JP7180817B1 - 単量体組成物、メタクリル系樹脂、及びメタクリル系樹脂の製造方法 - Google Patents

単量体組成物、メタクリル系樹脂、及びメタクリル系樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

メタクリル酸メチルと、α-オレフィンと、を含む単量体組成物が提供される。

Description

本発明は、単量体組成物、メタクリル系樹脂、及びメタクリル系樹脂の製造方法に関する。
本願は、2021年3月15日に、日本に出願された特願2021-041292号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
メタクリル系樹脂は、透明性、耐熱性及び耐侯性に優れ、且つ、機械的強度、熱的性質、成形加工性等の樹脂物性においてバランスのとれた性能を有している。特に、メタクリル系樹脂を板状にしたメタクリル系樹脂板は、日焼けベッド、照明機器、スキンセラピー機器、医療機器、紫外線(以下、「UV」という。)により硬化又は反応させるためのデバイス、動植物育成用機器、天窓、HIDランプに使用される透明部材等の用途に使用されている。
上記用途において、直射日光やUVランプ等のUVに曝露される環境下にメタクリル系樹脂板が設置された場合、メタクリル系樹脂板は、黄帯色(黄ばみ)が発生するという問題点があった。
そのため、UVに長時間曝露されても黄帯色が発生することのないメタクリル系樹脂、すなわち、耐候性に優れるメタクリル系樹脂が要求されていた。
メタクリル系樹脂の耐候性を向上させる技術として、特許文献1には、光安定剤の一つである特定の構造を有するヒンダードアミン系化合物(HALS)の存在下でメチルメタクリレート等のモノマーを重合させたメタクリル系樹脂が開示されている。
日本国特開昭55-139404号公報
しかしながら、特許文献1に記載のメタクリル系樹脂は、重合時のHALSの添加量の増加に伴い、耐候性は向上する一方で、HALS自体が有色していることにより得られたメタクリル系樹脂が却って着色してしまう問題があった。
また、HALSの添加量が増えることで、重合効率が低下しメタクリル系樹脂中の残存モノマーが増加してしまい、得られたメタクリル系樹脂の耐候性を低下させるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みて、メタクリル系樹脂が有する優れた耐熱性を担保し耐候性に優れ黄変が抑制されたメタクリル系樹脂、前記メタクリル系樹脂を得るための単量体組成物、及び前記単量体組成物を用いたメタクリル系樹脂の製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] メタクリル酸メチルと、α-オレフィンと、を含む単量体組成物。
[2] 遷移金属の化合物及び第13族元素の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の含有量が、前記α-オレフィンの総質量に対し、0質量ppm以上7×10質量ppm以下である、[1]に記載の単量体組成物。
[3] 前記α-オレフィンを、前記単量体組成物の総質量に対して、0.1質量ppm以上含む、[1]又は[2]に記載の単量体組成物。
[4] 前記α-オレフィンが常温常圧下で液体又は固体である、[1]~[3]のいずれかに記載の単量体組成物。
[5] 前記α-オレフィンが炭素数6以上12以下のα-オレフィンを含む、[1]~[4]のいずれかに記載の単量体組成物。
[6] 前記α-オレフィンが1-オクテン又は1-ドデセンを含む、[1]~[5]のいずれかに記載の単量体組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の単量体組成物を含む単量体混合物をラジカル重合してなる、メタクリル系樹脂。
[8] α-オレフィン単量体を含む、メタクリル系樹脂。
[9] 前記α-オレフィン単量体を0.1質量ppm以上含む、[8]に記載のメタクリル系樹脂。
[10] 前記α-オレフィン単量体が常温常圧下で液体又は固体である、[8]又は[9]に記載のメタクリル系樹脂。
[11] 前記α-オレフィン単量体が炭素数6以上12以下のα-オレフィンを含む、[8]~[10]のいずれかに記載のメタクリル系樹脂。
[12] 前記α-オレフィン単量体が1-オクテン又は1-ドデセンを含む、[8]~[11]のいずれかに記載のメタクリル系樹脂。
[13] [8]~[12]のいずれかに記載のメタクリル系樹脂を成形することで得られる、樹脂成形体。
[14] メタクリル酸メチルと、α-オレフィンと、を含み、遷移金属の化合物及び第13族元素の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の含有量が、前記α-オレフィンの総質量に対し、7×10質量ppm以下である単量体組成物を含む単量体混合物をラジカル重合する、メタクリル系樹脂の製造方法。
本発明によれば、これらの問題点を解決することができる。すなわち本発明は、メタクリル系樹脂が有する優れた耐熱性を担保し耐候性に優れ黄変が抑制されたメタクリル系樹脂、前記メタクリル系樹脂を得るための単量体組成物、及び前記単量体組成物を用いたメタクリル系樹脂の製造方法を提供する。
本明細書及び特許請求の範囲における以下の用語の定義は以下のとおりである。
「単量体」は、重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物を意味する。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、前記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。
「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」から選ばれる。
「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」から選ばれる。
「α-オレフィン」とは、炭素-炭素二重結合をα位に有するオレフィン炭化水素である。
「α-オレフィン単量体」とは、炭素-炭素二重結合をα位に有するオレフィン炭化水素であるが、重合未反応の単量体であることを明示する意図で用いる。
「共役」とは、間に存在するσ結合を越えたp軌道同士の重なり合いを意味する。
「非共役」とは、共役が生じないことを意味する。
「得られたメタクリル系樹脂」は、本発明の単量体組成物を含む単量体混合物をラジカル重合してなる樹脂を意味する。
「得られた樹脂成形体」は、本発明のメタクリル系樹脂を成形してなる成形体を意味する。
「質量%」は全体量100質量%中に含まれる所定の成分の含有割合を示す。
「質量平均分子量」は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
「常温」とは、5~35℃を意味する。
「常圧」とは、900~1100hPaを意味する。
「遷移金属」とは、周期表で第3族から第11族に位置する金属元素を意味する。典型的には、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、及び水銀(Hg)等である。
「第13族元素」とは、周期表で第13族に位置する元素を意味する。典型的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、及びタリウム(Tl)である。
「周期表」とは、「Periodic Table of Elements」(URL https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/periodic-table/)を意味する。
<単量体組成物>
本発明の単量体組成物は、メタクリル酸メチルと、α-オレフィンと、を含む。また、本発明の効果を損ねない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。
本発明の単量体組成物は、メタクリル酸メチルを含むことで、得られるメタクリル系樹脂の耐候性が良好となり、黄変が抑制される。
また、本発明の単量体組成物は、α-オレフィンを含むことで、得られるメタクリル系樹脂の耐候性が良好となり、黄変が抑制される。
本発明の単量体組成物に含まれるメタクリル酸メチルの含有量は、特に限定されないが、前記単量体組成物の総質量に対して、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、98質量%が特に好ましい。
ただし、本発明の単量体組成物の総質量100%に対する、メタクリル酸メチルの含有量は、100質量%未満である。
また、本発明の単量体組成物の総質量100%に対する、メタクリル酸メチルとα-オレフィンの合計含有量は、100質量%を超えない。
本発明の単量体組成物に含まれるα-オレフィンの含有量の下限は、特に限定されないが、得られるメタクリル系樹脂の耐候性がより良好となることから、前記単量体組成物の総質量に対して、0.1質量ppm以上が好ましく、10質量ppm以上がより好ましく、60質量ppm以上がさらに好ましく、80質量ppm以上が特に好ましい。
本発明の単量体組成物に含まれるα-オレフィンの含有量の上限は、特に限定されないが、得られるメタクリル系樹脂の耐熱性をより良好に維持できることから、10000質量ppm以下が好ましく、5000質量ppm以下がより好ましく、4000質量ppm以下がさらに好ましく、3000質量ppm以下が特に好ましい。
上記の好ましい上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。
具体的には、本発明の単量体組成物に含まれるα-オレフィンの含有量は、0.1質量ppm以上10000質量ppm以下が好ましく、10質量ppm以上5000質量ppm以下がより好ましく、60質量ppm以上4000質量ppm以下がさらに好ましく、80質量ppm以上3000質量ppm以下が特に好ましい。
α-オレフィンは、紫外線によって生成したラジカルが付加したオレフィン炭化水素同士のカップリング生成物が安定であり、ラジカル捕捉効果に優れることが推察される。前記α-オレフィンとしては、鎖式のα-オレフィンが好ましい。
前記α-オレフィンは、炭素数6以上12以下のα-オレフィンを含むことが好ましい。前記α-オレフィンに占める前記炭素数6以上12以下のα-オレフィンの割合は、特に限定されないが、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。前記α-オレフィンは、炭素数6以上12以下のα-オレフィンからなることが特に好ましい。
前記炭素数6以上12以下のα-オレフィンの炭素数は6以上12以下であれば特に限定されないが、8以上10以下であることが好ましい。
前記α-オレフィンの炭素数が前記範囲の下限値以上であることにより、重合時の加熱により揮発してしまうことなく得られるメタクリル系樹脂に残存しやすい。そのため、耐候性向上に充分に寄与することができる。
前記炭素数6以上12以下のα-オレフィンとしては、2-エチル-1-へキセン、2-メチル-1-ヘプテン、4-メチル-1-ヘプテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、及び1-ドデセンが挙げられる。炭素数6以上12以下のα-オレフィンとしては、これらの中でも、2-エチル-1-へキセン、1-オクテン及び1-ドデセンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、1-オクテン又は1-ドデセンがより好ましく、メタクリル系樹脂中に残存しやすいことから、1-オクテンがさらに好ましい。
前記α-オレフィンに占める1-オクテンの割合は、特に限定されないが、α-オレフィンの総質量に対して、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
本発明の単量体組成物において、遷移金属の化合物及び第13族元素の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、α-オレフィンの総質量に対し、0質量ppm以上7×10質量ppm以下であることが好ましい。
本発明におけるα-オレフィンは、共役の単量体であるメタクリル酸メチルと比較して、共鳴安定化効果が得られず、著しく反応性が低い。そのため、遷移金属の化合物及び第13族元素の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物といった特定の重合触媒を使用し、触媒としての効果を発揮する特殊な条件下でない限り、得られるメタクリル系樹脂中には、未反応のα-オレフィン(以下「α-オレフィン単量体」とも記す。)が残存している。前記α-オレフィン単量体がメタクリル系樹脂中に残存することで、得られたメタクリル系樹脂の耐候性が良好であり、黄変が抑制される効果が発現すると考えられる。すなわち、前記少なくとも1種の化合物が触媒としての効果を発揮しないために、前記少なくとも1種の化合物の含有量は、前記α-オレフィンの総質量に対して、7×10質量ppm以下が好ましく、1×10質量ppm以下がより好ましく、1000質量ppm以下がさらに好ましく、含有しないことが特に好ましい。ここで、「含有しない」とは、検出限界未満であることを示す。
前記少なくとも1種の化合物の種類としては、例えば、キレート性配位子を有する第5族~第11族の遷移金属の化合物やルイス酸触媒が挙げられる。
前記遷移金属の具体例としては、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、白金、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、及び銅が挙げられる。前記遷移金属としては、これらの中で、第8族~第11族の遷移金属が好ましく、第10族の遷移金属がより好ましく、ニッケル(Ni)又はパラジウム(Pd)がさらに好ましい。これらの遷移金属は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記キレート性配位子は、P、N、O、及びSからなる群より選択される少なくとも2個の原子を有しており、二座配位(bidentate)又は多座配位(multidentate)であるリガンドを含み、電子的に中性又は陰イオン性である。Ittelらによる総説に、キレート性配位子の構造が例示されている(Ittelら,“Late-Metal Catalysts for Ethylene Homo- and Copolymerization”,Chemical Reviews,2000年3月25日,第100巻,第4号,p.1169-1204)。
前記キレート性配位子としては、例えば、二座アニオン性P、O配位子が挙げられる。前記二座アニオン性P、O配位子としては、例えば、リンスルホン酸、リンカルボン酸、リンフェノール、及びリンエノラートが挙げられる。前記二座アニオン性P、O配位子以外のキレート性配位子としては、例えば、二座アニオン性N、O配位子が挙げられる。前記二座アニオン性N、O配位子としては、例えば、サリチルアルドイミナート及びピリジンカルボン酸が挙げられる。前記二座アニオン性P、O配位子及び前記二座アニオン性N、O配位子以外のキレート性配位子としては、例えば、ジイミン配位子、ジフェノキサイド配位子、及びジアミド配位子が挙げられる。
ここで、前記キレート性配位子を有する第5属~第11族の遷移金属の化合物である触媒としては、代表的に、いわゆる、SHOP系触媒及びDrent系触媒等の触媒が知られている。前記SHOP系触媒は、置換基を有してもよいアリール基を有するリン系リガンドがニッケル金属に配位した触媒である。また、前記Drent系触媒は、置換基を有してもよいアリール基を有するリン系リガンドがパラジウム金属に配位した触媒である。
また、代表的なルイス酸触媒としては二価のパラジウム又は白金のカチオン性錯体が挙げられる。前記二価のパラジウム又は白金のカチオン性錯体はルイス酸性を示し、Diels-Alder反応等のルイス酸触媒として有用である。また、第13族元素ホウ素及びアルミニウム、第4周期遷移金属のチタン、並びに第5周期遷移金属のジルコニウムの化合物等もルイス酸性を示すため好ましい。
前記その他の成分として、例えば、以下の単量体及び添加剤が挙げられる。
(単量体)
1)メタクリル酸エステル:
例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸iso-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸フェニル、又はメタクリル酸ベンジル。
2)アクリル酸エステル:
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸iso-ブチル、アクリル酸tert-ブチル、又はアクリル酸2-エチルヘキシル。
3)不飽和カルボン酸:
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、又はイタコン酸。
4)不飽和カルボン酸無水物:
例えば、無水マレイン酸、又は無水イタコン酸。
5)マレイミド:
例えば、N-フェニルマレイミド、又はN-シクロヘキシルマレイミド。
6)ヒドロキシ基含有ビニル単量体:
例えば、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、又はメタクリル酸2-ヒドロキシプロピル。
7)ビニルエステル:
例えば、酢酸ビニル、又は安息香酸ビニル。
8)塩化ビニル、塩化ビニリデン及びそれらの誘導体。
9)窒素含有ビニル単量体:
例えば、メタクリルアミド、又はアクリロニトリル。
10)エポキシ基含有単量体:
例えば、アクリル酸グリシジル、又はメタクリル酸グリシジル。
11)芳香族ビニル単量体:
例えば、スチレン、又はα-メチルスチレン。
12)アルカンジオールジ(メタ)アクリレート:
例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、又は1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート。
13)ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート:
例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート。
14)分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するビニル単量体:
例えば、ジビニルベンゼン。
15)エチレン性不飽和ポリカルボン酸を含む少なくとも1種の多価カルボン酸と少なくとも1種のジオールから得られる不飽和ポリエステルプレポリマー。
16)エポキシ基の末端をアクリル変性することにより得られるビニルエステルプレポリマー。
(添加剤)
前記添加剤としては、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、及び蛍光剤等の公知の添加剤が挙げられる。
前記単量体及び前記添加剤は、前記その他の成分として、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記の中でも、得られるメタクリル系樹脂の透明性、耐熱性、及び成形性のバランスに優れる観点から、前記その他の成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル及びアクリル酸n-ブチルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体が好ましい。
また、前記その他の成分としては、上記の単量体以外に、以下の単量体が挙げられる。
前記添加剤としては、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光剤等の公知の添加剤が挙げられる。
また、本発明の単量体組成物は、メタクロレイン又はメタノールのような、メタクリル酸メチルに不可避的に混入する化合物が含まれることは妨げられない。
<単量体混合物>
本発明の単量体混合物は、後述する本発明のメタクリル系樹脂の原料である。
前記単量体混合物は、上述した本発明の単量体組成物を60質量%以上含む。ここで、「本発明の単量体組成物を60質量%以上含む」とは、前記単量体混合物の総質量100質量%に対して、上述した本発明の単量体組成物を100質量%含むこと、又は本発明の単量体組成物を60質量%以上100質量%未満及び「本発明の単量体組成物と共重合可能な他の単量体」(単に「他の単量体」とも記す。)を0質量%超40質量%以下含み、前記単量体組成物と前記他の単量体の合計が100質量%を超えないことを意味する。
前記他の単量体としては、上述した本発明の単量体組成物の説明において、その他の化合物として含んでもよい単量体として列挙した、1)から16)の単量体が挙げられる。
上記1)から16)の単量体は、前記他の単量体として、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記1)から16)の単量体のなかでも、得られるメタクリル系樹脂の耐熱性と透明性のバランスに優れる観点から、エチレングリコールジメタクリレート、又はネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましい。
前記単量体混合物には重合開始剤を添加することができる。前記重合開始剤としては、例えば、有機化酸化物及びアゾ系化合物と同様の化合物が挙げられる。
前記単量体混合物における前記重合開始剤の添加量は、特に限定されないが、前記単量体混合物中のラジカル重合性単量体100質量%に対して、0.005~5質量%が好ましい。
前記単量体混合物には、必要に応じて、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光剤、又は連鎖移動剤等の各種添加剤を添加することができる。
<メタクリル系樹脂>
本発明のメタクリル系樹脂は、上述した本発明の単量体組成物を60質量%以上含む単量体混合物をラジカル重合することによって得られる。
前記メタクリル系樹脂の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、メタクリル系樹脂の使用用途等に応じて、100,000~1,000,000の範囲で適宜設定することができる。
質量平均分子量を適宜大きくすることにより、耐溶剤性及び耐薬品性を高めることができる。
<メタクリル系樹脂の製造方法>
本発明のメタクリル系樹脂は、例えば、上述した本発明の単量体組成物を100質量%含む単量体混合物、又は上述した本発明の単量体組成物を60質量%以上100質量%未満及び「本発明の単量体組成物と共重合可能な他の単量体」(単に「他の単量体」とも記す。)を0質量%超40質量%以下含み、前記単量体組成物と前記他の単量体各成分の合計(重合開始剤及び各種添加剤を含む。)が100質量%を超えない単量体混合物を重合することにより得られる。
前記単量体組成物の重合方法としては、特に限定されないが、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法及び懸濁重合法が挙げられる。メタクリル系樹脂の透明性、溶剤使用等による環境負荷、並びに樹脂積層体の生産性及び製造コストに優れる観点から、前記単量体混合物の重合方法としては、塊状重合法が好ましい。
塊状重合法の具体的な手段は、特に限定されないが、セルキャスト法又は連続キャスト法等の公知の注型重合法を用いて製造できる。
前記メタクリル系樹脂の質量平均分子量(Mw)は、重合温度、重合時間、重合開始剤の添加量、並びに連載移動剤の種類及び添加量等を調整することにより制御できる。
注型重合法は、周辺を軟質樹脂チューブ等のガスケットでシールして所定間隔で対向配置された2枚の無機ガラス板又は金属板(例えば、SUS板)からなる鋳型に、メタクリル系樹脂を得るための単量体混合物又は後述のシラップを注入して重合させることによりメタクリル系樹脂を得、得られたメタクリル系樹脂を鋳型から剥離して樹脂成形体を得る方法である。
前記シラップとしては、前記単量体混合物の一部を重合させ、重合体(部分重合体)と、未反応で残存した単量体混合物とを含むシラップを使用することができる。
また、前記単量体混合物に、本発明のメタクリル系樹脂を溶解させたタイプのシラップを使用することもできる。
前記シラップ中の前記部分重合体又はシラップ中の前記溶解させたメタクリル系樹脂の分子量は、特に限定されないが、質量平均分子量を5万以上30万以下とすることができる。また、前記シラップ中の前記部分重合体又は前記溶解させたメタクリル系樹脂と、前記単量体混合物との混合割合は、特に限定されないが、質量比で、前記部分重合体又は前記メタクリル系樹脂:前記単量体混合物=2:98~50:50とすることができる。
注型重合用の鋳型は、特に限定されず、公知の鋳型を用いることができる。板状の樹脂成形物を得るための鋳型としては、例えば、セルキャスト用の鋳型と連続キャスト用の鋳型が挙げられる。
セルキャスト用の鋳型としては、例えば、無機ガラス板、クロムメッキ金属板、ステンレス鋼板等の2枚の板状体を所定間隔で対向配置し、その縁部にガスケットを配置して、板状体とガスケットにより密封空間を形成させたものが挙げられる。
連続キャスト用の鋳型としては、例えば、同一方向へ同一速度で走行する一対のエンドレスベルトの対向する面と、エンドレスベルトの両側辺部においてエンドレスベルトと同一速度で走行するガスケットとにより密封空間を形成させたものが挙げられる。
鋳型の空隙の間隔は所望の厚さの樹脂板が得られるように適宜調整されるが、一般的には1~30mmである。
<作用効果>
本発明の単量体組成物はα-オレフィンを含み、本発明の単量体組成物を含む単量体混合物をラジカル重合して得られるメタクリル系樹脂は優れた耐熱性を担保し耐候性が良好で黄変が抑制されている。
本発明の単量体組成物がα-オレフィンを含むことで、優れた耐熱性を担保し耐候性が良好で黄変が抑制されたメタクリル系樹脂が得られる理由は定かではないものの、以下のように推測される。
メタクリル酸メチルに基づく単位を含む重合体(メタクリル系樹脂)は、光又は熱により主鎖又は側鎖が開裂し、ラジカル種を生成する。そして、通常は、この生成したラジカル種が、メタクリル系樹脂の黄変及び分子量低下による機械的強度低下をもたらす。
しかし、本発明におけるα-オレフィンは、前述したように共役の単量体であるメタクリル酸メチルと比較して、共鳴安定化効果が得られず、著しく反応性が低い。そのため、遷移金属化合物又は13族の化合物といった特定の重合触媒を使用し、触媒としての効果を発揮する特殊な条件下でない限り、得られるメタクリル系樹脂中には、未反応のα-オレフィン(特に「α-オレフィン単量体」とも記す。)が残存している。前記α-オレフィン単量体がメタクリル系樹脂中に残存する。そして、前記α-オレフィン単量体がラジカル捕捉剤として機能すると考えられる。
具体的には、前記α-オレフィン単量体の二重結合部位に隣接する炭素原子に結合した水素原子が、上述したラジカル種に引き抜かれる。そして、水素原子(水素ラジカル)を引き抜かれたオレフィン炭化水素は、上述した他のラジカル種を捕捉する。その結果、メタクリル系樹脂の優れた耐熱性を担保し耐候性が優れ、黄変が抑制されると考えられる。
以下では実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は後述する実施例に限定されるものではない。
以下の説明において、「部」は「質量部」を示す。
また、表1において、「配合量(質量部)」はMMAとBAの配合量の合計を100質量部として示した質量部と質量ppmであり、「配合量(質量%)」は、単量体組成物の全質量を100質量%として示した質量%と質量ppmである。また、「-」は、当該化合物を配合していないことを示す。
実施例及び比較例で使用した化合物の略号、名称は以下のとおりである。
・MMA:メタクリル酸メチル(三菱ケミカル(株)製)。
・BA:アクリル酸n-ブチル(三菱ケミカル(株)製)。
・OCT:1-オクテン(東京化成工業(株)製)。
・HEX:1-ヘキセン(東京化成工業(株)製)。
・2E1H:2-エチル-1-ヘキセン(東京化成工業(株)製)。
・HALS:1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)(商品名:LA-57、ADEKA(株)製)。
[測定方法及び評価方法]
<メタクリル系樹脂中のα-オレフィン単量体残存量測定方法>
(1) 試料と検液の調製手順
得られた樹脂成形体を細かく破砕し、破砕した樹脂0.2gを10mLの残留農薬試験用アセトン(以下、単に「アセトン」と記す。)に溶解させた。樹脂が溶解した後、内部標準液をホールピペットで1mL添加した。内部標準液には0.1体積%サリチル酸メチル/アセトン溶液を用いた。対象の標準試薬をアセトンで希釈することで濃度の異なる3種類の検液を調製し、後述するガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)測定により、3点検量線を作成し、サンプル中の各ターゲット物質の濃度を定量した。内部標準液には、0.1体積%サリチル酸メチル/アセトン溶液を用いた。
(GC/MS測定条件)
装置:GC HP6890/MS HP5973(アジレント社製)
イオン化法:EI(電子イオン化、Electron Ionization)法
カラム:DB-WAX 60m×250μm×0.5μm(アジレント社製)
昇温条件:70℃(5min)→200℃(5min) Rate=10℃/min
注入口温度:220℃
AUX温度:230℃
イオン源温度:230℃
スプリット比:10:1
流量:2.0mL/min
平均線速度:37cm/sec
注入量:1μL
測定モード:SIM
<耐熱性の評価方法>
実施例及び比較例で得られたメタクリル系樹脂の耐熱性の指標として、実施例及び比較例で得られた樹脂成形体の試験片(長さ127mm×幅12.7mm×厚さ3mm)について、JIS K 7191に準拠して、荷重たわみ温度(以下、「HDT」と示す)(℃)を測定した。
<耐候性の評価方法>
実施例及び比較例で得られたメタクリル系樹脂の耐候性は以下の方法により評価した。
メタルハライドランプ(ダイプラ・ウィンテス(株)製、型式:MW-60W)と光カットフィルタ(ダイプラ・ウィンテス(株)製、型式:KF-1)を備えたメタルウェザー超促進耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス(株)製、機種名:KU-R5CI-A)を用いて、UV曝露試験を行い、後述する方法に従って、UV曝露試験の開始前から開始後200時間の間の黄色度(YI)及びその変化(ΔYI)を測定した。
具体的には、前記メタルウェザー超促進耐候性試験機の評価室内に、実施例・比較例で得られた樹脂成形体を正方形に切り出して得た試験片(縦50mm×横50mmの正方形状、厚さ5mm)を設置した。
前記メタルハライドランプから試験片に照射される紫外線(UV)の照射強度は、紫外線照度計(ウシオ電機(株)製、機種名:UIT-101)で測定した波長330~390nmにおける照射強度が80mW/cmとなるように補正した。メタルウェザー超促進耐候性試験機の評価室内は、温度63℃湿度50RH%の環境下となるように設定して、メタルハライドランプの紫外線光(照射強度80mW/cm)を、前記試験片に照射した。
耐候性の指標として、分光式色差計(日本電色工業(株)製、機種名:SE-7700)を用い、ASTM D1925に準拠して前記試験片の黄色度(イエローインデックス:YI)を測定した。UV曝露試験の開始前の試験片1点と、開始後200時間後の試験片1点を用いて、各試験片につき1回測定を行い、その測定値の変化を黄色度の変化(ΔYI)とした。
[実施例1]
(1)単量体組成物の調製
冷却管、温度計及び攪拌機を備えた反応器(重合釜)に、MMA98.0質量部及びBA2.0質量部に、1-オクテンの含有量が500質量ppmとなるように添加した単量体組成物を調製した。
(2)シラップの製造
調製した単量体組成物を反応器に供給し、撹拌しながら窒素ガスでバブリングした後、加熱を開始した。反応器の内温が80℃になった時点で、ラジカル重合開始剤として2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.12質量部及び連鎖移動剤として1-ドデカンチオールを0.075質量部添加し単量体混合物とした。更に反応器の内温が100℃になるまで加熱した後、9分間保持した。次いで、反応器の内温が室温になるまで冷却してシラップを得た。シラップの総質量100%に対し、シラップ中の重合体の含有量は25質量%、未反応の単量体組成物の含有量は75質量%であった。
(3)注型重合
上記のシラップ100質量部に対しラジカル重合開始剤としてt-ヘキシルペルオキシピバレード0.15質量部を添加して、重合性組成物を得た。次いで、重合性組成物を、対向する2枚のSUS板の間のSUS板端部に軟質樹脂製ガスケットを配置して設けられた、空隙間隔6.5mmの空間に流し込み、80℃で30分、次いで130℃で30分加熱して、重合性組成物を硬化させてメタクリル系樹脂を得た。次いでSUS板ごとメタクリル系樹脂を冷却した後に、SUS板を取り除き、厚さ5mmの板状の樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
[実施例2~6]
単量体組成物の配合を表1記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法でメタクリル系樹脂、及び樹脂成形体を製造した。得られた樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
[実施例7]
単量体組成物の配合を表1記載のとおりに変更し、1-オクテンを1-へキセンに変更したこと以外は実施例1と同様の方法でメタクリル系樹脂及び樹脂成形体を製造した。得られた樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
[実施例8]
単量体組成物の配合を表1記載のとおりに変更し、1-オクテンを2-エチル-1-ヘキセンと変更したこと以外は実施例1と同様の方法でメタクリル系樹脂及び樹脂成形体を製造した。得られた樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
[比較例1~3]
単量体組成物の配合を表1記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法でメタクリル系樹脂及び樹脂成形体を製造した。得られた樹脂成形体の評価結果を表1に示す。
Figure 0007180817000001
実施例1~8で得られた樹脂成形体は、優れた耐熱性を維持し、耐候性が良好であり黄変が抑制されていた。これは、単量体組成物中にメタクリル酸メチルとα-オレフィンを含み、メタクリル系樹脂中にα-オレフィン単量体が残存していたためであると考えられる。
比較例1及び比較例3で得られた樹脂成形体は、単量体組成物中にα-オレフィンを含まず、メタクリル系樹脂中にα-オレフィン単量体が残存しなかったため、黄変がみられ、耐候性が不充分であった。
比較例2で得られた樹脂成形体は、単量体組成物中にα-オレフィンの代わりにヒンダードアミン系化合物を含んでいたため、黄変がみられ、耐候性がやや不充分であった。

Claims (9)

  1. メタクリル酸メチルと、2-エチル-1-へキセン、1-オクテン及び1-ドデセンからなる群から選択される少なくとも1種のα-オレフィンと、を含む単量体組成物であって、前記メタクリル酸メチルの含有量が前記単量体組成物の総質量に対して85質量%以上である、単量体組成物
  2. 前記α-オレフィンを、前記単量体組成物の総質量に対して、0.1質量ppm以上含む、請求項1に記載の単量体組成物。
  3. 遷移金属の化合物及び第13族元素の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の含有量が、前記α-オレフィンの総質量に対し、0質量ppm以上7×10質量ppm以下である、請求項1又は2に記載の単量体組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の単量体組成物を含む単量体混合物を重合してなる、メタクリル系樹脂。
  5. 2-エチル-1-へキセン、1-オクテン及び1-ドデセンからなる群から選択される少なくとも1種のα-オレフィン単量体を含む、メタクリル系樹脂。
  6. 前記α-オレフィン単量体を0.1質量ppm以上含む、請求項5に記載のメタクリル系樹脂。
  7. 請求項4~6のいずれか一項に記載のメタクリル系樹脂を成形することで得られる、樹脂成形体。
  8. メタクリル酸メチルと、2-エチル-1-へキセン、1-オクテン及び1-ドデセンからなる群から選択される少なくとも1種のα-オレフィンと、を含む単量体組成物であって、前記メタクリル酸メチルの含有量が前記単量体組成物の総質量に対して85質量%以上である単量体組成物を含む単量体混合物をラジカル重合する、メタクリル系樹脂の製造方法。
  9. メタクリル酸メチルと、2-エチル-1-へキセン、1-オクテン及び1-ドデセンからなる群から選択される少なくとも1種のα-オレフィンと、を含み、遷移金属の化合物及び第13族元素の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の含有量が、前記α-オレフィンの総質量に対し、7×10質量ppm以下である単量体組成物であって、前記メタクリル酸メチルの含有量が前記単量体組成物の総質量に対して85質量%以上である単量体組成物を含む単量体混合物をラジカル重合する、メタクリル系樹脂の製造方法。
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