JP2002326885A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents
スパークプラグの製造方法Info
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Abstract
釉薬塗布むらを効果的に回避し、ひいては耐フラッシュ
オーバ性に優れたスパークプラグを容易に得ることがで
きるスパークプラグの製造方法を提供する。 【解決手段】 釉薬粉末を水系溶媒に懸濁させてスラリ
ー化するに先立って、釉薬粉末の表面を、釉薬中に含有
される水溶性成分の溶出を抑制する溶出抑制コーティン
グ層にて覆い、得られるコーティング釉薬粉末を用いて
スラリーを調製する。その釉薬スラリーを絶縁体の表面
に堆積させて釉薬粉末堆積層を形成し、釉焼することに
より釉薬層となす。
Description
造方法に関する。
使用されるスパークプラグは、一般に、接地電極が取り
付けられる主体金具の内側に、アルミナ系セラミック等
で構成された絶縁体が配置され、その絶縁体の内側に中
心電極が配置された構造を有する。絶縁体は主体金具の
後方側開口部から軸方向に突出し、その突出部の内側に
端子金具が配置され、これがガラスシール工程により形
成される導電性ガラスシール層や抵抗体等を介して中心
電極と接続される。そして、その端子金具を介して高圧
を印加することにより、接地電極と中心電極との間に形
成されたギャップに火花放電が生ずることとなる。
囲の湿度が上昇したりするなどの条件が重なると、高圧
印加してもギャップに飛火せず、絶縁体突出部の表面を
回り込む形で端子金具と主体金具との間で放電する、い
わゆるフラッシュオーバ現象が生じることがある。その
ため、一般に使用されているほとんどのスパークプラグ
においては、主にこのフラッシュオーバ現象防止のため
に絶縁体表面に釉薬層が形成されている。他方、釉薬層
は、絶縁体表面を平滑化して汚染を防止したり、化学的
あるいは機械的強度を高めたりするといった役割も果た
す。
に取り付けた環境下で使用されることもあって、通常の
絶縁磁器等よりも温度が上昇し、また、近年ではエンジ
ンの高性能化に伴いスパークプラグへの印加電圧も高く
なってきていることから、釉薬に対してもより厳しい環
境に耐えうる絶縁性能が求められるようになってきてい
る。一方、自動車エンジン等では、ゴムキャップを用い
てスパークプラグをエンジン電装系に取り付ける方式が
一般に広く採用されているが、耐フラッシュオーバ性を
向上させるためには、絶縁体とゴムキャップ内面との密
着性が重要である。この場合、絶縁体表面に形成される
釉薬層は、膜厚むらがなく、極力平滑であることが求め
られる。
には次のような工程が採用される。まず、釉薬原料を所
期の組成となるように配合し、次いでこれを、坩堝を用
いて加熱することにより溶融させ、さらに急冷凝固して
ガラス状の釉薬組成物とする。この釉薬組成物をさらに
ボールミル等を用いて微粉砕し、最終的には水系溶媒に
釉薬粒子を懸濁させた釉薬スラリーとする。釉薬スラリ
ーはスプレー噴霧やスピンコートあるいはディッピング
等により絶縁体表面に塗布され、乾燥後、釉焼される。
薬層を得ようとする場合、塗布される釉薬スラリーの流
動性が重要である。流動性の良好なスラリーは塗布によ
り絶縁体表面によく拡がり、平滑で一様な厚さの釉薬層
が得やすくなる。しかし、流動性の悪いスラリーは、絶
縁体表面に偏って付着しやすく塗布むらが発生しやす
い。
薬は、ガラス骨格形成のための必須成分としてSiO2
(二酸化珪素)を含有するが、釉焼温度を適度に低下さ
せて溶融時の流動性を高めるために、ホウ酸(B
2O3)、アルカリ金属成分(Li2O、Na2O、K
2O等)、アルカリ土類金属成分(MgO、CaO、S
rO、BaO等)等の、種々の副成分が配合されたケイ
酸塩ガラスとして構成されるものが一般的である。この
うち、SiO2自体は水への溶解度が低いためほとんど
問題を生じないが、配合された副成分の中には、該溶解
度がある程度高いもの(以下、水溶性釉薬成分という)
も存在する。代表的なものは、アルカリ金属酸化物(L
i2O、Na2O、K2O)やホウ酸(B2O3)等で
ある。
合、水系溶媒を用いた湿式粉砕時や、さらには水系溶媒
スラリー状態での保管時に、該水溶性釉薬成分が溶媒中
に徐々に溶出する。この溶出は、釉薬粉末を懸濁させた
スラリーのレオロジーに変化をもたらす結果、スラリー
の粘性が経時的に増加し、スラリーの流動性が損なわれ
て前記した塗布むら等の問題を発生させやすくなる。例
えば、釉焼後の釉薬層の状態ではあればほとんど問題に
ならない溶出レベルでも、スラリーとして懸濁可能な程
度の微粉末(平均粒径が例えば5〜45μm程度)にな
ると、溶出の影響は特に避けがたくなる。
合、従来は、ケイ酸塩ガラスに比較的多量のPbOを配
合して軟化点を低下させた鉛ケイ酸塩ガラス系の釉薬を
使用してきたが、環境保護に対する関心が地球規模で高
まりつつある近年では、Pbを含有する釉薬は次第に敬
遠されるようになってきている。例えばスパークプラグ
が多量に使用される自動車業界においては、廃棄スパー
クプラグによる環境への影響を考慮して、Pb含有釉薬
を使用したスパークプラグの使用は将来全廃しようとの
検討も進められている。しかしながら、こうした釉薬の
無鉛化を図ろうとする場合、鉛成分を排除することによ
る融点上昇を抑制するために、前記したアルカリ金属成
分やホウ酸成分も増やさざるを得ない。その結果、前記
したスラリー粘性の経時的上昇は一層避けがたくなり、
釉薬無鉛化特有の問題としてクローズアップされてい
る。
による絶縁体表面への釉薬塗布むらを効果的に回避し、
ひいては耐フラッシュオーバ性に優れたスパークプラグ
を容易に得ることができるスパークプラグの製造方法を
提供することにある。
は、中心電極と主体金具との間にアルミナ系セラミック
からなる絶縁体が配置され、絶縁体の表面の少なくとも
一部を覆う形態で酸化物主体の釉薬層が形成されたスパ
ークプラグの製造方法であって、上記の課題を解決する
ために、釉薬粉末の各粒子の表面が、該釉薬中に含有さ
れる水溶性成分の溶出を抑制する溶出抑制コーティング
層にて覆われたコーティング釉薬粉末を調製するコーテ
ィング釉薬粉末調製工程と、コーティング釉薬粉末を水
系溶媒中に懸濁させて釉薬スラリーを調製する釉薬スラ
リー調製工程と、その釉薬粉末を絶縁体の表面に堆積さ
せて釉薬粉末堆積層を形成する釉薬粉末堆積工程と、そ
の絶縁体を加熱することにより、釉薬粉末堆積層を絶縁
体表面に焼き付けて釉薬層となす釉焼工程とを含むこと
を特徴とする。
系溶媒に懸濁させてスラリー化するに先立って、釉薬粉
末の表面を、釉薬中に含有される水溶性成分の溶出を抑
制する溶出抑制コーティング層にて覆い、それによって
得られるコーティング釉薬粉末を用いてスラリーを調製
するようにした。これにより、スラリー中の水系溶媒に
釉薬中の水溶性成分(例えば、B、P、Li、K、Na
等)が溶出しにくくなり、スラリーの粘性が経時的に増
加する不具合を効果的に抑制することができる。その結
果、釉薬スラリーを絶縁体に塗布する場合に、その塗布
厚さを適正化することが容易となり、また厚さのばらつ
きも小さくなるので、釉焼により形成される釉薬層の厚
さの適正化とばらつき低減とを効果的に図ることができ
る。すなわち、平滑で厚さの均一な釉薬層を有し、ひい
ては耐フラッシュオーバ性に優れたスパークプラグを容
易に製造することができる。
成することによる効果は、釉薬として、水溶性成分であ
るB、P、Li、K及びNaからなる群より選ばれる1
種又は2種以上を、BはB2O5に、PはP2O5に、
LiはLi2Oに、KはK2Oに、NaはNa2Oにそ
れぞれ酸化物換算した値にて、合計で30〜60mol
%程度の高含有量にて含有するものが使用されるとき、
特に顕著に発揮される。このような釉薬組成の採用は、
特にPbOに換算したPbの含有量を1mol%以下と
した釉薬(以下、これを無鉛釉薬と称する)を、従来と
同程度の釉焼温度の範囲(900〜1100℃)内にて
実現しようとした場合に必要となる。なぜなら、Pbの
含有率が1%未満では、上記の水溶性成分の含有量を3
0mol%未満とした場合に、釉焼温度が高くなりすぎ
る不具合を生じ、60mol%を超えると釉焼後の釉薬
層自体の耐水性(アルカリ金属成分の場合は、これに加
えて耐電圧)を十分に確保できなくなってしまうためで
ある。
は、軸線方向中間位置においてその外周面に周方向の突
出部が形成され、また、該軸線方向において中心電極の
先端に向かう側を前方側として、突出部に対し後方側に
隣接する絶縁体本体部の基端部外周面が円筒面状に形成
されたものとされる。釉薬層はその基端部外周面を覆う
形で形成され、かつ該基端部外周面にてJIS:B06
01に規定された方法に従い測定した釉薬層の表面粗さ
曲線において、その最大高さRyが10μm以下の平滑
なものとすることが、耐フラッシュオーバ性を高める上
で望ましい。このような平滑な釉薬層を得る上で、本発
明の製造方法は当然有利に作用する。絶縁体の当該部位
における釉薬層の表面粗さ曲線において、その最大高さ
Ryが10μmよりも大きくなると、上記組成の無鉛釉
薬層では均一で平滑な釉焼面が形成されず、釉焼面とゴ
ムキャップとの密着性が損なわれて耐フラッシュオーバ
性が不十分となる。最大高さRyは、小さいほど密着
性、即ち耐フラッショオーバ性の観点から好ましいが、
過度にRyを小さくしようとすることは製造コストの高
騰につながる場合もあるので、このような不具合が生じ
ないような範囲にて最大高さRyを定める(例えば、R
y≧0.5μm)。最大高さRyは、より望ましくは1
〜4μmとするのがよい。なお、Ryの値は、JIS:
B0601(1994)による、定められた評価長さに
て測定した粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さ
だけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との
間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定し、この値をマイ
クロメートル(μm)で表したものをいう。評価長さ及
び基準長さの選択は、JIS:B0601(1994)
の4.1.3に規定されているごとくである。
の膜厚は10〜50μmとするのがよい。本発明者らが
鋭意検討したところ、硼珪酸ガラス系あるいはアルカリ
硼珪酸ガラス系の無鉛釉薬層においては、平滑な釉薬層
面を得る上で、釉薬層の膜厚調整が重要であることもわ
かった。そして、上記絶縁体本体部の基端部外周面は、
特にゴムキャップとの密着性が求められることから、膜
厚調整を適切に行なえば、耐フラッシュオーバ性等を向
上できることが判明した。釉薬層の膜厚が10〜50μ
mの範囲であると、釉薬層の絶縁性を低下させることな
く釉焼面とゴムキャップとの密着性が高められ、さらに
耐フラッシュオーバ性を向上させることができる。
10μm未満になると、上記組成の無鉛釉薬層では均一
で平滑な釉焼面を形成することが困難となる場合がある
(ただし、下地となる絶縁体本体部の基端部外周面をバ
レル研磨等で平滑化できる場合はこの限りではない)。
また、釉薬層の厚さが50μmを超えると、上記組成の
無鉛釉薬層では絶縁性が低下し、同様に耐フラッシュオ
ーバ性低下につながる場合がある。また、絶縁体を立て
た状態で施釉する場合、釉薬スラリーの塗布・乾燥時あ
るいは釉焼時に釉薬ダレを起こしやすくなり、膜厚が下
方に向かうほど過剰となって、キャップ装着の困難を招
く惧れもある。釉薬層の厚さはより望ましくは10〜3
0μmとするのがよい。
に示す実施例を参照して説明する。図11は、本発明の
適用対象となるスパークプラグの一例を示す。該スパー
クプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突
出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁
体2、先端に形成された貴金属発火部31を突出させた
状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主
体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端
側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端
部と対向するように配置された接地電極4等を備えてい
る。また、接地電極4には上記発火部31に対向する貴
金属発火部32が形成されており、それら発火部31
と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャッ
プgとされている。
筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジ
ングを構成するとともに、その外周面には、プラグ10
0に図示しないエンジンブロックに取り付けるためのね
じ部7と、六角部1eが形成されている。
ており、その一方の端部側から端子金具13が挿入・固
定され、同じく他方の端部側から中心電極3が挿入・固
定されている。また、該貫通孔6内において端子金具1
3と中心電極3との間に抵抗体15が配置されている。
この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層1
6,17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞ
れ電気的に接続されている。
中心電極3を嵌め込むための貫通孔6を有し、全体がア
ルミナ系セラミック焼結体として構成される。絶縁体2
の軸方向中間には、周方向外向きに突出する突出部2e
が例えばフランジ状に形成されている。そして、絶縁体
2には、中心電極3の先端に向かう側を前方側として、
該突出部2eよりも後方側がこれよりも細径に形成され
た本体部2bとされている。一方、突出部2eの前方側
にはこれよりも細径の第一軸部2gと、その第一軸部2
gよりもさらに細径の第二軸部2iがこの順序で形成さ
れている。なお、本体部2bの外周面後端部にはコルゲ
ーション部を形成させずに、外周面全体が円筒状に形成
されている。また、第一軸部2gの外周面は略円筒状と
され、第二軸部2iの外周面は先端に向かうほど縮径す
る略円錐面状とされている。
の軸断面径よりも小さく設定されている。そして、絶縁
体2の貫通孔6は、中心電極3を挿通させる略円筒状の
第一部分6aと、その第一部分6aの後方側(図面上方
側)においてこれよりも大径に形成される略円筒状の第
二部分6bとを有する。端子金具13と抵抗体15とは
第二部分6b内に収容され、中心電極3は第一部分6a
内に挿通される。中心電極3の後端部には、その外周面
から外向きに突出して電極固定用凸部3cが形成されて
いる。そして、上記貫通孔6の第一部分6aと第二部分
6bとは、第一軸部2g内において互いに接続してお
り、その接続位置には、中心電極3の電極固定用凸部3
cを受けるための凸部受け面6cがテーパ面あるいはア
ール面状に形成されている。
続部2hの外周面は段付面とされ、これが主体金具1の
内面に形成された主体金具側係合部としての凸条部1c
とリング状の板パッキン63を介して係合することによ
り、軸方向の抜止めがなされている。他方、主体金具1
の後方側開口部内面と、絶縁体2の外面との間には、フ
ランジ状の突出部2eの後方側周縁と係合するリング状
の線パッキン62が配置され、そのさらに後方側にはタ
ルク等の充填層61を介してリング状の線パッキン60
が配置されている。そして、絶縁体2を主体金具1に向
けて前方側に押し込み、その状態で主体金具1の開口縁
をパッキン60に向けて内側に加締めることにより加締
め部1dが形成され、主体金具1が絶縁体2に対して固
定されている。
絶縁体2の表面、具体的には本体部2bの外周面に釉薬
層2dが形成されている。釉薬層2dは、該本体部2b
の基端部外周面にてJIS:B0601に規定された方
法に従い測定した釉薬層2dの表面粗さ曲線において、
その最大高さRyが10μm以下の平滑なものとされ
る。また、その形成厚さは10〜150μm、望ましく
は10〜50μmとされる。
えば以下のような組成が採用可能である:Pb成分の含
有量がPbO換算にて1mol%以下であり;SiO2
に酸化物換算した値にて5〜60mol%のSi成分
と、B2O3に酸化物換算した値にて3〜50mol%
のB成分とからなる第一成分を35〜80mol%と、
Zn成分とアルカリ土類金属成分R(ただし、RはC
a、Sr、Baから選ばれる1種又は2種以上)との少
なくともいずれかからなる第二成分とを、ZnはZnО
に、Rは組成式RОに酸化物換算した値にて合計で5〜
60mol%とを含有するとともに、それら第一成分と
第二成分との合計含有量が65〜98mol%であり;
また、アルカリ金属成分として、NaはNa2O、Kは
K2O、LiはLi2Oに酸化物換算した値にて、それ
らの1種又は2種以上を合計で2〜15mol%の範囲
にて含有する。そして、PbOに換算したPbの含有率
を1mol%以下とした無鉛釉薬を実現するために、水
溶性成分であるB、P、Li、K及びNaからなる群よ
り選ばれる1種又は2種以上を、BはB2O5に、Pは
P2O5に、LiはLi2Oに、KはK2Oに、Naは
Na2Oにそれぞれ酸化物換算した値にて、合計で30
〜60mol%程度の高含有量にて含有する形となって
いる。
薬層2dのガラス化が困難となり、均一な釉薬層2dの
形成が不能となる。他方、該Si成分含有量が60mo
l%を超えると、釉薬の軟化点が上昇し、釉焼が困難あ
るいは不能となる。また、B成分含有量は、B2O3に
酸化物換算した重量にて3〜50mol%に設定するの
がよい。該B成分含有量が3mol%未満になると、釉
薬の軟化点が上昇し、釉焼が困難あるいは不能となる。
他方、B成分含有量が50mol%を超えると、釉薬層
2dの失透や絶縁性の低下あるいは下地との熱膨張係数
不適合といった問題が引き起こされる場合がある。
R(ただし、RはCa、Sr、Baから選ばれる1種又
は2種以上)からなる第二成分の合計含有量は、Znは
ZnОに、Rは組成式RОに酸化物換算した値にて5〜
60mol%に設定するのがよい。該第二成分の合計含
有量が5mol%未満では、釉薬の軟化点が上昇し、所
期の温度での釉焼が不能となる場合がある。また、釉薬
層2dの熱膨張係数が大きくなり過ぎ、釉薬層2dに貫
入(クレージング)等の欠陥が生じやすくなる場合があ
る。他方、第二成分の合計含有量が60mol%を超え
ると、釉薬層2dの失透が生じる場合がある。また、釉
薬層2dの絶縁性が不十分となり、耐フラッシュオーバ
性が損なわれる場合がある。
有量は、前記した酸化物換算にて65〜98mol%に
設定するのがよい。これらの合計含有量が98mol%
を超えると釉薬の軟化点が上昇し、釉焼が不能となる場
合がある。また、65mol%未満では、絶縁性と軟化
点及び熱膨張係数の調整とを両立させることが困難とな
る。なお、該合計含有量は、望ましくは70〜95mo
l%となっているのがよい。
釉薬の軟化点を低下させる作用を有する。アルカリ金属
成分の合計含有量は、NaはNa2O、KはK2O、L
iはLi2Oに酸化物換算した値にて、2〜15mol
%に設定するのがよい。その含有量が2mol%未満に
なると釉薬の軟化点が上昇し、釉焼が不能となる場合が
ある。また、15mol%を超えると、釉薬層2dの絶
縁性が低下し、耐フラッシュオーバ性が損なわれる場合
がある。アルカリ金属成分の含有量は、望ましくは3〜
10mol%とするのがよい。
のアルカリ金属成分を単独添加するのではなく、Na、
K、Liから選ばれる2種類を共添加することが釉薬層
2dの絶縁性低下抑制に有効である。その結果、絶縁性
をそれほど低下させずにアルカリ金属成分の含有量を増
大させることができ、結果として耐フラッシュオーバ性
の確保及び釉焼温度の低温化という2つの目的を同時に
達成することが可能となる。なお、アルカリ金属成分の
共添加による導電性抑制の効果が損なわれない範囲で、
他のアルカリ金属成分を配合することも可能である。な
お、絶縁性低下抑制のためには、各アルカリ金属成分の
添加量を5mol%以下とすることがより望ましく、特
に望ましくは、Na、K及びLiの3つの成分を全て含有
させるのがよい。
成分としてLi成分を含むことが好ましい。アルカリ金
属成分のうち、Li成分は、釉焼時の表面張力を低下し
て平滑性を向上させ、表面粗さを小さくする効果があ
る。また絶縁性改善のためのアルカリ共添加効果の発現
と、釉薬層2dの熱膨張係数調整、さらには機械的強度
が向上させるため、なるべく含有させることが好まし
い。Li成分は、前記のように酸化物換算したモル含有
量で、 0.2≦Li/(Na+K+Li)≦0.5 の範囲に設定することが好ましい。
ミナに比べて熱膨張係数が大きくなりすぎ、その結果、
貫入(クレージング)等の欠陥が生じやすくなり、釉焼
面の仕上がり確保が不十分となる場合がある。一方、L
iの割合が0.5よりも大きくなると、Liイオンが、
アルカリ金属イオンの中でも比較的移動度が高いことか
ら、釉薬層2dの絶縁性能に悪影響を及ぼす場合があ
る。Li/(Na+K+Li)の値は、より望ましくは0.
3〜0.45の範囲にて調整するのがよい。
以外にも、Al2O3に酸化物換算した値にて0.5〜
10mol%のAl成分、CaОに酸化物換算した値に
て0.5〜10mol%のCa成分、及びSrOに酸化
物換算した値にて0.5〜30mol%のSr成分の1
種又は2種以上を合計で0.5〜30mol%含有させ
ることができる。Al成分は釉薬層2dの失透を抑制す
る効果を有し、Ca成分とSr成分とは釉薬層2dの絶
縁性向上に寄与する。添加量が上記の各下限値未満では
効果に乏しく、また、個々の成分の上限値又は合計含有
量の上限値を超えた場合には、釉薬軟化点の過度の上昇
により釉焼が困難あるいは不能となる場合がある。
Ni、Co及びMnの1種又は2種以上の成分を、Mo
はMoO3、FeはFe2O3、WはWO3、NiはN
i3О4、CoはCo3О4、MnはMnО2にそれぞ
れ酸化物換算した値にて合計で0.5〜5mol%の範
囲にて含有させることができる。これにより、釉焼時の
流動性が著しく高められ、ひいては比較的低温で釉焼可
能であって絶縁性に優れ、かつ平滑な釉焼面を有する釉
薬層2dを一層容易に得ることができる。
o及びMnの1種又は2種以上の成分(以下、流動改善
遷移金属成分という)の、酸化物換算した合計含有量が
0.5mol%未満では、釉焼時の流動性改善効果が不
十分となり、平滑な釉薬層2dを得る上での効果が不十
分となる。他方、5mol%を超えると、釉薬軟化点の
過度の上昇により釉焼が困難あるいは不能となる場合が
ある。また、流動改善遷移金属成分の含有量が過剰とな
った場合の問題点として、釉薬層2dに意図せざる着色
を生ずる場合があることも挙げられる。
であるのはMo、Fe次いでWであり、例えば流動改善
遷移金属成分の全てをMo、FeあるいはWとすること
も可能である。また、釉焼時の流動性改善効果をより高
める上では、流動改善遷移金属成分の50mol%以上
をMoとすることが望ましい。なお、釉薬層2dの原料
におけるFe成分源としては、Fe(II)イオン系のもの
(例えばFeO)とFe(III)イオン系のもの(例えば
Fe2O3)とのいずれも使用可能であるが、最終的な
釉薬層2d中のFe成分の含有量は、Feイオンの価数
に関係なくFe 2O3に換算した値で表示するものとす
る。
n、Sb及びPの1種又は2種以上の成分を、ZrはZ
rO2に、TiはTiO2に、MgはMgOに、Biは
Bi 2O3に、SnはSnO2に、SbはSb2O
5に、PはP2O5にそれぞれ酸化物換算した値にて合
計で0.5〜5mol%の範囲で含有させることができ
る。これらの成分は、各種目的に応じて積極的に添加す
ることもできるし、原料(あるいは、後述する釉薬スラ
リーの調製時に配合する粘土鉱物)や溶融工程における
耐火材等からの不純物(あるいはコンタミ)として不可
避に混入する場合もある。
(例えばBi2O3、ZrO2、TiO2、Hf
O2)、絶縁性向上(例えばZrO2やMgO)、ある
いは色調調整等のために適宜配合することができる。ま
た、Ti、ZrあるいはHfの配合により、耐水性が改
善される。Zr成分あるいはHf成分に関しては、釉薬
層2dの耐水性改善効果がTi成分に比して一層顕著で
ある。また、これらの成分の添加により、釉薬スラリー
を長時間放置したときの、前述の水溶性成分の溶出自体
を抑制できる利点もあり、前記した本発明の課題を一層
高水準にて解決できる。また、SbあるいはBiは、釉
焼時の流動性を高め、釉薬層2d中の気泡形成を抑制し
たり、あるいは釉焼面の付着物を流動時に包み込んで、
異常突起となったりすることを防ぐ効果を有する。
のような方法で製造される。まず、絶縁体2は原料粉末
として、アルミナ粉末と、Si成分、Ca成分、Mg成
分、Ba成分及びB成分の各成分源粉末を、焼成後に酸
化物換算にて前述の組成となる所定の比率で配合し、所
定量の結合剤(例えばPVA)と水とを添加した成形用
素地造粒物を成形することにより、絶縁体の原形となる
成形体を作り、これを温度1400〜1600℃で焼成
することで絶縁体2とする。
して行なう。まず、Si、Al、B、Zn、Ba、N
a、K及びLi等の各成分源となる成分源粉末(例え
ば、Si成分はSiO2粉末、Al成分はAl2O3粉
末、B成分はH3BO3粉末、ZnはZnO粉末、Ba
成分はBaCO3粉末、NaはNa2CO3粉末、Kは
K2CO3粉末、LiはLi2CO3粉末)を、所定の
組成が得られるように配合して混合する。次いで、その
混合物を、例えば1000〜1500℃に加熱して溶融
させ、その溶融物を水中に投じて急冷・ガラス化し、さ
らに粗粉砕することにより、釉薬組成物としての粗粉砕
釉薬(釉薬フリット)を作る。
程にて微粉砕され、釉薬粉末とされる。そして、本発明
においては、該微粉砕工程により得られる釉薬粉末の粒
子に溶出抑制コーティング層を形成してコーティング釉
薬粉末を得るコーティング工程が実施される。すなわ
ち、釉薬粉末の表面を、釉薬中に含有される水溶性成分
の溶出を抑制する溶出抑制コーティング層(以下、単に
コーティング層ともいう)にて覆い、そのコーティング
釉薬粉末を用いて後述の釉薬スラリーを調製する。本実
施形態では、釉薬層2dが、前記した水溶性成分として
のB、P、Li、K及びNaが、酸化物換算した値に
て、合計で30〜60mol%程度の高含有量にて含有
されているが、コーティング層の形成によりこれら水溶
性成分がスラリー中の水系溶媒中に溶出しにくくなり、
スラリーの粘性が経時的に増加する不具合を効果的に抑
制することができる。その結果、釉薬スラリーの塗布厚
さを適正化することが容易となり、また厚さのばらつき
も小さくできるので、前記した厚さ及び粗さレベルを有
した釉薬層2dが容易に得られ、ひいては耐フラッシュ
オーバ性が高められる。
に説明する。図1は、その工程の一実施例の流れを模式
的に示すものである。まず、粗粉砕釉薬の微粉砕である
が、ここではこれを乾式粉砕にて行なうようにしてい
る。すなわち、図1(a)に示すように、粉砕容器に粗
粉砕釉薬と粉砕メディア(例えばアルミナ、窒化珪素、
ジルコニア等のセラミック球である)を投入し、図2
(b)に示すように、溶媒を用いずに粗粉砕釉薬を、例
えば平均粒径が5〜45μm程度となるまで乾式ボール
ミル粉砕し、微粉砕釉薬粉末とする。これにより、粉砕
時の水溶性成分の溶出を阻止することができる。なお、
乾式ボールミル粉砕に代えて、高速気流により粗粉砕釉
粒子を相互衝突させて粉砕するジェットミル粉砕を用い
てもよい。
図1(c)に示すように、釉薬粉末粒子への溶出抑制コ
ーティング層の形成を行なう。ここでは、得られた微粉
砕釉薬粉末を混合容器(ここではプロペラ型の撹拌器で
撹拌混合を行なっているが、ロッキングミキサーやV型
混合機などの、他の公知の混合機を用いることも可能で
ある)に入れ、さらに所定量のコーティング剤を投入し
て撹拌することによりコーティングを行なっている。微
粉砕終了後にコーティングを行なうことにより、コーテ
ィング剤と釉薬粉末との間に不必要な化学反応等が生ず
る懸念が軽減される。ただし、この化学反応等の影響が
ごく小さいと考えられる場合には、図2に示すように、
溶出抑制コーティング層を形成するためのコーティング
剤を、微粉砕の開始前に釉薬組成物に配合し、その後微
粉砕を行なうことにより、釉薬組成物の微粉砕とコーテ
ィング剤のコーティングとを同時進行させることにな
り、工数の削減を図ることも可能である。図2では、乾
式ボールミル粉砕時に、粗粉砕釉薬とともにコーティン
グ剤を投入するようにしている。また、溶出抑制コーテ
ィング層を形成するためのコーティング剤を、その微粉
砕の開始後において粉砕途中の釉薬組成物に配合すると
ともに、その後粉砕を継続することにより、釉薬組成物
の微粉砕とコーティング剤のコーティングとを同時進行
させるようにしてもよい。例えば、コーティング剤自体
が微粉砕の進行を促進する粉砕助剤としても機能し、釉
薬組成物を短時間で微粒子化するのに貢献できる場合が
ある。そこで、ある程度の粗さの粒子になるまではコー
ティング剤を添加せずに微粉砕を行い、その後コーティ
ング剤の添加により粉砕を継続することで、粉砕の促進
を図りつつ同時にコーティングも行なうことができるの
で、一層効果的である。この場合、均一で強固なコーテ
ィングを行なうため、微粉砕が終了した後、粉砕エネル
ギー(例えばポットの回転速度やメディアの撹拌速度)
を低下させて粉砕の進行を停止ないし抑制しつつ、コー
ティングのための混合あるいは撹拌を継続させるように
してもよい。このとき、新たにコーティング剤を追加し
て混合あるいは撹拌を継続することもできる。なお、特
にコーティング剤としては機能しない粉砕助剤を釉薬組
成物に添加して微粉砕を行なうことも可能であるし、逆
に、粉砕促進の効果を目的としない場合は、粉砕助剤と
しての機能を有さないコーティング剤を使用することも
できる。
きるのであれば、乾式粉砕ではなく湿式粉砕を採用する
こともできる。例えば、図3に示すように、微粉砕を、
有機溶媒(例えば、アルコール(例えばメタノール、プ
ロパノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケ
トン等)、炭化水素系溶媒(トルエン、シクロヘキサン
など)を用いた湿式粉砕により行なうことができる。こ
の図では、該有機溶媒を用いたボールミル粉砕としてい
る。
た湿式粉砕を採用する場合、コーティング剤として有機
溶媒に可溶性のものを用い、該コーティング剤を有機溶
媒に溶解させた状態にて微粉砕を行なった後に、該有機
溶媒を例えばヘンシェルミキサー等により蒸発させるよ
うにすれば、コーティング剤が釉薬粉末の各粒子の表面
に溶媒を介して一様に供給され、より均一なコーティン
グが可能である。また、図4に示すように、微粉砕粉末
にコーティング剤を溶解させた有機溶媒を加えて混合を
行なうことによっても、同様のコーティングが可能であ
る。ここでは、混合用メディアを用いたボールミル混合
によりコーティングを行なうようにしている。
対する溶解度が小さく、かつ釉焼時に蒸発または分解す
る有機コーティング層とすることが、釉焼後の釉薬層2
dへのコーティング剤の残留成分や気泡等の形成を少な
くし、ひいては耐電圧特性の優れた釉薬層2dを得るこ
とができる。
釉薬粒子表面と接するカップリング剤層を含むものとし
て形成することができる。カップリング剤は、有機官能
基と、無機材料との親和性の高い基(もしくは加水分解
等により該親和性の高い基に変換可能な基:以下、無機
親和基という)とが共存した分子構造を有し、無機親和
基側にて有機材料表面(本発明の場合、釉薬粒子表面)
に吸着する一方、有機官能基はコーティング表面側に配
列して、有機材料に対する高い親和力を示す。この無機
親和基が無機材料カチオンの主体となる金属(金属は珪
素を概念として含むものとする)原子を含んで構成され
るため、カップリング剤は有機金属化合物の一種である
ともいえる。含有される金属原子の種類により、カップ
リング剤はシラン系(いわゆるシランカップリング
剤)、クロメート系、チタネート系(一例としてイソプ
ロピルポリイソステアロイルチタネート等)、アルミネ
ート系、ジルコニア系等、種々のものが合成可能であ
り、いずれも本発明に使用可能である。
化プラスチック(FRP)など、有機材料と無機材料と
の界面に介在して、両者の結合力を増す目的で使用され
るものである。他方、本発明では、釉薬粒子からの成分
溶出を抑える目的で溶出抑制コーティング層を形成する
ため、コーティング層の表面が適度な疎水性を有してい
ることが必要である。この観点においてみた場合、カッ
プリング剤層は、表面に有機官能基が配列した構造とな
るので、それ自体が一定の疎水性を有している。従っ
て、図5(a)に示すように、釉薬粒子の表面をカップ
リング剤層単独にて覆う形態が採用可能であり、形成も
容易であるので本発明に好適に採用可能である。他方、
より強固な溶出抑制コーティング層を形成するには、図
5(b)に示すように、カップリング剤層の外側を、別
の高分子材料層にてコーティングすることも可能であ
る。
含有するため、カップリング剤層も、シランカップリン
グ剤を用いることが付着力を高め、安定なコーティング
層を形成する観点において望ましい。また、シランカッ
プリング剤は前述の通り、FRPの分野で広範な研究が
進んでおり、材料選択の幅が広く安価に入手可能である
ことも利点の一つである。
i(CH3)3−nXnで表される。Yは種々の有機官
能基である。また、Xはアルコキシ基(例えばメトキシ
基やエトキシ基)などの加水分解性基であり、Siとと
もに無機親和基を構成する。Yは、FRP等の適用分野
では、狭義には結合対象となるプラスチック毎に特化さ
れた親和性(あるいは反応性)を有するビニル、メタク
リル、エポキシ、アミノ、メルカプトなどのなどの官能
基とされているが、本発明では、コーティング層表面に
一定の疎水性を与えることができるCを含有した基であ
ればよい。この意味において、例えばYがメチル基ある
いはエチル基とされたメチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン等もシランカップリング剤に属す
るものとみなす。
リグ剤層の形成機構を推定して示すものである。(a)
に示すように、シランカップリグ剤は加水分解性基X
(Si−OR;Rは例えばアルキル基)を加水分解する
ことにより、シラノール基(Si−OH)を有するシラ
ノール化合物となる。これが(b)に示すように、さら
に脱水縮合してオリゴマー化する一方、余ったシラノー
ル基が(c)に示すように釉薬表面に水素結合的に吸着
し、あるいは(d)に示すように、釉薬側の金属あるい
は珪素原子(M)とメタロキサン結合(SiOM)を形
成して、強固に密着したシランカップリグ剤コーティン
グ層が形成されると考えられている。
ランカップリング剤の例を示すものである。なお、図5
(b)に示すように、シランカップリング剤層の外側を
別の高分子材料層にて覆う場合は、シランカップリング
剤の種類毎に以下のような好適な組合せが存在する(丸
数字は表1中のグループ番号であり、略記号の意味はI
SO472(1988)による): 不飽和ポリエステル、アクリル、ポリエチレン; 不飽和ポリエステル、アクリル、ポリスチレン、DA
P、EPDM; エポキシ、フェノール、ウレタン、メラミン; エポキシ、フェノール、ウレタン、メラミン、ポリカ
ーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド; エポキシ、ポリイミド、フェノール、メラミン; エポキシ、ウレタン、SBR、NR; エポキシ。
系シランカップリング剤の例を示すものである。エトキ
シ系シランカップリング剤はメトキシ系のものよりも加
水分解速度が大きいため、長期保存の観点においてはよ
り有利である。さらに、表3は、皮膜化に有効な、種々
の重合性改良型シランカップリング剤の例を示すもので
ある(表2、表3とも、製品名はいずれも信越化学工業
(株)による)。
ング層は、有機珪素化合物層又はポリエーテル化合物
層。上記のシランカップリング剤は有機珪素化合物の1
つでもある。有機珪素化合物層を用いた場合、珪素成分
は釉焼時に蒸発せず釉薬層中に残留することも多いが、
珪素自体は釉薬成分の一つでもあるため、得られる釉薬
層の性能劣化等につながらない利点がある。
官能基と無機親和基とによる機能分化が明確なもの以外
の有機化合物の中にも、分子中に疎水性(有機親和性)
のCと無機親和性のSiあるいはOが共存していれば、
コーティング層の釉薬粒子表面との親和性(コーティン
グ性)と、水分浸透性(溶出防止性)とを両立させるこ
とができるものがある。そのようなものとして、図13
に示すような種々の含珪素ポリマーを例示できる。特に
ポリシロキサン(ポリオルガノシロキサン)として総称
される高分子材料はシリコーンと通称され(すなわち、
有機珪素化合物層をシリコーンコーティング層とす
る)、コーティング層の形成容易性と、水溶性成分の溶
出防止効果に優れるほか、種類も豊富で入手が容易であ
る。シリコーンは、基本的に図14に示す4種類のシロ
キサン単位の組合せにより分子が構成され、その組合せ
や官能基Rの種類によりシリコーン樹脂(架橋反応後、
有機溶媒で希釈したものはシリコーンワニスと称され
る)、シリコーンゴム、シリコーンオイルなどの、種々
の形態のものも採用可能である。
ては、前述のポリエーテル化合物があり、具体的には、
ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレンオキシド、ポリプロピレングルコール等を例
示できる。特に、ポリエチレンオキシド又はポリプロピ
レンオキシドを用いたコーティング層は、水溶性成分の
溶出防止効果に優れるので本発明に好適に使用できる。
Oが共存した形の高分子材料からなる高分子材料層は、
図5(c)に示すように、カップリング剤層を介さずに
釉薬粒子表面に直接形成することもできる。
は、溶出抑制コーティング層を形成するためのコーティ
ング剤の、釉薬組成物に対する添加量を0.01〜2質
量%とするのがよい。添加量が0.01質量%未満では
コーティング層形成による水溶性成分の溶出抑制効果が
十分に得られず、2質量%を超えるとコーティング釉薬
粉末のスラリー中への分散性が悪化し、粒子沈降により
スラリーが分離してしまう不具合につながる。また、シ
ランカップリング剤を使用する場合は、2質量%を超え
る添加量とした場合、シランのオリゴマー化が進みすぎ
てコーティングのための活性が失われ、良好なコーティ
ング状態が得られなくなる場合がある。コーティング剤
の、釉薬組成物に対する添加量は、より望ましくは0.
5〜2質量%とするのがよい。
末の粒子に溶出抑制コーティング層を形成後は、コーテ
ィング釉薬粉末を、100〜300℃の範囲にて熱処理
することができる。このような熱処理により、コーティ
ング層の形成状態を一層強固なものとすることができ、
ひいては釉薬成分のスラリー中への溶出を一層効果的に
抑制することができる。熱処理温度が100℃未満では
効果に乏しく、300℃を超えるとコーティング層の分
解により却って効果が損なわれる場合がある。
剤が溶媒を含む場合には、その溶媒の蒸発によりコーテ
ィングの緻密化が促進され、溶出抑制効果が高められる
ことにつながる。他方、有機コーティング層をシランカ
ップリング剤層として形成する場合は、図7に示すよう
に、釉薬粉末にシランカップリング剤と、これをオリゴ
マー化させるための適量な水分(もちろん、釉薬成分の
過剰な溶出を招く添加量であってはならない)とを添加
して混合することが有効である。図7では微粉砕済釉薬
粉末としているが、微粉砕工程とコーティング工程とを
兼用させる場合は微粉砕段階でシランカップリング剤と
水分の添加とを行なう。この場合、熱処理をコーティン
グ後の乾燥工程として実施することができる。オリゴマ
ー化したシランカップリング剤コーティング層は、この
乾燥処理により一層強固で溶出遮断性に優れたものとす
ることができる。
層を含んだものとして形成するとともに、その高分子材
料層を形成するためのコーティング剤として、各々液状
の主剤及び硬化剤からなる2液混合型のものを使用する
こともできる(たとえば、シリコーンRTVなどのシリ
コーン樹脂あるいはシリコーンゴムなど)。この場合、
均一なコーティングを行なうために、図6に示すよう
に、釉薬粉末に主剤を添加して混合後、これに硬化剤を
添加してさらに混合することが有効である。この場合の
熱処理は、この硬化剤添加後に行なうことができ、高分
子材料の重合(あるいは架橋)促進効果により、コーテ
ィング層をより強固で溶出遮断性に優れたものとするこ
とができる。
に、熱処理炉やあるいはロータリーキルンを用いて行な
う方法のほか、図1(e)に示すような熱風乾燥方式を
採用することもできる。図では、コーティング済釉薬粉
末を、ダクト内にて熱風とともに流通させ、サイクロン
を用いて熱処理済みの粉末を回収するようにしている。
釉薬粉末は、カオリン、蛙目粘土等の粘土鉱物と有機バ
インダーとを適量配合し、さらに図8に示すように、水
系溶媒(例えば工業用純水)と混合することにより釉薬
スラリーを得る。図8の実施形態では、混合用メディア
とともに混合容器内にコーティング済釉薬粉末と水を入
れ、ボールミル方式にて凝集粒子の解砕を促進しつつス
ラリー化する方法を示している。
リーを噴霧ノズルNから絶縁体2の必要な表面に噴霧・
塗布することにより、釉薬粉末堆積層としての釉薬スラ
リー塗布層2d’を形成し、これを乾燥する。そして、
これをさらに釉焼することにとり、図10に示すように
釉薬スラリー塗布層2d’は釉薬層2dとなる。こうし
て得られた施釉済みの絶縁体2に主体金具1や接地電極
4等を組み付ければ、図11に示すスパークプラグ10
0が完成する。
を行なった。図9に示す形態のアルミナセラミック焼結
体からなる絶縁体2を通常の方法により作製した。次
に、釉薬スラリーを次のようにして調製した。まず、原
料としてSiO2粉末(純度99.5%)、Al2O3
粉末(純度99.5%)、H3BO3粉末(純度98.
5%)、ZnO粉末(純度99.5%)、BaCO3粉
末(純度99.5%)、SrO粉末(純度99.5
%)、Na2CO3粉末(純度99.5%)、K2CO
3粉末(純度99%)、Li2CO3粉末(純度99
%)、MoО3粉末(純度99%)、Fe2O3粉末
(純度99.0%)、ZrO2粉末(純度99.5
%)、TiO2粉末(純度99.5%)、CaCO3粉
末(純度99.8%)、MgO粉末(純度99.5
%)、Bi2O3粉末(純度99%)を、表4に示す
A、B、C、Dの各種組成となるように配合し、その混
合物を1000〜1500℃に加熱して溶融させ、その
溶融物を水中に投じて急冷・ガラス化した。
ルにより粒径50μm以下に乾式粉砕することにより微
粉砕済み釉薬粉末とした。次いで、ポット内に、表5〜
表7に示す種類及び配合量にて、各種有機珪素化合物
(シランカップリング剤、シリコーン系高分子材料)、
チタネート系カップリング剤あるいはポリエーテルをコ
ーティング剤として配合し、60分混合を継続した後、
必要に応じて各種温度で30分熱処理を行なった。そし
て、この釉薬フリット100重量部に対し粘土鉱物とし
てのニュージーランドカオリンを3重量部、及び有機バ
インダーとしてのPVAを2重量部配合し、さらに水を
100重量部加えて混合することにより釉薬スラリーを
得た。なお、比較のためコーティングを行なわなかった
釉薬粉末を用いたスラリーも作製した(番号7)。得ら
れた各スラリーは、以下の方法により、調製直後及び5
5℃にて10日間保管後の粘性を測定した。まず、用い
た粘度計はB(BH)型粘度計(東京計器製)であり、ロー
タは直径47mm、厚さ1.5mmのものを用いた。ま
た、回転数は20rpmであり、回転開始から30秒後
の粘度指示値を読み取った。
縁体2の表面に噴霧後、乾燥して釉薬スラリー塗布層を
形成した。また、釉薬スラリーを投入した浴槽中に絶縁
体2を浸漬させ、その後絶縁体2を引き上げることによ
り絶縁体2の表面に釉薬層を形成したものも作製した。
なお、乾燥後の釉薬の塗布厚さは100μm程度であ
る。この絶縁体2を用いて、図11に示すスパークプラ
グ100を各種作成した。ただし、ねじ部7の外径は1
4mmとした。
る釉薬層2d表面における表面粗さを、JIS:B06
01に規定された方法に従い、その最大高さRyを測定
した。なお、使用した測定装置は三鷹光器(株)製の非
接触三次元測定機(NH−3)である。また、絶縁体2
の基端部外周面位置における釉薬層2dの膜厚を断面の
SEM観察により測定した。
放電ギャップg側での放電を防止するため、シリコンチ
ューブ等を絶縁体2の先端側に被せる一方、スパークプ
ラグ100を加圧チャンバーに取り付け、図11に示す
ように絶縁体2の本体部2bにシリコーンゴム製のゴム
キャップRCを被せつつ、外周をビニル等で絶縁した高
圧リード線を端子金具13に接続した。そして、その状
態で、接続した高圧リード線を介してスパークプラグ1
00に電圧を印加するとともに、その印加電圧レベルを
0.1〜1.5kV/秒の割合で増加させ、フラッシュ
オーバ現象を起こす限界電圧を測定した。以上の結果を
表5〜表7に示す。
グを行ったものは、行なわなかったものと比較してスラ
リーの粘性が小さく、経時変化も小さいこと、その効果
が熱処理の実施によりさらに高められていることがわか
る。他方、コーティングを行なわなかったもの(番号
7)は、スラリー調製直後においてすでに、塗布可能な
限界値に近い粘性を示し、保管後はスラリーがゲル化し
て粘性測定は不能となった(なお、本発明者らが調査し
たところ、スラリーの粘性は600mPa・sを超える
と釉薬層塗布の均一性を確保するのに支障を来たし始め
ることがわかった)。当然、コーティングを行なったス
ラリーを用いたものは、塗布むらが少なく、得られる釉
薬層の外観及び表面粗さ状態も良好であり、膜厚も望ま
しい範囲に収まっている。その結果、耐フラッシュオー
バー性を示す限界電圧も高い値を示している。他方、コ
ーティングを行なわなかった比較例のスラリーを用いた
ものは、釉薬層の外観にむらが生じて表面粗さ状態も悪
く、膜厚も異常に大きくなっている。その結果、ゴムキ
ャップの着脱性が悪く、耐フラッシュオーバー性を示す
限界電圧も低くなっている。
釉薬スラリーの製造工程説明図。
図。
を模式的に示す図。
グ工程の説明図。
程の説明図。
を示す説明図。
図。
例を示す縦断面図。
図。
示す説明図。
Claims (21)
- 【請求項1】 中心電極と主体金具との間にアルミナ系
セラミックからなる絶縁体が配置され、前記絶縁体の表
面の少なくとも一部を覆う形態で酸化物主体の釉薬層が
形成されたスパークプラグの製造方法であって、 釉薬粉末の各粒子の表面が、該釉薬中に含有される水溶
性成分の溶出を抑制する溶出抑制コーティング層にて覆
われたコーティング釉薬粉末を調製するコーティング釉
薬粉末調製工程と、 前記コーティング釉薬粉末を水系溶媒中に懸濁させて釉
薬スラリーを調製する釉薬スラリー調製工程と、 その釉薬スラリーを絶縁体の表面に塗布して釉薬粉末堆
積層を形成する釉薬粉末堆積工程と、 その絶縁体を加熱することにより、釉薬粉末堆積層を絶
縁体表面に焼き付けて釉薬層となす釉焼工程と、 を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 【請求項2】 前記コーティング釉薬粉末調製工程は、 前記釉薬の各成分源となる成分源粉末を所期の組成が得
られるように配合して混合後、その混合物を溶融させ、
その溶融物を急冷・ガラス化して釉薬組成物を得る釉薬
組成物調製工程と、 前記釉薬組成物を微粉砕して釉薬粉末を得る微粉砕工程
と、 前記微粉砕工程終了後において、釉薬粉末の粒子に前記
溶出抑制コーティング層を形成してコーティング釉薬粉
末を得るコーティング工程と、 を有する請求項1記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項3】 前記コーティング釉薬粉末調製工程は、 前記釉薬の各成分源となる成分源粉末を所期の組成が得
られるように配合して混合後、その混合物を溶融させ、
その溶融物を急冷・ガラス化して釉薬組成物を得る釉薬
組成物調製工程と、 前記釉薬組成物を微粉砕して釉薬粉末を得る微粉砕工程
とを有し、 前記溶出抑制コーティング層を形成するためのコーティ
ング剤を、前記微粉砕の開始前に前記釉薬組成物に配合
し、その後微粉砕を行なうことにより、前記釉薬組成物
の微粉砕と前記コーティング剤のコーティングとを同時
進行させる請求項1記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項4】 前記コーティング釉薬粉末調製工程は、 前記釉薬の各成分源となる成分源粉末を所期の組成が得
られるように配合して混合後、その混合物を溶融させ、
その溶融物を急冷・ガラス化して釉薬組成物を得る釉薬
組成物調製工程と、 前記釉薬組成物を微粉砕して釉薬粉末を得る微粉砕工程
とを有し、前記溶出抑制コーティング層を形成するため
のコーティング剤を、前記微粉砕の開始後において粉砕
途中の前記釉薬組成物に配合し、その後粉砕を継続する
ことにより、前記釉薬組成物の微粉砕と前記コーティン
グ剤のコーティングとを同時進行させる請求項1記載の
スパークプラグの製造方法。 - 【請求項5】 前記微粉砕を乾式粉砕により行なう請求
項2ないし4のいずれか1項に記載のスパークプラグの
製造方法。 - 【請求項6】 前記微粉砕を、有機溶媒を用いた湿式粉
砕により行なう請求項2ないし4のいずれか1項に記載
のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項7】 前記微粉砕工程において、前記コーティ
ング剤として前記有機溶媒に可溶性のものを用い、該コ
ーティング剤を前記有機溶媒に溶解させた状態にて前記
微粉砕を行なった後に、該有機溶媒を蒸発させる請求項
6記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項8】 前記溶出抑制コーティング層は、前記釉
薬より水に対する溶解度が小さく、かつ前記釉焼時に蒸
発または分解する有機コーティング層である請求項1な
いし7のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方
法。 - 【請求項9】 前記釉薬粒子表面と接する前記有機コー
ティング層をカップリング剤層として形成する請求項8
記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項10】 前記カップリング剤層の外側を、別の
高分子材料層にてコーティングする請求項9記載のスパ
ークプラグの製造方法。 - 【請求項11】 前記釉薬粒子表面と接する前記有機コ
ーティング層を有機珪素化合物層又はポリエーテル化合
物層とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の
スパークプラグの製造方法。 - 【請求項12】 前記有機珪素化合物層がシランカップ
リング剤層とされる請求項11記載のスパークプラグの
製造方法。 - 【請求項13】 前記有機珪素化合物層がシリコーンコ
ーティング層とされる請求項11記載のスパークプラグ
の製造方法。 - 【請求項14】 前記ポリエーテル化合物層がポリエチ
レンオキシド又はポリプロピレンオキシドのコーティン
グ層とされる請求項11記載のスパークプラグの製造方
法。 - 【請求項15】 前記釉薬は、B、P、Li、K及びN
aからなる群より選ばれる1種又は2種以上を、BはB
2O5に、PはP2O5に、LiはLi2Oに、KはK
2Oに、NaはNa2Oにそれぞれ酸化物換算した値に
て、合計で30〜60mol%含有するものが使用され
る請求項1ないし14のいずれか1項に記載のスパーク
プラグの製造方法。 - 【請求項16】 前記釉薬は、PbOに換算したPbの
含有率が1mol%以下のものが使用される請求項15
記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項17】 前記コーティング釉薬粉末を調製する
際に、前記溶出抑制コーティング層を形成するためのコ
ーティング剤の、前記釉薬組成物に対する添加量を0.
01〜2質量%とする請求項1ないし16のいずれか1
項に記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項18】 釉薬粉末の粒子に前記溶出抑制コーテ
ィング層を形成後、前記コーティング釉薬粉末を、10
0〜300℃の範囲にて熱処理する請求項1ないし17
のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項19】 前記コーティング層を、高分子材料層
を含んだものとして形成するとともに、その高分子材料
層を形成するためのコーティング剤として、各々液状の
主剤及び硬化剤からなる2液混合型のものが使用され、
前記釉薬粉末に前記主剤を添加して混合後、これに前記
硬化剤を添加してさらに混合した後、前記熱処理を行な
う請求項18記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項20】 前記コーティング層をシランカップリ
ング剤層として形成するとともに、前記釉薬粉末にシラ
ンカップリング剤と、これをオリゴマー化させるための
水分とを添加して混合後、前記熱処理を乾燥工程として
実施する請求項18又は19に記載のスパークプラグの
製造方法。 - 【請求項21】 前記絶縁体には、軸線方向中間位置に
おいてその外周面に周方向の突出部が形成され、また、
該軸線方向において前記中心電極の先端に向かう側を前
方側として、前記突出部に対し後方側に隣接する絶縁体
本体部の基端部外周面が円筒面状に形成され、 前記釉薬層はその基端部外周面を覆う形で形成され、か
つ該基端部外周面にてJIS:B0601に規定された
方法に従い測定した前記釉薬層の表面粗さ曲線において
その最大高さRyが10μm以下とされる請求項1ない
し20のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方
法。
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