JP3836856B2 - 無線装置 - Google Patents
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Description
移動通信では、移動体の速度および搬送波の周波数によって決まる最大周波数をもった、ランダムな振幅・位相の変化、フェージングが起こり、これによって固定の無線通信に比較して、安定した受信が非常に難しい。このような周波数選択性フェージングの影響による劣化を軽減するものとして、スペクトラム拡散通信方式が有効である。それは挟帯域の信号を高帯域に拡散して送信するため、ある固有の周波数域で受信電界強度の落ち込みが生じても、その他の帯域から情報を誤り少なく復元できるからである。
受信系回路2において、2aはRFかIFへの周波数変換、高周波増幅等を行う無線部、2bは直交検波によりIch信号,Qch信号を復調する直交検波回路、2c,2dはIch,Qch信号をデジタルに変換するADコンバータ、2eはマルチパスをサーチするパスサーチ回路、2fはレーク合成/復調部であり、マルチパスのパス毎に逆拡散処理を実行し、逆拡散により得られたIシンボルデータ,QシンボルデータDI′,DQ′を元のデータに復調し、復調結果を合成して出力するもの、2gはデコーダである。
以上のようにマルチパスの検出、逆拡散開始タイミングや遅延時間の決定を受信機で自立的に行う場合と、送信機より受信機に通知する場合がある。後者は基地局が前述の検出を行い、その情報を制御チャンネルなどを介して移動機に通知する場合である。
上記パスサーチ法では、受信レベルの大きいパスから始めてフィンガー部を順番に割り当てる。このパス割当方法は簡単に行える利点がある。しかし、前述のようにデータ欠落が発生し、しかも、同じ3つのパスであってもマルチパス信号レベル(相関値)により相互に入れ替わり、この入れ替りによりデータ欠落が発生する。そこで、前回と今回のパスの同一性を推定し、同一の場合には該パスのフィンガー部への割当てを変更しないようにする必要がある。パス推定には、システムのキャリアやクロックの周波数精度、フェージング速度から、同一パスと確度良く判定するために、各パス毎にDLL(Delay Locked Loop)回路を用意する必要がある。しかし、DLL回路では各パス毎にA/D変換器や電圧制御発振器VCOなどのアナログ回路を必要とするうえ、パス切替えの方式にもよるがロックしているパスの受信レベルが閾値以上であるなら、新たなパスが確からしくともパス切替を行わない、などの問題点がある。
以上、従来はパス割当ての切り替え時にデータの欠落が生じる問題があった。又、DLL回路を用いてパスの同一性を推定する方法では、アナログ回路部分が多くなり、更には、パス割当ての切替を正確に行えない問題があった。
本発明の別の目的は、空間ダイバーシティ採用時に2本のアンテナから同時に伝送情報を受信する場合であっても、データ欠落を抑えることが可能であり、しかも、パス割当ての切替を正しく行えるようにすることである。
本発明の別の目的は、ソフトハンドオーバ時に2以上の基地局より伝送情報を受信しなければならない場合であっても、データ欠落を抑えることが可能であり、しかも、パス割当ての切替を正しく行えるようにすることである。
本発明の第2の態様は、複数の基地局からの信号を同時に受信するソフトハンドオーバ機能を備えるとともに、マルチパスのうち割り当てられたパスを介して到来する希望信号に逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量を加えて出力する複数の逆拡散/遅延調整部、各逆拡散/遅延調整部の出力を合成する合成部、各逆拡散/遅延調整部にパスを割り当てるパスサーチ部を備えた無線装置であり、該無線装置のパスサーチ部は、異なる送信局から受信した各受信信号と希望信号との相関値を検出し、該相関値とその検出時間と送信局の別を出力する相関検出部、相関値に基づいて逆拡散対象となる希望信号が到来する複数のパスを選別するパス選別部、前記選別したパスと各逆拡散/遅延調整部にそれまで割り当てていたパスとの検出時間の変化が所定時間内であり、かつ、該選別したパスを介して到来する希望信号の送信局とそれまで割り当てていたパスを介して到来した希望信号の送信局が同じであれば、該選別したパスを介して到来する希望信号についての前記検出時間における逆拡散処理及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させると共に、前記相関検出部で検出した検出時間を基に前記各逆拡散/遅延調整部に対して逆拡散タイミングと遅延量を設定するパス追従部を備えている。
又、本発明によれば、空間ダイバーシティを採用したレーク受信器において、パス同一性の条件に指向方向が同一であることも加えたから、ダイバーシティレーク受信器であっても、パス割当ての切替を正しく行うことができ、データ欠落を最小限に抑えることができる。
又、本発明によれば、ソフトハンドオーバ時などに2以上の基地局より伝送情報を受信すレーク受信器において、パス同一性の条件に送信局が同一であることも加えるようにしたから、ソフトハンドオーバ時などにパス割当ての切替を正しく行うことができ、データ欠落を最小限に抑えることができる。
本発明の第2の実施形態は、複数の基地局からの信号を同時に受信するソフトハンドオーバ機能を備えるとともに、受信信号に対して逆拡散処理を施す複数の逆拡散部と、該逆拡散処理後の信号を合成するレーク合成部と、該逆拡散部に対して逆拡散タイミングを指示するパスサーチ部とを備えた無線装置である。この無線装置において制御手段は、前記逆拡散部に同一パスを割当てようとする場合に、前記複数の基地局のうちいずれの基地局から受信した信号に含まれるパスであるかを判定し、同じ基地局から受信した信号に含まれるパスであることを条件として、前記同一パスの割当てを行なうように制御する。
図1は本発明のレーク受信器の基本構成図である。図中、111〜113はフィンガー部(逆拡散/遅延調整部)で、割り当てられたパスを介して到来する3つの遅延希望波b,d,eにタイミングt1〜t3で逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量d1〜d3を加えて出力するもの、12は各フィンガー部の出力を合成する合成部、13は各フィンガー部にパスを割り当てるパスサーチ部である。パスサーチ部13は受信信号と希望信号との相関を検出し、相関値と検出時間を出力する相関器31、相関値に基づいて逆拡散する遅延希望波が到来する3つのパスを選別するパス選別部33、選別されたパスがいずれかのフィンガー部にそれまで割り当てていたパスと同一であれば、引き続き該フィンガー部に逆拡散/遅延調整処理を実行させるパス追従部34を有している。
T0−δ<T1<T0+δ
を満足するかチェックし、満足すれば、パスが同一であると推定する。
パス追従部34は以上のパス同一性に基づいてパス割り当てをしないフィンガー部には、同じく割り当てされなかった選別パスを個別に割り振る。これらは新たに生じた確からしいパスであるので、それまでのパスのタイミングとは大幅に変わっている可能性があるが、受信レベルの低いパスが切り捨てられ、その合成による利得も小さいので、欠落による影響は小さい。
以上、それまでフィンガー部に割り当てていたパスと今回選別したパスが同一であれば、該パスのフィンガー部への割当てを変更しないから、パス割り当て時におけるデータ欠落を防止できる。又、遅延時間の差が許容範囲内にあるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができ、しかも、DLL回路などを不要にできる。
ついで、パス追従部34は、パスb′,パスd′を介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をパスb,パスdのフィンガー部に実行させる。すなわち、パス追従部34はパスb′を第1のフィンガー部111に割り当て、パスd′を第2のフィンガー部112に割り当て、それぞれのフィンガー部に逆拡散開始タイミングt1′,t2′及び遅延時間d1′,d2′を入力する。このように、パスb,dと今回選別したパスb′,d′が同一であれば、パスb′,パスd′を介して到来する希望信号に対する逆拡散及び遅延調整処理をパスb,パスdのフィンガー部111,112に引き続き行わせるから、パス割り当て時においてフィンガー部111,112においてデータ欠落は発生しない。又、検出時間の差が許容範囲内にあるかによりパスの同一性を判定するため、パス同一性の推定精度を高めることができる。
(a)全体の構成
図3は本発明の第1実施例のレーク受信器の構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付している。
111〜113はそれぞれフィンガー部(逆拡散/遅延調整部)あり、割り当てられたパスを介して到来する希望信号に指示されたタイミングt1〜t3に基づいて逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量d1〜d3を加えて出力するもの、12は各フィンガー部の出力を合成する合成部、13は各フィンガー部にパスを割り当てるパスサーチ部である。
パスサーチ部13は相関検出を行うマッチトフィルタ(MF)31、相関値を積分して出力する積分回路32、パス選別部33、パス追従部34、タイミング生成部35を有している。
マッチトフィルタ31は自チャンネルの拡散符号を用いてアンテナ受信信号より自チャンネルの信号成分(希望信号)を抽出して出力する。この場合、Ich信号とQch信号の相関値I,Qが独立して得られるから、例えば(I+jQ)(I-jQ)=I2+Q2の演算を行って電力値にして出力する。
パス選別部33は相関値を積分して得られる積分相関値に基づいて大きい順にフィンガー数(図では3個)の希望信号が到来するパスを選別すると共に、該パスを介して到来する希望信号の検出時間を出力する。
タイミング生成部35は各フィンガー部111〜113に割り当てたパスの検出タイミングT1〜T3に応じて各フィンガー部の逆拡散開始タイミングデータt1〜t3及び遅延時間データd1〜d3を生成して各フィンガー部111〜113に入力する。
図4はパス選別部の構成図であり、積分回路32が出力する積分後の相関値R0とその相関検出タイミング(スロットカウンタ値)T0を入力され、大きい順に8個の相関値R1〜R8とその検出時間T1〜T8を選別するものである。尚、8個選別するということは8個のフィンガー部が存在するものとしている。
図4において331〜338は第1〜第8番目に大きい積分相関値R1〜R8及びその検出時間T1〜T8を記憶するための回路であり、それぞれ同一構成を有し、比較器33aとD型FF構成のレジスタ33bとセレクタ33cを備えている。比較器33aは、入力する積分相関値Ri−1(i=1〜8)とレジスタに記憶してある積分相関値Ri(i=1〜8)の大小を比較し、Ri−1>Riであればハイレベルのイネーブル信号ENSを出力する。セレクタ33cはRi−1>Riであればレジスタ33bに記憶されている積分相関値Riと検出時間Tiを選択して次段に出力し、Ri−1≦Riであれば入力した積分相関値Ri−1とその検出時間Ti−1を選択して次段に出力する。レジスタ33bはRi−1>Riであれば入力した積分相関値Ri−1とその検出時間Ti−1を新たに記憶し、Ri−1≦Riであれば記憶内容を変更しない。以上により、パス選別部33は大きい順に8個の相関値R1〜R8とその検出時間T1〜T8を順に各回路331〜338のレジスタ33bに記憶し、検出時間T1〜T8を次段のパス追従部34に出力する。
図5はパス追従部の構成図、図6はパス追従部の動作説明用タイムチャートである。34aは8*2進のカウンタであり、0〜7を計数する8進カウンタ部とそのオーバフローパルスをカウントしてWRITE/READ信号をそれぞれ出力する2進カウンタ部で構成されている。34bはWRITE時(パス同一性判定時)及びREAD時(パス強制割当て時)に計数値0〜7により第1〜第8番目の検出時間T1〜T8を順次選択して出力するセレクタ、411〜418は第1〜第8フィンガー部に対応して設けられ、今回とそれまでの選別パスの同一性を判定する第1〜第8パス同一性判定部、42はパス同一性判定に基づいて割り当てられなかったフィンガー部にパスを強制的に割り当てるパス割当て部である。
第1〜第8パス同一性判定部411〜418は同一の構成を備え、前回の検出タイミングTj′を記憶する記憶部41a、セレクタ34bから出力する今回の検出タイミングTiと前回の検出タイミングTj′を比較し、次式
Tj′−δ<Ti<Tj′+δ (j=1〜8) (1)
但し、δ=2チップ
を満足するかチェックする比較器41b、アンドゲート41c、(1)上式を満足するとき及び(2)後述の強制取り込みパルスPi発生時にそれぞれイネーブル信号Eiを出力するオアゲート41dを有している。
WRITE時(パス同一性判定時)、セレクタ34は計数値iに応じた第i検出時間Tiを出力し、各パス同一性判定部411〜418の比較部41b及びアンドゲート41cは(1)式を満足するかチェックする。上式を満足すれば、検出時間Tiのパスとそれまで第jフィンガー部に割り当てていたパスとが同一であると推定する。例えば、今回の第i検出時間Tiが第1のパス同一性判定部411において、(1)式を満足すれば(j=1)、第1パス同一性判定部411は該検出時間Tiを記憶部41aに記憶する。又、第1パス同一性判定部411は該検出時間Tiを第1フィンガー部に割り当てたパスの検出タイミングとしてタイミング生成回路35(図3)に入力する。
パス割当て部42は、オアゲート42a、RAM42b、パス割当てフィンガー記憶部42c、優先判定回路42dを有している。オアゲート42aは、第1〜第8パス同一性判定部411〜418より出力するイネーブル信号E1〜E8のオアを演算して出力する。すなわち、オアゲート42aはパス同一性判定によりパスが同一であると判定された時にハイレベルの信号を出力する。
RAM42bは、WRITEイネーブル時(パス同一性判定時)にカウンタ34aの計数値0〜7が示すアドレスにオアゲート出力を書き込み、READイネーブル時(パス強制割当て時)にカウンタ34aの計数値0〜7が示すRAMアドレスよりデータを読み出して出力する。すなわち、RAM42bは、第1〜第8検出時間T1〜T8に応じた記憶領域を有し、パス同一性判定時に割り当てられたパスの検出時間に応じた記憶領域に”1”を書き込み、パス強制割当て時に各記憶領域より順次記憶内容を出力する。
優先判定回路42dは、パス同一性判定により割り当てられなかったパスを同様に割り当てられなかったフィンガー部に強制的に割り当てるものである。すなわち、RAM42bの記憶内容より割り当てられなかった検出時間(パス)を判別し、記憶部42cの記憶内容よりパスが割り当てされなかったフィンガー部を判別し、該フィンガー部に割り当てられなかった時間(パス)を割り当てる。
隣接する信号間に前後1チップを越える間隔があれば、相関器はそれぞれの信号より有意な相関を出力できる。DS-CDMAに用いられる拡散符号において相関性を有する範囲は、矩形波であれば前後1チップであるが、帯域制限フィルタを用いる場合にはその応答特性によって、プラス数+%から数倍に広がる。しかし、図7に示すように信号間隔が1チップ範囲内であれば相関器はそれらを合成した相関値を出力する。この合成した相関値に1チップ範囲内に複数のピークPK1,PK2が存在する場合、最大ピークPK1をフィンガー部に割り当てることは有効であるが、それ以下の小さい値のピークPK2は、より遅延差のある他のピークPK3をレーク合成するよりも有効であるかどうか相関値だけで判定できない。これは、図7に示すように実際はピークPK3より小さなピークPK2がピークPK1の影響でピークPK3より大きくなっている場合があるからである。又、チップ範囲内ではノイズにも相関があるため、レーク合成したときにノイズ成分が相殺されず、期待した利得が得られないからである。そこでこの1チップ範囲で最大値をとるピークPK1だけをパス選別の候補とし、最大でないピークPK2をパス選別から除外する。
マスク制御部36は1チップ範囲で最大値をとるピークだけをパス選別の候補とし、最大でないピークをマスクしてパス選別から除外する。マスク制御部36は図9に示すように、チップ周波数の4倍の周波数で動作するようになっており、ピーク検出部361、最大ピーク検出部362、4進カウンタ(タイマ)363を有している。ピーク検出部361において、記憶部36aはサンプリングした積分後の相関値を記憶し、比較器36bは今回のサンプリング値と前回のサンプリング値を比較し、今回のサンプリング値が大きいときハイレベルの信号を出力し、D型フリップフロップ36cは比較器出力を記憶し、アンドゲート36dは増加から減小に転じた時点でピーク検出信号PDを出力する。最大ピーク検出部362において、36eは1チップ内の最大ピークを記憶する記憶部、36fはそれまでの最大ピークと検出されたピークの大小を比較し、今回のピークが大きければ最大ピーク検出信号MPDを出力し、アンドゲート36gは最大ピーク検出信号MPD発生時に極値検出信号PKDTを出力し、記憶部36aに記憶されている値を最大ピーク値として記憶部36eに記憶する。4進カウンタ363は最大ピークが検出される毎にリセットし、次の1チップ期間(相関性を有する範囲)に新たな最大ピークを検出しなければ計数値3のタイミングでデータ有効信号(マスク信号)MSKを出力し、最大ピーク以外のピークをマスクする。
パス選別部33は1チップ期間内で最大のピークを選択してパス選別制御を行う。すなわち、1チップ範囲で最大値をとるピークだけをパス選別の候補とし、最大でないピークをパス選別から除外する。
第1実施例では空間ダイバーシチを考慮していないが、空間ダイバーシチに対応できるように構成することができる。図10は指向方向が異なる2つの受信アンテナ(ブランチA、ブランB)を備えた場合に適用できる第3実施例のレーク受信器の構成図であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付している。
第1実施例では時間軸だけを考慮して希望信号に独立に逆拡散処理、遅延処理を施して合成しているが、第3実施例では、更に空間を独立した次元として扱っている。図10において、図3の第1実施例と異なる点は、以下の(1)〜(5)である。
(2)パス選別部は33は積分回路32A,32Bより出力する各積分相関値に基づいて、大きい順に3個の希望信号が到来するパスを選別すると共に、該パスを介して到来する希望信号の検出時間、パスが属するブランチを出力する。
(3)パス追従部34は、検出時間差が許容値以下であり、かつ、ブランチが同一のときパスが同一であると判定する。
(4)タイミング生成回路35は、各フィンガー部111〜113に割り当てたパスの検出時間及び該パスの属するブランチに基づいて、ブランチ選択信号B1〜B3、タイミング信号t1〜t3、遅延量信号d1〜d3を出力する。
(5)各フィンガー部111〜113の入力部に設けられたセレクタ24は、ブランチ選択信号B1〜B3が指示するブランチからのIch信号,Qch信号を取り込んで出力する。
図12は第3実施例のパス追従部の構成図であり、図5の第1実施例のパス追従部とほぼ同様の構成を備えている。異なる点は、(1)第1〜第8フィンガー部に前回割り当てたパスのブランチ情報Brを記憶する記憶部41e及び前回のブランチ情報と今回のブランチ情報を比較する比較器41fとをパス同一性判定部411〜418に設けた点、(2)アンドゲート41cより、(1)式を満足し、かつ、ブランチが同一のときパスが同一であることを示すイネーブル信号E1〜E8を出力する点である。
最初のパス割当て時点において、相関値の大きい上位3個のパスはブランチAのパスb、ブランチBのパスi,gの順である。パス選別部33はこれら上位3個のパスb,i,gを選別してその検出時間及びブランチ情報をパス追従部34に入力する。初期時、パス追従部34はパスb,i,gの各検出時間及びブランチ情報を記憶すると共に、相関値が大きなパスb,i,gの順にパスを第1〜第3フィンガー部111,112,113に割り当てる。
第2のパス割当て時点において、相関値の大きい上位3個のパスはブランチAのパスd′、ブランチBのパスg′,i′の順である。パス選別部33はこれら上位3個のパスd′,g′、i′を選別してその検出時間及びブランチ情報をパス追従部34に入力する。パス追従部34は、今回選別した各パスd′、g′,i′の検出時間と前回選別した各パスb,i,gの検出時間との差が許容範囲内であり,かつ、ブランチが同じであるかチェックする。
一方、パス追従部34は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったパスd′を同様にパス割当てされなかったフィンガー部111に割り当て、該フィンガー部111はそれまでのパスbと異なるパスd′から到来する希望信号に対して逆拡散及び遅延調整処理を行う。
以上のように、空間ダイバーシティを採用したレーク受信器において、パス同一性の条件に指向方向が同一であることも加えたから、ダイバーシティレーク受信器であっても、パス割当ての切替を正しく行うことができ、データ欠落を最小限に抑えることができる。
第1実施例では2つの基地局と同時に通信することを考慮していないが、ソフトハンドオーバ時には同時に2以上の基地局と通信する必要がある。図14は同時に2以上の基地局と通信する場合に適用できる第4実施例のレーク受信器の構成図であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付している。
図3の第1実施例と異なる点は、
(1)パスサーチ部13に設けられた局設定部37が、これから受信しようとする相手送信局(基地局)に応じた拡散符号をマッチトフィルタ31に入力すると共に、局識別情報をパス選別部33に入力する点、
(2)マッチトフィルタ31は各基地局より受信した信号と希望波との相関を演算する点、
(3)パス選別部は33は積分回路32より入力する積分相関値に基づいて、大きい順に3個のパスを選別すると共に、該パスを介して到来する希望信号の検出時間及びパスが属する局識別情報BSを出力する点、
(4)パス追従部34は、検出時間差が許容値以下であり、かつ、局識別情報が同一のときパスが同一であると判定する点である。
図16は第4実施例のパス追従部の構成図であり、図12の第3実施例のパス追従部と殆ど同一の構成を備えている。異なる点は、パス同一性判定部411〜418に、(1)ブランチ情報Brに替えて局識別情報BSを記憶する記憶部41e′及び前回の局識別情報と今回の局識別情報を比較する比較器41f′を設けた点、(2)アンドゲート41cより、(1)式を満足し、かつ、局識別情報が同一のときパスが同一であることを示すイネーブル信号E1〜E8を出力する点である。
最初のパス割当て時点において、相関値の大きい上位3個のパスは局Aからのパスb、局Bからのパスi,gの順である。パス選別部33はこれら上位3個のパスb,i,gを選別してその検出時間及び局識別情報BSをパス追従部34に入力する。初期時、パス追従部34はパスb,i,gの各検出時間及び局識別情報BSを記憶すると共に、相関値が大きなパスb,i,gの順にパスを第1〜第3フィンガー部111,112,113に割り当てる。
第2のパス割当て時点において、相関値の大きい上位3個のパスは局Aからのパスd′、局Bからのパスg′,i′の順である。パス選別部33はこれら上位3個のパスd′,g′、i′を選別してその検出時間及び局識別情報BSをパス追従部34に入力する。パス追従部34は、今回選別した各パスd′、g′,i′の検出時間と前回選別した各パスb,i,gの検出時間との差が許容範囲内であり,かつ、局識別情報が同じであるかチェックする。
一方、パス追従部34は、パスの同一性基準に従ってパス割当てがなされなかったパスd′を同様にパス割当てされなかったフィンガー部111に割り当て、該フィンガー部111はそれまでのパスbと異なるパスd′から到来する希望信号に対して逆拡散及び遅延調整処理を行う。
以上のように、ソフトハンドオーバ時などに2以上の基地局より伝送情報を受信すレーク受信器において、パス同一性の条件に送信局が同一であることも加えるようにしたから、ソフトハンドオーバ時などにパス割当ての切替を正しく行うことができ、データ欠落を最小限に抑えることができる。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
12・・合成部
13・・パスサーチ部
31・・相関器(マッチトフィルタ)
32・・パス選別部
33・・パス追従部
Claims (2)
- 第1、第2のアンテナブランチを用いたダイバーシチ受信機能を備えると共に、マルチパスのうち割り当てられたパスを介して到来する希望信号に逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量を加えて出力する複数の逆拡散/遅延調整部、各逆拡散/遅延調整部の出力を合成する合成部、各逆拡散/遅延調整部にパスを割り当てるパスサーチ部を備えた無線装置において、
該パスサーチ部は、
第1、第2アンテナブランチのそれぞれを介して受信した受信信号と希望信号との相関値を検出し、該相関値とその検出時間とアンテナブランチの別を出力する相関検出部、
相関値に基づいて逆拡散対象となる希望信号が到来する複数のパスを選別するパス選別部、
前記選別したパスと各逆拡散/遅延調整部にそれまで割り当てていたパスとの検出時間の変化が所定時間内であり、かつ、該選別したパスが属するアンテナブランチとそれまで割り当てていたパスが属するアンテナブランチが同じであれば、該選別したパスを介して到来する希望信号についての前記検出時間における逆拡散処理及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させると共に、前記相関検出部で検出した検出時間を基に前記各逆拡散/遅延調整部に対して逆拡散タイミングと遅延量を設定するパス追従部、
を有することを特徴とする無線装置。 - 複数の基地局からの信号を同時に受信するソフトハンドオーバ機能を備えると共に、マルチパスのうち割り当てられたパスを介して到来する希望信号に逆拡散処理を施し、逆拡散処理により得られた逆拡散信号に該パスに応じた遅延量を加えて出力する複数の逆拡散/遅延調整部、各逆拡散/遅延調整部の出力を合成する合成部、各逆拡散/遅延調整部にパスを割り当てるパスサーチ部を備えた無線装置において、
該パスサーチ部は、
異なる送信局から受信した各受信信号と希望信号との相関値を検出し、該相関値とその検出時間と送信局の別を出力する相関検出部、
相関値に基づいて逆拡散対象となる希望信号が到来する複数のパスを選別するパス選別部、
前記選別したパスと各逆拡散/遅延調整部にそれまで割り当てていたパスとの検出時間の変化が所定時間内であり、かつ、該選別したパスを介して到来する希望信号の送信局とそれまで割り当てていたパスを介して到来した希望信号の送信局が同じであれば、該選別したパスを介して到来する希望信号についての前記検出時間における逆拡散処理及び遅延調整処理をそれまでと同一の逆拡散/遅延調整部に実行させると共に、前記相関検出部で検出した検出時間を基に前記各逆拡散/遅延調整部に対して逆拡散タイミングと遅延量を設定するパス追従部、
を有することを特徴とする無線装置。
Priority Applications (1)
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JP2004250230A JP3836856B2 (ja) | 2004-08-30 | 2004-08-30 | 無線装置 |
Related Parent Applications (1)
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Publications (2)
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