JP2002326236A - 加硫ゴム製品の製造方法 - Google Patents

加硫ゴム製品の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオウ加硫系よりも格段に優れた耐圧縮永久
歪性、耐熱性を示すパーオキサイド架橋系で空気中にお
ける連続架橋成形を可能とし、更に、加硫促進剤を使用
する必要がないため、製品成形中に体に有害なニトロソ
アミン等が発生せず、環境にやさしい加硫ゴムの成形方
法を提供する。 【解決手段】 加硫ゴム製品の製造に際して、ゴム用押
出機と加硫槽との間に、未加硫ゴム成形体の表面に塗布
液を塗布するための装置を配置することを特徴とする加
硫ゴムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーオキサイド架
橋により得られる加硫ゴム製品の製造方法に関し、更に
詳しくは、熱空気加硫槽、マイクロ波加硫装置(UH
F)等の加硫装置により連続的に架橋(加硫)すること
を可能とし、しかも、耐圧縮永久歪性、耐熱性、強度特
性等の特性に優れる加硫ゴム製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン・プロピレン・ジエン共重合体
(EPDM)等のエチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体は、一般に、耐候性、耐熱性、耐オゾン
性に優れており、例えば、自動車用途での例を挙げる
と、それは、グラスラン製品や窓枠製品等の加硫ゴム製
品等に用いられている。これらの加硫ゴム製品は、雨、
風、音を防ぐ目的で用いられ、重要なシール部品であ
る。自動車の耐用年数アップやメインテナンスフリーの
ため、更なるシール性の向上とそのシール性能が維持す
ることが求められている。
【0003】一般に、耐熱性とシール性は、その架橋形
態に大きく依存している。通常用いられているイオウ加
硫系は、分子と分子を結びつけているイオウ架橋部分が
熱的に弱いため、分子主鎖骨格が有する耐熱性を充分に
享受できないでいる。更なるシール性の向上とその性能
維持は、熱的に弱いイオウ架橋部分に炭素−炭素結合を
可能とするパーオキサイド架橋を用いれば可能であるこ
とはよく知られており、本加硫系は物性向上、耐熱性向
上の切り札として注目されている。また昨今は、現在、
主に用いられているイオウ加硫は、生産速度を向上させ
るために多くの加硫促進剤が使用されている。これらか
ら放出されるガスは、成形現場の環境を悪化されるとし
て、加硫促進剤の種類の限定や量の削減など環境にやさ
しい加硫系の出現が求められていた。
【0004】パーオキサイド加硫系による熱空気連続押
出加硫法では製品化されていない。なぜならば、この方
法では、熱空気加硫槽、マイクロ波加硫装置(UHF)
等の加熱手段により架橋(加硫)(以下「熱空気架橋」
という。)をする場合、ゴム表面が架橋しない、あるい
は崩壊(デグラデイション)を起こし耐傷付き性が著し
く劣るという欠点がある。このような製品は商品価値が
全くなく、また、期待する耐熱性、シール性も得ること
ができない。
【0005】この原因は、熱空気架橋中にゴム表面が酸
素に触れると、架橋反応より先に酸素によって主鎖切断
反応が起こり、その製品表面の崩壊が進むためである。
この酸素を遮断することが可能であるスチーム架橋、被
鉛架橋等で架橋させれば、パーオキサイド加硫系による
製品を得ることができ、その結果、ゴム表面の耐傷付き
性は改良されるものの、その生産はバッチ方式となり、
連続生産可能な熱空気架橋方式に比べ、生産コストの面
で不利となり、実質的にグラスラン製品等の加硫ゴム製
品を生産する方式としては適用されるものではない。
【0006】こうした状況の中で、その耐熱性と耐候性
を向上させるべく、多くの特許出願がなされている。ポ
リマーに関しては、特開平7−252392号公報、特
開平7−228706号公報、特開平10−11007
1号公報、特開平4−154855号公報、特公昭62
−119223号公報、特開平10−45982号公報
がある。配合からの取り組みとして、特公昭63−11
2617号公報、特開平3−124749号公報、特開
平7−138429号公報、特開平10−110070
号公報があるが、改良効果は不充分であった。また、成
形法からの検討として、特公昭57−8255号公報が
開示されており、熱空気下でパーオキサイドの連続加硫
を可能にするものである。しかし、酸素遮断のため用い
られるホウ酸を製品表面から除去することが難しく、グ
ラスラン製品では熱空気架橋による加硫後のウレタン塗
装や植毛の表面処理を行い難いこと、また、連続加硫槽
がホウ酸で汚れるため実際には本方式で生産することは
できなかった。このように、これまで実用に耐えうる熱
空気加硫槽を用いたパーオキサイド加硫による加硫ゴム
製品の製造方法はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術に伴う問題を解決しようとするものであっ
て、イオウ加硫系よりも格段に優れた耐圧縮永久歪性、
耐熱性を示すパーオキサイド加硫系材料を熱空気下連続
加硫成形することを可能とし、また、イオウ加硫系では
必須であった加硫促進剤を使用する必要がないことから
環境にやさしい加硫ゴム製品の製造方法を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の発明を
包含する。 (1)加硫ゴム製品の製造に際して、ゴム用押出機と加
硫槽との間に、未加硫ゴム成形体の表面に塗布液を塗布
するための装置を配置することを特徴とする加硫ゴムの
製造方法。 (2)塗布液が周期律表第6族の元素(酸素を除く)か
らなる単体及び/又は化合物を含む前記(1)に記載の
製造方法。 (3)前記周期律表第6族の元素(酸素を除く)からな
る化合物が次式(I):
【0009】
【化2】 [式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜
4のアルコキシ基であり、R1は炭素数1〜4のアルキ
ル基又はフェニル基であり、nは0、1又は2であり、
2は炭素数1〜6の2価の直鎖状又は分岐状の炭化水
素基であり、R3は炭素数6〜12のアリーレン基であ
り、m及びpは、それぞれ0又は1であり、かつ、mと
pとが同時に0となることはなく、qは1又は2であ
り、Bは、qが1であるとき−SCN又は−SHであ
り、qが2であるとき−Sx−(式中、xは2〜8の整
数である。)である。]で示されるアルコキシシラン化
合物の少なくとも1種である請求項2記載の製造方法。
【0010】(4)塗布液を表面に塗布するに当たり、
槽を用い、その塗布液中の実質的に不溶の成分(A)が
槽の下層に滞留することがないように、撹拌及び/又は
循環する装置が前記槽中に設けられている前記(2)又
は(3)に記載の製造方法。 (5)塗布液中の実質的に不溶の成分(A)の濃度が以
下の式:
【0011】
【数2】濃度1(底から1cm部における濃度)/濃度
2(水面から1cm部における濃度)=0.3〜1.0 を満たすように撹拌及び/又は循環を行う前記(4)に
記載の製造方法。 (6)未加硫ゴム成形体の表面に塗布液を塗布した後、
その塗布面を刷毛、ヘラ、ローラー又はダイスで処理す
る前記(4)又は(5)に記載の製造方法。 (7)未加硫ゴム成形体の表面への塗布液の塗布を、そ
の塗布液を噴霧機で噴霧することにより行う前記(1)
〜(3)のいずれかに記載の製造方法。 (8)加硫ゴム製品の製造に際して、未加硫ゴム成形体
の表面に塗布液を塗布するためにゴム用押出機と加硫槽
との間に配置されるディッピング槽であって、その塗布
液中の実質的に不溶の成分(A)が該槽の下層に滞留す
ることがないように、撹拌及び/又は循環する装置が設
けられているディッピング槽。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いるゴム成分として
は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合
体、エチレン・α−オレフィン共重合体、又は、これら
と、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ク
ロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、天然
ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等
のジエン系ゴムとのブレンド等が、通常用いられる。中
でも、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重
合体が好ましく、これには、エチレン・α−オレフィン
共重合体及び/又は前記各種ジエン系ゴムがブレンドさ
れていてもよい。
【0013】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体 本発明においてゴム成分として好適に用いられるエチレ
ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(以下
「エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体
(A)」という。)としては、エチレンと炭素数3〜2
0のα−オレフィンと非共役ポリエンとをランダム共重
合させることにより得られるものであって、以下のよう
な特性を有しているものが好ましい。
【0014】(i)エチレンと炭素数3〜20のα−オ
レフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン) エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体
(A)は、(a)エチレンから導かれる単位と(b)炭
素数3〜20のα−オレフィン(以下単に「α−オレフ
ィン」ということがある。)から導かれる単位とを、通
常60/40〜90/10、好ましくは65/35〜9
0/10、更に好ましくは65/35〜85/15、特
に好ましくは65/35〜80/20のモル比[(a)
/(b)]で含有している。このモル比が前記範囲内に
あると、耐熱老化性、強度特性及びゴム弾性に優れると
ともに、耐寒性及び加工性に優れた加硫ゴム成形体が得
られる。
【0015】(ii)ヨウ素価 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体
(A)のヨウ素価は、通常0.1〜40(g/100
g)、好ましくは1〜30(g/100g)である。こ
のヨウ素価が前記範囲内にあると、架橋効率の高いゴム
組成物が得られ、耐圧縮永久歪性に優れる押出成形加硫
ゴム成形体が得られ、かつコスト的に有利である。
【0016】(iii) 極限粘度 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体
(A)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、通常0.5〜5.0dl/g、好ましくは
1.0〜4.5dl/g、更に好ましくは1.5〜4.
0dl/gである。この極限粘度[η]が前記範囲内に
あると、強度特性及び耐圧縮永久歪性に優れるととも
に、加工性に優れた加硫ゴム成形体が得られる。
【0017】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体(A)における炭素数3〜20のα−オレフ
ィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセ
ン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサ
デセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノ
ナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、
11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テト
ラデセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、
単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。これらのα−オレフィンのうち、炭素数3〜8のα
−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特
に好ましい。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体(A)における非共役ポリエンとしては、環
状又は鎖状の非共役ポリエンを用いることができる。
【0018】環状の非共役ポリエンとしては、例えば、
メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イ
ソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−
ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル
−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ノルボル
ナジエン等のジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5
−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデ
ン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノル
ボルナジエン等のトリエンが挙げられる。
【0019】また、鎖状の非共役ポリエンとしては、例
えば、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘ
キサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−
メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−
1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1,6−オクタジ
エン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル
−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オク
タジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、6−メ
チル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナ
ジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル
−1,6−ノナジエン、6−メチル−1,6−デカジエ
ン、7−メチル−1,6−デカジエン、6−メチル−
1,6−ウンデカジエン、7−メチル−1,6−オクタ
ジエン等のジエン;4−エチリデン−1,6−オクタジ
エン、4−エチリデン−7−メチル−1,6−オクタジ
エン、4−エチリデン−7−メチル−1,6−ノナジエ
ン、4−エチリデン−6,7−ジメチル−1,6−オク
タジエン、4−エチリデン−6,7−ジメチル−1,6
−ノナジエン、4−エチリデン−1,6−デカジエン、
4−エチリデン−7−メチル−1,6−デカジエン、4
−エチリデン−7−メチル−6−プロピル−1,6−オ
クタジエン、4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4
−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4−
エチリデン−1,7−ウンデカジエン、4−エチリデン
−8−メチル−1,7−ウンデカジエン、4−エチリデ
ン−7,8−ジメチル−1,7−ノナジエン、4−エチ
リデン−7,8−ジメチル−1,7−デカジエン、4−
エチリデン−7,8−ジメチル−1,7−ウンデカジエ
ン、7−エチル−4−エチリデン−8−メチル−1,7
−ウンデカジエン、4−エチリデン−7,8−ジエチル
−1,7−デカジエン、4−エチリデン−9−メチル−
1,8−デカジエン、4−エチリデン−8,9−ジメチ
ル−1,8−デカジエン、4−エチリデン−10−メチ
ル−1,9−ウンデカジエン、4−エチリデン−9,1
0−ジメチル−1,9−ウンデカジエン、4−エチリデ
ン−11−メチル−1,10−ドデカジエン、4−エチ
リデン−10,11−ジメチル−1,10−ドデカジエ
ン、3,7−ジメチル−1,4,8−デカトリエン等の
トリエンが挙げられる。これらの非共役ポリエンは、単
独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0020】有機過酸化物 有機過酸化物としては、ゴムの架橋の際に通常使用され
ている従来公知の有機過酸化物を使用することができ、
具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチル
ペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert
−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブ
チル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレ
ート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイル
ペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチ
ルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペ
ルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルク
ミルペルオキシド等が挙げられる。
【0021】これらのうち、臭気性、スコーチ安定性の
点で、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオ
キシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼンが好ましい。このような
有機過酸化物は、ゴム成分100重量部に対し、通常
0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、
更に好ましくは0.5〜10重量部程度の割合で用いら
れ、その分散のため炭酸カルシウム等で40%程度に希
釈したものを用いてもよい。
【0022】その他の成分 本発明で用いる未加硫ゴム組成物中には、意図する架橋
物の用途等に応じて、ポリオレフィン樹脂、ゴム補強
剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、加硫
促進剤、発泡剤、発泡助剤、架橋助剤、着色剤、分散
剤、難燃剤等の従来公知の添加剤を、本発明の目的を損
なわない範囲で配合することができる。
【0023】前記ポリオレフィン樹脂は、熱可塑性樹脂
であり、具体的には、高密度ポリエチレン(HDP
E)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエ
チレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LL
DPE)等のエチレン単独重合体又はエチレンと炭素数
3〜20、好ましくは3〜8のα−オレフィンとからな
る結晶性エチレン・α−オレフィン共重合体;プロピレ
ン単独重合体、プロピレンブロック共重合体、プロピレ
ンランダム共重合体などのポリプロピレン;プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテンなどの炭素数3〜2
0、好ましくは3〜8のα−オレフィンの結晶性単独重
合体又は共重合体などが挙げられる。これらのポリオレ
フィンの融点は250℃以下である。中でも、ポリエチ
レン、ポリプロピレンが好ましく、特にポリエチレンが
好ましい。
【0024】ポリオレフィン樹脂の配合量は、ゴム成分
100重量部に対して、通常0〜40重量部、好ましく
は0〜30重量部である。ゴム成分とポリオレフィン樹
脂を混ぜる方法としては、ゴム混練機として通常使用さ
れるバンバリーミキサー、インターナルミキサー、ニー
ダー、オープンロールなどを用いて、必要に応じて補強
剤、充填剤、軟化剤などのその他の成分と一緒に、当該
ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度で混練する方法で
もよいが、この場合、ポリオレフィン樹脂の混練不良物
が異物となる可能性が高いので、混練温度80〜250
℃、混練時間1〜20分、好ましくは1〜10分、混練
・混合比エネルギー0.001〜10Kw・h/kgの
条件で混練を行うことが好ましい。
【0025】また、別の好ましい混練方法として、下記
のように、予め、ゴム成分と有機溶媒とからなるゴム混
合物にポリオレフィン樹脂を添加し、混練、脱溶媒する
ことにより、当該ポリオレフィン樹脂を前記ゴム成分中
に均一に分散させた混練物を調製した後、これに、補強
剤、充填剤、軟化剤、発泡剤などの添加剤を配合して混
練する方法が挙げられる。
【0026】前記有機溶媒としては、エチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体等のゴム成分を溶液
重合法において調製する際に用いられる従来公知の炭化
水素溶媒が挙げられる。このような炭化水素溶媒として
は、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素及び
そのハロゲン誘導体、シクロヘキサン、メチルシクロペ
ンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素及び
そのハロゲン誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、及びクロロベンゼン等のハロゲン誘
導体などが用いられる。これらの溶媒は、単独で、ある
いは組み合わせて用いてもよい。
【0027】前記ゴム成分と有機溶媒との混合物である
ゴム混合物における有機溶媒の含有量は、ゴム成分10
0重量部に対して、通常3〜10重量部である。前記の
ようにして調製された、ゴム組成物ペレットは、通常
は、更にバンバリーミキサー、インターミックス、ニー
ダー等の通常のゴム混練機で、カーボンブラック等のゴ
ム補強剤、タルク、クレー等の充填剤、軟化剤、加硫
剤、加硫促進剤、架橋助剤、加工助剤、着色剤、老化防
止剤、発泡剤、発泡助剤等の配合剤と混練される。この
混練によって得られるゴムコンパウンド中のポリオレフ
ィン樹脂は、分散状態が極めて良好である。
【0028】前記ゴム補強剤は、架橋(加硫)ゴムの引
張強度、引き裂き強度、耐摩耗性等の機械的性質を高め
る効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的
には、カーボンブラック(例えば、SRF、GPF、F
EF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、M
T)、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微
粉ケイ酸、ケイ酸塩等が挙げられる。これらはシランカ
ップリング剤等により表面処理が施されていてもよい。
【0029】シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、
沈降性シリカ等が挙げられる。これらのシリカは、メル
カプトシラン、アミノシラン、ヘキサメチルジシラザ
ン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シラン
あるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていて
もよい。これらのゴム補強剤の種類及び配合量は、その
用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤の配合量は、
通常、ゴム成分100重量部に対して、最大300重量
部、好ましくは最大200重量部である。
【0030】前記無機充填剤としては、具体的には、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー等が挙げられる。これらの無機充填剤の種類及び配合
量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の
配合量は、通常、ゴム成分100重量部に対して、最大
300重量部、好ましくは最大200重量部である。
【0031】前記軟化剤としては、通常ゴムに使用され
る軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセス
オイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油
アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールター
ル、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒ
マシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪
油系軟化剤;トール油;サブ(ファクチス);蜜ロウ、
カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸及
び脂肪酸塩;ナフテン酸;パイン油、ロジン又はその誘
導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロ
ピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジ
オクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチ
ルセバケート等のエステル系軟化剤;マイクロクリスタ
リンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタ
ジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油等が挙
げられる。中でも石油系軟化剤、特にプロセスオイルが
好ましく用いられる。これらの軟化剤の配合量は、加硫
物の用途により適宜選択される。
【0032】前記老化防止剤としては、例えばアミン
系、フェノール系又はイオウ系老化防止剤等が挙げられ
るが、これらの老化防止剤は、本発明の目的を損なわな
い範囲で用いられる。アミン系老化防止剤としては、ジ
フェニルアミン類、フェニレンジアミン類等の通常ゴム
に使用されるアミン系老化防止剤が用いられる。
【0033】ジフェニルアミン類としては、具体的に
は、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニル
アミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
ジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルア
ミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成
物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、
ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応生
成物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成
物、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェ
ニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン等が挙げられ
る。
【0034】フェニレンジアミン類としては、具体的に
は、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、
n−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジ
アミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレン
ジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−
フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタ
クリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フ
ェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチ
ル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,
4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−
p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチ
ル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェ
ニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオク
チル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジア
ミン類等が挙げられる。これらの中でも、特に4,4’
−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジア
ミンが好ましい。これらの化合物は、単独で、あるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。
【0035】フェノール系老化防止剤としては、具体的
には、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチ
リデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−チオ−ビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、n−オクタデシル 3−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネ
ート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチル
チオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)イソシアヌレート、2,2−チオ−ジエチレンビ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン
−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒド
ロシンナムアミド、2,4−ビス[(オクチルチオ)メ
チル]−o−クレゾール、3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル−ホスホネート−ジエチルエステ
ル、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシヒドロシンナメイト)]メタン、3,9
−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1
−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン等を挙げることができる。
中でも、特にテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニ
ルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,
10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが好ま
しい。
【0036】イオウ系老化防止剤としては、具体的に
は、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプ
トベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチル
ベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミ
ダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルイミダゾール
の亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;ジミリスチル
チオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシル
チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラ
キス(β−ラウリル−チオプロピオネート)等の脂肪族
チオエーテル系老化防止剤等を挙げることができる。こ
れらの中でも、特に2−メルカプトベンゾイミダゾー
ル、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−
メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプト
メチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリト
ール−テトラキス(β−ラウリル−チオプロピオネー
ト)が好ましい。
【0037】前記加工助剤としては、通常のゴムの加工
に使用される加工助剤を使用することができる。具体的
には、リノール酸、リシノール酸、ステアリン酸、パル
ミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等
の高級脂肪酸の塩;前記高級脂肪酸のエステル類等が挙
げられる。このような加工助剤は、ゴム成分100重量
部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部
以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて
適宜最適量を決定することが望ましい。
【0038】本発明で用いるゴム組成物中には、架橋助
剤を配合してもよい。架橋助剤としては、具体的には、
イオウ;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系
化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等の
メタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のア
リル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼン
等が挙げられる。このような架橋助剤は、使用する有機
過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは約
等モルの量で用いられる。
【0039】本発明で用いるゴム組成物中には、加硫促
進剤を配合してもよい。加硫促進剤としては、具体的に
は、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾ
ールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−
ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベ
ンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メ
ルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−
4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチア
ジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニル
グアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリ
ルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェ
ニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセ
トアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−ア
ニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアル
デヒドアンモニア等のアルデヒドアミン及びアルデヒド
−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等
のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチル
チオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリ
ア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合
物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスル
フィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメ
チレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合
物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸
亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチル
フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカル
バミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレ
ン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカル
バミン酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等の
ザンテート系化合物;酸化亜鉛(亜鉛華)などの化合物
を挙げることができる。
【0040】加硫促進剤は単独で用いてもよいが、2種
類以上を組み合わせて用いることが好ましい。加硫促進
剤としてイオウ原子を含む加硫促進剤を用いるときは、
架橋による粘度上昇率の制御、金属腐食性、電気製品の
接触不良防止、耐熱老化性の点で、その添加する量は、
ゴム成分100gに対して、1×10-2mol以下であ
ることが望ましい。
【0041】前記発泡剤としては、具体的には、重炭酸
ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭
酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;
N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタル
アミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキシルニトリ
ル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシ
レート等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシ
ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、
ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジ
ド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジ
ド、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド、p−ト
ルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物等が挙げら
れる。
【0042】また、発泡剤としてプラスチック微小中空
体を使用することができる。かかるプラスチック微小中
空体は熱により膨張することを特徴としている。この微
小中空体の外殻となるプラスチックとしては、ゴム組成
物の硬化温度に合わせて軟化温度が適当な範囲内にある
ものを選択すればよい。
【0043】このようなプラスチックとしては、具体的
には、エチレン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ブタジエン、クロ
ロプレン等の重合体及びこれらの共重合体;ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル等が挙げられる。
【0044】また、プラスチック微小中空体内部には、
膨張率を大きくするために、揮発性の溶媒、ガス等の揮
発性物質を内包させたものが好ましい。このような揮発
性物質としては、ブタン、イソブタン等の炭化水素が例
示される。また、プラスチック微小中空体は、粒度が通
常1〜50μmであるものが使用され、その形状は通常
球状であるが、特にこれらに限定されない。これらの発
泡剤は、ゴム成分100重量部に対して、通常0〜10
0重量部、好ましくは0〜50重量部、更に好ましくは
0〜40重量部の割合で用いられる。
【0045】本発明においては、必要に応じて、発泡剤
とともに発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤は、発泡
剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化等の作用
をする。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フ
タル酸、ステアリン酸、シュウ酸等の有機酸、尿素又は
その誘導体等が挙げられる。これらの発泡助剤は、ゴム
成分100重量部に対して、通常0〜30重量部、好ま
しくは0〜15重量部、更に好ましくは0〜10重量部
の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜
最適量を決定することが望ましい。
【0046】また、本発明で用いるゴム組成物中には、
本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムをブ
レンドして用いることができる。このような他のゴムと
しては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等
のイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等
の共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
【0047】更に、従来公知のエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体を用いることもでき、例えばエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体(EPR)、前記エチレン・
α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)以外の
エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体(例えば
EPDM等)を用いることができる。
【0048】塗布液 本発明に用いる塗布液としては、周期律表第6族の元素
(酸素を除く)からなる単体及び/又は化合物を含む塗
布液が好ましい。目的の熱空気存在下でのパーオキサイ
ド加硫を充分に行い、かつ製品表面へのイオウ粉末の付
着を防止する点から、前記周期律表第6族の元素(酸素
を除く)からなる単体及び/又は化合物の塗布液中の濃
度又は混合割合は5〜80重量%であることが好まし
い。
【0049】前記周期律表第6族の元素(酸素を除く)
としては、例えばイオウ、セレニウム(セレン)、テル
リウム(テルル)、ポロニウムのカルコゲン(酸素族元
素)が挙げられる。前記周期律表第6族の元素(酸素を
除く)からなる化合物としては、本発明の目的を達成し
うるものであれば制限はない。
【0050】前記周期律表第6族の元素(酸素を除く)
からなる化合物のうち、イオウ化合物としては、例え
ば、塩化イオウ、二塩化イオウ等の無機イオウ化合物;
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェン
アミド(CBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾ
チアゾールスルフェンアミド(OBS)、N−t−ブチ
ル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(BB
S)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾール
スルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール
(MBT)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカ
プトベンゾチアゾール、2−(4−モルホリノジチオ)
ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モル
ホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジス
ルフィド等のチアゾール系化合物;チオカルバニリド、
ジエチルチオウレア(EUR)、ジブチルチオウレア、
トリメチルチオウレア、ジオルソトリルチオウレア、エ
チレンチオウレア等のチオウレア系化合物;テトラメチ
ルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチル
チウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウ
ラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィ
ド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスル
フィド(TOT)、ジペンタメチレンチウラムテトラス
ルフィド(TRA)等のチウラム系化合物;ジメチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBD
C)、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチル
フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカル
バミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレ
ン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチ
オカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩;モル
ホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド
等のジスルフィド化合物;ザンテート系化合物;並びに
次式(I):
【0051】
【化3】 [式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1
〜4のアルコキシ基であり、R1は、炭素数1〜4のア
ルキル基又はフェニル基であり、nは、0、1又は2で
あり、R2は、炭素数1〜6の2価の直鎖状又は分岐状
の炭化水素基であり、R3は、炭素数6〜12のアリー
レン基であり、m及びpは、それぞれ0又は1であり、
かつ、mとpとが同時に0となることはなく、qは、1
又は2であり、Bは、qが1であるとき−SCN又は−
SHであり、qが2であるとき−Sx−(式中、xは2
〜8の整数である。)である。]で示されるアルコキシ
シラン化合物が挙げられ、特に前記式(I)で示される
アルコキシシラン化合物の少なくとも1種類を用いるこ
とが好ましい。
【0052】前記式(I)において、R又はR1で示さ
れる炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル
基が挙げられる。Rで示される炭素数1〜4のアルコキ
シ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブト
キシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が挙げられ
る。
【0053】前記式(I)において、R2で示される炭
素数1〜6の2価の直鎖状又は分岐状の炭化水素基とし
ては、例えばメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレ
ン基、ジメチルエチレン基、トリメチレン基、テトラメ
チレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,4−シク
ロヘキシレン基等のアルキレン基;シクロヘキシリデン
基等のアルキリデン基;ジフェニルメチレン基、ジフェ
ニルエチレン基等のアリールアルキレン基が挙げられ
る。R3で示される炭素数6〜12のアリーレン基とし
ては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリ
レン基が挙げられる。
【0054】前記式(I)で示されるアルコキシシラン
化合物のうち、当該式中のBが−S 4−である、下記の
ようなトリアルコキシシラン化合物が好ましく用いられ
る。 (1)ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]テ
トラスルフィド (CH3O)3Si−(CH23−S4−(CH23−S
i(OCH33 (2)ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テ
トラスルフィド (C25O)3Si−(CH23−S4−(CH23−S
i(OC253 (3)ビス[3−(トリプロポキシシリル)プロピル]
テトラスルフィド (C37O)3Si−(CH23−S4−(CH23−S
i(OC373 前記化合物のうち、特に前記(2)のビス[3−(トリ
エトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドが好まし
い。前記塗布液中には、周期律表第6族の元素(酸素を
除く)からなる化合物として、次式(II):
【0055】
【化4】(R−O−CS−S−)nn+ (II) (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは
1〜3の整数であり、M n+はn価の金属イオン又はアン
モニウムイオンである。)で示されるキサントゲン酸塩
系加硫促進剤を添加してもよい。塗布液中の前記キサン
トゲン酸塩系加硫促進剤の濃度は、0.01〜0.09
重量%にすることが好ましく、0.1重量%未満にする
ことが更に好ましい。
【0056】前記周期律表第6族の元素(酸素を除く)
からなる単体及び/又は化合物は、固体及び液体のいず
れであっても、水及び/又は有機溶媒と混合して、好ま
しくは溶解及び/又は懸濁化して用いることができる。
この塗布液に用いる溶媒としては、前記周期律表第6族
の元素(酸素を除く)からなる単体及び/又は化合物を
溶解しうる溶媒、又は溶解することはできないが、ミキ
サー等で撹拌して懸濁状態で使用可能になるような溶
媒、具体的には、水;メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロホルム等の有機溶媒又はこれらの
混合溶媒が挙げられる。
【0057】また、前記周期律表第6族の元素(酸素を
除く)からなる単体及び/又は化合物がアルコキシシラ
ン化合物のように液体である場合、又はイオウもしくは
イオウ化合物のように溶融するものである場合には、溶
媒を用いることなく、液体となる条件下で用いることも
できる。前記式(I)で示されるアルコキシシラン化合
物は、粘度調節の必要に応じて、他のシランカップリン
グ剤とブレンドしてもよい。
【0058】なお、塩化イオウのように刺激臭のある油
状液体等の場合には、ベンゼン等の溶媒に2〜4重量%
に希釈して用いることが好ましい。また、各種の界面活
性剤を溶媒に添加して前記の単体及び/又は化合物を溶
解又は懸濁化してもよい。前記界面活性剤としては、例
えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンス
ルホン酸塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩が挙げ
られる。また、ステアリン酸アルミニウム、寒天、カラ
ギーナン等の増粘剤を塗布液に添加してもよい。塗布液
による表面処理方法としては、押し出し機の口金部にイ
ンサートする、あるいは刷毛による塗布、ディッピン
グ、噴霧等の方法が挙げられるが、連続的に塗布する場
合には、ディッピングによる表面処理方法が好ましい。
【0059】加硫ゴム製品成形体及びその調製 本発明で用いるゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニ
ーダー、インターミックスのようなインターナルミキサ
ー(密閉式混合機)類により、エチレン・α−オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体、ゴム補強剤、無機充填
剤、軟化剤等の添加剤を80〜170℃の温度で2〜2
0分間混練した後、有機過酸化物、及び必要に応じて架
橋助剤をオープンロールのようなロール類、あるいはニ
ーダーを使用して、必要に応じて加硫促進剤、架橋助
剤、発泡剤、発泡助剤を追加混合し、ロール温度40〜
80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることによ
り調製することができる。
【0060】前記のようにして調製されたゴム組成物
は、ゴム用押出機により意図する形状とし、前記周期律
表第6族の元素(酸素を除く)からなる単体及び/又は
化合物を含む塗布液にディッピングし、未加硫ゴム表面
の細部に薄膜を形成させ、引き続き押出材料を加硫槽内
に導入し、140〜270℃の温度で1〜30分間加熱
することにより、加硫することができる。加硫の工程
は、通常連続的に実施される。
【0061】この際、未加硫ゴム表面細部に薄膜を形成
させることが重要で、そのためには、まず、ディッピン
グ槽内の塗布液(例えば、懸濁液、溶液)が均一である
ことが好ましい。槽下部と槽表面部における前記周期律
表第6族の元素(酸素を除く)からなる単体及び/又は
化合物の濃度が異なっていると、未加硫ゴム材料の薄膜
層の厚みが異なること、また表面に塗布液の斑が生じ、
その結果、部分的にデグラデイションが発生するため好
ましくない。
【0062】例えば、周期律表第6族の元素(酸素を除
く)からなる単体及び/又は化合物のうち、イオウは、
前記の溶媒のいずれにも実質的に不溶であり、また前記
式(I)で示されるアルコキシシラン化合物は、アルコ
ール及びその他の有機溶媒には溶解するが、水には実質
的に不溶であるので、塗布液がアルコキシシラン化合物
と水からなる場合は、前記イオウと同様に、塗布液中で
これらの成分が下層に滞留することがないように、撹拌
及び/又は循環する装置を前記槽中に設けることが好ま
しい。好ましい塗布液としては、例えば、アルコキシシ
ラン化合物の中にイオウを分散させたものが挙げられ
る。未加硫ゴム表面に塗布液の斑が生じ、その結果、部
分的にデグラデイションが発生するのを防止する点か
ら、塗布液中の実質的に不溶の成分の濃度が以下の式:
【0063】
【数3】濃度1(底から1cm部における濃度)/濃度
2(水面から1cm部における濃度)=0.3〜1.0 を満たすように撹拌及び/又は循環を行うことが好まし
い。前記式で表される濃度比は、更に好ましくは0.4
〜1.0、最も好ましくは0.6〜1.0である。
【0064】更に、前記薄膜層の厚みを一定に制御する
ためには、未加硫ゴム成形体の表面に塗布液を塗布した
後、その塗布面を刷毛、ヘラ、ローラー又はダイスで処
理することが好ましい。例えば、槽内に刷毛、ヘラ、ス
ポンジローラー、あるいは押出し形状より若干大きいダ
イスを設け、これらを通過させることで未加硫ゴム材料
表面の余分な塗布液を取り除き、また、表面をその塗布
液で均一化することが好ましい。そのため、それらの装
置は、ディッピング槽液面より上部に設置されることが
好ましい。更に好ましくは、槽内で塗布液を充分に未加
硫ゴム材料にのせるために、ローラー、好ましくはスポ
ンジローラーを槽内外に設置し(図3参照)、塗布液中
を通過させることにより、より塗布液の均一化が図れ
る。ここで、槽内に設けるローラーを一般にK、槽外に
設けるローラーを一般にGと呼ぶ。このような処理は、
前記周期律表第6族の元素(酸素を除く)からなる単体
及び/又は化合物が水又は前記有機溶媒に溶解しない場
合に特に効果的である。
【0065】前記周期律表第6族の元素(酸素を除く)
からなる単体及び/又は化合物が水又は前記有機溶媒に
溶解可能な場合は、未加硫ゴム成形体の表面に塗布液を
塗布するために、その塗布液を噴霧機等で噴霧する装置
をゴム用押出機と連続加硫槽の間に設置することによ
り、パーオキサイド加硫系の熱空気下連続加硫を行うこ
ともできる。
【0066】加硫槽における加熱方法としては、熱空気
加硫槽(HAV)、ガラスビーズ流動床、マイクロ波加
硫装置(UHF)、スチーム等の加熱手段を用いること
ができる。連続押出しラインの組み合わせとしては、
押出機、ディッピング槽又は噴霧機、UHF、H
AV、あるいは押出機、ディッピング槽又は噴霧
機、HAV、UHFが好ましい。
【0067】パーオキサイド加硫系で得られる製品の大
部分が型成形により得られていることから、その材料に
加わる熱効率は、連続加硫成形時では低下し易い。連続
加硫成形では、UHF加硫槽を組み合わせることが好ま
しい。以上のような製造方法を採用することによって、
耐熱性に優れ、製品加工時に環境に対して有害な成分を
放出する量が極めて少なくなる加硫ゴム成形体を得るこ
とが可能となる。
【0068】本発明方法により製造される加硫ゴム製品
は、自動車用途では、グラスラン製品、窓枠製品、水切
り製品、モール、自動車ルーフ部、トランク周りのシー
ル部品、あるいは、ダンパープーリーやエンジンマウン
ト、ストラットマウント、マフラーハンガー、ブッシュ
等の防振ゴム製品;建材用途では、サッシのガスケッ
ト、建材目地製品;家電製品では、電気接触不良を引き
起こすイオウを用いていないゴムシール製品として用い
られる。
【0069】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定
するものではない。なお、実施例及び比較例で用いた共
重合体及び得られた加硫ゴム製品の物性の測定方法は、
以下のとおりである。 [135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]]1
35℃のデカリン中でFitz-Simons型粘度計を用いた一
点法により求めた。 [ヨウ素価]共重合体のヨウ素価は、滴定法により求め
た。 [圧縮永久歪試験]JIS K6262(1993年)
に従い、図2に示す形状の製品を得、6枚重ねて12m
mとして圧縮永久歪試験を行った。この試験条件は15
0℃×22時間である。 [加硫表面のスクラッチ試験]連続押出し成形直後に
(温度210℃)製品表面から35mm×35mmの範
囲を特定し、幅7mm毎に、この正方形に縦線、横線をそ
れぞれ4本ずつ厚み1mmのマイナスドライバーにて強
くひっかき、縦線と横線で区切られた線の中で実際に製
品表面に残った線の数を数えた(すべて傷がついた場合
は40本)。 [製品肌官能試験] 5点:くすみなく極めて良好 4点:くすみなく良好 3点:塗りむらあるが良好 2点:塗り斑あり悪い 1点:塗り斑あり極めて悪い
【0070】(実施例1〜5及び比較例1〜4)自動車
用防振ゴム製品を成形するに当たり、ゴム成分として、
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボル
ネンランダム共重合体、エチレン/プロピレンのモル比
=70/30、ヨウ素価=12、135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]=3.5dl/g 前記共重合体100重量部、FEFカーボンブラック
[旭カーボン(株)製、商品名:旭#60G]100重
量部、軟化剤[出光興産(株)製、商品名:ダイアナプ
ロセスPW−380]80重量部、亜鉛華[堺化学工業
(株)製、商品名:1号]5重量部及びステアリン酸1
重量部を容量16リットルのバンバリータイプのミキサ
ー[(株)神戸製鋼所製]で混練した。この混練は充填
率70%で行った。
【0071】混練方法は、先ず前記共重合体を30秒素
練りし、次いで、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤を入
れ、最後にカーボンブラックを投入して4分間混練し、
排出した。排出後のコンパウンド温度は155℃であっ
た。次に、このコンパウンドを、14インチオープンロ
ール(前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度
50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転
数18rpm)に巻き付けて、パーオキサイド加硫剤と
して、下記の加硫系を入れ6分間分散混練した後、混練
物を厚み10mm、幅70mmのリボン状に分出し、50mm
ゴム用押出機に投入し、押出し未加硫ゴム材料を、図1
に示すディッピング槽(以下に示す組成の塗布液を10
リットル含有)中に通し、マイクロ波加硫装置(UH
F)加硫槽(180℃・4kw)と熱空気加硫槽(HA
V)(240℃・5分)が直列につながれた成形ライン
(下記の組み合わせ(1)又は(2))に連続的に通し
ながら図2に示す形状のひも状加硫ゴム製品(防振ゴム
製品)を得た。但し、比較例2及び4については、それ
ぞれ下記の組み合わせ(4)及び(3)の成形ラインを
用いた。
【0072】塗布液の組成(数値は重量%) (1)粉末イオウ(10)/水(85.8)/界面活性
剤(4.2) (2)アルコキシシラン化合物(100) 粉末イオウ:軽井沢精練所社製 界面活性剤:ポリメタクリル酸(2.0)/ドデシルト
リメチルアンモニウムブロミド(2.2)(当該処方
は、水溶性高分子の最新技術:シーエムシー刊、堀内照
夫、p.23(2000)を参考とした。) アルコキシシラン化合物:ビス[3−(トリエトキシシ
リル)プロピル]テトラスルフィド[デグサ・ヒュルス
社製、商品名Si−69]
【0073】塗布液(1)の作成方法 秤量したイオウを水中に添加し、界面活性剤を加えた
後、充分に撹拌してディッピング槽用の懸濁液を得た。
【0074】連続押出しラインの組み合わせ (1)押出機、ディッピング槽、HAV (2)押出機、ディッピング槽、UHF、HA
V (3)押出機、HAV、ディッピング槽、UH
F (4)押出機、UHF、HAV
【0075】ディッピング槽(図1) 押し出された未加硫ゴム表面にできる限り塗布液を均一
に付着させるために、ディッピング槽の入り口及び出口
に、槽外、中にスポンジローラーを設けてある(図
3)。また、塗布液中で懸濁しているイオウが沈降しな
いように、槽内に図3に示すような撹拌装置1(懸濁し
たイオウが均一に分散されるようにスクリュー状の羽を
回転させる装置)又は撹拌装置2(槽底のホースから気
体を強く噴出させてイオウを均一に分散させる装置)が
設置されている。また、実施例3では、槽の下層溶液を
ポンプで吸い込み、槽に逆流させることにより塗布液を
撹拌させる装置(撹拌装置3)を用いた。以上のように
して得られた製品について、前記の評価試験を行った。
結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】加硫系−1:加硫促進剤N−シクロヘキシ
ル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(三新化学
工業(株)製サンセラーCM)1.5重量部、加硫促進
剤2−メルカプトベンゾチアゾール(三新化学工業
(株)製サンセラーM)2.5重量部、加硫促進剤テト
ラメチルチウラムジスルフィド(三新化学工業(株)製
サンセラーTT)2.0重量部、加硫促進剤ジペンタメ
チレンチウラムテトラスルフィド(三新化学工業(株)
製サンセラーTRA)1.5重量部、イオウ3.0重量
部 加硫系−2:1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを炭酸カルシ
ウム等で40%に希釈したもの(パーヘキサ3M)8.
2重量部、トリアリルイソシアヌレート(日立化成
(株)製)6.75重量部 実施例1〜3から、押出機と連続加硫槽の間にディッピ
ング槽を設置し、ディッピング槽中の塗布液の濃度を撹
拌装置により均一化すると耐圧縮永久歪性、耐熱性、強
度特性等の特性に優れる加硫ゴム製品が得られることが
わかる。
【0078】比較例1から、ディッピング槽が配置され
ていなければ、全くパーオキサイド連続加硫ができない
ことがわかる。比較例2から、イオウ加硫系を用いた場
合には、スクラッチ性は良好だが、耐圧縮永久歪性が極
めて悪いことがわかる。実施例4から、ディッピング槽
中外に付加装置が設置されていることによって、意匠性
が向上されることがわかる。実施例5から、連続ライン
としてはUHF加硫槽を組み合わせた方が良好な物性が
得られることがわかる。比較例3から、ディッピング槽
が押出機の直後に配置されていなければ、全くパーオキ
サイド連続加硫ができないことがわかる。実施例6か
ら、撹拌装置2を用いると塗布液が均一化し、更に良好
な耐圧縮永久歪性が得られることがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、パーオキサイド架橋系
での連続架橋成形が可能となり、これまでにない耐圧縮
永久歪性、耐熱性を有している加硫ゴム製品を製造する
ことができる。また、本発明方法は、加硫促進剤を使用
する必要がないため、製品成形中に体に有害なニトロソ
アミン等が発生せず、環境にやさしい加硫ゴムの成形方
法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたディッピング槽を示す図であ
る。
【図2】実施例で製造した防振ゴム製品の形状及び圧縮
永久歪試験方法を示す図である。
【図3】ディッピング槽中の撹拌装置1、2と塗布液の
薄膜化装置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 雅昭 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 4F201 AA45 AB22 BA09 BC01 BC07 BC13 BC33 BK18 BQ05 BQ45 BQ50 BR37 4F203 AA45 AB03 DA08 DA11 DB02 DC01 DH00 DJ08 DJ11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫ゴム製品の製造に際して、ゴム用押
    出機と加硫槽との間に、未加硫ゴム成形体の表面に塗布
    液を塗布するための装置を配置することを特徴とする加
    硫ゴムの製造方法。
  2. 【請求項2】 塗布液が周期律表第6族の元素(酸素を
    除く)からなる単体及び/又は化合物を含む請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記周期律表第6族の元素(酸素を除
    く)からなる化合物が次式(I): 【化1】 [式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜
    4のアルコキシ基であり、R1は炭素数1〜4のアルキ
    ル基又はフェニル基であり、nは0、1又は2であり、
    2は炭素数1〜6の2価の直鎖状又は分岐状の炭化水
    素基であり、R3は炭素数6〜12のアリーレン基であ
    り、m及びpは、それぞれ0又は1であり、かつ、mと
    pとが同時に0となることはなく、qは1又は2であ
    り、Bは、qが1であるとき−SCN又は−SHであ
    り、qが2であるとき−Sx−(式中、xは2〜8の整
    数である。)である。]で示されるアルコキシシラン化
    合物の少なくとも1種である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 塗布液を表面に塗布するに当たり、槽を
    用い、その塗布液中の実質的に不溶の成分(A)が槽の
    下層に滞留することがないように、撹拌及び/又は循環
    する装置が前記槽中に設けられている請求項2又は3記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 塗布液中の実質的に不溶の成分(A)の
    濃度が以下の式: 【数1】濃度1(底から1cm部における濃度)/濃度
    2(水面から1cm部における濃度)=0.3〜1.0 を満たすように撹拌及び/又は循環を行う請求項4記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 未加硫ゴム成形体の表面に塗布液を塗布
    した後、その塗布面を刷毛、ヘラ、ローラー又はダイス
    で処理する請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 未加硫ゴム成形体の表面への塗布液の塗
    布を、その塗布液を噴霧機で噴霧することにより行う請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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KR20190120900A (ko) * 2018-04-17 2019-10-25 (주)유니폴리 마이크로웨이브를 이용한 고무 가류방법

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