JP4219490B2 - 受信方法および受信装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信全般において問題となる干渉波除去のために、アダプティプアレーアンテナと重み付け係数(タップ係数)の初期値決定方法とを組み合わせた受信方法および受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル無線通信において、高速伝送を行うような場合、多重遅延波(マルチパス)や希望波以外の妨害波(これらを干渉波と呼ぶ)によって、伝送特性が劣化してしまう。これらの干渉波除去方法の代表として、従来からアダプティブアレーアンテナが用いられている。
【0003】
このアダプティブアレーアンテナは、その構成例を図6に示されるように、空間的に離して配置した複数のアンテナ素子#1,#2〜#Nで構成され、各素子#1,#2〜#Nで受信される伝搬パス毎の信号位相が、到来方向と素子配置から決まる経路差に対して異なることを利用してアンテナ指向特性を制御する。
【0004】
アダプテイブアレーの指向性制御法としては、様々な手法がある。一般的には、各アンテナ素子#1,#2〜#Nで受信された信号x1(t)、x2(t)〜xN(t)と各タップ係数w1〜wNとの積を加算器A1で加算してアレー出力y(t)を得、このアレー出力y(t)と受信希望波の参照信号との平均2乗誤差が最小となるような適応アルゴリズムを用いてアレーの重み付け係数(タップ係数)w1〜wNを制御する。これにより、アダプティブアレーアンテナの指向性のヌル点を干渉波方向に向けることで、干渉波を抑圧する。
【0005】
TDMAシステムのようなバーストモード伝送において、受信信号から送信データを再生するためには、搬送波同期ワード、シンボルタイミング同期ワード、フレーム同期ワードで構成されるプレアンブルを情報シンボルの前に置き、これらを用いてこの順でそれぞれの同期を確立し、その後情報シンボルを復調する。結果的にSINR(信号対干渉雑音比)を最大にするように適応的にアレーの重みを変えるアダプティブアレーアンテナにおいては、アレーの重みを適応的に更新する前に、まず、各同期を確立する必要がある。同期が確立されることを同期が引き込まれるとも言い、同期が確立しない状況を同期はずれと言う。
【0006】
一般に、干渉波が強い場合、同期引き込みができないし、また同期していても同期はずれが生じやすくなる。従来の方式では、基準アレーアンテナ1素子のみを用いているため、同期の確立にはSINRが良くなるのを待つしかなかった。さらに、適応アルゴリズムは同期の回復が行われないと動作が行われない。
【0007】
また、アダプティブアレーアンテナに用いられるウエイト決定アルゴリズムには様々あり、適用する環境や利用形態などによって、収束特性や計算量など相反するパラメータをうまく考慮して、どれを用いるか決めなければならない。例えばRLS(Recursive Least Squares)アダプテイブアレーは、収束速度が速い反面、その計算量が大きいため、リアルタイムな瞬時変動などには対応しきれない場面も起こり得る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通常の無線通信を行う空間には干渉波が多数存在する。ある干渉波が希望波よりも強いときには、同期引き込みができないまたは同期はずれが発生してしまう可能性がある。従来方式では、基準アンテナ1素子のみを用いていたので、干渉波も希望波も同時に受信してしまい、SIRが良くならないと同期の回復ができず、同期の確立にはSINRが良くなるのを待つしかなかった。
【0009】
また、アダプテイブアレーの適応アルゴリズムの収束に、多くの計算量と、長い時間を要し、リアルタイムな瞬時変動などに対応しきれない問題があった。
【0010】
本発明は、アダプティブアレーアンテナを用いた受信方法および受信装置において、希望波より干渉波が強い状態でも同期の確立を可能にするとともに、収束特性を改善することを、目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の受信方法は、アダプティブアレーアンテナを用いた受信方法において、受信信号中の受信希望波への同期の引き込みができないときに、アダプティブアレーアンテナの2つのアンテナ素子の受信信号の相関から固有ベクトルの一対の成分を求め、この固有ベクトルの一対の成分に基づいて、アダプティブアレーアンテナの各アンテナ素子の初期重み付け係数を決定することを特徴とする。
【0012】
請求項2の受信装置は、アダプティブアレーアンテナを用いた受信装置において、アダプティブアレーアンテナの各アンテナ素子の受信信号と各重み付け係数とを乗算し、加算して出力信号を発生するとともに、アダプティブアレーアンテナの指向特性が干渉波の方向にヌルとなるように前記重み付け係数を適応アルゴリズムにしたがって調整するアダプティブアレー制御手段と、このアダプティブアレー制御手段の出力信号から受信信号中の受信希望波への同期がとれているかどうかを検出する同期検出器と、アダプティブアレーアンテナの内の2つのアンテナ素子の受信信号を入力し、前記同期検出器からの同期はずれ検出信号に応じて、前記2つのアンテナ素子の受信信号の相関から固有ベクトルの一対の成分を求め、この固有ベクトルの一対の成分に基づいて前記アダプティブアレー制御手段の前記重み付け係数の初期重み付け係数を出力する演算手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項3の受信装置は、請求項2のアダプティブアレーアンテナを用いた受信装置において、前記2つのアンテナ素子の受信信号の相関から求めた固有ベクトルの一対の成分を、2つのアンテナ素子の初期重み付け係数とすることを特徴とする。
【0014】
本発明の構成によれば、アダプティブアレーアンテナを用いた受信方法および受信装置において、同期はずれが発生し、同期引き込みができないときに、2つのアンテナ素子の受信信号の相関から求めた固有ベクトルの一対の成分に基づいて、各アンテナ素子の初期重み付け係数を決定するから、これにより干渉波方向にアダプティブアレーアンテナのビームのヌル点を向けることになり、干渉波の影響を減少させ、希望波より干渉波が強い状態でも同期の確立を可能にする。
【0015】
この際に、2素子アレーから求める相関行列の固有値と固有ベクトルは、比較的簡単に求めることができ計算量は少なく抑えることができる。さらに、このタップ係数を適応アルゴリズムの初期値とすることで、収束特性を改善することができる。
【0016】
また、固有ベクトルの一対の成分に基づいて各アンテナ素子の初期重み付け係数を決定する場合に、固有ベクトルの一対の成分を直ちに、2つのアンテナ素子の初期重み付け係数とすることにより、各アンテナ素子の初期重み付け係数の決定がより容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について、まず、図1ないし図3を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施例に係るアダプティブアレーアンテナを用いた受信装置の構成図を示している。この図において、アダプティブアレーアンテナは、空間的に離して配置した複数のアンテナ素子#1,#2〜#Nで構成され、各素子#1,#2〜#Nで受信される伝搬パス毎の受信信号x1(t)、x2(t)〜xN(t)がアダプティブアレー制御手段10に入力される。アダプティブアレー制御手段10は、各受信信号x1(t)、x2(t)〜xN(t)と適応アルゴリズム手段11からの各重み付け係数w1〜wNとを乗算する乗算器M1〜M3と、乗算器M1〜M3の乗算結果を加算し出力信号y(t)を出力する加算器A1と、加算器A1の出力信号y(t)と受信希望波の参照信号との平均2乗誤差が最小となるような適応アルゴリズムを用いて重み付け係数(タップ係数)w1〜wNを制御する適応アルゴリズム手段11とから構成される。
【0019】
これにより、通常時は、アダプティブアレーアンテナの指向性のヌル点を干渉波方向に向けることで、干渉波Iを抑圧するとともに、希望波Sを受信する。
【0020】
ところで、前述のように、SINR(信号対干渉雑音比)を最大にするように適応的にアレーの重みを変えるアダプティブアレーアンテナにおいては、アレーの重みを適応的に更新する前に、まず、同期を確立する必要がある。
【0021】
受信希望波Sが、干渉波Iより強い場合には、基準とする1個のアンテナ素子の受信信号から同期引き込みを行うことが出来、従来よりこの手法で同期を確立している。
【0022】
しかし、受信希望波Sに比べて、干渉波Iのレベルが高い場合には、同期引き込みができないし、また同期していても同期はずれが生じる確率が高くなる。このままでは希望波Sと干渉波Iとの比SIRが大きくなるのを待つしかない。このように従来の手法では、基準アレーアンテナ1素子のみを用いているため、同期の確立にはSINR(信号対干渉雑音比)が良くなるのを待つしかなかった。
【0023】
しかし、何らかの方法で干渉波Iの到来方向が分かれば、その方向にアダプティブアレーアンテナの指向特性のヌル点を向けて干渉波Iを抑圧することができ、干渉波Iが抑圧されたそのアレーアンテナの出力を同期引き込みに用いることで、同期引き込み特性を改善することができる。
【0024】
本発明では、同期引き込みができない状態が継続する場合に、受信希望波Sよりも干渉波Iが強い状態にあると判断し、このような受信状態においても同期引き込みを可能とするアレーアンテナの初期重み付け係数を設定するものである。
【0025】
さて、同期はずれが生じている場合、同期はずれ検出器13が同期はずれ検出信号を出力する。同期引き込みの手順例として、1つのアレーアンテナ素子の受信信号から搬送波と周波数が同じで位相は同期していない局部発振信号で直交準同期検波した後、同期引き込みを行う場合には、同期引き込みに必要なSNR(信号対雑音比)が確保されなければ、同期はずれ状態が継続する。また、希望波Sの信号帯域に干渉波Iがある場合には、SNR(信号対雑音比)よりSINR(信号対干渉雑音比)が重要となる。このように干渉波Iがある場合には同期はずれ状態が続くことになるが、この同期はずれ状態がある時間以上経過した時点で必要なSINRが確保されていないと判断する。
【0026】
このようにして、同期はずれ検出器13が同期はずれ検出信号を出力すると、この同期はずれ検出信号が出力されたときのみ相関行列の固有値・固有ベクトル計算器12は、受信信号の相関行列を計算し、さらに固有値と固有ベクトルを計算する。
【0027】
この計算の一般式は、時刻tでのN素子アレーの各アンテナ素子で受信される信号をxl(t)〜xN(t)とし、これらを成分とするベクトルを X(t)とすると、相関行列RXXは下記の数式のようになる。
【0028】
【数1】
Figure 0004219490
ここでMはサンプリング数、Hは複素転置を表す。
【0029】
本発明では、相関行列の計算の容易さ、および計算後の固有値分解とその適用を考慮して、アレーアンテナ#1、#2の2素子のみの相関行列を用いて、固有ベクトルを算出する。
【0030】
この計算は簡単で、まずN素子アレーと同様に、2素子アレーの相関行列Rを下記の数式のように計算する。
【0031】
【数2】
Figure 0004219490
【0032】
相関行列の性質からaとdは実数で、bとcは複素数となる。またbとcは複素共役の関係になっている。この相関行列の固有値をλとし、それに対する固有ベクトルをEとすると、固有値分解式は次の数式で表される。
【0033】
【数3】
Figure 0004219490
【0034】
相関行列と固有ベクトルも成分表示すると、次の数式で表される。
【0035】
【数4】
Figure 0004219490
【0036】
この数式から固有値λを求めると、固有値λはこの数式4の特性多項式の根であるから、次の数式で表される。
【0037】
【数5】
Figure 0004219490
【0038】
この数式5から固有値λを計算すると、次の数式で表されるように、2つの固有値λが得られる。
【0039】
【数6】
Figure 0004219490
【0040】
この式のように固有値が2つ得られるが、干渉波Iが希望波Sよりも大きくなると固有値の小さい方に対する固有ベクトルは干渉波Iに対してヌル点を持つ性質があるので、固有値の小さい方を用いる。そして、この小さい方の固有値λと前記数式4とから固有ベクトルを計算し、固有ベクトルの大きさが1となるようにノーマライズしてその一対の成分e1,e2を計算すると、次の数式で表される。
【0041】
【数7】
Figure 0004219490
【0042】
この固有ベクトルの一対の成分e1,e2を基にして計算した相関行列の固有値・固有ベクトル計算器12の出力を適応アルゴリズム手段11へ転送し、タップ係数w1〜wNの初期値とすることになる。
【0043】
次に、このようにして得られた固有ベクトルの成分e1,e2をタップ係数w1〜wNの初期値とする手法について検討する。
【0044】
まず、固有ベクトルの成分e1,e2を相関行列の固有値・固有ベクトル計算器12の出力の値とする。この場合の初期設定状態を図2に示す。初期タップ係数wo1=e1、wo2=e2であり、その他のwo3〜woNは0とするから、図2のように、タップ係数w1、w2のみが与えられることになる。
【0045】
このように設定した2素子アレーの指向特性を図3に示している。この図3では、希望波到来角度を+30度、干渉波到来方向を−10度とし、アレーには希望波Sと、干渉波Iのみが入射すると仮定し、SIRを変化させて指向特性を測定している。
【0046】
その指向特性の測定の結果を見ると、希望波Sが干渉波Iよりも強いとき(SIRが10dB、20dBの場合)は、希望波方向に指向特性のヌル点が向けられている。逆に、希望波Sが干渉波Iより弱いとき(SIRが−10dB、−20dBの場合)は干渉波Iの方向に指向特性のヌル点が向いている。
【0047】
つまり、固有値λのうちの小さい方の固有値に対する固有ベクトルe1,e2をアダプティブアレーアンテナの重み付け係数(タップ係数)に用いると、強い波が到来する方向へ指向特性のヌル点を向けることが分かる。
【0048】
このように、相関行列の固有値・固有ベクトル計算器12の出力の値をwol=el、wo2=e2とし、またそれ以外のwo3からwoNは0とすることで、干渉波Iが希望波Sよりも強いときでもアダプティブアレーアンテナの合成出力では干渉波Iは抑制されるから、これにより合成後の受信データをもとに同期引き込み処理を行うことができるため、同期はスムーズに確立される。
【0049】
また初期値としてヌル点の計算を相関行列の固有値・固有ベクトル計算器12(図2では21)で行っているが、2素子アレーからの信号処理ですみ、その計算は簡単である。
【0050】
また、その後の適応アルゴリズムは、この初期値から計算を始めるため、従来のように全く無意味なタップ係数値から始めるよりも、収束が早くなる。つまり収束が早ければ早いほど、移動無線通信のように刻々とリアルタイムに変化する電波伝搬状況でも干渉波方向に素早くヌル点を持っていくことができる。
【0051】
次に、前述の図3の2素子アレーの指向特性では、希望波Sと干渉波Iの相対的なレベル差は約10dBであったが、これをさらに改良するために、2素子アレーで求めた重み付け係数(タップ係数)から2より多いN素子アレーの重み付け係数(タップ係数)を求める。ここでは例として、8素子等間隔リニアアレーを取り上げる。
【0052】
図4は、その8素子等間隔リニアアレーの場合の初期設定状態を示している。図4のように、8素子のそれぞれに重みw1〜w8を与えているが、これらの重みw1〜wNはつぎのように求める。2素子アレーの場合と同様に、アレーアンテナ#1、#2の2素子のみの相関行列を用いて、固有値、固有ベクトルを算出し、小さい方の固有値に対する固有ベクトルの値をwo1,wo2とする。この値を用いてタップ係数w1〜wNを計算すると、つぎの2項定理の数式で表される。
【0053】
【数8】
Figure 0004219490
【0054】
この数式8を展開して得られる多項式の各項を、アレーアンテナの各アンテナ素子のタップ係数w1〜w8に対応させる。つまり、各アンテナ素子のタップ係数はつぎの数式にて表される。
【0055】
【数9】
Figure 0004219490
【0056】
この8素子アレーの指向特性を図5に示している。この図5では、図3におけると同様の条件、すなわち希望波到来角度を+30度、干渉波到来方向を−10度とし、アレーには希望波Sと、干渉波Iのみが入射すると仮定し、SIRを変化させて指向特性を測定している。
【0057】
その指向特性の測定の結果を見ると、希望波Sが干渉波Iよりも強いとき(SIRが10dB、20dBの場合)は、希望波方向に指向特性のヌル点が向けられていること、逆に、希望波Sが干渉波Iより弱いとき(SIRが−10dB、−20dBの場合)は干渉波Iの方向に指向特性のヌル点が向いていることは、2素子アレーの図3と同様である。
【0058】
しかし、8素子アレーとすることによって、希望波Sと干渉波Iの相対的なレベル差は約90dBとなり、各段と大きくなっている。
【0059】
このように、相関行列の固有値・固有ベクトル計算器41の出力の値を上記数式9にしたがってw1〜wNとすることで、固有ベクトルの一対の成分から重み付け係数の計算をする必要はあるが、アダプティブアレーアンテナの合成出力では干渉波Iは、2素子アレーの場合よりも強力に抑制されるから、合成後の受信データをもとに同期引き込み処理を行うことができるため、同期はスムーズに確立される。
【0060】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、アダプティブアレーアンテナを用いた受信方法および受信装置において、同期はずれが発生し、同期引き込みができないときに、2つのアンテナ素子の受信信号の相関から求めた固有ベクトルの一対の成分に基づいて、各アンテナ素子の初期重み付け係数を決定するから、これにより干渉波方向にアダプティブアレーアンテナのビームのヌル点を向けることになり、干渉波の影響を減少させ、希望波より干渉波が強い状態でも同期の確立を可能にする。
【0061】
この際に、2素子アレーから求める相関行列の固有値と固有ベクトルは、比較的簡単に求めることができ計算量は少なく抑えることができる。さらに、このタップ係数を適応アルゴリズムの初期値とすることで、収束特性を改善することができる。
【0062】
また、固有ベクトルの一対の成分に基づいて各アンテナ素子の初期重み付け係数を決定する場合に、固有ベクトルの一対の成分を直ちに、2つのアンテナ素子の初期重み付け係数とすることにより、各アンテナ素子の初期重み付け係数の決定がより容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るアダプティブアレーアンテナを用いた受信装置の構成図。
【図2】本発明の実施例における2素子アレーの初期設定状態を示す図。
【図3】本発明の実施例における2素子アレーの指向特性。
【図4】本発明の実施例における8素子アレーの初期設定状態を示す図。
【図5】本発明の実施例における8素子アレーの指向特性。
【図6】従来例のアダプティブアレーアンテナの構成例。
【符号の説明】
#1〜#N アレーアンテナ素子
M1〜MN 乗算器
A1〜AN 加算器
10 アダプティブアレー制御手段
11 適応アルゴリズム手段
12 相関行列の固有値・固有ベクトル計算器
13 同期はずれ検出器

Claims (2)

  1. アダプティブアレーアンテナを用いた受信方法において、受信信号中の受信希望波への同期の引き込みができないときに、アダプティブアレーアンテナの2つのアンテナ素子の受信信号の相関から固有ベクトルの一対の成分を求め、この固有ベクトルの一対の成分に基づいて、アダプティブアレーアンテナの各アンテナ素子の初期重み付け係数を決定することを特徴とする受信方法。
  2. アダプティブアレーアンテナを用いた受信装置において、アダプティブアレーアンテナの各アンテナ素子の受信信号と各重み付け係数とを乗算し、加算して出力信号を発生するとともに、アダプティブアレーアンテナの指向特性が干渉波の方向にヌルとなるように前記重み付け係数を適応アルゴリズムにしたがって調整するアダプティブアレー制御手段と、
    このアダプティブアレー制御手段の出力信号から受信信号中の受信希望波への同期がとれているかどうかを検出する同期検出器と、
    アダプティブアレーアンテナの内の2つのアンテナ素子の受信信号を入力し、前記同期検出器からの同期はずれ検出信号に応じて、前記2つのアンテナ素子の受信信号の相関から固有ベクトルの一対の成分を求め、この固有ベクトルの一対の成分に基づいて前記アダプティブアレー制御手段の前記重み付け係数の初期重み付け係数を出力する演算手段とを備えることを特徴とする受信装置。
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