JPH11308130A - 干渉波抑圧装置 - Google Patents

干渉波抑圧装置

Info

Publication number
JPH11308130A
JPH11308130A JP10107315A JP10731598A JPH11308130A JP H11308130 A JPH11308130 A JP H11308130A JP 10107315 A JP10107315 A JP 10107315A JP 10731598 A JP10731598 A JP 10731598A JP H11308130 A JPH11308130 A JP H11308130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
initial value
signals
interference
interference wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10107315A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Sekiguchi
高志 関口
Tetsuo Kirimoto
哲郎 桐本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP10107315A priority Critical patent/JPH11308130A/ja
Publication of JPH11308130A publication Critical patent/JPH11308130A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Noise Elimination (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間に干渉波抑圧できる特性を得る干渉波
抑圧装置を提供する。 【解決手段】 アレーアンテナ100で受信した信号
を、所定方向にビームを形成するビーム形成器5と、補
助ビームとして所定の複数の方向にビームを形成するマ
ルチビーム形成器7に入力し、それらからの出力信号に
基づいて、入射する干渉波と同数の適切なビーム方向の
補助ビームを設定する。そして、受信干渉信号を抑圧す
る適応アルゴリズムで荷重係数を制御する前に、その初
期値を設定しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、干渉波抑圧装置に
関し、特に、アンテナのサイドローブから入射する干渉
波を抑圧する干渉波抑圧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アダプティブ・アレー・アンテナは、干
渉波の到来方向に零点を向けるため、所望信号の受信に
支障となる干渉信号を除去するのに有効である。このア
ダプティブ・アレー・アンテナに用いる適応アルゴリズ
ムには、信号処理演算量が少なく、また、荷重係数がで
きるだけ速く最適値に収束することが望まれる。
【0003】このような目的のため、例えば、原沢,桐
本は、「ビーム空間ANBFの荷重初期値調整による収
束速度の高速化」(1997年、電子情報通信学会ソサ
イエティ大会B−2−18(これを以降、文献1と呼
ぶ))において、適応アルゴリズム、特にLMS(Le
ast Mean Squares)アルゴリズムに代
表されるような、最急降下アルゴリズムにおける荷重係
数初期値をできるだけ最適値に近い値に設定することを
提案している。
【0004】図11は、上記の文献1に開示された、ア
ダプティブ・アレー・アンテナを含む従来の干渉波抑圧
装置の構成を示すブロック図である。そこで、図11を
参照して、従来の干渉波抑圧装置について、その構成と
動作を説明する。
【0005】図11において、アレーアンテナ100
は、互いに近接して配置された複数(N)個の素子アン
テナ1−1,1−2,…1−Nからなる。ここでは、こ
れらは等間隔、一直線状に配置されているものとする。
これらの素子アンテナ1−1,1−2,…1−Nで受信
されたRF(Radio Frequency)信号
(所望信号と、それとは異なる方向から入射する干渉信
号とが混在した信号)は、それぞれ、受信機2−1,2
−2,…2−Nで増幅並びに周波数変換され、A/D変
換器3−1,3−2,…3−Nにおいて、ディジタルI
F(Intermediate Frequency)
信号に変換される。
【0006】上記のディジタルIF信号は、IQ信号変
換器4−1,4−2,…4−Nで、ベースバンド・ディ
ジタル同相・直交信号x1(k),x2(k),…x
N(k)に変換される。なお、ここでは、x1(k),x
2(k),…xN(k)は、受信RF信号の同相成分を実
部、直交信号を虚部とする複素信号として扱う。また、
干渉信号は、所望信号と無相関であるとする。
【0007】上記ベースバンド・ディジタル同相・直交
信号x1(k),x2(k),…xN(k)は、ビーム形
成器5に入力される。このビーム形成器5は、目標方向
にビームを形成するもので、その方向は既知とする。ま
た、ビーム形成器5には、受信した所望信号とともに、
同時に受信した干渉信号も入力される。そして、干渉信
号の電力が、所望信号の電力に比べて非常に大きい場合
には、ビーム形成器5の形成する指向特性のサイドロー
ブ方向から入射した干渉波信号の漏れ込みが大きく、そ
の結果、ビーム形成器5の出力信号y0(k)には、所
望信号だけではなく、ビーム形成器5だけでは抑圧しき
れなかった干渉信号成分も含まれることになる。
【0008】減算器6は、上記のビーム形成器5の出力
信号y0(k)より、消え残った干渉信号を推定した信
号v(k)を差し引くことにより、干渉信号成分が抑圧
された信号z(k)を出力する。
【0009】次に、ビーム形成器5の出力信号y
0(k)中の消え残った干渉信号を推定する方法を説明
する。上述したベースバンド・ディジタル同相・直交信
号x1(k),x2(k),…xN(k)は、同時に複数
(N)の異なる方向にマルチビーム形成を行う高速フー
リエ変換器(FFT)11に入力される。このマルチビ
ームは、サイドローブ・キャンセラにおける補助ビーム
である。そして、選択器8では、高速フーリエ変換器1
1の複数(N)個の出力信号y1(k),y2(k),…
N(k)の内、電力の大きいB個、あるいは、ある閾
値電力を越えたB個を選択する。これは、複数(N)の
異なる方向に形成されたマルチビームから、B個のビー
ムを選択することに相当する。
【0010】このようにして選択された信号y
r1(k),yr2(k),…yrB(k)には、多くの干渉
信号成分が、何らかの形で含まれている。これら選択さ
れた信号は、乗算器9−1,9−2,…9−Bで重み付
けした後、加算器10で加算され、その加算結果を、ビ
ーム形成器5の出力信号y0(k)に含まれる干渉信号
の、消え残りを推定した信号v(k)として出力する。
乗算器9−1,9−2,…9−Bの荷重係数w1 (k),w
2 (k),…wB (k)は、選択器8の出力信号yr1(k),y
r2(k),…yrB(k)、および、アダプティブ・アレ
ー・アンテナ出力信号z(k)に基づき、アダプティブ
・アレー・アンテナ出力信号z(k)の電力をできるだ
け小さくするように、荷重係数制御器22によって制御
される。その結果、ビーム形成器5の出力信号y
0(k)に含まれる干渉信号の消え残りの推定が行われ
る。
【0011】上記の文献1に記載された荷重係数
1 (k),w2 (k),…wB (k)の制御は、学習同定法によっ
ており、その荷重係数の更新式を、数1に示す。ここで
肩文字*は、スカラの複素共役、もしくは行列・ベクト
ルの各要素の複素共役をとることを意味する。
【0012】
【数1】
【0013】この数1において、αはステップサイズ・
パラメータであり、ベクトルW(k),Y(k)は、以下
の数2,数3に示すベクトルである。なお、ここで肩文
字Tは、行列とベクトルの転置を表す。なお、他の適応
アルゴリズムも適用可能である。
【0014】
【数2】
【0015】
【数3】
【0016】図11に示すように、荷重係数初期値設定
器24で設定された荷重係数初期値ベクトルW(0)は、
荷重係数制御器22に送られる。荷重係数初期値設定器
24では、複数の干渉波が到来したとき、それらが補助
ビーム幅以上に離れていて、かつ、補助ビームのサイド
ローブ・レベルが十分低い、という仮定の下で選択され
た補助ビームの指向方向を干渉波の到来方向とする。そ
して、その方向から干渉波が1波到来したと仮定したと
きの最適値を計算し、それを荷重係数の初期値とする。
この処理を、選択した補助ビーム数分、繰り返す。
【0017】図11に示す従来の干渉波抑圧装置では、
上記の荷重係数初期値ベクトルW(0 )を、数1の荷重更
新式に用いることにより、収束に達するまでの時間を短
縮している。なお、ここでは、1つの補助ビームには、
1波しか入射しないことを前提としている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアダプティブ・アレー・アンテナを含む干渉波抑圧
装置では、2つの干渉波が近接して到来した場合や、受
信干渉波数よりも補助ビーム選択数が多い場合、あるい
は、アンテナアレー素子数Nが少なく、補助ビーム幅が
広い場合などは、上述の前提条件が成立しない。その結
果、初期値設定の効果がなくなり、収束に達するまでの
時間を短縮することができない、という問題が発生す
る。
【0019】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、受信干渉波数と同数の
補助ビームを選択して、2つ以上の干渉波が近接して到
来した場合や、アンテナアレー素子数が少なく、補助ビ
ーム幅が広い場合にも適用できる補助ビーム選択、およ
び初期値設定を行える干渉波抑圧装置を提供することで
ある。
【0020】本発明の他の目的は、受信干渉波数と同数
以上の補助ビームを選択することで、2つ以上の干渉波
が近接して到来した場合や、アンテナアレー素子数が少
なく、補助ビーム幅が広い場合にも適用できる補助ビー
ム選択、および初期値設定が行える干渉波抑圧装置を提
供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、所定の配置形状で近接して配置された複
数個のアンテナ素子からなるアレーアンテナへの入射信
号波に対する干渉波を抑圧する干渉波抑圧装置におい
て、上記入射信号波を複数のディジタル同相・直交信号
に変換する手段と、上記複数のディジタル同相・直交信
号より、所定方向にビームを形成し、そのビームに対応
する第1の信号を出力する手段と、上記複数のディジタ
ル同相・直交信号より、同時に複数の異なる方向にマル
チビームを形成し、このマルチビームに対応する複数の
第2の信号を出力する手段と、上記第1の信号と上記複
数の第2の信号に基づき、これら複数の第2の信号より
所定数の信号を選択する選択手段と、上記選択された信
号各々に所定の荷重係数を乗算する手段と、上記荷重係
数の乗算された信号を加算して第3の信号を出力する手
段と、上記第1の信号から上記第3の信号を減算して第
4の信号を出力する手段とを備え、上記荷重係数は、そ
の初期値が、上記選択された所定数の信号と上記第1の
信号とに基づいて設定され、また、この荷重係数は、上
記初期値と、上記選択された所定数の信号と、上記第4
の信号とに基づいて、この第4の信号の電力が最小とな
るように所定の適応アルゴリズムにより制御され、この
第4の信号が上記干渉波の抑圧された信号として出力さ
れる干渉波抑圧装置を提供する。
【0022】好ましくは、本発明はさらに、上記第1の
信号および複数の第2の信号をもとに上記干渉波の数を
特定する手段を備え、上記選択手段は、上記干渉波の数
と同数あるいはそれ以上の数の信号を、上記複数の第2
の信号より選択する。
【0023】好ましくは、上記荷重係数の初期値は、最
初に受信した所定数の信号サンプルについての、上記第
1の信号と上記選択された所定数の信号とに基づく連立
方程式の解をもとに設定され、上記適応アルゴリズム
は、この設定された初期値に基づいて上記荷重係数を更
新するアルゴリズムである。
【0024】また、好ましくは、本発明はさらに、上記
複数の第2の信号からなる所定の行列の特異値分解を行
う手段を備え、その特異値の数を上記干渉波の数とす
る。また、上記荷重係数の初期値は、最初に受信した所
定数の信号サンプルについての、上記第1の信号と上記
選択された所定数の信号とに基づく連立方程式の解をも
とに設定され、上記適応アルゴリズムは、この設定され
た初期値に基づいて上記荷重係数を更新するとともに、
この荷重係数の初期値ベクトルのノルムが最小となるよ
うに上記初期値を設定するアルゴリズムである。
【0025】好ましくは、本発明は、所定の配置形状で
近接して配置された複数個のアンテナ素子からなるアレ
ーアンテナへの入射信号波に対する干渉波を抑圧する干
渉波抑圧装置において、上記入射信号波を複数のディジ
タル同相・直交信号に変換する手段と、上記複数のディ
ジタル同相・直交信号より、所定方向にビームを形成
し、そのビームに対応する第1の信号を出力する手段
と、上記複数のディジタル同相・直交信号の全て、ある
いは一部を用いて、干渉波の数とその入射方向を推定す
る手段と、上記推定された入射方向各々に対してビーム
を形成し、これらのビームに対応する、これらビームと
同数の第5の信号を出力する手段と、上記第5の信号各
々に所定の荷重係数を乗算する手段と、上記荷重係数の
乗算された信号を加算して第3の信号を出力する手段
と、上記第1の信号から上記第3の信号を減算して第4
の信号を出力する手段とを備え、上記荷重係数は、上記
第4の信号と第5の信号とに基づいて、この第4の信号
の電力が最小となるように所定の適応アルゴリズムによ
り制御され、この荷重係数の初期値は、最初に受信した
所定数の信号サンプルについての、上記第1の信号と第
5の信号とに基づく連立方程式の解をもとに設定され、
上記適応アルゴリズムは、この設定された初期値に基づ
いて上記荷重係数を更新するとともに、この荷重係数の
初期値ベクトルのノルムが最小となるように上記初期値
を設定するアルゴリズムである干渉波抑圧装置を提供す
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る実施の形態を説明する。 実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1に係る干
渉波抑圧装置の構成を示すブロック図である。なお、図
1に示す装置において、図11に示す従来の干渉波抑圧
装置と同一構成要素には、同一符号を付し、ここでは、
それらの説明を省略する。ただし、本実施の形態に係る
装置では、アンテナ素子の配置は、必ずしも直線状でな
くてもよい。また、以降の説明において、特に断らない
限り、n=1,2,…Nであり、i=1,2,…I、そ
して、b=1,2,…Bであるとする。
【0027】図1に示す干渉波抑圧装置において、ベー
スバンド・ディジタル同相・直交信号xn(k)は、所
望信号を抽出するためのビーム形成器5に入力され、ま
た、同時に複数(I)の異なる方向にマルチビーム形成
を行うマルチビーム形成器7にも入力される。なお、こ
のマルチビームは、サイドローブ・キャンセラにおける
補助ビームである。
【0028】マルチビーム形成器7の一例として、上述
した高速フーリエ変換器があり、その場合、マルチビー
ム数Iは素子数Nと等しい。選択ビーム設定器21a
は、マルチビーム形成器7の出力信号yi(k)と、ビ
ーム形成器5の出力信号y0(k)とに基づいて、マル
チビーム形成器7の出力信号y1(k),y2(k),…
I(k)の内、どの信号、言い換えると、マルチビー
ム形成器7で形成されたマルチビームの内、どの方向の
ビームを選択するかを定め、選択ビーム番号を選択器8
に出力する。
【0029】選択器8は、上記の選択ビーム設定器21
aで定められた方向のビーム、つまり、対応するマルチ
ビーム出力信号を選択する。この選択数をBとする。な
お、選択手順については後述するが、ここでは、選択器
8で、干渉波数と等しい適切な方向の補助ビームを選択
したものとして説明する。
【0030】選択器8で選択された信号をyr1(k),
r2(k),…yrB(k)とする。すなわち、選択され
た信号(便宜上、yrb(k)と表記する)は、乗算器9
−b(信号yrb(k)に対応する、乗算器9−1,9−
2,…9−Bの1つ)で重み付けした後、加算器10で
加算される。この加算器10は、ビーム形成器5の出力
信号y0(k)に含まれる干渉信号の消え残りを推定し
た信号v(k)を出力する。
【0031】上記の乗算器9−bの荷重係数wb(k)
は、選択器8の出力信号yrb(k)、および、アダプテ
ィブ・アレー・アンテナ出力信号z(k)に基づき、こ
のアダプティブ・アレー・アンテナ出力信号z(k)の
電力をできるだけ小さくするよう、荷重係数制御器22
によって制御される。その結果、ビーム形成器5の出力
信号y0(k)に含まれる干渉信号の消え残りが推定さ
れる。そして、推定された干渉信号の消え残りv(k)
を、減算器6において、ビーム形成器5の出力信号y0
(k)から差し引くことで、干渉信号の抑圧を行う。
【0032】荷重係数制御器22による荷重係数の制御
方法は、図11に示す従来の装置におけるそれと同様で
あるが、学習同定法以外の制御方法も適用可能である。
しかし、荷重係数初期値wb (0)は、従来技術における荷
重係数初期値とは異なる(つまり、本実施の形態に係る
荷重係数初期値設定器23aは、図11に示す荷重係数
初期値設定器24とは異なった方法で荷重係数初期値を
設定する)。なお、ここでは、選択ビーム設定器21a
により、選択器8で干渉波数と等しい、適切な方向の補
助ビームが選択できたものとして、荷重係数初期値設定
器23aでの荷重係数初期値ベクトルの設定手順を説明
する。
【0033】本実施の形態では、ビーム形成器5の出力
信号y0(k)と選択器8の出力信号yrb(k)の、受
信された最初のごく少数の信号サンプルを用いて相関行
列を作り、そのまま正規方程式を解いて解を求めて、そ
れを適応アルゴリズムの初期値ベクトルにする。つま
り、最初の少数受信信号サンプルによるSMI(Sam
ple Matrix Inversion)法によっ
て、荷重係数初期値wb ( 0)を決める。ただし、ここで
は、上記文献1の「1つの補助ビームには、1つの干渉
波しか入射しない(1つの補助ビーム出力には、1つの
干渉信号しか存在しない)」という仮定は不要である。
つまり、干渉波が1波だけ入射したとして、荷重を求め
ない。従って、2波以上の干渉波が近接して入射して
も、最適値に近い初期値を設定することが可能となる。
【0034】そこで、荷重初期値設定に用いる信号サン
プル数をPとすると、荷重係数初期値ベクトルW
(0)は、以下の式で求められる。なお、数5,数6にお
いて、[C]ijは、行列Cの(i,j)要素を、[r]
jは、ベクトルrのj番目の要素を意味する。また、
i,j=1,2,…Bである。
【0035】
【数4】
【0036】
【数5】
【0037】
【数6】
【0038】実際には、数値的に性質がよくないといわ
れている正規方程式を直接、解かずに、データ行列から
QR分解によって解を求めるのが望ましい。そのため
に、ビーム形成器5の出力信号と選択器8の出力信号か
らなる、以下の行列Aとベクトルaを作る。
【0039】
【数7】
【0040】
【数8】
【0041】次に、行列Aを、数9のようにQR分解す
る。
【0042】
【数9】
【0043】ここで、Qは、列が正規直交系をなすP×
B行列、Rは、B×Bの右上三角行列である。これら
Q,Rを使うと、正規方程式は、以下の数10のように
なる。Rが右上三角行列であることより、数10は、後
退代入だけで解ける。この数10では、肩文字Hは、行
列・ベクトルの共役転置を意味する。
【0044】
【数10】
【0045】このようにして求められた荷重係数初期値
ベクトルW(0)は、荷重係数制御器22に送られ、それ
に基づいた荷重係数の更新が開始される。このようにし
て荷重係数初期値wb (0)を設定すれば、上記文献1の荷
重係数初期値の設定法に比べると、ほぼ全ての場合に初
期値設定の効果がある。つまり、ほとんど全ての場合
に、短時間で収束する。
【0046】次に、選択ビーム設定器21aの動作、つ
まり、選択器8における信号の選択(補助ビームの選択
手順)について説明する。図2,図3は、選択ビーム設
定器21aによる、選択補助ビームの設定手順を示すフ
ローチャートである。
【0047】(ステップA1)初期値設定に要する受信
信号の最初のPサンプルに対する、マルチビーム形成器
7の出力信号y1(k),y2(k),…yI(k)の平
均電力の、空間方向の分布を求め、そのピーク(極大
値)を抽出する(SSA1−1)。SSA1−2で、極
大値の数Mが1と判定された場合は、ステップA2へ進
み、極大値の数Mが2以上の場合には、図3のステップ
A5へ分岐する。
【0048】(ステップA2)上述のように、極大値の
数Mが1の場合、その極大値を与えるビーム方向近傍に
おいて、電力順に補助ビームの優先順位をつける。ここ
で選択する補助ビームは、想定される干渉波数より若干
多い程度(実際には、3程度)とする。なお、このとき
の最大選択ビーム数をβとする。
【0049】(ステップA3)最初に、補助ビームを選
択しない場合に対する、時刻k=0からk=P−1にお
ける、アダプティブ・アレー・アンテナ出力信号電力を
求める(SSA3−1,SSA3−4)。続いて、ステ
ップA2で決めた優先順位に従い、補助ビーム選択数を
1増やし(SSA3−5)、上記の荷重係数初期値設定
器23aにおける荷重係数初期値の設定手順に従って
(つまり、数8〜数10により)、それぞれの補助ビー
ム選択数(SSA3−2で選択したもの)に対する荷重
係数値を計算する(SSA3−3)。そして、時刻k=
0からk=P−1における、アダプティブ・アレー・ア
ンテナ出力信号電力Pz(d)を求める(SSA3−
4)。
【0050】SSA3−2に示すように、ビームをd個
選択したとして、そのビーム番号を{q1,q2,…
d}、このときの荷重係数の値をw〜1,w〜2,…w
dとすると、アダプティブ・アレー・アンテナ出力信
号電力Pz(d)は、以下の数11と数12より計算で
きる。なお、数12で、d=0は、ビームを何も選択し
なかったことに相当する。
【0051】
【数11】
【0052】
【数12】
【0053】(ステップA4)SSA3−6で、選択ビ
ーム数dが最大選択ビーム数βを越えたと判断された場
合、処理は本ステップへ移行する。このステップでは、
d=0,1,2,…βに対する、数12より求めたPz
(d)の値の変化から、選択すべきビームを決める。つ
まり、選択ビーム数が足りないときは、Pz(d)に
は、ほとんど変化がないが、選択ビーム数が干渉波入射
数と一致したときには、ビーム数が足りない場合に比べ
て、Pz(d)は急激に減少する。そして、選択ビーム
数が干渉波入射数を越えると、Pz(d)は、ほとんど
変化しなくなる。このことから、選択ビームを判定す
る。
【0054】補助ビーム出力信号電力の、空間方向の分
布の極大値の数が1の場合は、上記ステップA4の後、
補助ビームの選択手順を終了する。なお、この極大値の
数が1の場合は、同時に荷重係数初期値wb (0)を求めて
いることになり、これを荷重係数制御器22における初
期値として用いる。つまり、この場合、荷重係数初期値
設定器23aで初期値を求め直す必要はない。
【0055】(ステップA5)極大値の数がM≧2のと
きには、図3に示す本処理ステップに入る。ここでは、
それぞれの極大値を与えるビーム方向近傍において、電
力順に補助ビームの優先順位を付ける。ここでの各極大
点(極大値を与えるビーム方向)近傍における、選択す
る補助ビームは、その角度近傍で想定される入射干渉波
数より若干多い程度で、実際には3程度とする。また、
そのときの各極大点近傍における最大選択ビーム数をβ
mとする。なお、m=1,2,…Mである。
【0056】(ステップA6)本ステップでは、最初
に、何もビームを選択していない状態に対して、上記ス
テップA3と同様に、アダプティブ・アレー・アンテナ
出力信号電力を求める。次に、1つの極大点(その番号
をmとする)に着目する(SSA6−1)。それ以外の
(m以外の)極大点近傍では、ステップA5で決めたビ
ームは、全て補助ビームを選択しておく。ただし、既に
選択すべきビームが求まっている極大点近傍において
は、それを選択する(SSA6−3)。
【0057】そして、番号m近傍で、1つずつ選択ビー
ムを増やし(SSA6−6,SSA6−7)、それぞれ
の場合に対して、上記の数7〜数10に従って、それぞ
れの補助ビーム選択数に対する荷重係数値を計算する
(SSA6−4)。そして、時刻k=0からk=P−1
におけるアダプティブ・アレー・アンテナ出力信号電力
z m(d)を求める(SSA6−5)。ここで、dは、
極大点番号m近傍のビームについては、それをd個選択
し、それ以外の極大点近傍のビームは、全て選択してお
いた状態であることに対応する。ただし、d=0は、何
もビームを選択していない状態を意味する。なお、Pz m
(d)の肩文字mは、極大点番号m近傍に注目している
ことを意味する。
【0058】(ステップA7)ここでは、Pz m(0),
z m(1),…Pz m(βm)の値から、極大値番号mに
おける選択ビームを決める(SSA7−1)。その決め
方は、上記ステップA4と同じである。そして、SSA
7−2でmの値を1増やし、これらステップA6,ステ
ップA7の操作を、補助ビーム出力電力の、空間方向の
分布の極大値の数であるM回だけ繰り返す(SSA7−
3)。
【0059】(ステップA8)ステップA6,ステップ
A7の操作を、補助ビーム出力電力の、空間方向の分布
の極大値の数だけ繰り返すと、それぞれの極大点近傍で
選択すべきビームが決まる。そこで、これらを全て集め
たものが、全体で選択すべき補助ビームとなる。以上の
処理で、補助ビームの選択手順が終了する。
【0060】このように、ここでは、1回の荷重係数更
新に要する信号処理演算量が少ない、最急降下法に基づ
く適応アルゴリズムを用いて干渉波抑圧を行い、受信干
渉波の数と同じ、入射方向に応じた最適値に近い荷重係
数初期値を設定する。
【0061】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、受信干渉波と同数の適切なビーム方向の補助ビーム
を選択し、最初の少数受信信号サンプルを利用してSM
I法により荷重係数初期値を設定することで、2波以上
の干渉波が近接して入射しても、最適値に近い初期値を
設定でき、結果として、荷重係数を最適値に高速に到達
させることが可能となる。つまり、干渉波抑圧特性を短
時間で持たせる補助ビームを選択することにより、干渉
波と同数の適切な補助ビームを選択でき、最適値に近い
荷重係数初期値を設定可能となる。
【0062】実施の形態2.以下、本発明の実施の形態
2に係る補助ビームの選択手順を説明する。なお、本実
施の形態に係る干渉波抑圧装置の構成は、図1に示す、
上記実施の形態1に係る装置と同じであるため、それら
の構成および説明を省略するが、ここでは、ビーム形成
器5の出力信号は利用しない。
【0063】図4,図5は、本実施の形態に係る選択ビ
ーム設定器21aによる、選択補助ビーム設定手順を示
すフローチャートである。 (ステップB1)最初に、初期値設定に要する、受信信
号の最初のPサンプルに対するマルチビーム形成器7の
出力信号y1(k),y2(k),…yI(k)の平均電
力の、空間方向の分布を求め、そのピーク(極大値)を
抽出する。そして、極大値の数Mが1の場合はステップ
B2へ進み、極大値の数Mが2以上の場合には、図5の
ステップB5へ分岐する。なお、この操作は、上述した
実施の形態1における補助ビーム選択手順の内、ステッ
プA1(図2)と同じである。
【0064】(ステップB2)極大値の数MがM=1の
場合、その極大値を与えるビーム方向近傍において、電
力順に補助ビームの優先順位を付ける。ここで選択する
補助ビームは、想定される干渉波数より若干多い程度
で、補助ビーム幅にもよるが、実際には、2〜3程度と
する。なお、このときの選択ビーム数をβとする。
【0065】(ステップB3)選択したビーム出力信号
に対して、上記数7の行列Aを構成する。ただし、数7
で、B=βとする。そして、以下の数13に示すよう
に、行列Aの特異値分解を行う。
【0066】
【数13】
【0067】ここで、Uは、列ベクトルが正規直交する
P×β行列、Sはβ×β対角行列、Vはβ×βの直交行
列である。
【0068】行列Sの対角要素は、行列Aの特異値であ
る。0でない特異値の数が、行列Aのランクである。選
択器8の出力信号からなる相関行列は、AHAで与えら
れ、そのランクは、雑音が存在しないときには干渉波の
数に等しく、これはAのランクに等しい。つまり、行列
Aの0でない特異値の数が、干渉波の入射数である。実
際には、受信機雑音が存在するため、特異値が0になる
ことはない。しかし、干渉波電力が雑音電力に比べて非
常に大きいとき、特異値のオーダにかなりの差が生ず
る。よって、その場合は、小さい特異値を無視し、大き
い特異値の数を干渉波の数と判断する。
【0069】(ステップB4)このステップでは、上記
のステップB2で選択したβ個のビームの中から、その
優先順に、ステップB3で判断した干渉波の個数分のビ
ームを選択する。つまり、行列Aの特異値から干渉波数
を判断し、上記優先順に干渉波の数だけ、補助ビームを
選択して、本ビーム選択手順を終了する。
【0070】(ステップB5)一方、極大値の数MがM
≧2の場合、図5に示す本ステップで、それぞれの極大
値を与えるビーム方向近傍において、電力順に補助ビー
ムの優先順位を付ける。ここでの各極大点(極大値を与
えるビーム方向)近傍において選択する補助ビームは、
その角度近傍で想定される入射干渉波数より若干多い程
度で、実際は2〜3程度とする。また、そのときの各極
大点近傍における選択ビーム数をβmとする。なお、こ
こで、m=1,2,…Mである。
【0071】(ステップB6)1つの極大点(番号m)
に着目し、その極大点近傍で選択した信号に対して、上
記ステップB3とステップB4と同様の操作を行う。た
だし、ステップB3に相当するSSB6−2では、βの
代わりにβmとおく。すなわち、行列Aの特異値から干
渉波数を判断し、上記優先順に干渉波の数だけ補助ビー
ムを選択する。これにより、極大点m近傍において選択
すべき補助ビームが決まる(SSB6−3)。そして、
SSB6−4で、mの値を1増やし、続くSSB6−5
で、mがMを越えると判断されるまで、上記の操作をそ
れぞれの極大点で繰り返す(つまり、合計M回、繰り返
す)。
【0072】(ステップB7)それぞれの極大点近傍で
決めた選択ビームを集めて、選択すべき補助ビームを決
定し、本処理を終了する。
【0073】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、干渉波の個数分のビームを選択する、つまり、所定
の行列を特異値分解して得た結果より干渉波数を判断
し、優先順に干渉波の数だけ補助ビームを選択すること
により、干渉波と同数の適切な補助ビームを選択するこ
とができ、最適値に近い荷重係数初期値を設定すること
が可能となる。
【0074】なお、上記実施の形態2では、数7の行列
A(ただし、B=β、もしくはB=βm)に対して特異
値分解を行っているが、これに限定されるものではな
い。すなわち、相関行列AHAに対して固有値を計算
し、実施の形態2における特異値の代わりに、AHAの
固有値で選択ビームを決定するようにしてもよい。な
お、この場合、AHAの固有値は、Aの特異値の二乗に
等しいので、干渉波数の判断基準は、実施の形態2と同
じでよい。
【0075】実施の形態3.以下、本発明に係る実施の
形態3について説明する。図6は、本実施の形態に係る
干渉波抑圧装置の構成を示すブロック図である。なお、
同図に示す装置は、選択ビーム設定器21bと荷重係数
初期値設定器23b以外は、図1に示す、上記実施の形
態1に係る装置と同じであるため、ここでは、同一構成
要素の動作説明を省略する。従って、以下では、選択ビ
ーム設定器21bと荷重係数初期値設定器23bの動作
を中心に説明する。
【0076】図6の選択ビーム設定器21b(その動作
は、選択器8における信号の選択(補助ビームとしての
マルチビームの選択手順)である)は、干渉波入射方向
近傍の干渉波と同数以上の補助ビームを選択するように
設定する。これは、実施の形態1,2に係る装置におけ
る選択ビーム設定器21aでの設定手順より簡単であ
る。
【0077】選択ビーム設定器21bは、初期値設定に
要する受信信号の最初のPサンプル(もしくは、それ以
下のサンプル数)に対する、マルチビーム形成器7の出
力信号y1(k),y2(k),…yI(k)の平均電力
の、空間方向の分布を求め、そのピーク(極大値)を抽
出する。そして、各極大値近傍において、そのビーム方
向近傍から入射すると想定される干渉波数と同数か、そ
れよりわずかに多くの補助ビームを選択して、その手順
を完了する。
【0078】次に、荷重係数初期値設定器23bの動作
について説明する。この荷重係数初期値設定器23b
は、ビーム形成器5の出力信号と選択器8の出力信号か
らなる、数7で示される行列Aと数8で示されるベクト
ルaに対して、数14で示す値を最小にし、かつ、自身
の二乗ノルムの値が最小となる荷重ベクトルW(0)を、
公知の特異値分解法を利用して計算し、その結果を荷重
係数初期値とする。
【0079】
【数14】
【0080】具体的な手順は、以下の通りである。すな
わち、行列Aを、数15のように特異値分解する。
【0081】
【数15】
【0082】ここで、Uは、列ベクトルが正規直交する
P×B行列、SはB×B対角行列、VはB×Bの直交行
列である。
【0083】上記行列Sの対角要素は、行列Aの特異値
である。0でない特異値の数が、行列Aのランクであ
る。図6の選択器8の出力信号からなる相関行列は、A
HAで与えられ、そのランクは、雑音が存在しないとき
には、干渉波の数に等しく、それはAのランクに等し
い。つまり、行列Aの0でない特異値の数が、干渉波の
入射数である。実際には、受信機雑音が存在するため、
特異値が0になることはない。しかし、干渉波電力が雑
音電力に比べて非常に大きいとき、特異値のオーダにか
なりの差が生ずる。よって、小さい特異値を無視した、
大きい特異値の数が干渉波の数である。
【0084】以下の数16の示すサイズが、B×1のベ
クトルαを計算する。また、数17に示すように、ベク
トルcを定義する。この時点でベクトルcは、未知であ
る。
【0085】
【数16】
【0086】
【数17】
【0087】上記の数17のB×1ベクトルcは、以下
の手順で作られる。すなわち、b=1,2,…Bに対し
て、[S]bbの値が、オーダの大きな特異値に対して無
視できないときは、[c]b=[α]b/[S]bb、それ
が無視できるときは[c]b=0とする。このようにす
ることによって、ベクトルcは、近似的に連立方程式S
c=αの最小二乗最小ノルム解となっている。
【0088】上述のように、行列Vが直交なので、数1
7より、目的とする荷重ベクトルW(0)は、行列Vとベ
クトルcとから、数18で求めることができる。ここで
は、これを荷重初期値として、荷重係数制御器22へ出
力する。
【0089】
【数18】
【0090】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、選択ビーム設定器を、干渉波入射方向近傍の干渉波
と同数以上の補助ビームを選択するよう設定し、荷重係
数初期値設定器によって、特異値分解法を用いて荷重ベ
クトルを計算することにより、干渉波の数より選択器で
の信号選択数が多くなっても、最適値に近い荷重係数初
期値を求めることができ、荷重係数wb (k)を高速に最適
値に収束させることが可能となる。
【0091】実施の形態4.以下、本発明に係る実施の
形態4について説明する。図7は、本実施の形態に係る
干渉波抑圧装置の構成を示すブロック図である。なお、
同図において、図6に示す、上記実施の形態3に係る装
置と同一構成要素には同一符号を付し、ここでは、それ
らの説明を省略する。
【0092】図7に示す干渉波抑圧装置は、ベースバン
ド・ディジタル同相・直交信号xn(k)のn=1,
2,…Nの全て、あるいは一部を用いて干渉波入射数
(これをBとする)と方向を推定する干渉波入射方向推
定器30、この干渉波入射方向推定器30による干渉波
数と入射方向推定結果とに基づいて干渉波入射方向にビ
ームを形成する補助ビーム形成器31−b(b=1,
2,…B)を有する。ここでの干渉波数と入射方向の推
定には、例えば、ブルックナ(Brookner)およ
びハウエル(Howell)による、「Adaptiv
e−adaptivearray processin
g」(1986年4月、Proceedings of
the IEEE、第74巻、No.4、第602頁
〜第604頁)に記載されているように、空間方向FF
T、最大エントロピー法、MUSIC(Multipl
e Signal Classification)法
等を使用できる。
【0093】補助ビーム形成器31−bの出力をy1
(k),y2(k),…yB(k)とすると、ここでは、
上述した適応アルゴリズムと同様なアルゴリズムによっ
て荷重係数w1 (k),w2 (k),…wB (k)を制御し、その結
果、干渉波を抑圧する。なお、適応アルゴリズムは、上
述の学習同定法に限定されるものではない。荷重係数初
期値wb (0)の設定手順は、上記実施の形態3と同様であ
る。また、数7については、yrb(k)を補助ビーム
31−bの出力信号yb(k)(b=1,2,…B)で
置き換える。ここで言えるのは、上記文献1に記載され
た荷重係数初期値ベクトル設定法を本実施の形態に適用
しても、複数の干渉波が近接している場合には、初期値
設定の効果がなく、その収束を速めることはできない、
ということである。
【0094】このように、本実施の形態によれば、干渉
波数と入射方向の推定を行い、その結果に基づいて干渉
波入射方向にビームを形成することで、複数の近接干渉
波が存在して、ある補助ビームに他の干渉波が漏れこん
でいる場合でも、荷重係数を高速に収束できる。
【0095】
【実施例】以下、上記実施の形態1〜3に係る実施例を
説明する。ここでは、計算機シミュレーションによる、
上記実施の形態に係る干渉波抑圧装置の有効性を示す。 実施例1.上記実施の形態1に対応する実施例を以下に
示す。ここでは、64素子の、半波長間隔に直線状に配
置されたアレーアンテナを想定する。所望波(1素子あ
たりの信号対雑音電力比SNR=5dB)は、アレーア
ンテナの正面方向(θ=0゜)から入射するものとす
る。ビーム形成器5は、θ=0゜にビームを向けてい
る。また、干渉波は3波入射し、その方向は、それぞれ
θ=10゜(1素子あたりの干渉対雑音電力比INR=
45dB)、θ=12゜(1素子あたりのINR=35
dB)、θ=−25゜(1素子あたりのINR=40d
B)である。マルチビーム(補助ビーム)形成には、高
速フーリエ変換を用い、その高速フーリエ変換を行う前
にHanning窓をかけている。
【0096】まず、選択すべき補助ビームを決める。上
述のステップA1(図2)に従って、マルチビーム形成
器7の出力信号平均電力の空間方向の分布を求める。そ
の分布を、図8に示す。同図において、横軸のビーム番
号は、0゜方向ビームを1番(以下、#1と記す)とし
て、アレーアンテナから見て右の方向にθ=90゜まで
はビーム番号を増やしている。θ=±90゜ビームを#
33とし、それを境に、θ=−90゜から正面に近くな
るにつれて、ビーム番号を増やしている。#64ビーム
は、約−2゜方向のビームである。図8に示す分布で
は、信号サンプルは、最初の10サンプル(P=10)
を用いた。また、図8には、極大値が2箇所ある(M=
2)ので、処理は、図3のステップA5へ進む。
【0097】ステップA5に従って、図8の各極大点近
傍で、電力順に補助ビームに優先順位をつける。すなわ
ち、#7近傍では、#7,#6,#8の順(β1=3)
に、#51近傍では、#51,#52,#50の順(β
2=3)に優先順位を付ける。
【0098】ステップA6に従い、何もビームを選択し
ていない状態で、アダプティブ・アレー・アンテナ出力
信号電力を求める。次に、#7の極大点近傍に注目す
る。また、他方の極大点#51近傍の#51,#52,
#50を全て選択しておき、#7,#6,#8の順に選
択ビームを増やし、各々の場合に対して、荷重係数を求
めてから、アダプティブ・アレー・アンテナ出力信号電
力を求める。つまり、選択ビームが(#51,#52,
#50,#7)、(#51,#52,#50,#7,#
6)、(#51,#52,#50,#7,#6,#8)
の3つの場合に対して荷重係数を求めてから、アダプテ
ィブ・アレー・アンテナ出力信号電力を求める。
【0099】以上の電力値を記すと、何も選択していな
い状態から順に、 117.6 20.93 2.30 1.39 となる。#51,#52,#50以外に、#7と#6の
ビームを選択したときに電力が大きく減少し(20.9
3→2.30)、それ以降は、電力の減少が小さいの
で、ステップA7(ステップA4)により、#7近傍で
選択すべきビームは、#7と#6と判定する。
【0100】次に、#51の極大点近傍に注目する。他
方の、既に決まっているビーム#7と#6を選択してお
き、#51,#52,#50の順に選択ビームを増や
し、各々の場合に対して荷重係数を求めてから、アダプ
ティブ・アレー・アンテナ出力信号電力を求める。つま
り、選択ビームが(#7,#6,#51)、(#7,#
6,#51,#52)、(#7,#6,#51,#5
2,#50)の3つの場合に対して荷重係数を求めてか
ら、アダプティブ・アレー・アンテナ出力信号電力を求
める。なお、何もビームを選択していない状態での電力
は、上記のように、すでに求められている。
【0101】そこで、以上の電力値を記すと、何も選択
していない状態から順に、 117.6 3.30 2.67 2.30 となる。#7と#6以外に、#51を選択したときに電
力が大きく減少し、それ以降は、電力の減少が小さいの
で、#52近傍で選択すべきビームは、#51と判定す
る。
【0102】以上の過程より、選択すべき補助ビーム
は、#7,#6,#51の3つになる。そして、選択補
助ビームを#7,#6,#51として、改めて数7〜数
10により荷重係数初期値を計算し、それを初期値とし
て、数1の学習同定法により荷重係数の更新を行った。
数1においてα=0.2である。そのときの荷重係数更
新回数に対する信号対干渉信号雑音電力比の改善量(イ
ンプルーブメント・ファクタ:単位はdB)を、図9に
示す。なお、図9には、併せて、文献1による方法と、
荷重係数初期値を0ベクトルとした場合の収束特性も示
す。いずれも、選択した補助ビームは、同じく#7,#
6,#51の3つとした。
【0103】最初の10サンプルを荷重初期値設定に使
ったため、本実施例に係る方法と文献1による方法で
は、その間の荷重係数値を0ベクトルとした。本実施例
による荷重係数初期値設定手順では、次の1サンプルが
入力されるまでには完了せず、およそ十数サンプル分の
時間がかかると推定されるが、それを考慮しても、図9
からは、荷重係数が極めて短時間に収束していることが
分かる。また、文献1による方法は、干渉波が近接して
入射し、1つの補助ビーム内に1干渉波という前提条件
がくずれると、荷重係数初期値設定によって収束に達す
るまでの時間を短縮することができなくなることが分か
る。
【0104】実施例2.上記実施の形態2に係る補助ビ
ーム選択について、その実施例を示す。ここでの条件
は、実施例1と全く同一である。すなわち、ステップB
1(図4)は、実施の形態1に係る補助ビーム選択手順
の内、ステップA1と同じである。そして、図8に示す
ように、極大値が2箇所あるので、処理は、図5のステ
ップB5へ進む。
【0105】そこで、ステップB5に従い、図8の各極
大点近傍で、電力順に補助ビームに優先順位を付ける。
#7近傍では3つ選択して、#7,#6,#8の順に
(β1=3)、また、#51近傍では2つ選択して、#
51,#52の順(β2=2)に優先順位を付ける。な
お、ここでは、#53は、その電力が小さいので選択し
ない。
【0106】次に、ステップB6に従い、図8において
左側に位置する極大点(#7近傍)に注目し、#7,#
6,#8を選択した状態で、数7の行列Aを構成する。
ここで、B=β1=3である。そして、この行列Aの特
異値分解を行う。その結果、行列Aの特異値は、大きさ
の順に、 351.9 82.20 0.0654 のようになった。
【0107】得られた特異値の内、3つ目の特異値が、
他の2つに比べて非常に小さいので、無視し得ると判断
し、#7近傍では、干渉波が2波入射していると判定す
る。従って、#7,#6,#8の内、電力が上位の2ビ
ーム、すなわち、#7と#6を選択する。
【0108】次に、図8の右側の極大点(#51)に注
目する。つまり、#51,#52を選択して、数7の行
列Aを構成する。ここで、B=β2=2である。そし
て、行列Aの特異値分解を行う。得られた行列Aの特異
値は、その大きさの順に、 191.8 0.140 のようになった。
【0109】上記2つの特異値の大きさには、大きな差
があるので、2つ目の特異値は、無視し得ると判断し、
#51近傍では、干渉波が1波入射していると判定す
る。従って、#51,#52の中から、電力が上位の1
ビーム、つまり、#51を選択する。
【0110】このように、本実施例においても、選択ビ
ームは、#7,#6,#51となった。実施例1と同じ
選択結果を得たので、その収束特性は、図9に示す特性
と同じになる(図中、「実施例1,2」と記した特
性)。
【0111】実施例3.ここでは、実施例1と同じ電波
環境で、同じマルチビームを形成し、計算機シミュレー
ションによって、上記実施の形態3に係る干渉波抑圧装
置の有効性を示す。なお、荷重係数初期値設定に用いる
サンプル数Pは、実施例1と同じく10とする。
【0112】図8に示す、マルチビーム形成器の出力信
号平均電力の、空間方向の分布から、1つ目の極大点近
傍では、選択する補助ビーム番号を#7,#6,#8、
2つ目の極大点近傍では、選択する補助ビーム番号を#
51,#52とする。なお、これらの順位は気にしなく
てよい。また、選択補助ビーム数は、B=5である。
【0113】次に、数7で示す行列Aを作り、数15の
ように特異値分解する。行列Sの対角要素の値は、
(1,1)要素から(5,5)要素まで、順に以下のよ
うになった。 351.9 191.7 82.2 0.116
0.051 これらの内、最初から3つまでの特異値が、4つ目と5
つ目の特異値に比べて、かなり値が大きい。よって、干
渉波入射数は、3と判断できる。ただし、どの方向に、
いくつ入射しているかは、これだけでは判別できない。
【0114】数16のベクトルαを計算し、以下の数1
9に示すベクトルcの各要素を計算する。
【0115】
【数19】
【0116】そして、数18により荷重初期値を計算す
る。ここでは、その値を荷重係数初期値として、実施例
1と同じように、荷重係数更新を行った。荷重係数更新
回数に対する信号対干渉信号雑音電力比の改善量(イン
プルーブメント・ファクタ:単位はdB)を、図10に
示す。なお、図10には、文献1による方法と、荷重係
数初期値を0ベクトルとした場合の収束特性も示す。い
ずれも、選択した補助ビームは、同じく#7,#6,#
8,#51,#52の5つとした。
【0117】本実施例による荷重係数初期値設定手順に
おいても、次の1サンプルが入力されるまでには、それ
が完了せず、約十数サンプル分の時間がかかると推定さ
れる。しかし、それを考慮しても、図10より、荷重係
数が極めて短時間に収束していることが分かる。また、
選択器8での信号選択数が干渉波数を上回っていても、
収束が速いことが分かる。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マルチビームに対応する複数の信号より、補助ビームと
して選択した所定数の信号と、所定方向のビームに対応
する信号とに基づいて荷重係数の初期値を設定し、受信
干渉波と同数の補助ビームを選択することで、2波以上
の干渉波が近接して入射しても、最適値に近い初期値を
設定でき、荷重係数を最適値に到達させることが可能と
なり、干渉波抑圧特性を短時間で達成できる、という効
果がある。
【0119】また、他の発明によれば、マルチビームに
対応する複数の信号とその平均電力の空間分布をもと
に、干渉波の数を特定し、干渉波の数と同数あるいはそ
れ以上の数の信号を、これら複数の信号より選択するこ
とで、2つ以上の干渉波が近接して到来したり、補助ビ
ーム幅が広い場合にも、確実に補助ビーム選択が行え、
最適値に近い荷重係数の初期値設定を行うことができ
る。
【0120】また、他の発明によれば、適応アルゴリズ
ムとして、最初に受信した所定数の信号サンプルについ
て、所定方向のビームに対応する信号と選択された所定
数の信号とに基づく連立方程式の解をもとに荷重係数の
初期値を設定し、荷重係数を更新するアルゴリズムを使
用することで、確実に最適値に近い初期値を設定するこ
とが可能となり、短時間で干渉波抑圧特性を達成でき
る。
【0121】他の発明によれば、さらに、マルチビーム
に対応する複数の信号からなる所定の行列の特異値分解
を行い、その特異値の数を干渉波の数とすることで、荷
重係数の初期値を最適値に近似できるとともに、容易に
干渉波の数を特定できる。
【0122】また、他の発明によれば、荷重係数の初期
値を、最初に受信した所定数の信号サンプルについての
連立方程式の解をもとに設定し、この設定された初期値
に基づいて荷重係数を更新するとともに、この荷重係数
の初期値ベクトルのノルムが最小となるように初期値を
設定するアルゴリズムを使用することで、短時間で干渉
波抑圧特性を達成でき、荷重係数が収束した後の指向特
性において、主ビーム以外でゲインが大きくなることが
ない。
【0123】さらに他の発明によれば、複数のディジタ
ル同相・直交信号の全て、あるいは一部を用いて、干渉
波の数とその入射方向を推定し、その入射方向各々に対
してビームを形成して、補助ビーム出力における最初の
所定数の受信信号サンプルについて特異値分解法により
荷重係数の初期値を設定することで、2波以上の干渉波
が近接して入射しても、最適値に近い初期値を設定で
き、結果として、荷重係数を最適値に非常に高速に到達
させて、干渉波抑制特性を短時間で持たせることが可能
となる。また、この特異値分解法で得られた初期値は、
最小ノルム解であるため、収束後の指向特性において主
ビーム以外でゲインが大きくなることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る干渉波抑圧装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1に係る選択ビーム設定器21a
による、選択補助ビームの設定手順の一部を示すフロー
チャートである。
【図3】 実施の形態1に係る選択ビーム設定器21a
による、選択補助ビームの設定手順の一部を示すフロー
チャートである。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る選択ビーム設定
器21aによる、選択補助ビーム設定手順の一部を示す
フローチャートである。
【図5】 実施の形態2に係る選択ビーム設定器21a
による、選択補助ビーム設定手順の一部を示すフローチ
ャートである。
【図6】 本発明の実施の形態3に係る干渉波抑圧装置
の構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態4に係る干渉波抑圧装置
の構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明に係る実施例1におけるマルチビーム
形成器の出力信号電力の、空間方向の分布を示す図であ
る。
【図9】 実施例1,2における、実施の形態1,2に
係る干渉波抑圧装置の収束特性を示す図である。
【図10】 実施例3における、実施の形態3に係る干
渉波抑圧装置の収束特性を示す図である。
【図11】 従来の干渉波抑圧装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1−1〜1−N…アンテナ素子、2−1〜2−N…受信
機、3−1〜3−N…A/D変換器、4−1〜4−N…
IQ信号変換器、5…ビーム形成器、6…減算器、7…
マルチビーム形成器、8…選択器、9−1〜9−B…乗
算器、10…加算器、11…高速フーリエ変換器、21
a,21b…選択ビーム設定器、22…荷重係数制御
器、23a,23b,24…荷重係数初期値設定器、3
0…干渉波入射方向推定器、31−1〜31−B…補助
ビーム形成器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の配置形状で近接して配置された複
    数個のアンテナ素子からなるアレーアンテナへの入射信
    号波に対する干渉波を抑圧する干渉波抑圧装置におい
    て、 前記入射信号波を複数のディジタル同相・直交信号に変
    換する手段と、 前記複数のディジタル同相・直交信号より、所定方向に
    ビームを形成し、そのビームに対応する第1の信号を出
    力する手段と、 前記複数のディジタル同相・直交信号より、同時に複数
    の異なる方向にマルチビームを形成し、このマルチビー
    ムに対応する複数の第2の信号を出力する手段と、 前記第1の信号と前記複数の第2の信号に基づき、これ
    ら複数の第2の信号より所定数の信号を選択する選択手
    段と、 前記選択された信号各々に所定の荷重係数を乗算する手
    段と、 前記荷重係数の乗算された信号を加算して第3の信号を
    出力する手段と、 前記第1の信号から前記第3の信号を減算して第4の信
    号を出力する手段とを備え、 前記荷重係数は、その初期値が、前記選択された所定数
    の信号と前記第1の信号とに基づいて設定され、また、
    この荷重係数は、前記初期値と、前記選択された所定数
    の信号と、前記第4の信号とに基づいて、この第4の信
    号の電力が最小となるように所定の適応アルゴリズムに
    より制御され、この第4の信号が前記干渉波の抑圧され
    た信号として出力されることを特徴とする干渉波抑圧装
    置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記第1の信号および前記複数
    の第2の信号をもとに前記干渉波の数を特定する手段を
    備え、 前記選択手段は、前記干渉波の数と同数あるいはそれ以
    上の数の信号を、前記複数の第2の信号より選択するこ
    とを特徴とする請求項1記載の干渉波抑圧装置。
  3. 【請求項3】 前記荷重係数の初期値は、最初に受信し
    た所定数の信号サンプルについての、前記第1の信号と
    前記選択された所定数の信号とに基づく連立方程式の解
    をもとに設定され、前記適応アルゴリズムは、この設定
    された初期値に基づいて前記荷重係数を更新するアルゴ
    リズムであることを特徴とする請求項1記載の干渉波抑
    圧装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記複数の第2の信号からなる
    所定の行列の特異値分解を行う手段を備え、その特異値
    の数を前記干渉波の数とすることを特徴とする請求項3
    記載の干渉波抑圧装置。
  5. 【請求項5】 前記荷重係数の初期値は、最初に受信し
    た所定数の信号サンプルについての、前記第1の信号と
    前記選択された所定数の信号とに基づく連立方程式の解
    をもとに設定され、前記適応アルゴリズムは、この設定
    された初期値に基づいて前記荷重係数を更新するととも
    に、この荷重係数の初期値ベクトルのノルムが最小とな
    るように前記初期値を設定するアルゴリズムであること
    を特徴とする請求項1記載の干渉波抑圧装置。
  6. 【請求項6】 所定の配置形状で近接して配置された複
    数個のアンテナ素子からなるアレーアンテナへの入射信
    号波に対する干渉波を抑圧する干渉波抑圧装置におい
    て、 前記入射信号波を複数のディジタル同相・直交信号に変
    換する手段と、 前記複数のディジタル同相・直交信号より、所定方向に
    ビームを形成し、そのビームに対応する第1の信号を出
    力する手段と、 前記複数のディジタル同相・直交信号の全て、あるいは
    一部を用いて、干渉波の数とその入射方向を推定する手
    段と、 前記推定された入射方向各々に対してビームを形成し、
    これらのビームに対応する、これらビームと同数の第5
    の信号を出力する手段と、 前記第5の信号各々に所定の荷重係数を乗算する手段
    と、 前記荷重係数の乗算された信号を加算して第3の信号を
    出力する手段と、 前記第1の信号から前記第3の信号を減算して第4の信
    号を出力する手段とを備え、 前記荷重係数は、前記第4の信号と第5の信号とに基づ
    いて、この第4の信号の電力が最小となるように所定の
    適応アルゴリズムにより制御され、この荷重係数の初期
    値は、最初に受信した所定数の信号サンプルについて
    の、前記第1の信号と第5の信号とに基づく連立方程式
    の解をもとに設定され、前記適応アルゴリズムは、この
    設定された初期値に基づいて前記荷重係数を更新すると
    ともに、この荷重係数の初期値ベクトルのノルムが最小
    となるように前記初期値を設定するアルゴリズムである
    ことを特徴とする干渉波抑圧装置。
JP10107315A 1998-04-17 1998-04-17 干渉波抑圧装置 Pending JPH11308130A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10107315A JPH11308130A (ja) 1998-04-17 1998-04-17 干渉波抑圧装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10107315A JPH11308130A (ja) 1998-04-17 1998-04-17 干渉波抑圧装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11308130A true JPH11308130A (ja) 1999-11-05

Family

ID=14455969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10107315A Pending JPH11308130A (ja) 1998-04-17 1998-04-17 干渉波抑圧装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11308130A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6825808B2 (en) 2001-05-11 2004-11-30 Nec Corporation Adaptive array antenna receiving apparatus capable of shortening convergence time of antenna weight
US7280627B2 (en) * 2002-12-09 2007-10-09 The Johns Hopkins University Constrained data-adaptive signal rejector
JP2008520167A (ja) * 2004-11-12 2008-06-12 インターデイジタル テクノロジー コーポレーション Mimo−ofdmシステムにおいて空間周波数ブロック符号化、空間多重化、およびビーム形成を組み合わせる方法および装置
JP2009278205A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Ntt Docomo Inc 無線通信装置及び無線通信方法
JP2012509000A (ja) * 2008-11-14 2012-04-12 アストリウム・リミテッド 操舵ビーム衛星通信システムにおけるアクティブ干渉抑制
US8489055B2 (en) 2008-11-14 2013-07-16 Astrium Limited Active interference suppression in a satellite communication system
CN103414504A (zh) * 2013-07-09 2013-11-27 西南交通大学 一种基于凸组合的自适应波束形成方法
CN111082844A (zh) * 2018-10-18 2020-04-28 成都空间矩阵科技有限公司 微波测向设备的旁瓣抑制方法、测向方法及微波测向设备

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6825808B2 (en) 2001-05-11 2004-11-30 Nec Corporation Adaptive array antenna receiving apparatus capable of shortening convergence time of antenna weight
US7280627B2 (en) * 2002-12-09 2007-10-09 The Johns Hopkins University Constrained data-adaptive signal rejector
US9160492B2 (en) 2004-11-12 2015-10-13 Interdigital Technology Corporation Method and apparatus for combining space-frequency block coding spatial multiplexing and beamforming in a MIMO-OFDM system
JP2008520167A (ja) * 2004-11-12 2008-06-12 インターデイジタル テクノロジー コーポレーション Mimo−ofdmシステムにおいて空間周波数ブロック符号化、空間多重化、およびビーム形成を組み合わせる方法および装置
US10135574B2 (en) 2004-11-12 2018-11-20 Interdigital Technology Corporation Space-frequency block coding and spatial multiplexing for wireless communications
US9544093B2 (en) 2004-11-12 2017-01-10 Interdigital Technology Corporation Method and apparatus for combining space-frequency block coding, spatial multiplexing and beamforming in a MIMO-OFDM system
JP2009278205A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Ntt Docomo Inc 無線通信装置及び無線通信方法
US8385861B2 (en) 2008-05-12 2013-02-26 Ntt Docomo, Inc. Radio communication apparatus and radio communication method
US8489055B2 (en) 2008-11-14 2013-07-16 Astrium Limited Active interference suppression in a satellite communication system
JP2012509000A (ja) * 2008-11-14 2012-04-12 アストリウム・リミテッド 操舵ビーム衛星通信システムにおけるアクティブ干渉抑制
CN103414504B (zh) * 2013-07-09 2016-04-20 西南交通大学 一种基于凸组合的自适应波束形成方法
CN103414504A (zh) * 2013-07-09 2013-11-27 西南交通大学 一种基于凸组合的自适应波束形成方法
CN111082844A (zh) * 2018-10-18 2020-04-28 成都空间矩阵科技有限公司 微波测向设备的旁瓣抑制方法、测向方法及微波测向设备
CN111082844B (zh) * 2018-10-18 2022-12-23 正成卫星网络集团有限公司 微波测向设备的旁瓣抑制方法、测向方法及微波测向设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100749451B1 (ko) Ofdm 기지국 시스템에서의 스마트 안테나 빔 형성 방법및 장치
US8040278B2 (en) Adaptive antenna beamforming
US8274429B2 (en) Wireless communication systems and methods with source localization and self-calibration
CN110708103B (zh) 一种无需预延迟的宽带波束形成方法
CN110557188A (zh) 一种用于卫星通信系统的抗干扰方法和装置
JPH11308130A (ja) 干渉波抑圧装置
CN111817765B (zh) 一种基于频率约束的广义旁瓣对消宽带波束形成方法
CN110895327B (zh) 基于直接凸优化建模的鲁棒性自适应波束形成方法
JPH09261008A (ja) ディジタルビーム形成装置のためのfir型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置、ディジタルビーム形成装置のためのfir型ディジタルフィルタ及びディジタルビーム形成装置
JP2013131992A (ja) 干渉波抑圧装置
KR100941699B1 (ko) 진폭조정 적응 빔 형성 장치
JP3100563B2 (ja) 受信信号処理装置
JP4219490B2 (ja) 受信方法および受信装置
Shaikh et al. Linear, non-linear adaptive beamforming algorithm for smart antenna system
Zhao et al. Adaptive wideband beamforming with response variation constraints
JP5111699B2 (ja) 干渉波抑圧装置
JP3007349B1 (ja) アレ―アンテナの制御方法及び制御装置、並びにアレ―アンテナの制御プログラムを記録した記録媒体
JP3568839B2 (ja) アレーアンテナの制御装置及び制御方法
Do-Hong et al. Wideband beamforming for reducing co-channel interference in broadband wireless communication systems
JP3582343B2 (ja) 受信信号処理装置
JP3416865B2 (ja) 適応アンテナ装置
US11349206B1 (en) Robust linearly constrained minimum power (LCMP) beamformer with limited snapshots
JPH11234023A (ja) 妨害波抑圧装置
Singh et al. Beamforming Showing Effect on BER with Change in Antenna Configuration
SHIRVANI et al. A new switched-beam setup for adaptive antenna array beamforming

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040708