JP2002329309A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002329309A
JP2002329309A JP2001131374A JP2001131374A JP2002329309A JP 2002329309 A JP2002329309 A JP 2002329309A JP 2001131374 A JP2001131374 A JP 2001131374A JP 2001131374 A JP2001131374 A JP 2001131374A JP 2002329309 A JP2002329309 A JP 2002329309A
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Kiyomi Ejiri
清美 江尻
Yoshihiko Mori
仁彦 森
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強磁性粉末として六方晶フェライト磁性粉末を
用い、電磁変換特性が良好で特に高密度記録領域でのC
/N比が格段に改良され、生産性に優れた磁気記録媒体
であって、さらに、MRヘッドを組み合わせた記録再生
システムにおいてノイズの低い高密度特性に優れる塗布
型の磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】支持体上に強磁性粉末及び結合剤を含む磁
性層を有する磁気記録媒体であって、前記強磁性粉末は
六方晶フェライト磁性粉末であり、かつ六方晶フェライ
ト磁性粒子表面に板状構造を有する非磁性物質が六方晶
フェライト磁性粒子100重量部に対して0.5〜30
重量部付着している磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布型の高記録密度
の磁気記録媒体に関する。特に磁性体の凝集を防ぎ、粒
子間相互作用を小さくし高密度記録に於ける電磁変換特
性を向上させた磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクの分野において、Co変性
酸化鉄を用いた2MBのMF−2HDフロッピー(登録
商標)ディスクがパーソナルコンピュータに標準搭載さ
れようになった。しかし扱うデータ容量が急激に増加し
ている今日において、その容量は十分とは言えなくな
り、フロッピーディスクの大容量化が望まれていた。
【0003】また磁気テープの分野においても近年、ミ
ニコンピューター、パーソナルコンピューター、ワーク
ステーションなどのオフィスコンピューターの普及に伴
って、外部記憶媒体としてコンピューターデータを記録
するための磁気テープ(いわゆるバックアップテープ)
の研究が盛んに行われている。このような用途の磁気テ
ープの実用化に際しては、とくにコンピューターの小型
化、情報処理能力の増大と相まって、記録の大容量化、
小型化を達成するために、記録容量の向上が強く要求さ
れる。
【0004】従来、磁気記録媒体には酸化鉄、Co変性
酸化鉄、CrO2、強磁性金属粉末、六方晶系フェライ
ト粉末を結合剤中に分散した磁性層を非磁性支持体に塗
設したものが広く用いられる。この中でも六方晶系フェ
ライト微粉末は高密度記録特性に優れていることが知ら
れているが、従来、フレキシブルメディアを使用したシ
ステムで主流として使われてきたインダクティブヘッド
を用いた場合は、六方晶フェライト微粉末は飽和磁化が
小さく、充分な出力が得られなかった。しかしながら、
上記の様なフレキシブルメディアを用いたリムーバブル
記録においても、ハードディスクで使われている磁気抵
抗型ヘッド(MRヘッド)が用いられ始めている。
【0005】MRヘッドは高感度なので前記六方晶フェ
ライト微粉末を用いても充分な再生出力が得られ、六方
晶フェライトの特徴である低ノイズ化によって高いC/
N比が得られることが知られている。例えば、特開平1
0−302243号公報には、バリウムフェライト(BaF
e)微粉末を用いてMRヘッドで再生した例が開示されて
いる。
【0006】ところが、ここで知られている様な六方晶
フェライト微粉末では、形状が板状であるのに加えて、
磁化容易軸が平面に対して垂直な方向なので、板状粒子
が積層し(いわゆるスタッキングを起こし)、磁気的に
結合することで、実質的な粒子体積を増大させる。これ
により、ノイズが増加するが、この現象は磁場配向によ
り促進される。スタッキングを避けるために配向しなか
ったり、バインダー等の厚い吸着膜を形成させると磁性
粒子の配列が乱れ、再生出力低下、ノイズの増大を引き
起こす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強磁性粉末
として六方晶フェライト磁性粉末を用い、電磁変換特性
が良好で特に高密度記録領域でのC/N比が格段に改良
され、生産性に優れた磁気記録媒体であって、さらに、
MRヘッドを組み合わせた記録再生システムにおいてノ
イズの低い高密度特性に優れる塗布型の磁気記録媒体を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に強
磁性粉末及び結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体
であって、前記強磁性粉末は六方晶フェライト磁性粉末
であり、かつ六方晶フェライト磁性粒子表面に板状構造
を有する非磁性物質が六方晶フェライト磁性粒子100
重量部に対して0.5〜30重量部付着していることを
特徴とする磁気記録媒体に関する。
【0009】さらに本発明の磁気記録媒体は、再生が磁
気抵抗型磁気ヘッド(MRヘッド)を用いて行われるこ
とが好ましい。さらに本発明の磁気記録媒体は、前記六
方晶フェライト磁性粒子の平均板径が10〜40nmであ
り、かつ、前記板状構造を有する物質が、板状構造を有
する有機化合物であるか、又は、板径が前記六方晶フェ
ライト磁性粒子の板径の0.5倍〜2倍の無機化合物であ
ることが好ましい。
【0010】本発明の磁気記録媒体によれば、板状磁性
粒子である六方晶フェライト磁性粒子の表面に板状構造
の非磁性物を付着させ、磁性粒子間にスペーサーを設け
てスタッキングさせることで、粒子間相互作用の低減と
良好な配向性を得ることが出来る。この板状の非磁性物
質としては、例えば、板状の分子構造を有する有機化合
物、または磁性粒子の板径に対して0.5倍〜2倍の板径
を有する無機化合物を用いることができる。尚、本発明
の磁気記録媒体に信号を記録するための記録ヘッドは、
特に制限されるものではないが、電磁誘導型の薄膜磁気
ヘッド、例えば、MIGヘッド等が好適に用いられる。
以下、発明についてさらに詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施形態】[磁性層]本発明の磁気記録媒体
は、支持体上に直接磁性層を設けたものであっても、非
磁性下層を介して磁性層を設けたものであってもよい。
MRヘッドで用いて再生する場合は磁性層を薄くする必
要が有ることからので、非磁性下層を用いた重層構成を
有することが好ましい。磁性層の抗磁力Hcは159KA
/M(2000Oe)以上であることが好ましく、159KA/M(2
000 Oe)〜400KA/M(5000 Oe)で有ることがより好ま
しい。さらに、磁性層の磁化分布に於いて、80KA/M(1
000 Oe)以下の印可磁場によって磁化反転する成分が最
大1%未満、好ましくは0.7%以下、さらに0.5%
以下に規定されることがさらに好ましい。磁性層厚みは
0.03〜3μm、好ましくは0.05〜1.5μmさ
らに好ましくは0.05〜0.5μmである。0.03
μmより厚ければ、再生出力が不足することもなく、3
μmより薄ければ分解能が低下することもない。磁性層
の面内方法に測定した角形比SQは0.6〜0.95、
好ましくは0.65〜0.85であることが適当であ
る。
【0012】[強磁性粉末]本発明の磁性層に使用する
強磁性粉末は、六方晶フェライト粉末であり、より具体
的には、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、
Co置換体等を挙げることができる。さらに具体的に
は、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及び
ストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆
したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピ
ネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフ
ェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、
その他所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、
V,Cr、Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag、Sn、
Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、P
b、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、
Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んで
もかまわない。一般にはCo−Zn、Co−Ti、Co
−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、
Nb−Zn−Co、SbーZn−Co、Nb−Zn等の
元素を添加した物を使用することができる。原料・製法
によっては特有の不純物を含有するものもあり得る。
【0013】本発明の磁性層に用いる六方晶フェライト
微粒子は板状の形状であり、平均板径は10〜40nmに
制御されることが好ましい。10nmより小さいと熱揺ら
ぎのため安定な磁化が望めなくなることがあり、40nm
を越えるとノイズが高くなる傾向がある。粒子サイズは
六角板径で好ましくは10〜35nmであり、特に好まし
くは15〜35nmである。特にトラック密度を上げるた
めMRヘッドで再生する場合、低ノイズにする必要があ
り、板径は35nm以下が好ましい。六方晶フェライト微
粒子の板状比(板径/板厚)は1〜15が望ましく、好
ましくは1〜7である。板状比が小さいと磁性層中の充
填性は高くなり好ましいが、十分な配向性が得られな
い。15より大きいと粒子間のスタッキングによりノイ
ズが大きくなる傾向がある。この粒子サイズ範囲のBE
T法による比表面積は10〜100m2/gを示すこと
が適当である。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算
術計算値と符号する。粒子板径・板厚の分布は通常狭い
ほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真よ
り500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布
は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズ
に対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜
2.0である。粒子生成反応系をできるだけ均一にする
と共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことで、粒
子サイズ分布をシャープにすることができる。また、た
とえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等
も知られている。六方晶フェライト微粉末の平均粒子体
積は1000〜10000nm3、好ましくは1500〜8
000nm3、さらに好ましくは2000〜8000nm3
あることが適当である。80KA/M以下の磁場で磁化反転
する成分を低減するには板径10nm以下の粒子の存在比
率を10%以下にすることが好ましく、例えば、酸で溶
解後遠心分離を行い浮遊した成分を除去することによっ
て板径10nm以下の粒子の存在比率を10%以下にする
ことができる。
【0014】六方晶フェライト微粒子からなる磁性体
は、抗磁力Hcが40〜400KA/Mの範囲のものであれ
ば作成可能である。Hcは高い方が高密度記録に有利で
あるが、記録ヘッドの能力で制限される。本発明では磁
性体のHcは119KA/M〜397KA/M程度であることが
適当であるが、好ましくは159〜320KA/Mである。
ヘッドの飽和磁化が1.4テスラを越える場合は、磁性
体のHcは175KA/M以上にすることが好ましい。Hc
は粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元
素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御でき
る。六方晶フェライト微粒子からなる磁性体は、飽和磁
化σsが40〜80Am2/Kgであることが適当であ
る。σsは微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σ
s改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネ
ルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量
の選択等が良く知られている。またW型六方晶フェライ
トを用いることも可能である。
【0015】磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分
散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われて
いる。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用され
る。主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物ま
たは水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタン
カップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して
0.1〜10%である。磁性体のpHも分散に重要であ
る。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値
があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程
度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響す
る。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.0
1〜2.0%が選ばれる。
【0016】六方晶フェライトの製法としては、(1)酸
化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス
形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成に
なるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、
次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェ
ライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフ
ェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物
を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥
・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応
法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリ
で中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下
で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る
共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
【0017】[非磁性板状物質]本発明に用いる「板状構
造を有する非磁性物質」としては、例えば、板状の分子
構造を有する有機化合物、または板状の非磁性無機化合
物粒子を用いることができる。有機物の例としては、フ
タロシアニン系、ナフタロシアニン系の色素、ポルフィ
リン化合物等が挙げられる。これらの分子は配位金属を
有していてもかまわない。むしろ導電性が付与され、配
位金属がある方が好ましい。また、分子の一部に磁性体
との吸着に寄与する官能基、例えば−OH、−SO3
(MはHまたはアルカリ金属)、−PO3M、−NR4+を含
んでもよい。
【0018】上記板状構造を有する非磁性無機粒子とし
ては、板状ヘマタイト、雲母、窒化硼素、ヘ゛ーマイトなどが挙げられ
る。この非磁性無機粒子の板径は磁性粒子の板径の0.5
〜2倍であることが好ましく、0.7〜1.5倍がより好まし
い。0.5倍より小さいと付着のちの磁性粒子が球形に近
くなり、良好な配向性が得にくくなる傾向がある。また
2倍より大きいと、磁性粒子と非磁性粒子の集合体とし
てのサイズが大きくなり磁性面の表面粗さを劣化させる
傾向がある。
【0019】これらの物質を六方晶フェライト磁性粒子
に付着させる方法としては、特開2001-15317号公報、特
開2001-15318号公報に記載されているホ゜リシロキサン、フッ素含
有オルカ゛ノシロキサンなどの接着成分を磁性粒子表面に介在させ
て前記物質を付着させる方法、磁性粒子と前記物質をロ
ールミルなどで厚粉処理する方法、結合剤・溶剤と混合
して混練する方法が挙げられる。但し、粒子各々に確実
に付着させるためには接着成分を粒子表面に介在させる
方法が優れている。磁性粉末に対する付着量は磁性粒子
100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは
1〜15重量部、より好ましくは3〜12部である。
0.5部より少ないと磁気の粒子間相互作用を低減する
効果がなくなり、30部より多いと磁性粒子の充填密度
が低すぎ出力が不足する。
【0020】[非磁性層]次に支持体と磁性層の間に下
層である非磁性層を設ける時の下層に関する詳細な内容
について説明する。本発明の下層は実質的に非磁性であ
ればその構成は制限されるべきものではないが、通常、
少なくとも樹脂からなり、好ましくは、粉体、例えば、
無機粉末あるいは有機粉末が樹脂中に分散されたものが
挙げられる。該無機粉末は、通常、好ましくは非磁性粉
末であるが、下層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉
末も使用され得るものである。
【0021】該非磁性粉末としては、例えば、金属酸化
物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化
物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができ
る。無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−
アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミ
ナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化
鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、
チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化ス
ズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコ
ニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単
独または組合せで使用される。特に好ましいのは、粒度
分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更
に好ましいのは二酸化チタン、α酸化鉄である。これら
非磁性粉末の粒子サイズは0.005〜2μmが好まし
いが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組
み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くし
て同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好まし
いのは非磁性粉末の粒子サイズは0.01μm〜0.2
μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である
場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ましく、針状
金属酸化物である場合は、長軸長が0.3μm以下が好
ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。タップ密度
は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlで
ある。非磁性粉末の含水率は0.1〜5重量%、好まし
くは0.2〜3重量%、更に好ましくは0.3〜1.5
重量%である。非磁性粉末のpHは2〜11であるが、
pHは5.5〜10の間が特に好ましい。非磁性粉末の
比表面積は1〜100m2/g 、好ましくは5〜80m2/g
、更に好ましくは10〜70m2/gである。非磁性粉末
の結晶子サイズは0.004μm〜1μmが好ましく、
0.04μm〜0.1μmが更に好ましい。DBP(ジブ
チルフタレート)を用いた吸油量は5〜100ml/100
g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20
〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3
〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいず
れでも良い。モース硬度は4以上、10以下のものが好
ましい。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1
〜20μmol/m2 、好ましくは2〜15μmol/m2 、さ
らに好ましくは3〜8μmol/m2 である。pHは3〜6
の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面
にはAl23、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO
2 、Sb23 、ZnO、Y23 で表面処理することが
好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23 、Si
2、TiO 2 、ZrO2 であるが、更に好ましいのは
Al23 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組み
合わせて使用しても良いし、単独で用いることもでき
る。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いて
も良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリ
カで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもで
きる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にして
も構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0022】本発明の下層に用いられる非磁性粉末の具
体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製
HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製αヘマタイ
トDPN−250、DPN−250BX、DPN−24
5、DPN−270BX、DPN−500BX、DBN
−SA1、DBN−SA3、石原産業製酸化チタンTT
O−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO
−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−1
00、αヘマタイトE270、E271、E300、E
303、チタン工業製酸化チタンSTT−4D、STT
−30D、STT−30、STT−65C、αヘマタイ
トα−40、テイカ製MT−100S、MT−100
T、MT−150W、MT−500B、MT−600
B、MT−100F、MT−500HD、堺化学製FI
NEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、S
T−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、
日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興
産製100A、500A、及びそれを焼成したものが挙
げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα
−酸化鉄である。
【0023】下層にカーボンブラックを混合させて公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率
を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビ
ッカース硬度を得る事ができる。また、下層にカーボン
ブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらす
ことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用フ
ァーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチ
レンブラック、等を用いることができる。下層のカーボ
ンブラックは所望する効果によって、以下のような特性
を最適化すべきであり、併用することでより効果が得ら
れることがある。
【0024】下層のカーボンブラックの比表面積は10
0〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、
DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30
〜400ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は
5mμ〜80mμ、好ましく10〜50mμ、さらに好ま
しくは10〜40mμである。カーボンブラックのpH
は2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は
0.1〜1g/mlが好ましい。本発明に用いられるカー
ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製BL
ACKPEARLS 2000、1300、1000、
900、800、880、700、VULCAN XC
−72、三菱化成工業社製 #3050B、#3150
B、#3250B、#3750B、#3950B、#9
50、#650B、#970B、#850B、MA−6
00、MA−230、#4000、#4010、コロン
ビアンカーボン社製 CONDUCTEX SC、RA
VEN 8800、8000、7000、5750、5
250、3500、2100、2000、1800、1
500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェン
ブラックECなどがあげられる。カーボンブラックを分
散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用
しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用し
てもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加
する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。こ
れらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50
重量%を越えない範囲、非磁性層総重量の40%を越え
ない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単
独、または組合せで使用することができる。本発明で使
用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック
便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることが
できる。
【0025】また下層には有機質粉末を目的に応じて、
添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹
脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉
末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレ
ン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62
−18564号、特開昭60−255827号に記され
ているようなものが使用できる。
【0026】磁性層または下層の結合剤樹脂、潤滑剤、
分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は以下に記載す
る磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種
類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に
関する公知技術が適用できる。
【0027】[結合剤]本発明の磁性層及び下層非磁性
層に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用
される。熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−1
00〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,0
00、好ましくは10,000〜100,000、重合度
が約50〜1000程度のものである。
【0028】このような例としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、
アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、
ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセ
タール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合
体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂
がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル
系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシ
アネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオー
ルとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリ
イソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂
については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブッ
ク」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化
型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例
とその製造方法については特開昭62−256219に
詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せ
て使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水
マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポ
リウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシア
ネートを組み合わせたものがあげられる。
【0029】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COO
M,−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)2
−O−P=O(OM)2 、(以上につきMは水素原子、
またはアルカリ金属塩基)、OH、NR2 、N+3
(Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、などか
ら選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合また
は付加反応で導入したものをもちいることが好ましい。
このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、
好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
【0030】本発明の磁性層及び必要により非磁性層に
用いられる結合剤は非磁性粉末または強磁性粉末に対
し、5〜50重量%の範囲、好ましくは10〜30重量
%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合
は5〜30重量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2
〜20重量%、ポリイソシアネートは2〜20重量%の
範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、
例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合
は、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネ
ートのみを使用することも可能である。本発明におい
て、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−5
0〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、更に好まし
くは30℃〜90℃、破断伸びが100〜2000%、
破断応力は0.05〜10Kg/mm2、降伏点は0.05〜
10Kg/mm2が好ましい。
【0031】本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネート等を使用することができる。これらのイソシ
アネート類の市販されている商品名としては、日本ポリ
ウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネ
ート2030、コロネート2031、ミリオネートM
R、ミリオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD
−102、タケネートD−110N、タケネートD−2
00、タケネートD−202、住友バイエル社製、デス
モジュールL、デスモジュールIL、デスモジュール
N、デスモジュールHL、等がありこれらを単独または
硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合
せで各層とも用いることができる。
【0032】[カーボンブラック、研磨剤]本発明の磁
性層にはカーボンブラックを使用することもでき、カー
ボンブラックとしてはゴム用ファーネス、ゴム用サーマ
ル、カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を挙げ
ることができる。カーボンブラックの比表面積は5〜5
00m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100
g、粒子径は5mμ〜300mμ、好ましくは10〜25
0mμ、更に好ましくは20〜200mμであることが適
当である。pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、
タップ密度は0.1〜1g/cc、であることが好まし
い。本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例
としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2
000、1300、1000、900、905、80
0,700、VULCAN XC−72、旭カーボン社
製、#80、#60,#55、#50、#35、三菱化
成工業社製、#2400B、#2300、#900,#
1000#30,#40、#10B、コロンビアンカー
ボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 1
50、50,40,15、RAVEN−MT−P、日本
EC社製、ケッチェンブラックEC、などがあげられ
る。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、
樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラフ
ァイト化したものを使用してもかまわない。また、カー
ボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合
剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラック
は単独、または組合せで使用することができる。カーボ
ンブラックを使用する場合は磁性体に対する量の0.1
〜30%でもちいることが好ましい。カーボンブラック
は磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強
度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラ
ックにより異なる。従って本発明に使用されるこれらの
カーボンブラックは上層磁性層、下層非磁性層でその種
類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、
pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い
分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化
すべきものである。本発明の磁性層で使用できるカーボ
ンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボン
ブラック協会編を参考にすることができる。
【0033】本発明の磁性層及び非磁性層には研磨剤を
用いることができ、研磨剤としてはα化率90%以上の
α−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイ
アモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、酸化
チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース
硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用され
る。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他
の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これ
らの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれ
る場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわ
りはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μ
mが好ましく、更に好ましくは0.05〜1.0μm、
特に好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。特
に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い
方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じ
て粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の
研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせるこ
とも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率
は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30
m2/g 、であることが好ましい。本発明に用いられる研
磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良
いが、形状の一部に角を有するものが、研磨性が高く好
ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP
−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、
HIT20、HIT−30、HIT−55、HIT6
0、HIT70、HIT80、HIT100、レイノル
ズ社製、ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DB
M、不二見研磨剤社製、WA10000、上村工業社
製、UB20、日本化学工業社製、G−5、クロメック
スU2、クロメックスU1、戸田工業社製、TF10
0、TF140、イビデン社製、ベータランダムウルト
ラファイン、昭和鉱業社製、B−3などが挙げられる。
これらの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することも
できる。非磁性層に添加することで表面形状を制御した
り、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。
これら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量は
むろん最適値に設定すべきものである。
【0034】[添加剤]本発明の磁性層と非磁性層に
は、上記以外の成分として、潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果、などをもつ添加剤を使用すること
もできる。そのような添加剤としては、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フ
ッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコー
ン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フ
ッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフ
ィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそ
のアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのア
ルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホ
ン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐
酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィ
ン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステル
およびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基
性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していても
かまわない)、および、これらの金属塩(Li、Na、
K、Cuなど)または、炭素数12〜22の一価、二
価、三価、四価、五価、六価アルコール、(不飽和結合
を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数
12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24
の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐し
ていてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、
三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不
飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)
とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステル
またはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物
のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜
22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、
などが使用できる。
【0035】これらの具体例としては脂肪酸では、カプ
リン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン
酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレ
ート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イ
ソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチ
ルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキ
シジエチルステアレート、2ーエチルヘキシルステアレ
ート、2ーオクチルドデシルパルミテート、2ーヘキシ
ルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレー
ト、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリ
デシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチル
グリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレ
イル、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリ
ルアルコール、ラウリルアルコール、などがあげられ
る。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グ
リシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド
付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステ
ルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導
体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等
のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、
燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基
を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホ
ン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル
類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用
できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤
便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されてい
る。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%
純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応
物、分解物、酸化物 等の不純分が含まれてもかまわな
い。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好
ましくは10%以下である。
【0036】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、
その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併
用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。
非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面への
にじみ出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエス
テル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性
剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑
剤の添加量を中間層で多くして潤滑効果を向上させるな
ど考えられ、無論ここに示した例のみに限られるもので
はない。一般には潤滑剤の総量として磁性体または非磁
性粉末に対し、0.1%〜50%、好ましくは2%〜2
5%の範囲で選択される。
【0037】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性および非磁性塗料製造のどの工程
で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体
と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程
で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添
加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。ま
た、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次
塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより
目的が達成される場合がある。また、目的によってはカ
レンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面に
潤滑剤を塗布することもできる。本発明で用いられる有
機溶剤は公知のものが使用でき、例えば特開昭6−68
453に記載の溶剤を用いることができる。
【0038】[層構成]本発明の磁気記録媒体の厚み構
成は支持体が2〜100μm、好ましくは2〜80μmで
あることが適当である。コンピューターテープの支持体
は、一般に、3.0〜6.5μm(好ましくは、3.0
〜6.0μm、更に好ましくは、4.0〜5.5μm)
の範囲の厚さのものが使用される。磁性層の厚みは0.
03μm〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.15
μmであることが適当である。0.03μmより薄いと
再生出力が低すぎる傾向があり、0.2μmより厚いと
オーバーライト特性、分解能の劣化をもたらすことがあ
る。
【0039】支持体と非磁性層または磁性層の間に密着
性向上のための下塗層を設けてもかまわない。本下塗層
厚みは0.01〜0.5μm、好ましくは0.02〜
0.5μmであることが適当である。本発明の磁気記録
媒体は、通常支持体両面に非磁性層と磁性層を設けてな
る両面磁性層ディスク状媒体であるが、支持体片面にの
み非磁性層と磁性層を設けてなる片面磁性層ディスク状
媒体あってもよい。この場合、帯電防止やカール補正な
どの効果を出すために非磁性層、磁性層側と反対側にバ
ックコート層を設けてもかまわない。バックコート層の
厚みは0.1〜4μm、好ましくは0.3〜2.0μmで
あることが適当である。これらの下塗層、バックコート
層は公知のものが使用できる。
【0040】本発明の磁気記録媒体においける下層であ
る非磁性層の厚みは0.2μm以上5.0μm以下、好ま
しくは0.3μm以上3.0μm以下、さらに好ましく
は1.0μm以上2.5μm以下であることが適当であ
る。なお、本発明媒体の下層は実質的に非磁性層であれ
ばその効果を発揮するものであり、たとえば不純物とし
てあるいは意図的に少量の磁性体を含んでも、本発明の
効果を示すものであり、本発明と実質的に同一の構成と
見なすことができることは言うまでもない。実質的に非
磁性層とは下層の残留磁束密度が100G(10mT)
以下または抗磁力が100Oe(7960A/m)以下で
あることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力をも
たないことを示す。
【0041】[バックコート層]一般に、コンピュータ
データ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディ
オテープに比較して、繰り返し走行性が強く要求され
る。このような高い走行耐久性を維持させるために、バ
ックコート層には、カーボンブラックと無機粉末が含有
されていることが好ましい。
【0042】カーボンブラックは、平均粒子サイズの異
なる二種類のものを組み合わせて使用することが好まし
い。この場合、平均粒子サイズが10〜20mμの微粒
子状カーボンブラックと平均粒子サイズが230〜30
0mμの粗粒子状カーボンブラックを組み合わせて使用
することが好ましい。一般に、上記のような微粒子状の
カーボンブラックの添加により、バックコート層の表面
電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定でき
る。磁気記録装置によっては、テープの光透過率を利用
し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、こ
のような場合には特に微粒子状のカーボンブラックの添
加は有効になる。また微粒子状カーボンブラックは一般
に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数
の低減化に寄与する。一方、粒子サイズが230〜30
0mμの粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤とし
ての機能を有しており、またバック層の表面に微小突起
を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係数の低減化に
寄与する。しかし粗粒子状カーボンブラックは、過酷な
走行系では、テープ摺動により、バックコート層からの
脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大につながる欠点
を有している。
【0043】微粒子状カーボンブラックの具体的な商品
としては、以下のものを挙げることができる。RAVE
N2000B(18mμ)、RAVEN1500B(1
7mμ)(以上、コロンビアカーボン社製)、BP80
0(17mμ)(キャボット社製)、PRINNTEX
90(14mμ)、PRINTEX95(15mμ)、
PRINTEX85(16mμ)、PRINTEX75
(17mμ)(以上、デグサ社製)、#3950(16
mμ)(三菱化成工業(株)製)。
【0044】また粗粒子カーボンブラックの具体的な商
品の例としては、サーマルブラック(270mμ)(カ
ーンカルブ社製)、RAVEN MTP(275mμ)
(コロンビアカーボン社製)を挙げることができる。
【0045】バックコート層において、平均粒子サイズ
の異なる二種類のものを使用する場合、10〜20mμ
の微粒子状カーボンブラックと230〜300mμの粗
粒子状カーボンブラックの含有比率(重量比)は、前
者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好
ましく、更に好ましくは、95:5〜85:15の範囲
である。
【0046】バックコート層中のカーボンブラック(二
種類のものを使用する場合には、その全量)の含有量
は、結合剤100重量部に対して、通常30〜80重量
部の範囲であり、好ましくは、45〜65重量部の範囲
である。
【0047】無機粉末は、硬さの異なる二種類のものを
併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜
4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉
末とを使用することが好ましい。モース硬度が3〜4.
5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行によ
る摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範
囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもな
い。またこの無機粉末の平均粒子サイズは、30〜50
mμの範囲にあることが好ましい。
【0048】モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末と
しては、例えば、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪
酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸
亜鉛、及び酸化亜鉛を挙げることができる。これらは、
単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用すること
ができる。これらの中では、特に、炭酸カルシウムが好
ましい。
【0049】バックコート層内の軟質無機粉末の含有量
は、カーボンブラック100重量部に対して10〜14
0重量部の範囲にあることが好ましく、更に好ましく
は、35〜100重量部である。
【0050】モース硬度が5〜9の硬質無機粉末を添加
することにより、バックコート層の強度が強化され、走
行耐久性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラ
ックや前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺
動に対しても劣化が少なく、強いバックコート層とな
る。またこの無機粉末の添加により、適度の研磨力が付
与され、テープガイドポール等への削り屑の付着が低減
する。特に軟質無機粉末(中でも、炭酸カルシウム)と
併用すると、表面の粗いガイドポールに対しての摺動特
性が向上し、バックコート層の摩擦係数の安定化も図る
ことができる。
【0051】硬質無機粉末は、その平均粒子サイズが8
0〜250mμ(更に好ましくは、100〜210m
μ)の範囲にあることが好ましい。
【0052】モース硬度が5〜9の硬質無機質粉末とし
ては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化ク
ロム(Cr23 )を挙げることができる。これらの粉
末は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用し
ても良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミ
ナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カーボンブラ
ック100重量部に対して通常3〜30重量部であり、
好ましくは、3〜20重量部である。
【0053】バックコート層に前記軟質無機粉末と硬質
無機粉末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉
末との硬さの差が、2以上(更に好ましくは、2.5以
上、特に、3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無
機粉末とを選択して使用することが好ましい。
【0054】バックコート層には、前記それぞれ特定の
平均粒子サイズを有するモース硬度の異なる二種類の無
機粉末と、前記平均粒子サイズの異なる二種類のカーボ
ンブラックとが含有されていることが好ましい。特に、
この組み合わせにおいて、軟質無機粉末として炭酸カル
シウムが含有されていることが好ましい。
【0055】バックコート層には、潤滑剤を含有させる
ことができる。潤滑剤は、前述した非磁性層、あるいは
磁性層に使用できる潤滑剤として挙げた潤滑剤の中から
適宜選択して使用できる。バックコート層において、潤
滑剤は、結合剤100重量部に対して通常1〜5重量部
の範囲で添加される。 [支持体]本発明に用いられる支持体は、特に制限され
るべきものではないが、実質的に非磁性で可撓性のもの
が好ましい。
【0056】本発明に用いられる可撓性支持体としては
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロー
ストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリア
ラミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾールな
どの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタ
レート、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが
好ましい。また必要に応じ、磁性面とベース面の表面粗
さを変えるため特開平3−224127号公報に示され
るような積層タイプの支持体を用いることもできる。こ
れらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ
処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっ
ても良い。また本発明の支持体としてアルミまたはガラ
ス基板を適用することも可能である。
【0057】本発明の目的を達成するには、支持体とし
てWYKO社製TOPO−3Dで測定した中心面平均表
面粗さは8.0nm以下、好ましくは4.0nm以下、さら
に好ましくは2.0nm以下のものが好ましい。これらの
支持体は単に中心面平均表面粗さが小さいだけではな
く、0.5μm以上の粗大突起がないことが好ましい。
また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加される
フィラーの大きさと量により自由にコントロールされる
ものである。これらのフィラーとしては一例としてはC
a,Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系
などの有機微粉末があげられる。支持体の最大高さSR
maxは1μm以下、十点平均粗さSRzは0.5μm以下、
中心面山高さはSRpは0.5μm以下、中心面谷深さS
Rvは0.5μm以下、中心面面積率SSrは10%以
上、90%以下、平均波長Sλaは5μm以上、300μ
m以下が好ましい。所望の電磁変換特性と耐久性を得る
ため、これら支持体の表面突起分布をフィラーにより任
意にコントロールできるものであり、0.01μmから
1μmの大きさのもの各々を0.1mm2 あたり0個から
2000個の範囲でコントロールすることができる。
本発明に用いられる支持体のF−5値は好ましくは5〜
50Kg/mm2 、また、支持体の100℃30分での熱収
縮率は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%
以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは1%以
下、さらに好ましくは0.5%以下である。破断強度は
5〜100Kg/mm2 、弾性率は100〜2000Kg/mm2
が好ましい。温度膨張係数は10-4〜10-8/℃であ
り、好ましくは10-5〜10-6/℃である。湿度膨張係
数は10-4/RH%以下であり、好ましくは10-5/RH%以
下である。これらの熱特性、寸法特性、機械強度特性は
支持体の面内各方向に対し10%以内の差でほぼ等しい
ことが好ましい。
【0058】[製法]本発明の磁気記録媒体の磁性塗
料、非磁性塗料を製造する工程は、少なくとも混練工
程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じ
て設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段
階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用する
磁性体、非磁性粉体、結合剤、カーボンブラック、研磨
剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの
工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、
個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかま
わない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、
分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入して
もよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知
の製造技術を一部の工程として用いることができる。混
練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、
エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用するこ
とが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性体または非磁
性粉体と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合
剤の30%以上が好ましい)および磁性体100部に対
し15〜500部の範囲で混練処理される。これらの混
練処理の詳細については特開平1−106338号公
報、特開平1−79274号公報に記載されている。ま
た、磁性層液および非磁性層液を分散させるにはガラス
ビーズを用ることができるが、高比重の分散メディアで
あるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビー
ズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は
最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用する
ことができる。
【0059】本発明で重層構成の磁気記録媒体を塗布す
る場合、以下のような方式を用いることが好ましい。第
一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態のうちに特公平1−46186号公報や特開昭60−
238179号公報,特開平2−265672号公報に
開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装
置により上層を塗布する方法。第二に特開昭63−88
080号公報、特開平2−17971号公報,特開平2
−265672号公報に開示されているような塗布液通
液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下
層をほぼ同時に塗布する方法。第三に特開平2−174
965号公報に開示されているバックアップロール付き
エクストルージョン塗布装置により上下層をほぼ同時に
塗布する方法である。なお、磁性粒子の凝集による磁気
記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開
昭62−95174号公報や特開平1−236968号
公報に開示されているような方法により塗布ヘッド内部
の塗布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、
塗布液の粘度については、特開平3−8471号公報に
開示されている数値範囲を満足する必要がある。本発明
の構成を実現するには下層を塗布し乾燥させたのち、そ
の上に磁性層を設ける逐次重層塗布をもちいてもむろん
かまわず、本発明の効果が失われるものではない。ただ
し、塗布欠陥を少なくし、ドロップアウトなどの品質を
向上させるためには、前述の同時重層塗布を用いること
が好ましい。
【0060】デイスクの場合、配向装置を用いず無配向
でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コ
バルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで
交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用い
ることが好ましい。等方的な配向とは六方晶フェライト
の場合は一般的に面内および垂直方向の3次元ランダム
になりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能
である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直
配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与す
ることもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向
が好ましい。また、スピンコートを用い円周配向するこ
ともできる。
【0061】磁気テープの場合はコバルト磁石やソレノ
イドを用いて長手方向に配向する。乾燥風の温度、風
量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御で
きる様にすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1
000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、ま
た磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行なうことも
できる。
【0062】カレンダ処理ロールとしてエポキシ、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあ
るプラスチックロールまたは金属ロールで処理するが、
特に両面磁性層とする場合は金属ロール同志で処理する
ことが好ましい。処理温度は、好ましくは50℃以上、
さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は好まし
くは200kg/cm以上、さらに好ましくは300kg/cm以
上である。
【0063】[物理特性]本発明の磁気記録媒体におい
て磁性層の飽和磁束密度は1000G(100mT)以
上3000G(300mT)以下である。抗磁力Hcお
よびHrは1500Oe(119400A/m)以上5
000Oe(398000A/m)以下であるが、好ま
しくは1700Oe(135320A/m)以上、30
00Oe(238800A/m)以下である。抗磁力の
分布は狭い方が好ましく、SFDおよびSFDrは0.
6以下が好ましい。角形比は2次元ランダムの場合は
0.55以上0.67以下で、好ましくは0.58以
上、0.64以下、3次元ランダムの場合は0.45以
上、0.55以下が好ましく、垂直配向の場合は垂直方
向に0.6以上好ましくは0.7以上、反磁界補正を行
った場合は0.7以上好ましくは0.8以上である。2
次元ランダム、3次元ランダムとも配向度比は0.8以
上が好ましい。2次元ランダムの場合、垂直方向の角形
比、Br、HcおよびHrは面内方向の0.1〜0.5
倍以内とすることが好ましい。
【0064】磁気テープの場合、角型比は0.7以上、
好ましくは0.8以上である。本発明の磁気記録媒体の
ヘッドに対する摩擦係数は温度−10℃から40℃、湿
度0%から95%の範囲において0.5以下、好ましく
は0.3以下、表面固有抵抗は好ましくは磁性面104
〜1012オーム/sq、帯電位は−500Vから+500V
以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は面
内各方向で好ましくは100〜2000Kg/mm2 、破断
強度は好ましくは10〜70Kg/mm2 、磁気記録媒体の
弾性率は面内各方向で好ましくは100〜1500Kg/m
m2 、残留のびは好ましくは0.5%以下、100℃以
下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、
さらに好ましくは0.5%以下、もっとも好ましくは
0.1%以下である。磁性層のガラス転移温度(110H
zで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は5
0℃以上120℃以下が好ましく、下層非磁性層のそれ
は0℃〜100℃が好ましい。損失弾性率は1×108
〜8×109 dyne/cm2の範囲にあることが好ましく、損
失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が
大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性
や機械特性は媒体の面内各方向で10%以内でほぼ等し
いことが好ましい。磁性層中に含まれる残留溶媒は好ま
しくは100mg/m2 以下、さらに好ましくは10mg/m2
以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層
とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20
容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小
さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した
方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視され
るディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好
ましいことが多い。
【0065】磁性層の中心面平均表面粗さRaはWYC
O社製TOPO−3Dを用いて約250μm×250μ
mの面積での測定で4.0nm以下、好ましくは3.8nm
以下、さらに好ましくは3.5nm以下である。磁性層の
最大高さSRmaxは0.5μm以下、十点平均粗さSRz
は0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以
下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率
SSrは20%以上、80%以下、平均波長Sλaは5μ
m以上、300μm以下が好ましい。磁性層の表面突起は
前述の通りに設定することにより電磁変換特性、摩擦係
数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィ
ラーによる表面性のコントロールや前述したように磁性
層に添加する粉体の粒径と量、カレンダ処理のロール表
面形状などで容易にコントロールすることができる。カ
ールは±3mm以内とすることが好ましい。
【0066】本発明の磁気記録媒体で非磁性層と磁性層
を有する場合、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの
物理特性を変えることができるのは容易に推定されるこ
とである。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性
を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低
くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどで
ある。
【0067】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこれに限定されるべきものではない。尚、以下
において「部」は、特に断らない限り、「重量部」を意
味する。 <強磁性粉末>実施例に使用した強磁性粉末を下記表1
に示す。尚、実施例1に使用した強磁性粉末(バリウム
フェライト磁性粉末にホ゜リシロキサンを用いて銅フタロシアニンを付
着させたもの)は以下のようにして調製した。但し、実
施例1〜3及び比較例4及び5でにおける銅フタロシアニンの
付着量は表1に示す通りである。また、実施例3及び4
では、銅フタロシアニンの代わりにFe2O3を使用し、表1に示す
量のFe2O3を付着させた。メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン(商品名:TSF484:東芝シリコーン
(株)製)を、エッジランナーを稼動させながら粒子粉
末の凝集を解きほぐしたバリウムフェライト磁性粉末1
0kgに添加し、60分間混合攪拌を行い、バリウムフ
ェライト磁性粉末の粒子表面にメチルハイドロジェンポ
リシロキサンを被覆させた。なお、この時の攪拌速度は
22rpmで行った。次に、銅フタロシアニンを、エッジラン
ナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に60
分間混合攪拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキ
サン被覆に銅フタロシアニンを付着させた後、乾燥機を用いて
100℃で120分間乾燥を行い、銅フタロシアニンを付着さ
せたバリウムフェライト磁性粉末を得た。
【0068】 <塗料の作成> [磁性塗料] バリウムフェライト磁性粉 100部 平均板径30nm、平均板厚10nm、平均粒子体積5800nm3 板径10nm以下の粒子存在比率6% Hc:183KA/M σs:50Am2/Kg、SBET 65m2/g ホ゜リシロキサン1部、銅フタロシアニン10部を粒子に付着(実施例1) 塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製) 10部 ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部 α-アルミナ HIT55(住友化学社製) 5部 粒子サイズ0.2μm カーボンブラック #55(旭カーボン社製) 1部 平均一次粒子径0.075μm 比表面積35m2/g DBP吸油量81ml/100g pH7.7 揮発分1.0% ブチルステアレート 10部 ブトキシエチルステアレート 5部 イソヘキサデシルステアレート 3部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 125部 シクロヘキサノン 125部
【0069】 [非磁性塗料] 非磁性粉末 針状ヘマタイト 80部 平均長軸長0.15μm 、BET法による比表面積 50m2/g pH 8.5 表面処理剤Al23 カーボンブラック 平均粒子径:20nm 20部 塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製) 12部 ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 3部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(8/2混合溶剤) 250部
【0070】製法 コンピューターテープ 上記の塗料について、各成分をニーダで混練したのち、
サンドミルをもちいて4時間分散させた。得られた分散
液にポリイソシアネートを非磁性層の塗布液には2.5
部、磁性層の塗布液には3部を加え、さらにそれぞれに
シクロヘキサノン40部を加え,1μm の平均孔径を有
するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および
磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。得られた非
磁性層塗布液を、乾燥後の下層の厚さが1.7μm にな
るようにさらにその直後にその上に磁性層の厚さが0.
1μm になるように、厚さ6μm で中心面平均表面粗さ
が2nmのPEN支持体上に同時重層塗布をおこない、
両層がまだ湿潤状態にあるうちに6000G(600m
T)の磁力を持つコバルト磁石と6000G(600m
T)の磁力を持つソレノイドにより配向させた。乾燥
後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで
温度85℃にて分速200m/min.で処理を行い、
その後、厚み0.5μmのバック層(カーボンブラック
平均粒子サイズ:17mμ 100部、α-アルミナ
平均粒子サイズ:200mμ 5部をニトロセルロー
ス樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネートに分
散)を塗布した。3.8mmの幅にスリットし、スリッ
ト品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布と
カミソリブレードが磁性面に押し当たるように取り付
け、テープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニ
ングを行い、テープ試料を得た。
【0071】コンピューターテープの各々の性能を下記
の測定法により評価した。 測定法 (1)磁気特性 SQ:振動試料型磁束計(東英工業社製)を用い、Hm
10KOeで測定した。 △M:上記と同様のVSMで、飽和磁化後のレマネンスMd
(H)、初期磁化のレマネンスMr(H)、飽和レマネンスMr(S)
を測定して以下の式で定義する。 △M=Md(H)/Mr(s)-(1-2Mr(H)/Mr(s)) 詳細は特開平8−221741公報記載の方法に従う。 (2)表面粗さRa:WYKO社製 TOPO 3D使
用 (3)CN比(テープ):記録ヘッド(MIG 、ギャップ
0.15μm、トラック幅18μm、1.8 T) と再生用MRヘ
ッド(シールド型:シールト゛間gap0.2μm、トラック幅4μm)を
ドラムテスターに取り付けて測定した。ヘッド−メディ
ア相対速度10m/minで記録波長0.2μm(50MHz)の
単周波信号を記録、再生信号をシバソク製スペクトラム
アナライザーにて周波数分析し前記単周波信号の出力電
圧と、1MHz離れたノイズ電圧の比をC/Nとした。再
生時にはMRヘッドに、再生出力が最大になる様に、バ
イアス電流を印可した。
【0072】
【表1】
【0073】実施例・比較例の説明 比較例1は本発明の特徴である板状構造を有する非磁性
物質を付着させていない場合で従来の実施態様である。
この例を評価の基準とする。実施例1〜3は板状構造を
有する非磁性物質として銅フタロシアニンを用いた場合の代表
例であり、SQが高くかつ小さな△Mが得られ、Raも小
さいので高いC/Nを示した。実施例4、5は板状構造
を有する非磁性物質として板状のヘマタイトをフタロシアニンと同様
に付着させた場合であり、比較例1に対して高いC/N
を示した。比較例2は、特開2001-15318号公報に記載さ
れているカーホ゛ンフ゛ラックを付着させた場合、C/N比への効果
はなかった。比較例3は銅フタロシアニンの添加量が少なすぎ
る場合、比較例4は多すぎる場合である。いずれも本発
明の範囲外である。少なすぎると△M低減効果なく、多
すぎると充填度と分散性が劣化するのでC/Nが低い。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、強磁性粉末として六方
晶フェライト磁性粉末を用い、電磁変換特性が良好で特
に高密度記録領域でのC/N比が格段に改良され、生産
性に優れた磁気記録媒体であって、さらに、MRヘッド
を組み合わせた記録再生システムにおいてノイズの低い
高密度特性に優れる塗布型の磁気記録媒体を提供するこ
とができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に強磁性粉末及び結合剤を含む磁
    性層を有する磁気記録媒体であって、前記強磁性粉末は
    六方晶フェライト磁性粉末であり、かつ六方晶フェライ
    ト磁性粒子表面に板状構造を有する非磁性物質が六方晶
    フェライト磁性粒子100重量部に対して0.5〜30
    重量部付着していることを特徴とする磁気記録媒体。
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