JP3631378B2 - レーク受信器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は直接拡散によるスペクトラム拡散通信方式(以下DS)におけるレーク受信器に係わり、特に、移動通信において問題となるマルチパスフェージングによる受信電界強度や位相、遅延量の変動に対する受信特性の改善が可能なレーク受信器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤレスマルチメディア通信を実現する次世代の移動通信システムとして、DS−CDMA(Direct Sequence Code Division Multiple Access:直接拡散符号分割多元接続)技術を用いたデジタルセルラー無線通信システムの開発が進められている。かかるCDMA通信において、複数のチャンネルあるいはユーザの伝送情報は拡散符号により多重され、無線回線などの伝送路を通じて伝送される。
移動通信では、移動体の速度および搬送波の周波数によって決まる最大周波数をもった、ランダムな振幅・位相の変化、フェージングが起こり、これによって固定の無線通信に比較して、安定した受信が非常に難しい。このような周波数選択性フェージングの影響による劣化を軽減するものとして、スペクトラム拡散通信方式が有効である。それは挟帯域の信号を高帯域に拡散して送信するため、ある固有の周波数域で受信電界強度の落ち込みが生じても、その他の帯域から情報を誤り少なく復元できるからである。
【0003】
又、移動通信では、遠くの高層ビルや山などからの遅延波により、受信機周辺の環境によって上記と同様のフェージングが生じるとマルチパスフェージング環境となる。DSの場合、この遅延波は拡散符号に対して干渉波となるため受信特性の劣化を招く。この遅延波を特性改善に積極的に用いる方法の一つとして、RAKA受信方式(レーク受信方式)が知られている。これはマルチパスの各パスを介して到来する各遅延波毎に逆拡散を行ない、それぞれの遅延時間を揃え、受信レベルに応じて重み付けして加算することで合成するものである。
【0004】
図18は一般的な無線機の構成例であり、1は送信系回路、2は受信系回路、3は送信信号をアンテナに送出し、受信信号を受信系回路に入力するデュプレクサ、4はアンテナである。送信系回路1において、1aは送信信号(送信データ)をコード化するコーダ、1bはマッピング部であり、例えば、フレームデータ(パイロット信号及び送信データ)を1ビットづつ交互に振り分けて同相成分(I成分:In−Phase compornent)データと直交成分(Q成分:Quadrature compornent)データの2系列のIシンボルデータDI,QシンボルデータDQに変換するもの、1c,1dはIシンボルデータ,QシンボルデータDI,DQに所定の拡散コードを用いて拡散変調を施す拡散器、1e,1fは波形成形用のフィルタ、1g,1hは各フィルタ1e,1fの出力をDA変換するDAコンバータ、1iはIch信号、Qch信号にQPSK直交変調を施して出力する直交変調回路、1jはIFかRFへの周波数変換、高周波増幅等を行う無線部である。
受信系回路2において、2aはRFかIFへの周波数変換、高周波増幅等を行う無線部、2bは直交検波によりIch信号,Qch信号を復調する直交検波回路、2c,2dはIch,Qch信号をデジタルに変換するADコンバータ、2eはマルチパスをサーチするパスサーチ回路、2fはレーク合成/復調部であり、マルチパスのパス毎に逆拡散処理を実行し、逆拡散により得られたIシンボルデータ,QシンボルデータDI′,DQ′を元のデータに復調し、復調結果を合成して出力するもの、2gはデコーダである。
【0005】
図19はパスサーチ部とレーク合成/復調部の構成図である。レーク合成/復調部2fは、マルチパスの各パスに応じて設けられたフィンガー部51,52,53、各フィンガー部の出力を合成するレーク合成部6を有している。パスサーチ部2eはマッチトフィルタ(MF:mached filter)7a、積分回路7b、パス選別部7cを備え、マルチパスを検出し、該マルチパスを構成する各パスを介して到来する信号の到来時刻あるいは基準時刻からの遅延時間を識別し、各パスに応じたフィンガー部に逆拡散開始のタイミングデータ及び遅延時間調整データを入力する。
【0006】
送信機より送られてくる信号の受信レベルは図20に示すようにマルチパスに応じて変化し、かつ、受信機への到達時刻も異なる。そこで、マッチトフィルタ7aは、受信信号に含まれる希望信号の自己相関を出力する。アンテナ4の受信出力には自分に割り当てられたチャンネル以外の他チャンネル成分も含まれているから、マッチトフィルタ7aは自チャンネルの拡散符号を用いてアンテナ受信信号より自チャンネルの信号成分(希望信号)を抽出して出力する。この場合、Ich信号とQch信号の相関値I,Qが独立して得られるから、例えば(I+jQ)(I−jQ)=I2+Q2の演算を行って電力値にして出力する。
【0007】
すなわち、マッチトフィルタ7aはマルチパスの影響を受けた直接拡散信号(DS信号)が入力すると、到来遅延時間と受信電界強度に応じた複数のピークを持つパルス列を出力し、積分回路7bを通してパス選別部7cに入力する。パス選別部7cは積分回路の積分出力(図20)を参照し、しきい値より大きなマルチパス信号MP1、MP2、MP3に基づいてマルチパスを検出し、マルチパスを構成する各パス及び遅延時間t1,t2,t3を検出し、各パスに応じたフィンガー部51,52,53に逆拡散開始のタイミングデータP1,P2,P3及び遅延時間調整データD1,D2,D3を入力する。なお、マルチパス信号MP1、MP2、MP3をその大きさ順に並べ、マルチパス信号が最大のパスを1番目のフィンガー51に割り当て、マルチパス信号が第2番目の大きさのパスを2番目のフィンガー52に割り当て、マルチパス信号が第3番目の大きさのパスを3番目のフィンガー53に割り当て、各フィンガー部は割り当てられたパスを介して到来する信号に以下の処理を行う。
【0008】
各パスに応じたフィンガー部51,52,53は同一構成になっており、逆拡散回路5a、復調回路5b、遅延回路5cを有している。各逆拡散回路5aはパスサーチ部2eより指示されたタイミング(P1〜P3)で自チャンネルの拡散コードを用いて受信Ich信号,Qch信号に逆拡散処理を施す。復調回路5bは逆拡散により得られたIシンボルデータDI′,QシンボルデータDQ′を用いて元のデータを復調し、遅延回路5cはパスサーチ部2eより指示された時間(D1〜D3)遅延して出力する。この結果、各フィンガー部は送信機の拡散符号と同一タイミングで逆拡散し、かつ、パスに応じて遅延時間を調整し、位相を揃えてレーク合成部6に入力し、レーク合成部は入力信号を合成して出力する。
【0009】
図21はフィンガー部における逆拡散回路の構成例であり、Ich信号とQch信号のそれぞれに逆拡散処理を施せるようになっている。8aは送信機と同一の拡散コードを発生する拡散コード発生部であり、符号長は1シンボル当りのチップ数Nで例えば256である。8bは1チップ毎にIch信号と拡散コードを乗算する乗算器、8b′は1チップ毎にQch信号と拡散コードを乗算する乗算器、8c,8c′は乗算結果を1シンボル周期にわたって積算(256回累積加算)する積分器で、8d,8d′は加算器、8e,8e′は1チップ時間遅延回路、8f,8f′はシンボルクロックで1シンボル周期の累積結果をラッチしてIシンボルデータDI′,DQ′を出力する出力レジスタである。
【0010】
以上要約すれば、パス制御を受信機で自立的に行う場合は、パスサーチ部2eのマッチトフィルタ7aにおいて受信信号と希望信号(予測される拡散符号列)との相関値を求め、その値が大きいものをパス選択部7cで選びその時間差を逆拡散回路5aへ通知する(図18)。この時、位相変調であれば、相関値I,Qを直交位相で個別に求め、その電力または2乗和を比較する。また検出タイミングの精度を高めるために、通常は周期的に現れる値を時間平均などの積分を行う。図19では相関値の積分出力が大きい3つを逆拡散している。
【0011】
このようにして検出される3つの確からしいパスの到来時間t1,t2,t3を、それぞれのフィンガー部51,52,53における逆拡散回路5aの逆拡散タイミングとする。各逆拡散回路5aでは、このようにして得られた逆拡散タイミングに合わせて逆拡散コードを発生し、受信データを逆拡散する。位相変調であれば、逆拡散により得られたI,Qシンボルデータから復調回路5bによって元のデータを復元する。その後それぞれの遅延量の中から、一番遅いものに合わせて他の2つを遅延回路5cでシフトして復元データの位置を揃える。これを加算することで合成信号を得る。この結果を図示しないデータ判定部の比較器で”0”,”1”判定し、受信データとする。場合によっては、レーク合成部6で合成前にそれぞれの受信レベルに応じた信頼度を乗じてから加算することで最大比合成する。
以上のようにマルチパスの検出、逆拡散開始タイミングや遅延時間の決定を受信機で自立的に行う場合と、送信機より受信機に通知する場合がある。後者は基地局が前述の検出を行い、その情報を制御チャンネルなどを介して移動機に通知する場合である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
移動通信では送受信機の一方もしくは両方の環境が時間と共に変化するため、パスサーチ部2eでは推移していく遅延量と受信レベルから、新たに検出した3つのパスがそれまで受信していた3つのパスと同じであることを推測し、自分の周期(例えばフレームなど)を追従させる必要がある。また、始めに確からしかった3つのパス(受信強度が大きな3つのパス)とは別の遅延量の新たなパスがより確からしくなることもある。かかる場合、パスの割り当てを切り替える必要がある。従来のパス割り当ての切替は、マルチパス信号をその大きさ順に並べ、マルチパス信号が最大のパスを1番目のフィンガー51に割り当て、マルチパス信号が第2番目の大きさのパスを2番目のフィンガー52に割り当て、マルチパス信号が第3番目の大きさのパスを3番目のフィンガー53に割り当てるものであった。しかし、かかる割り当て方法では、新しく確からしいと推定されたパスの遅延量が小さいと、他の2つパスを介して送られてくる拡散周期の一部が欠落する。
【0013】
図22はパス割り当ての切替時に生じるデータ欠落の説明図である。第1のパス割当て切替時点において、マッチトフィルタ7aより得られる5個のパスa〜eの相関値は大きさ順にb>d>e>a>cである。パス選別部7cは上位3個のパスb,d,eを選択し、パスbを第1のフィンガー部51に割り当て、パスdを第2のフィンガー部52に割り当て、パスeを第3のフィンガー部53に割り当てる。各フィンガー部51,52,53はそれぞれ時刻T11,T12,T13においてパスb,d,eから到来する信号に逆拡散処理を施し、得られた逆拡散信号を遅延時間d1,d2,d3遅延して位相を揃えて出力する。
【0014】
ついで、第2のパス割当て切替時点において、マッチトフィルタ7aより得られる5個のパスa〜eの相関値は大きさ順にd>b>a>e>cになる。パス選別部7cは上位3個のパスd,b,aを選択し、パスdを第1のフィンガー部51に割り当て、パスbを第2のフィンガー部52に割り当て、パスaを第3のフィンガー部53に割り当てる。この結果、各フィンガー部51,52,53はそれぞれ時刻T21,T22,T23においてパスd,b,aから到来する信号に逆拡散処理を施し、得られた逆拡散信号を遅延時間d1′,d2′,d3′遅延して位相を揃えて出力する。以上より、第1、第2のパス割当て切替時点の間にパスbを介して受信した有効データが8シンボルであるとすれば、パスdを介して受信した有効データは6.7シンボル、パスdを介して受信した有効データは4.6シンボルである。このため、最長有効データに対して、パスdよりのデータは1.3シンボル分欠落し(欠落部DF1)、パスeよりのデータは3.4シンボル分欠落する(欠落部DF2)。この欠落部では拡散利得が減小し、検出精度が劣化する。
【0015】
又、確からしい3つのパスが変わらない場合であっても、そのマルチパス信号レベル(相関値)が変化するとパスの割り当て切替が行われて上述のデータ欠落が発生する。又、受信環境やシンボル周期によっては更に多くのシンボルが欠落し、場合によっては全パスからのデータが欠落する。
上記パスサーチ法では、受信レベルの大きいパスから始めてフィンガー部を順番に割り当てる。このパス割当方法は簡単に行える利点がある。しかし、前述のようにデータ欠落が発生し、しかも、同じ3つのパスであってもマルチパス信号レベル(相関値)により相互に入れ替わり、この入れ替りによりデータ欠落が発生する。そこで、前回と今回のパスの同一性を推定し、同一の場合には該パスのフィンガー部への割当てを変更しないようにする必要がある。パス推定には、システムのキャリアやクロックの周波数精度、フェージング速度から、同一パスと確度良く判定するために、各パス毎にDLL(Delay Locked Loop)回路を用意する必要がある。しかし、DLL回路では各パス毎にA/D変換器や電圧制御発振器VCOなどのアナログ回路を必要とするうえ、パス切替えの方式にもよるがロックしているパスの受信レベルが閾値以上であるなら、新たなパスが確からしくともパス切替を行わない、などの問題点がある。
以上、従来はパス割当ての切り替え時にデータの欠落が生じる問題があった。又、DLL回路を用いてパスの同一性を推定する方法では、アナログ回路部分が多くなり、更には、パス割当ての切替を正確に行えない問題があった。
【0016】
従って、本発明の目的は、データ欠落を抑えることが可能なレーク受信器を提供することである。
本発明の別の目的は、A/D変換器や電圧制御発振器VCOなどのアナログ回路が不要なレーク受信器を提供することである。
本発明の別の目的は、パス割当ての切替を適当なタイミングで正確に行えるレーク受信器を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明によれば、マルチパスのうち割り当てられたパスを介して到来する希望信号に逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量を加えて出力する複数の逆拡散/遅延調整部、各逆拡散/遅延調整部の出力を合成する合成部、各逆拡散/遅延調整部にパスを割り当てるパスサーチ部を備えたレーク受信器において、パスサーチ部を、(1) 受信信号と希望信号との相関を検出し、相関値と検出時間時間を出力する相関検出部と、(2) 相関値に基づいて逆拡散する希望信号が到来する複数のパスを選別するパス選別部と、(3) 前記選別したパスが各逆拡散/遅延調整部にそれまで割り当てていたパスと同一であるか否かを、パスを介して到来する希望信号の前記検出時間に基づいて判定し、同一パスであれば該選別したパスを介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させるパス追従部、とで構成したレーク受信器により達成される。
このようにすれば、それまでフィンガー部に割り当てていたパスと今回選別したパスが同一であれば、該パスのフィンガー部への割当てを変更しないから、パス割り当て時におけるデータ欠落を防止できる。
【0018】
又、本発明では、パス同一性の判断は以下のように行う。パス追従部は、(1)各逆拡散/遅延調整部に割り当てたパスを介して到来する希望信号の検出時間を記憶部に記憶しておき、(2) 今回選別したパスを介して到来する希望信号の検出時間と前記記憶してある検出時間との差が所定時間内であるかチェックし、(3) 差が所定時間内であれば、今回選別したパスが所定の逆拡散/遅延調整部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定し、(4) 該選別したパスを介して到来する希望信号についての前記検出時間における逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させ、 (5) 更に、前記相関検出部で検出した検出時間を基に前記各逆拡散/遅延調整部に対して逆拡散タイミングと遅延量を設定する。
以上のように検出時間の差が所定時間内にあるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができ、しかも、DLL回路などを不要にできる。又、最新で最も確からしいパス推定結果に従って逆拡散を行うことにより高利得のレーク受信器を実現できる。更に、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかった逆拡散/遅延調整部には、受信レベルの大きい希望信号が到来するパスを順に割り当てる。これにより、簡単に逆拡散/遅延調整部に各パスを割り当てることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(A)本発明の概略
図1は本発明のレーク受信器の基本構成図である。図中、111〜113はフィンガー部(逆拡散/遅延調整部)で、割り当てられたパスを介して到来する3つの遅延希望波b,d,eにタイミングt 1 〜t 3 で逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量d1〜d3を加えて出力するもの、12は各フィンガー部の出力を合成する合成部、13は各フィンガー部にパスを割り当てるパスサーチ部である。パスサーチ部13は受信信号と希望信号との相関を検出し、相関値と検出時間を出力する相関器31、相関値に基づいて逆拡散する遅延希望波が到来する3つのパスを選別するパス選別部33、選別されたパスがいずれかのフィンガー部にそれまで割り当てていたパスと同一であれば、引き続き該フィンガー部に逆拡散/遅延調整処理を実行させるパス追従部34を有している。
【0021】
パス追従部34はパスの同一性の推定のためにDLLと同様に擬似的なSカーブをウィンドウとして用意する。すなわち、それまでの逆拡散タイミングのSカーブウィンドウ内に新たに相関検出したタイミングが存在すればパスが同一であると推定する。具体的には、前回いずれかのフィンガー部に割り当てたパスの相関値の検出タイミング(T0)と今回選別したパスの相関値の検出タイミング(T1)とが±δ チップ以内にあるかを判断する。すなわち、次式
T0−δ<T1<T0+δ
を満足するかチェックし、満足すれば、パスが同一であると推定する。
パス追従部34は以上のパス同一性に基づいてパス割り当てをしないフィンガー部には、同じく割り当てされなかった選別パスを個別に割り振る。これらは新たに生じた確からしいパスであるので、それまでのパスのタイミングとは大幅に変わっている可能性があるが、受信レベルの低いパスが切り捨てられ、その合成による利得も小さいので、欠落による影響は小さい。
【0022】
以上要約すれば、パス追従部34は、パス選別部33で選別したパスが各フィンガー部111〜113にそれまで割り当てていたパスと同一であるか否かを、パスを介して到来する希望信号の前記検出タイミングに基づいて以下のように行う。すなわち、パス追従部34は、(1) 各フィンガー部111〜113に割り当てたパスを介して到来する希望信号の検出タイミングT0を記憶部(図示せず)に記憶しておき、(2) 今回選別したパスを介して到来する希望信号の検出タイミングT1と前記記憶してある遅延時間T0との差が許容範囲内−δ〜+δであるかチェックし、(3) 差が許容範囲内であれば、今回選別したパスが所定のフィンガー部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定し、(4) 該選別したパスを介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一のフィンガー部に実行させる。又、パス追従部34は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったフィンガー部には、パス選別部で選別してある相関値の大きい希望信号が到来するパスを順に割り当てる。
以上、それまでフィンガー部に割り当てていたパスと今回選別したパスが同一であれば、該パスのフィンガー部への割当てを変更しないから、パス割り当て時におけるデータ欠落を防止できる。又、遅延時間の差が許容範囲内にあるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができ、しかも、DLL回路などを不要にできる。
【0023】
図2はパス割当ての説明図である。最初のパス割当て時点において、相関検出部31より得られる5個のパスa〜gの相関値は大きさ順にb>d>e>c>aである。パス選別部33はフィンガー数(=3)の上位3個のパスb,d,eを候補パスとして選別し、相関値順にそれぞれの検出時間T1,T2,T3をパス追従部34に出力する。初期時、パス追従部34は検出時間T1,T2,T3を記憶すると共に、相関値が大きな候補パスb,d,eの順にパスを第1〜第3フィンガー部111,112,113に割り当てる。すなわち、初期時、パス追従部34はパスbを第1のフィンガー部111に割り当て、パスdを第2のフィンガー部112に割り当て、パスeを第3のフィンガー部113に割り当て、それぞれのフィンガー部に逆拡散開始タイミングt1〜t3及び遅延時間d1〜d3を入力する。各フィンガー部111,112,113はそれぞれ時刻t1,t2,t3においてパスb,d,eから到来する信号に逆拡散処理を施し、得られた逆拡散信号を遅延時間d1,d2,d3遅延して位相を揃えて出力する。
【0024】
ついで、第2のパス割当て時点において、相関検出部31より得られる5個のパスa′〜e′の相関値は大きさ順にd′>b′>a′>c′>e′になる。パス選別部33はフィンガー数(=3)の上位3個のパスd′,b′,a′を候補パスとして選別して、相関値順にそれぞれの検出時間T1′,T2′,T3′をパス追従部34に出力する。これにより、パス追従部34は、▲1▼相関値順に今回選別した候補パスd′の検出時間T1′と前回記憶してある各検出時間T1〜T3との差が許容範囲内であるかチェックし、▲2▼ついで、2番目に大きい候補パスb′の検出時間T2′と記憶してある各検出時間T1〜T3との差が許容範囲内であるかチェックし、▲3▼最後に、検出時間T3′と記憶してある各検出時間T1〜T3との差が許容範囲内であるかチェックする。
【0025】
パス追従部34は、差が許容範囲内であれば、今回選別したパスが所定のフィンガー部にそれまで割り当てていたパスと同一であると判定する。例えば、検出時間T1と検出時間T1′との差及び検出時間T2と検出時間T2′との差が共に許容範囲内となるから、パスbとパスb′、パスdとパスd′はそれぞれ同一パスであると判定する。
ついで、パス追従部34は、パスb′,パスd′を介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をパスb,パスdのフィンガー部に実行させる。すなわち、パス追従部34はパスb′を第1のフィンガー部111に割り当て、パスd′を第2のフィンガー部112に割り当て、それぞれのフィンガー部に逆拡散開始タイミングt1′,t2′及び遅延時間d1′,d2′を入力する。このように、パスb,dと今回選別したパスb′,d′が同一であれば、パスb′,パスd′を介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をパスb,パスdのフィンガー部111,112に引き続き行わせるから、パス割り当て時においてフィンガー部111,112においてデータ欠落は発生しない。又、検出時間の差が許容範囲内にあるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができる。
【0026】
一方、パス追従部34は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったフィンガー部113には、同様に割り当てられなかったパスa′を割り当て、該フィンガー部113に逆拡散開始タイミングt3′及び遅延時間d3′を入力する。この結果、フィンガー部113はそれまでのパスeと異なるパスa′から到来する希望信号に対して逆拡散及び遅延調整処理を行う。このため、パスeからのデータが3.4シンボル分欠落し(欠落部DF)、この欠落により拡散利得は減小するが、全体でのデータ欠落数を最小にでき、検出精度を従来に比べて向上することができる。
【0027】
(B)第1実施例のレーク受信器
(a)全体の構成
図3は本発明の第1実施例のレーク受信器の構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付している。
111〜113はそれぞれフィンガー部(逆拡散/遅延調整部)あり、割り当てられたパスを介して到来する希望信号に指示されたタイミングt1〜t3に基づいて逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量d1〜d3を加えて出力するもの、12は各フィンガー部の出力を合成する合成部、13は各フィンガー部にパスを割り当てるパスサーチ部である。
【0028】
各フィンガー部111〜113は同一構成になっており、逆拡散回路21、復調回路22、遅延回路23を有している。各逆拡散回路21はパスサーチ部13より指示された逆拡散タイミング(t1〜t3)で自チャンネルの拡散コードを用いて受信Ich信号,Qch信号に逆拡散処理を施す。復調回路22は逆拡散により得られたIシンボルデータDI,QシンボルデータDQを用いて元のデータを復調し、遅延回路23はパスサーチ部13より指示された時間(d1〜d3)遅延して出力する。この結果、各フィンガー部111〜113は送信機の拡散符号と同一タイミングで逆拡散し、かつ、パスに応じて遅延時間を調整し、位相を揃えてレーク合成部12に入力し、レーク合成部12は入力信号を合成して出力する。
パスサーチ部13は相関検出を行うマッチトフィルタ(MF)31、相関値を積分して出力する積分回路32、パス選別部33、パス追従部34、タイミング生成部35を有している。
マッチトフィルタ31は自チャンネルの拡散符号を用いてアンテナ受信信号より自チャンネルの信号成分(希望信号)を抽出して出力する。この場合、Ich信号とQch信号の相関値I,Qが独立して得られるから、例えば(I+jQ)(I−jQ)=I2+Q2の演算を行って電力値にして出力する。
パス選別部33は相関値を積分して得られる積分相関値に基づいて大きい順にフィンガー数(図では3個)の希望信号が到来するパスを選別すると共に、該パスを介して到来する希望信号の検出時間を出力する。
【0029】
パス追従部34は、パス判定部41とパス割当て部42を有している。パス判定部41は、パス選別部33で選別したパスがそれまで選別していたいずれかのパスと同一であるか否かを、前記検出時間に基づいて判定する。パス割当て部42は、▲1▼判定の結果、同一パスであれば今回選別したパスを介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一のフィンガー部に実行させるようパスの割当てを行う。すなわち、今回とそれまでのパスが同一であれば、引き続きそれまでと同一のフィンガー部に逆拡散/遅延調整処理を実行させる。又、▲2▼パス割当て部42は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったフィンガー部には、受信レベル順に選別したパスを強制的に割り当てる。
タイミング生成部35は各フィンガー部111〜113に割り当てたパスの検出タイミングT1〜T3に応じて各フィンガー部の逆拡散開始タイミングデータt1〜t3及び遅延時間データd1〜d3を生成して各フィンガー部111〜113に入力する。
【0030】
(b)パス選別部
図4はパス選別部の構成図であり、積分回路32が出力する積分後の相関値R0とその相関検出タイミング(スロットカウンタ値)T0を入力され、大きい順に8個の相関値R1〜R8とその検出時間T1〜T8を選別するものである。尚、8個選別するということは8個のフィンガー部が存在するものとしている。
図4において331〜338は第1〜第8番目に大きい積分相関値R1〜R8及びその検出時間T1〜T8を記憶するための回路であり、それぞれ同一構成を有し、比較器33aとD型FF構成のレジスタ33bとセレクタ33cを備えている。比較器33aは、入力する積分相関値Ri−1(i=1〜8)とレジスタに記憶してある積分相関値Ri(i=1〜8)の大小を比較し、Ri−1>Riであればハイレベルのイネーブル信号ENSを出力する。セレクタ33cはRi−1>Riであればレジスタ33bに記憶されている積分相関値Riと検出時間Tiを選択して次段に出力し、Ri−1≦Riであれば入力した積分相関値Ri−1とその検出時間Ti−1を選択して次段に出力する。レジスタ33bはRi−1>Riであれば入力した積分相関値Ri−1とその検出時間Ti−1を新たに記憶し、Ri−1≦Riであれば記憶内容を変更しない。以上により、パス選別部33は大きい順に8個の相関値R1〜R8とその検出時間T1〜T8を順に各回路331〜338のレジスタ33bに記憶し、検出時間T1〜T8を次段のパス追従部34に出力する。
【0031】
(c)パス追従部
図5はパス追従部の構成図、図6はパス追従部の動作説明用タイムチャートである。34aは8*2進のカウンタであり、0〜7を計数する8進カウンタ部とそのオーバフローパルスをカウントしてWRITE/READ信号をそれぞれ出力する2進カウンタ部で構成されている。34bはWRITE時(パス同一性判定時)及びREAD時(パス強制割当て時)に計数値0〜7により第1〜第8番目の検出時間T1〜T8を順次選択して出力するセレクタ、411〜418は第1〜第8フィンガー部に対応して設けられ、今回とそれまでの選別パスの同一性を判定する第1〜第8パス同一性判定部、42はパス同一性判定に基づいて割り当てられなかったフィンガー部にパスを強制的に割り当てるパス割当て部である。
【0032】
・パス同一性判定部
第1〜第8パス同一性判定部411〜418は同一の構成を備え、前回の検出タイミングTj′を記憶する記憶部41a、セレクタ34bから出力する今回の検出タイミングTiと前回の検出タイミングTj′を比較し、次式
Tj′−δ<Ti<Tj′+δ (j=1〜8) (1)
但し、δ=2チップ
を満足するかチェックする比較器41b、アンドゲート41c、▲1▼上式を満足するとき及び▲2▼後述の強制取り込みパルスPi発生時にそれぞれイネーブル信号Eiを出力するオアゲート41dを有している。
WRITE時(パス同一性判定時)、セレクタ34は計数値iに応じた第i検出時間Tiを出力し、各パス同一性判定部411〜418の比較部41b及びアンドゲート41cは(1)式を満足するかチェックする。上式を満足すれば、検出時間Tiのパスとそれまで第jフィンガー部に割り当てていたパスとが同一であると推定する。例えば、今回の第i検出時間Tiが第1のパス同一性判定部411において、(1)式を満足すれば(j=1)、第1パス同一性判定部411は該検出時間Tiを記憶部41aに記憶する。又、第1パス同一性判定部411は該検出時間Tiを第1フィンガー部に割り当てたパスの検出タイミングとしてタイミング生成回路35(図3)に入力する。
【0033】
・パス割当て部
パス割当て部42は、オアゲート42a、RAM42b、パス割当てフィンガー記憶部42c、優先判定回路42dを有している。オアゲート42aは、第1〜第8パス同一性判定部411〜418より出力するイネーブル信号E1〜E8のオアを演算して出力する。すなわち、オアゲート42aはパス同一性判定によりパスが同一であると判定された時にハイレベルの信号を出力する。
RAM42bは、WRITEイネーブル時(パス同一性判定時)にカウンタ34aの計数値0〜7が示すアドレスにオアゲート出力を書き込み、READイネーブル時(パス強制割当て時)にカウンタ34aの計数値0〜7が示すRAMアドレスよりデータを読み出して出力する。すなわち、RAM42bは、第1〜第8検出時間T1〜T8に応じた記憶領域を有し、パス同一性判定時に割り当てられたパスの検出時間に応じた記憶領域に”1”を書き込み、パス強制割当て時に各記憶領域より順次記憶内容を出力する。
【0034】
パス割当てフィンガー記憶部42cは第1〜第8フィンガー部に応じた記憶領域を有し、パス割当てされたフィンガー部に応じた記憶領域に”1”を記憶する。すなわち、パス同一性判定によりパスが第iフィンガー部に割り当てられるとハイレベルのイネーブル信号Eiが出力するから第iフィンガー部に応じた記憶領域に”1”を記憶する。又、強制的パス割当てにより第jフィンガー部にパスを割り当てると、ハイレベルのイネーブル信号Ejが出力するから第jフィンガー部に応じた記憶領域に”1”を記憶する。
優先判定回路42dは、パス同一性判定により割り当てられなかったパスを同様に割り当てられなかったフィンガー部に強制的に割り当てるものである。すなわち、RAM42bの記憶内容より割り当てられなかった検出時間(パス)を判別し、記憶部42cの記憶内容よりパスが割り当てされなかったフィンガー部を判別し、該フィンガー部に割り当てられなかった時間(パス)を割り当てる。
【0035】
READ時(パス強制割当て時)、優先判定回路42dは、カウンタ34aの計数値iが示すRAM42bの記憶内容を参照して第i検出時間Tiに応じたパスがパス同一性判定によりいずれかのフィンガー部に割り当てられたかチェックする。割り当てられていなければ、記憶部42を参照してパス割当てされていないフィンガー部を若い番号から順に求める。第jフィンガー部がパス割当てされていなければ、優先判定回路42dは第jフィンガー部に対応する第jパス同一性判定部41jに強制取り込み信号Pjを出力する。以上と並行してセレクタ34は計数値iに応じた第i検出時間Tiを出力する。この結果、第jフィンガー部のオアゲート41dからイネーブル信号Ejが発生し、第jパス同一性判定部41jは検出時間Tiを記憶部41aに記憶する。又、第jパス同一性判定部41jは該検出時間Tiを第jフィンガー部に割り当てたパスの検出タイミングとしてタイミング生成回路35(図3)に入力する。更に、パス割当てフィンガー記憶部42cはハイレベルのイネーブル信号Ejにより第jフィンガー部に応じた記憶領域に”1”を記憶する。以後、同様の処理を行って、パス強制割当てを行う。
【0036】
(C)第2実施例のレーク受信器
隣接する信号間に前後1チップを越える間隔があれば、相関器はそれぞれの信号より有意な相関を出力できる。=>DS−CDMAに用いられる拡散符号において相関性を有する範囲は、矩形波であれば前後1チップであるが、帯域制限フィルタを用いる場合にはその応答特性によって、プラス数+%から数倍に広がる。しかし、図7に示すように信号間隔が1チップ範囲内であれば相関器はそれらを合成した相関値を出力する。この合成した相関値に1チップ範囲内に複数のピークPK1,PK2が存在する場合、最大ピークPK1をフィンガー部に割り当てることは有効であるが、それ以下の小さい値のピークPK2は、より遅延差のある他のピークPK3を合成するよりも有効であるかどうか相関値だけで判定できない。これは、図7に示すように実際はピークPK3より小さなピークPK2がピークPK1の影響でピークPK3より大きくなっている場合があるからである。又、チップ範囲内ではノイズにも相関があるため、レーク合成したときにノイズ成分が相殺されず、期待した利得が得られないからである。そこでこの1チップ範囲で最大値をとるピークPK1だけをパス選別の候補とし、最大でないピークPK2をパス選別から除外する。
【0037】
図8は以上を考慮した第2実施例の構成図であり、図3の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。第2実施例において第1実施例と異なる点は、パスサーチ部13にマスク制御部36を設けている点である。
マスク制御部36は1チップ範囲で最大値をとるピークだけをパス選別の候補とし、最大でないピークをマスクしてパス選別から除外する。マスク制御部36は図9に示すように、チップ周波数の4倍の周波数で動作するようになっており、ピーク検出部361、最大ピーク検出部362、4進カウンタ(タイマ)363を有している。ピーク検出部361において、記憶部36aはサンプリングした積分後の相関値を記憶し、比較器36bは今回のサンプリング値と前回のサンプリング値を比較し、今回のサンプリング値が大きいときハイレベルの信号を出力し、D型フリップフロップ36cは比較器出力を記憶し、アンドゲート36dは増加から減小に転じた時点でピーク検出信号PDを出力する。最大ピーク検出部362において、36eは1チップ内の最大ピークを記憶する記憶部、36fはそれまでの最大ピークと検出されたピークの大小を比較し、今回のピークが大きければ最大ピーク検出信号MPDを出力し、アンドゲート36gは最大ピーク検出信号MPD発生時に極値検出信号PKDTを出力し、記憶部36aに記憶されている値を最大ピーク値として記憶部36eに記憶する。4進カウンタ363は最大ピークが検出される毎にリセットし、次の1チップ期間(相関性を有する範囲)に新たな最大ピークを検出しなければ計数値3のタイミングでデータ有効信号(マスク信号)MSKを出力し、最大ピーク以外のピークをマスクする。
パス選別部33は1チップ期間内で最大のピークを選択してパス選別制御を行う。すなわち、1チップ範囲で最大値をとるピークだけをパス選別の候補とし、最大でないピークをパス選別から除外する。
【0038】
(D)第3実施例のレーク受信器
第1実施例では空間ダイバーシチを考慮していないが、空間ダイバーシチに対応できるように構成することができる。図10は指向方向が異なる2つの受信アンテナ(ブランチA、ブランB)を備えた場合に適用できる第3実施例のレーク受信器の構成図であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付している。
第1実施例では時間軸だけを考慮して希望信号に独立に逆拡散処理、遅延処理を施して合成しているが、第3実施例では、更に空間を独立した次元として扱っている。図10において、図3の第1実施例と異なる点は、以下の▲1▼〜▲5▼である。
【0039】
▲1▼ブランチA、Bのそれぞれに設けられたマッチトフィルタ31A,31B及び積分回路32A,32Bは、各アンテナ受信信号と希望波との相関を演算し、その積分値をパス選別部33に入力する。
▲2▼パス選別部は33は積分回路32A,32Bより出力する各積分相関値に基づいて、大きい順に3個の希望信号が到来するパスを選別すると共に、該パスを介して到来する希望信号の検出時間、パスが属するブランチを出力する。
▲3▼パス追従部34は、検出時間差が許容値以下であり、かつ、ブランチが同一のときパスが同一であると判定する。
▲4▼タイミング生成回路35は、各フィンガー部111〜113に割り当てたパスの検出時間及び該パスの属するブランチに基づいて、ブランチ選択信号B1〜B3、タイミング信号t1〜t3、遅延量信号d1〜d3を出力する。
▲5▼各フィンガー部111〜113の入力部に設けられたセレクタ24は、ブランチ選択信号B1〜B3が指示するブランチからのIch信号,Qch信号を取り込んで出力する。
【0040】
図11は第3実施例のパス選別部の構成図であり、図4の第1実施例のパス選別部とほぼ同様の構成を備えている。異なる点は、▲1▼第1〜第8回路331〜338のレジスタ33bが第1〜第8番目に大きい積分相関値R1〜R8及びその検出時間T1〜T8に加えて、パスのブランチ種別(ブランチA、B)を示すブランチ情報Brを記憶する点、▲2▼検出時間及び検出ブランチを出力する点である。
図12は第3実施例のパス追従部の構成図であり、図5の第1実施例のパス追従部とほぼ同様の構成を備えている。異なる点は、▲1▼第1〜第8フィンガー部に前回割り当てたパスのブランチ情報Brを記憶する記憶部41e及び前回のブランチ情報と今回のブランチ情報を比較する比較器41fとをパス同一性判定部411〜418に設けた点、▲2▼アンドゲート41cより、(1)式を満足し、かつ、ブランチが同一のときパスが同一であることを示すイネーブル信号E1〜E8を出力する点である。
【0041】
図13は第3実施例のパス割当ての説明図である。
最初のパス割当て時点において、相関値の大きい上位3個のパスはブランチAのパスb、ブランチBのパスi,gの順である。パス選別部33はこれら上位3個のパスb,i,gを選別してその検出時間及びブランチ情報をパス追従部34に入力する。初期時、パス追従部34はパスb,i,gの各検出時間及びブランチ情報を記憶すると共に、相関値が大きなパスb,i,gの順にパスを第1〜第3フィンガー部111,112,113に割り当てる。
第2のパス割当て時点において、相関値の大きい上位3個のパスはブランチAのパスd′、ブランチBのパスg′,i′の順である。パス選別部33はこれら上位3個のパスd′,g′、i′を選別してその検出時間及びブランチ情報をパス追従部34に入力する。パス追従部34は、今回選別した各パスd′、g′,i′の検出時間と前回選別した各パスb,i,gの検出時間との差が許容範囲内であり,かつ、ブランチが同じであるかチェックする。
【0042】
パス追従部34は、差が許容範囲内であり、ブランチが同じであれば、今回選別したパスが所定のフィンガー部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定する。例えば、パスgとパスg′、パスiとパスi′はそれぞれ同一パスであると判定する。ついで、パス追従部34は、パスg′,パスi′を介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をパスg,パスiのフィンガー部112,113に実行させる。
一方、パス追従部34は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったパスd′を同様にパス割当てされなかったフィンガー部111に割り当て、該フィンガー部111はそれまでのパスbと異なるパスd′から到来する希望信号に対して逆拡散及び遅延調整処理を行う。
以上のように、空間ダイバーシティを採用したレーク受信器において、パス同一性の条件に指向方向が同一であることも加えたから、ダイバーシティレーク受信器であっても、パス割当ての切替を正しく行うことができ、データ欠落を最小限に抑えることができる。
【0043】
(E)第4実施例のレーク受信器
第1実施例では2つの基地局と同時に通信することを考慮していないが、ソフトハンドオーバ時には同時に2以上の基地局と通信する必要がある。図14は同時に2以上の基地局と通信する場合に適用できる第4実施例のレーク受信器の構成図であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付している。
図3の第1実施例と異なる点は、
▲1▼パスサーチ部13に設けられた局設定部37が、これから受信しようとする相手送信局(基地局)に応じた拡散符号をマッチトフィルタ31に入力すると共に、局識別情報をパス選別部33に入力する点、
▲2▼マッチトフィルタ31は各基地局より受信した信号と希望波との相関を演算する点、
▲3▼パス選別部は33は積分回路32より入力する積分相関値に基づいて、大きい順に3個のパスを選別すると共に、該パスを介して到来する希望信号の検出時間及びパスが属する局識別情報BSを出力する点、
▲3▼パス追従部34は、検出時間差が許容値以下であり、かつ、局識別情報が同一のときパスが同一であると判定する点である。
【0044】
図15は第4実施例のパス選別部33の構成図であり、第3実施例のパス選別部(図11)と相違する点は、▲1▼第1〜第8回路331〜338がブランチ情報Brに替えて局識別情報BSを記憶する点、▲2▼検出時間及び局識別情報を出力する点である。
図16は第4実施例のパス追従部の構成図であり、図12の第3実施例のパス追従部と殆ど同一の構成を備えている。異なる点は、パス同一性判定部411〜418に、▲1▼ブランチ情報Brに替えて局識別情報BSを記憶する記憶部41e′及び前回の局識別情報と今回の局識別情報を比較する比較器41f′を設けた点、▲2▼アンドゲート41cより、(1)式を満足し、かつ、局識別情報が同一のときパスが同一であることを示すイネーブル信号E1〜E8を出力する点である。
【0045】
図17は第4実施例のパス割当ての説明図である。
最初のパス割当て時点において、相関値の大きい上位3個のパスは局Aからのパスb、局Bからのパスi,gの順である。パス選別部33はこれら上位3個のパスb,i,gを選別してその検出時間及び局識別情報BSをパス追従部34に入力する。初期時、パス追従部34はパスb,i,gの各検出時間及び局識別情報BSを記憶すると共に、相関値が大きなパスb,i,gの順にパスを第1〜第3フィンガー部111,112,113に割り当てる。
第2のパス割当て時点において、相関値の大きい上位3個のパスは局Aからのパスd′、局Bからのパスg′,i′の順である。パス選別部33はこれら上位3個のパスd′,g′、i′を選別してその検出時間及び局識別情報BSをパス追従部34に入力する。パス追従部34は、今回選別した各パスd′、g′,i′の検出時間と前回選別した各パスb,i,gの検出時間との差が許容範囲内であり,かつ、局識別情報が同じであるかチェックする。
【0046】
パス追従部34は、差が許容範囲内であり、局識別が同じであれば、今回選別したパスが所定のフィンガー部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定する。例えば、パスgとパスg′、パスiとパスi′はそれぞれ同一パスであると判定する。ついで、パス追従部34は、パスg′,パスi′を介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をパスg,パスiのフィンガー部112,113に実行させる。
一方、パス追従部34は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったパスd′を同様にパス割当てされなかったフィンガー部111に割り当て、該フィンガー部111はそれまでのパスbと異なるパスd′から到来する希望信号に対して逆拡散及び遅延調整処理を行う。
以上のように、ソフトハンドオーバ時などに2以上の基地局より伝送情報を受信すレーク受信器において、パス同一性の条件に送信局が同一であることも加えるようにしたから、ソフトハンドオーバ時などにパス割当ての切替を正しく行うことができ、データ欠落を最小限に抑えることができる。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0047】
【発明の効果】
以上本発明によれば、それまでフィンガー部に割り当てていたパスと今回選別したパスが同一であれば、パスのフィンガー部への割当てを変更しないから、パス割り当て時におけるデータ欠落を防止できる。
又、本発明によれば、遅延時間の差が所定時間内にあるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができ、しかも、DLL回路などを不要にできる。又、最新で最も確からしいパス推定結果に従って逆拡散を行うことにより高利得のレーク受信器を実現できる。
更に、本発明によれば、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったフィンガー部には、受信レベルの大きい希望信号が到来するパスを割り当てることができ利得を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーク受信器の基本構成図である。
【図2】本発明のパス割当て説明図である。
【図3】第1実施例のレーク受信器の構成図である。
【図4】パス選別部の構成図である。
【図5】パス追従部の構成図である。
【図6】パス追従部の動作説明用タイムチャートである。
【図7】第2実施例の説明図である。
【図8】第2実施例のレーク受信器の構成図である。
【図9】マスク制御部の構成図である。
【図10】第3実施例のレーク受信器の構成図である。
【図11】第3実施例のパス選別部の構成図である。
【図12】第3実施例のパス追従部の構成図である。
【図13】第3実施例のパス割当て説明図である。
【図14】第4実施例のレーク受信器の構成図である。
【図15】第4実施例のパス選別部の構成図である。
【図16】第4実施例のパス追従部の構成図である。
【図17】第4実施例のパス割当て説明図である。
【図18】無線機の構成図である。
【図19】パスサーチ部及びレーク合成/復調部の構成図である。
【図20】パスサーチ部におけるパスサーチ説明図である。
【図21】逆拡散回路例である。
【図22】パス割当ての切替時に生じるデータ欠落の説明図である。
【符号の説明】
111〜113・・フィンガー部(逆拡散/遅延調整部)
12・・合成部
13・・パスサーチ部
31・・相関器(マッチトフィルタ)
32・・パス選別部
33・・パス追従部
Claims (3)
- マルチパスのうち割り当てられたパスを介して到来する希望信号に逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量を加えて出力する複数の逆拡散/遅延調整部、各逆拡散/遅延調整部の出力を合成する合成部、各逆拡散/遅延調整部にパスを割り当てるパスサーチ部を備えたレーク受信器において、
前記パスサーチ部は、
受信信号と希望信号との相関を検出し、相関値と検出時間を出力する相関検出部、
相関値に基づいて逆拡散する希望信号が到来する複数のパスを選別するパス選別部、
前記選別したパスと各逆拡散/遅延調整部にそれまで割り当てていたパスとの検出時間の変化が所定時間内であるかどうかを判定し、所定時間内であれば該選別したパスを介して到来する希望信号についての前記検出時間における逆拡散処理及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させると共に、前記相関検出部で検出した検出時間を基に前記各逆拡散/遅延調整部に対して逆拡散タイミングと遅延量を設定するパス追従部、
を有することを特徴とするレーク受信器。 - 請求項1のレーク受信器において、
前記パスサーチ部におけるパスサーチにより、前記複数の逆拡散部のうち、ある一つの逆拡散部に指示した第1の逆拡散タイミングに対して、時間的なずれが所定時間内である第2の逆拡散タイミングが、前記パスサーチ部における更なるパスサーチで検出された場合に、該第2の逆拡散タイミングにおける逆拡散処理を、前記ある一つの逆拡散部が行なうように制御する制御手段、
を備えたことを特徴とするレーク受信器。 - 請求項1のレーク受信器において、
前記割当ての更新の際に、前記複数の逆拡散部のうち、第1のパスが割当てられた逆拡散部に対して、該第1のパスのタイミングとの間のずれが所定時間以内の第2のタイミングを有するパスを特定して該第2のタイミングにおける逆拡散処理を割当てる制御手段、
を備えたことを特徴とするレーク受信器。
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