JPH085836A - 偏光板 - Google Patents

偏光板

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JPH085836A
JPH085836A JP16609694A JP16609694A JPH085836A JP H085836 A JPH085836 A JP H085836A JP 16609694 A JP16609694 A JP 16609694A JP 16609694 A JP16609694 A JP 16609694A JP H085836 A JPH085836 A JP H085836A
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JP
Japan
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film
polarizing
protective film
polarizing plate
polyvinyl alcohol
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JP16609694A
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Inventor
Shuichi Kitamura
村 秀 一 北
Kuniyasu Kato
藤 邦 泰 加
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温下での耐湿熱性に優れ、車両用途、各種
工業計器類の表示等の過酷な条件で使用された場合でも
高偏光度、高単体透過率を保持した偏光板を提供するこ
と。 【構成】 ヨウ素又は二色性染料の吸着配向により偏光
性能が付与されたポリビニルアルコール系フィルムの両
面あるいは片面に保護膜を設けた偏光膜の少なくとも片
面に保護フィルムを貼り合わせてなり、80℃、90%
RH、500時間放置後の偏光度が95%以上、単体透
過率が38%以上であることを特徴とする偏光板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐湿熱性に優れた高偏
光度、高単体透過率を有する偏光板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、卓上電子計算機、電子時計、ワー
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られ、これに伴い高偏光性能を有する偏光板の需要も増
大している。特に、計器類においては過酷な条件で使用
される場合が多いので耐湿熱性を保持した高偏光度の偏
光板が要請されている。
【0003】しかしながら、従来よりポリビニルアルコ
ール系フィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させたポ
リビニルアルコール系偏光フィルムが汎用されており、
該フィルムの両面あるいは片面には、光学的透明度と機
械的強度に優れたセルロースアセテート系フィルム,ア
クリル系フィルム,ポリエステル系フィルム,ポリカー
ボネート系フィルム,ポリオレフィン系フィルム,ポリ
エーテルエーテルケトン系フィルム,ポリスルホン系フ
ィルム等の保護膜が配されているが、最近の偏光板用途
の多様化や高耐久性の要求に伴い現状の耐湿熱性、特に
高温多湿の環境下での多ヨウ素イオンの解離、ヨウ素脱
離等による変色で偏光性能が低下するという恐れもあ
り、信頼性が欠けるものであった。
【0004】かかる欠点を解決すべく特開昭59−15
9109号公報には、透湿度が10g/m2 ・日以下の
高分子化合物膜(高密度ポリエチレン又はポリプロピレ
ン)を吸水性の偏光膜の両面にコート、貼り合わせもし
くは密封袋上に形成せしめ保護膜とした偏光板が開示さ
れている。
【0005】又、特開昭60−159704号公報に
は、100℃、30分間加熱後の収縮率が1.0%以下
であるように耐熱性が付与された偏光ポリビニルアルコ
ール系フィルムの少なくとも一面に、80℃、95%R
Hでの透湿度が55g/m2hr以下の保護フィルムと
して、例えばポリメチルメタクリレート、ポリエーテル
サルホン、ポリカーボネート等のフィルムを貼り合わせ
てなる偏光板が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59−159109号公報開示技術では、70℃、90
%RH程度の高温多湿下での耐久性能の改善効果は認め
られるものの、より高偏光度を必要とする偏光板用途に
対しては、高密度ポリエチレン等の樹脂では、光弾性係
数が大きい為僅かな応力により位相差が生じ易く、光学
斑の原因となり高偏光性能を満足することが困難であ
る。又、特開昭60−159704号公報においては、
偏光性を有するポリビニルアルコール系フィルムの湿潤
による変色の軽減が図られているものの、保護フィルム
に使用されているポリメチルメタクリレート、ポリエー
テルサルホン、ポリカーボネート等のフィルムの透湿度
が高く(但し、セルロースアセテート系等の従来の保護
層よりは透湿度が低い)、最近の高偏光性能を必要とす
る偏光板の耐久性能に対してはまだまだ満足できるもの
ではなく、より一層の改善が望まれていた。
【0007】更に、上記の開示技術では、偏光フィルム
に従来の保護層よりも透湿性の低い保護フィルムを直接
貼合しているため、偏光板の製造工程において偏光フィ
ルム(ポリビニルアルコール系フィルム)の乾燥が十分
になされていないことが多く、その結果偏光フィルムと
保護フィルムの間の接着力が低下して偏光板の外観不良
を招く恐れがある。即ち、偏光板の製造工程において
は、偏光フィルムの乾燥を阻害しない程度の透湿性を有
する保護層が必要で、実際の使用時においては耐湿性に
優れた偏光板が必要とされているのである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】そこで、本発明者らは、か
かる欠点を改良すべく鋭意検討した結果、ヨウ素又は二
色性染料の吸着配向により偏光性能が付与されたポリビ
ニルアルコール系フィルムの両面あるいは片面に保護膜
を設けた偏光膜の少なくとも片面に、80℃、90%R
Hで透湿度が200g/m2・24hr・100μ以下
で、かつ光弾性係数が1×10-11cm2/dyne以下
の保護フィルムを貼り合わせることにより80℃、90
%RH、500時間放置後の偏光度が95%以上、単体
透過率が38%以上という結果になる高偏光性能を有す
る耐湿熱性に優れた偏光板が得られ、更に、保護膜を有
しているため偏光板製造時の偏光フィルムの乾燥を阻害
することもないということを見いだし本発明に至った。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
偏光フィルムはポリビニルアルコール系フィルムの一軸
延伸フィルムである。ポリビニルアルコールは通常、酢
酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造さ
れるが、本発明では必ずしもこれに限定されるものでは
なく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミ
ド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテ
ル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニル等の共重合可
能な成分を含有していても良い。
【0010】ポリビニルアルコールにおけるケン化度は
85〜100モル%、好ましくは98〜100モル%が
実用的である。又、本発明のポリビニルアルコールの平
均重合度としては、本発明の効果を得るためには110
0以上、好ましくは1500以上、更に好ましくは26
00〜5000の高重合度ポリビニルアルコールが有利
である。平均重合度が1100未満では、初期偏光性能
(偏光度、透過率)が低く、又高温多湿の条件下におい
て光学性能の低下が大きく本発明の効果が得難い。
【0011】ポリビニルアルコール系フィルムの製造法
としては、ポリビニルアルコールを水又は有機溶媒に溶
解した原液を流延製膜して、延伸してヨウ素染色又はア
ゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性染料
で染色するか、延伸と染色を同時に行うか、染色して延
伸した後、ホウ素化合物処理する方法が挙げられる。原
液調製に際し使用される溶媒としては、水、ジメチルス
ルホキシド、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコー
ル、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミ
ン類及びこれらの混合物が用いられる。
【0012】上記溶媒中には少量例えば5〜30重量%
の水を含有させても差し支えない。原液中のポリビニル
アルコールの濃度は5〜20重量%程度が実用的であ
る。該溶媒を用いて得られたポリビニルアルコール製膜
原液は、キャスト法、押出法等任意の方法で製膜され
る。製膜方式としては乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶
液を口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴
中に導いて未延伸フィルムを形成せしめる。又は、口金
から吐出された製膜溶液は一旦ローラー、或いはベルト
コンベアー等の上で溶剤を一部乾燥した後凝固浴中に導
入しても差し支えない。
【0013】また、凝固浴に用いる溶媒には前記ポリビ
ニルアルコールの溶媒と混和性を有するもので例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の
アルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等が挙げ
られる。ポリビニルアルコール系フィルムを得る方法と
しては、上記以外に所謂ゲル延伸法と呼ばれている方法
も採用可能である。
【0014】即ち、ポリビニルアルコールを重合体濃度
が30%以下になるよう溶媒に溶解してポリビニルアル
コール製膜原液を調製する。該溶液をスリット状口金を
通して空気又は不活性雰囲気中に吐出させ、次いで表面
が冷却されたローラーやベルトコンベアの上にあるいは
凝固液中に導入してゲル化フイルムを形成させる。該ゲ
ル化フィルムは脱溶媒後延伸させられる。該製膜法は前
記乾・湿式製膜法と殆ど同じであるが重合体濃度が原液
と変化しないようにゲル化フィルムを形成させる点で差
がある。
【0015】この場合のポリビニルアルコール製膜原液
の溶媒としては、グリセリン、エチレングリコール、テ
トラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の
多価アルコール、ベンゼンスルホンアミド、カプロラク
タム等が例示できる。
【0016】前記の如くして得られるポリビニルアルコ
ール系未延伸フィルムは、次いで延伸及び染色が施され
る。延伸と染色は別々に行っても同時に行っても良い。
別々に行う場合、延伸と染色の順序も任意である。延伸
は一軸方向に3.5倍以上、好ましくは4.5倍以上延
伸することが望ましい。この際、前記と直角方向にも若
干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度或いはそれ以上
の延伸)を行っても差し支えない。延伸時の温度条件
は、50〜130℃の範囲から選ぶのが適当である。
【0017】フィルムへの染色つまり偏光素子の吸着は
フィルムに偏光素子を含有する液体を接触させることに
よって行われる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水
溶液、又はアゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等
の二色性染料の水溶液が用いられる。ヨウ素の濃度は
0.1〜2.0g/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜
50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリウムの重量比は20〜
100が適当であり、二色性染料の濃度は、0.1〜
3.0g/lが適当である。染色時間は30〜500秒
程度が実用的である。水溶媒以外に水と相溶性のある有
機溶媒を少量含有させても差し支えない。
【0018】接触手段としては浸漬、塗布、噴霧等の任
意の手段が適用出来る。延伸及び染色の終了したフィル
ムは次いでホウ素化合物によって処理される。ホウ素化
合物としてはホウ酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化
合物は水溶液又は水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5
〜2.0モル/l程度で用いられる。
【0019】処理法は浸漬が望ましいが勿論塗布法、噴
霧法も実用可能である。処理時の温度は50〜70℃、
処理時間5〜20分程度が好ましく、必要に応じて処理
中に、或いは処理後に延伸操作を行っても良い。このよ
うにして得られた偏光フィルムは、その両面あるいは片
面に光学的透明度と機械的強度に優れた保護膜を貼合、
乾燥して偏光膜となる。該保護膜としては、従来から知
られているセルロースアセテート系フィルム,アクリル
系フィルム,ポリエステル系フィルム,ポリカーボネー
ト系フィルム,ポリオレフィン系フィルム,ポリエーテ
ルエーテルケトン系フィルム,ポリスルホン系フィルム
等が挙げられ、三酢酸セルロース等のセルロースアセテ
ート系フィルムが好適に用いられる。該保護膜と偏光フ
ィルムの接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹
脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が用いられる。
【0020】本発明の偏光板は、上記により偏光性能が
付与され、かつその両面あるいは片面に保護膜を貼合さ
れたポリビニルアルコール系フィルムの偏光膜の少なく
とも一面に、特定の保護フィルムを貼り合わせてなるも
のである。上記保護フィルムとしては、低透湿度で偏光
板としての性能を損なわない光学的特性を有するものが
用いられる。具体的には透湿度が80℃、90%RHの
測定条件で200g/m2・24hr・100μ以下
で、透湿度が200g/m2・24hr・100μより
大きいと光学耐久性の点で効果が低下し、好ましくは1
00g/m2・24hr・100μ以下であり、光弾性係
数は1×10-11cm2/dyne以下で光弾性係数が1
×10-11cm2/dyneより大きいと外部応力により
光学歪みが生じやすく光学斑の原因となり、好ましくは
1×10-12cm2/dyne以下で、光学的特性として
実質的に透明であり100μフィルムで光線透過率90
%以上であることが必要である。尚、光弾性係数は外部
応力に対する光学歪みの程度を示す値であり、値が小さ
ければ小さい程、偏光板の保護フィルムとして光学的に
良好であり、エリプソメータを用いて波長633nmで
測定を行った。
【0021】本発明に用いられる保護フィルムは、上記
の条件を満足するもであれば使用可能であり、非晶性ナ
イロン、環状オレフィン等のポリマーが使用でき、特に
環状オレフィン重合体である熱可塑性飽和ノルボルネン
系樹脂は耐酸性、耐薬品性に優れ、その光弾性係数が3
〜9×10-13cm2/dyneと小さく、透湿度も80
℃、90%RH下で40〜70g/m2・24hr・1
00μと低い値を示し、保護フィルムとして好適な材料
である。
【0022】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂として
は、例えば(イ)ノルボルネン系モノマーの開環(共)
重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタ
ジエン付加の如き変性を行った後に、水素添加した樹
脂、(ロ)ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹
脂、(ハ)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オ
レフィンなどのオレフィン系モノマーと付加重合させた
樹脂、(ニ)ノルボルネン系モノマーとシクロペンテ
ン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタ
ジエンなどの環状オレフィン系モノマーと付加重合させ
た樹脂などが挙げられる。重合は、重合触媒としてI
r、Os、Ruの三塩化物の含水塩、MoCl5、WC
6 、ReCl5 、(C25Al、(C253
Al/TiCl4、(π−C474 Mo/TiCl
4 、(π−C474 W/TiCl4、(π−C35
3 Cr/WCl6 等を用いて常法により行うことが
出来、更に水素添加も常法により行うことが出来る。
【0023】ノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、ノルボルネン及び5−メチル−2−ノルボルネン、
5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノ
ルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン等のアルキル及び/又はアル
キリデン置換体、これらのハロゲン等の極性基置換体;
6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,
4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,
4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,
4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン等のジメタノオクタヒドロナフタレン、
そのアルキル及び/又はアルキリデン置換体、及びハロ
ゲン等の極性置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−
ジヒドロジシクロペンタジエン等;4,9:5,8−ジ
メタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オ
クタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,1
0:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,
6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒ
ドロ−1H−シクロペンタアントラセン等のシクロペン
タジエンの3〜4量体等が挙げられる。
【0024】上記の環状オレフィン重合体等を偏光板の
保護フィルムとするには、溶剤キャスト法、押出法等の
公知の製膜方法を用いることにより行うことが出来る。
又、保護フィルムを偏光性能を付与したポリビニルアル
コール系フィルムの偏光膜に貼り合わせるには、通常接
着剤が使用されるが、ポリビニルアルコール系フィルム
/保護フィルムの接着剤としては、ポリビニルアルコー
ル系接着剤、ウレタンエマルジョン系接着剤、アクリル
系接着剤、ポリエステル−イソシアネート系接着剤等が
用いられ、保護膜/保護フィルムの接着剤としてはエポ
キシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等
が用いられる。又、該保護フィルムを構成する高分子化
合物には、所望によりフェノール系やリン系の酸化防止
剤、帯電防止剤、紫外線安定剤などの各種添加剤を添加
しても良い。かくして得られた偏光板は、更に粘着剤層
及び剥離フィルムを付加することが出来る。
【0025】
【作用】本発明の偏光板は、高温下での耐湿熱性に優れ
長時間放置しても高偏光度、高単体透過率を保持してお
り、車両用途、各種工業計器類の表示等の過酷な条件で
使用された場合にも、大変有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。尚、本発明でいう偏光度とは下式で示される
ものである。 [(H11−H1)/(H11+H1)]0.5 ここで、H11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合わ
せ時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向にな
る様に重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した
透過率(%)、H1 は2枚のサンプルの重ね合わせ時に
おいて、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する方向
になる様に重ね合わせた状態で測定した透過率(%)で
ある。
【0027】実施例1 平均重合度3800、ケン化度99.5モル%のポリビ
ニルアルコール100部を水に溶解し、5.0重量%濃
度の溶液を得た。該液をポリエチレンテレフタレート上
に流延後乾燥し原反フィルムを得た。このフィルムをチ
ャックに装着しヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリウム6
0g/lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬
し、次いでホウ酸70g/l、ヨウ化カリウム30g/
lの組成の水溶液に浸漬すると共に、同時に6.0倍に
一軸延伸しつつ5分間に渡ってホウ酸処理を行った。最
後に室温で24時間乾燥した。次に、得られたフィルム
の両面に保護膜として三酢酸セルロースをポリビニルア
ルコール系接着剤にて貼合した。更に該保護膜の両外層
にアクリル系接着剤を用いて、6−メチル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8
a−オクタヒドロナフタレンの開環重合、水素添加反応
により得られた熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂(80
℃、90%RHで透湿度50g/m2・24hr・10
0μ、光弾性係数6.3×10-13cm2/dyne)の
流延法により作製したフィルム(厚み100μ)をエポ
キシ系接着剤を用いて貼り合わせ偏光板とした。
【0028】該偏光板について耐湿熱性試験(80℃、
90%RH、500時間放置)を行い、単体透過率及び
偏光度を、分光光度計(日本電色工業(株)製SZS−
Σ80)により測定して、試験前後の各々の差を調べ
た。
【0029】実施例2 平均重合度1700の、ケン化度99.7モル%のポリ
ビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と同一の実
験を行った。
【0030】比較例1 80℃、90%RHで透湿度が320g/m2・24h
r・100μ、光弾性係数が6.0×10-13cm2/d
yneである流延法により作成したポリメチルメタクリ
レートフィルム(厚み100μ)を保護フィルムとして
用いた以外は、実施例1と同一の実験を行った。 比較例2 80℃、90%RHで透湿度が620g/m2・24h
r・100μ、光弾性係数が7.2×10-12cm2/d
yneであるポリカーボネートフィルム(厚み100
μ)を保護フィルムとして用いた以外は、実施例1と同
一の実験を行った。 比較例3 80℃、90%RHで透湿度が23g/m2・24hr
・100μ、光弾性係数が2.7×10-11cm2/dy
neである高密度ポリエチレンフィルム(厚み100
μ)を保護フィルムとして用いた以外は、実施例1と同
一の実験を行った。実施例及び比較例の測定結果を表1
に示す。
【0031】
【表1】 偏 光 性 能 製造直後 耐湿熱性試験後 単体透過率 偏光度 単体透過率 偏光度の (%) (%) の差(%) 差(%) 実施例1 39.5 100.0 +0.3 −1.7 実施例2 38.7 100.0 +3.3 −2.1 比較例1 39.7 100.0 +7.8 −14.8 比較例2 38.8 100.0 +9.1 −15.1 比較例3 38.5 100.0 +8.8 −17.3
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、高温下での耐湿熱性に
優れ長時間放置しても高偏光度、高単体透過率を保持し
た偏光板が得られ、車両用途、各種工業計器類の表示等
の過酷な条件で使用された場合にも、大変有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨウ素又は二色性染料の吸着配向により
    偏光性能が付与されたポリビニルアルコール系フィルム
    の両面あるいは片面に保護膜を設けた偏光膜の少なくと
    も片面に保護フィルムを貼り合わせてなり、80℃、9
    0%RH、500時間放置後の偏光度が95%以上、単
    体透過率が38%以上であることを特徴とする偏光板。
  2. 【請求項2】 保護フィルムの透湿度が80℃、90%
    RHで200g/m2・24hr・100μ以下で、か
    つ光弾性係数が1×10-11cm2/dyne以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光板。
  3. 【請求項3】 保護フィルムが熱可塑性飽和ノルボルネ
    ン系樹脂であることを特徴とする請求項1あるいは2に
    記載の偏光板。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコール系フィルムの平均
    重合度が2600以上であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の偏光板。
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