JP2003128940A - 光硬化性組成物およびその硬化方法 - Google Patents

光硬化性組成物およびその硬化方法

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JP2003128940A JP2001326745A JP2001326745A JP2003128940A JP 2003128940 A JP2003128940 A JP 2003128940A JP 2001326745 A JP2001326745 A JP 2001326745A JP 2001326745 A JP2001326745 A JP 2001326745A JP 2003128940 A JP2003128940 A JP 2003128940A
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photocurable composition
surfactant
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JP2001326745A
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Naohiro Honda
直弘 本田
Shigenori Nagahara
重徳 永原
Satoshi Imahashi
聰 今橋
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業環境問題や大気汚染等の環境問題を低減
し、特に硬化感度、耐水性(耐沸水性)、接着性等に優
れた光硬化性組成物およびその硬化方法を提供するこ
と。 【解決手段】酸性基含有樹脂、反応性プレポリマーお
よび/または反応性モノマー、光重合開始剤を含む組成
物を、乳化剤によりエマルジョン化した光硬化性組成物
であり、乳化剤として分解性界面活性剤を含有し、かつ
実質的には酸性基が中和されていないことを特徴とする
光硬化性組成物であり、分解性界面活性剤がノニオン
性界面活性剤であることを特徴とする記載の光硬化性
組成物であり、反応性プレポリマーが、少なくとも1
分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合と酸性基を含
有することを特徴とするまたは記載の光硬化性組成
物であり、前記〜のいずれかに記載の光硬化性組
成物を塗工した後、光処理および/または熱処理するこ
とを特徴とする硬化性組成物の硬化方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性組成物に
関するものであり、詳しくは界面活性剤を含有する光硬
化性組成物に関する。更に詳しくは分解性界面活性剤を
含有する光硬化性組成物であり、この光硬化性組成物か
らなる硬化物の性能、特に硬化感度、耐水性(耐沸水
性)、接着性、等が優れた光硬化性組成物およびその硬
化方法に関する。本発明の光硬化性組成物は、塗料、印
刷インク、表面コート剤、フォトレジストインク、接着
剤等の用途に適する。
【0002】
【従来の技術】これまで光硬化性組成物は設備の簡素化
による省エネルギー化、労務コストの削減による省力化
等の問題を解決する目的で幅広い分野で使用されてい
る。しかし、実用化されている光硬化性組成物は速硬化
性や塗工性をより良くするために、比較的低分子量の反
応性モノマーや有機溶剤を使用または併用されている場
合が多い。このため、反応性モノマーや有機溶剤による
臭気、有毒性、引火性等の作業環境問題や大気汚染等の
環境問題が生じている。
【0003】そこで、これらの問題を解決することを目
的として、以下に示す水性光硬化性組成物が開示されて
いる。(1)樹脂設計の段階で、ポリマーの共重合等に
より化合物中に親水性部位を導入して水溶解性をもたせ
た光硬化性組成物、(2)樹脂配合の段階で、界面活性
剤等により水分散性をもたせた光硬化性組成物、さらに
は(3)前述の光硬化性組成物にアクリルエマルジョン
や水溶性高分子等を併用した光硬化性組成物、である。
このように種々の水性光硬化性組成物が開示されている
が、これらの光硬化性組成物は水分散性、保存安定性、
もしくは硬化物の性能、特に硬化感度、耐水性、接着性
等に問題があるため、未だに実用化に至っていないのが
現状である。
【0004】前記問題を解決するため、特開平2−30
0204号公報には、粒子表面に重合性二重結合を導入
したエマルジョン組成物の製造方法が開示されている。
粒子表面に重合性二重結合を導入することによって、あ
る程度架橋密度を高くできるものの、硬化物の性能、特
に硬化感度、耐水性(耐沸水性)、接着性を十分に満足
するものではなかった。また、製造工程が複雑でコスト
が高くなる難点もあった。特開平9−157495号公
報には、エマルジョン粒子が三次元架橋した高分子エマ
ルジョン及びその製造方法が開示されている。この製造
法では簡易に製造でき、架橋密度も向上し有効である
が、硬化物の性能、特に硬化感度、耐水性、接着性等を
未だ充分に満足するものではなかった。特開平8−30
2240号公報には、組成物が重合反応によりエマルジ
ョンのミセル中の重合性化合物同士が化学結合する架橋
型エマルジョンを含有する光硬化性組成物が開示されて
いる。しかしながら硬化物同士の化学結合が強過ぎるた
めに基材との接着性に劣り、またその他に硬化感度、耐
水性等の硬化物の性能を満足するものではない。特許第
3032851号には水溶性高分子を用いた光硬化性組
成物が開示されている。しかしながら水溶性高分子ポリ
マーを使用しているため、組成物の水分散性や保存安定
性は改良されたものの、硬化物の性能、特に硬化感度、
耐水性、接着性等に乏しいという根本的な問題があり、
実用レベルまで達していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、作業環境問
題や大気汚染等の環境問題を低減し、しかもその硬化物
の性能、特に硬化感度、耐水性(耐沸水性)、接着性等
に優れた光硬化性組成物およびその硬化方法を提供する
ことを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光硬化性組
成物およびその硬化方法について、前記課題を解決する
ために鋭意、研究、検討した結果、遂に本発明を完成す
るに到った。すなわち本発明は、酸性基含有樹脂、反
応性プレポリマーおよび/または反応性モノマー、光重
合開始剤を含む組成物を、乳化剤によりエマルジョン化
した光硬化性組成物であり、乳化剤として分解性界面活
性剤を含有し、かつ実質的には酸性基が中和されていな
いことを特徴とする光硬化性組成物であり、分解性界
面活性剤がノニオン性界面活性剤であることを特徴とす
る記載の光硬化性組成物であり、反応性プレポリマ
ーが、少なくとも1分子中に1個以上のエチレン性不飽
和結合と酸性基を含有することを特徴とするまたは
記載の光硬化性組成物であり、前記〜のいずれか
に記載の光硬化性組成物を塗工した後、光処理および/
または熱処理することを特徴とする硬化性組成物の硬化
方法である。
【0007】本発明で使用される反応性プレポリマーと
は、分子量(重量分子量Mw)5000〜100万の高
分子化合物である。好ましくはMw5000〜10万、
さらに好ましくはMw5000〜5万の高分子化合物で
ある。具体的には、エポキシ(メタ)アクリレート、ポ
リウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレー
ト、シリコン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン
(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレー
ト、ポリアミドイミド(メタ)アクリレート等を例示で
きる。
【0008】本発明において用いられる少なくとも1分
子中に1個以上のエチレン性不飽和結合と酸性基を含有
する反応性プレポリマーとしては、例えば、エポキシ化
合物にアクリル酸などを反応させ、これによって生じた
水酸基に酸無水物を反応させたポリマー等が挙げられ
る。
【0009】本発明で使用される反応性モノマーとは、
少なくとも1分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合
を有するモノマーであり、以下の化合物および以下の化
合物の混合物を例示できる。具体的には、スチレン、酢
酸ビニル、N−ビニルピロリオン等のビニルモノマー、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、n−ドデシルアクリレート、イソホロニルアク
リレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート等の単官能モノマ
ー、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、ジュエチレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリ
プロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノール
Aジエトキシジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノ
マー等が例示できる。
【0010】本発明で使用される酸性基含有樹脂とは、
分子量(重量分子量Mw)5000〜100万の高分子
化合物である。好ましくはMw5000〜10万、さら
に好ましくはMw5000〜5万の高分子化合物であ
り、樹脂中に酸性基を含有していればどんな樹脂でもよ
く、上記反応性プレポリマーおよび/または反応性モノ
マーと酸性基含有モノマーを(共)重合させた化合物等
を例示できる。具体的にはエポキシ化合物に、アクリル
酸などを反応させ、これによって生じた水酸基に酸無水
物を反応させた樹脂が挙げられる。その他、アクリル
酸、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルアシ
ッドホスフェートなどの酸性基を含有するビニルモノマ
ーを非酸性ビニルモノマーと共重合した樹脂も使用でき
る。非酸性ビニルモノマーとしては、例えば、スチレ
ン、α―メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピ
リジン等の芳香族モノビニル化合物、メチル(メタ)ア
クリレート、エチレ(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、N,N―ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
エステルモノマー、(メタ)アクリロニトリル等のシア
ン化ビニル化合物等を用いることができる。また、重合
速度および重合中の安定性等の点で許容されうる範囲内
においてブタジエン、イソプレン等の共役二重結合化合
物や酢酸ビニル等のビニルエステル類や4−メチルー1
−ペンテン等のα―オレフィン類も使用することができ
る。これらの非酸性ビニルモノマーは単独で使用しても
良く、二種以上を組み合せ使用してもよい。
【0011】本発明で使用される酸性基含有樹脂の酸性
基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィ
ン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン
酸基、フェノール基などが挙げられる。これらの酸性基
の中で、カルボキシル基が特に好ましい。その酸価は3
0〜200mgKOH/gであることが好ましい。さら
に好ましくは30〜150mgKOH/gである。酸価
が低くなりすぎると、アルカリ水に対する溶解性が悪く
なるためにアルカリ現像が困難になったり、酸価が高く
なりすぎると、アルカリ現像の際に露光部の膜減りが生
じるので好ましくない。なお実質的にはこれらの酸性基
は金属イオンやアンモニウムイオン等で中和されていな
いことが必須である。
【0012】本発明で使用される乳化剤としての界面活
性剤とは、気体―液体、液体―液体間の界面に吸着また
は配列し、その界面または表面の性質を著しく変化させ
る物質のことである。界面活性剤が吸着する性質は、界
面活性剤のもつ構造的な特異性に起因するといわれるも
ので、一般的には界面において表面張力を低下させる等
のエネルギー変化を起こすものである。界面活性剤は、
構造的には、極性をもち水に溶解あるいは親和する親水
部をもつ物質、無極性で有機溶剤に溶解あるいは親和す
る親油部をもつ物質、または親水部と親油部を同時に分
子内にもつ物質である。界面活性剤には、乳化剤、分散
剤、帯電防止剤、凝集剤、可溶化剤、浸透剤と呼ばれる
ような、助剤的役割を果たすものも含む。
【0013】本発明で使用される分解性界面活性剤は、
カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオ
ン性界面活性剤、両性界面活性剤、その他の界面活性剤
に分類されるが、外からのエネルギー(熱、光、酸塩
基、圧力等)の付与により、分解する性界面活性剤であ
れば、任意である。しかし硬化物の性能、特に硬化感
度、耐水性(耐沸水性)、を考慮すると、酸分解性のノ
ニオン性界面活性剤がより好ましい。また、界面活性剤
は1種類だけでなく、2種類以上を併用して配合しても
よい。具体的には、分解性でカチオン性界面活性剤とし
て、脂肪酸アミン塩およびその4級アンモニウム塩、芳
香族4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム塩等
が例示される。分解性でアニオン性界面活性剤として、
脂肪酸石けん、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテ
ルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン
酸塩、アルキルベンゼンおよびアルキルナフタレンスル
ホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、N−アシルスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫
酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリルエーテ
ル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、
アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリ
ン酸塩等が例示される。分解性でノニオン性界面活性剤
として、アルキルおよびアルキルアリルポリオキシエチ
レンエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポ
リオキシエチレンエーテル、ポリオキシプロピレンを親
油基とするブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピルアルキルエーテル、グリセリンエステル
のポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルの
ポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルの
ポリオキシエチレンエーテル、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリン
エステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコール
エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチ
レン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、アミンオキシド、アセチレングリコール、ポリアセ
チレングリコールエステル、等が例示される。分解性で
両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、スルホ
ベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体
等が例示される。その他にも、分解性のフッ素系界面活
性剤や反応性界面活性剤等が例示される。
【0014】これらの分解性界面活性剤の使用量は、光
硬化性組成物の保存安定性や硬化物の性能等により任意
であるが、好ましくは光硬化性組成物に対して0.01
〜80重量%程度であり、さらに好ましくは0.1〜5
0重量%であり、なおさらに好ましくは0.1〜10重
量%である。0.01%以下であると光硬化性組成物が
均一に分散できなくなり、80重量%以上では硬化物の
性能(接着性、耐水性)が悪くなる。保存安定性をよく
するには、界面活性剤は1重量%以上使用するのが好ま
しい。
【0015】本発明で使用される光重合開始剤として
は、以下の化合物を例示できる。ただし電子線で硬化さ
せる場合には重合開始剤は不要である。具体的には、通
常紫外線硬化性化合物に使用されているものである。例
えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエ
ーテル、クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェ
ノン、α−アミノアセトフェノン、ベンジルメチルケタ
ール、チオキサントン、α−アシルオキシムエステル、
アシルホスフィンオキシド、グリオキシエステル、3−
ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファー
キノン、ミヒラーケトン等が例示できる。これらの光重
合開始剤は、光硬化性組成物中に通常0.1〜50重量
%、好ましくは1〜20重量%範囲で使用される。
【0016】本発明において、酸性基含有樹脂、反応性
プレポリマー、反応性モノマー、分解性界面活性剤およ
び光重合開始剤のそれぞれの配合量としては、固形分に
対して、酸性基含有樹脂が0〜99.9重量%、好まし
くは50〜99.9重量%、反応性プレポリマーが0〜
99.9重量%、好ましくは0〜50重量%、反応性モ
ノマーが0〜99.9重量%、好ましくは0〜50重量
%、界面活性剤が0.01〜80重量%、好ましくは
0.1〜50重量%、光重合開始剤が0.1〜50重量
%、好ましくは1〜20重量%である。ただし酸性基含
有樹脂に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する場合
は、反応性プレポリマーや反応性モノマーは含まなくて
もよい。
【0017】本発明においては、前記組成にさらに希釈
剤を配合してもよく、本発明で使用される稀釈剤として
は、必ず水を含有するが、水以外にも水溶性有機溶剤を
混合してもよい。水溶性有機溶剤としては、例えば、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の水と親和性の良い有機溶剤が挙げら
れる。稀釈剤は、光硬化性組成物中に通常0〜80重量
%、好ましくは0〜50重量%の範囲で使用され、稀釈
剤中の水と水溶性有機溶剤の配合比は0:100〜10
0:0であり、好ましくは0:100〜50:50であ
り、さらに好ましくは0:100〜30:70である。
【0018】なお、本発明の光硬化性組成物には、任意
の色素、顔料、レベリング剤、消泡剤、充填剤等を添加
することができるが特に限定するものではない。
【0019】本発明で光硬化性組成物を乳化剤でエマル
ジョン化するために強制乳化法が用いられる。すなわ
ち、稀釈剤に溶解しない化合物と稀釈剤を均一に分散さ
せるために、分解性界面活性剤を添加し、さらにホモジ
ナイザー等の攪拌装置を使って、強力に攪拌分散させて
エマルジョンが得られる。本発明では強制乳化により、
酸性基含有樹脂、反応性プレポリマーおよび/または反
応性モノマー、光重合開始剤と稀釈剤が分解性界面活性
剤によって均一に分散している。
【0020】本発明は、前述した酸性基含有樹脂、反応
性プレポリマー、反応性モノマーおよび光重合開始剤を
含む組成物を、分解性界面活性剤を乳化剤としてエマル
ジョン化した光硬化性組成物エマルジョンであり、作業
環境問題や大気汚染等の環境問題を低減し、しかもその
硬化物の性能、特に硬化感度、耐水性(耐沸水性)、接
着性性等に優れた光硬化性組成物を提供することができ
る。
【0021】本発明で得られた光硬化性組成物の硬化物
を得る硬化方法としては、光処理および/または熱処理
による硬化方法が挙げられる。光処理に使用する活性エ
ネルギー線としては、波長領域150〜500(m
μ)、好ましくは波長領域300〜400(mμ)で、
エネルギー量としては0〜3000(mJ/cm2)が好
ましい。使用する光源としては低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、紫外線蛍光灯、
ケミカルランプ、キセノンランプ、ジルコニウムランプ
等が望ましい。熱処理の温度としては、120〜200
℃、好ましくは130〜150℃である。120℃以下
未満の温度では反応が不充分であり、目的の性能を示す
硬化物を得にくい。上記方法以外にも硬化物を得る方法
として、60〜110℃で熱処理後、光処理を行い、更
に120〜200℃で熱処理して硬化する方法が挙げら
れる。
【0022】本発明で得られた光硬化性組成物の硬化物
は、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミド
フィルム、ポリイミド銅張積層板、リジッド板、ガラス
板、紙等の基材に塗工して、前記硬化方法により得るこ
とができるが、塗工基材はこれらに限定するものではな
い。
【0023】塗工方法としては、例えばグラビアコート
方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレーコート
方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブ
レードコート方式、リバースロールコート方式、スクリ
ーン印刷方式、静電スプレーコー方式等の方法が採用で
きるがこれらに限定するものではない。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の光硬化性組成物およびそ
の硬化方法の一実施態様としては、(I)酸性基含有樹
脂、反応性プレポリマ−および/または反応性モノマ
ー、光重合開始剤、分解性界面活性剤、光酸発生剤およ
び稀釈剤を強制乳化してエマルジョン化した光硬化性組
成物を得る。(II)光硬化性組成物をポリイミドフィルム
銅張積層板の銅箔表面に乾燥処理後の厚みが約10(g
/m2)になるように塗工し、100℃で20分間乾燥
する。(III)得られた塗工膜面へ3KW超高圧水銀灯を
用い500(mJ/cm2)の照度で光硬化させる。(IV)
このような硬化方法によって得られた硬化膜を評価項目
に沿って評価する。
【0025】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中に部とあるのは重量部を意味す
る。また、実施例中における評価項目と方法は、次に述
べる方法による。 1)光硬化性組成物の水分散性と保存安定性:光硬化性
組成物をホモジナイザー(JANKE&KUNKEL
(株)製)で強制乳化(10000rpm、5分)して
1ヶ月間静置した後の保存安定性を目視で評価した。 均一分散:○、 不均一:× 2)硬化物について以下の性能を評価した。 接着性:ポリイミドフィルム銅張積層板の銅箔上に硬
化物を有する試料を使って、JISK5400碁盤目剥
離試験法により銅箔との接着性を評価した。 100/100:○、 80/100:△、 80以下
/100:× 耐水性(耐沸水性):ポリイミドフィルム銅張積層板
の銅箔上に硬化物を有する試料を80℃〜90℃の沸水
中に1時間浸漬させたあと、硬化物の表面の水滴を拭き
取り、JISK5400碁盤目剥離試験法により銅箔と
の接着性を評価した。 100/100:○、 80/100:△、 80以下
/100:× 耐酸性:10%塩酸液と10%硫酸液を用いて試料を
常温30分間浸漬させ、JISK5400碁盤目剥離試
験法により銅箔との接着性を評価した。 100/100:○、 80/100:△、 80以下
/100:× 耐溶剤性:トルエンを用いて試料を常温30分間浸漬
させ、JISK5400碁盤目剥離試験法により銅箔と
の接着性を評価した。 100/100:○、 80/100:△、 80以下
/100:× 鉛筆硬度:ポリイミドフィルム銅張積層板の銅箔上の
硬化物を、JISK5400鉛筆引っ掛け試験法により
評価した。この測定値から硬化膜の感光性の良否を判断
した。 ≧H:○、 ≧B:△、 F<:× 感度:ポリイミドフィルム銅張積層板の銅箔上に硬化
物を有する試料に露光(100mJ/cm2)および現像
(1%炭酸ナトリウム、1分)を行い、硬化感度を評価
した。 細線:ポリイミドフィルム銅張積層板の銅箔上に硬化
物を有する試料に露光、現像、エッチング(塩化鉄)お
よびアルカリ剥離(5%苛性ソーダ)を行い、細線の再
現性を評価した。 誤差=(アルカリ剥離後の銅箔の細線)/(ネガの細
線) 誤差が、 ±30%未満:○、±30%以上:×
【0026】実施例1 MMA−MAAアクリル樹脂(ナカライテスク(株)製
メタクリル酸メチル-メタクリル酸共重合体 Mw5万、
酸価100mgKOH/g)30部、反応性モノマーD
PHA(日本化薬(株)製)20部、光重合開始剤ダル
キュア907(メルク(株)製)5部、酸分解性界面活
性剤GT91−02E(アクゾノーベル(株)製)2
部、光酸発生剤(トリフェニルスルホニウム塩、東京化
成(株)製)、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル30部およびイオン交換水15部をホモジナイザー
(JANKE&KUNKEL(株)製)で強制乳化(1
0000rpm、5分)させ、光硬化性組成物を得た。
【0027】比較例1 実施例1で使用した界面活性剤に代わって、揮発性ノニ
オン性界面活性剤サーフィノ−ル104(エアープロダ
クツジャパン(株))を使用した以外は全て同じ方法で
光硬化性組成物を得た。
【0028】比較例2 実施例1で使用した界面活性剤に代わって、アニオン性
界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム(ナカライテスク
(株)製)を使用した以外は全て同じ方法で光硬化性組
成物を得た。
【0029】比較例3 実施例1で使用した界面活性剤に代わって、ノニオン性
界面活性剤ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル
(ナカライテスク(株)製)を使用した以外は全て同じ
方法で光硬化性組成物を得た。
【0030】比較例4 実施例1で使用した界面活性剤を添加しない以外は全て
同じ方法で光硬化性組成物を得た。
【0031】実施例1および比較例1〜4によって得ら
れた光硬化性組成物を使って保存安定性を評価した。次
に、実施例1および比較例1〜3によって得られた光硬
化性組成物をそれぞれ乾燥処理後の厚みが10(g/m
2)になるよう1OZのポリイミドフィルム銅張積層板
に塗工した。そして、80℃で20分間乾燥させ、3K
W高圧水銀灯を用いて500(mJ/cm2)の照度で
光硬化させ、得られた硬化膜を150℃で30分間加熱
し硬化膜を得た。これらの硬化膜を評価項目に沿って評
価した。なお、硬化感度の測定は、露光する際にステッ
プガイドを使い、1%炭酸ナトリウムで現像したものを評
価した。それら評価結果、実施例1、比較例1〜4の結
果を表1〜2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】以上、かかる構成よりなる本発明光硬化
性組成物は、臭気、有毒性、引火性等の作業環境問題や
大気汚染等の環境問題を低減し、水分散性や保存安定性
も良好であり、しかもその硬化物の性能、特に硬化感
度、耐水性(耐沸水性)、接着性に優れているため、例
えば、塗料、印刷インク、表面コート剤、フォトレジス
トインク、接着剤等の用途に使用できるので、産業界に
寄与すること大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB26Z BB42Z CA02 CA13 CA38 DA06 DB13 DB18 DB31 DB64 EA13 EA19 EA21 EB13 EB20 EB32 EB33 EB35 EB37 EB39 EB42 EC35 4J002 BC04W BC09W BC11W BG01W BG04W BG05W BG07W BG10W BJ00W CD20X CF00X CH05X CH053 CK02X CL00X CP16X EA046 EE038 EH076 EN098 EN137 EP017 EU026 EU117 EV187 EV257 EW047 EW148 FD208 FD317 GH01 GJ01 HA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性基含有樹脂、反応性プレポリマーおよ
    び/または反応性モノマー、光重合開始剤を含む組成物
    を、乳化剤によりエマルジョン化した光硬化性組成物で
    あり、乳化剤として分解性界面活性剤を含有し、かつ実
    質的には酸性基が中和されていないことを特徴とする光
    硬化性組成物。
  2. 【請求項2】分解性界面活性剤がノニオン性であること
    を特徴とする請求項1記載の光硬化性組成物。
  3. 【請求項3】反応性プレポリマーが、少なくとも1分子
    中に1個以上のエチレン性不飽和結合と酸性基を含有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の光硬化性組
    成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性
    組成物を塗工した後、光処理および/または熱処理する
    ことを特徴とする光硬化性組成物の硬化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015093517A1 (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 住友化学株式会社 水性エマルション

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