JP3600529B2 - Cdma用受信機 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は直接拡散によるスペクトラム拡散通信方式(以下DS)におけるCDMA用受信機に係わり、特に、基準タイミングに同期させることが可能なCDMA用受信機に関する。
背景技術
ワイヤレスマルチメディア通信を実現する次世代の移動通信システムとして、DS-CDMA(Direct Sequence Code Division Multiple Access:直接拡散符号分割多元接続)技術を用いたデジタルセルラー無線通信システムの開発が進められている。かかるCDMA通信において、複数のチャンネルあるいはユーザの伝送情報は拡散符号により多重され、無線回線などの伝送路を通じて伝送される。
移動通信では、移動体の速度および搬送波の周波数によって決まる最大周波数をもった、ランダムな振幅・位相の変化、フェージングが起こり、これによって固定の無線通信に比較して、安定した受信が非常に難しい。このような周波数選択性フェージングの影響による劣化を軽減するものとして、スペクトラム拡散通信方式が有効である。それは挟帯域の信号を高帯域に拡散して送信するため、ある固有の周波数域で受信電界強度の落ち込みが生じても、その他の帯域から情報を誤り少なく復元できるからである。
又、移動通信では、遠くの高層ビルや山などからの遅延波により、受信機周辺の環境によって上記と同様のフェージングが生じるとマルチパスフェージング環境となる。DSの場合、この遅延波は拡散符号に対して干渉波となるため受信特性の劣化を招く。この遅延波を特性改善に積極的に用いる方法の一つとして、RAKE受信方式が知られている。これはマルチパスの各パスを介して到来する各遅延波毎に逆拡散を行ない、それぞれの遅延時間を揃え、受信レベルに応じて重み付けして加算することで合成するものである。
図23は従来のCDMA用無線機の構成例であり、1は送信系回路、2は受信系回路、3は送信信号をアンテナに送出し、受信信号を受信系回路に入力するデュプレクサ、4はアンテナである。送信系回路1において、1aは送信信号(送信データ)をコード化するコーダ、1bはマッピング部であり、例えば、フレームデータ(パイロット信号及び送信データ)を1ビットづつ交互に振り分けて同相成分(I成分:In-Phase compornent)データと直交成分(Q成分:Quadrature compornent)データの2系列のIシンボルデータDI,QシンボルデータDQに変換するもの、1c,1dはIシンボルデータ,QシンボルデータDI,DQに所定の拡散コードを用いて拡散変調を施す拡散器、1e,1fは波形成形用のフィルター、1g,1hは各フィルタ1e,1fの出力をDA変換するDAコンバータ、1iはIch信号、Qch信号にQPSK直交変調を施して出力する直交変調回路、1jはIFかRFへの周波数変換、高周波増幅等を行う無線部である。
受信系回路2において、2aはRFかIFへの周波数変換、高周波増幅等を行う無線部、2bは直交検波によりIch信号,Qch信号を復調する直交検波回路、2c,2dはIch,Qch信号をデジタルに変換するADコンバータ、2eはマルチパスをサーチするパスサーチ回路、2fはレーク合成/復調部であり、マルチパスのパス毎に逆拡散処理を実行し、逆拡散により得られたIシンボルデータ,QシンボルデータDI′,DQ′を元のデータに復調し、復調結果を合成して出力するもの、2gはデコーダである。
図24はパスサーチ部2eとレーク合成/復調部2fの構成図である。レーク合成/復調部2fは、マルチパスの各パスに応じて設けられたフィンガー部51,52,53、各フィンガー部の出力を合成するレーク合成部6を有している。パスサーチ部2eはマッチトフィルタ(MF:mached filter)7a、積分回路7b、パス選別部7c、タイミング生成部7dを備え、マルチパスを検出し、該マルチパスを構成する各パスを介して到来する信号の到来時刻あるいは基準時刻からの遅延時間を識別し、各パスに応じたフィンガー部に逆拡散開始のタイミングデータP1〜P3及び遅延時間調整データD1〜D3を入力する。
送信機より送られてくる信号の受信レベルは図25に示すようにマルチパスに応じて変化し、かつ、受信機への到達時刻も異なる。そこで、マッチトフィルタ7aは、受信信号に含まれる希望信号の自己相関を出力する。アンテナ4の受信出力には自分に割り当てられたチャンネル以外の他チャンネル成分も含まれているから、マッチトフィルタ7aは自チャンネルの拡散符号を用いてアンテナ受信信号より自チャンネルの信号成分(希望信号)を抽出して出力する。この場合、Ich信号とQch信号の相関値I,Qが独立して得られるから、例えば(I+jQ)(I−jQ)=I2+Q2の演算を行って電力値に出力する。
すなわち、マッチトフィルタ7aはマルチパスの影響を受けた直接拡散信号(DS信号)が入力すると、到来遅延時間と受信電界強度に応じた複数のピークを持つパルス列を出力し、積分回路7bを通してパス選別部7cに入力する。積分回路7bはフェージングによる瞬時的なレベルの落ち込みでの取こぼしを救済するためにマッチトフィルタ出力を時間平均してパス選別部7cに入力する。パス選別部7cは積分回路の積分出力(図25)を参照し、しきい値より大きなマルチパス信号MP1、MP2、MP3に基づいてマルチパスを検出し、マルチパスを構成する各パス及び遅延時間t1,t2,t3を検出し、各パスに応じたフィンガー部51,52,53に逆拡散開始のタイミングデータP1,P2,P3及び遅延時間調整データD1,D2,D3を入力する。なお、マルチパス信号MP1、MP2、MP3をその大きさ順に並べ、マルチパス信号が最大のパスを1番目のフィンガー51に割り当て、マルチパス信号が第2番目の大きさのパスを2番目のフィンガー52に割り当て、マルチパス信号が第3番目の大きさのパスを3番目のフィンガー53に割り当て、各フィンガー部は割り当てられたパスを介して到来する信号に以下の処理を行う。
各パスに応じたフィンガー部51,52,53は同一構成になっており、逆拡散回路5a、復調回路5b、遅延回路5cを有している。各逆拡散回路5aはパスサーチ部2eより指示されたタイミング(P1〜P3)で自チャンネルの拡散コードを用いて受信Ich信号,Qch信号に逆拡散処理を施す。復調回路5bは逆拡散により得られたIシンボルデータDI′,QシンボルデータDQ′を用いて元のデータを復調し、遅延回路5cはパスサーチ部2eより指示された時間(D1〜D3)遅延して出力する。この結果、各フィンガー部は送信機の拡散符号と同一タイミングで逆拡散し、かつ、パスに応じて遅延時間を調整し、位相を揃えてレーク合成部6に入力し、レーク合成部は入力信号を合成して出力する。
図26はフィンガー部における逆拡散回路の構成例であり、Ich信号とQch信号のそれぞれに逆拡散処理を施せるようになっている。8aは送信機と同一の拡散コードを発生する拡散コード発生部であり、符号長は1シンボル当りのチップ数Nで例えば256である。8bは1チップ毎にIch信号と拡散コードを乗算する乗算器、8b′は1チップ毎にQch信号と拡散コードを乗算する乗算器、8c,8c′は乗算結果を1シンボル周期にわたって積算(256回累積加算)する積分器で、8d,8d′は加算器、8e,8e′は1チップ時間遅延回路、8f,8f′はシンボルクロックで1シンボル周期の累積結果をラッチしてIシンボルデータDI′,DQ′を出力する出力レジスタである。
以上要約すれば、パスサーチ部2eのマッチトフィルタ7aにおいて受信信号と希望信号(予測される拡散符号列)との相関値を求め、その値が大きいものをパス選択部7cで選びその時間差を逆拡散回路5aへ通知する。図24では相関値の積分出力が大きい3つを逆拡散している。
このようにして検出される3つの確からしいパスの到来時間t1,t2,t3を、それぞれのフィンガー部51,52,53における逆拡散回路5aの逆拡散タイミングとする。各逆拡散回路5aでは、このようにして得られた逆拡散タイミングに合わせて逆拡散コードを発生し、受信データを逆拡散する。位相変調であれば、逆拡散により得られたI,Qシンボルデータから復調回路5bによって元のデータを復元する。その後それぞれの遅延量の中から、一番遅いものに合わせて他の2つの遅延回路5cでシフトして復元データの位置を揃える。これを加算することで合成信号を得る。この結果を図示しないデータ判定部の比較器で”0”,”1”判定し、受信データとする。場合によっては、レーク合成部6で合成前にそれぞれの受信レベルに応じた信頼度を乗じてから加算することで最大比合成する。
以上の説明では、DLL(Delay Locked Loop)回路を設けなかったが、実際には、図27に示すように、パスサーチ部2eと各フィンガー部51,52,53間にDLL回路91〜93が設けられている。パスサーチ部2eで同期捕捉しても何もしなければシステムクロックの周波数変動や送受信機間の距離変動、雑音の影響などで同期位置を見失ってしまう。このため、相関器7a′で同期捕捉に成功した時、受信側の逆拡散符号列が時間ずれを起こさないように制御する必要がある(同期追跡)。DLL回路91〜93はフィンガー部51〜53における逆拡散のタイミングをパスサーチ部2eの初期タイミングデータ生成部7dが指示するタイミングに同期するよう制御する。
図28はDLL回路の構成図である。9aは1シンボル期間毎にNチップの逆拡散符号列A1を循環的に発生する逆拡散符号発生器であり、初期タイミング生成部7dから出力するタイミングデータに応じた初期値がロードされる。9bは1チップ周期分逆拡散符号列A1を遅延して第2の逆拡散符号列A2を出力する遅延回路、9c,9dは逆拡散符号A1,A2にキャリア信号を乗算する乗算部、9eは第1の逆拡散符号列A1と受信信号(受信拡散符号列)Bをチップ毎に乗算する乗算器、9fは1チップ遅延した第2の逆拡散符号列A2と受信拡散符号列Bをチップ毎に乗算する乗算器、9g,9hはバンドパスフィルタ、9i,9jは包絡線検波器、9kは包絡線検波器9iの出力と包絡線検波器9jの出力の符号を反転したものを加算する加算器、9mはローパスフィルタ、9nはローパスフィルタ出力に基づいてクロック周波数(チップ周波数)を可変する電圧制御発振器(VCO)、9pはチップクロックをカウントして逆拡散タイミング信号を出力するカウンタである。
乗算器9eは逆拡散符号列A1と受信拡散符号列Bの相関を演算する機能を備え、これら符号の位相が一致していれば最大になる。従って、包絡線検波器9iは図29(a)に示すように1シンボル毎に1チップ周期幅の相関値R(τ)=1を出力し、位相が1チップ周期以上ずれると相関値R(τ)=1/Nを出力する。乗算器9fは1チップ周期遅延した第2の逆拡散符号列A2と受信拡散符号列Bの相関を演算する機能を備え、これら符号の位相が一致していれば最大になる。従って、包絡線検波器9jは図29(b)に示すように1シンボル毎に1チップ周期幅の相関値R(τ)=1を出力し、位相が1チップ周期以上ずれると相関値R(τ)=1/Nを出力する。加算器9kは包絡線検波器9iの出力と包絡線検波器9jの出力の符号を反転したものを加算することにより、位相差τに対して図29(c)に示すSカーブ特性を有する信号をローパスフィルタ93を介して出力する。
電圧制御発振器9gは、ローパスフィルタ出力に基づいて位相差τが0となるようにクロック周波数を制御する。例えば、逆拡散符号の位相が受信拡散符号に対して進めばクロック周波数を小さくして位相差が0となるように制御し、又、逆拡散符号の位相が受信拡散符号に対して遅れればクロック周波数を高くして位相差が0となるように制御する。
以上により、パスサーチ部2eで送信側の拡散符号列(受信拡散符号列)の位相を1チップ以内の精度で検出し(同期捕捉)、以後、DLL回路91〜93により同期追跡を行い、送信側拡散符号列の位相に同期した逆拡散符号列A1をフィンガー部に入力する。
移動通信では送受信機の一方もしくは両方の環境が時間と共に変化するため、パスサーチ部2eでは推移していく遅延量と受信レベルから、新たに検出した3つのパスがそれまで受信していた3つのパスと同じであることを推測し、レーク受信機は該3つのパスからの信号を用いてレーク受信制御する必要がある。また、始めに確からしかった3つのパス(受信強度が大きな3つのパス)とは別の遅延量の新たなパスがより確からしくなることもある。かかる場合、パスの割り当てを切り替える必要がある。従来のパス割り当ての切替は、マルチパス信号をその大きさ順に並べ、マルチパス信号が最大のパスを1番目のフィンガー51に割り当て、マルチパス信号が第2番目の大きさのパスを2番目のフィンガー52に割り当て、マルチパス信号が第3番目の大きさのパスを3番目のフィンガー53に割り当てるものであった。しかし、かかる割り当て方法では、新しく確からしいと推定されたパスの遅延量が小さいと、他の2つパスを介して送られてくる拡散周期の一部が欠落する。
図30はパス割り当ての切替時に生じるデータ欠落の説明図である。第1のパス割当て切替時点において、マッチトフィルタ7aより得られる5個のパスa〜eの相関値は大きさ順にb>d>e>a>cである。パス選別部7cは上位3個のパスb,d,eを選択し、パスbを第1のフィンガー部51に割り当て、パスdを第2のフィンガー部52に割り当て、パスeを第3のフィンガー部53に割り当てる。各フィンガー部51,52,53はそれぞれ時刻T11,T12,T13においてパスb,d,eから到来する信号に逆拡散処理を施し、得られた逆拡散信号を遅延時間d1,d2,d3遅延して位相を揃えて出力する。
ついで、第2のパス割当て切替時点において、マッチトフィルタ7aより得られる5個のパスa〜eの相関値は大きさ順にd>b>a>e>cになる。パス選別部7cは上位3個のパスd,b,aを選択し、パスdを第1のフィンガー部51に割り当て、パスbを第2のフィンガー部52に割り当て、パスaを第3のフィンガー部53に割り当てる。この結果、各フィンガー部51,52,53はそれぞれ時刻T21,T22,T23においてパスd,b,aから到来する信号に逆拡散処理を施し、得られた逆拡散信号を遅延時間d1′,d2′,d3′遅延して位相を揃えて出力する。以上より、第1、第2のパス割当て切替時点の間にパスbを介して受信した有効データが8シンボルであるとすれば、パスdを介して受信した有効データは6.7シンボル、パスeを介して受信した有効データは4.6シンボルである。このため、最長有効データ(=8シンボル)に対して、パスdよりのデータは1.3シンボル分欠落し(欠落部DF1)、パスeよりのデータは3.4シンボル分欠落する(欠落部DF2)。この欠落部では拡散利得が減小し、検出精度が劣化する。
又、確からしい3つのパスが変わらない場合であっても、そのマルチパス信号レベル(相関値)が変化するとパスの割り当て切替が行われて上述のデータ欠落が発生する。又、受信環境やシンボル周期によっては更に多くのシンボルが欠落し、場合によっては全パスからのデータが欠落する。
上記パスサーチ法では、受信レベルの大きいパスから始めてフィンガー部を順番に割り当てる。このパス割当方法は簡単に行える利点がある。しかし、前述のようにデータ欠落が発生し、しかも、同じ3つのパスであってもマルチパス信号レベル(相関値)により相互に入れ替わり、この入れ替りによりデータ欠落が発生する。
以上より、前回と今回のパスの同一性を正確に判定し、同一の場合には該パスのフィンガー部への割当てを変更しないようにする必要がある。
又、基地局と移動機の送受のクロックは非同期でスイープし、しかも、移動機のシステムクロックは変動する。このため、なんらかのタイミング同期を行なって移動機のタイミングを基地局の基準タイミングに同期させる必要がある。従来はDLL回路によりかかるタイミング制御を行っているが、DLL回路は、パス(フィンガー)毎に必要で、しかも、VCO、包絡線検波部、各種フィルタなどのアナログ回路を必要とする問題がある。
従って、本発明の目的は、パスの同一性を正確に判定し、同一の場合にはフィンガーへのパス割当てを変更しないようにすることである。
本発明の別の目的は、DLL回路を使用しないで基準タイミングに同期させることである。
本発明の別の目的は、デジタル的にDLL回路に相当するパス追従機能を備えたCDMA用受信機を提供することである。
発明の開示
CDMA用受信機おけるパスサーチ部を、(1)所定時間毎に受信信号と希望信号との相関を検出する相関検出部、(2)前記相関のピークレベルに基づいて希望信号が到来する複数のパスを選別すると共にピーク検出時刻を希望信号検出時刻とする選別部、(3)今回選別したパスを介して到来する希望信号の検出時刻と前回の検出時刻との差が許容範囲内であれば、今回選別したパスが所定の逆拡散/遅延調整部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定するパス判定部、(4)同一パスであれば該選別したパスを介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させるようパスの割当てを行うパス割当て部で構成し、タイミング制御部を、(1)前記同一パスにおける今回の検出時刻と基準時刻との差を演算する演算部、(2)各同一パスにおける前記時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み/遅れを制御するタイミング制御回路、で構成する。
このようにCDMA用受信機を構成すれば、それまでフィンガー部(逆拡散/遅延調整部)に割り当てていたパスと今回選別したパスが同一であれば、該パスのフィンガー部への割当てを変更しないから、パス割り当て時におけるデータ欠落を防止できる。
又、検出時刻の差が許容範囲(1チップ時間)内にあるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができる。
又、パスサーチ部で送信側の拡散符号列の位相を1チップ以内の精度で検出でき(同期捕捉)、しかも、各同一パスにおける今回の検出時刻と検出時刻との差の合計値に基づいてタイミング信号の進み/遅れを制御できる(同期追跡)。この結果、送受信機間の距離変動やシステムクロック変動が発生しても、各部のタイミングを基地局の基準タイミングに同期させることができ、DLL回路を不要にできる。尚、(1)各フィンガー部に新たなパスを割り当てた時の該パスにおける希望信号検出時刻を基準時刻とし、あるいは、(2)基地局との通信開始時に検出した基地局のフレーム開始時刻を基準時刻とする。
タイミング制御回路は、以下によりタイミングの進み、遅れを制御する。
第1の方法は、今回の検出時刻が基準時刻より遅いか、早いかに応じて、前記時刻差を+1,−1とし、各同一パスにおける時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する。このようにすれば、ハード構成を簡単にできる。
第2の方法は、今回の相関値の大きさ(受信レベル)に基づいて時刻差に重み付けを施し、各同一パスにおける重み付けされた時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する。このようにすれば、相関値が大きなパスに高信頼度を与えてタイミング制御(同期追跡制御)ができる。
第3の方法は、同一パスと判定されたパスの数を検出し、該パス数に基づいて時刻差の合計値を正規化し、得られた値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する。このようにすれば、電波環境によりマルチパス数が変化しても感度一定のタイミング制御(同期追跡制御)を行うことができる。
第4の方法は、前回と同一パスと判定されたパスで、相関値が所定レベル以上のパス数に基づいて時刻差の合計値を正規化し、得られた値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する。このようにすれば、電波環境をより考慮して感度一定のタイミング制御(同期追跡制御)を行うことができる。
タイミングの具体的な制御法は、(1)時刻差の合計値に基づいて電圧制御発振器(VCO)を制御してシステムクロックの周波数を制御し、あるいは、(2)高速クロック発振器から出力するパルスを分周してシステムクロックを発生する場合は、時刻差の合計値に基づいてパルスの挿入、抜き取りを行ってシステムクロック周波数を制御し、あるいは、(3)システムクロックを分周して各種タイミング信号を生成する場合は、時刻差の合計値に基づいて該分周比を制御することによりタイミングの進み、遅れを制御する。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明のCDMA用受信機の基本構成図である。
図2は本発明のパス割り当て説明図である。
図3は本発明のCDMA用受信機を備えた無線機の全体の構成図である。
図4は本発明のCDMA用受信機の要部構成図である。
図5はピーク検出動作説明図である。
図6は積分回路の構成図である。
図7は極値検出部の構成図である。
図8はパス選別部の構成図である。
図9はパス追従部の構成図である。
図10はパス追従部の動作説明用タイムチャートである。
図11は逆拡散タイミング生成部の構成図である。
図12はタイミング制御部における演算部の構成図である。
図13はタイミング制御部におけるタイミング制御回路の第1の構成図である。
図14はタイミング制御部におけるタイミング制御回路の第2の構成図である。
図15はタイミング制御部におけるタイミング制御回路の第3の構成図である。
図16はタイミング制御部におけるタイミング制御回路の第4の構成図である。
図17は有効パス数による正規化の例を示す図表である。
図18は有効パス計数部を備えたパス追従部の構成図である。
図19は有効パス計数部を備えたパス追従部の別の構成図である。
図20はタイミング制御部における演算部の別の構成図(位相差に応じた数値を出力)である。
図21はタイミング制御部における演算部の別の構成図(受信レベルに応じた重み付け)である。
図22はタイミング制御部における演算部の別の構成図(基準時刻固定)である。
図23は従来のCDMA用無線機の構成図である。
図24は従来のパスサーチ及びレーク合成/復調部の構成図である。
図25はパスサーチ部によるパスサーチ説明図である。
図26は逆拡散回路の例である。
図27はDLLを備えたパスサーチ部及びレーク合成部の構成図である。
図28はDLL回路の構成図である。
図29はDLLのSカーブ説明図である。
図30はパス割り当ての切替時におけるデータ欠落の説明図である。
発明を実施するための最良の形態
(A)本発明の概略
図1は本発明のCDMA用受信機の基本構成図である。図中、111〜113はフィンガー部(逆拡散/遅延調整部)で、割り当てられたパスを介して到来する3つの遅延希望波b,d,eにタイミングt1〜t3で逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量d1〜d3を加えて出力するもの、12は各フィンガー部の出力を合成する合成部、13は各フィンガー部にパスを割り当てるパスサーチ部、14はタイミングを基準タイミングに同期させるタイミング制御部である。
パスサーチ部13は、受信信号と希望信号との相関を検出する相関器31、相関のピークレベルに基づいて希望信号が到来する複数のパスを選別すると共に、ピーク検出時刻を希望信号検出時刻とするパス選別部34、選別されたパスがいずれかのフィンガー部にそれまで割り当てていたパスと同一であれば、引き続き該フィンガー部に逆拡散/遅延調整処理を実行させるパス追従部35を有している。
パス追従部35は、(1)各フィンガー部に新たなパスを割り当てた時の該パスの希望信号検出時刻をそれぞれ基準時刻Trjとして記憶すると共に、該パスの最新(前回)の希望信号検出時刻を記憶する検出時刻記憶部41、(2)今回選別したパスを介して到来する希望信号の検出時刻と記憶部に記憶してある前回の検出時刻との差が許容範囲内であれば、今回選別したパスが所定のフィンガー部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定するパス判定部42、(3)同一パスであれば該選別したパスを介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一のフィンガー部に実行させるようパスの割当てを行うパス割当て部43を備えている。
タイミング制御部14は、(1)同一パスにおける今回の検出時刻と該パスの基準時刻との差を演算する演算部51、(2)各同一パスにおける時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み/遅れを制御するタイミング制御回路52を備えている。
パス追従部35は、パス同一性の判定のためにDLL回路と同様に擬似的なSカーブをウィンドウとして用意し、該Sカーブウィンドウ内に新たに相関検出したタイミングが存在すればパスが同一であると推定する。具体的には、前回いずれかのフィンガー部に割り当てたパスの相関値の検出タイミング(前記の希望信号検出時刻)(T0)と今回選別したパスの相関値の検出タイミング(今回の希望信号検出時刻)(T1)とが±δチップ以内にあるかを判断する(δ=0.5チップ)。すなわち、次式
0−δ<T1<T0+δ
を満足するかチェックし、満足すれば、パスが同一であると推定する。そして、同一であれば、パス追従部35は今回選別したパスをそれまでと同一のフィンガー部に割り当てる。又、パス追従部35は以上のパス同一性に基づいてパス割り当てをしないフィンガー部には、同じく割り当てされなかった選別パスを個別に強制的に割り振る。これらは新たに生じた確からしいパスであるので、それまでのパスのタイミングとは大幅に変わっている可能性があるが、受信レベルの低いパスが切り捨てられ、その合成による利得も小さいので、欠落による影響は小さい。
以上により、パスフィンガー部へのパス割り当てが完了すれば、各パスを介して到来した希望信号の検出時刻(T1)を各フィンガー部に入力して逆拡散演算を行わせる。
検出時刻記憶部41は、前述のようにフィンガー部111〜113に新たにパスを割り当てた時の該パスの希望信号検出時刻を基準時刻Tr1〜Tr3として記憶している。タイミング制御部14の演算部51は、パス同一であると判定されたパスにおける今回の希望信号検出時刻T1と記憶部に記憶されている基準時刻との差を演算し、タイミング制御回路52は同一であると判定された全パスにおける前記時刻差の合計値に基づいて、システムクロックの周波数を制御してタイミングの進み/遅れを制御する。
以上により、パスサーチ部13で送信側の拡散符号列の位相を1チップ以内の精度で検出し(同期捕捉)、以後、タイミング制御部14でタイミング信号の進み/遅れを制御する(同期追跡)。
(B)本発明のパス割り当て制御
図2はパス割当ての説明図である。最初のパス割当て時点において、相関検出部31より得られる5個のパスa〜gの相関値は大きさ順にb>d>e>c>aである。パス選別部34はフィンガー数(=3)の上位3個のパスb,d,eを候補パスとして選別し、相関値順にそれぞれの検出時刻T1,T2,T3をパス追従部35に出力する。初期時、パス追従部35は検出時刻T1,T2,T3を記憶すると共に、相関値が大きな候補パスb,d,eの順にパスを第1〜第3フィンガー部111,112,113に割り当てる。すなわち、初期時、パス追従部35はパスbを第1のフィンガー部111に割り当て、パスdを第2のフィンガー部112に割り当て、パスeを第3のフィンガー部113に割り当て、それぞれのフィンガー部に逆拡散開始タイミングt1〜t3及び遅延時間d1〜d3を入力する。各フィンガー部111,112,113はそれぞれ時刻t1、t2、t3においてパスb,d,eから到来する信号に逆拡散処理を施し、得られた逆拡散信号を遅延時間d1,d2,d3遅延して位相を揃えて出力する。
ついで、第2のパス割当て時点において、相関検出部31より得られる5個のパスa′〜e′の相関値は大きさ順にd′>b′>a′>c′>e′になる。パス選別部34はフィンガー数(=3)の上位3個のパスd′,b′,a′を候補パスとして選別して、相関値順にそれぞれの検出時刻T1′,T2′,T3′をパス追従部35に出力する。これにより、パス追従部35は、▲1▼相関値順に今回選別した候補パスd′の検出時刻T1′と前回記憶してある各検出時刻T1〜T3との差が許容範囲内であるかチェックし、▲2▼ついで、2番目に大きい候補パスb′の検出時刻T2′と記憶してある各検出時刻T1〜T3との差が許容範囲内であるかチェックし、▲3▼最後に、検出時刻T3′と記憶してある各検出時刻T1〜T3との差が許容範囲内であるかチェックする。
パス追従部35は、▲1▼〜▲3▼のそれぞれにおいて差が許容範囲内であれば、今回選別したパスが所定のフィンガー部にそれまで割り当てていたパスと同一であると判定する。例えば、検出時刻T1と検出時刻T1′との差及び検出時刻T2と検出時刻T2′との差が共に許容範囲内となるから、パスbとパスb′、パスdとパスd′はそれぞれ同一パスであると判定する。
ついで、パス追従部35は、パスb′,パスd′を介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をパスb,パスdのフィンガー部に実行させる。すなわち、パス追従部35はパスb′を第1のフィンガー部111に割り当て、パスd′を第2のフィンガー部112に割り当て、それぞれのフィンガー部に逆拡散開始タイミングt1′,t2′及び遅延時間d1′,d2′を入力する。このように、パスb,dと今回選別したパスb′,d′が同一であれば、パスb′,パスd′を介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をパスb,パスdのフィンガー部111,112に引き続き行わせるから、パス割り当て時においてフィンガー部111,112においてデータ欠落は発生しない。又、検出時刻の差が許容範囲内であるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができる。
一方、パス追従部35は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったフィンガー部113には、同様に割り当てられなかったパスa′を割り当て、該フィンガー部113に逆拡散開始タイミングt3′及び遅延時間d3′を入力する。この結果、フィンガー部113はそれまでのパスeと異なるパスa′から到来する希望信号に対して逆拡散及び遅延調整処理を行う。このため、パスeからのデータが3.4シンボル欠落し(欠落部DF)、この欠落により拡散利得は減小するが、全体でのデータ欠落数を最小にでき、検出精度を従来に比べて向上することができる。
(C)実施例
(a)無線機の全体の構成
図3は本発明のCDMA用受信機を備えた無線機の構成図であり、図23と同一部分には同一符号を付している。1は送信系回路、2は受信系回路、3は送信信号をアンテナに送出し、受信信号を受信系回路に入力するデュプレクサ、4はアンテナである。送信系回路1において、1aは送信信号(送信データ)をコード化するコーダ、1bはマッピング部であり、例えば、フレームデータ(パイロット信号及び送信データ)を1ビットづつ交互に振り分けて同相成分(I成分:In-Phase compornent)データと直交成分(Q成分:Quadrature compornent)データの2系列のIシンボルデータDI,QシンボルデータDQに変換するもの、1c,1dはIシンボルデータ,QシンボルデータDI,DQに所定の拡散コードを用いて拡散変調を施す拡散器、1e,1fは波形成形用のフィルタ、1g,1hは各フィルタ1e,1fの出力をDA変換するDAコンバータ、1iはIch信号、Qch信号にQPSK直交変調を施して出力する直交変調回路、1jはIFかRFへの周波数変換、高周波増幅等を行う無線部である。
受信系回路2において、2aはRFかIFへの周波数変換、高周波増幅等を行う無線部、2bは直交検波によりIch信号,Qch信号を復調する直交検波回路、2c,2dはIch,Qch信号をデジタルに変換するADコンバータ、2gはデコーダである。又、11はレーク合成/復調部であり、複数のフィンガー部111〜113(図1)を備えている。13はパスをサーチしてフィンガー部に割り当てるパスサーチ部、14は基準タイミングに同期させるタイミング制御部、15はタイミング制御部によりクロックMCLKの周波数を制御されるクロック発生部である。
(b)本発明のCDMA用受信機
図4は本発明のCDMA用受信機の要部構成図である。
111〜113はそれぞれフィンガー部(逆拡散/遅延調整部)あり、割り当てられたパスを介して到来する希望信号に指示されたタイミングt1〜t3に基づいて逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量d1〜d3を加えて出力するもの、12は各フィンガー部の出力を合成する合成部、13は各フィンガー部にパスを割り当てるパスサーチ部、14はタイミングを基準タイミングに同期させるタイミング制御部である。
各フィンガー部111〜113は同一構成になっており、逆拡散回路21、復調回路22、遅延回路23を有している。各逆拡散回路21はパスサーチ部13より指示された逆拡散タイミング(t1〜t3)で自チャンネルの拡散コードを用いて受信Ich信号,Qch信号に逆拡散処理を施す。復調回路22は逆拡散により得られたIシンボルデータDI,QシンボルデータDQを用いて元のデータを復調し、遅延回路23はパスサーチ部13より指示された時間(d1〜d3)遅延して出力する。この結果、各フィンガー部111〜113は送信機の拡散符号と同一タイミングで逆拡散し、かつ、パスに応じて遅延時間を調整し、位相を揃えてレーク合成部12に入力し、レーク合成部12は入力信号を合成して出力する。
パスサーチ部13は相関検出を行うマッチトフィルタ(MF)31、相関値を積分して出力する積分回路32、極値検出部33、パス選別部34、パス追従部35、タイミング生成部36を有している。
マッチトフィルタ31は自チャンネルの拡散符号を用いてアンテナ受信信号より自チャンネルの信号成分(希望信号)を抽出して出力する。この場合、Ich信号とQch信号の相関値I,Qが独立して得られるから、例えば(I+jQ)(I-jQ)=I2+Q2の演算を行って電力値にして出力する。積分回路32は、フェージングによる瞬時的なレベルの落ち込みでの取こぼしを救済するためにマッチトフィルタ出力を時間平均して出力する。極値検出部33は積分相関値のピークを検出して出力する。パス選択部34は該ピーク値に基づいて大きい順にフィンガー数の希望信号到来パスを選別すると共に、該パスを介して到来する希望信号の検出時刻を出力する。ピーク検出部33は1チップ範囲内に複数のピークが存在する場合には、大きい方のピークを検出して出力する。
拡散符号は前後1チップ程度に有意な相関が現れるため、この範囲に別の遅延パスが存在すれば、相関器からはそれらの合成された相関値が出力される(図5参照)。この合成した相関値に1チップ範囲内に複数のピークPK1,PK2が存在する場合、最大ピークPK1をフィンガー部に割り当てることは有効であるが、それ以下の小さい値のピークPK2は、より遅延差のある他のピークPK3を合成するよりも有効であるかどうか相関値だけで判定できない。これは、図5に示すように実際はピークPK3より小さなピークPK2がピークPK1の影響でピークPK3より大きくなっている場合があるからである。又、チップ範囲内ではノイズにも相関があるため、レーク合成したときにノイズ成分が相殺されず、期待した利得が得られないからである。そこで、極値検出部33はこの1チップ範囲で最大値をとるピークPK1だけをパス選別の候補とし、最大でないピークPK2をパス選別から除外する。
パス追従部35は、検出時刻記憶部41、パス判定部42、パス割当て部43を備えている。検出時刻記憶部41は、各フィンガー部に新たなパスを割り当てた時の該パスの希望信号検出時刻を基準時刻として記憶すると共に、該パスの最新(前回)の希望信号検出時刻を記憶する。パス判定部42は、パス選別部34で選別したパスがそれまで選別していたいずれかのパスと同一であるか否かを、希望信号検出時刻に基づいて判定する。パス割当て部43は、▲1▼判定の結果、同一パスであれば今回選別したパスを介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一のフィンガー部に実行させるようパスの割当てを行う。すなわち、今回とそれまでのパスが同一であれば、引き続きそれまでと同一のフィンガー部に逆拡散/遅延調整処理を実行させる。又、▲2▼パス割当て部43は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったフィンガー部には、受信レベル順に選別した強制的に割り当てる。
タイミング生成部36は各フィンガー部111〜113に割り当てたパスの検出時刻T1〜T3に応じて各フィンガー部の逆拡散開始タイミングデータt1〜t3及び遅延時間データd1〜d3を生成して各フィンガー部111〜113に入力する。
(c)パスサーチ部
(1)積分回路
図6は積分回路32の構成図であり、nフレーム分の各サンプリング時刻における相関値の時間平均を計算して出力するようになっている。アドレスカウンタ32aはフレームタイミングによりアドレスをリセットすると共に、以後、マスタークロックMCLKが発生する毎にアドレスADRを歩進し、かつ、1クロック毎にリードサイクル/ライトサイクル信号RWSを出力する。RAM32bはマスタークロックMCLKでサンプリングした相関値をサンプリング時刻毎に積分して記憶するものであり、N個のマスタークロックで1フレームを構成するものとすれば、N個の相関積分値を記憶する。RAM32bは、リードサイクルにおいて、アドレスADRが示す相関積分値をバッファ32cを介して加算器32dに入力し、ライトサイクルにおいてバッファ32eを介して入力する加算結果(積分相関値)を記憶する。加算器32dはマスタークロック発生毎に相関値入力と積分相関値(RAM出力)を加算してレジスタ32fに格納し、レジスタ32fはライトサイクルにおいて加算結果をバッファ32eを介してRAM32bに入力し、所定のアドレスに格納する。
(2)極値検出部
図7は極値検出部33の構成図である。
極値検出部33は1チップ範囲で最大値をとるピークだけをパス選別の候補とし、最大でないピークをマスクしてパス選別から除外する。極値検出部33はチップ周波数の4倍の周波数で動作するようになっており(4サンプリング/1チップ)、ピーク検出部331、最大ピーク検出部332、4進カウンタ(タイマ)333、積分相関値を1チップ期間遅延する遅延部334、1チップ範囲内で複数ピークが存在する場合には最大ピークのみを出力するゲート回路335を有している。
ピーク検出部331において、記憶部33aは積分相関値を記憶し、比較器33bは今回のサンプリング値(積分相関値)と前回のサンプリング値を比較し、今回のサンプリング値が大きいときハイレベルの信号を出力し、D型フリップフロップ33cは比較器出力を記憶し、アンドゲート33dは増加から減小に転じた時点でピーク検出信号PDを出力する。最大ピーク検出部332において、33eは1チップ内の最大ピークを記憶する記憶部、比較器33fはそれまでの最大ピークと検出されたピークの大小を比較し、今回のピークが大きければ最大ピーク検出信号MPDを出力し、アンドゲート33gは最大ピーク検出信号MPD発生時に極値検出信号PKDTを出力し、記憶部33aに記憶されている値を最大ピーク値として記憶部33eに記憶する。4進カウンタ333は最大ピークが検出される毎にリセットし、次の1チップ期間(相関性を有する範囲)に新たな最大ピークを検出しなければ計数値3のタイミングデータ有効信号DTEを出力し、ゲート回路335と記憶部33eに入力する。
ゲート回路335はデータ有効信号DTEの発生タイミングで開く。このとき、遅延部334より1チップ期間遅延した積分相関値がゲート回路に入力しているから、ゲート回路335は最大ピークを出力する。すなわち、ゲート回路は1チップ範囲内に複数ピークが存在する場合には最大ピークのみ出力し、それ以外のピークをマスクする。この結果、公団のパス選別部34は1チップ期間内で最大のピークのみ用いてパス選別制御を行う。すなわち、1チップ範囲で最大値をとるピークだけをパス選別の候補として、最大でないピークをパス選別から除外する。なお、データ有効信号DTEにより記憶部33eはリセットされる。
(3)パス選別部
図8はパス選別部の構成図であり、極値検出部33から入力する積分相関値R0とその相関検出時刻(スロットカウンタ値)T0を入力され、大きい順に8個の相関値R1〜R8とその検出時刻T1〜T8を選別するものである。8個選別するということは8個のフィンガー部が存在するものとしている。又、スロットカウンタ値は図6の積分回路におけるアドレスカウンタ32aのカウント値である。
図8において341〜348は第1〜第8番目に大きい積分相関値R1〜R8及びその検出時刻T1〜T8を記憶するための回路であり、それぞれ同一構成を有し、比較器34aとD型FF構成のレジスタ34bとセレクタ34cを備えている。比較器34aは、入力する積分相関値Ri-1(i=1〜8)とレジスタ34bに記憶してある積分相関値Ri(i=1〜8)の大小を比較し、Ri-1>Riであればハイレベルのイネーブル信号ENSを出力する。セレクタ34cはRi-1>Riであればレジスタ34bに記憶されている積分相関値Riと検出時刻Tiを選択して次段に出力し、Ri-1≦Riであれば入力した積分相関値Ri-1とその検出時刻Ti-1を選択して次段に出力する。レジスタ34bはRi-1>Riであれば入力した積分相関値Ri-1とその検出時刻Ti-1を新たに記憶し、Ri-1≦Riであれば記憶内容を変更しない。以上により、パス選別部34は大きい順に8個の相関値R1〜R8とその検出時刻T1〜T8を順に各回路341〜348のレジスタ34bに記憶し、検出時刻T1〜T8を次段のパス追従部35に出力する。
(4)パス追従部
図9はパス追従部の構成図、図10はパス追従部の動作説明用タイムチャートである。35aは8*2進のカウンタであり、0〜7を計数する8進カウンタ部とそのオーバフローパルスをカウントしてWRITE/READ信号をそれぞれ出力する2進カウンタ部で構成されている。35bはWRITE時(パス同一性判定時)及びREAD時(パス強制割当て時)に計数値0〜7により第1〜第8番目の検出時刻T1〜T8を順次選択して出力するセレクタ、411〜418は第1〜第8フィンガー部に対応して設けられた検出時刻記憶部、421〜428は第1〜第8フィンガー部に対応して設けられ、今回とそれまでの選別パスの同一性を判定するパス同一性判定部、43はパス同一性判定に基づいて割り当てられなかったフィンガー部にパスを強制的に割り当てるパス割当て部である。
(4-1)検出時刻記憶部
検出時刻記憶部411〜418は、各フィンガー部に強制的に新たなパスを割り当てた時の該パスの希望信号検出時刻を基準時刻Trj(j=1〜8)として記憶する基準時刻記憶部41a1〜41a8と、該パスの最新(前回)の希望信号検出時刻Tj′(j=1〜8)を記憶する前回検出時刻記憶部41b1〜41b8を備えている。
(4-2)パス同一性判定部
第1〜第8パス同一性判定部421〜428は同一の構成を備え、セレクタ35bから出力する今回の検出タイミングTiと前回の検出タイミングTj′を比較し、次式
Tj′−δ<Ti<Tj′+δ(j=1〜8) (1)
を満足するかチェックする比較器42a、アンドゲート42b、▲1▼上式を満足するとき(DETj="1")及び▲2▼後述の強制取り込みパルスPj(j=1〜8)発生時にそれぞれイネーブル信号Ei(i=1〜8)を出力するオアゲート42cを有している。但し、(1)式においてδは0.5チップ、1チップは4サンプルであるからδ=2である。
WRITE時(パス同一性判定時)、セレクタ35bは計数値iに応じた第i検出時刻Tiを出力し、各パス同一性判定部421〜428の比較部42a及びアンドゲート42bは(1)式を満足するかチェックする。上式を満足すれば、検出時刻Tiのパスとそれまで第jフィンガー部に割り当てていたパスとが同一であると推定する。例えば、今回の第i検出時刻Tiが第1のパス同一性判定部421において、(1)式を満足すれば(j=1)、第1パス同一性判定部421は該検出時刻Tiを記憶部41b1に記憶する。又、第1パス同一性判定部421は該検出時刻Tiを第1フィンガー部に割り当てたパスの検出タイミングとしてタイミング生成回路36(図4)に入力する。
(4-3)パス割当て部
パス割当て部43は、オアゲート43a、RAM43b、パス割当てフィンガー記憶部43c、優先判定回路43dを有している。オアゲート43aは、第1〜第8パス同一性判定部421〜428より出力するイネーブル信号E1〜E8のオアを演算して出力する。すなわち、オアゲート43aはパス同一性判定によりパスが同一であると判定された時にハイレベルの信号PTSを出力する。
RAM43bは、WRITEイネーブル時(パス同一性判定時)にカウンタ35aの計数値0〜7が示すアドレスにオアゲート出力(”1”又は”0”)を書き込み、READイネーブル時(パス強制割当て時)にカウンタ35aの計数値0〜7が示すRAMアドレスよりデータを読み出して出力する。すなわち、RAM43bは、第1〜第8検出時刻T1〜T8に応じた記憶領域を有し、パス同一と判定された時の検出時刻に応じた記憶領域に”1”を書き込み、パス強制割当て時に各記憶領域より順次記憶内容を出力する。
パス割当てフィンガー記憶部43cは第1〜第8フィンガー部に応じた記憶領域を有し、パス割当てされたフィンガー部に応じた記憶領域に”1”を記憶する。すなわち、パス同一性判定によりパスが第iフィンガー部に割り当てられるとハイレベルのイネーブル信号Eiが出力するから第iフィンガー部に応じた記憶領域に”1”を記憶する。又、強制的パス割当てにより第jフィンガー部にパスを割り当てると、ハイレベルのイネーブル信号Ejが出力するから第jフィンガー部に応じた記憶領域に”1”を記憶する。
優先判定回路43dは、パス同一性判定により割り当てられなかったパスを同様に割り当てられなかったフィンガー部に強制的に割り当てるものである。すなわち、RAM43bの記憶内容より割り当てられなかった検出時刻(パス)を判別し、記憶部43cの記憶内容よりパスが割り当てされなかったフィンガー部を判別し、該フィンガー部に割り当てられなかった時間(パス)を割り当てる。
READ時(パス強制割当て時)、優先判定回路43dは、カウンタ35aの計数値iが示すRAM43bの記憶内容を参照して第i検出時刻Tiに応じたパスがパス同一性判定によりいずれかのフィンガー部に割り当てられたかチェックする。割り当てられていなければ、記憶部43cを参照してパス割当てされていないフィンガー部を若い番号から順に求める。第jフィンガー部がパス割当てされていなければ、優先判定回路43dは第jフィンガー部に対応する第jパス同一性判定部42jに強制取り込み信号Pjを出力してパスを割り当てる。以上と並行してセレクタ35bは計数値iに応じた第i検出時刻Tiを出力する。
この結果、第jパス同一性判定部42jの記憶部41ajは該検出時刻Tiを、第jフィンガー部に新たなパスを割り当てた時の最初の希望信号検出時刻(基準時刻)Trjとして記憶する。又、第jパス同一性判定部のオアゲート42cからイネーブル信号Ejが発生するから、記憶部41bjは該検出時刻Tiを該パスの最新の希望信号検出時刻Tj′として記憶し、かつ、該検出時刻をタイミング生成回路36(図4)に入力する。更に、ハイレベルのイネーブル信号Ejによりパス割当てフィンガー記憶部43cは第jフィンガー部に応じた記憶領域に”1”を記憶する。以後、同様の処理を行って、パス強制割当てを行う。
図10は第2パス判定部422(DET2="1")→第1パス判定部421(DET1="1")→第8パス判定部428(DET8="1")の順にパス同一と判定された場合において、第3〜第7フィンガー部に強制的にパスを割り当てる場合のタイムチャートを示している。
(5)タイミング生成部
図11はタイミング生成部36の構成図である。マスターフレームカウンタ36aはマスタークロックをカウントしフレーム周期でフレームパルスFPを発生する。逆拡散タイミング発生部36b1〜36b8において、J-Kフリップフロップ36cはフレームパルスFPによりリセットされ、比較部36dはカウンタ36aのカウント値と希望信号検出時刻T1〜T8が一致した時にハイレベルの一致信号CI出力し、アンドゲート36eは一致信号CIの発生によりフレームカウンタ36fをリセットする。フレームカウンタ36fはマスタークロックを計数すると共に内容が零になる毎に逆拡散タイミング信号t1を出力する。
(d)タイミング制御部
(1)演算部
図12はタイミング制御部14(図4)における演算部51の構成図である。演算部51は第1から第8フィンガー部に対応して同一構成の第1〜第8演算部511〜518を有している。各演算部511〜518の比較部51aはセレクタ35b(図9参照)から順次出力する希望信号検出時刻T1〜T8と記憶部41a1〜41a8に記憶してある基準時刻Trj(j=1〜8)を比較し、基準時刻の方が大きければ出力端子GTからハイレベルの位相進み信号(数値1に対応)を、基準時刻の方が小さければ出力端子LTからハイレベルの位相遅れ信号(数値1に対応)を出力し、等しい時はいずれの端子から信号を出力しない。
各演算部511〜518のレジスタ51b,51cは強制取り込み信号P1〜P8によりクリアされると共に、今回選別されたパスとそれまで第1〜第8フィンガー部に割り当てていたパスとが同一であると推定されたとき(DET1〜DET8="1")、比較部51aの出力信号(数値1または0)をそれぞれ記憶し、位相進み情報A1〜A8及び位相遅れ情報D1〜D8として出力する。
以上より、今回選別したパスがそれまで第jフィンガー部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定されると、第jフィンガー対応の演算部51jは今回の検出時刻と基準時刻Triとの差を演算し、その大小に応じて1または0の位相進み情報、位相遅れ情報を出力する。
(2)タイミング制御回路
(2-1)第1実施例
図13はタイミング制御部14(図4)におけるタイミング制御回路52の第1実施例である。この第1実施例は全パスを均等に扱い、システムクロックを発生するクロック発生部の発振周波数を位相の進み遅れに応じて直接制御して位相変化を零にする(同期保持する)ものである。
第1の加算回路52aは8個の位相進み情報A1〜A8を加算し、第2の加算回路52bは8個の位相遅れ情報D1〜D8を加算する。演算部52cは第1、第2の加算回路の加算結果を減算し、積分回路52dは演算結果を積分し、DA変換器52eは積分結果をアナログに変換してVCO構成のクロック発生器52fの発振周波数を制御する。
基準時刻からの位相の進みが大きいと第1加算回路52aの出力は大きくなり、又、基準時刻からの位相の遅れが大きいと第2加算回路52bの出力が大きくなる。従って、位相の進み/遅れの程度に応じて演算部52c、積分回路52の出力が変化し、これにより、クロック発生器52fは位相変化が零となるように発振周波数を変化する。すなわち、クロックの周波数変動や送受信機間の距離変動等により、タイミングが変化して位相が遅れあるいは進むとAD変換器出力が正あるいは負になって、位相変化を零となるようにフィードバック制御が行われる。
(2-2)第2実施例
図14はタイミング制御回路52の第2実施例であり、マスタークロックを発生する発振器として高周波発振器を用い、位相の進み遅れに応じてパルスの挿入、抜き取りを行い、クロック周波数を制御して位相変化を零にする(同期保持する)ものである。
第1の加算回路52aは8個の位相進み情報A1〜A8を加算し、第2の加算回路52bは8個の位相遅れ情報D1〜D8を加算する。演算部52cは第1、第2の加算回路の加算結果を減算し、RWF(Random Walk Filter)回路52gは演算結果を加算し容量を越えるとオーバーフロー/アンダーフローを出力する。高速のクロック発振器52hは必要なシステムクロックの2倍以上の高速のマスタークロックをを発生する。クロック制御部52iはクロック発振器52hから出力するパルスを分周(通常は2分周)して所定周波数のシステムクロックパルスを発生すると共に、位相が遅れてオーバーフローがRWF回路52gより発生すると、該システムクロックパルスに付加パルスを挿入してクロック周波数を高くし、位相が進んでアンダーフローがRWF回路52gより発生するとシステムクロックパルスよりパルスを抜き取ってクロック周波数を低下する。
以上により、クロック制御部52iは位相変化が零となるようにクロック周波数を制御する。すなわち、クロックの周波数変動や送受信機間の距離変動等により、タイミングが変化して位相が進みあるいは遅れると位相変化が零となるようにフィードバック制御が行われる。
クロック挿抜を行なうためには、マスタークロックは必要なシステムクロックの2倍以上の高速なものになるが、アナログ部品を削減することができる。また積分回路としてRWFなどの周波数情報を保持しないものを使用できる。
(2-3)第3実施例
図15はタイミング制御回路52の第3実施例であり、第2実施例のクロック制御部52iの動作をクロック挿入/抜き取り動作からクロックイネーブル動作に変えた場合の構成である。
第1の加算回路52aは8個の位相進み情報A1〜A8を加算し、第2の加算回路52bは8個の位相遅れ情報D1〜D8を加算する。演算部52cは第1、第2の加算回路の加算結果を減算し、RWF回路52gは演算結果を加算し容量を越えるとオーバフロー/アンダーフローを出力する。クロック制御部52i′はプリセットカウンタ機能を備え、クロック発振器52h′から発生するシステムクロックを分周してプリセット数値に応じた周波数を有するタイミングパルス、例えばフレームパルスを出力する。又、クロック制御部52i′は位相が遅れてオーバフローがRWF回路52gより発生すると、プリセット数値を増加してタイミングパルスの位相を遅らせ、位相が進んでアンダーフローがRWF回路52gより発生するとプリセット数値を減少してタイミングパルスの位相を遅らせる。
以上により、クロック制御部52i′は位相変化が零となるようにクロック周波数を制御する。すなわち、クロックの周波数変動や送受信機間の距離変動等により、タイミングが変化して位相が進みあるいは遅れると位相変化を零となるようにフィードバック制御が行われる。
第2実施例においてクロックの挿入/抜き取りを行うために、マスタークロックは必要なシステムクロックの2倍以上の高速なものになるが、第3実施例では低速のシステムクロック相当のクロック発振器で構成できる。しかし、ジッタが大きくなる問題があるから、適宜、カウンタ52jで分周して積分部用タイミングパルスなどを出力する。
(2-4)第4実施例
以上の第1〜第3実施例のタイミング制御回路は有効パス数に関係無く、進み位相のパス数と遅れ位相のパス数の差に応じてタイミング制御を行うものであった。しかし、移動機の位置によって電波環境が変化し、マルチパス数が変化する。このため、マルチパスのない環境では、前回と今回で同一パスと推定されるパス数(追従パス数)は最大1であるが、マルチパス環境では追従パス数は1〜8の範囲で変化する。このため、第1〜第3実施例のタイミング制御回路は、マルチパス環境においてタイミング制御の感度が高くなり、マルチパスのない環境ではタイミング制御の感度が低くなる。そこで、第4実施例では追従パス数(有効パス数)に応じて演算部出力を正規化し、タイミング制御の感度を電波環境に依存しないようにする。
図16はタイミング制御回路52の第4実施例であり、正規化部52m以外の他の構成は第1実施例と同じである。
第1の加算回路52aは8個の位相進み情報A1〜A8を加算し、第2の加算回路52bは8個の位相遅れ情報D1〜D8を加算する。演算部52cは第1、第2の加算回路の加算結果を減算し、正規化部52mは有効パス数nに基づいて演算部出力Vを正規化する。積分回路52dは正規化部52の正規化出力を積分し、DA変換器52eは積分結果をアナログに変換してVCO構成のクロック発生器52fの発振周波数を制御する。
正規化部52mにおける正規化演算は図17の図表より正規化のための値αを求めて演算結果Vに乗算することにより行う。図17において、縦軸は有効パス数n、横軸は演算結果Vであり、αは近似的に次式
α=128・V/n
により決定している。正規化部52mはαを表より求めて演算結果Vに乗算することにより正規化し、マルチパス環境であるか否かに関係無くタイミング制御の感度を均一にする。
図18は有効パス数計数部を備えたパス追従部の構成図であり、図9と同一部分には同一符号を付している。パス割当部43のオア回路43aは、第1〜第8パス判定部421〜428のいずれかがパス同一を検出するとハイレベルのパス追従信号PTSを出力する。有効パス数計数部44のカウンタ44aはゲート回路44bwo介して出力するruこのパス追従信号PTSを計数することにより追従パス数を計数し、有効パス数nを出力する。
以上の第4実施例では追従パスの数を有効パス数としたが、追従パスのうち相関値(受信レベル)が所定レベル以上のパスの数を有効パス数とすることができる。図19はかかる場合の有効パス数計数部を備えたパス追従部の構成図であり、図18と同一部分には同一符号を付している。パス選別部34(図8)は検出時刻T1〜T8と共に相関値R1〜R8をセレクタ35b、45に入力する。セレクタ35bが検出時刻Tiを出力するのと同時にセレクタ45は相関値Riを出力し、振幅比較部46は該相関値Riと設定レベルVsと比較する。有効パス数計数部44のゲート回路44bはパス追従信号PTSが発生、かつ、相関値Riが設定レベルVs以上の時にハイレベルの信号を出力し、カウンタ44aは該信号を計数し、計数値を有効パス数nとして出力する。
(3)演算部の別の構成
図12の演算部51は、位相進み/遅れの大きさや希望信号の受信レベル(相関値)に関係無く各パスを均等に扱って位相情報を出力したが、位相進み/遅れの大きさや受信レベルを考慮して位相差情報を出力するように構成できる。又、図12の演算部は、新たなパスをフィンガー部に割り当てた時の該パスにおける希望信号検出時刻を基準時刻としたが、基地局より得られる基準時刻を採用することもできる。以上の観点より、演算部51として以下の3つの構成が更に考えられる。
(3-1)第1の構成
第1の構成は、各フィンガー部に対応する演算部511〜518より位相時間差に応じた数値Ciを出力する。図20はかかる演算部の構成図であり、第1フィンガー部に対応する演算部511のみ示すが、他のフィンガー部に対応する演算部512〜528も同一の構成を備えている。
演算部511の比較部51aはセレクタ35b(図9参照)から順次出力する今回の希望信号検出時刻T1〜T8と記憶部41a1に記憶してある基準時刻Tr1を比較し、基準時刻の方が大きければ出力端子GTからハイレベルの位相進み信号を、基準時刻の方が小さければ出力端子LTからハイレベルの位相遅れ信号を出力する。又、演算部51eは基準時刻Tr1と希望信号検出時刻T1〜T8の差(位相時間差)を演算する。
レジスタ51dは強制取り込み信号P1によりクリアされると共に、今回選別されたパスとそれまで第1フィンガー部に割り当てていたパスとが同一であると推定されたとき(DET1="1")、比較部51aから出力する進み位相信号を+1として記憶し、遅れ位相信号を−1として記憶する。
レジスタ51fは強制取り込み信号P1によりクリアされると共に、今回選別されたパスとそれまで第1フィンガー部に割り当てていたパスとが同一であると推定されたとき(DET1="1")、演算部51eから出力する検出時刻差Ciを記憶する。
以後、タイミング制御回路52は各演算部511〜518より出力する位相時間差に応じた数値Ciを合計し、合計値に基づいてタイミング制御する。
(3-2)第2の構成
第2の構成は、検出時刻が基準時刻より進んでいるか遅れているかにより出力される1、0の進み位相情報Aj(j=1〜8)及び遅れ位相情報Bj(j=1〜8)を出力し、相関値(受信レベル)に応じて重み付けする。図21はかかる演算部の構成図であり、第1フィンガー部に対応する演算部511のみ示すが、他のフィンガー部に対応する演算部512〜518も同一の構成を備えている。又、図21の演算部は、重み付け演算部51g,51hを除けば図12の演算部と同一の構成を備えている。
各演算部511の比較部51aはセレクタ35bから順次出力する今回の希望信号検出時刻T1〜T8と記憶部41a1に記憶してある基準時刻Tr1を比較し、基準時刻の方が大きければ出力端子GTからハイレベルの位相進み信号を、基準時刻の方が小さければ出力端子LTからハイレベルの位相遅れ信号を出力し、等しい時はいずれの端子から信号を出力しない。
演算部51g,51hはそれぞれ相関値に基づいて位相進み信号、位相遅れ信号に重みデータwiを乗算して出力する。各レジスタ51b,51cは強制取り込み信号P1〜P8によりクリアされると共に、今回選別されたパスとそれまで第1フィンガー部に割り当ていたパスとが同一であると推定されたとき(DET1="1")、各演算部51g,51hから出力する数値をそれぞれ記憶し、位相進み情報A1′及び位相遅れ情D1′として出力する。尚、検出時刻T1〜T8は相関値順になっているから例えば重みw1〜w8を8〜1とする。
タイミング制御回路52は各演算部511〜518より出力する位相進み情報A1′〜A8′及び位相遅れ情報D1′〜D8′を合計し、合計値に基づいてタイミング制御する。
(3-3)第3の構成
第3の構成は基地局より得られる所定のタイミングを基準時刻として位相差情報を出力するものである。
移動機は基地局との通信に先立って基地局コードを識別する必要がある。このため、移動機は所定の手順に従って基地局コードを取得するが、この基地局コードの取得の過程で基地局のフレームタイミング(基準タイミング)がわかる。そこで、この基地局のフレームタイミングを基準時刻Trとして保存し、該基準時刻Trより希望信号検出時刻が進んでいるか遅れているかに応じて位相差情報を出力する。
図22(a)〜(c)は基地局のフレームタイミングを基準時刻Trとする場合における演算部の構成図であり、第1フィンガー部に対応する演算部511のみ示しているが他の演算部512〜528は同一構成になっている。61は基準時刻記憶部である。
図22(a)は図12において基地局のフレームタイミングを基準時刻Trとした例であり、次段のタイミング制御回路として図13〜図16の構成を用いることができる。
図22(b)は図20において基地局のフレームタイミングを基準時刻Trとした例であり、次段のタイミング制御回路として図13〜図15の構成を用いることができる。
図22(c)は図21において基地局のフレームタイミングを基準時刻Trとした例であり、次段のタイミング制御回路として図13〜図15の構成を用いることができる。
以上のように、図22の演算部によれば、全体の初期基準タイミングが確定している場合、これを各フィンガの追従タイミングの中央値となるようにタイミング同期を取ることで、MFタップ長内にある新規生成パスを漏れなく検出することができる。
以上により、パスサーチ部13で送信側の拡散符号列の位相を1チップ以内の精度で検出し(同期捕捉)、以後、タイミング制御部14でタイミング信号の進み/遅れを制御することができる(同期追跡)。
以上本発明によれば、それまでフィンガー部に割り当てていたパスと今回選別したパスが同一であれば、該パスのフィンガー部への割当てを変更しないから、パス割り当て時におけるデータ欠落を防止できる。又、検出時間の差が許容範囲(1チップ時間)内にあるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができる。
又、本発明によれば、パスサーチ部で送信側の拡散符号列の位相を1チップ以内の精度で検出でき(同期捕捉)、しかも、同一パスにおける今回の検出時刻と基準時刻との差の合計値に基づいてタイミング信号の進み/遅れを制御するため(同期追跡)、送受信機間の距離変動やシステムクロック変動が発生しても、各部のタイミングを基準タイミングに同期させることができ、DLL回路を不要にできる。尚、基準時刻として、(1)各フィンガー部に新たなパスを割り当てた時の該パスにおける希望信号検出時刻を基準時刻とし、あるいは、(2)基地局との通信開始時に検出した基地局のフレームタイミング等を基準時刻とすることができる。
又、本発明によれば、今回の検出時刻が基準時刻より遅いか、早いかに応じて、時刻差を+1,−1とし、各同一パスにおける時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御するようにしたから、ハード構成を簡単にできる。
又、本発明によれば、今回の相関値の大きさに基づいて時刻差に重み付けを施し、各同一パスにおける重み付けされた時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御するようにしたから、相関値が大きなパスに重きをおいてタイミング制御(同期追跡制御)ができる。
又、本発明によれば、同一パスと判定されたパスの数を検出し、該パス数に基づいて時刻差に重み付けを施し、重み付けされた検出時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御するようにしたから、電波環境(マルチパス環境)が変化しても略同一の感度でタイミング制御(同期追跡制御)を行うことができる。
又、本発明によれば、同一パスと判定されたパスで、相関値が所定レベル以上のパスの数に基づいて時刻差に重み付けを施し、重み付けされた検出時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御するようにしたから、電波環境をより考慮してタイミング制御(同期追跡制御)を行うことができる。
又、本発明によれば、時刻差の合計値に基づいて電圧制御発振器(VCO)を制御してシステムクロック周波数を制御して容易にタイミングを制御できる。
又、本発明によれば、高速クロック発振器から出力するパルスを分周してシステムクロックを発生すと共に、パルスの挿入、抜き取りを行ってシステムクロック周波数を制御するようにしたから、アナログ素子を除去してデジタル的にタイミングを制御できる。
又、本発明によれば、システムクロックを分周して各種タイミング信号を生成すると共に、位相差に基づいてプリセット数値(分周比)を変えてタイミングの進み、遅れを制御するようにしたから、デジタル的にタイミングを制御できると共に、高速クロック発振器を不要にできる。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。

Claims (13)

  1. マルチパスのうち自分に割り当てられたパスを介して到来する希望信号に逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量を加えて出力する複数の逆拡散/遅延調整部、各逆拡散/遅延調整部の出力を合成する合成部、各逆拡散/遅延調整部にパスを割り当てるパスサーチ部、タイミングを制御するタイミング制御部を備えたCDMA用受信機において、前記パスサーチ部は、
    所定時間毎に受信信号と希望信号との相関を検出する相関検出部、
    前記相関のピークレベルに基づいて希望信号が到来する複数のパスを選別すると共にピーク検出時刻を希望信号検出時刻とするパス選別部、
    逆拡散/遅延調整部に新たなパスを割り当てた時の該パスにおける希望信号検出時刻を基準時刻として記憶すると共に、該パスにおける前回の希望信号検出時刻を記憶する記憶手段、
    今回選別したパスにおける希望信号検出時刻と前回の検出時刻との差が許容範囲内であれば、今回選別したパスが所定の逆拡散/遅延調整部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定するパス判定部、
    同一パスであれば該選別したパスを介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させるようパスの割当てを行うパス割当て部を備え、前記タイミング制御部は、
    前記同一パスにおける今回の検出時刻と前記基準時刻との差を演算する演算部、
    各同一パスにおける前記検出時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み/遅れを制御するタイミング制御回路、
    を備えたことを特徴とするCDMA用受信機。
  2. 前記タイミング制御回路は、
    今回の検出時刻が前記基準時刻より遅いか、早いかに応じて、前記検出時刻差を+1,−1とし、各同一パスにおける前記検出時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項1記載のCDMA用受信機。
  3. 前記タイミング制御回路は、
    パスにおける希望信号の受信レベルに基づいて前記検出時刻差に重み付けを施し、各同一パスにおける重み付けされた検出時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項1記載のCDMA用受信機。
  4. 前記タイミング制御回路は、
    同一パスと判定されたパスの数を検出し、該パス数に基づいて合計値を正規化し、得られた値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項1記載のCDMA用受信機。
  5. 前記タイミング制御回路は、
    前回と同一パスと判定されたパスで、相関値が所定レベル以上のパスの数に基づいて前記合計値を正規化し、得られた値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項1記載のCDMA用受信機。
  6. 前記タイミング制御回路は、検出時刻差の合計値に基づいて電圧制御発振器(VCO)を制御してマスタークロックの周波数を制御することによりタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項1、または請求項2、または請求項3、または請求項4、または請求項5記載のCDMA用受信機。
  7. 前記タイミング制御回路は、
    高速クロック発振器から出力するパルスを分周して所定のクロックを発生すると共に、前記検出時刻差の合計値に基づいてクロックの挿入、抜き取りを行って所定クロック周波数を制御することによりタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項1、または請求項2、または請求項3、または請求項4、または請求項5記載のCDMA用受信機。
  8. クロックを分周して各種タイミング信号を生成すると共に、前記検出時刻差の合計値に基づいて該分周比を制御することによりタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項1、または請求項2、または請求項3、または請求項4、または請求項5記載のCDMA用受信機。
  9. マルチパスのうち自分に割り当てられたパスを介して到来する希望信号に逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量を加えて出力する複数の逆拡散/遅延調整部、各逆拡散/遅延調整部の出力を合成する合成部、各逆拡散/遅延調整部にパスを割り当てるパスサーチ部、タイミングを制御するタイミング制御部を備えたCDMA用受信機において、前記パスサーチ部は、
    所定時間毎に受信信号と希望信号との相関を検出する相関検出部、
    前記相関のピークレベルに基づいて希望信号が到来する複数のパスを選別すると共にピーク検出時刻を希望信号検出時刻とするパス選別部、
    今回選別したパスを介して到来する希望信号の検出時刻と前回の検出時刻との差が許容範囲内であれば、今回選別したパスが所定の逆拡散/遅延調整部においてそれまで割り当てていたパスと同一であると判定するパス判定部、
    同一パスであれば該選別したパスを介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させるようパスの割当てを行うパス割当て部を備え、前記タイミング制御部は、
    基準時刻を記憶する手段、
    前記同一パスにおける今回の検出時刻と前記基準時刻との差を演算する演算部、
    各同一パスにおける前記検出時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み/遅れ制御するタイミング制御回路、
    を備えたことを特徴とするCDMA用受信機。
  10. 前記タイミング制御回路は、
    今回の検出時刻が基準時刻より遅いか、早いかに応じて、前記検出時刻差を+1,−1とし、各同一パスにおける前記検出時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項9記載のCDMA用受信機。
  11. 前記タイミング制御回路は、
    パスにおける希望信号の受信レベルに基づいて前記検出時刻差に重み付けを施し、各同一パスにおける重み付けされた検出時刻差の合計値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項9記載のCDMA用受信機。
  12. 前記タイミング制御回路は、
    同一パスと判定されたパスの数を検出し、該パス数に基づいて前記合計値を正規化し、得られた値に基づいてタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項9記載のCDMA用受信機。
  13. 前記タイミング制御回路は、
    前回と同一パスと判定されたパスで、相関値が所定レベル以上のパスの数に基づいて前記合計値を正規化し、得られた値に基づいて基づいてタイミングの進み、遅れを制御する、ことを特徴とする請求項9記載のCDMA用受信機。
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