以下、本発明の内容を更に具体的に説明する。本発明の多色感熱記録材料は、支持体上に、互いに異なる色調に発色する2種以上の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体を加熱時発色させる顕色剤とを含有する多色感熱記録層を設け、更にその上部に発色調節シートを重ねたものである。以下、本発明の内容を更に具体的に説明する。
本発明に係る発色調節シートは、プリンターの印加温度(印加エネルギー)を調節することを目的として、支持体上に設けた多色感熱記録層の上部に脱着可能な状態で仮密着させるものであり、プリンターの印加エネルギーを適宜、遮断、コントロールする機能があれば、その構成や枚数は特に限定はされないが、例えば坪量が20〜100g/m2程度のグラシン紙、上質紙(中性紙・酸性紙)、透明および不透明フィルム、合成紙等のシートが挙げられる。なかでも、坪量が20〜50g/m2で密度が0.8g/cm3以上のシートが好ましく用いられる。発色調節シートの厚み(坪量)や密度を調節することにより、印加エネルギーをコントロールすることが可能である。しかし坪量が20g/m2よりも小さいと、シート自体の強度が弱くなり、感熱印字の際に破れたり、しわが寄ったりする。一方100g/m2よりも大きいと、および密度が0.8g/cm3よりも小さいと、印加エネルギーの遮断の程度が大きくなりすぎ、多色感熱記録層が発色しにくくなるため好ましくない。
また発色調節シートの多色感熱記録層と接する面に、熱可融性密着層を設けることで、多色感熱記録層との密着性が向上し、発色調節シートを重ねた状態で印字する際、印加した熱エネルギーが面方向に均一に多色感熱記録層に達し、得られる印字品位が良好となるため好ましい。熱可融性密着層は、熱可融性有機化合物を主成分とする層であり、熱可融性有機化合物としては、融点が40〜150℃程度のワックス類が好ましく用いられる。例えば、カルナバワックス、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチル、エチレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸金属塩などの高級脂肪族系化合物が挙げられる。熱可融性有機化合物の融点が、40℃よりも低いと多色感熱記録層を有する下葉シートと常温で粘着してしまい、また発色調節シートを重ねて印字する場合、過剰の熱可融性有機化合物が下葉シートへ転写するため印字品位が悪くなる。また150℃よりも高いと、発色調節シートを重ねて印字する場合、印加エネルギーの大半が熱可融性有機化合物の融解熱として吸熱されるため、印加エネルギーの遮断の程度が大きくなりすぎる。
本発明に係る熱可融性密着層は、任意の方法で発色調節シート上に設けることができるが、好ましくは、ホットメルト方式により塗布して形成される。熱可融性有機化合物を熱可融した状態でホットメルト塗布することで、平滑性・密着性に優れた熱可融性密着層を得ることができる。塗布量としては、1〜8g/m2程度が好ましい。
本発明に係る多色感熱記録層は、互いに異なる色調に発色する2種以上の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体を加熱時発色させる顕色剤とを含有することで、温度・エネルギーの違いにより2種以上の色調に発色するもので、低温発色色調と高温発色色調の色分離が明確であれば、本発明の範囲内において、その層構成、配合成分・組成などは特に限定はされないが、多色感熱記録層を単一層にすることで、印字時の発色調節シートの有無により色分離の明確な多色感熱記録材料となりより好ましい。多色感熱記録層を単一層にするには、発色成分を同一層内において何らかの形で物理的、熱的に隔離するのが好ましく、電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物、消色成分、その他熱可融成分を、単独で、または、組み合わせて公知のマイクロカプセル化法等を利用して隔離する方法が挙げられるが、本発明においては、電子供与性染料前駆体を何らかの手法で隔離することが特に好ましい。
多色感熱記録材料において、発色色調は電子供与性染料前駆体の種類に左右される。従って、顕色剤を複数の電子供与性染料前駆体で共通とし、一方の電子供与性染料前駆体を任意の手法で物理的、熱的に隔離し、他方の隔離しない電子供与性染料前駆体及び電子受容性顕色剤と共に同一の層に含有させることにより、加熱温度の違いにより2種の色調に発色する多色感熱記録材料を得ることができる。すなわち、より低い温度の加熱では、隔離していない電子供与性染料前駆体だけが顕色剤と反応して第1の色調に発色し、より高い温度の加熱では、隔離していない電子供与性染料前駆体と隔離された電子供与性染料前駆体との両方が顕色剤と反応して第2の色調に発色する。第1の発色色調としては、赤、青、黄、紫、緑、橙色などが好ましいが特に限定はされない。混色で発色する第2の色調としては、黒、茶、紺、濃緑色などの濃色が好ましいが特に限定はされない。また、第3の色調を設けることも可能であり、この場合、複数種の電子供与性染料前駆体の表面に特性の異なる隔離壁を設け、電子供与性染料前駆体毎に発色温度が異なる様に調節すれば良い。
電子供与性染料前駆体を物理的、熱的に隔離する方法は、特に限定はされず、公知のマイクロカプセル化法等を使用することができる。マイクロカプセル壁などの隔離壁材としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、本発明においては、隔離壁は熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、界面重合法を利用したマイクロカプセル化法では、染料前駆体を溶剤に溶解させ、油滴状に分散させて、分散媒と油滴内部の界面で重縮合反応などの高分子反応により、油滴表面にカプセル壁を設けることで、染料前駆体マクロカプセルを得ることができ、単一の感熱記録層中で染料前駆体を電子受容性化合物から隔離することができる。さらに、上述界面重合法を利用したマイクロカプセル化法において、使用した溶剤を得られた染料前駆体マイクロカプセルから任意の方法で除去することにより、また、予め溶剤を使用せず高分子反応成分そのものに染料前駆体を溶解し高分子反応させることにより、染料前駆体と重合した高分子樹脂だけが混じり合った複合粒子を得ることができ、単一の感熱記録層中で染料前駆体を電子受容性化合物から隔離することができる。
なかでも、ビニル結合を有する化合物を単量体としこれを重合することにより形成される発色調節層を染料前駆体粒子の表面に設けることにより、発色温度を自在に調節することが可能になり、十分な発色濃度で各発色色調の色分離が明確となるためより好ましい。
本発明において、特に優れた多色感熱記録材料を得るために、該発色調節層は、染料前駆体粒子の分散液にビニル化合物を加え、重合開始剤を添加した後、必要に応じ加熱することにより付加重合し、染料前駆体粒子の表面を被覆して形成される。発色調節層をビニ化合物の重合により形成することによって、従来のマイクロカプセルの作製方法に比べて生産性が良く、また、発色調節層の特性を自在に制御することができる。また該ビニル化合物は、その分子中にビニル結合(炭素−炭素二重結合)を少なくとも1つ有し、ビニル結合部が活性点となって付加重合可能な化合物である。
発色調節層を設ける染料前駆体粒子の分散液は、染料前駆体を乾式粉砕して分散媒中に分散する方法、染料前駆体を分散媒に混入し湿式粉砕する方法などにより得られる。粉砕する方法としては、任意の方法を用いることができる。染料前駆体の分散液中の染料前駆体粒子の粒径は、0.1μm以上20μm以下が好ましい。本発明において粒径がこの範囲である場合、効率よく発色調節層を設けることができ、また、該分散液の製造のしやすさ、多色感熱記録材料の印字性の面からも有利である。
ビニル化合物には、ビニル結合を1つ有する化合物と、ビニル結合を2つ以上有する化合物がある。そのビニル結合を2つ以上有する化合物の含有量を変化させることにより、発色調節層の特性を自由に変化させることができる。ビニル結合を1つ有する化合物のみで重合したものに比べ、ビニル結合を2つ以上有する化合物を併用した発色調節層は、より強固な架橋構造が進み、発色調節層を表面に設けた染料前駆体の発色開始温度を高くする事ができる。ビニル結合を2つ以上有する化合物の併用比率は、ビニル化合物の全重量に対して1質量%以上70質量%以下、好ましくは、10質量%以上50質量%以下が良い。この範囲内であれば、発色開始温度などの発色特性を任意に調節でき、本発明に係る発色調節シートとの組み合わせで、色分離の調節が容易になる。
ビニル化合物の全量は、発色調節層を設ける染料前駆体粒子に対して、0.5質量%以上1000質量%以下であることが好ましい。発色調節層を設ける染料前駆体粒子に対して0.5質量%以上1000質量%以下である場合は、発色調節層としての機能が十分な被覆が可能であり、また重合が進行しやすく、重合時に凝集が生じにくい。
ビニル結合を1つのみ有する化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、m−ブロモスチレン、m−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、o−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−クロロスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、2−ビニルピリジン、イソブテン、3−メチル−1−ブテン、ブチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、ニトロエチレン、ビニリデンシアニド、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクロレイン、メチルアクロレイン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、α−アセトキシアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸メチル、α−シアノアクリル酸メチル、α−フェニルアクリル酸メチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−2−ブトキシエチル、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸メチルトリグリコール、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸シアノエチル、アクリル酸フェロセニルメチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヘプタフルオロブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸オクチル、2,3,3−トリフルオロアクリル酸メチル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸−2−ニトロブチル、アクリル酸、α−ブロモアクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、アクリロニトリル、アリルグリシジルエーテル、アリル酢酸、アリルアルコール、アリルベンゼン、N−アリルステアリルアミド、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバミン酸エチル、N−ビニルカルバゾール、クロトンアルデヒド、クロトン酸、1,1−ジフェニルエチレン、テトラフルオロエチレン、フマル酸ジエチル、1−ヘキセン、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、インデン、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸、マレイミド、メタクリルアミド、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸フェロセニルメチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−エトキシエチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸、メタアクリロキシエチルホスフェート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリロイルアセトン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニルキノリン、安息香酸ビニル、ビニルドデシルエーテル、ビニルエチルスルホキシド、ギ酸ビニル、ビニルイソブチルエーテル、ラウリン酸ビニル、ビニルフェニルエーテルなどが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、ビニル結合を2つ以上有する化合物の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、オクタエチレングリコールジアクリレートなどのポリエチレングリコールジアクリレート類、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートなどのポリエチレングリコールジメタクリレート類、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパンなどの2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン類、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシトリエトキシフェニル)プロパンなどの2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン類、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、アリルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート、ブタジエン、ブタジエン−1−カルボン酸エチル、ブタジエン−1,4−ジカルボン酸ジエチル、ジアリルメラミン、フタル酸ジアリル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、イソプレン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレートなどが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
以上の本発明におけるビニル化合物は、それぞれ単独もしくは2種以上混合して用いることができる。2種以上混合して用いる場合は、上述したように、ビニル結合を1つ有する化合物とビニル結合を2つ以上有する化合物との組み合わせが好ましいが、ビニル結合を1つ有する化合物同士、ビニル結合を2つ以上有する化合物同士の組み合わせで用いることもできる。
ビニル化合物を付加重合させるために加える重合開始剤は、公知のものを用いることができる。重合開始剤の具体例を以下に示す。過酸化水素、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペロオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのアゾ化合物、過酸化水素と第一鉄塩の組み合わせ、過硫酸塩と酸性亜硫酸ナトリウムの組み合わせ、クメンヒドロキシペルオキシドと第一鉄塩の組み合わせ、過酸化ベンゾイルとジエチルアニリンの組み合わせ、過酸化物と金属アルキルの組み合わせ、酸素と有機金属アルキルの組み合わせなどのレドックス開始剤などが挙げられる。これらは単独での使用に限らず、混合して使用しても良い。
本発明に係る多色感熱記録層に含有される電子供与性染料前駆体の発色色調について特に制限されるものではないが、前述のように、第1の電子供与性染料前駆体の発色色調としては、赤、青、黄、紫、緑、橙色などの淡色が、混色で発色する第2の電子供与性染料前駆体の色調としては、黒、茶、紺、濃緑色などの濃色が好ましい。一方、本発明に係る発色調節シートの多色感熱記録層と接する逆の面に設ける感熱記録層に含有される電子供与性染料前駆体も、発色色調は特に限定はされず、用途に応じた色調が選ばれる。これら電子供与性染料前駆体としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙などに用いられる化合物を使用することができ、具体的な例としては例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
黒系の電子供与性染料前駆体としては、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロペンチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、2−フェニルアミノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トルイル)アミノ−フルオラン、
緑系の電子供与性染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−(N−フェニル−N−メチル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−(N−メチル−N−フェニル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−(N−メチル−ベンジル)アミノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−プロピル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシ−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチルエトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−[p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ]−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−アニリノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−アニリノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−(7−シクロヘキシルアニリノ)フルオラン、3−ジベンジルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジベンジルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジベンジルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
青系の電子供与性染料前駆体としては、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジプロピルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジブチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジペンチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヒドロキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジクロロアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジブロモアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジアリルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヒドロキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルエトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルエトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルブトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルシクロヘキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ピロリジルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2,3−ジエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−アリル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−エチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−クロロインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−ブロモインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−プロピルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メトキシインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エトキシインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−エチル−4,5,6,7−テトラクロロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−ニトロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチルアミノ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−クロロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブロモ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブチル−2−インドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−フェニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−ヘプチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−4−アザフタリド、
赤系の電子供与性染料前駆体としては、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)テトラクロロフタリド、3,3−ビス(1−n−ブチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−(o−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミンB−(p−ニトロアニリノ)ラクタム、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロ−8−ベンジルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−アセチル−N−メチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルエトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[c]フルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−イソペンチル−N−エチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジアリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジアリルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ピロリジルアミノ−7−メチルフルオラン、3−エチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジペンチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジペンチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルシフルオラン、
黄系の電子供与性染料前駆体としては、3,6−ジメトキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、2,6−ジフェニル−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、2,2−ビス(4−(2−(4−ジエチルアミノフェニル)キナゾリル)オキシフェニル)プロパン、4−クロロ−N−(4−(N−(4−メチルベンジル)−N−メチルアミノ)ベンジリデン)アニリン、1−(2−キノリル)−2−(3−メトキシ−4−ドデシルオキシフェニル)エテン、1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレンなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
これら電子供与性染料前駆体と反応して発色する顕色剤としては、一般に感圧記録材料、または感熱記録材料に用いられる酸性物質に代表されるが、これらに制限されることはない。例えば、粘土物質、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリルチオ尿素誘導体、N−スルホニル尿素などの尿素誘導体、又はそれらの金属塩などが使用される。具体的な例としては、酸性白土、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン等の粘土物質、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスルホン、3−フェニルスルホニル−4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス[4−(4−トルエンスルホニル)アミノカルボニルアミノフェニル]メタン、N−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、N−p−トルエンスルホニル−N′−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)アニリン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、ノボラックフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−ノニルサリチル酸、3,5−ジドデシルサリチル酸、3−メチル−5−t−ドデシルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸等、およびこれらの亜鉛、ニッケル、アルミニウム、カルシウム等の金属塩等が挙げることができるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて2種類以上併用して使用することもできる。
本発明に係る多色感熱記録層、および発色調節シート上に設けられる感熱記録層は、その熱応答性を向上させるために、熱可融性物質を含有させることができる。この場合、60〜180℃の融点を持つものが好ましく、特に80〜140℃の融点を持つものがより好ましく用いられる。
具体的には、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、2−ベンジルオキシナフタレン、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α、α′−ジフェノキシキシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジ(4−クロルベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、等公知の熱可融性物質が挙げられる。これらの化合物は単独もしくは2種以上併用して使用することもできる。また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、熱可融性物質が5〜50質量%を占めることが好ましい。
本発明に係る多色感熱記録層、および発色調節シート上に設けられる感熱記録層は、感熱記録成分を支持体上に設けることにより形成される。感熱記録成分を支持体上に設ける方法は特に限定されないが、感熱記録成分の塗液を塗布する方法、感熱記録成分を含むインキを印刷する方法などを用いることができる。また、感熱記録層には、必要に応じてバインダーを併用してもよい。感熱記録層に含有させるバインダーは特に限定されないが、感熱記録成分の発色特性に与える影響がより少ないものが特に好ましく用いられる。
バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
本発明に係る多色感熱記録層を設ける支持体は透明、半透明、及び不透明のいずれであってもよく、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。
本発明においては、多色感熱記録層上に1層以上の保護層を設けても良い。保護層の成分は特に限定されないが、感熱記録組成の発色特性に与える影響が少ないものが特に好ましく用いられる。保護層を設けることにより、発色調節シートとの密着性が向上し、より高品位な印字が得られる。発色調節シートの多色感熱記録層に面する側に、熱可融可融密着層を設けた場合、特にこの保護層との密着性が向上し、感熱プリンターから印加されるエネルギーが均一に多色感熱記録層に加わるため、特に好ましい。
保護層の形成に用いられる樹脂の具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
本発明の多色感熱記録材料においては、多色感熱記録層と支持体の間に、平滑性、断熱性などを向上させるために中間層を設けても良い。中間層には、各種樹脂・バインダー、有機顔料、無機顔料、各種中空粒子などを含有させることがでる。無機顔料としては、焼成カオリン、炭酸カルシウムなどの多孔性・吸油性の顔料が、断熱性の面で良好で特に好ましく、有機顔料としては、中空や椀型のものが、平滑性・断熱性の面で良好で特に好ましい。
本発明の多色感熱記録材料の任意の層には、必要に応じて、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などの無機および有機顔料、その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックスなどのワックス類を、また、ジオクチルスルホこはく酸ナトリウムなどの分散剤、さらに界面活性剤、及び蛍光染料などを含有させることもできる。
本発明において、多色感熱記録層、感熱記録層、保護層、中間層などを塗布する方法は特に限定されるものではなく、例えば、エアーナイフコーター、各種ブレードコーター、各種バーコーター、各種カーテンコーター、フィルムプレス等の塗布装置や、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン等の各種印刷方式等を用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例において、%および部はすべて質量基準である。
実施例1
(1)中間層塗布支持体の作製
椀型の有機顔料(日本ゼオン製MH−8055)100部、50%スチレンブタジエン系ラテックス水分散液24部、水200部の配合よりなる塗工液を、坪量50g/m2の上質紙に固形分塗工量として5g/m2になるように塗布、乾燥して、中間層を塗布した支持体を作製した。
(2)低温発色用染料前駆体分散粒子の作製
赤色発色の電子供与性染料前駆体である3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン3部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液12部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの低温発色用染料前駆体分散液を得た。
(3)表面に発色調節層を設けた高温発色用染料前駆体粒子の作製
黒色発色の電子供与性染料前駆体である3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液85部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの染料前駆体分散液を得た。次いでこの分散液を重合容器に移し、メタクリル酸メチル4部及びトリメチロールプロパントリメタクリレート1部を加え攪拌しながら70℃に昇温した。これに重合開始剤である過硫酸カリウムの1%水溶液5部を加えて、攪拌を続けながら6時間反応させた。次いでこれを室温まで冷却し、表面に発色調節層を設けた高温発色用染料前駆体粒子の分散液を得た。
(4)電子受容性顕色剤を含む多色感熱記録層母液の作製
電子受容性顕色剤である4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン8部を2%ポリビニルアルコール水溶液24部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの電子受容性顕色剤分散液32部を得た。また、2−ベンジルオキシナフタレン8部を2%ポリビニルアルコール水溶液24部と共にボールミルで粉砕し、体積平均粒径1μmの2−ベンジルオキシナフタレン分散液32部を得た。さらに、炭酸カルシウム5部を2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液10部と共にホモジナイザーで粉砕し、体積平均粒径1μmの炭酸カルシウム分散液15部を得た。上記3種の分散液を混合し、多色感熱記録層母液を調製した。
(5)多色感熱記録層の塗布
(1)で作製した中間層塗布支持体上に、(2)で作製した低温発色用染料前駆体分散液15部と、(3)で作製した表面に発色調節層を設けた高温発色用染料前駆体粒子の分散液100部と、(4)で作製した多色感熱記録層母液79部とを混合して得た多色感熱記録塗布液を、固形分塗布量が7g/m2となるように塗布、乾燥した後、塗布面のベック平滑度が400〜500秒になるようにカレンダー処理をして多色感熱記録層を設けた支持体を作製した。
(6)多色感熱記録材料の作製
(5)で作製した多色感熱記録層塗布支持体に、カレンダー処理した坪量37g/m2、厚さ37μmのグラシン紙からなる発色調節シートを、重ねてカレンダー処理により仮密着させ、多色感熱記録材料を得た。
実施例2
実施例1の(6)多色感熱記録材料の作製において、発色調節シートの多色感熱記録層と接する面に、カルバナワックス30部およびステアリン酸アミド5部を120℃で溶融した熱可融性密着層塗布液をホットメルトコーターで4g/m2塗布後冷却し、熱可融性密着層を設けた発色調節シートとした以外は、実施例1と同じ方法で多色感熱記録材料を得た。
実施例3
実施例1の(6)多色感熱記録材料の作製において、発色調節シートの多色感熱記録層と接する面に、カルバナワックス30部およびステアリン酸アミド5部を120℃で溶融した熱可融性密着層塗布液をホットメルトコーターで4g/m2塗布後冷却し、更に、その逆の面に、電子供与性染料前駆体3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部および電子受容性顕色剤4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン8部を、それぞれ2.5%ポリビニルアルコール水溶液85部と共にボールミルで粉砕して得た染料前駆体分散液90部および顕色剤分散液93部に、33%水酸化アルミニウム分散液15部を加えた感熱記録層塗布液を、固形分塗布量が4g/m2となるように塗布・乾燥しカレンダー処理して、熱可融性密着層および感熱記録層をそれぞれの面に設けた発色調節シートとした以外は、実施例1と同じ方法で多重複写多色感熱記録シートを得た。
比較例1
実施例1の(6)多色感熱記録材料の作製において、発色調節シートを使用しない以外は、実施例1と同じ方法で多色感熱記録材料を得た。
比較例2
実施例1の(5)多色感熱記録層の塗布において、(3)で作製した表面に発色調節層を設けた高温発色用染料前駆体粒子の分散液100部を使用しない以外は、実施例1と同じ方法で感熱記録材料を得た。
比較例3
実施例1の(5)多色感熱記録層の塗布において、(3)で作製した表面に発色調節層を設けた高温発色用染料前駆体粒子の分散液100部を使用せず、また実施例3と同様に熱可融密着層および感熱記録層をそれぞれの面に設けた発色調節シートを使用する以外は、実施例1と同じ方法で多重複写感熱記録シートを得た。
評価試験
(A)印字試験1
実施例1〜3および比較例1〜3の(多色)感熱記録材料を、大倉電機製ファクシミリ試験機TH−PMDを用いて印字した。ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1685Ωのサーマルヘッドを使用し、印加電圧21ボルトで、印加パルス幅1.4msecで印字し、発色調節シートを除して、発色色調を目視で評価した。なお、発色調節シートが無い場合はそのまま印字した。
(B)印字試験2
実施例1〜3および比較例1〜3の(多色)感熱記録材料から発色調節シートを除し、(A)印字試験1で印字した箇所とは別の箇所を、(A)印字試験1と同条件で印字し、発色色調を目視で評価した。なお、発色調節シートが無い場合はそのまま印字した。
表1中の同一支持体上の多色印字の項目は、評価試験における同一支持体上の2色印字の可能・不可能を示している。色分離の項目は、その際の、2色の分離性を示す。多重複写の項目は、評価試験において発色調節シートの発色も確認される場合は、多重複写可能として、括弧内はその発色色調を示している。
表1から明らかなように、実施例1〜3において、発色調節シートを仮密着させることで、単一の印加エネルギーでの多色印字が可能であった。また発色調節シートに熱可融性密着層を設けた実施例2および3において、多色の色分離性が向上し、更に、熱可融性密着層の裏面に発色調節層を設けた実施例3においては、多色印字に加えて多重複写印字も可能であった。