JP2002329421A - 電気絶縁材料 - Google Patents

電気絶縁材料

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JP2002329421A
JP2002329421A JP2001133904A JP2001133904A JP2002329421A JP 2002329421 A JP2002329421 A JP 2002329421A JP 2001133904 A JP2001133904 A JP 2001133904A JP 2001133904 A JP2001133904 A JP 2001133904A JP 2002329421 A JP2002329421 A JP 2002329421A
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copolymer
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maleimide
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fluorine
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Application number
JP2001133904A
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English (en)
Inventor
Kenichi Ueda
賢一 上田
Minoru Yamaguchi
稔 山口
Tomomi Makino
朋未 牧野
Shigeyuki Minami
茂幸 南
Yoshinobu Asako
佳延 浅子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性や熱安定性に優れると共に、低誘電率
を達成することができ、しかも、溶剤への溶解性に優れ
て加工しやすく、薄膜形成能等に優れるフッ素含有マレ
イミド系共重合体を必須とする電気絶縁材料を提供す
る。 【解決手段】 マレイミド単量体構造とその他の単量体
構造とを有するフッ素含有マレイミド系共重合体を必須
とする電気絶縁材料であって、該マレイミド単量体構造
は、N−フルオロアリールマレイミド単量体構造及び/
又はN−フルオロアルキルアリールマレイミド単量体構
造である電気絶縁材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁材料に関
する。詳しくは、耐熱性、熱安定性に優れ、更に低誘電
率、加工性、薄膜形成能等の特性を発揮するフッ素含有
マレイミド系共重合体を必須とする電気絶縁材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マレイミド単量体構造を有する共重合体
は、ガラス転移温度が高く、熱的な特性を向上すること
ができることから、耐熱性等に優れたプラスチック材料
として注目されている。このようなマレイミド単量体構
造を有する共重合体の適用分野の1つとしては、例え
ば、電子材料、基板材料等のエレクトロニクス樹脂の分
野がある。このような分野では、配線層間の絶縁膜や半
導体封止用材料等に使用可能な耐熱性と低誘電率とを兼
ね備えた材料が切望されていることから、このような性
能を発揮することができるマレイミド単量体構造を有す
る共重合体が検討されている。
【0003】このような技術として、例えば、特開平6
−85090号公報には、少なくとも1個のフッ素原子
を有する多官能マレイミド化合物、及び少なくとも1個
のフッ素原子を有する多官能アミンや多価フェノールを
含有するマレイミド樹脂組成物に関し、半導体装置にお
ける層間絶縁膜用の材料として用いることが開示されて
いる。このマレイミド樹脂組成物では、各成分にフッ素
を含めることにより、低誘電率であり、かつ耐熱性にも
優れた特性を発揮させることを目的としている。しかし
ながら、樹脂成分として用いるマレイミド化合物の他
に、硬化剤成分としてアミン又はフェノールを必須とす
る必要があり、また、樹脂成分と硬化剤成分とのそれぞ
れにフッ素原子を導入しなければならないことから、低
誘電率と耐熱性とを両立できるうえに、各種の用途にも
適用しうるように工夫する余地があった。
【0004】ところで、マレイミド単量体構造を有する
と共に、他の単量体構造をも有する共重合体について、
これらの構造が発揮する特性を電気材料に生かすことを
目的とした検討がなされている。このような技術として
は、例えば、特開平11−171935号公報には、半
導体素子に利用するフォトレジストとして、脂肪族環状
オレフィン系単量体と、N−ヒドロキシアルキルマレイ
ミド系単量体とを共重合して得られた特定構造の共重合
体樹脂が開示されている。また、特開平7−70249
号公報には、N−アルキルマレイミド又はN−アリール
マレイミドであるN−置換マレイミド化合物20〜80
重量%と、他のビニル系単量体80〜20重量%とを、
ラジカル共重合させてなる樹脂材料を含む電気絶縁材料
が開示されている。更に、特開平4−63810号公報
には、各種成形品を与えるアクリル−ノルボルネン系共
重合体に関し、N−アルキルマレイミドやN−アリール
マレイミド等のN−置換マレイミドによる構成単位を用
いてもよく、このような共重合体がディスプレイ等の用
途に使用できることが開示されている。
【0005】しかしながら、これらの電気材料の技術で
は、例えば、アルキルマレイミド類単量体を用いた共重
合体の場合、耐熱性や熱安定性に劣り、また、アリール
マレイミド類単量体を用いた場合に比べて重合性がやや
劣ることから、共重合反応に関与しない残存アルキルマ
レイミド類単量体が重合系中に残りやすいという問題点
があった。このような残存単量体は、共重合体の耐熱性
の低下や電気特性低下の要因となる可能性があった。ま
た、アリールマレイミド類単量体を用いた共重合体の場
合、耐熱性に優れた材料は得られるものの低誘電化を達
成する為には、アリールマレイミドの構造を工夫する余
地があった。更に、これらの問題点を解消して溶剤への
溶解性に優れた共重合体とすることができれば、電子材
料、基板材料等の電気絶縁材料の用途で用いる際に加工
しやすい材料となることから、このような共重合体を研
究する余地があった。すなわちマレイミド単量体構造を
工夫することにより、耐熱性と誘電率とが改善されて加
工性が向上した電気絶縁材料を研究する余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、耐熱性や熱安定性に優れる
と共に、低誘電率を達成することができ、しかも、溶剤
への溶解性に優れて加工しやすく、薄膜形成能等に優れ
るフッ素含有マレイミド系共重合体を必須とする電気絶
縁材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ガラス転
移温度を高くして熱的な特性を向上することができるマ
レイミド単量体構造を有する共重合体を必須とする電気
絶縁材料について種々検討するうちに、マレイミド単量
体構造と他の単量体構造を必須とし、更に、マレイミド
単量体構造を、アリールマレイミド単量体構造のアリー
ル基の水素原子をフッ素原子で置換したN−フルオロア
リールマレイミド単量体構造としたり、アルキルアリー
ルマレイミド単量体構造のアルキル基の水素原子をフッ
素原子で置換したN−フルオロアルキルアリールマレイ
ミド単量体構造としたりすると、これらの単量体構造の
効果が発揮され、アルキルマレイミド単量体構造やアリ
ールマレイミド単量体構造を有する場合の問題点が解消
されることにより、耐熱性や熱安定性に優れると共に、
低誘電率を達成することができ、しかも、溶剤への溶解
性に優れて加工しやすく、薄膜形成能等に優れたフッ素
含有マレイミド系共重合体が得られることにまず着目
し、このような共重合体を必須とする材料が、電子材
料、基板材料等を含めた電気絶縁材料として好適である
ことに想到した。このような電気絶縁材料において、フ
ッ素含有マレイミド系共重合体がその作用効果を発揮す
る理由としては、共重合体を得る際にN−フルオロアリ
ールマレイミド類単量体やN−フルオロアルキルアリー
ルマレイミド類単量体単位が耐熱性と熱安定性を向上さ
せる効果を有するとともに、アリール基に結合したフッ
素原子の効果で誘電率を低くすることが考えられる。ま
た、フッ素含有マレイミド系共重合体を構成する他の単
量体構造が、(メタ)アクリル酸エステル単量体構造、
オレフィン単量体構造及び芳香族ビニル単量体構造から
なる群より選択される少なくとも一種を必須とすると、
本発明の作用効果をより確実に発揮することができるこ
とも見いだし、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち本発明は、マレイミド単量体構造
と他の単量体構造とを有するフッ素含有マレイミド系共
重合体を必須とする電気絶縁材料であって、上記マレイ
ミド単量体構造は、N−フルオロアリールマレイミド単
量体構造及び/又はN−フルオロアルキルアリールマレ
イミド単量体構造である電気絶縁材料である。以下に、
本発明を詳述する。
【0009】本発明の電気絶縁材料は、マレイミド単量
体構造と他の単量体構造とを有するフッ素含有マレイミ
ド系共重合体を必須とする。本発明において、フッ素含
有マレイミド系共重合体は、1種であってもよく、2種
以上であってもよい。また、電気絶縁材料中のフッ素含
有マレイミド系共重合体の存在量としては特に限定され
ず、共重合体の種類や、電気絶縁材料に所望される耐熱
性や、誘電率等の電気特性等に応じて適宜設定すればよ
い。
【0010】本発明の電気絶縁材料において、フッ素含
有マレイミド系共重合体におけるマレイミド単量体構造
は、N−フルオロアリールマレイミド単量体構造及び/
又はN−フルオロアルキルアリールマレイミド単量体構
造である。フッ素含有マレイミド系共重合体は、これら
の単量体構造が有するフルオロアリール基やフルオロア
ルキルアリール基に由来するフッ素原子を有することに
なる。このようなフッ素含有マレイミド系共重合体中に
おける単量体構造の配列形態としては特に限定されず、
例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共
重合体等のいずれでもよい。
【0011】本発明におけるフッ素含有マレイミド系共
重合体は、N−フルオロアリールマレイミド類単量体及
び/又はN−フルオロアルキルアリールマレイミド類単
量体と、これらの単量体と共重合可能なその他の単量体
とを必須とする単量体成分を共重合することにより製造
することができる。これにより、各単量体から対応する
単量体構造が形成されることになる。なお、「単量体構
造」とは、該単量体が重合することにより形成される構
造を意味し、「単量体単位」と同義である。
【0012】本発明におけるフッ素含有マレイミド系共
重合体を形成する際に用いる単量体の使用量としては、
共重合体に所望される熱的な特性や電気特性等に応じて
適宜設定すればよく、例えば、全単量体成分を100重
量%として、N−フルオロアリールマレイミド類単量体
及び/又はN−フルオロアルキルアリールマレイミド類
単量体1〜90重量%、これらの単量体と共重合可能な
その他の単量体10〜99重量%とすることが好まし
い。このような範囲を外れると、電気絶縁材料の熱的な
特性と電気特性とを両立することができなくなるおそれ
がある。より好ましくは、N−フルオロアリールマレイ
ミド類単量体及び/又はN−フルオロアルキルアリール
マレイミド類単量体が5〜85重量%、その他の単量体
が15〜95重量%であり、更に好ましくは、N−フル
オロアリールマレイミド類単量体及び/又はN−フルオ
ロアルキルアリールマレイミド類単量体が10〜80重
量%、その他の単量体が20〜90重量%である。
【0013】本発明では、上記のようにN−フルオロア
リールマレイミド類単量体及び/又はN−フルオロアル
キルアリールマレイミド類単量体と、その他の単量体と
の使用量を調整して単量体構造の比率を適宜設定するこ
とが好ましいが、このとき、N−フルオロアリールマレ
イミド単量体構造及び/又はN−フルオロアルキルアリ
ールマレイミド単量体構造の共重合体中における重量割
合や、その他の単量体の種類等により誘電率等が変化す
ることになる。
【0014】上記N−フルオロアリールマレイミド類単
量体としては、マレイミド類単量体が有する窒素原子
に、アリール基の水素原子がフッ素原子に置換されたフ
ルオロアリール基が結合した単量体であればよく、フッ
素原子の数やアリール基上のフッ素原子の置換位置等は
特に限定されるものではない。なお、フルオロアリール
基の水素原子の一部は、フッ素原子以外の原子や基によ
り置換されていてもよい。このような単量体としては、
例えば、N−フルオロフェニルマレイミド、N−ジフル
オロフェニルマレイミド、N−トリフルオロフェニルマ
レイミド、N−テトラフルオロフェニルマレイミド、N
−ペンタフルオロフェニルマレイミド等が挙げられ、1
種又は2種以上を用いることができる。
【0015】上記N−フルオロアルキルアリールマレイ
ミド類単量体としては、マレイミド類単量体が有する窒
素原子に、アリール基の水素原子がフルオロアルキル基
に置換されたフルオロアルキルアリール基が結合した単
量体であればよく、アリール基上のフルオロアルキル基
の置換位置等は特に限定されるものではない。フルオロ
アルキル基とは、アルキル基の水素原子がフッ素原子に
置換された基である。フルオロアルキル基におけるフッ
素原子の数やアルキル基上のフッ素原子の置換位置等は
特に限定されるものではない。なお、フルオロアルキル
アリール基の水素原子の一部は、フッ素原子以外の原子
や基により置換されていてもよい。このような単量体と
しては、例えば、N−トリフルオロメチルアリールマレ
イミド、N−トリフルオロエチルアリールマレイミド等
が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
【0016】本発明では、上記マレイミド単量体構造を
形成する単量体は、N−フルオロアリールマレイミド類
単量体であることが好ましい。これにより、本発明の作
用効果をより確実に発揮することが可能となる。より好
ましくは、上記マレイミド単量体構造を形成する単量体
が、N−ペンタフルオロフェニルマレイミド及び/又は
N−テトラフルオロフェニルマレイミドである。
【0017】本発明ではまた、上記フッ素含有マレイミ
ド系共重合体において、上記その他の単量体構造は、N
−フルオロアリールマレイミドやN−フルオロアルキル
アリールマレイミドと共重合可能なものであれば特に限
定はされないが、その中でも、(メタ)アクリル酸エス
テル単量体構造、オレフィン単量体構造及び芳香族ビニ
ル単量体構造からなる群より選択される少なくとも一種
を必須とすることが好ましい。この場合、フッ素含有マ
レイミド系共重合体を形成する上記その他の単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸エステル類単量体、オレフィ
ン類単量体及び芳香族ビニル類単量体からなる群より選
択される少なくとも一種を必須とすることになる。
【0018】上記(メタ)アクリル酸エステル類単量体
としては特に限定されず、例えば、シクロヘキシル基、
ベンジル基等を含む炭素数1〜18のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸エステル類、具体的には、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリブチ
ル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸イ
ソアミル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸3−フェニルプロピルや、フルオロアルキル(メ
タ)アクリレート類単量体等が挙げられ、1種又は2種
以上を用いることができる。これらの中では、メタクリ
ル酸メチルやフルオロアルキル(メタ)アクリレート類
単量体を用いることが好ましい。
【0019】上記オレフィン類単量体としては特に限定
されず、1種又は2種以上を用いることができるが、共
重合体の誘電率をより低くして本発明の作用効果を充分
に発揮することができることから、環状オレフィン類単
量体を用いることが好ましい。
【0020】上記環状オレフィン類単量体としては特に
限定されず、例えば、以下の(1)〜(3)に記載する
もの等が挙げられる。 (1)環状オレフィン化合物:ノルボルネン(2−ノル
ボルネン)、5−メチルノルボルネン、5−エチルノル
ボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチ
ルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチル
ノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、
5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネ
ン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボル
ネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−
ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペン
タジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロ
ノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6
−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネ
ン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノル
ボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハ
イドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シ
アノノルボルネン。
【0021】シクロペンテン、3−メチルシクロペンテ
ン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシク
ロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−ク
ロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシク
ロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメ
チルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シク
ロへプテン。
【0022】(2)環状オレフィン分子中に炭素−炭素
二重結合を2つ有する環状ポリエン化合物:5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボル
ネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、3−
ビニルシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、5
−ビニルノルボルネン、5−アリルノルボルネン、5,
6−ジエチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタ
ジエン、ジメチルシクロペンタジエン、2,5−ノルボ
ルナジエン。
【0023】(3)環状ポリエン化合物:1,3−シク
ロペンタジエン、1,3−シクロへキサジエン、1,4
−シクロへキサジエン、5−エチル−1,3−シクロへ
キサジエン、1,3−シクロへプタジエン、1,3−シ
クロオクタジエン。
【0024】本発明においては、これらの環状オレフィ
ン類単量体の中でも、ノルボルネン類を用いることが好
ましい。この場合、オレフィン単量体構造の一部又は全
部は、ノルボルネン単量体構造となる。より好ましく
は、ノルボルネン(2−ノルボルネン)を用いることで
ある。
【0025】上記ノルボルネン類のオレフィン類単量体
中における使用量としては、共重合体が所望される電気
特性等により適宜設定すればよく、例えば、オレフィン
類単量体100重量%に対して、50〜100重量%と
することが好ましい。より好ましくは、80〜100重
量%である。
【0026】上記オレフィン類単量体のうち、環状オレ
フィン類単量体以外のものとしては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセ
ン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサ
デセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナ
ノデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、
テトラフルオロエチレン等の直鎖状のα−オレフィン;
3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセ
ン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状
のα−オレフィン等が挙げられる。
【0027】上記芳香族ビニル類単量体としては特に限
定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パ
ラメチルスチレン、イソプロペニルスチレン、ビニルト
ルエン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリ
クロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロル
スチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレ
ン、トリフルオロスチレン、テトラフルオロスチレン、
ペンタフルオロスチレン、α,β,β−トリフルオロス
チレン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることが
できる。
【0028】上記その他の単量体としては、上述したも
の以外に、例えば、アリールマレイミド類;アルキルマ
レイミド類;不飽和ニトリル類;ジエン類;ビニルエー
テル類;ビニルエステル類;フッ化ビニル類;プロピオ
ン酸アリル等の飽和脂肪酸モノカルボン酸のアリルエス
テル類又は(メタ)アクリルエステル類;多価(メタ)
アクリレート類;多価アリレート類;グリシジル化合
物;不飽和カルボン酸類等の単量体が挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの具体例としては、下記(1)〜(11)が挙げ
られる。
【0029】(1)アリールマレイミド類単量体として
は、例えば、N−フェニルマレイミド、N−クロルフェ
ニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−
ナフチルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミ
ド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシ
フェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、
N−トリブロモフェニルマレイミド等が挙げられる。 (2)アルキルマレイミド類単量体としては、例えば、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プ
ロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−
ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−タ
ーシャリブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−ラウリルマレイミド、N−(2−ヒドロキシ
エチル)マレイミド等が挙げられる。
【0030】(3)不飽和ニトリル類単量体としては、
例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタ
クリロニトリル、フェニルアクリロニトリル等が挙げら
れる。 (4)ジエン類単量体としては、ブタジエン、イソプレ
ン等が挙げられる。 (5)ビニルエーテル類単量体としては、例えば、メチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等が挙げられ
る。 (6)ビニルエステル類単量体としては、例えば、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げられる。 (7)フッ化ビニル類単量体としては、例えば、フッ化
ビニリデン等が挙げられる。
【0031】(8)多価(メタ)アクリレート類単量体
としては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物のジ(メ
タ)アクリレート、ハロゲン化ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物のジ
(メタ)アクリレート、イソシアヌレートのエチレンオ
キサイド又はプロピレンオキサイド付加物のジ又はトリ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】(9)多価アリレート類単量体としては、
例えば、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。 (10)グリシジル化合物としては、例えば、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等
が挙げられる。 (11)不飽和カルボン酸類単量体としては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマル酸、又は、これらの半エステル化物や無水物等が
挙げられる。 本発明においては、(8)、(9)の様な多官能単量体
を用い、ポリマーに架橋構造を持たせることも可能であ
る。
【0033】本発明におけるフッ素含有マレイミド系共
重合体を製造する方法としては、例えば、ラジカル重合
触媒及び必要に応じて分子量調節剤を用いて単量体成分
を重合する方法等が好適である。このような重合方法の
形態としては特に限定されず、例えば、塊状重合、懸濁
重合、乳化重合、溶液重合、又は、これらを適宜組み合
わせる形態により重合を行うことができる。これらの中
でも、塊状重合又は溶液重合により重合を行うことが好
ましく、連続して重合系へ単量体成分を供給して重合し
た後、揮発物を除去することにより行うことが好まし
い。なお、使用するラジカル重合触媒、溶剤、重合条件
等としては、共重合する単量体の種類、使用比率等に応
じて適宜設定すればよい。
【0034】本発明におけるフッ素含有マレイミド系共
重合体は、重量平均分子量が1000〜300000で
あることが好ましい。1000未満であると、共重合体
の機械強度が低下するおそれがあり、300000を超
えると、成形加工性が低下するおそれがある。より好ま
しくは、5000〜250000である。また、ガラス
転移温度が110〜350℃であることが好ましい。1
10℃未満であると、共重合体が充分な耐熱性を発揮し
ないおそれがあり、350℃を超えると、機械強度や成
形加工性が低下するおそれがある。より好ましくは、1
20〜300℃である。
【0035】本発明の電気絶縁材料は、フッ素含有マレ
イミド系共重合体を必須とする材料、すなわち塗膜や成
形品を形成することができる材料であり、加工性の点か
ら、溶剤を含むことが好ましく、その他にも、必要に応
じてフッ素含有マレイミド系共重合体以外の重合体や、
可塑剤、硬化剤、充填剤等を含むことができる。また、
熱可塑性樹脂を含む形態も好ましい。また、熱硬化性樹
脂に配合して硬化し、電気絶縁性を向上する目的に利用
することも可能である。このような電気絶縁材料を製造
する方法や、電気絶縁材料の塗工方法、成形方法等とし
ては特に限定されるものではない。本発明の電気絶縁材
料を用いると、フッ素含有マレイミド系共重合体が溶剤
に対する溶解性が良好であり、薄膜形成能等の加工性が
優れることから、所望の膜厚に塗工して、基板等の電気
部品を作製することができる。
【0036】本発明の電気絶縁材料は、上記フッ素含有
マレイミド系共重合体を必須とすることにより低誘電率
を達成することができるものであり、その誘電率として
は、塗膜としたときに、例えば、3.7以下であること
が好ましい。すなわち電気絶縁材料から形成される塗膜
の誘電率が上記の範囲内となるように、電気絶縁材料の
組成や、フッ素含有マレイミド系共重合体における単量
体構造を適宜設定することが好ましい。上記誘電率の範
囲としては、より好ましくは、2.0〜3.5である。
【0037】上記誘電率の測定方法としては、下記の方
法が好適である。 (誘電率測定方法) 試料調製方法 トルエンに20重量%の濃度で溶解した溶液を溶液流延
法にてフィルム加工し、12時間乾燥することで厚さ1
00μmのフィルムを作製し、試料とする。 測定方法 上記試料をインピーダンスアナライザー(商品名「HP
4294A」、ヒューレッド・パッカード社製)及び薄
膜測定用ジグ(商品名「HP16451B」、ヒューレ
ッド・パッカード社製)を用いて間隙法にて誘電率を測
定する。
【0038】本発明の電気絶縁材料は、耐熱性や熱安定
性に優れると共に、低誘電率を達成することができ、し
かも、溶剤への溶解性に優れて加工しやすく、薄膜形成
能等に優れるフッ素含有マレイミド系共重合体を必須と
することから、電子材料、基板材料等として好適に用い
ることができるものである。すなわち電気絶縁材料の必
須成分であるフッ素含有マレイミド系共重合体中のN−
フルオロアリールマレイミド単量体構造及び/又はN−
フルオロアルキルアリールマレイミド単量体構造と他の
単量体構造を調整することにより、配線層間の絶縁膜や
半導体封止用材料等のエレクトロニクス用樹脂材料とし
ての適用が期待されるものである。
【0039】
【実施例】以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。なお、特に断りのない限り、「部」は、
「重量部」を示し、「%」は、「重量%」を示す。
【0040】得られた共重合体は、以下の方法で各種特
性を測定することにより評価した。 (重量平均分子量)共重合体の重量平均分子量は、GP
C(東ソー社製、GPCシステム)を用い、ポリスチレ
ン換算により求めた。
【0041】(ガラス転移温度)共重合体のガラス転移
温度は、JIS K 7121に従い、示差走査熱量測
定器(理学電気社製、装置名:DSC−8230)を用
い、窒素ガス雰囲気下、α−アルミナをリファレンスと
して、常温から200℃まで昇温速度10℃/minで
昇温して測定したDSC曲線から中点法にて算出した。
【0042】(共重合体中のマレイミド単量体由来の単
量体構造の含有量(マレイミド含有量)(重量%))共
重合体中のマレイミド単量体由来の単量体構造の含有量
(重量%)は、有機微量元素分析装置(ヤナコ近畿社
製、装置名:ヤナコCHNコーダー)を用いて共重合体
中のN量を測定し、この共重合体中のN量から算出し
た。
【0043】(赤外吸収スペクトルの測定方法)FTS
−45赤外分光光度計(商品名、BIO−RAD社製)
を使用して測定した。
【0044】(H−NMRスペクトル)溶媒にテトラ
メチルシラン含有のCDClを用い、FT−NMR
UNITYplus400(商品名、Varian社
製)を使用して測定した。
【0045】合成例1 攪拌装置を備えた500mlの重合槽に、メタクリル酸
メチル30部、ペンタフルオロフェニルマレイミド20
部、トルエン50部を仕込み、250rpmで攪拌しな
がら窒素ガスを10分間バブリングした後、窒素雰囲気
下で昇温を開始した。重合槽内の温度が100℃に達し
た時点で、重合槽内にt−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネートを0.15部加え、重合温度105〜1
10℃、還流下で7時間重合反応を行なった。次いで得
られた重合液を、テトラヒドロフランで希釈後、多量の
メタノール中に注いで析出し、80℃で真空乾燥後、白
色粉末のフッ素含有マレイミド系共重合体(1)を得
た。得られた共重合体の重量から計算した重合収率は9
6%、共重合体(1)のマレイミド含有量は38重量
%、(19mol%)ガラス転移温度は146℃、重量
平均分子量は10×10であった。また、この共重合
体(1)の赤外吸収スペクトル、H−NMRスペクト
ルを測定して構造を確認した。図1に赤外吸収スペクト
ルを、図2にH−NMRスペクトルをそれぞれ示し
た。更に、20F−NMRスペクトルによっても、共重
合体の構造を確認した。
【0046】合成例2 合成例1で使用する単量体をメタクリル酸メチル31
部、1,2,4,5−テトラフルオロフェニルマレイミ
ド19部に変えた以外は同様の操作でフッ素含有マレイ
ミド系共重合体(2)を得た。得られた共重合体の重量
から計算した重合収率は97%、共重合体(2)のマレ
イミド含有量は36重量%(19mol%)、ガラス転
移温度は143℃、重量平均分子量は9×10であっ
た。また、この共重合体(2)の赤外吸収スペクトル、
H−NMRスペクトルを測定して構造を確認した。図
3に赤外吸収スペクトルを、図4にH−NMRスペク
トルをそれぞれ示した。更に、20F−NMRスペクト
ルによっても、共重合体の構造を確認した。
【0047】合成例3 攪拌装置を備えた500mlの重合槽に、2−ノルボル
ネン10.68部、ペンタフルオロフェニルマレイミド
29.32部、トルエン60部を仕込み、250rpm
で攪拌しながら窒素ガスを10分間バブリングした後、
窒素雰囲気下で昇温を開始した。重合槽内の温度が11
0℃に達した時点で、重合槽内にt−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート0.3部を投入して重合を開
始した。反応開始7時間後、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート0.3部を追加投入し、更に11
0℃で3時間反応を継続した。得られた重合液を、テト
ラヒドロフランで希釈後、大量のメタノール中に注いで
析出し、120℃で真空乾燥し、白色粉末のフッ素含有
マレイミド共重合体(3)を得た。得られた共重合体の
重量から計算した重合収率は53%であった。元素分析
によるN分から算出したマレイミド含有量は73重量%
(50mol%)、GPCで測定した重量平均分子量は
1.4万、ガラス転移点は254℃であった。また、こ
の共重合体(3)の赤外吸収スペクトル、H−NMR
スペクトルを測定して構造を確認した。図5に赤外吸収
スペクトルを、図6にH−NMRスペクトルをそれぞ
れ示した。更に、20F−NMRスペクトルによって
も、共重合体の構造を確認した。
【0048】合成例4 攪拌装置を備えた500mlの重合槽に、スチレン8.
2部、トルエン29.2部を仕込み、250rpmで攪
拌しながら窒素ガスを10分間バブリングした後、窒素
雰囲気下で昇温を開始した。重合槽内の温度が110℃
に達した時点で、重合槽内にt−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート0.01部を投入して重合を開始
し、同時にt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート0.02部とスチレン13部の混合物、ペンタフル
オロフェニルマレイミド24.8部とトルエン24.8
部を60℃で溶解した溶液を、それぞれ3.5時間かけ
て連続的に投入した。その後更に1.5時間反応を継続
した。得られた重合液を、テトラヒドロフランで希釈
後、大量のメタノール中に注いで析出し、120℃で真
空乾燥し、白色粉末のフッ素含有マレイミド共重合体
(4)を得た。得られた共重合体の重量から計算した重
合収率は77%であった。元素分析によるN分から算出
したマレイミド含有量は62.3重量%(40mol
%)、GPCで測定した重量平均分子量は14.8万、
ガラス転移点は185℃であった。また、この共重合体
(4)の赤外吸収スペクトル、H−NMRスペクトル
を測定して構造を確認した。図7に赤外吸収スペクトル
を、図8にH−NMRスペクトルをそれぞれ示した。
更に、20F−NMRスペクトルによっても、共重合体
の構造を確認した。
【0049】比較合成例1 合成例1で使用する単量体をメタクリル酸メチル35
部、フェニルマレイミド15部に変えた以外は同様の操
作でフッ素含有マレイミド系共重合体(5)を得た。得
られた共重合体の重量から計算した重合収率は98%、
共重合体(5)のマレイミド含有量は29重量%(19
mol%)、ガラス転移温度は153℃、重量平均分子
量は12×10であった。また、この共重合体(5)
の赤外吸収スペクトル、 1H−NMRスペクトルを測定
して構造を確認した。図9に赤外吸収スペクトルを、図
10に 1H−NMRスペクトルをそれぞれ示した。更
に、20F−NMRスペクトルによっても、共重合体の構
造を確認した。
【0050】比較合成例2 比較合成例1のフェニルマレイミドをシクロヘキシルマ
レイミド15.5部に変更した以外は、比較合成例1と
同じ操作を行ってフッ素含有マレイミド系共重合体
(6)を得た。得られた共重合体の重量から計算した重
合収率は83%、共重合体(4)のマレイミド含有量は
25重量%(16mol%)、ガラス転移温度は132
℃、重量平均分子量は11×10であった。また、こ
の共重合体(6)の赤外吸収スペクトル、 1H−NMR
スペクトルを測定して構造を確認した。更に、20F−N
MRスペクトルによっても、共重合体の構造を確認し
た。
【0051】比較合成例3 重合槽に仕込んだ原料を、2−ノルボルネン12.32
部、フェニルマレイミド22.68部、トルエン65部
に変更した以外は、合成例3と同様の操作を行い、フッ
素非含有マレイミド共重合体(7)を得た。得られた共
重合体の重量から計算した重合収率は49%であった。
元素分析によるN分から算出したマレイミド含有量は6
5重量%(50mol%)、GPCで測定した重量平均
分子量は0.9万、ガラス転移点は270℃であった。
また、この共重合体(7)の赤外吸収スペクトル、 1
−NMRスペクトルを測定して構造を確認した。更に、
20F−NMRスペクトルによっても、共重合体の構造を
確認した。
【0052】比較合成例4 重合槽に仕込んだスチレンを7.2部、トルエンを3
6.5部、連続供給したスチレンを17.5部、ペンタ
フルオロフェニルマレイミドのトルエン溶液の代わり
に、フェニルマレイミド23.3部、トルエン23.5
部の溶液を使用した以外は合成例4と同様の操作を行
い、白色粉末のフッ素非含有マレイミド共重合体(8)
を得た。重合収率は83%であった。マレイミド含有量
は53重量%(40mol%)、重量平均分子量は2
0.7万、ガラス転移点は206℃であった。メルトイ
ンデックス(MI)は1.5であった。また、この共重
合体(8)の赤外吸収スペクトル、H−NMRスペク
トルを測定して構造を確認した。
【0053】
【表1】
【0054】表1について、以下に説明する。組成にお
いて、F5とは、ペンタフルオロフェニルマレイミドで
あり、MMAとは、メタクリル酸メチルであり、F4と
は、1,2,4,5−テトラフルオロフェニルマレイミ
ドであり、Norbとは、2−ノルボルネンであり、S
Tとは、スチレンであり、PMIとは−フェニルマレイ
ミドであり、CHMIとは、シクロヘキシルマレイミド
である。MIcont (mol%)とは、マレイミド
含有量(共重合体中のマレイミド単量体由来の単量体構
造の含有量(mol%))である。MI cont
(重量%)とは、マレイミド含有量(共重合体中のマレ
イミド単量体由来の単量体構造の含有量(重量%))で
あり、Conv.(%)とは、重合収率である。
【0055】合成例1〜2及び比較合成例1における赤
外吸収スペクトルチャート及びH−NMRスペクト
ルチャートについて説明する。赤外吸収スペクトルチャ
ートにおいて、図1における、994.0cm−1及び
1523.9cm−1の吸収、図3における、940.
4cm−1及び1523.7cm−1の吸収は、ベンゼ
ン環に直接結合しているフッ素原子、すなわちマレイミ
ド単量体構造のフルオロアリール基による吸収である。
図9では、共重合体中のマレイミド単量体構造がフルオ
ロアリール基を有さないことから、このような吸収がな
く、また、フェニルマレイミドが有するカルボニル基
と、メタクリル酸メチルが有するカルボニル基との吸収
波数がやや異なることから、1714.9cm−1の吸
収がブロードとなり、肩が現れている。
【0056】H−NMRスペクトルチャートにおい
て、図2におけるδ7.2付近のピークは、溶媒CDC
中の不純物であるCHClのピークであり、ベン
ゼン環に結合した水素原子が示すピークは観測されなか
った。図4におけるδ7.7付近に存在するピークは、
ベンゼン環に結合した水素原子が示すピークであり、共
重合組成から計算したHの存在量と同等の積算値を示し
た。また、図10における、δ7.4付近に存在するピ
ークは、ベンゼン環に結合した水素原子が示すピークで
あり、共重合組成から計算したHの存在量と同等の積算
値を示した。
【0057】このようなこのような赤外吸収スペクトル
チャート及びNMRスペクトルチャートにより、共重合
体(1)には、ペンタフルオロフェニルマレイミド及び
メタクリル酸メチルから形成される構造単位が存在する
ことが確認され、共重合体(2)には、1,2,4,5
−テトラフルオロフェニルマレイミド及びメタクリル酸
メチルから形成される構造単位が存在することが確認さ
れ、共重合体(5)には、フェニルマレイミド及びメタ
クリル酸メチルから形成される構造単位が存在すること
が確認された。
【0058】合成例3における赤外吸収スペクトルチャ
ート及びH−NMRスペクトルチャートについて説明
する。赤外吸収スペクトルチャートにおいて、図5にお
ける、994.0cm−1及び1523.0cm−1
吸収は、ベンゼン環に直接結合しているフッ素原子、す
なわちマレイミド単量体構造のフルオロアリール基によ
る吸収である。1H−NMRスペクトルチャートにおい
て、図6におけるδ7.2付近のピークは、溶媒CDC
中の不純物であるCHClのピークであり、ベン
ゼン環に結合した水素原子が示すピークは観測されなか
った。
【0059】このような赤外吸収スペクトルチャート及
びNMRスペクトルチャートにより、共重合体(3)に
は、ペンタフルオロフェニルマレイミドから形成される
構造単位が存在することが確認された。
【0060】合成例4における赤外吸収スペクトルチャ
ート及び 1H−NMRスペクトルチャートについて説明
する。赤外吸収スペクトルチャートにおいて、図7にお
ける、994.6cm-1及び1522.9cm-1の吸収
は、ベンゼン環に直接結合しているフッ素原子、すなわ
ちマレイミド単量体構造のフルオロアリール基による吸
収である。 1H−NMRスペクトルチャートにおいて、
図8におけるδ7.2付近のピークは、溶媒CDCl
中の不純物であるCHCl、及びスチレン構造に由来
するベンゼン環に結合した水素原子が示すピークであ
り、共重合組成から計算したHの存在量とほぼ同等の積
算値を示した。
【0061】このような赤外吸収スペクトルチャート及
びNMRスペクトルチャートにより、共重合体(4)に
は、ペンタフルオロフェニルマレイミドから形成される
構造単位が存在することが確認された。
【0062】実施例1 合成例1で合成した共重合体(1)と、溶剤とを用い
て、上記の方法により試料(電気絶縁材料)を調製し
た。この電気絶縁材料の誘電率を上記の方法にて測定
し、結果を表2に示した。
【0063】実施例2〜4及び比較例1〜4 実施例1において、共重合体(1)の代わりに合成例2
〜4で合成した共重合体(2)〜(4)、比較合成例1
〜4で合成した共重合体(5)〜(8)をそれぞれ用い
たこと以外は、同様の方法で試料(電気絶縁材料)を調
製し、同様に誘電率を測定した。結果を表2及び表3に
示した。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】本発明の電気絶縁材料は、上述の構成よ
りなるので、耐熱性や熱安定性に優れると共に、低誘電
率を達成することができ、しかも、溶剤への溶解性に優
れて加工しやすく、薄膜形成能等に優れるフッ素含有マ
レイミド系共重合体を必須とすることから、電子材料、
基板材料等として好適に用いることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で製造した共重合体(1)の赤外吸収
スペクトルである。
【図2】合成例1で製造した共重合体(1)のH−N
MRスペクトルである。
【図3】合成例2で製造した共重合体(2)の赤外吸収
スペクトルである。
【図4】合成例2で製造した共重合体(2)のH−N
MRスペクトルである。
【図5】合成例3で製造した共重合体(3)の赤外吸収
スペクトルである。
【図6】合成例3で製造した共重合体(3)のH−N
MRスペクトルである。
【図7】合成例4で製造した共重合体(4)の赤外吸収
スペクトルである。
【図8】合成例4で製造した共重合体(4)のH−N
MRスペクトルである。
【図9】比較合成例1で製造した共重合体(5)の赤外
吸収スペクトルである。
【図10】比較合成例1で製造した共重合体(5)の
H−NMRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 朋未 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 南 茂幸 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式会社日本触媒内 (72)発明者 浅子 佳延 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA07Q AA15Q AA19Q AA21Q AB02Q AB03Q AB04Q AB07Q AC26Q AC27Q AK31Q AL03Q AL04Q AL05Q AL08Q AM49P AR03Q AR04Q AR05Q AR09Q AR11Q AR16Q AR17Q AR18Q AR21Q AR22Q AS15Q BB07P CA03 DA57 JA44 5G305 AA06 AA07 AB10 AB24 CA60

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイミド単量体構造とその他の単量体
    構造とを有するフッ素含有マレイミド系共重合体を必須
    とする電気絶縁材料であって、該マレイミド単量体構造
    は、N−フルオロアリールマレイミド単量体構造及び/
    又はN−フルオロアルキルアリールマレイミド単量体構
    造であることを特徴とする電気絶縁材料。
  2. 【請求項2】 前記その他の単量体構造は、(メタ)ア
    クリル酸エステル単量体構造、オレフィン単量体構造及
    び芳香族ビニル単量体構造からなる群より選択される少
    なくとも一種を必須とすることを特徴とする請求項1記
    載の電気絶縁材料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002327017A (ja) * 2001-05-01 2002-11-15 Nippon Shokubai Co Ltd フッ素含有マレイミド系共重合体
JP2007138144A (ja) * 2005-10-18 2007-06-07 Hitachi Chem Co Ltd シリカ系被膜形成用組成物
JP2013023688A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Sekisui Chem Co Ltd 含フッ素重合体及びその製造方法、樹脂組成物並びに光ファイバー
JP7180817B1 (ja) * 2021-03-15 2022-11-30 三菱ケミカル株式会社 単量体組成物、メタクリル系樹脂、及びメタクリル系樹脂の製造方法

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