JPH0943431A - 位相差フィルム及びその用途 - Google Patents

位相差フィルム及びその用途

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JPH0943431A
JPH0943431A JP7212887A JP21288795A JPH0943431A JP H0943431 A JPH0943431 A JP H0943431A JP 7212887 A JP7212887 A JP 7212887A JP 21288795 A JP21288795 A JP 21288795A JP H0943431 A JPH0943431 A JP H0943431A
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film
retardation
resin
phase difference
thickness
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JP7212887A
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Inventor
Yoshihiro Kimura
佳宏 木村
Toshihiro Shimizu
俊宏 清水
Shuichi Kitamura
秀一 北村
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間の耐湿・耐熱時においてもその配向の
乱れが少なく、良好な光学特性を維持することができる
位相差フィルム、位相差板及び楕円偏光板を提供するこ
と。 【解決手段】 厚み(d)を1〜30μm、リターデー
ション値(R)を5〜650nmとし、かつ複屈折率
(R/d)を0.01〜0.1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れた位
相差フィルム及び該フィルムを用いた位相差板、楕円偏
光板に関する。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムとは、複屈折性を有する
シート状物であり、位相差フィルムを通過した光は互い
に直交する2方向の屈折率が異なるため、通過後におい
て直交する光線に位相差が生じる。この特性を利用し
て、従来より、ワープロ、自動車や機械類の計器類等の
液晶表示装置の視認性の向上を目的として光学補償板に
用いられている。そして、該フィルムには、ポリビニル
アルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリアリ
レート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂等の樹脂が用いら
れ、入射光線の波長λに対して1/4λの位相差が生じ
る機能を有する、いわゆる1/4波長板は、直線偏光と
円偏光との相互交換素子として、レーザー光線のビーム
スプリッター等に使用されている。
【0003】また、STN型液晶ディスプレイ(STN
−LCD)において、STN−LCDの色ずれ防止のた
めに位相差フイルムが用いられるようになっている。即
ち、かかる液晶ディスプレイは、液晶の複屈折性に基づ
くため表示が一般に青色系統ないし黄色系統に着色す
る。そのためSTN型液晶の複屈折による位相差を補償
し、楕円偏光を直線偏光に戻して着色を打ち消す手段が
講じられている。その手段として偏光板と複屈折性フイ
ルムからなる位相差板とからなる楕円偏光板を用いる方
式が採用されている。そして、かかるSTN−LCD用
の位相差フィルムとしてリターデーション値が300〜
800nmであるポリビニルアルコール系位相差フィル
ムが提案されている。(特開平2−146002号公
報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記開
示技術では、位相差フィルムの耐熱性を向上させるため
には、該公報の実施例19に記載の如く高温での熱処理
が必要であり、更に本発明者等の詳細な検討では50
℃、70%RHで300時間という苛酷な条件では耐熱
性(耐久性)が十分に発揮できないことが判明し、耐久
性についてはまだまだ改善の余地が残るところである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記の如き現況に鑑み、厚み(d)が1〜30μm、リタ
ーデーション値(R)が5〜650nmで、かつ複屈折
率(R/d)が0.01〜0.1であることを特徴とす
る位相差フィルムが、耐久性に優れ、位相差板や楕円偏
光板に有用であることを見いだし本発明の完成に至っ
た。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の位相差板に用いられる位相差フイルムとして
は、特に限定されず、ポリビニルアルコール系樹脂、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル系
樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリス
ルフォン系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂などの
高分子からなる分子配向されたフィルムが挙げられる
が、光学特性、耐久性等を考慮すれば、ポリビニルアル
コール系樹脂からなる位相差フィルムが有用で、以下ポ
リビニルアルコール系樹脂を用いた位相差フィルムにつ
いて、具体的に説明する。
【0007】該位相差フィルムに用いられるポリビニル
アルコール系樹脂は、通常酢酸ビニルを重合したポリ酢
酸ビニルをケン化して製造されるものであるが、本発明
では、必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の
不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等
を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和ス
ルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有し
ていてもよい。また、ポリビニルアルコール樹脂を酸の
存在下でアルデヒド類と反応させたポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂などのいわゆるポリ
ビニルアセタール樹脂及びその他ポリビニルアルコール
系樹脂誘導体も挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらのうちでは、耐熱性が良好であるとい
う点から、高ケン化度で高重合度のポリビニルアルコー
ル系樹脂が好ましい。即ち、ケン化度は95モル%以上
が好ましく、更には99モル%以上、とくには99.5
モル%以上であって、重合度は1000以上が好まし
く、更には1000〜5000である。
【0008】上記のフイルムの製造法としては、ポリビ
ニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液を流延
製膜して、延伸後適宜ホウ素化合物処理する方法が挙げ
られる。原液調製に際して使用される溶媒としては例え
ば水はもちろん、ジメチルスルホキシド(DMSO)、
N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ト
リメチロールプロパン等の多価アルコール、エチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン等のアミン類及びこれら
の混合物が用いられる。
【0009】上記有機溶媒中には少量例えば5〜30重
量%の水を含有させても差し支えない。原液中のポリビ
ニルアルコールの濃度は4〜10重量%が実用的であ
る。該溶剤を用いて得られたポリビニルアルコール製膜
原液は、キャスト法、押出法等任意の方法で製膜され
る。製膜方式としては乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶
液を口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴
中に導いて未延伸フイルムを形成せしめる。又は口金か
ら吐出された製膜溶液は一旦ローラー、あるいはベルト
コンベアー等の上で溶剤を一部乾燥した後で凝固浴中に
導入しても差し支えない。
【0010】また凝固浴に用いる溶媒には前記高重合度
ポリビニルアルコールの溶剤と混和性を有するもので例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等
が挙げられる。位相差フィルムは、上記の如く製膜され
たポリビニルアルコール系樹脂原反フイルム又はシート
を続いて1.01〜4倍程度に一軸延伸を施したもの
で、延伸操作はまず該原反フイルム又はシートを120
〜200℃の温度で30秒〜5分予熱し、続いて150
〜230℃、好ましくは170〜200℃で1.1〜4
倍程度延伸を施される。
【0011】最後に延伸温度以下〜130℃の範囲で1
〜5分熱固定が行われる。必要に応じて上記任意の段階
でホウ素化合物等で耐水化処理を行い得る。かかる方法
により、本発明の位相差フィルムが得られる訳である
が、本発明では、該フィルムの厚み(d)が1〜30μ
mで、リターデーション値(R)が5〜650nm(好
ましくは20〜650nm)で、かつ複屈折率(R/
d)が0.01〜0.1(好ましくは0.01〜0.0
5)であることを最大の特徴とするもので、かかる条件
を満足しないものでは、本発明の効果を得ることができ
ない。
【0012】すなわち、位相差フィルムの厚み(d)が
1μm未満ではフィルム内での位相差特性(リターデー
ション値)のバラツキが大きくなって均一なフィルムが
得られず、逆に30μmを越えると耐久性能が低下して
不適である。また、リターデーション値(R)が5nm
未満或いは650nmを越える位相差フィルムは、該フ
ィルム内での均一なリターデーション値を得ることは困
難で、良好な位相差特性が期待できない。更に複屈折率
(R/d)が0.01未満或いは0.1を越えると耐久
性能が低下して不適である。これらの条件を満足する位
相差フィルムを得る方法としては特に限定されないが、
一般的には上記の延伸工程での延伸倍率や熱処理条件等
をコントロールする方法が実用的である。
【0013】かくして得られた本発明の位相差フイルム
は、その両面あるいは片面に接着剤(ウレタン系樹脂、
アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等)を介して光学的透
明度と機械的強度に優れた保護膜を貼着して、位相差板
とすることができる。該保護膜としては、従来から知ら
れているセルロースアセテート系フィルム、アクリル系
フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリオレフィ
ン系樹脂フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリ
エーテルエーテルケトン系フィルム、ポリスルホン系フ
ィルムが挙げられるが、三酢酸セルロースフィルム等の
セルロースアセテート系フィルムが好ましい。かかる位
相差板は、その両面或いは片面に粘着剤(アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等)層が積層さ
れ、通常は位相差板/粘着剤層/離型フィルム等の形態
で製品化され、実装時には該離型フィルムが剥離されて
ガラス板等の基材に貼着されて実用に供される。
【0014】また、本発明の位相差フィルムは、楕円偏
光板に用いることも有用で、その構成としては偏光板/
粘着剤層/位相差板(本発明の位相差フィルムを用いた
上記の如き位相差板)/粘着剤層の積層構成をなすもの
であり、該楕円偏光板に用いられる偏光板としては、偏
光フィルムの少なくとも片面に保護層を設けたもので、
該偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール系樹脂
/ヨウ素系、ポリビニルアルコール系樹脂/2色性染料
系、ポリビニルアルコール系樹脂/ポリエン系、ポリハ
ロゲン化ビニル系樹脂/ポリエン系、ポリアクリロニト
リル系樹脂/ポリエン系、ポリ(メタ)アクリレート系
樹脂/ポリエン系、ポリカーボネート系樹脂などが挙げ
られ、特に限定されないが、一例としてポリビニルアル
コール系樹脂/ヨウ素系の偏光フィルムについて、以下
具体的に説明する。
【0015】ポリビニルアルコール系樹脂としては、上
記の位相差フィルムで述べたものと同様のものを使用す
ることができる。偏光フイルムの製造法としては、ポリ
ビニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液を流
延製膜して、延伸してヨウ素染色するか、延伸と染色を
同時に行うかヨウ素染色して延伸した後、ホウ素化合物
処理する方法が挙げられる。原液調製に際して使用され
る溶媒としては例えば水はもちろん、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)、N−メチルピロリドン、グリセリ
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価ア
ルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等
のアミン類及びこれらの混合物が用いられる。
【0016】上記有機溶媒中には少量例えば5〜30重
量%の水を含有させても差し支えない。原液中のポリビ
ニルアルコールの濃度は4〜10重量%が実用的であ
る。該溶剤を用いて得られたポリビニルアルコール製膜
原液は、キャスト法、押出法等任意の方法で製膜され
る。製膜方式としては乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶
液を口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴
中に導いて未延伸フイルムを形成せしめる。又は口金か
ら吐出された製膜溶液は一旦ローラー、あるいはベルト
コンベアー等の上で溶剤を一部乾燥した後で凝固浴中に
導入しても差し支えない。
【0017】また凝固浴に用いる溶媒には前記高重合度
ポリビニルアルコールの溶剤と混和性を有するもので例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等
が挙げられる。上記のごとくして得られるポリビニルア
ルコール未延伸フイルムは、次ぎに延伸及び染色が施さ
れる。フイルムへの染色、つまり偏光素子の吸着は、フ
イルムに偏光素子を含有する液体を接触させることによ
って行なわれる。通常はヨウ素−ヨウ化カリの水溶液が
用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ化カ
リの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリの重
量比は20〜100が適当である。染色時間は30〜4
80秒程度が実用的である。水溶媒以外に水と相溶性の
ある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。
【0018】接触手段としては、浸漬、塗布、噴霧等の
任意の手段が適用出来る。染色の終了したフイルムは、
次いでホウ素化合物中で延伸処理される。延伸は、一軸
方向に3.5倍以上、好ましくは4倍以上延伸すること
が望ましい。この際、前記と直角方向にも若干の延伸
(幅方向の収縮を防止する程度あるいはそれ以上の延
伸)を行っても差し支えない。延伸時の温度条件は50
〜130℃から選ぶのが普通である。ホウ素化合物とし
てはホウ酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は、
水溶液又は水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モ
ル/l程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリを共
存させるのが実用上望ましい。
【0019】処理法は、浸漬法が望ましいが勿論塗布
法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は、50〜
70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、又
必要に応じて処理中に、あるいは処理後に延伸操作を行
っても良い。なお、該ホウ素化合物による処理は、ポリ
ビニルアルコール系樹脂溶液にあらかじめホウ素化合物
を添加して製膜することにより代替することも可能であ
る。このようにして得られた偏光フイルムは、その両面
あるいは片面に接着剤(同前)を介して光学的透明度と
機械的強度に優れた保護膜(同前)を貼着して、偏光板
となる。
【0020】かかる方法で得られた偏光板と位相差板を
前述の粘着剤を用いて貼着することにより、楕円偏光板
が得られるのである。かかる楕円偏光板は、通常、偏光
板/粘着剤(上記の位相差板と同様の粘着剤)層/位相
差板/粘着剤(同前)層/離型フィルムの形態で製品化
され、実装時には該離型フィルムが剥離されてガラス板
等の基材に貼着されて実用に供される。また、上記以外
の偏光フィルム/粘着剤層/位相差フィルム/粘着剤
層、偏光フィルム/粘着剤層/位相差フィルム/粘着剤
層/離型用フィルム或いは保護層/偏光フィルム/保護
層/粘着剤/位相差フィルム/粘着剤層、保護層/偏光
フィルム/保護層/粘着剤層/位相差フィルム/粘着剤
層/離型用フィルム等の構成を有する積層体として実用
に供することもできる。本発明の位相差フィルム、位相
差板及び楕円偏光板は、電子卓上計算機、電子時計、ワ
ープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サ
ングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CR
T、LCD等)用反射低減層等に利用される。
【0021】
【作 用】本発明の位相差フィルムは、フィルムの厚
み(d)、リターデーション値(R)及び複屈折率(R
/d)が、特定の範囲にコントロールされているため、
長時間の耐湿・耐熱時においてもその配向の乱れが少な
く、良好な光学特性を維持することができ、位相差板や
楕円偏光板としても利用価値が高く、液晶表示体の用途
に用いられ、殊に車両用途、各種工業計器類、家庭用電
化製品の表示等に有用である。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。 実施例1 重合度1700、平均ケン化度99.8モル%のポリビ
ニルアルコールを水に溶解し、ポリビニルアルコール濃
度18重量%の水溶液を得た後、該液をポリエチレンテ
レフタレートフイルム上に流涎後、乾燥して膜厚30μ
mのフイルムを得て該フイルムをテンター方式にて以下
の条件で一軸延伸した。 予熱工程:180℃、2分 延伸工程:190℃、1.7倍延伸 熱固定工程:150℃、2分
【0023】得られた位相差フィルムは厚み(d)が2
5μmで、リターデーション値(R1)が400nm
(バビネ型コンペンサーター付の偏光顕微鏡(ニコンP
OH−1型)を用い補償法にて測定、光源は白色光)
で、複屈折率(R/d)が0.016であった。かかる
位相差フィルムを50℃、70%RHで300時間放置
した後、再度上記の方法でリターデーション値(R2
を測定したところ、450nmであった。かかるリター
デーション値(R1及びR2)を用いて、下式により配向
の乱れを算出した。(算出値が1に近いほうが好まし
い) 次に上記で得られた位相差フィルムを用いて以下のごと
く位相差板を作製して評価を行った。
【0024】(粘着剤の調製)アクリル系樹脂(樹脂成
分:n−ブチルアクリレート/アクリル酸=95重量%
/5重量%)100重量部に架橋剤(日本ポリウレタン
工業社製、商品名;コロネートL)を1重量部添加した
固形分45重量%溶液(トルエン/酢酸エチルの重量比
が1/1の溶媒)の粘着剤を得た。
【0025】(位相差板の作製)上記で得られた位相差
フイルム(放置処理前)の両面にポリビニルアルコール
系樹脂接着剤を用いて三酢酸セルロースフイルムを接着
させて、本発明の位相差板(全厚みは170μm)を得
た。得られた位相差板(200mm×200mm)の片
面にアプリケーターを用いて乾燥塗布厚が25μとなる
ように上記の粘着剤を塗布した後、厚さ1.1mmのガ
ラス板上に圧着して積層体(位相差板/ガラス板、リタ
ーデーション値は400nm)を作製した。該積層体を
50℃、80%RHで300時間放置した後、再度上記
の方法でリターデーション値(R2)を測定したとこ
ろ、432nmであった。
【0026】最後に上記で得られた位相差フィルムを用
いて以下のごとく楕円偏光板を作製して評価を行った。 (偏光板の作製)膜厚25μのポリビニルアルコール偏
光フィルム(平均重合度1700、平均ケン化度99.
5モル%、5倍延伸)の両側にポリビニルアルコール系
接着剤で厚さ80μの三酢酸セルロースフィルムを接着
させて偏光板(200mm×200m)を作製した。
【0027】(楕円偏光板の作製)かかる偏光板表面に
上記と同様の粘着剤を用いて乾燥塗布厚が30μの粘着
剤層を設けて、上記位相差板と積層して位相差板/粘着
剤層/偏光板(20mm×20mm)の構成よりなる楕
円偏光板(位相差板と偏光板の光軸角は45度)を得
た。該楕円偏光板の位相差板表面にアプリケーターを用
いて乾燥塗布厚が25μとなるように上記の粘着剤を塗
布した後、厚さ1.1mmのガラス板に貼着して、積層
体(楕円偏光板/ガラス板、リターデーション値は40
0nm)を作製した。該積層体を50℃、80%RHで
300時間放置した後、再度上記の方法でリターデーシ
ョン値(R2)を測定したところ、428nmであっ
た。以上の位相差フィルム、位相差板及び楕円偏光板の
各々の場合について、それぞれのリターデーション値
(R1及びR2)を用いて、下式により配向の乱れを算出
した。(算出値が1に近いほうが好ましい) (配向の乱れ)=リターデーション値(R2)/リター
デーション値(R1
【0028】実施例2〜6、比較例1〜6 実施例1に準じて、延伸前のフィルムの厚みや延伸倍率
等の製造条件を変化させて表1に示される位相差フィル
ムを得て、実施例1と同様に配向の乱れを調べた。実施
例及び比較例の評価結果を表2に示す。
【0029】
【表1】 位相差フィルムの厚み 延伸倍率 リターテ゛ーション値 複屈折率 延伸前 延伸後(d) (倍) (R1) (R1/d) 実施例1 30 25 1.7 400 0.016 〃 2 25 20 1.7 300 0.015 〃 3 25 15 1.8 320 0.021 〃 4 25 10 1.9 310 0.031 〃 5 10 5 1.7 200 0.04 〃 6 2.5 1.5 1.7 25 0.016 比較例1 1 0.5 1.7 20 0.04 〃 2 75 36 1.7 580 0.016 〃 3 7 2.5 1.7 4 0.0016 〃 4 30 13 1.7 670 0.05 〃 5 30 20 1.7 100 0.005 〃 6 5 2 1.7 400 0.2 注)位相差フィルムの厚み及びリターデーション値の単位は、それぞれμm及び nmである。
【0030】
【表2】 位相差フィルム 位相差板 楕円偏光板 (R1) (R2) (R2/R1) (R1) (R2) (R2/R1) (R1) (R2) (R2/R1) 実施例1 400 450 1.13 400 432 1.08 400 428 1.07 〃 2 300 342 1.14 300 327 1.09 300 321 1.07 〃 3 320 368 1.15 320 349 1.09 320 342 1.07 〃 4 310 360 1.16 310 338 1.09 310 335 1.08 〃 5 200 230 1.15 200 218 1.09 200 214 1.07 〃 6 330 386 1.17 330 356 1.08 330 353 1.07 比較例1 20 24 1.20 20 24 1.20 20 23 1.15 〃 2 640 781 1.22 640 749 1.17 640 749 1.17 〃 3 4 5 1.25 4 5 1.25 4 5 1.25 〃 4 670 817 1.22 670 797 1.19 670 791 1.18 〃 5 100 121 1.21 100 118 1.18 100 117 1.17 〃 6 400 488 1.22 400 476 1.19 400 468 1.17 註)(R1)及び(R2)は、それぞれのリターデーション値(nm)を表し、 (R2/R1)は配向の乱れを表す。
【0031】
【発明の効果】本発明の位相差フィルムは、フィルムの
厚み(d)、リターデーション値(R)及び複屈折率
(R/d)が、特定の範囲にコントロールされているた
め、長時間の耐湿・耐熱時においてもその配向の乱れが
少なく、良好な光学特性を維持することができ、位相差
板や楕円偏光板としても利用価値が高く、液晶表示体の
用途に用いられ、殊に車両用途、各種工業計器類、家庭
用電化製品の表示等に有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み(d)が1〜30μm、リターデー
    ション値(R)が5〜650nmで、かつ複屈折率(R
    /d)が0.01〜0.1であることを特徴とする位相
    差フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の位相差フィルムを用いた
    ことを特徴とする位相差板。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の位相差フィルムを用いた
    ことを特徴とする楕円偏光板。
JP7212887A 1995-07-28 1995-07-28 位相差フィルム及びその用途 Pending JPH0943431A (ja)

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JP7212887A JPH0943431A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 位相差フィルム及びその用途

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