JP2002335233A - 適応アンテナ受信装置 - Google Patents
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Abstract
ンテナにおいて、フィンガーを新たに割り当てるときや
フィンガーのパスタイミングが大きく変化したとき、適
応更新の開始直後で受信品質の高い指向性を実現でき、
適応更新アルゴリズムのアンテナ重みの収束時間を短く
することができる適応アンテナ受信装置を提供する。 【解決手段】 信号処理部73−1〜73−LにSIR
測定部12−1〜12−Lを設け、これらSIR測定部
とサーチャー72との間にアンテナ重み継承処理部11
を設ける。SIR測定部は、各信号処理部内でアンテナ
重み付け合成回路733−1〜733−Lで生成される
アンテナ重み付け合成受信信号のSIRを測定して、ア
ンテナ重み継承処理部に通知する。アンテナ重み継承処
理部は、最大SIRの信号処理部で使用されているアン
テナ重み抽出して、新たに割り当てられたフィンガーや
パスタイミングが大きく変化したフィンガーのアンテナ
重み適応制御部に設定する。
Description
装置に関し、特に、複数のパス(マルチパス)を経由し
て到来する希望信号を受信してレイク合成を行うための
適応アンテナ受信装置に関する。
ess:符号分割多元接続)方式は、加入者容量を大幅に
増大させることができる無線伝送方式として注目されて
いる。このCDMA方式の通信システムにおいて使用さ
れるCDMA適応アンテナ受信装置は、例えば、王、河
野、今井による「スペクトル拡散多元接続のための拡散
処理利得を用いたTDLアダプティブアレーアンテナ」
(電子情報通信学会論文誌 Vol.J75−BII,
No.11,pp.815−825,1992)および
田中、三木、佐和橋による「DS−CDMAにおける判
定帰還型コヒーレント適応ダイバーシチの特性」(電子
情報通信学会、無線通信システム研究会技術報告書 R
CS96−102,1996年11月)等に記載されて
いる。
は、上記文献に記載されているように、アンテナ重みを
適応制御する際、逆拡散後に抽出した重み制御誤差信号
を用いて、受信SIR(Signal to Interference Rati
o:希望波信号電力対干渉波信号電力比)を最大にする
ようにアンテナ指向性パターンを形成し、それによって
干渉除去を行っている。
装置の一例の構成を示すブロック図である。受信アンテ
ナの数をN(Nは2以上の整数)、マルチパスの数をL
(Lは1以上の整数)とし、第kユーザ(kは1以上の
整数)に対するCDMA適応アンテナ受信装置について
説明する。
第kユーザに対応するものであって、N個の受信アンテ
ナ71−1〜71−N、サーチャー72、パス数Lのマ
ルチパスに対応したL個の信号処理部73−1〜73−
L、加算器74、判定器75、参照信号生成回路76、
スイッチ77および減算器78で構成されている。
73−1〜73−Lは、それぞれ同一構成である。詳述
すると、信号処理部73−1〜73−Lは、遅延器73
1−1〜731−L、N個の逆拡散回路732−1−1
〜732−L−N、アンテナ重み付け合成回路733−
1〜733−L、アンテナ重み適応制御部734−1〜
734−L、初期重み生成部735−1〜735−L、
伝送路推定回路736−1〜736−L、複素共役回路
737−1〜737−Lおよび乗算器738−1〜73
8−L、739−1〜739−Lで構成されている。
1−1〜71−Nで受信した信号を使って、L個のマル
チパスの遅延時間を検出し、各マルチパスの遅延時間の
タイミングを遅延器731−1〜731−Lと初期重み
生成部735−1〜735−Lに通知する。ここで各マ
ルチパスの遅延時間のタイミングは、すべての受信アン
テナ71−1〜71−Nで共通に使用するように遅延器
731−1〜731−Lに設定される。これはN個のそ
れぞれの受信アンテナ71−1〜71−Nは、受信信号
が相関を有するように近接して配置されているので、N
個のそれぞれの受信アンテナ71−1〜71−Nの遅延
プロファイルはすべて同じとみなすことができるからで
ある。
受信アンテナ71−1〜71−Nで受信した信号をL個
のそれぞれのマルチパスに対応して遅延させる。これに
より受信信号は、第1パスから第Lパスまでに区別され
る。遅延器731−1〜731−Lから出力された受信
信号は、逆拡散回路732−1−1〜732−L−Nに
より逆拡散された後、アンテナ重み付け合成回路733
−1〜733−Lとアンテナ重み適応制御部734−1
〜734−Lに送られる。
は、サーチャー72からパスが新たに割り当てられたと
きやパスタイミングが大きく変化したとき、初期重みを
生成し、アンテナ重み適応制御部734−1〜734−
Lに設定する。
−1〜733−Lの構成を示すブロック図である。アン
テナ重み付け合成回路733−1〜733−Lはそれぞ
れ同一構成であり、乗算器81−1〜81−Nおよび加
算器82で構成されている。
処理部73−1についてのみ説明するが、他の信号処理
部73−2〜73−Nについても同様である。
は、逆拡散回路732−1−1〜732−1−Nにより
逆拡散された受信信号に、乗算器81−1〜81−Nに
よりアンテナ重み適応制御部734−1で生成したアン
テナ重みが掛けられ、その結果が加算器82により加算
されて重み付け合成される。その合成信号は、図7の伝
送路推定回路736−1と乗算器738−1に送られ
る。アンテナ重み付け合成回路733−1は、受信アン
テナ71−1〜71−Nの受信信号の振幅、位相を制御
することで希望信号に利得を有し、干渉を抑圧して受信
するようにアレーアンテナの指向性を形成する。
は、アンテナ重み付け合成回路733−1の出力を使っ
て、伝送路歪みを推定する。推定された伝送路歪みは、
複素共役回路737−1と乗算器739−1に送られ
る。
路736−1により推定した伝送路歪みの複素共役を生
成する。複素共役回路737−1で生成された伝送路歪
みの複素共役を乗算器738−1により、アンテナ重み
付け合成回路733−1の出力に掛けることにより、伝
送路歪みを補償する。
出力と信号処理部73−2〜73−Lの乗算器738−
2〜738−Lからの出力とを加算器74により加算す
ることにより、レイク合成が行われる。その合成出力
は、減算器78と判定器75に入力される。
ンボルとして出力されるだけでなく、既知のパイロット
信号以外の受信時も参照信号として使用するため、スイ
ッチ77にも送られる。
ト信号を生成する。
は参照信号生成回路76の出力を選択し、パイロット信
号以外の受信時には判定器75の受信シンボルの出力を
選択して減算器78に送る。
出力から加算器74のレイク合成出力を減算して共通誤
差信号を生成する。この共通誤差信号に乗算器739−
1により、伝送路推定回路736−1により推定した伝
送路歪みを乗算する。その結果は、アンテナ重み適応制
御部734−1に送られる。
算器739−1により伝送路歪みが乗じられた誤差信号
と逆拡散回路732−1−1〜732−1−Nにより出
力されたアンテナ受信信号とを用いて、誤差信号の2乗
平均が最小となるようにアンテナ重みを制御する。ここ
で、アンテナ重み適応制御部734−1で使用される適
応更新アルゴリズムは、例えばLMS(Least Mean Squ
are)アルゴリズムを用いることができる。
ナ受信装置を用いた場合のフィンガー(パス)を新しく
割り当てるときのフローチャートである。従来のフィン
ガーを新しく割り当てるときのフローチャートは、既存
フィンガーの有無に関わらず、新しく割り当てられたフ
ィンガーの初期重み生成部735−1〜735−Lで生
成したアンテナ重みを初期値としてアンテナ重み適応制
御部734−1〜734−Lに設定する(ステップS9
01)。
テナ受信装置を用いた場合のフィンガーのパスタイミン
グが大きく変化したときのフローチャートである。従来
のフィンガーのパスタイミングが大きく変化したときの
フローチャートのステップS1001とステップS10
02は、本発明のステップS301(図3)とステップ
S302(図3)と同じであるが、フィンガーのパスタ
イミングがXTチップ以上変化した場合、そのフィンガ
ーの初期重み生成部735−1〜735−Lで生成した
アンテナ重みを初期値としてアンテナ重み適応制御部7
34−1〜734−Lに設定する(ステップS100
3)。
5−1〜735−Lで生成される初期重みの決定方法に
は二通りある。一つは無指向性重みのような所定の初期
重みとする方法、もう一つは受信アンテナ71−1〜7
1−Nで受信した信号を使って、初期重みを推定する方
法である。
た信号を使って、初期重みを推定する方法は、例えば、
各アンテナ受信信号から伝送路推定を行い、それを初期
重みとする方法、MUSICやESPRITなどの到来
方向推定アルゴリズムを用いて希望波の到来方向を推定
し、それを初期重みとする方法(MUSICは例えば、
R.O.Schmidt:“Multiple Emitter Locatio
n and Signal Parameter Estimation”,IEEE T
rans.Vol.AP−34,No.3,pp.27
6−280(1986 March)、ESPRITは
例えば、R.Roy and T.Kailath:
“ESPRIT-Estimation of Signal Parameters via Rotat
ional Invariance Techniques”,IEEE Tran
s.Vol.ASSP−37,pp.984−995
(1989 July)を参照。)、さらにはマルチビ
ームを用いて受信品質の高いビームを選択し、それを初
期重みとする方法がある。
た従来の適応アンテナ受信装置には、次のような問題点
がある。
る適応アンテナにおいて、陸上移動通信のようにパスが
頻繁に生成、消滅する環境では、パス生成毎、あるいは
パスタイミング変更毎に無指向性を初期重みとしていた
のでは特性が劣化するという点である。
法では、アンテナ重み適応制御部734−1〜734−
Lで使用される適応更新アルゴリズムのアンテナ重みの
最適値までの収束時間が長いからである。
受信した信号を使って、伝送路推定や希望波の到来方向
を推定したり、受信品質の高いビームを選択して初期重
みとする方法では、短時間に高精度な初期重みを推定す
ることが難しく、アンテナ重み適応制御部734−1〜
734−Lで生成されるような干渉にヌルを向ける最適
アンテナ重みまでの収束時間が長くなるという問題もあ
る。
イミング変更毎に初期重みを計算するための演算量が大
きくなるという問題もある。
ンテナ受信装置を提供することを目的とする。
にそれぞれビームを形成する適応アンテナ受信装置にお
いて、フィンガーを新たに割り当てるときやフィンガー
のパスタイミングが大きく変化したとき、既に形成され
ているフィンガーのアンテナ重みを継承するようにした
ことを特徴とする適応アンテナ受信装置が得られる。
テナ重み付け合成回路の出力を利用して、最大のSIR
をもった既存フィンガーを選択し、当該選択されたフィ
ンガーのアンテナ重みを最も確からしいアンテナ重みと
して、新たなフィンガーやパスタイミングが大きく変化
したフィンガーに継承させることができる。
は、アンテナ重み付け合成回路の出力を利用して、最大
の信号電力をもった既存フィンガーを選択し、当該選択
されたフィンガーのアンテナ重みを最も確からしいアン
テナ重みとして、新たなフィンガーやパスタイミングが
大きく変化したフィンガーに継承させることができる。
は、アンテナ重み適応制御部のアンテナ重みを利用し
て、信号到来方向の利得が最大である既存フィンガーを
選択し、当該選択されたフィンガーのアンテナ重みを最
も確からしいアンテナ重みとして、新たなフィンガーや
パスタイミングが大きく変化したフィンガーに継承させ
ることができる。
は、アンテナ重み適応制御部のアンテナ重みを利用し
て、アンテナ重みのノルムが最大である既存フィンガー
を選択し、当該選択されたフィンガーのアンテナ重みを
最も確からしいアンテナ重みとして、新たなフィンガー
やパスタイミングが大きく変化したフィンガーに継承さ
せることができる。
は、サーチャーから通知されるパスタイミングを利用し
て、遅延時間が最短のパスタイミングの既存フィンガー
を選択し、当該選択されたフィンガーのアンテナ重みを
最も確からしいアンテナ重みとして、新たなフィンガー
やパスタイミングが大きく変化したフィンガーに継承さ
せることができる。
置では、サーチャーから通知されるパスタイミングを利
用して、パスの継続時間が最長の既存フィンガーを選択
し、当該選択されたフィンガーのアンテナ重みを最も確
からしいアンテナ重みとして、新たなフィンガーやパス
タイミングが大きく変化したフィンガーに継承させるこ
とができる。
示されるように、サーチャー72からフィンガー(パ
ス)を新たに割り当てるときやフィンガーのパスタイミ
ングが大きく変化したとき、アンテナ重み継承処理部1
1において、既存フィンガーのSIR測定部12−1〜
12−Lで測定したSIRの中で最大SIRをもったフ
ィンガーのアンテナ重みをアンテナ重み適応制御部73
4−1〜734−Lから抽出し、新たに割り当てられた
フィンガーやパスタイミングが大きく変化したフィンガ
ーのアンテナ重み適応制御部734−1〜734−Lに
設定することを特徴とする。これにより、各パス毎にそ
れぞれビームを形成する適応アンテナにおいて、フィン
ガーを新たに割り当てるときやフィンガーのパスタイミ
ングが大きく変化したとき、既に形成されているフィン
ガーのアンテナ重みを初期値に用いることで、適応更新
の開始直後で受信品質の高い指向性を実現でき、アンテ
ナ重み適応制御部734−1〜734−Lで使用される
適応更新アルゴリズムのアンテナ重みの収束時間を短く
することができる。また、初期重み生成部735−1〜
735−Lで計算するための演算量を削減することがで
きる。
施の形態について詳細に説明する。
MA適応アンテナ受信装置の構成を示すブロック図であ
る。受信アンテナの数をN(Nは2以上の整数)、マル
チパスの数をL(Lは1以上の整数)とし、第kユーザ
(kは1以上の整数)に対するCDMA適応アンテナ受
信装置について説明する。
第kユーザに対応するものであって、N個の受信アンテ
ナ71−1〜71−N、サーチャー72、パス数Lのマ
ルチパスに対応したL個の信号処理部73−1〜73−
L、加算器74、判定器75、参照信号生成回路76、
スイッチ77、減算器78およびアンテナ重み継承処理
部11で構成されている。
73−1〜73−Lはそれぞれ同一構成であり、遅延器
731−1〜731−L、N個の逆拡散回路732−1
−1〜732−L−N、アンテナ重み付け合成回路73
3−1〜733−L、アンテナ重み適応制御部734−
1〜734−L、初期重み生成部735−1〜735−
L、伝送路推定回路736−1〜736−L、複素共役
回路737−1〜737−L、乗算器738−1〜73
8−L、739−1〜739−LおよびSIR測定部1
2−1〜12−Lで構成されている。
1−1〜71−Nで受信した信号を使って、L個のマル
チパスの遅延時間を検出し、各マルチパスの遅延時間の
タイミングを遅延器731−1〜731−L、初期重み
生成部735−1〜735−Lおよびアンテナ重み継承
処理部11に通知する。ここで各マルチパスの遅延時間
のタイミングはすべての受信アンテナ71−1〜71−
Nで共通に使用するように遅延器731−1〜731−
Lに設定される。これはN個のそれぞれの受信アンテナ
71−1〜71−Nは、受信信号が相関を有するように
近接して配置されているので、N個のそれぞれの受信ア
ンテナ71−1〜71−Nの遅延プロファイルはすべて
同じとみなすことができるからである。
受信アンテナ71−1〜71−Nで受信した信号をL個
のそれぞれのマルチパスに対応して遅延させる。これに
より受信信号は、第1パスから第Lパスまでに区別され
る。遅延器731−1〜731−Lから出力された受信
信号は逆拡散回路732−1−1〜732−L−Nによ
り逆拡散された後、アンテナ重み付け合成回路733−
1〜733−Lとアンテナ重み適応制御部734−1〜
734−Lに送られる。
は、初期重みを生成し、アンテナ重み適応制御部734
−1〜734−Lに設定する。
33−Lは、従来と同じ構成である。即ち、図8に示さ
れるように、乗算器81−1〜81−Nおよび加算器8
2で構成されている。
処理部73−1を例にとり説明するが、他の信号処理部
73−2〜73−Nも同様である。
は、逆拡散回路732−1−1〜732−1−Nにより
逆拡散された受信信号に、乗算器81−1〜81−Nに
よりアンテナ重み適応制御部734−1で生成したアン
テナ重みが掛けられ、その結果が加算器82により加算
されて重み付け合成され、図1の伝送路推定回路736
−1、乗算器738−1およびSIR測定部12−1に
送られる。アンテナ重み付け合成回路733−1は、受
信アンテナ71−1〜71−Nの受信信号の振幅、位相
を制御することで希望信号に利得を有し、干渉を抑圧し
て受信するようにアレーアンテナの指向性を形成する。
み付け合成回路733−1の出力を使って、伝送路歪み
を推定し、推定された伝送路歪みは、複素共役回路73
7−1と乗算器739−1に送られる。
路736−1により推定した伝送路歪みの複素共役を生
成する。複素共役回路737−1で生成された伝送路歪
みの複素共役を乗算器738−1により、アンテナ重み
付け合成回路733−1の出力に掛けることにより、伝
送路歪みを補償する。伝送路歪みを補償した乗算器73
8−1の出力と他の信号処理部73−2〜73−Lの乗
算器738−2〜738−Lからの出力とを、加算器7
4により加算することにより、レイク合成が行われ、そ
の結果が減算器78と判定器75に入力される。
ンボルとして出力されるだけでなく、既知のパイロット
信号以外の受信時も参照信号として使用するため、スイ
ッチ77にも送られる。
ト信号を生成する。
は参照信号生成回路76の出力を選択し、パイロット信
号以外の受信時には判定器75の受信シンボルの出力を
選択して減算器78に送る。
出力から加算器74のレイク合成出力を減算して共通誤
差信号を生成する。この共通誤差信号に、乗算器739
−1により、伝送路推定回路736−1により推定した
伝送路歪みを乗算する。その結果は、アンテナ重み適応
制御部734−1に送られる。
算器739−1により伝送路歪みが乗じられた誤差信号
と逆拡散回路732−1−1〜732−1−Nにより出
力されたアンテナ受信信号を用いて、誤差信号の2乗平
均が最小となるようにアンテナ重みを制御する。
テナ重み付け合成回路733−1〜733−Lの出力を
用いて、任意の時間平均したSIRを測定し、その測定
結果をアンテナ重み継承処理部11に通知する。ここで
の平均時間は、アンテナ重み適応制御部734−1〜7
34−Lで適用する適応更新アルゴリズムのループ時定
数相当が好ましい。
り当てるときやフィンガーのパスタイミングが大きく変
化したとき、アンテナ重み継承処理部11では、既存フ
ィンガーのSIR測定部12−1〜12−Lで測定した
SIRの中で最大SIRをもったフィンガーのアンテナ
重みをアンテナ重み適応制御部734−1〜734−L
から抽出し、新たに割り当てられたフィンガーやパスタ
イミングが大きく変化したフィンガーのアンテナ重み適
応制御部734−1〜734−Lに設定する。SIR最
大のフィンガーのアンテナ重みを用いる理由は、パスの
受信品質が高く(パスが強く)、その情報を用いて生成
したアンテナ重みは高精度である可能性が高いためであ
る。アンテナ重み適応制御部734−1〜734−Lで
使用される適応更新アルゴリズムは、アンテナ重み継承
処理部11から出力されるアンテナ重み、もしくは初期
重み生成部735−1〜735−Lから出力されるアン
テナ重みを初期値として適応更新を行う。
ナ受信装置の動作について、図を参照して説明する。こ
こでは特に図1に示されたアンテナ重み継承処理部11
について詳細に説明する。
は、移動局から発した電波はまず移動局周辺のビルや建
物などの地形や地物により反射、回折、散乱し、ほぼ同
じ到来角をもったパスとして基地局に到来するのが一般
的である。従って、フィンガー(パス)を新たに割り当
てるときやフィンガーのパスタイミングが大きく変化し
たとき、既に形成されているフィンガーのアンテナ重み
を初期値に用いても問題ない場合が多い。この方法によ
り、適応更新の開始直後に受信品質の高い指向性を実現
でき、アンテナ重み適応制御部734−1〜734−L
で使用される適応更新アルゴリズムのアンテナ重みの収
束時間を短くすることができる。また、初期重み生成部
735−1〜735−Lで計算するための演算量を削減
することができる。
きのアンテナ重み継承処理部11の動作を説明するため
のフローチャートである。フィンガーを新しく割り当て
るときのアンテナ重み継承処理部11では、図2に示さ
れるように、まず始めに既存フィンガーが存在するかど
うか判断する(ステップS201)。既存フィンガーが
存在しない場合、新しく割り当てられたフィンガーの初
期重み生成部735−1〜735−Lで生成したアンテ
ナ重みを初期値としてアンテナ重み適応制御部734−
1〜734−Lに設定する(ステップS202)。既存
フィンガーが存在する場合、既存フィンガーのSIR測
定部12−1〜12−Lで測定したSIRの中で最大S
IRをもったフィンガーのアンテナ重みをアンテナ重み
適応制御部734−1〜734−Lから抽出し、それを
初期値として新しく割り当てられたフィンガーのアンテ
ナ重み適応制御部734−1〜734−Lに設定する
(ステップS203)。
きく変化したときのアンテナ重み継承処理部11の動作
を説明するためのフローチャートである。フィンガーの
パスタイミングが大きく変化したときのアンテナ重み継
承処理部11では、図3に示されるように、フィンガー
のパスタイミングがXTチップ以上変化したかどうか判
断する(ステップS301)。フィンガーのパスタイミ
ングがXTチップ未満変化した場合、そのフィンガーは
継続的に存在していることを意味しているので、アンテ
ナ重み適応制御部734−1〜734−Lのアンテナ重
みをそのまま使用する(ステップS302)。フィンガ
ーのパスタイミングがXTチップ以上変化した場合、既
存フィンガーのSIR測定部12−1〜12−Lで測定
したSIRの中で最大SIRをもったフィンガーのアン
テナ重みをアンテナ重み適応制御部734−1〜734
−Lから抽出し、それを初期値としてパスタイミングが
変化したフィンガーのアンテナ重み適応制御部734−
1〜734−Lに設定する(ステップS303)。
成する適応アンテナにおいて、フィンガーを新たに割り
当てるときやフィンガーのパスタイミングが大きく変化
したとき、既に形成されているフィンガーのアンテナ重
みを初期値に用いれば、適応更新の開始直後で受信品質
の高い指向性を実現でき、アンテナ重み適応制御部73
4−1〜734−Lで使用される適応更新アルゴリズム
のアンテナ重みの収束時間を短くすることができる。ま
た、初期重み生成部735−1〜735−Lで計算する
ための演算量を削減することができる。
態では、新たなフィンガーやパスタイミングが大きく変
化したフィンガーで継承するアンテナ重みにできるだけ
高精度なものを用いるために既に形成されているフィン
ガーの選択基準として、アンテナ重み付け合成回路73
3−1〜733−Lの出力を利用して、最大のSIRを
もった既存フィンガーを選択するようにしているが、最
大の信号電力をもった既存フィンガーを選択する方法も
考えられる。
ンガーを選択する方法を用いたときの、本発明の他の実
施の形態に係るCDMA適応アンテナ受信装置の構成を
示すブロック図である。信号電力測定部41−1〜41
−Lは、図1のSIR測定部12−1〜12−Lと同様
にアンテナ重み付け合成回路733−1〜733−Lの
出力を用いて、任意の時間平均した信号電力を測定し、
その測定結果をアンテナ重み継承処理部11に通知す
る。
〜734−Lのアンテナ重みを直接利用して、信号の到
来方向の利得が最大である既存フィンガーを選択した
り、アンテナ重みのノルムが最大である既存フィンガー
を選択する方法も考えられる。
る既存フィンガーを選択したり、アンテナ重みのノルム
が最大である既存フィンガーを選択する方法を用いたと
きの、本発明の他の実施の形態に係るCDMA適応アン
テナ受信装置の構成を示すブロック図である。信号の到
来方向の利得が最大である既存フィンガーを選択する方
法を用いたときのアンテナ重み尤度処理部51−1〜5
1−Lは、アンテナ重み適応制御部734−1〜734
−Lのアンテナ重みを用いて、任意の時間平均した信号
の到来方向の利得を測定し、その測定結果をアンテナ重
み継承処理部11に通知する。アンテナ重みのノルムが
最大である既存フィンガーを選択する方法を用いたとき
のアンテナ重み尤度処理部51−1〜51−Lは、アン
テナ重み適応制御部734−1〜734−Lのアンテナ
重みを用いて、任意の時間平均したアンテナ重みのノル
ムを測定し、その測定結果をアンテナ重み継承処理部1
1に通知する。
スタイミングを利用して、レベルの高い直接波の可能性
がある遅延時間の最短のパスタイミングの既存フィンガ
ーを選択したり、パスの継続時間が最長の既存フィンガ
ーを選択してもよい。
の既存フィンガーを選択したり、パスの継続時間が最長
の既存フィンガーを選択する方法を用いたときの、本発
明の他の実施の形態に係るCDMA適応アンテナ受信装
置の構成を示すブロック図である。遅延時間の最短のパ
スタイミングの既存フィンガーを選択する方法を用いた
ときのパスタイミング比較部61は、サーチャー72か
ら通知されるパスタイミングをアンテナ重み継承処理部
11に通知する。パスの継続時間が最長の既存フィンガ
ーを選択する方法を用いたときのパスタイミング比較部
61は、サーチャー72から通知されるパスタイミング
を用いて、パスの継続時間を測定し、その測定結果をア
ンテナ重み継承処理部11に通知する。
置について説明してきたが、本発明は、複数到来波を分
離することができるCDMA方式以外の適応アンテナ受
信装置、例えば、TDMA(Time Division Multiple A
ccess:時間分割多元接続)方式やFDMA(Frequency
Division Multiple Access:周波数分割多元接続)方
式の適応アンテナ受信装置にも適用可能である。
毎にそれぞれビームを形成するためにアンテナ重み適応
制御部734−1〜734−Lで使用される適応更新ア
ルゴリズムとしてLMS方式の例を挙げたが、他のアル
ゴリズム、例えば、RLS(Recursive Least Square)
アルゴリズムやSMI(Sample Matrix Inversion)ア
ルゴリズムを用いるアンテナ重み適応制御部を有する適
応アンテナ受信装置でも本発明は適用可能である。
ぞれビームを形成する適応アンテナにおいて、フィンガ
ーを新たに割り当てるときやフィンガーのパスタイミン
グが大きく変化したとき、既に形成されているフィンガ
ーのアンテナ重みを初期値に用いることで、適応更新の
開始直後で受信品質の高い指向性を実現でき、アンテナ
重み適応制御部で使用される適応更新アルゴリズムのア
ンテナ重みの収束時間を短くすることができることであ
る。
計算するための演算量を削減することができることであ
る。
アンテナ受信装置の構成を示すブロック図である。
ンテナ重み継承処理部の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
ときの図1のアンテナ重み継承処理部の動作を説明する
ためのフローチャートである。
アンテナ受信装置の構成を示すブロック図である。
アンテナ受信装置の構成を示すブロック図である。
アンテナ受信装置の構成を示すブロック図である。
示すブロック図である。
ク図である。
DMA適応アンテナ受信装置の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
たときの図7のCDMA適応アンテナ受信装置の動作を
説明するためのフローチャートである。
乗算器 74 加算器 75 判定器 76 参照信号生成回路 77 スイッチ 78 減算器 81−1〜81−N 乗算器 82 加算器
Claims (7)
- 【請求項1】 パス毎にそれぞれビームを形成する適応
アンテナ受信装置において、フィンガーを新たに割り当
てるときやフィンガーのパスタイミングが大きく変化し
たとき、既に形成されているフィンガーのアンテナ重み
を継承するようにしたことを特徴とする適応アンテナ受
信装置。 - 【請求項2】 アンテナ重み付け合成回路の出力を利用
して、最大のSIRをもった既存フィンガーを選択し、
当該選択されたフィンガーのアンテナ重みを最も確から
しいアンテナ重みとして、新たなフィンガーやパスタイ
ミングが大きく変化したフィンガーに継承させるように
したことを特徴とする請求項1の適応アンテナ受信装
置。 - 【請求項3】 アンテナ重み付け合成回路の出力を利用
して、最大の信号電力をもった既存フィンガーを選択
し、当該選択されたフィンガーのアンテナ重みを最も確
からしいアンテナ重みとして、新たなフィンガーやパス
タイミングが大きく変化したフィンガーに継承させるよ
うにしたことを特徴とする請求項1の適応アンテナ受信
装置。 - 【請求項4】 アンテナ重み適応制御部のアンテナ重み
を利用して、信号到来方向の利得が最大である既存フィ
ンガーを選択し、当該選択されたフィンガーのアンテナ
重みを最も確からしいアンテナ重みとして、新たなフィ
ンガーやパスタイミングが大きく変化したフィンガーに
継承させるようにしたことを特徴とする請求項1の適応
アンテナ受信装置。 - 【請求項5】 アンテナ重み適応制御部のアンテナ重み
を利用して、アンテナ重みのノルムが最大である既存フ
ィンガーを選択し、当該選択されたフィンガーのアンテ
ナ重みを最も確からしいアンテナ重みとして、新たなフ
ィンガーやパスタイミングが大きく変化したフィンガー
に継承させるようにしたことを特徴とする請求項1の適
応アンテナ受信装置。 - 【請求項6】 サーチャーから通知されるパスタイミン
グを利用して、遅延時間が最短のパスタイミングの既存
フィンガーを選択し、当該選択されたフィンガーのアン
テナ重みを最も確からしいアンテナ重みとして、新たな
フィンガーやパスタイミングが大きく変化したフィンガ
ーに継承させるようにしたことを特徴とする請求項1の
適応アンテナ受信装置。 - 【請求項7】 サーチャーから通知されるパスタイミン
グを利用して、パスの継続時間が最長の既存フィンガー
を選択し、当該選択されたフィンガーのアンテナ重みを
最も確からしいアンテナ重みとして、新たなフィンガー
やパスタイミングが大きく変化したフィンガーに継承さ
せるようにしたことを特徴とする請求項1の適応アンテ
ナ受信装置。
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