JP2002338184A - 昇降移動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】自動運転形エスカレータを的確なタイミングで
運転を開始させることができ、またコストの軽減を図る
ことができる昇降移動システムを提供する。 【解決手段】ダブルデッキ式エレベータ１と、これに併
設される自動運転形エスカレータ２，３とを備え、ダブ
ルデッキ式エレベータ１のかごユニット６が自動運転形
エスカレータ２，３の設置階に到着して着床したとき
に、そのかごユニット６の着床を検出する着床センサ１
０の信号に基づいて自動運転形エスカレータ２，３を所
定時間駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ダブルデッキ式
エレベータに自動運転形エスカレータが併設され、これ
らエレベータおよびエスカレータを介して利用者を昇降
移動させる昇降移動システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ビルの高層化に伴い、縦方向の移
動手段としてのエレベータの大容量化が望まれ、これに
応えるべくダブルデッキ型エレベータの需要が増してい
る。ダブルデッキ型エレベータは、一対のかご室を上下
に配置して一体化したかごユニットを備え、各かご室内
に利用者を乗せてかごユニットを昇降移動させる構造の
のものであり、したがってこのダブルデッキ式エレベー
タの場合の各かご室の停止階は、一方のかご室が偶数階
のときには他方のかご室が奇数階、逆に一方のかご室が
奇数階のときには他方のかご室が偶数階となる。

【０００３】このため、利用者が目的階に行こうとする
ときには、エレベータに乗る前や降りた後に１階床分を
階段で、あるいは別のエレベータで移動しなければなら
なくなることがある。

【０００４】そこで、エレベータのかごユニットが停止
する基準階に自動運転形のエスカレータを設置して利用
者の便宜を図るようにした昇降移動システムが提供され
るようになってきている。

【０００５】すなわち、この昇降移動システムは、エレ
ベータから降りた利用者がさらにその上下側の階に移動
するときに自動運転形のエスカレータを利用することが
でき、またエレベータが停止する階の上下側の階からそ
の停止階に利用者が移動するときに自動運転形のエスカ
レータを利用することができるようにしたシステムであ
る。

【０００６】この場合の自動運転形エスカレータは、通
常時には省電力の観点から運転が停止していて、エレベ
ータから降りた利用者がエスカレータに近づいたときに
その利用者を光電センサ等を用いる光学検知手段で検知
し、この検知に基づいてエスカレータの運転が開始し、
またエレベータを利用しようとする利用者がエスカレー
タに近づいたときにその利用者を光電センサ等を用いる
光学検知手段で検知し、この検知に基づいてエスカレー
タの運転が開始するようになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動運
転形エスカレータに対して専用の光学検知手段を設け、
この光学検知手段でエスカレータに近づく利用者を検知
してエスカレータの運転を開始する構成では、特にエレ
ベータの乗降口とエスカレータの乗降口とが接近してい
るような場合に、エスカレータの運転開始のタイミング
が遅れてしまうという問題が生じ、また専用の光学検知
手段を用いるため、コスト高となり、設置費用が嵩んで
しまうという問題がある。

【０００８】この発明はこのような点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、自動運転形エスカ
レータを的確なタイミングで運転を開始させることがで
き、またコストの軽減も図ることができる昇降移動シス
テムを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項１に記載の発明は、ダブルデッキ式エ
レベータと、これに併設される自動運転形エスカレータ
とを備え、ダブルデッキ式エレベータのかごユニットが
自動運転形エスカレータの設置階に到着して着床したと
きに、そのかごユニットの着床を検出する着床検出手段
の信号に基づいて自動運転形エスカレータを所定時間駆
動する制御手段が設けられていることを特徴としてい
る。

【００１０】請求項２に記載の発明は、ダブルデッキ式
エレベータと、これに併設される自動運転形エスカレー
タとを備え、ダブルデッキ式エレベータのかごユニット
が自動運転形エスカレータの設置階に到着してエレベー
タの開閉ドアが開放したときに、その開放を検出するド
ア開放検出手段の信号に基づいて自動運転形エスカレー
タを所定時間駆動する制御手段が設けられていることを
特徴としている。

【００１１】請求項３に記載の発明は、請求項１または
２の発明における自動運転形エスカレータの設置階にお
けるエレベータホールに、エレベータ呼びボタンと併せ
て、自動運転形エスカレータを手動で起動させるための
エスカレータ起動ボタンが設けられていることを特徴と
している。

【００１２】請求項４に記載の発明は、請求項１、２ま
たは３における自動運転形エスカレータの設置階に、そ
のエスカレータの近傍に位置して、そのエスカレータに
対する利用者の有無を検出する利用者検出手段が設けら
れ、この検出手段により利用者が検出されたときには、
自動運転形エスカレータが自動的に起動し、かつ前記設
置階に対するエレベータ呼び登録が設定されることを特
徴としている。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図１には、この発明の第
１の実施形態による昇降移動システムを示してあり、こ
の昇降移動システムはダブルデッキ式エレベータ１と、
これに併設された自動運転形エスカレータ２，３とで構
成されている。

【００１４】ダブルデッキ式エレベータ１は上下に配置
する一対のかご室４，５を有するかごユニット６を備
え、このかごユニット６が駆動源に連動するメインロー
プ７を介して昇降移動するように制御される。

【００１５】各かご室４，５内にはそれぞれ操作盤８が
設けられ、これら操作盤８に行先階を登録するための行
先階登録ボタン９が設けられている。そして昇降移動す
るかごユニット６は、行先階登録ボタン９により登録さ
れた行先階に到着したときに、着床検出手段としての着
床センサ１０によりその到着が検出されて行先階に停止
するように制御される。

【００１６】自動運転形のエスカレータ２，３は、互い
に隣り合う上下の基準階Ａ，Ｂに跨って設けられ、一方
のエスカレータ２を利用して基準階Ａから基準階Ｂに移
動し、また他方のエスカレータ３を利用して基準階Ｂか
ら基準階Ａに移動することができるようになっている。

【００１７】ダブルデッキ式エレベータ１の乗降口と自
動運転形エスカレータ２，３の一方側の乗降口は互いに
接近していて、そのエレベータ１の乗降口ホールには図
２に示す操作盤１１が設けられ、この操作盤１１にエレ
ベータ１のかごユニット６を乗降口の階に呼ぶためのか
ご呼び登録ボタン１２およびエスカレータ２，３を手動
で起動させるエスカレータ起動ボタン１３が設けられて
いる。

【００１８】図３には制御回路の構成を示してあり、１
５がマイクロコンピュータを備えた制御手段で、この制
御手段１５の入力ポートに行先階登録ボタン９、着床セ
ンサ１０、かご呼び登録ボタン１２、エスカレータ起動
ボタン１３の信号が入力され、この信号の入力に基づい
て制御手段１５の出力ポートからエスカレータ２，３を
制御する駆動回路１６，１７に所定の信号が出力される
ようになっている。

【００１９】すなわち、エスカレータ２，３は、通常時
には運転が停止しており、エレベータ１のかごユニット
６が基準階Ａ，Ｂに到着して着床したときに、これが着
床センサ１０により検出されてエスカレータ２，３の運
転が開始し、所定時間駆動されるものであり、その制御
の流れを図４に示すフローチャートを参照して説明す
る。

【００２０】エレベータ１のかご室４，５内に利用者が
乗り込み、行先階登録ボタン９を操作したときに、その
操作の登録の行先階が基準階Ａ，Ｂであるか否かがステ
ップ１で判断される。そして登録が基準階Ａ，Ｂである
ときには、ステップ２としてかごユニット６が基準階
Ａ，Ｂに到着したか否かが判断される。

【００２１】かごユニット６が基準階Ａ，Ｂに到着した
ときには、着床センサ１０の信号に基づいてエスカレー
タ２，３が自動的に運転を開始するように制御され、そ
のかごユニット６の到着後から例えば５分間の間だけ運
転が継続される。

【００２２】かごユニット６が基準階Ａ，Ｂに到着して
停止したときには、かご室４，５内の利用者がかご室
４，５から基準階Ａ，Ｂに降りることになる。そして基
準階Ａに降りた利用者の目的階が基準階Ｂであるときに
は、その利用者はエスカレータ２を利用して基準階Ａか
ら基準階Ｂに移動する。また、かご室４，５から基準階
Ｂに降りた利用者の目的階が基準階Ａであるときには、
その利用者はエスカレータ３を利用して基準階Ａから基
準階Ｂに移動する。

【００２３】エスカレータ２，３は、かごユニット６が
基準階Ａ，Ｂに着床したときに、そのタイミングに合わ
せて運転が開始しており、したがってエレベータ１の乗
降口とエスカレータ２，３の乗降口とが接近していても
かご室４，５から降りた利用者が直ちにエスカレータ
２，３を利用して速やかに目的階まで移動することがで
きる。

【００２４】エスカレータ２，３が起動してから５分間
が経過するまでの間に、エレベータ１を利用している他
の利用者によって再び行先階登録ボタン９が操作された
ときには、その操作の登録の行先階が基準階Ａ，Ｂであ
るか否かがステップ３により判断される。

【００２５】そして登録が基準階Ａ，Ｂあったときには
ステップ２に戻り、エスカレータ２，３の運転が継続さ
れ、登録がなかったときには、ステップ４に進んでその
５分間の経過後にエスカレータ２，３の運転が停止し、
省電力が図られる。

【００２６】着床センサ１０はエレベータ１に通常一般
に設けられている既存の部品であるが、この既存の着床
センサ１０を用いてエスカレータ２，３の運転を制御す
るようにしており、したがって別個の専用の光電センサ
等が不要となり、このためコストの軽減を図ることがで
きる。

【００２７】エレベータ１の利用者以外の人がエスカレ
ータ２，３を利用するときには、操作盤１１のエスカレ
ータ起動ボタン１３を操作する。この操作に応じてエス
カレータ２，３が所定時間だけ運転され、したがってそ
のエスカレータ２，３を利用して基準階Ａから基準階Ｂ
に、あるいは基準階Ｂから基準階Ａに移動することがで
きる。

【００２８】なお、前記実施形態においては、着床セン
サ１０の信号に基づいてエスカレータ２，３の運転が開
始するようにしたが、その着床センサ１０に替えて、エ
レベータ１の開閉ドアの開放を検出するドア開放検出手
段の信号に基づいてエスカレータ２，３の運転が開始す
るように構成することも可能である。

【００２９】すなわち、エレベータ１にはかご室４，５
の前面の開口部を開閉する開閉ドアおよびエレベータホ
ールの乗降用出入口を開閉する開閉ドアが設けられ、か
ごユニット６が所定の行先階に着床し、前記各開閉ドア
が開放した時にその開放を検出するドア開放検出手段と
してのドアセンサが設けられているから、そのドアセン
サの検出信号に基づいてエスカレータ２，３の運転が開
始するように構成することが可能で、この場合において
も前記実施形態と同様の効果を得ることができる。

【００３０】図５には第２の実施形態を示してあり、こ
の第２の実施形態においては、前記第１の実施形態の構
成に加え、エレベータ１の反対側におけるエスカレータ
２，３の乗降口に、そのエスカレータ２，３に近づく利
用者の有無を検出する検出手段として光電センサ等の検
出センサ２０，２１が設けられている。そして基準階Ａ
からエスカレータ３を利用して基準階Ｂに移動してエレ
ベータ１を利用しようとする利用者が、エスカレータ３
に近づくと、これが検出センサ２０により検出され、こ
の検出の信号によりエスカレータ３の運転が開始すると
ともに、エレベータ１のかご呼び登録が設定され、また
基準階Ｂからエスカレータ２を利用して基準階Ａに移動
してエレベータ１を利用しようとする利用者が、エスカ
レータ２に近づくと、これが検出センサ２１により検出
され、この検出の信号によりエスカレータ２の運転が開
始するとともに、エレベータ１のかご呼び登録が設定さ
れるようになっている。

【００３１】したがって、この第２の実施形態の場合に
は、利用者がエスカレータ２，３を利用して基準階Ａま
たはＢに移動する間に、エレベータ１のかごユニット６
が基準階Ａ，Ｂに移動して待機するようになり、このた
め長い待ち時間を要することなく、速やかにエスカレー
タ２，３からエレベータ１に乗り換えて能率よくかつ快
適にエレベータ１を利用することができる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
ダブルデッキ式エレベータのかごユニットが自動運転形
エスカレータの設置階に到着して着床したときの信号、
あるいは着床してエレベータの開閉ドアが開放したとき
の信号に基づいて、自動運転形エスカレータの運転を開
始して所定時間駆動するようにしたから、エレベータか
ら降りた利用者が直ちにエスカレータを利用して速やか
に目的階まで移動することができ、また別個の専用の光
電センサ等が不要で、コストが軽減する。

【００３３】そして請求項３の発明では、自動運転形エ
スカレータの設置階におけるエレベータホールに、エレ
ベータ呼びボタンと併せて、自動運転形エスカレータを
手動で起動させるためのエスカレータ起動ボタンが設け
られているから、エレベータの利用者以外の人がエスカ
レータを利用するときに、そのエスカレータ起動ボタン
を操作してエスカレータを利用することができ、また請
求項４の発明では、エスカレータの近傍に、そのエスカ
レータに対する利用者の有無を検出する利用者検出手段
が設けられ、この検出手段により利用者が検出されたと
きに、自動運転形エスカレータが自動的に起動し、かつ
前記設置階に対するエレベータ呼び登録が設定され、し
たがって利用者がエスカレータを利用している間に、エ
レベータのかごユニットがエスカレータの設置階に移動
して待機するようになり、このため長い待ち時間を要す
ることなく、速やかにエスカレータからエレベータに乗
り換えて能率よくかつ快適にエレベータを利用すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施形態に係る昇降移動シス
テムの構成を示す説明図。

【図２】そシステムのエレベータホールに設けられた操
作盤を示す正面図。

【図３】そのシステムの制御回路の構成を示すブロック
図。

【図４】そのシステムの制御の流れを示すフローチャー
ト。

【図５】この発明の第２の実施形態に係る昇降移動シス
テムの構成を示す説明図。

【符号の説明】

１…ダブルデッキ式エレベータ ２，３…自動運転形エスカレータ ４，５…かご室 ６…かごユニット ８…操作盤 ９…行先階登録ボタン １０…着床センサ １１…操作盤 １２…かご呼び登録ボタン １３…エスカレータ起動ボタン １５…制御手段

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ダブルデッキ式エレベータと、これに併設
   される自動運転形エスカレータとを備え、ダブルデッキ
   式エレベータのかごユニットが自動運転形エスカレータ
   の設置階に到着して着床したときに、そのかごユニット
   の着床を検出する着床検出手段の信号に基づいて自動運
   転形エスカレータを所定時間駆動する制御手段が設けら
   れていることを特徴とする昇降移動システム。
2. 【請求項２】ダブルデッキ式エレベータと、これに併設
   される自動運転形エスカレータとを備え、ダブルデッキ
   式エレベータのかごユニットが自動運転形エスカレータ
   の設置階に到着してエレベータの開閉ドアが開放したと
   きに、その開放を検出するドア開放検出手段の信号に基
   づいて自動運転形エスカレータを所定時間駆動する制御
   手段が設けられていることを特徴とする昇降移動システ
   ム。
3. 【請求項３】自動運転形エスカレータの設置階における
   エレベータホールには、エレベータ呼びボタンと併せ
   て、自動運転形エスカレータを手動で起動させるための
   エスカレータ起動ボタンが設けられていることを特徴と
   する請求項１または２に記載の昇降移動システム。
4. 【請求項４】自動運転形エスカレータの設置階には、そ
   のエスカレータの近傍に、そのエスカレータに対する利
   用者の有無を検出する利用者検出手段が設けられ、この
   検出手段により利用者が検出されたときには、自動運転
   形エスカレータが自動的に起動し、かつ前記設置階に対
   するエレベータ呼び登録が設定されることを特徴とする
   請求項１、２または３に記載の昇降移動システム。