JP2002328223A - 偏光子保護フィルム - Google Patents
偏光子保護フィルムInfo
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- JP2002328223A JP2002328223A JP2001134926A JP2001134926A JP2002328223A JP 2002328223 A JP2002328223 A JP 2002328223A JP 2001134926 A JP2001134926 A JP 2001134926A JP 2001134926 A JP2001134926 A JP 2001134926A JP 2002328223 A JP2002328223 A JP 2002328223A
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Abstract
ルムを偏光子フィルムに安定的に積層する。 【解決手段】 予め保護フィルム上に易接着層を設ける
ことにより、接着性に優れた偏光板がえられることを見
出した。易接着層はカップリング剤を含有していること
が好ましく、より好ましくは、シランカップリング剤で
ある。また、シランカップリング剤の中ではアミノ基含
有アルコキシシラン類が特に好ましい。偏光子保護フィ
ルムの樹脂組成物としては、(A)側鎖に置換または非
置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖
に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する
熱可塑性樹脂を含有するが好ましい。
Description
ムおよび偏光板に関する。
線偏光のみを透過させ、その他の直線偏光を遮蔽する光
学材料である。直線偏光板は、例えば液晶表示装置の構
成部品の一つとして広く使用されている。一般的に使用
されている直線偏光板は、偏光子フィルムと偏光子保護
フィルムとで構成されている。
のみを透過させる、という偏光板の機能は、偏光子フィ
ルムにより発揮される。一般的に使用されている偏光子
フィルムは、例えば、ポリビニルアルコールフィルム
(以下、ポリビニルアルコールのことをPVAという)
を延伸し、ヨウ素や二色性染料などで染色して得られる
フィルムである。
保護の他に、偏光子フィルムを保持して偏光板全体に実
用的な強度を付与する。例えば、トリアセチルセルロー
スフィルム(以下、トリアセチルセルロースのことをT
ACという)が、一般的な偏光子保護フィルムとして使
用されている。なお、偏光子保護フィルムのことを業界
では支持体あるいは支持体フィルムと呼ぶことがある。
面に、偏光子保護フィルムが積層された構造を有する。
偏光板において、偏光子保護フィルムは接着剤を介して
偏光子フィルムに貼合されている。貼合には、水溶性の
PVA系接着剤が一般的に用いられている。工業的に偏
光子保護フィルムと偏光子フィルムを積層して偏光板を
得る製造工程は、大別すると次の3工程からなる。すな
わち、偏光子保護フィルムと偏光子フィルムをロール搬
送し貼合面に接着剤を塗布する塗布工程、両フィルムを
加圧密着により貼合する貼合工程、および接着剤の乾燥
や硬化を進めてフィルムを一体化する乾燥工程、が挙げ
られる。
偏光子フィルムとの接着強度が充分に高いことが必要で
ある。従って、接着剤の濡れ性が良好であることや接着
剤との接着強度が高いことが、偏光子保護フィルムには
要求される。例えば、TACフィルムが、予め接着面を
アルカリ液に浸漬してケン化処理をしてから用いられて
いる理由は、そのまま使用すると接着剤の濡れ性が充分
でなかったり、貼合後の接着強度が充分に得られなかっ
たりするからである。。
相差を持つフィルムは、偏光子保護フィルムとして好ま
しくない。その理由は、たとえ偏光子フィルムが高精度
の直線偏光機能を有するものであっても、偏光子保護フ
ィルムの位相差や光軸のズレは、偏光子フィルムを通過
した直線偏光に楕円偏光性を与えてしまうからである。
前述のTACフィルムも基本的には位相差が小さい。し
かしながら、TACフィルムは、外部応力の作用によっ
て位相差の変化を生じやすいフィルムである。このた
め、TACフィルムよりも光弾性係数の小さいフィルム
素材を偏光子保護フィルムとして用いる試みがなされて
いる。そのような試みは、貼合後の応力負荷による位相
差変化を抑制することにより偏光板の性能低下を少なく
することを目的としている。
光性能が低下しやすい。そのため、偏光子保護フィルム
は、偏光子フィルムの吸湿を抑制するためにも用いられ
ている。しかしながら、TACフィルムの高い水分透過
率は、吸湿を抑制する目的に対して十分なレベルではな
い。そこで、TACフィルムよりも水分透過率の小さい
フィルム素材を偏光子保護フィルムとして用いることに
より、偏光子フィルムの吸湿を抑制し偏光性能の低下を
防止する試みがなされている。
公報は、80℃、90%RHの透湿度が200g/m2
・24hr・100μ以下で、かつ光弾性係数が1×1
0-11cm2/dyne以下である保護フィルムを用い
て、偏光板の耐湿熱性を向上させる発明を開示してい
る。
る水分透過率の小さいフィルム素材や光弾性係数の小さ
い素材をそのまま単純に保護フィルムとして用いようと
しても、偏光子フィルムと保護フィルムとの接着力が不
充分となりやすかった。
良し、保護フィルムとしての性能を損なわずに接着力を
付与できる技術について、鋭意検討した。
上に易接着層を設けることにより、偏光子フィルムとの
接着性を改善でき、耐久性に優れた偏光板がえられるこ
とを見出し、本発明に至った。
面あるいは両面に積層して使用される偏光子保護フィル
ムであり、偏光子フィルムと対向する側の面上に易接着
層を有する偏光子保護フィルムを提供する。
ップリング剤を含有する層である。
ン系カップリング剤である。
は、アミノ基含有アルコキシシラン類である。
nm、光線透過率は85%以上、ヘーズは2%以下であ
る。
透湿度は、500g/(m2・24hr)以下である。
は、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱
可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェ
ニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する
樹脂組成物からなる。
レフィン成分と側鎖に置換または非置換イミド基を有す
る成分からなる。
フィルムの少なくとも片面に、前記本発明の偏光子保護
フィルムが積層してなる偏光板が提供される。
特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィ
ルム、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィ
ルム、セロハン、セルロースジアセテート、セルロース
アセテートブチレート、セルロースアセテーロナフタレ
ート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロー
ストリアセテート、セルロースニトレート、等のセルロ
ースエステル系フィルム、ポリ塩化ビニリデン系フィル
ム、ポリビニルアルコール系フィルム、エチレンビニル
アルコール系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリ
カーボネート系フィルム、ノルボルネン系フィルム、ポ
リメチルペンテン系フィルム、ポリエーテルケトン系フ
ィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、ポリスルホ
ン系フィルム、ポリエーテルケトンイミド系フィルム、
ポリアミド系フィルム、ポリメタクリレート系フィル
ム、ポリアクリレート系フィルム、ポリアリレート系フ
ィルム、フッ素樹脂系フィルムあるいは(A)側鎖に置
換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂や、
(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル
基を有する熱可塑性樹脂を例示することができ、これら
を単独または混合して用いることができる。
0μmであり、好ましくは15〜200μm、さらに好
ましくは20〜100μmである。
れる偏光板の偏光性能を十分に確保できるという観点か
ら、前記フィルムの位相差値は20nm以下が好まし
く、10nm以下であることがより好ましい。
れる偏光板の透過光量を十分に確保できるという観点か
ら、前記フィルムの光線透過率は85%以上であること
が好ましく、ヘーズは2%以下であることが好ましい。
現実的には95%あるいは95%を多少下回っても偏光
子保護フィルムとして大きな問題とはならない。しかし
ながら85%を下回ると偏光板の性能低下を招くおそれ
がある。従って光線透過率は85%以上が好ましく、よ
り好ましくは87%以上、特に89%以上が好ましい。
実的には、0.1%あるいは0.1%を多少上回っても
偏光子保護フィルムとして大きな問題とはならない。し
かしながら、2%を越えると偏光が乱れるおそれがあ
る。従ってヘーズは2%以下が好ましく、より好ましく
は1.5%以下、特に1%以下が好ましい。
観点から、本発明の偏光子保護フィルムの70℃・90
%RHにおける透湿度は500g/(m2・24hr)
以下であることが好ましい。より好ましくは450g/
(m2・24hr)以下、更に好ましくは400g/
(m2・24hr)以下である。また一方で、偏光子保
護フィルムの接着には、水系の接着剤が用いられる場合
が多く、透湿度が低すぎると水系接着剤の乾燥が遅延す
るおそれがある。従って、透湿度は50g/(m 2・2
4hr)以上が好ましく、より好ましくは100g/
(m2・24hr)以上、更に好ましくは200g/
(m2・24hr)以上である。
足するフィルムは、フィルムの樹脂組成だけで決まるも
のではなく、フィルムの厚さやフィルムの作製条件も影
響するが、樹脂組成としてはポリカーボネート樹脂、ポ
リアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルス
ルホン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリエ
ステル樹脂、あるいは(A)側鎖に置換または非置換イ
ミド基を有する熱可塑性樹脂や、(B)側鎖に置換また
は非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹
脂を例示することができ、これらを単独または混合して
用いることができる。
(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑
性樹脂、(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及び
ニトリル基を有する熱可塑性樹脂が挙げられ、以下に詳
述する樹脂組成物は、透湿度の他に、上記した位相差値
や光線透過率、ヘーズの特性に優れた高分子フィルムを
得やすいために特に好ましい。
(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑
性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル
基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂
組成物からえることができる。
たは非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂である。側鎖
に置換または非置換イミド基を有することによって光学
特性や耐熱性などの点で好ましい特性バランスを発現で
きる。前記熱可塑性樹脂(A)は、少なくとも1種のオ
レフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と少
なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有
する繰り返し単位とを含有するオレフィン−マレイミド
共重合体(二元もしくはそれ以上の多元共重合体)であ
ることが好ましい。さらには、前記オレフィン−マレイ
ミド共重合体は、下記式(1)
または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表される
繰り返し単位と、下記式(2)
たは炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、好まし
くは、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜
12のシクロアルキル基を示す。)で表される繰り返し
単位を含有することが好ましい。
ン単位という)に対応するオレフィンは、下記式
(3):
または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表され
る。
テン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペン
テン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘ
プテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテ
ン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−2−ブテ
ン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキ
セン他が挙げられる。これらのオレフィンは、単独で、
あるいは2種以上組合せて用いることができる。
イミド単位という)に対応するマレイミド化合物は、下
記式(4):
たは炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、好まし
くは、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜
12のシクロアルキル基を示す。)で表される。
マレイミド、並びにN−メチルマレイミド、N−エチル
マレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プ
ロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−i
−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−
t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、
N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−ヘプチルマレイ
ミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレ
イミド、N−ステアリルマレイミド、N−シクロプロピ
ルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シク
ロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチ
ルマレイミド等のN−置換マレイミド他が挙げられる。
これらのマレイミド化合物は、単独で、または2種以上
を組み合わせて用いることができる。マレイミド化合物
としては、N−置換マレイミド(式(4)において、R
が水素以外の基)が特に好ましい。
ンとマレイミド化合物とを既知の重合方法により重合さ
せることにより製造することができる。この重合には、
グラフト重合も含まれる。あるいは、熱可塑性樹脂
(A)は、上記オレフィンと無水マレイン酸とを常法に
従って重合させて前駆重合体とした後、これにアミン化
合物を反応させて前駆重合体の無水マレイン酸部位をイ
ミド化させることによっても製造することができる。そ
の場合に使用するアミン化合物としては、前記式(2)
のマレイミド単位におけるイミド部位に対応するアミン
を用いることができ、具体的には、R−NH2(ただ
し、Rは、式(2)に同じ。)で表されるアミン化合
物、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピル
アミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、s−
ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン等のアルキルアミンやアンモニアの他、ジメチル尿
素、ジエチル尿素等を好ましく例示することができる。
この場合にも、前記オレフィン単位とマレイミド単位を
有する共重合体が得られる。
ン単位とマレイミド単位以外の成分として、他の共重合
性単量体を共重合成分として含有することができる。他
の共重合性単量体を光学的特性を損なわない程度に含有
させることにより、熱可塑性樹脂(A)の耐熱性を向上
させたり、機械的強度を増大させたりすることができ
る。前記共重合性単量体の具体例としては、アクリル酸
メチルやアクリル酸ブチルのようなアクリル酸エステル
単量体、メタクリル酸メチルやメタクリル酸シクロヘキ
シルのようなメタクリル酸エステル単量体、酢酸ビニル
等のビニルエステル単量体、メチルビニルエーテルのよ
うなビニルエーテル単量体等のビニル単量体、並びに無
水マレイン酸のような不飽和二重結合を有する酸無水物
等が挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独ある
いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重
合体のいずれであってもよいが、少なくとも一部が交互
共重合体構造であることは好ましい。前記熱可塑性樹脂
(A)は、式(1)におけるR1が水素であり、R2およ
びR3がそれぞれメチル基であるオレフィン単位すなわ
ちイソブチレン単位と、式(2)におけるRがメチル
基、エチル基、イソプロピル基およびシクロヘキシル基
から選ばれたアルキル基である1種以上のマレイミド単
位とを含有する共重合体であることが好ましく、さらに
は、イソブチレン単位と、N−メチルマレイミド単位と
を含有する共重合体であることが好ましい。
ド単位の含有量としては、30モル%以上80モル%未
満であることが好ましく、より好ましくは、40モル%
以上60モル%以下である。マレイミド単位の含有量が
この範囲を逸脱すると、得られる位相差フィルムの耐熱
性や機械的強度が損なわれるおそれがある。
の合計量としては、熱可塑性樹脂(A)の70モル%以
上であることが好ましい。
104以上5×105以下の重量平均分子量であることが
好ましい。
は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以
上、さらに好ましくは130℃以上であることが好まし
い。
既述のようにそれ自体既知の方法で製造することがで
き、例えば特開平5−59193号公報、特開平5−1
95801号公報、特開平6−136058号公報およ
び特開平9−328523号公報に記載されているよう
に、オレフィンとマレイミド化合物とを直接共重合させ
たり、その一方の重合体に他方をグラフト共重合した
り、あるいは前述した前駆重合体に対してアミン化合物
を反応させてイミド結合を導入することによって製造す
ることができる。前記熱可塑性樹脂(B)としては、ア
クリロニトリル・スチレン系の共重合体を好ましく用い
ることができる。特に好ましくは、熱可塑性樹脂(B)
は、下記式(5)で示される不飽和ニトリル単位と下記
式(6)で示されるスチレン系単位を含む。
炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、水素、炭素
数1〜8のアルキル基、ハロゲン、水酸基、アルコキシ
基またはニトロ基を示す。) 上記の好ましい熱可塑性樹脂(B)を構成する不飽和ニ
トリル化合物の好ましい例としては、アクリロニトリル
やメタクリロニトリルのようなα−置換不飽和ニトリル
化合物、フマロニトリルのようなα,β−二置換オレフ
ィン性不飽和結合を有するニトリル化合物などが挙げら
れる。
するスチレン系化合物の好ましい例としては、スチレ
ン、ビニルトルエン、メトキシスチレンまたはクロロス
チレン等の非置換または置換スチレン系化合物や、α−
メチルスチレン等のα−置換スチレン系化合物などが挙
げられる。
合体は、必要に応じて第三成分を含有していてもかまわ
ない。たとえば、フィルムの可撓性を向上させるために
ブチルアクリレート等のアクリル系単量体やエチレン、
プロピレン等のオレフィン系単量体などを一種または二
種以上を共重合させることができる。耐熱性を向上させ
るために、フェニルマレイミド等のN置換マレイミドな
どを共重合成分として用いることができる。
を直接共重合することにより得ることができるが、スチ
レン系または不飽和ニトリル系重合体に、該当する単量
体をグラフト共重合させてもかまわない。また、ゴム弾
性を有するアクリル系重合体にスチレン系単量体や不飽
和ニトリル系単量体をグラフト重合させる事により好ま
しい共重合体を得ることができる。特に好ましい単量体
は、不飽和ニトリル成分がアクリロニトリルであり、ス
チレン系単量体がスチレンである。これら共重合体はA
S樹脂やAAS樹脂として知られている。
いし5×105の重量平均分子量を有することが好まし
い。
い共重合体中の不飽和ニトリル系成分の含有量としては
20〜60重量%が望ましく、より好ましくは20〜5
0重量%である。また、スチレン系成分の含有量として
は、40〜80重量%が好ましく、より好ましくは50
〜80重量%である。特に、前者が20〜30重量%
で、後者が70〜80重量%の場合は更に好ましい結果
を与える。スチレン系やニトリル系の成分がこの範囲を
超えると、本発明のフィルム中の分子の配向による位相
差が大きくなり、本発明の目的を達成できなくなるおそ
れがある。さらには、熱可塑性樹脂(A)との相溶性が
乏しくなり、得られるフィルムのヘーズが大きくなる傾
向となる。
塑性樹脂(B)中の含有率は5モル%以上、30モル%
以下であることが好ましい。ニトリル系やスチレン系の
特に好ましい成分は用いる熱可塑性樹脂(A)及び
(B)により異なる。
ン及びN−メチルマレイミドからなる共重合体であり、
熱可塑性樹脂(B)が主としてアクリロニトリル及びス
チレンからなる共重合体である場合は、アクリロニトリ
ル及びスチレンの含有量を、好ましくは20〜50重量
%、より好ましくは25〜40重量%とし、また、スチ
レンの含有量を、好ましくは50〜80重量%、より好
ましくは60〜75重量%、とする事により、驚くべき
事に、広い組成範囲で良好な相溶性を示し、フィルムと
した場合、全光線透過率85%以上かつヘイズが2%以
下のフィルムを得ることができる。特に、アクリロニト
リルの含有量を26〜29重量%とし、また、スチレン
の含有量を71〜74重量%とする事により、熱可塑性
樹脂(B)は該熱可塑性樹脂(A)と0〜80重量%の
組成範囲で良好な相溶性を示し、驚くべき事に、全光線
透過率90%以上かつヘイズ1%以下と極めて透明なフ
ィルムを得ることができる。
を得るには、該熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂
(B)との組成比が重要である。好ましい組成比は、一
般的には、該熱可塑性樹脂(A)の含有量は50〜80
重量%、より好ましくは、55〜75重量%、更に好ま
しくは55〜70重量%であり、該熱可塑性樹脂(B)
の含有量は20〜50重量%、より好ましくは、25〜
45重量%、更に好ましくは30〜45重量%である。
熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)は前者50〜
80重量%に対して、後者20〜50重量%の割合で配
合することが好ましく、前者55〜65重量%に対し
て、後者35〜45重量%の割合が特に好ましい。
要に応じて、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤やフィラ
ー等の公知の添加剤やその他の化合物を本発明の効果を
損なわない範囲で含有することができる。
樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)および必要に応じて用
いられる前記添加剤やその他の化合物とからなる樹脂組
成物を用いて、例えば、溶融押出し法、インフレーショ
ン法、溶液流延法等の公知の方法でフィルム化すること
によってえることができる。なかでも、フィルムの厚み
ムラが小さいフィルムを比較的容易にえることができる
という観点からは溶液流延法によることが好ましい場合
がある。
記樹脂組成物を溶剤に溶解したのち、支持体上に流延し
た後、乾燥してフィルムとする。好ましい支持体として
は、ステンレス鋼のエンドレスベルトや、ポリイミドフ
ィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
等のようなフィルムを用いることができる。
持体から剥離し、さらに乾燥することもできる。フィル
ムの乾燥は、一般には、フロート法や、テンターあるい
はロール搬送法が利用できる。フロート法の場合、フィ
ルム自体が複雑な応力を受け、光学的特性の不均一が生
じやすい。また、テンター法の場合、フィルム両端を支
えているピンあるいはクリップの距離により、溶剤乾燥
に伴うフィルムの幅収縮と自重を支えるための張力を均
衡させる必要があり、複雑な幅の拡縮制御を行う必要が
ある。一方、ロール搬送法の場合、安定なフィルム搬送
のためのテンションは原則的にフィルムの流れ方向(M
D方向)にかかるため、応力の方向を一定にしやすい特
徴を有する。従って、フィルムの乾燥は、ロール搬送法
によることが最も好ましい。
媒であれば特に制限はなく、周知の種々の溶剤から選択
して用いることができる。塩化メチレンやトリクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素系溶剤は樹脂材料を溶解し
やすく、また沸点も低いため好適な溶剤の一つである。
また、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等
の極性の高い非ハロゲン系の溶剤も用いることができ
る。さらに、トルエン、キシレンやアニソール等の芳香
族系や、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラ
ンやピラン等の環状エーテル系、メチルエチルケトン等
のケトン系の溶剤も使用可能である。これら溶剤は相互
に混合して用いることもでき、また、アルコール等の非
溶剤を混合して、溶剤の蒸発速度を制御することも、表
面性の優れたフィルムを得るためには好ましい方法であ
る。
高くするなどの目的に応じて、前述した方法で得られた
フィルムを公知の延伸方法によって一軸または多軸延伸
して配向処理を行うことが好ましい場合がある。フィル
ム面内の強度の異方性をできるだけ小さくしたままで強
度を高めたいという観点で延伸処理を行う場合、二軸ま
たは多軸延伸を行うことが好ましい場合がある。
剤、熱安定剤、紫外線安定剤等の添加剤を加えることが
できる。
メチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、
フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−エチルヘ
キシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オ
クチル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジイソデシ
ル、フタル酸ジ−n−ドデシル、フタル酸ジイソトリデ
シル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベン
ジル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、イソフタル酸
ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸系可塑剤、アジ
ピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジ
ピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−
エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−
2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸系可塑剤、リ
ン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リ
ン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジールなど
のリン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油、エポキ
シ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシルなどのエポキ
シ系可塑剤、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、
塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチルなどの脂肪酸エ
ステル系可塑剤、ポリエチレングリコールジメチルエー
テル、ポリエチレングリコール安息香酸エステル、エス
テル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシン
酸、フタル酸等の2塩基酸と1,2−プロピレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール等の重縮合物)な
どの高分子系可塑剤等が挙げられる。これら可塑剤の中
でも、芳香族基を含まない可塑剤、例えばアジピン酸ジ
−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ
−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘ
キシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチ
ルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリ
クレジル、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪
酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイ
ン酸ブチル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチル、
ポリエチレングリコールジメチルエーテル、あるいはエ
ステル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシ
ン酸等の二塩基酸と1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール等の重縮合物)等の可塑
剤が好ましい。
持たないため、位相差の波長依存性に悪影響を与えない
ため、特に好ましい添加剤である。前記可塑剤は、高分
子フィルム100重量部に対して通常2〜20重量部添
加される。20重量部を超えると、連続的にロールフィ
ルムを延伸する際の位相差値の安定性が損なわれる傾向
となる。
ルムの片面あるいは両面にコロナ処理、UVオゾン処
理、プラズマ処理、アルカリ処理等の表面処理を行うこ
とができる。
フィルムとその隣接層、代表的には偏光子フィルムを接
着し易くする機能を付与する層のことをいう。
付設する側のフィルムの表面を易接着層の性質に応じて
前記表面処理の方法や条件を選択することによってフィ
ルムと易接着層との密着性をより高めることもできる。
る側の面を偏光子フィルムに向け、接着剤好ましくは水
系接着剤を介して偏光子フィルムと貼合し、所定の乾燥
を経て偏光子フィルムとの一体化をなしうる。本発明の
フィルムは、水系接着剤と接する面に易接着層を有する
ことにより、偏光子フィルムと接着するために使用され
る接着剤の濡れ性を良好にすることができ、また、接着
剤との間に強固な接着を形成する作用を奏する。
向上できる層であれば特に制限はないが、例えば、同一
分子内にアミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト
基、クロル基等の反応性官能基と加水分解性のアルコキ
シシリル基とを有するシラン系カップリング剤、同一分
子内にチタンを含む加水分解性の親水性基と有機官能性
基とを有するチタネート系カップリング剤、および同一
分子内にアルミニウムを含む加水分解性の親水性基と有
機官能性基とを有するアルミネート系カップリング剤等
のいわゆるカップリング剤や、エポキシ系樹脂、イソシ
アネート系樹脂、ウレタン系樹脂等の有機反応性基を有
する樹脂をフィルム表面に塗設するなどの方法で形成す
ることができる。なかでも、工業的に取扱いやすいとい
う観点から、シラン系カップリング剤を含有する層であ
ることが好ましい。
ては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等
のイソシアネート基含有アルコキシシラン類;γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエ
チル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウ
レイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベ
ンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のア
ミノ基含有アルコキシシラン類;γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシ
ラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン類;γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン類;β−
カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシ
エチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、
N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシ含有アル
コキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピ
ルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有
アルコキシシラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン等のハロゲン基含有アルコキシシラン類;トリス
(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシア
ヌレート基含有アルコキシシラン類、アミノ変性シリル
ポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラ
ン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシ
リル化シリコーン、シリル化ポリエステル、およびこれ
らの誘導体等が挙げられる。
るフィルムの性状や偏光子フィルムとの接着に用いる接
着剤の性状等から、適宜目的に応じて選択すればよい
が、例えば、フィルムとして(A)側鎖に置換または非
置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖
に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する
熱可塑性樹脂を含有するフィルムを用い、接着剤として
PVA系の水系接着剤を用いる場合には、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイド
プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル
−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基
含有アルコキシシラン類が、ヘイズ、濡れ性、接着強度
が良好な易接着層を形成しやすい観点から好ましい。
設する方法としては、カップリング剤を無希釈で、もし
くは水、有機溶媒およびこれらの混合溶媒に溶解または
分散させた溶液あるいは分散液を、本発明に用いるフィ
ルム上に塗布後、室温乾燥あるいは加熱処理して易接着
層を形成する方法、カップリング剤をマトリクスとして
用いる熱可塑性樹脂とともに水または有機溶媒中に溶解
または分散させた溶液あるいは分散液を、本発明に用い
るフィルム上に塗布後室温乾燥あるいは加熱処理して易
接着層を形成する方法、カップリング剤を分散させたマ
トリクスとなる熱硬化性樹脂溶液を本発明に用いる高分
子フィルム上に塗布後マトリクスを硬化させて形成する
層などが挙げられる。なかでも、カップリング剤を無希
釈で、もしくは水、有機溶媒およびこれらの混合溶媒に
溶解または分散させた溶液あるいは分散液を、本発明に
用いるフィルム上に塗布後、室温乾燥あるいは加熱処理
して易接着層を形成する方法は、工業的に作り易いとい
う観点から好ましい。
度としては特に制限はないが、通常0.1%以上とする
ことが安定的に易接着層を形成できるという観点から好
ましい。
均一に溶解または分散させることができ、適度な揮発性
を有するものであることが好ましい。
ル、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化
メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙
げられる。フィルムとして(A)側鎖に置換または非置
換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に
置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱
可塑性樹脂を含有するフィルムを用い、接着剤としてP
VA系の水系接着剤を用いる場合には、メタノール、エ
タノール、プロピリアルコール、トルエン等を単独であ
るいは混合して用いるのが好ましい。
液をフィルム上に塗布する方法としては、液状物質を固
体表面に塗布するために通常使用される方法、例えばグ
ラビアコート法、ディップコート法、スプレーコート
法、流延法などにより高分子フィルム上に塗布する方法
を用いることができる。
液を塗布後、室温乾燥または加熱処理して易接着層を形
成する。加熱処理としては、20℃以上フィルムのTg
以下の温度範囲で、1分以上10時間以内の処理が通常
である。
が、濡れ性や接着性などの改善効果がえられる範囲であ
ればできるだけ薄くすることを妨げる理由はなく、20
μm以下であることが好ましい。前記範囲をこえる場
合、貼合後の偏光板の厚さが厚くなる点で実用上の不利
を招きやすい傾向となる。
知のヨウ素系あるいは染料系の偏光板と接着剤を介して
積層貼合して使用することができる。前記接着剤として
は、ポリビニルアルコール系の化合物を主成分とする水
系接着剤を好適に用いることができる。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
た。
Z0208記載の方法に準じて測定した。
されたフィルムの一部を切取り、重量Waおよび該フィ
ルムを120℃で1時間乾燥した後の重量Wbを測定し
た。さらに、80℃の熱水中に漬け、塗設した吸水性層
を除去した後、表面を洗浄し120℃で1時間乾燥した
後の重量Wfを測定した。えられたWa、WbおよびW
fを用いて、次式にしたがって吸水性層の水分含有率を
算出した。 水分含有率[%]=(Wa−Wb)/(Wa−Wf)×
100
作所(株)TFM−120AFT)を用い、測定波長5
15nmで測定した。
81の5.5記載の方法に準じて測定した。
の6.4記載の方法に準じて測定した。
製作所製MIT−D)を用いて試験片に繰返し屈曲歪み
を与え、試験片が破断するまでの回数を測定した。
体(N−メチルマレイミド含量50モル%、ガラス転移
温度157℃)60重量部と、アクリロニトリル及びス
チレンの含量がそれぞれ28重量%、72重量%である
スチレン−アクリロニトリル共重合体40重量部とを、
Tダイ押出機(シリンダー径40mm、L/D24)を
用いて溶融押出フィルム化し、厚さ約170μmの原反
フィルムを得た。この原反フィルムの位相差値は0n
m、光線透過率は92%、ヘイズは0.3%、耐屈曲性
は6であった。
精機製作所、X4HD−HT)を用いて延伸速度10c
m/分、延伸倍率1.5倍、延伸温度140℃の条件で
自由端縦一軸で延伸し、次いで同様の延伸条件で先の延
伸方向とは直交する方向に自由端一軸延伸を行って厚さ
50μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルム(高
分子フィルム−1)の位相差値は2nm、光線透過率は
92%、ヘイズは0.4%であり、40℃−90%RH
の透湿度は85g/(m2・24hr)、70℃−90
%RHの透湿度は365g/(m2・24hr)であっ
た。
ピルトリメトキシシラン(日本ユニカー、A−111
0)のメタノール溶液(濃度10重量%)を流延した
後、120℃で60分加熱処理して、易接着層が高分子
フィルム上に積層された保護フィルムをえた。易接着層
の厚さは1μmであった。
偏光子フィルムの両面それぞれに、前記保護フィルムを
易接着層が内側になるようにしてPVA系接着剤の水溶
液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延
ロールで密着させた後、70℃で15分間乾燥して偏光
板をえた。
と保護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みて
もフィルムが破断し、剥離できなかった。
Hの環境下に500時間放置した後の偏光板の状態を観
察した結果、色変化や色抜けがなく、フィルムの浮きや
剥がれもみられなかった。
ランに代えて、γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシランを用いた以外は実施例1と同様にして、易接
着層を1μmの厚さで高分子フィルム上に塗設した保護
フィルムをえた。
をえた。えられた偏光板において、偏光子フィルムと保
護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みてもフ
ィルムが破断し、剥離できなかった。
ムの両面それぞれに、トリアセチルセルロースフィルム
をPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量
%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70
℃で15分間乾燥して偏光子フィルムと高分子フィルム
との積層体をえた。
ィルムとの間の接着が不充分であり、フィルム相互が横
ずれを生じる状態であった。
境下に500時間放置した後の偏光板の状態を観察した
結果、色変化や色抜けが著しいことに加えて、フィルム
の浮きや剥がれが激しく積層体の初期形状を保っていな
かった。
ムの両面それぞれに、実施例1で用いた高分子フィルム
−1をPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重
量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、7
0℃で15分間乾燥して偏光子フィルムと高分子フィル
ムとの積層体をえた。
ィルムとの間の接着が不充分であり、フィルム相互が横
ずれを生じる状態であった。
境下に500時間放置した後の偏光板の状態を観察した
結果、色変化や色抜けが生じていた。また、フィルムの
浮きや剥がれが激しく積層体の初期形状を保っていなか
った。
が小さい特長を保持しながら、優れた偏光子フィルムと
の接着加工性・接着強度を発現することができる。
により、耐久性、具体的には耐湿熱性に優れた偏光板を
生産性良く製造することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 偏光子フィルムの片面あるいは両面に積
層して使用される偏光子保護フィルムであり、偏光子フ
ィルムと対向する側の面上に易接着層を有する偏光子保
護フィルム。 - 【請求項2】 易接着層がカップリング剤を含有する層
である請求項1に記載の偏光子保護フィルム。 - 【請求項3】 カップリング剤がシラン系カップリング
剤である請求項2に記載の偏光子保護フィルム。 - 【請求項4】 シラン系カップリング剤がアミノ基含有
アルコキシシラン類である請求項3に記載の偏光子保護
フィルム。 - 【請求項5】 位相差値が0から20nm、光線透過率
が85%以上、ヘーズが2%以下である請求項1〜4の
いずれかに記載の偏光子保護フィルム。 - 【請求項6】 70℃・90%RHにおける透湿度が5
00g/(m2・24hr)以下である請求項1〜5の
いずれかに記載の偏光子保護フィルム。 - 【請求項7】 (A)側鎖に置換または非置換イミド基
を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または
非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂
を含有する樹脂組成物からなる、請求項1〜6のいずれ
かに記載の偏光子保護フィルム。 - 【請求項8】 (A)の熱可塑性樹脂が、オレフィン成
分と側鎖に置換または非置換イミド基を有する成分から
なる請求項7に記載の偏光子保護フィルム。 - 【請求項9】 偏光子フィルムの少なくとも片面に、請
求項1〜8に記載の偏光子保護フィルムが積層されてな
る偏光板。
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