に耐水性(耐沸水性)、接着性、エッ
チング後の細線の再現性、電気特性等が優れた光硬化性
組成物およびその硬化方法に関する。本発明の光硬化性
組成物は、塗料、印刷インク、表面コート剤、フォトレ
ジストインク、接着剤等の用途に適する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光硬化性組成物は設備の簡素
化による省エネルギー化、労務コストの削減による省力
化等の問題を解決する目的で幅広い分野で使用されてい
る。しかし、実用化されている光硬化性組成物は速硬化
性や塗工性をより良くするために、比較的低分子量の反
応性モノマーや有機溶剤を使用または併用されている場
合が多い。このため、反応性モノマーや有機溶剤による
臭気、有毒性、引火性等の作業環境問題や大気汚染等の
環境問題が生じている。
【0003】そこで、これらの問題を解決することを目
的として、以下に示す水性光硬化性組成物が開示されて
いる。(1)樹脂設計の段階で、ポリマーの共重合等に
より化合物中に親水性部位を導入して水溶解性をもたせ
た光硬化性組成物、(2)樹脂配合の段階で、界面活性
剤等により水分散性をもたせた光硬化性組成物、さらに
は(3)前述の光硬化性組成物にアクリルエマルション
や水溶性高分子等を併用した光硬化性組成物、である。
このように種々の水性光硬化性組成物が開示されている
が、これらの光硬化性組成物は水分散性、保存安定性、
もしくは硬化物の性能、特に耐水性、接着性、エッチン
グ後の細線の再現性、電気特性等に問題があるため、未
だに実用化に至っていないのが現状である。
【0004】前記問題を解決するため、特開平2−30
0204号公報には、粒子表面に重合性二重結合を導入
したエマルション組成物の製造方法が開示されている。
粒子表面に重合性二重結合を導入することによって、あ
る程度架橋密度を高くできるものの、硬化物の性能、特
に耐水性(耐沸水性)、接着性、電気特性を充分に満足
するものではなかった。また、製造工程が複雑でコスト
が高くなる難点もあった。
【0005】特開平9−157495号公報には、エマ
ルション粒子が三次元架橋した高分子エマルション及び
その製造方法が開示されている。この製造法では簡易に
製造でき、架橋密度も向上し有効であるが、硬化物の性
能、特に耐水性、接着性、電気特性等を未だ充分に満足
するものではなかった。
【0006】特開平8−302240号公報には、組成
物が重合反応によりエマルションのミセル中の重合性化
合物同士が化学結合する架橋型エマルションを含有する
光硬化性組成物が、特開平6−222557号公報に
は、高分子化合物の水性エマルションを含有する光硬化
性組成物が開示されている。しかしながら高分子エマル
ション粒子同士の化学結合が強過ぎるために基材や粒子
同士との接着性に劣る。そのため露光、現像後のエッジ
のキレが悪くなり、結果として、エッチング後の細線の
細りが大きくなる。またその他にも耐水性等の硬化物の
性能を満足するものではない。
【0007】特許第3032851号には水溶性高分子
を用いた光硬化性組成物が開示されている。しかしなが
ら水溶性高分子ポリマーを使用しているため、組成物の
水分散性や保存安定性は改良されたものの、硬化物の性
能、特に耐水性、接着性、エッチング後の細線の再現
性、電気特性等に乏しいという根本的な問題があり、実
用レベルまで達していない。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、作業環境問
題や大気汚染等の環境問題を低減し、しかもその硬化物
の性能、特に耐水性(耐沸水性)、接着性、エッチング
後の細線の再現性、電気特性等に優れた光硬化性組成物
およびその硬化方法を提供することを課題とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光硬化性組
成物およびその硬化方法について、前記課題を解決する
ために鋭意、研究、検討した結果、遂に本発明を完成す
るに到った。すなわち本発明は、酸性基含有樹脂、反
応性プレポリマーおよび/または反応性モノマー、光重
合開始剤を含む組成物を乳化剤によりエマルジョン化し
た光硬化性組成物エマルジョンであり、乳化剤としてノ
ニオン界面活性剤を含有することを特徴とする光硬化性
組成物であり、反応性プレポリマーが、少なくとも1
分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合と酸性基を含
有することを特徴とする記載の光硬化性組成物であ
り、前記〜のいずれかに記載の光硬化性組成物を
塗工した後、光処理および/または熱処理することを特
徴とする硬化性組成物の硬化方法である。
【0010】本発明で使用される反応性プレポリマーと
は、分子量(重量分子量Mw)5000〜100万、好
ましくはMw5000〜10万、さらに好ましくはMw
5000〜5万の高分子化合物であり、反応性の官能基
を有するものである。具体的には、エポキシ(メタ)ア
クリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリ
エステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)
アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート、ポリブ
タジエン(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)ア
クリレート、ポリアミドイミド(メタ)アクリレート等
を例示できる。
【0011】前記反応性プレポリマーにおいて、少なく
とも1分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合と酸性
基を含有することが、本発明においては好ましく、例え
ば、エポキシ化合物にアクリル酸などを反応させ、これ
によって生じた水酸基に酸無水物を反応させたポリマー
等が挙げられる。
【0012】本発明で使用される反応性モノマーとは、
少なくとも1分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合
を有するモノマーであり、以下の化合物および以下の化
合物の混合物を例示できる。具体的には、スチレン、酢
酸ビニル、N―ビニルピロリオン等のビニルモノマー、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、n―ドデシルアクリレート、イソホロニルアク
リレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート等の単官能モノマ
ー、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、ジュエチレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリ
プロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノール
Aジエトキシジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノ
マー等が例示できる。
【0013】本発明で使用される酸性基含有樹脂とは、
分子量(重量分子量Mw)5000〜100万、好まし
くはMw5000〜10万、さらに好ましくはMw50
00〜5万の高分子化合物であり、特開平6−2225
57号公報にあるようなエマルジョン粒子ではなく、樹
脂中に酸性基を含有していればどんな樹脂でもよく、上
記反応性プレポリマーおよび/または反応性モノマーと
酸性基含有モノマーを(共)重合させた化合物等を例示
できる。具体的にはエポキシ化合物に、アクリル酸など
を反応させ、これによって生じた水酸基に酸無水物を反
応させた樹脂が挙げられる。その他、アクリル酸、メタ
クリル酸、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホス
フェートなどの酸性基を含有するビニルモノマーを非酸
性ビニルモノマーと共重合した樹脂も使用できる。非酸
性ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α―メ
チルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリジン等の
芳香族モノビニル化合物、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチレ(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、N,N―ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル
モノマー、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル化合物等を用いることができる。また、重合速度およ
び重合中の安定性等の点で許容されうる範囲内において
ブタジエン、イソプレン等の共役二重結合化合物や酢酸
ビニル等のビニルエステル類や4−メチルー1−ペンテ
ン等のα―オレフィン類も使用することができる。これ
らの非酸性ビニルモノマーは単独で使用しても良く、二
種以上を組み合せ使用してもよい。
【0014】本発明で使用される酸性基含有樹脂の酸性
基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィ
ン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン
酸基、フェノール基などが挙げられる。これらの酸性基
の中で、カルボキシル基が特に好ましい。その酸価は3
0〜200mgKOH/gであることが好ましい。さら
に好ましくは30〜150mgKOH/gである。酸価
が低くなりすぎると、アルカリ水に対する溶解性が悪く
なるためにアルカリ現像が困難になったり、酸価が高く
なりすぎると、アルカリ現像の際に露光部の膜減りが生
じるので好ましくない。なお実質的にはこれらの酸性基
は金属イオンで中和されていないことが必須である。
【0015】本発明で使用される乳化剤としての界面活
性剤とは、気体―液体、液体―液体間の界面に吸着また
は配列し、その界面または表面の性質を著しく変化させ
る物質のことである。界面活性剤が吸着する性質は、界
面活性剤のもつ構造的な特異性に起因するといわれるも
ので、一般的には界面において表面張力を低下させる等
のエネルギー変化を起こすものである。界面活性剤は、
構造的には、極性をもち水に溶解あるいは親和する親水
部をもつ物質、無極性で有機溶剤に溶解あるいは親和す
る親油部をもつ物質、または親水部と親油部を同時に分
子内にもつ物質である。界面活性剤には、乳化剤、分散
剤、帯電防止剤、凝集剤、可溶化剤、浸透剤と呼ばれる
ような、助剤的役割を果たすものも含む。
【0016】本発明で使用される界面活性剤はノニオン
性界面活性剤であり、通常、ノニオン性界面活性剤とし
て使用されるものであれば任意である。しかし硬化物の
性能、特に耐水性(耐沸水性)、電気特性を考慮する
と、ノニオン性界面活性剤がより好ましい。また、界面
活性剤は1種類だけでなく、2種類以上を併用して配合
してもよい。具体的には、ノニオン性界面活性剤とし
て、アルキルおよびアルキルアリルポリオキシエチレン
エーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオ
キシエチレンエーテル、ポリオキシプロピレンを親油基
とするブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピルアルキルエーテル、グリセリンエステルのポ
リオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリ
オキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリ
オキシエチレンエーテル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエス
テル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエス
テル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ア
ミンオキシド等が例示される。その他にも、ノニオン性
フッ素系界面活性剤やノニオン性反応性界面活性剤等が
例示される。
【0017】これらの界面活性剤の使用量は、光硬化性
組成物の保存安定性や硬化物の性能等により任意である
が、好ましくは光硬化性組成物に対して0.01〜80
重量%程度であり、さらに好ましくは0.1〜50重量
%であり、特に望ましくは0.1〜10重量%である。
0.01%未満以下であると光硬化性組成物が均一に分
散できなくなり、80重量%を超えると以上では硬化物
の性能(接着性、耐水性、エッチング後の細線の再現
性)が悪くなる。さらに保存安定性をよくするには、界
面活性剤は1重量%以上使用するのが好ましい。
【0018】本発明で使用される光重合開始剤として
は、以下の化合物を例示できる。ただし電子線で硬化さ
せる場合には重合開始剤は不要である。具体的には、通
常紫外線硬化性化合物に使用されているものである。例
えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエ
ーテル、クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェ
ノン、α―アミノアセトフェノン、ベンジルメチルケタ
ール、チオキサントン、α―アシルオキシムエステル、
アシルホスフィンオキシド、グリオキシエステル、3−
ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファー
キノン、ミヒラーケトン等が例示できる。これらの光重
合開始剤は、光硬化性組成物中に通常0.1〜50重量
%、好ましくは1〜20重量%範囲で使用される。
【0019】本発明において、酸性基含有樹脂、反応性
プレポリマー、反応性モノマー、ノニオン性界面活性剤
および光重合開始剤のそれぞれの配合量としては、固形
分に対して、酸性基含有樹脂が0〜99.9重量%、好
ましくは50〜99.9重量%、反応性プレポリマーが
0〜99.9重量%、好ましくは0〜50重量%、反応
性モノマーが0〜99.9重量%、好ましくは0〜50
重量%、ノニオン性界面活性剤が0.01〜80重量
%、好ましくは0.1〜50重量%、光重合開始剤が
0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%であ
る。ただし酸性基含有樹脂に1個以上のエチレン性不飽
和結合を有する場合は、反応性プレポリマーや反応性モ
ノマーは含まなくてもよい。
【0020】本発明においては、前記組成にさらに希釈
剤を配合してもよく、本発明で使用される稀釈剤として
は、必ず水を含有するが、水以外にも水溶性有機溶剤を
混合してもよい。水溶性有機溶剤としては、例えば、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールプロピル
エーテル等の水と親和性の良い有機溶剤が挙げられる。
稀釈剤は、光硬化性組成物中に通常0〜80重量%、好
ましくは0〜50重量%の範囲で使用され、稀釈剤中の
水と水溶性有機溶剤の配合比は0:100〜100:0
であり、好ましくは0:100〜50:50であり、さ
らに好ましくは0:100〜30:70である。
【0021】なお、本発明の光硬化性組成物には、任意
の色素、顔料、レベリング剤、消泡剤、充填剤等を添加
することができるが特に限定するものではない。
【0022】本発明で光硬化性組成物を乳化剤でエマル
ジョン化するために強制乳化法が用いられる。すなわ
ち、稀釈剤に溶解しない化合物と稀釈剤を均一に分散さ
せるために、界面活性剤を添加し、さらにホモジナイザ
ー等の攪拌装置を使って、強力に攪拌分散させてエマル
ジョンが得られる。本発明では強制乳化により、酸性基
含有樹脂、反応性プレポリマー、反応性モノマーおよび
光重合開始剤と稀釈剤がノニオン性界面活性剤によって
均一に分散している。
【0023】本発明は、前述した酸性基含有樹脂、反応
性プレポリマー、反応性モノマーおよび光重合開始剤を
含む組成物を、ノニオン性界面活性剤を乳化剤としてエ
マルジョン化した光硬化性組成物エマルジョンであり、
作業環境問題や大気汚染等の環境問題を低減し、しかも
その硬化物の性能、特に耐水性(耐沸水性)、接着性、
エッチング後の細線の再現性、電気特性等に優れた光硬
化性組成物を提供することができる。
【0024】本発明で得られた光硬化性組成物の硬化物
を得る硬化方法としては、光処理および/または熱処理
による硬化方法が挙げられる。光処理に使用する活性エ
ネルギー線としては、波長領域150〜500(m
μ)、好ましくは波長領域300〜400(mμ)で、
エネルギー量としては0〜3000(mJ/cm2)が好
ましい。使用する光源としては低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、紫外線蛍光灯、
ケミカルランプ、キセノンランプ、ジルコニウムランプ
等が望ましい。熱処理の温度としては、120〜200
℃、好ましくは130〜150℃である。120℃以下
未満の温度では反応が不充分であり、目的の性能を示す
硬化物を得にくい。上記方法以外にも硬化物を得る方法
として、60〜110℃で熱処理後、光処理を行い、更
に120〜200℃で熱処理して硬化する方法が挙げら
れる。
【0025】本発明で得られた光硬化性組成物の硬化物
は、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミド
フィルム、ポリイミド銅張積層板、リジッド板、ガラス
板、紙等の基材に塗工して、前記硬化方法により得るこ
とができるが、塗工基材はこれらに限定するものではな
い。
【0026】塗工方法としては、例えばグラビアコート
方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレーコート
方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブ
レードコート方式、リバースロールコート方式、スクリ
ーン印刷方式、静電スプレーコー方式等の方法が採用で
きるがこれらに限定するものではない。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の光硬化性組成物およびそ
の硬化方法の一実施態様としては、(I)酸性基含有樹
脂、反応性プレポリマ−および/または反応性モノマ
ー、光重合開始剤、ノニオン性界面活性剤および稀釈剤
を強制乳化してエマルション化した光硬化性組成物を得
る。(II)光硬化性組成物をポリイミドフィルム銅張積層
板の銅箔表面に乾燥処理後の厚みが約10(g/m2
になるように塗工し、100℃で20分間乾燥する。(I
II)得られた塗工膜面へ3KW超高圧水銀灯を用い50
0(mJ/cm2)の照度で光硬化させる。(IV)更に、1
50℃で30分間乾燥する。(V)このような硬化方法に
よって得られた硬化膜を評価項目に沿って評価する。
【0028】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中に部とあるのは重量部を意味す
る。また、実施例中における評価項目と方法は、次に述
べる方法による。 1)光硬化性組成物の水分散性と保存安定性:光硬化性
組成物をホモジナイザー(JANKE&KUNKEL
(株))で強制乳化(10000rpm、5分)して1
ヶ月間静置した後の保存安定性を目視で評価した。 均一分散:○、 不均一:× 2)硬化物について以下の性能を評価した。 接着性:ポリイミドフィルム銅張積層板の銅箔上に硬
化物を有する試料を使って、JISK5400碁盤目剥
離試験法により銅箔との接着性を評価した。 100/100:○、 80/100:△、 80以下
/100:× 耐水性(耐沸水性):ポリイミドフィルム銅張積層板
の銅箔上に硬化物を有する試料を80℃〜90℃の沸水
中に1時間浸漬させたあと、硬化物の表面の水滴を拭き
取り、JISK5400碁盤目剥離試験法により銅箔と
の接着性を評価した。 100/100:○、 80/100:△、 80以下
/100:× 耐酸性:10%塩酸液と10%硫酸液を用いて試料を
常温30分間浸漬させ、JISK5400碁盤目剥離試
験法により銅箔との接着性を評価した。 100/100:○、 80/100:△、 80以下
/100:× 耐溶剤性:トルエンとアセトンを用いて試料を常温3
0分間浸漬させ、JISK5400碁盤目剥離試験法に
より銅箔との接着性を評価した。 100/100:○、 80/100:△、 80以下
/100:× 鉛筆硬度:銅箔上の硬化物を、JISK5400鉛筆
引っ掛け試験法により評価した。この測定値から硬化膜
の感光性の良否を判断した。 ≧H:○、 ≧B:△、 F<:× 絶縁抵抗:銅箔をエッチングしてなるIPCパターン
上に前記方法により硬化物を形成し、JIS C002
2高温高湿試験法により、50℃85%RH160時間
の処理をし、HIGH RESISTANCE MET
ER(横河・ヒューレット・パッカード(株))の測定
器で500V1分間印加後の絶縁抵抗を測定した。 エッチング後の細線の再現性:ポリイミドフィルム銅
張積層板の銅箔上に硬化物を有する試料に露光、現像、
エッチング(塩化鉄)およびアルカリ剥離(5%苛性ソ
ーダ)を行い、細線の再現性を評価した。 誤差=(アルカリ剥離後の銅箔の細線)/(ネガの細
線) 誤差が、 ±30%未満:○、±30%以上:×
【0029】実施例1 酸性基含有樹脂ZFR1122(化合物名エポキシアク
リレート、日本化薬(株))90部、反応性モノマーR
712(化合物名EO変性ビスフェノールFジアクリレ
ート、日本化薬(株))10部、光重合開始剤ダルキュ
ア1173(化合物名1−ヒドロキシ−シクロへキシル
−フェニル−ケトン、メルク(株))5部、ノニオン性
界面活性剤ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル
(ナカライテスク(株))2部、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル(ナカライテスク(株))30部お
よびイオン交換水15部をホモジナイザー(JANKE
&KUNKEL(株))で強制乳化(10000rp
m、5分)させ、光硬化性組成物のエマルジョンを得
た。
【0030】比較例1 実施例1で使用した界面活性剤に代えて、アニオン性界
面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム(ナカライテスク
(株))を使用した以外は全て実施例1と同じ方法で光
硬化性組成物を得た。
【0031】比較例2 実施例1で使用した界面活性剤に代えて、カチオン性界
面活性剤ドデシルアンモニウムクロライドを使用した以
外は全て実施例1と同じ方法で光硬化性組成物を得た。
【0032】比較例3 実施例1で使用した界面活性剤に代えて、両性界面活性
剤ドデシルジメチルベタインを使用した以外は全て実施
例1と同じ方法で光硬化性組成物を得た。
【0033】比較例4 実施例1で使用した界面活性剤を添加しない以外は全て
実施例1と同じ方法で光硬化性組成物を得た。
【0034】比較例5 特開平6−222557号公報の実施例1と同じ方法で
光硬化性組成物を得た。
【0035】参考例 実施例1および比較例1〜5によって得られた光硬化性
組成物を使って保存安定性を評価した。次に、実施例1
および比較例1〜5によって得られた光硬化性組成物を
それぞれ乾燥処理後の厚みが10(g/m2)になるよ
う1OZのポリイミドフィルム銅張積層板に塗工した。
そして、80℃で20分間乾燥させ、3KW高圧水銀灯
を用いて500(mJ/cm2)の照度で光硬化させ、
得られた硬化膜を150℃で30分間加熱し硬化膜を得
た。これらの硬化膜を評価項目に沿って評価した。な
お、絶縁抵抗の測定は、予めポリイミドフィルム銅張積
層板を用いてIPC評価パターンにエッチング加工され
た配線パターンを用い、塗工・硬化して得たものを使用
し評価した。それら評価結果、実施例1、比較例1〜5
の結果を表1〜2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上、かかる構成よりなる本発明光硬化
性組成物は、臭気、有毒性、引火性等の作業環境問題や
大気汚染等の環境問題を低減し、水分散性や保存安定性
も良好であり、しかもその硬化物の性能、特に耐水性
(耐沸水性)、接着性、エッチング後の細線の再現性、
電気特性に優れているため、例えば、塗料、印刷イン
ク、表面コート剤、フォトレジストインク、接着剤等の
用途に使用でき、産業界に寄与すること大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 PA69 PA76 PA86 PC02 QA03 QA08 QA09 QA12 QA22 QB04 QB14 QB15 QB18 QB19 QB24 QB25 WA01 WA02 WA05 WA06 4J027 AB10 AC06 AD03 AE01 AF01 AG01 AJ01 BA05 BA07 BA10 BA19 BA24 BA27 CA03 CA10 CC05 CD08 CD09 CD10 4J038 CA021 CA022 CB121 CB122 CC021 CC022 CC101 CC102 CF021 CF022 CG141 CG142 CG161 CG162 CH031 CH032 CH041 CH042 CH171 CH172 CH201 CH202 CK041 CK042 DB221 DB222 FA041 FA042 FA061 FA062 FA111 FA112 FA131 FA132 FA141 FA142 FA171 FA172 FA211 FA212 FA251 FA252 FA261 FA262 FA271 FA272 FA291 FA292 GA05 GA06 GA13 GA14 KA03 KA06 KA09 MA08 MA10 MA12 MA14 NA00 NA04 NA12 NA17 NA27 PA17 PA19 PB09 PC02 PC03 PC08 PC10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性基含有樹脂、反応性プレポリマーおよ
    び/または反応性モノマー、光重合開始剤を含む組成物
    を乳化剤によりエマルジョン化した光硬化性組成物エマ
    ルジョンであり、乳化剤としてノニオン性界面活性剤を
    含有することを特徴とする光硬化性組成物。
  2. 【請求項2】反応性プレポリマーが、少なくとも1分子
    中に1個以上のエチレン性不飽和結合と酸性基を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の光硬化性組成物。
  3. 【請求項3】請求項1〜2のいずれかに記載の光硬化性
    組成物を塗工した後、光処理および/または熱処理する
    ことを特徴とする光硬化性組成物の硬化方法。
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