JP2002331750A - 感熱記録媒体 - Google Patents

感熱記録媒体

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JP2002331750A
JP2002331750A JP2001141588A JP2001141588A JP2002331750A JP 2002331750 A JP2002331750 A JP 2002331750A JP 2001141588 A JP2001141588 A JP 2001141588A JP 2001141588 A JP2001141588 A JP 2001141588A JP 2002331750 A JP2002331750 A JP 2002331750A
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JP
Japan
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heat
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recording medium
ethyl
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Application number
JP2001141588A
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English (en)
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Michihiko Sato
道彦 佐藤
Yasunori Ishii
康憲 石井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】支持体上に、少なくとも1種以上の電子供与性
の通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱時反応して
該染料前駆体を発色させる電子受容性の顕色剤とを含有
する、少なくとも1層以上からなる感熱記録層を設けた
感熱記録媒体において、熱転写記録時にも良好なインク
受理性を有し、感熱記録時にもスティッキング、印字カ
ス等を生じることなく記録でき、しかもブロッキングを
引き起こすことのない感熱記録媒体を提供する。 【解決手段】感熱記録媒体のオーバーコート層にポリオ
レフィン系樹脂粒子を含有し、かつアクリル樹脂、ウレ
タン樹脂、SBRラテックスのいずれか1種以上を含有
させることによって、熱転写記録時にも良好なインク受
理性を有し、感熱記録時にもスティッキング、印字カス
等を生じることなく記録でき、しかもブロッキング特性
に優れた感熱記録媒体を発明するに至った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体上に感熱記
録層と熱転写受理性のあるオーバーコート層を設けた感
熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録媒体は、一般に支持体上に電子
供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱時反
応して該染料前駆体を発色させる電子受容性の顕色剤と
を主成分とする感熱記録成分から成る感熱記録層を設け
たもので、サーマルヘッド(熱ヘッド)、熱ペン、レー
ザー光などで加熱することにより、染料前駆体と顕色剤
とが瞬時反応して発色画像が得られるもので、特公昭4
3−4160号公報及び特公昭45−14039号公報
などに開示されている。
【0003】このような感熱記録媒体は、比較的簡単な
装置で記録でき、保守が容易なこと、騒音の発生がない
ことなどの利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プ
リンター、コンピューターの端末機、ラベル、乗車券の
自動販売機など広範囲の分野に利用されている。特に近
年は、ガス、水道、電気料金等の領収書、金融機関のA
TMの利用明細書、各種レシートなど、財務関係の記録
用紙にも感熱記録媒体が用いられるようになっている。
以上のように、用途が多様化するにつれて、単色での発
色に加えて、加熱温度の違いにより2種以上の色調に発
色させることのできる多色感熱記録媒体への要求も高ま
ってきている。
【0004】一方、基材上に熱溶融性のインクを塗布し
た感熱リボンの背面より、熱ヘッドで情報信号に応じた
加熱を行いインクを溶融し、溶融したインクを記録媒体
上に転写する熱転写記録方式も比較的簡単な装置を用い
て行われる。熱転写記録方式は、色調の異なる複数のイ
ンクリボンを使用することにより、比較的容易に多色印
字を行うことができる。その反面、複数のインクリボン
を使用しなければならず、近年のコスト削減、廃棄物削
減の流れから、インクリボンとその補充交換の必要のな
い感熱記録方式への需要が高まってきている。
【0005】これら、感熱記録装置と熱転写記録装置は
構造上の類似性から、しばしば同一装置を用いて行われ
ており、現在のような記録方式の移行の過渡期において
は、記録方式の違いを気にすることなく両方式に使用す
ることができる感熱記録媒体が望まれている。
【0006】それぞれの記録媒体に望まれる性質につい
て簡単に記述すると、熱転写記録媒体では、サーマルヘ
ッドにより押し付けられたインクリボン面と記録媒体が
完全に密着し均一にインクを受理し、脱落しないように
十分に結着する必要がある。そのため、インクのバイン
ダー成分と十分な結着性を有するポリマーを支持体上に
塗布したものが広く利用されている。一方、感熱記録媒
体では加熱により発色する感熱記録層を支持体上に設け
ることが必要である。
【0007】従って、これら2つの記録方式に対応した
記録媒体は、支持体上に感熱記録層を設けその上に熱転
写受理層を設けることが望ましい。この様な記録媒体を
感熱記録媒体として使用した場合、熱転写インク受理性
の高いポリマー等の素材を使用しているためスティッキ
ング、印字カス等を生じ易く、これらを改良防止するた
め顔料や滑剤等の併用が必要となる。一方、顔料や滑剤
の併用は表面の平滑性やインクとの結着性を低下させる
こととなり、熱転写記録媒体としては好ましくない。従
って、未だ2つの記録方式を十分満足できる記録媒体が
ないのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、支持
体上に少なくとも1種以上の電子供与性の通常無色ない
し淡色の染料前駆体と、加熱時反応して該染料前駆体を
発色させる1種以上の電子受容性の顕色剤とを含有す
る、少なくとも1層以上からなる感熱記録層を設けた感
熱記録媒体において、熱転写記録時にも良好なインク受
理性を有し、感熱記録時にもスティッキング、印字カス
等を生じることなく記録でき、しかもブロッキングを生
じることのない感熱記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行なった結果、感熱記録媒体のオーバーコート層にポリ
オレフィン系樹脂粒子を含有させ、かつ厚さ200μm
の被膜を形成し、毎分300mmで牽引したときの伸度
が300%以上、または厚さ200μmの被膜を形成
し、毎分300mmで牽引したときの抗張力が100k
gf/cm2以上であるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、
SBRラテックスのいずれか1種以上を含有させること
によって、熱転写記録時にも良好なインク受理性を有
し、感熱記録時にもスティッキング、印字カス等を生じ
ることなく記録でき、しかもブロッキングを生じること
のない感熱記録媒体を発明するに至った。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録媒体は、支持体
上に少なくとも1種以上の電子供与性の通常無色又は淡
色の染料前駆体と、該染料前駆体を加熱時発色させる1
種以上の電子受容性の顕色剤とを含有する感熱記録層を
設けることにより提供される。本発明で用いられる染料
前駆体として、赤系色、黄系色、青系色、緑系色、黒系
色に発色するものの具体例を挙げるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0011】赤系色染料前駆体としては3,3−ビス
(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)
フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチル
インドール−3−イル)テトラクロロフタリド、3,3
−ビス(1−n−ブチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(1−n−ペンチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−
ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−メチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,
3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3,3−ビス(1−プロピル−2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2
メチルインドール−3−イル)フタリド、ローダミンB
−アニリノラクタム、ローダミンB−(o−クロロアニ
リノ)ラクタム、ローダミンB−(p−ニトロアニリ
ノ)ラクタム、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−
ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−クロロ−8−ベンジルフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メ
トキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−ア
セチル−N−メチル)アミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−メチルエトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−p−メチルフェニルフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノベ
ンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ
[c]フルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシ
フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−ク
ロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフル
オラン、3−ジメチルアミノ−7−クロロフルオラン。
【0012】3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7
−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミ
ル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−
(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7,8−ベン
ゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)ア
ミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−
n−オクチル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−
7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n
−オクチル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N
−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−クロロフル
オラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)
アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル
−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−メチルフルオ
ラン、3−(N−イソペンチル−N−エチル)アミノ−
7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル
−N−エチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3
−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7−ク
ロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル
−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−
7,8−ベンゾフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−
7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−
メチルフルオラン、3−ジアリルアミノ−7,8−ベン
ゾフルオラン、3−ジアリルアミノ−7−クロロフルオ
ラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブ
ロモフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロ
ロフルオラン、3−ピロリジルアミノ−7−メチルフル
オラン、3−エチルアミノ−7−メチルフルオラン、3
−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−N−
エチル−N−イソアミルアミノ−ベンゾ[a]フルオラ
ン、3−N−エチル−N−p−メチルフェニルアミノ−
7−メチルフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチ
ル−7−ブロモフルオラン、3,6−ビス(ジエチルア
ミノフルオラン)−γ−(4′−ニトロ)アニリノラク
タム。
【0013】黄系色染料前駆体としては、3,6−ジメ
トキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−ク
ロルフルオラン、2,6−ジフェニル−4−(4−ジメ
チルアミノフェニル)−ピリジン、2,2−ビス(4−
(2−(4−ジエチルアミノフェニル)キナゾリル)オ
キシフェニル)プロパン、4−クロロ−N−(4−(N
−(4−メチルベンジル)−N−メチルアミノ)ベンジ
リデン)アニリン、1−(2−キノリル)−2−(3−
メトキシ−4−ドデシルオキシフェニル)エテン、1−
(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−
2−(2−キノリル)エチレン。
【0014】青系色染料前駆体としては、3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−
ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチ
ル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリ
ド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)−3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−4
−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド
−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−メチルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル
−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エト
キシ−4−エチルアミノフェニル)−4−アザフタリ
ド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニ
ル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチ
ルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−
ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジプロピルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイン
ド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジブチ
ルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エ
チル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−
エトキシ−4−ジペンチルアミノフェニル)−4−アザ
フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−
3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヘキシルアミ
ノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−
2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキ
シ−4−ジヒドロキシアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−
イル)−3−(2−エトキシ−4−ジクロロアミノフェ
ニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メ
チルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4
−ジブロモアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジアリルアミノフェニル)−4
−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド
−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヒドロ
キシアミノフェニル)−4−アザフタリド。
【0015】3−(1−エチル−2−メチルインド−ル
−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル
−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エト
キシ−4−ジエトキシアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−
イル)−3−(2−エトキシ−4−ジシクロヘキシルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル
−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エト
キシ−4−ジメチルエトキシアミノフェニル)−4−ア
ザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル
−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルエト
キシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−
エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2
−エトキシ−4−ジエチルブトキシアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイン
ド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチ
ルシクロヘキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)
−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシシクロヘキシル
アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチ
ル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エ
トキシ−4−ピロリジルアミノフェニル)−4−アザフ
タリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3
−イル)−3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフ
ェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−
メチルインド−ル−3−イル)−3−(2,3−ジエト
キシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリ
ド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザ
フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−
3−イル)−3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフ
ェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−
メチルインド−ル−3−イル)−3−(3−クロロ−4
−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3
−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−
アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−
ル−3−イル)−3−(3−ブロモ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−
2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エチル
−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド。
【0016】3−(1−エチル−2−メチルインド−ル
−3−イル)−3−(2−プロピル−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−
2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(3−メチル
−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)
−3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイン
ド−ル−3−イル)−3−(2−アリル−4−ジエチル
アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチ
ル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−ヒ
ドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフ
タリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3
−イル)−3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェ
ニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メ
チルインド−ル−3−イル)−3−(2−シクロヘキシ
ルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザ
フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−
3−イル)−3−(2−メチルエトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチ
ル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−シ
クロヘキシルエチル−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(2−エチルインド−ル−3−
イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェ
ニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−ク
ロロインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4
−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エチル−2−ブロモインド−ル−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4
−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エチルインド
−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチ
ル−2−プロピルインド−ル−3−イル)−3−(2−
エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフ
タリド、3−(1−エチル−2−メトキシインド−ル−
3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノ
フェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2
−エトキシインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキ
シ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリ
ド。
【0017】3−(1−エチル−2−フェニルインド−
ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル
−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エト
キシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリ
ド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニ
ル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−エチル−
4,5,6,7−テトラクロロ−2−メチルインド−ル
−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−
4−ニトロ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−
(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−
アザフタリド、3−(1−エチル−4−メトキシ−2−
メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−エチル−4−メチルアミノ−2−メチルインド
−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチ
ル−4−メチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(2−メチルインド−ル−3−
イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェ
ニル)−4−アザフタリド、3−(1−クロロ−2−メ
チルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4
−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−ブロモ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4
−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインド
−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチ
ル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタ
リド、3−(1−プロピル−2−メチルインド−ル−3
−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフ
ェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブチル−2−
メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−ブチル−2−インド−ル−3−イル)−3−
(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−
アザフタリド。
【0018】3−(1−ペンチル−2−メチルインド−
ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ヘキシ
ル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3−(1−ヘキシル−2−メチルインド−ル−3
−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフ
ェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2
−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニ
ル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メ
チルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4
−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリ
ド、3−(1−ノニル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニ
ル)−4−アザフタリド、3−(1−メトキシ−2−メ
チルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4
−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エトキシ−2−メチルインド−ル−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−フェニル−2−メチルイ
ンド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエ
チルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−
ペンチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−
(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−
アザフタリド、3−(1−ヘプチル−2−メチルインド
−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−ノニ
ル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタ
リド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−
6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミ
ノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノ
フェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4
−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)
−4−アザフタリド。
【0019】緑系色染料前駆体としては、3−(N−エ
チル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7
−(N−フェニル−N−メチル)アミノフルオラン、3
−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−7−ジベ
ンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−
プロピル)アミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニ
ル)アミノ−7−(N−メチル−N−フェニル)アミノ
フルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)
アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−
エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7
−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4
−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−(N−メ
チル−ベンジル)アミノフルオラン、3−(N−メチル
−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−プロピル−N−n−ヘキシル)アミノ−
7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシ−N−n
−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−
(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−
N−アリル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−n
−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニ
リノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチ
ル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−n−
ジブチルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニ
リノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−(2
−クロロアニリノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミ
ノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、
3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェ
ニル)−4−アザフタリド、3,6−ビス(ジメチルア
ミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチ
ルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−ベンジルアミノ−フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロ
ロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオ
ラン。
【0020】3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−エトキシアニ
リノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ジベ
ンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ク
ロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−エチルエトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−p−クロルアニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルアニリノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキ
シル−N−ベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロアニリノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−トリフルオ
ロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリ
ノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−クロロ−7
−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−
6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−
ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3
−ジメチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−7−(2−フルオロアニリ
ノ)フルオラン、3−[p−(p−アニリノアニリノ)
アニリノ]−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−
アニリノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−アニ
リノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3
−ピロリジノ−(7−シクロヘキシルアニリノ)フルオ
ラン、3−ジベンジルアミノ−6−メチル−7−ジベン
ジルアミノフルオラン、3−ジベンジルアミノ−7−ジ
ベンジルアミノフルオラン、3−ジベンジルアミノ−7
−(2−クロロアニリノ)フルオラン。
【0021】黒系色染料前駆体としては、3−ジブチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオ
ラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロ
ロフェニル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロ
ロフェニル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−(o−クロロフェニル)アミノ−フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニル
アミノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−
メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N
−シクロペンチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−
7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−イソアミル
−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p
−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)
フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミ
ノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−
(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N
−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−
メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジ
ノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−
ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミ
ノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェ
ニルアミノフルオラン、2−フェニルアミノ−3−メチ
ル−6−(N−エチル−N−p−トルイル)アミノ−フ
ルオランなどがある。
【0022】本発明の感熱記録媒体は、支持体上に通常
無色ないし淡色の電子供与性の染料前駆体と、該染料前
駆体を加熱時発色させる電子受容性の顕色剤を主成分と
する感熱記録層を設けることにより実施可能であるが、
この感熱記録層は所望により単色感熱記録層或いは多色
感熱記録層を用いることができる。特に多色感熱記録を
実現する代表的な方法として、感熱記録層を2層以上設
ける方法では、(1)互いに異なる色相に発色する染料
前駆体を高温発色層と低温発色層に層別し、低温印字に
続く高温印字時には、低温色相と高温色相との混色を得
る方法(特開昭54-097048号公報)がある。この方法
は、高温発色層が下層にあるために低感度であり、これ
を高感度にしようとすると、低温色印字時に高温色の混
色は免れ得ず、色分離がまだ不十分である。この色分離
を改良するために、(2)互いに異なる色相に発色する
染料前駆体を高温発色層と低温発色層とに消色剤層を介
して層別し、低温印字に続く高温印字時には、低温発色
層を消色しながら印字する消色型の方法(特開昭55-139
470号公報、特開昭57-178791号公報)が提案されてい
る。この方式は高温発色時に、低温色が消色されるので
色分離は非常に良好であるが、消色剤が感熱記録層の中
に存在することは、長期保存時の画像の保存性に不安が
残り、生産コストも高い欠点がある。
【0023】一方、感熱記録層が単層で色分離の良い多
色記録を得る方法としては、(3)互いに異なる色相に
発色する複数の染料前駆体を同一層に含有し、該染料前
駆体の少なくとも一種類をマイクロカプセルに内包する
方法(特開平8-282115号公報)がある。この方法は染料
前駆体が相互にカプセル膜で隔離されているため、色分
離は良いが、マイクロカプセル内に油性液体が内包され
ているため、取り扱い時の圧力や摩擦によりカプセルが
破壊され地肌着色が発生し、やはり画像の保存性に欠点
がある。
【0024】更に、(4)ポリウレア、およびポリウレ
タンより選ばれた少なくとも1種の高分子物質で高温発
色染料前駆体を複合微粒子とし、低温染料前駆体の固体
微粒子と併用する方法(特開平9-142025号公報)も提案
されている。この方法では、染料前駆体を完全に被覆す
るには、多量のポリウレアまたはポリウレタンを含有さ
せることになり、色分離は良いが発色感度不足の難があ
る。更に、(5)異なる色調に発色する2種以上の染料
前駆体の少なくとも1種以上を、不飽和炭素結合を有す
る化合物で重合した発色調節層で覆う方法(特開平11-3
01118号公報)がある。この方法は、染料前駆体粒子が固
体状で薄い高分子皮膜(発色調節層)により覆われてお
り、この発色調節層の膜厚や使用素材の調節により、発
色感度の調節を行って、低温色と高温色との色分離のコ
ントロールを行うことが出来るが、発色感度そのものは
発色調節層のある分だけ低感度となる。本発明における
多色感熱記録を実現する方法としては、色分離、感度、
保存性等の理由から、上述した(5)の方法が特に好ま
しい。
【0025】次に、上述した染料前駆体と反応して発色
する電子受容性の顕色剤としては、例えば下記に示すよ
うなものが挙げられる。
【0026】4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−
ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニ
ルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンス
ルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フ
ェニルスルホニル)フェノール、p−フェニルフェノー
ル、p−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(p
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、1,3−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ジ−〔2−
(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベ
ンゼン、1,4−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ヒドロキシ
ジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−
ヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス
(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4
−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香
酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸
ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニル
チオ尿素、4,4′−ビス(3−(4−メチルフェニル
スルホニル)ウレイド)ジフェニルメタン、N−(4−
メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サ
リチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチ
ル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、
3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−
[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サ
リチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サ
リチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、N
−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホン
アミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスル
ホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナ
フタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒド
ロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−
(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、
N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスル
ホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナ
フタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニ
ル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロ
キシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒ
ドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、
N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスル
ホンアミドなどが挙げられる。これらは、単独もしくは
2種以上混合して、染料前駆体の合計量100質量部に
対して100〜700、好ましくは150〜400質量
部の割合で使用される。
【0027】本発明の感熱記録媒体は、熱応答性を向上
させるために感熱記録層に、熱可融性物質を必要に応じ
て含有させることができる。この場合、60℃〜180
℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜140
℃の融点を持つものがより好ましい。
【0028】このような熱応答性を向上させるための熱
可融性物質(増感剤)としては、N−ヒドロキシメチル
ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、バルミチン
酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン
酸アミド、リシノール酸アミド、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワック
ス、ライスワックス、カルナバワックス等のワックス
類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導
体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェ
ニル、m−ターフェニル等のビフェニル誘導体、1,2
−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビ
ス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス
(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化
合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸
ジ(p−クロロベンジル)エステル等の炭酸またはシュ
ウ酸ジエステル誘導体等が挙げられるが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0029】これらの増感剤は、単独もしくは2種以上
混合して使用することができる。また、十分な熱応答性
を得るために、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前
駆体と電子受容性の顕色剤を主成分とする感熱記録層に
用いる場合には、該電子供与性染料前駆体に対して20
〜400質量%用いることが好ましく、さらに、30〜
350質量%用いることがより好ましい。
【0030】本発明における感熱記録層は、感熱記録成
分を支持体上に設けることにより形成される。感熱記録
成分を支持体上に設ける方法は特に限定されないが、感
熱記録成分を含む塗液を塗布する方法、感熱記録成分を
含むインキを印刷する方法などを用いることができる。
また、感熱記録層には、必要に応じてバインダーを含有
させることもできる。感熱記録層に含有させるバインダ
ーは特に限定されないが、感熱記録成分の発色特性に与
える影響が少ないものが特に好ましく用いられる。
【0031】本発明における感熱記録層及びオーバーコ
ート層に用いるバインダーの具体例としては、デンプン
類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラ
チン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の
水溶性樹脂。ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリ
エーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキ
シベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマ
レイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホ
ン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホ
ン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、
フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン
ホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミ
ドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、
アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢
酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エス
テル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル
/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン
酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共
重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩等の水分散樹
脂などが挙げられ、これらは、単独もしくは2種以上混
合して用いることができる。
【0032】本発明におけるオーバーコート層に用いら
れるポリオレフィン系樹脂粒子としては、単一オレフィ
ン類の単独共重合体のみばかりでなく、各種モノマーと
の共重合体を使用することができる。
【0033】単独共重合体としては、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等が挙げら
れるが、これらの中でも低密度の樹脂が好ましく、特に
好ましいのは低密度ポリエチレン樹脂である。
【0034】各種モノマーとの共重合体のうち、好まし
いものとしてエチレン−極性モノマー共重合体が挙げら
れる。中でも、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸ヘキシル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピ
ル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジル
共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチ
レン−マレイン酸共重合体、エチレン−フマル酸共重合
体、エチレン−クロトン酸共重合等のエチレン−エチレ
ン性不飽和酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン
−酪酸ビニル共重合体、エチレン−ステアリン酸ビニル
共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体、或い
はエチレン−スチレン共重合体等がより好ましい。更に
好ましくは、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、特
に好ましいのはエチレン−酢酸ビニル共重合体である。
エチレン−極性モノマー共重合体の分子量は、基体に塗
布、乾燥された後皮膜を形成できる程度であればよい。
エチレンと極性モノマーとの質量比は95/5乃至50
/50である。
【0035】本発明におけるオーバーコート層に用いる
ポリオレフィン系樹脂粒子の平均粒径が1μm以下にな
ると、感熱記録を行った場合スティッキングを起こしや
すく、平均粒径が20μm以上になると、熱転写記録を
行った場合、インクリボンとの密着性が低下するため、
白抜けなどの印字障害を起こしやすくなる。従って、本
発明に用いるポリオレフィン系樹脂の平均粒径は、1乃
至20μmが好ましく、より好ましくは2乃至15μm
であり、特に好ましいのは3乃至10μmである。
【0036】本発明におけるオーバーコート層に用いる
ポリオレフィン系樹脂粒子の配合量が質量比で5質量%
以下になると、塗工表面付近に存在するポリオレフィン
系樹脂粒子が少なくなるため、感熱記録を行った場合ス
ティッキングを起こしやすくなる。一方、ポリオレフィ
ン系樹脂粒子の配合比が90質量%以上になると、バイ
ンダーによる結着力が弱く、粒子の脱落が生じやすくな
り、粉ふき、熱転写インクの脱落等を起こしやすくな
る。従って、本発明におけるオーバーコート層に用いる
ポリオレフィン系樹脂粒子の配合量は5乃至90質量%
が好ましく、より好ましくは10乃至80質量%であ
り、特に好ましいのは15乃至70質量%である。
【0037】また、オーバーコート層の塗布量を固形分
で3g/m2より多くすると、感熱記録を行った場合感
熱発色層への熱伝達が低下するため、発色感度の低下、
発色濃度の低下を引き起こす。従って、本発明における
オーバーコート層の塗布量は、固形分で3g/m2以下
が好ましく、より好ましくは2.5g/m2以下であ
り、特に好ましいのは1.5g/m2以下である。
【0038】本発明におけるオーバーコート層に用いら
れる、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、SBRラテックス
としては、市販されている種々の樹脂を用いることがで
きる。
【0039】本発明におけるオーバーコート層に用いら
れるアクリル樹脂としては、種々のアクリル系単量体を
共重合したもの、或いはアクリル系単量体とビニル系単
量体を共重合したものを用いることができる。具体例と
しては、荒川化学工業製のポリマセットシリーズ、日本
エヌエスシー製のナクリリックシリーズ、中央理化工業
製のリカボンドシリーズ、ヘキスト合成製のモビニール
シリーズ、三井化学製ボンロンシリーズ、サイデン化学
製のサイビノールシリーズ、大日本インキ化学工業製の
ボンコートシリーズ等が挙げられる。
【0040】本発明におけるオーバーコート層に用いら
れるウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート化合物
とポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等
の高分子量ポリオール化合物、或いはカルボキシル基又
はスルホン酸基を有する低分子量ポリオールとを共重合
させたものを用いることができる。これらの具体例とし
ては、第一工業製薬製のスーパーフレックスシリーズ、
エラストロンシリーズ、コニシ製のボンドKUシリー
ズ、大日本インキ化学工業製のボンディックシリーズ、
ハイドランHWシリーズ、ハイドランAPシリーズ等が
挙げられる。
【0041】本発明におけるオーバーコート層に用いら
れるSBRラテックスとしては、スチレンとブタジエン
を乳化重合させたものを用いることができる。これらの
具体例としては、旭化成工業製のDLシリーズ、Lシリ
ーズ、日本ゼオン製のニポールシリーズ、大日本インキ
化学工業製のラックスターシリーズ等が挙げられる。
【0042】本発明におけるオーバーコート層に用いら
れるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、SBRラテックスの
うち少なくとも1種は、厚さ200μmの被膜を形成
し、毎分300mmで牽引したときの伸度が300%以
上、1000%以下であり、好ましくは400%以上8
00%以下である。厚さ200μmの被膜を形成し、毎
分300mmで牽引したときの伸度が300%未満にな
ると、熱転写記録を行った場合、熱転写インクリボンと
の密着性が低下し、ドットの再現性が悪くなり好ましく
ない。また、厚さ200μmの皮膜を形成し、毎分30
0mmで牽引したときの伸度が1000%より大きくな
ると、感熱記録を行った場合、スティッキングを生じや
すくなり好ましくない。
【0043】また、本発明におけるオーバーコート層に
用いるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、SBRラテックス
は、厚さ200μmの被膜を形成し、毎分300mmで
牽引したときの抗張力が100kgf/cm2未満にな
るとブロッキングを起こしやすくなり好ましくない。従
って、本発明におけるオーバーコート層に用いるアクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂、SBRラテックスのうち少なく
とも1種は、厚さ200μmの被膜を形成し、毎分30
0mmで牽引したときの抗張力が100kgf/cm2
以上であり、より好ましくは200kgf/cm2以上
で、特に好ましいのは300kgf/cm2以上であ
る。
【0044】本発明に用いられる支持体としては、紙、
各種不織布、織布、ポリエチレンテレフタレートやポリ
プロピレン等のプラスチックフィルム、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の合成樹脂をラミネートしたラミネー
ト紙、合成紙、アルミニウム等の金属箔、ガラス等、あ
るいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて
任意に用いることができるが、これらに限定されるもの
ではない。これらは不透明、透明、半透明のいずれでも
よい。地肌を白色その他の特定の色に見せるために白色
顔料や有色染顔料や気泡を支持体中又は表面に含有させ
ても良い。
【0045】本発明における感熱記録層の層構成は、必
要に応じて、感熱記録層と支持体の間、或いは感熱記録
層とオーバーコート層との間に中間層を設けることがで
きる。また、感熱記録層が2層以上の場合は、異なる感
熱記録層の間に中間層を設けることができる。これらの
場合、中間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構
成されていてもよい。更に支持体の感熱記録層が設けら
れている面と反対側の面にカール防止、帯電防止を目的
としたバックコート層、或いは磁気記録を目的とした磁
気記録層、インクジェット記録を目的としたIJ記録層
など種々の記録層を設けることができる。
【0046】本発明における感熱記録層は、発色成分を
微粉砕して得られる各々の水性分散液とバインダ−等を
混合し、支持体上に塗布乾燥することにより得ることが
できる。この場合、所望により複数の発色成分を複数の
層に含有させて多層構造としてもよいが、同一の層に含
有させることが好ましい。
【0047】本発明の感熱記録媒体においては、レーザ
ー光を用いた印字を行うために、感熱記録媒体中の任意
の層及び支持体中に光熱変換材料を含有させることもで
きる。
【0048】本発明の感熱記録媒体の任意の層には、必
要に応じて、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオ
リン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素
−ホルマリン樹脂などの無機および有機顔料、その他
に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの
高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリ
エチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カ
スターワックスなどのワックス類を、また、ジオクチル
スルホこはく酸ナトリウムなどの分散剤、さらに界面活
性剤、及び蛍光染料などを含有させることもできる。
【0049】また、耐光性を向上させる目的で、酸化防
止剤、紫外線吸収剤を添加することができる。酸化防止
剤としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤、及びスルフィド系酸化防止
剤などが挙げられる。また、紫外線吸収剤としては、ベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線
吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの有機系紫
外線吸収剤、及び酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム
などの無機系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0050】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳しく説
明する。なお、以下の部は質量部であり、%は質量%を
表す。
【0051】実施例1 (A1)多色感熱記録層(高温発色層)形成用塗工液の
調製 黒発色染料前駆体である3−ジブチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン3部を2%ポリビニルアル
コール水溶液7部と共にボールミルで粉砕し、体積平均
粒径1μmの染料前駆体分散液10部を得た。次いで、
顕色剤である2,2′−ビス{4−(4−ヒドロキシフ
ェニルスルホニル)フェノキシ}ジエチルエーテル5部
を2%ポリビニルアルコール水溶液10部と共にボール
ミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの顕色剤分散液15
部を得た。上記2種の分散液を混合し、多色感熱記録層
形成用(高温発色層)塗工液を調製した。
【0052】(A2)多色感熱記録層(低温発色層)形
成用塗工液の調製 赤発色染料前駆体である3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロフルオラン3部を2%ポリビニルアルコール水溶液7
部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの染
料前駆体分散液10部を得た。次いで、電子受容性の顕
色剤であるN−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トル
エンスルホンアミド5部を2%ポリビニルアルコール水
溶液10部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1
μmの顕色剤分散液15部を得た。また、シュウ酸ジ−
p−メチルベンジル5部を2%ポリビニルアルコール水
溶液10部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1
μmのシュウ酸ジ−p−メチルベンジル分散液15部を
得た。さらに、炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタリ
ン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉砕
し、体積平均粒径1μmの炭酸カルシウム分散液10部
を得た。上記4種の分散液を混合し、多色感熱記録層形
成用(低温発色層)塗工液を調製した。
【0053】(B)感熱塗工用紙の作製 焼成カオリン100部、50%スチレン−ブタジエン系
ラテックス水分散液24部、水200部の配合よりなる
塗工液を、坪量50g/m2の上質紙に固形分塗抹量と
して10g/m2になる様に塗工、乾燥して、感熱層塗
工用紙を作製した。
【0054】(C1)オーバーコート層形成用塗液の調
製 45%アクリル樹脂(大日本インキ化学工業製:ボンコ
ートAN258、伸度:500%、抗張力:110kg
f/cm2)45部、40%低密度ポリオレフィン分散
液(三井化学製:ケミパールM200、平均粒子径6μ
m)45部、及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタ
リン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉
砕して得られる炭酸カルシウム分散液10部を混合しオ
ーバーコート層形成用塗工液を調製した。
【0055】(D1)多色感熱記録層の作製 (B)で作製した感熱塗工用紙に、(A1)で調製した
多色感熱記録層(高温発色層)形成用塗工液を固形分塗
工量が3g/m2になるように塗工、乾燥した。更にこ
の上に(A2)で調製した多色感熱記録層(低温発色
層)形成用塗工液を固形分塗工量が2g/m2になるよ
うに塗工、乾燥した後、塗工面のベック平滑度が400
〜500秒となるようにカレンダー処理し、多色感熱記
録層を設けた。
【0056】(D1)で設けた多色感熱記録層上に、
(C1)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固
形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥し
た後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となる
ようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0057】実施例2 (A3)多色感熱記録層形成用塗工液の調製 黒色発色の電子供与性染料前駆体である3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニ
リノ)フルオラン5部を2.5%ポリビニルアルコール
水溶液90部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径
1μmの染料前駆体分散液を得た。次いでこの分散液を
重合容器に移し、メタクリル酸メチル2部及びエチレン
グリコールジメタクリレート0.5部を加え攪拌しなが
ら70℃に昇温した。これに重合開始剤である2.5%
過硫酸カリウム水溶液2.5部を加えて、攪拌を続けな
がら8時間反応させた。次いでこれを室温まで冷却し、
表面に発色調節層を設けた電子供与性染料前駆体粒子の
分散液100部を得た。また、赤色発色の染料前駆体で
ある3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン3部を
2%ポリビニルアルコール水溶液7部と共にボールミル
で粉砕し、体積平均粒径1μmの染料前駆体分散液10
部を得た。次いで、電子受容性の顕色剤である2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン6部を2%ポ
リビニルアルコール水溶液14部と共にボールミルで粉
砕し、体積平均粒径1μmの電子受容性顕色剤分散液2
0部を得た。また、増感剤として2−ベンジルオキシナ
フタレン6部を2%ポリビニルアルコール水溶液14部
と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの2−
ベンジルオキシナフタレン分散液20部を得た。さら
に、炭酸カルシウム5部を2%ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム水溶液10部と共にホモジナイザーで粉砕し、体積
平均粒径1μmの炭酸カルシウム分散液15部を得た。
上記5種の分散液を混合し、多色感熱記録層形成用塗工
液を調製した。
【0058】(C2)オーバーコート層形成用塗工液の
調製 40%ウレタン樹脂(大日本インキ化学工業製:ハイド
ランHW970、伸度400%、抗張力:400kgf
/cm2)45部、40%低密度ポリオレフィン分散液
(三井化学製:ケミパールM200、平均粒子径6μ
m)45部、及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタ
リン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉
砕して得られる炭酸カルシウム分散液10部を混合しオ
ーバーコート層形成用塗工液を調製した。
【0059】(D2)多色感熱記録層の作製 (B)で作製した感熱塗工用紙上に、(A3)で調製し
た多色感熱記録層形成用塗工液を固形分塗工量が5g/
2となるように塗工、乾燥した後、塗工面のベック平
滑度が400〜500秒となるようにカレンダー処理
し、多色感熱記録層を設けた。
【0060】(D2)で設けた多色感熱記録層の上に、
(C2)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固
形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥し
た後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となる
ようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0061】実施例3 (A4)単色感熱記録層形成用塗工液の調製 黒発色染料前駆体である3−ジブチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン3部を2%ポリビニルアル
コール水溶液7部と共にボールミルで粉砕し、体積平均
粒径1μmの染料前駆体分散液10部を得た。次いで、
顕色剤である2,2′−ビス{4−(4−ヒドロキシフ
ェニルスルホニル)フェノキシ}ジエチルエーテル5部
を2%ポリビニルアルコール水溶液10部と共にボール
ミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの顕色剤分散液15
部を得た。上記2種の分散液を混合し、単色感熱記録層
形成用塗工液を調製した。
【0062】(D3)感熱記録層の作製 (B)で作製した感熱塗工用紙上に、(A4)で調製し
た単色感熱記録層形成用塗工液を固形分塗工量が5g/
2となるように塗工、乾燥した後、塗工面のベック平
滑度が400〜500秒となるようにカレンダー処理
し、単色感熱記録層を設けた。
【0063】(C3)オーバーコート層形成用塗工液の
調製 49%SBRラテックス(大日本インキ化学工業製:ラ
ックスター3307B、伸度300%、抗張力:150
kgf/cm2)60部と、低密度ポリエチレン樹脂粒
子(住友精化製:フロービーズLE1080、平均粒子
径6μm)30部、及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキ
サメタリン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザ
ーで粉砕して得られる分散液10部とを混合しオーバー
コート用塗工液を調製した。
【0064】(D3)で設けた単色感熱記録層上に、
(C3)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固
形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥し
た後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となる
ようにカレンダー処理し感熱記録媒体を作製した。
【0065】実施例4 (C4)オーバーコート層形成用塗工液の調製 40%アクリル樹脂(大日本インキ化学工業製:ボンコ
ートAN180H、伸度25%、抗張力:489kgf
/cm2)45部、40%低密度ポリオレフィン分散液
(三井化学製:ケミパールM200、平均粒子径6μ
m)45部及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタリ
ン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉砕
して得られる炭酸カルシウム分散液10部を混合しオー
バーコート層形成用塗工液を調製した。
【0066】(D1)で設けた多色感熱記録層上に(C
4)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固形分
塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥した
後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となるよ
うにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0067】実施例5 (C5)オーバーコート層形成用塗工液の調製 30%ウレタン樹脂(大日本インキ化学工業製:ハイド
ランHW350、伸度<10%、抗張力:510kgf
/cm2)45部、40%低密度ポリオレフィン分散液
(三井化学製:ケミパールM200、平均粒子径6μ
m)45部及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタリ
ン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉砕
して得られる炭酸カルシウム分散液10部を混合しオー
バーコート層形成用塗工液を調製した。
【0068】(D1)で設けた多色感熱記録層上に、
(C5)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固
形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥し
た後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となる
ようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0069】実施例6 (C6)オーバーコート層形成用塗液の調製 30%ウレタン樹脂(第一工業製薬製:スーパーフレッ
クス300、伸度1500%、抗張力:195kgf/
cm2)45部、40%酢酸ビニル系共重合ポリオレフ
ィン分散液(三井化学製:ケミパールV300、平均粒
子径8μm)45部、及び炭酸カルシウム3部を2%ヘ
キサメタリン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイ
ザーで粉砕して得られる炭酸カルシウム分散液10部を
混合しオーバーコート層形成用塗工液を調製した。
【0070】(D1)で設けた多色感熱記録層上に、
(C6)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固
形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥し
た後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となる
ようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0071】実施例7 (C7)オーバーコート層形成用塗液の調製 49%アクリル樹脂(大日本インキ化学工業製:ボンコ
ート3256、伸度:450%、抗張力:34kgf/
cm2)45部、40%低密度ポリオレフィン分散液
(三井化学製:ケミパールM200、平均粒子径6μ
m)45部、及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタ
リン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉
砕して得られる炭酸カルシウム分散液10部を混合しオ
ーバーコート層形成用塗工液を調製した。
【0072】(D1)で設けた多色感熱記録層上に、
(C7)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固
形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥し
た後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となる
ようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0073】実施例8 (C8)オーバーコート層形成用塗工液の調整 50%SBRラテックス(大日本インキ化学工業製:ラ
ックスターDS801、伸度700%、抗張力:36k
gf/cm2)60部と、炭酸カルシウム30部を2%
ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液70部と共にホモジ
ナイザーで粉砕して得られる分散液100部とを混合し
オーバーコート用塗工液を調製した。
【0074】(D1)で設けた多色感熱記録層上に、
(C8)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固
形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥し
た後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となる
ようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0075】比較例1 (C9)オーバーコート層形成用塗工液の調製 10%ポリビニルアルコール水溶液20部、ポリアクリ
ル酸のグリオキザール変性体2部、炭酸カルシウム15
部及び水60部をホモジナイザーで粉砕し、感熱記録紙
用オーバーコート層形成用塗工液を調製した。
【0076】(D1)で設けた多色感熱記録層上に、
(C9)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を固
形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥し
た後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒となる
ようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0077】比較例2 (C10)オーバーコート層形成用塗工液の調製 10%ポリビニルアルコール水溶液40部、ポリアクリ
ル酸のグリオキザール変性体2部、炭酸カルシウム15
部、40%低密度ポリオレフィン分散液(三井化学製:
ケミパールM200、平均粒子径6μm)45部及び水
60部をホモジナイザーで粉砕し、オーバーコート層形
成用塗工液を調製した。
【0078】(D1)で設けた多色感熱記録層上に、
(C10)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を
固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥
した後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒とな
るようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0079】比較例3 (C11)オーバーコート層形成用塗工液の調整 45%アクリル樹脂(大日本インキ化学工業製:ボンコ
ートAN258、伸度:500%、抗張力:110kg
f/cm2)60部と、炭酸カルシウム30部を2%ヘ
キサメタリン酸ナトリウム水溶液70部と共にホモジナ
イザーで粉砕して得られる分散液100部とを混合しオ
ーバーコート用塗工液を調製した。
【0080】(D2)で設けた多色感熱記録層上に、
(C11)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を
固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥
した後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒とな
るようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0081】比較例4 (C12)オーバーコート層形成用塗工液の調整 40%ウレタン樹脂(大日本インキ化学工業製:ハイド
ランHW970、伸度:400%、抗張力:400kg
f/cm2)60部と、炭酸カルシウム30部を2%ヘ
キサメタリン酸ナトリウム水溶液70部と共にホモジナ
イザーで粉砕して得られる分散液100部とを混合しオ
ーバーコート用塗工液を調製した。
【0082】(D2)で設けた多色感熱記録層上に、
(C12)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を
固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥
した後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒とな
るようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0083】比較例5 (C13)オーバーコート層形成用塗工液の調整 50%SBRラテックス(大日本インキ化学工業製:ラ
ックスターDS411、伸度:600%、抗張力:16
0kgf/cm2)60部と、炭酸カルシウム30部を
2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液70部と共にホ
モジナイザーで粉砕して得られる分散液100部とを混
合しオーバーコート用塗工液を調製した。
【0084】(D2)で設けた多色感熱記録層上に、
(C13)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を
固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥
した後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒とな
るようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0085】比較例6 (C14)オーバーコート層形成用塗工液の調整 55%アクリル樹脂(大日本インキ化学工業製:ボンコ
ートAB795、伸度:1500%<、抗張力:2kg
f/cm2)45部、40%低密度ポリオレフィン分散
液(三井化学製:ケミパールM200、平均粒子径6μ
m)45部、及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタ
リン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉
砕して得られる炭酸カルシウム分散液10部を混合しオ
ーバーコート層形成用塗工液を調製した。
【0086】(D2)で設けた多色感熱記録層上に、
(C14)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を
固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥
した後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒とな
るようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0087】比較例7 (C15)オーバーコート層形成用塗工液の調整 40%ウレタン樹脂(大日本インキ化学工業製:ボンデ
ィック2210、伸度:1200%、抗張力24kgf
/cm2)45部、40%低密度ポリオレフィン分散液
(三井化学製:ケミパールM200、平均粒子径6μ
m)45部、及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタ
リン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉
砕して得られる炭酸カルシウム分散液10部を混合しオ
ーバーコート層形成用塗工液を調製した。
【0088】(D2)で設けた多色感熱記録層上に、
(C15)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を
固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥
した後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒とな
るようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0089】比較例8 (C16)オーバーコート層形成用塗工液の調整 47%SBRラッテクス(大日本インキ化学工業製:ラ
ックスター5215A、伸度:250%、抗張力8kg
f/cm2)45部、40%低密度ポリオレフィン分散
液(三井化学製:ケミパールM200、平均粒子径6μ
m)45部、及び炭酸カルシウム3部を2%ヘキサメタ
リン酸ナトリウム水溶液7部と共にホモジナイザーで粉
砕して得られる炭酸カルシウム分散液10部を混合しオ
ーバーコート層形成用塗工液を調製した。
【0090】(D2)で設けた多色感熱記録層上に、
(C16)で調製したオーバーコート層形成用塗工液を
固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥
した後、塗工面のベック平滑度が600〜800秒とな
るようにカレンダー処理し、感熱記録媒体を作製した。
【0091】試験1 感熱記録試験 実施例1〜8および比較例1〜8の感熱記録媒体に、T
DK製印字ヘッド(LH4409)付き大倉電機製感熱
ファクシミリ印字試験機(TH−PMD)を用いて、印
加電圧20ボルト、印加パルス2.0ミリ秒で高エネル
ギー印字(黒色印字)を行った。また、実施例1〜2、
実施例4〜8及び比較例1〜8の感熱記録媒体に印加電
圧20ボルト、印加パルス1.0ミリ秒で低エネルギー
印字(赤色印字)を行った。印字時の、スティッキン
グ、印字カス、印字品質を目視により観察した結果を表
1に示す。
【0092】試験2 熱転写記録試験 実施例1〜8及び比較例1〜8の感熱記録媒体の塗工面
に、熱転写インクリボンをのせ、感熱記録試験と同じよ
うに印加電圧20ボルト、印加パルス0.8ミリ秒で加
熱した後、インクリボンを取り除き画像の印字品質を目
視により観察した。その結果を表1に示す。
【0093】試験3 ブロッキング試験 実施例1〜8及び比較例1〜8の感熱記録媒体につい
て、それぞれの試験片3枚を重ね合わせ、150g/c
2になるように荷重し、40℃、湿度90%RHの環
境に24時間暴露した後、一枚ずつ剥離して塗工面及び
裏面の状態を目視により観察した。その結果を表1に示
す。
【0094】
【表1】
【0095】表1中の感熱記録試験は下記の評価基準に
て評価した。 (1)印字品質 ◎:ドットの再現性が極めて優れている。 ○:ドットの再現性が良好である。 △:ドットの再現性が劣り、実用には不十分である。 ×:ドットの再現性が極めて悪く、実用には適さない。 (2)スティッキング ◎:印字音がなく、極めて優れている。 ○:印字音はするものの、画像への影響がない。 △:印字音、画像への影響が僅かにあり実用には不十分
である。 ×:印字音、画像の白トビがあり実用的でない。 (3)カス ◎:カスの付着がなく極めて優れている。 ○:カスの付着があるが、印字への影響はない。 △:カスの付着があり、印字への影響が僅かにあり実用
には不十分である。 ×:カスが付着し、印字への影響があり実用には適さな
い。
【0096】表1中の熱転写記録試験は、下記の評価基
準にて評価した。 (1)印字品質 ◎:ドットの再現性が極めて優れている。 ○:ドットの再現性が良好である。 △:ドットの再現性が劣り、実用には不十分である。 ×:ドットの再現性が極めて悪く、実用には適さない。
【0097】表1中のブロッキング試験は、下記の評価
基準で評価した。 ◎:試験片が極めて容易に剥がれる。 ○:試験片が容易に剥がれる。 △:試験片が剥がれ難く、僅かに塗工面の剥離があり実
用には不十分である。 ×:試験片が剥がれ難く、塗工面が脱落し実用には適さ
ない。
【0098】表1中、実施例1〜3の感熱記録媒体は、
オーバーコート層に使用した樹脂の伸度が300%以上
で、かつ抗張力が100kgf/cm2以上であるため
熱転写記録試験時には、熱転写インクリボンとの密着性
が高く極めて良好な印字品質が得られ、感熱記録試験時
にはスティッキング、印字カス等を生じることなく極め
て良好な印字品質が得られた。しかもブロッキング試験
においても優れた結果を示した。
【0099】実施例4及び5は、オーバーコート層に使
用した樹脂の伸度が100%未満と小さいため、感熱記
録試験時にはスティッキング、印字カス等を生じること
なく極めて良好な印字品質が得られた。また、オーバー
コート層にポリオレフィン系樹脂を使用しているため、
熱転写記録試験時にもドットの再現性に優れていた。更
に、抗張力が300kgf/cm2以上であるため、ブ
ロッキング試験においても極めて良好な結果が得られ
た。
【0100】実施例6では、オーバーコート層に使用し
た樹脂の伸度が1500%と大きいため、熱転写記録試
験時には極めて良好な印字品質が得られた。また、感熱
記録試験を行った場合、オーバーコート層にポリオレフ
ィン系樹脂粒子を使用しているため、伸度1500%の
樹脂を使用したにも拘わらず、印字音の発生はあるもの
の画像への影響はなく良好な印字品質が得られた。更
に、抗張力が100kgf/cm2以上であるため、ブ
ロッキング試験においても極めて良好な結果が得られ
た。
【0101】実施例7及び8では、オーバーコート層に
使用した樹脂の伸度が300%以上であるため、熱転写
記録試験時には熱転写インクリボンとの密着性が高く、
極めて良好な印字品質が得られた。また、オーバーコー
ト層にポリオレフィン系樹脂粒子を使用したため、抗張
力が100kgf/cm2未満である樹脂を用いたにも
拘わらず、ブロッキング試験においても優れていた。
【0102】比較例1では、感熱記録紙用のオーバーコ
ート層を設けているため、感熱記録試験においては良好
な結果を示すが、熱転写記録試験においては、熱転写イ
ンク受理性が乏しく実用には適さない結果となった。比
較例2では、熱転写インクとの結着性が良いポリオレフ
ィン系樹脂粒子を使用しているものの、熱転写記録時の
印字品質は実用には不十分であった。
【0103】比較例3〜5では、オーバーコート層に使
用した樹脂の伸度が300%以上と大きいため、熱転写
記録試験時には良好な結果を示した。しかし、感熱記録
試験時にはオーバーコート層にポリオレフィン系樹脂粒
子を使用していないため、スティッキングが発生し、高
温印字部(黒発色)のドット再現性が悪く実用には不十
分な結果となった。また、ブロッキング試験において
は、比較例4では抗張力が400kgf/cm2の樹脂
を使用しているため良好な結果が得られたものの、オー
バーコート層にポリオレフィン系樹脂粒子を使用してい
ないため、比較例3及び5では試験片の張り付きが生
じ、剥離時に塗工面の脱落があり実用には不十分な結果
となった。
【0104】比較例6及び7では、オーバーコート層に
使用した樹脂の伸度が1000%以上と大きいため、熱
転写記録試験では熱転写インクリボンとの密着性が高
く、極めて良好な印字品質が得られた。一方、感熱記録
試験ではオーバーコート層にポリオレフィン系樹脂粒子
を用いたにも拘わらず、スティッキングが発生しドット
の再現性が悪く実用には適さない結果となった。更に、
ブロッキング試験においてオーバーコート層に使用した
樹脂の抗張力が100kgf/cm2以下であるもの
の、ポリオレフィン系樹脂粒子を使用しているため、比
較例6では塗工面の僅かな剥離が生じたものの、比較例
7では実用上問題ないレベルであった。
【0105】比較例8では、オーバーコート層に使用し
た樹脂の伸度が300%以下と小さいため、ポリオレフ
ィン系樹脂粒子を用いたにも拘わらず、熱転写記録試験
時のドットの再現性が悪く実用には不十分な結果となっ
た。しかし、感熱記録試験時にはスティッキング、印字
カス等の発生が無く良好な印字品質が得られた。また、
ブロッキング試験においては、オーバーコート層に使用
した樹脂の抗張力が100kgf/cm2以下である
が、ポリオレフィン系樹脂粒子を使用しているため、塗
工面の僅かな剥離が生じる程度にとどまった。
【0106】
【発明の効果】以上説明してきたように、従来の手法で
は、感熱記録時のスティッキングと印字カス、熱転写記
録時のインク受理性、及びブロッキング特性のすべてを
同時に満たすことは困難であった。しかし、本発明の感
熱記録媒体は感熱記録時において、スティッキング、印
字カス等を生じることなく記録することができ、しかも
ドットの再現性に極めて優れている。また、熱転写記録
においても、インク受理性が良くドットの再現性に極め
て優れており、ブロッキングを引き起こすこともない。
従って、本発明の感熱記録媒体を用いることによって、
単一の記録媒体で感熱記録、熱転写記録の2つの記録方
式に対応することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも1種以上の電子
    供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と該染料前駆
    体を加熱時発色させる電子受容性の顕色剤を含有する、
    少なくとも1層以上からなる感熱記録層を設けた感熱記
    録媒体において、オーバーコート層にポリオレフィン系
    樹脂粒子を含有し、かつ厚さ200μmの皮膜を形成
    し、毎分300mmで牽引した時の伸度が300%以
    上、1000%以下であるアクリル樹脂、ウレタン樹
    脂、SBRラテックスのいずれか1種以上を含有するこ
    とを特徴とする感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 支持体上に、少なくとも1種以上の電子
    供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と、該染料前
    駆体を加熱時発色させる電子受容性の顕色剤を含有す
    る、少なくとも1層以上からなる感熱記録層を設けた感
    熱記録媒体において、オーバーコート層にポリオレフィ
    ン系樹脂粒子を含有し、かつ厚さ200μmの皮膜を形
    成し、毎分300mmで牽引した時の抗張力が100k
    gf/cm 2以上であるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、
    SBRラテックスのいずれか1種以上を含有することを
    特徴とする感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 支持体上に、少なくとも1種以上の電子
    供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と、該染料前
    駆体を加熱時発色させる電子受容性の顕色剤を含有す
    る、少なくとも1層以上からなる感熱記録層を設けた感
    熱記録媒体において、オーバーコート層にポリオレフィ
    ン系樹脂粒子を含有し、かつ厚さ200μmの皮膜を形
    成し、毎分300mmで牽引した時の抗張力が100k
    gf/cm 2以上かつ伸度300%以上であるアクリル
    樹脂、ウレタン樹脂、SBRラテックスのいずれか1種
    以上を含有することを特徴とする感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 該ポリオレフィン系樹脂粒子が低密度ポ
    リオレフィン系樹脂粒子であることを特徴とする請求項
    1乃至3記載の感熱記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013137243A1 (ja) * 2012-03-16 2013-09-19 日本製紙株式会社 感熱記録体
CN116215110A (zh) * 2023-02-27 2023-06-06 扬州市祥华新材料科技有限公司 变色型电化铝烫印箔及其制备方法

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