JP2002322212A - エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液 - Google Patents

エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液

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JP2002322212A
JP2002322212A JP2001131085A JP2001131085A JP2002322212A JP 2002322212 A JP2002322212 A JP 2002322212A JP 2001131085 A JP2001131085 A JP 2001131085A JP 2001131085 A JP2001131085 A JP 2001131085A JP 2002322212 A JP2002322212 A JP 2002322212A
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ethylene
acid copolymer
copolymer resin
carboxylic acid
unsaturated carboxylic
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JP2001131085A
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English (en)
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Norihiro Sugihara
範洋 杉原
Hidekazu Araki
英一 荒木
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造膜性に優れ、また、得られた皮膜の接着
性、耐ブロッキング性に優れたエチレン/α,β−不飽
和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液を提供すること。 【解決手段】 エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共
重合体樹脂水性分散液は、塩基で中和されたエチレン/
α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂を水系分散媒中
に分散してなる水性分散液であって、該エチレン/α,
β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂の重量平均分子量が
20000〜80000であり、かつ分子量分布(重量
平均分子量/数平均分子量)が2〜5であることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン/α,β
−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液に関する。
さらに詳しくは、造膜性に優れ、また、得られた皮膜の
接着性、耐ブロッキング性に優れたエチレン/α,β−
不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共
重合体樹脂は、良好な熱接着性を有する皮膜を形成する
ことができることから、コーティング剤、ヒートシール
剤、ディレードタック剤、インモールドラベル、パーコ
ート剤、繊維処理剤および各種バインダー等の広範な用
途に利用されている。
【0003】このような各種用途に用いられるエチレン
/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、固体状で
用いられる場合と、溶剤や水に溶解または分散した状態
で用いられる場合とがあるが、前者の場合は薄い皮膜を
形成することが困難であるため、後者の状態で用いられ
ることが多い。また後者のうちでも、特に省資源、安全
性および環境問題の観点から、溶剤を用いる必要のない
水性のもの、特に水分散型のものの利用が進められてい
る。
【0004】エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重
合体樹脂水性分散液としては、エチレン/アクリル酸共
重合体樹脂をアンモニアあるいはアルカリ金属水酸化物
で中和した水性分散液が知られている(特開昭50−1
35141号公報)。
【0005】しかしながら、アンモニアを用いた場合、
得られた皮膜の耐ブロッキング性や耐溶剤性が悪いとい
った問題がある。また、中和剤としてアルカリ金属水酸
化物を用いた場合、得られた皮膜の接着性が悪いといっ
た問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、造膜
性に優れ、また、得られた皮膜の接着性、耐ブロッキン
グ性に優れたエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重
合体樹脂水性分散液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重量平均
分子量および特定の分子量分布を有するエチレン/α,
β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂を水系分散媒中に分
散してなる水性分散液が、造膜性に優れ、また、得られ
た皮膜が接着性、耐ブロッキング性に優れていることを
見い出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、塩基で中和されたエ
チレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂を水系
分散媒中に分散してなる水性分散液であって、該エチレ
ン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂の重量平均
分子量が20000〜80000であり、かつ分子量分
布(重量平均分子量/数平均分子量)が2〜5であるこ
とを特徴とするエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共
重合体樹脂水性分散液に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、重量平均分子
量が20000〜80000、好ましくは30000〜
70000のエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重
合体樹脂が好適に用いられる。重量平均分子量が200
00未満の場合、得られた皮膜の耐ブロッキング性が低
下する。また、重量平均分子量が80000を超える場
合、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂
の水性分散液を製造しにくいばかりでなく、造膜性が低
下する。
【0010】本発明においては、さらに分子量分布(重
量平均分子量/数平均分子量)が2〜5、好ましくは2
〜4.5のエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合
体樹脂が好適に用いられる。分子量分布が2未満の場
合、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂
の製造が難しく、実質的でない。また、分子量分布が5
を超える場合、得られた皮膜の耐ブロッキング性が低下
する。
【0011】ここで、分子量分布とは、高分子化合物に
おける分子量の広がりの程度をいい、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で
表される。この値が、1に近いほど分子量は揃っている
ことになる。
【0012】なお、本発明におけるエチレン/α,β−
不飽和カルボン酸共重合体樹脂の重量平均分子量および
分子量分布は、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共
重合体樹脂をテトラヒドロフランに0.5重量%の濃度
に溶解し、得られた溶液を、GPCカラム(東ソー
(株)の商品名、TSK GEL Multipore
XL-M)を用いて、カラム温度:40℃、溶出液:
テトラヒドロフラン、流速:1mL/分の条件で高速液
体クロマトグラフィーにより分子量を測定し、重量平均
分子量および数平均分子量が既知のポリスチレンに換算
した重量平均分子量および数平均分子量から算出した値
をいう。
【0013】本発明で用いられるエチレン/α,β−不
飽和カルボン酸共重合体樹脂としては、エチレンとα,
β−不飽和カルボン酸のランダム共重合体またはブロッ
ク共重合体が挙げられる。
【0014】上記α,β−不飽和カルボン酸としては、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。これら
の中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられ
る。これらのα,β−不飽和カルボン酸は、単独あるい
は2種以上混合して用いてもよい。
【0015】上記エチレン/α,β−不飽和カルボン酸
共重合体樹脂中のα,β−不飽和カルボン酸の含有量
は、8〜24重量%、好ましくは18〜23重量%であ
ることが望ましい。α,β−不飽和カルボン酸の含有量
が8重量%未満の場合、エチレン単位に由来する非極性
な性質のために水系分散媒に対する分散性に劣り、優れ
たエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水
性分散液を得ることが難しくなるおそれがある。また、
α,β−不飽和カルボン酸の含有量が24重量%を超え
る場合、得られた皮膜の耐ブロッキング性が悪くなるお
それがある。
【0016】上記エチレン/α,β−不飽和カルボン酸
共重合体樹脂としては、例えば、プリマコール598
0、プリマコール5990(ダウケミカル日本(株)
製)、ニュクレルAN4221C、ニュクレルN513
0H、ニュクレルN2060、ニュクレルN2050
H、ニュクレルN1560(三井デュポンポリケミカル
(株)製)等の一般に市販されているものを使用するこ
とができる。
【0017】本発明のエチレン/α,β−不飽和カルボ
ン酸共重合体樹脂水性分散液を製造する方法としては、
エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂を塩
基の存在下、100〜200℃、好ましくは110〜1
70℃の温度で撹拌しながら水系分散媒中に分散し、引
き続き、水系分散媒の撹拌を継続しながら室温まで冷却
する方法等が挙げられる。
【0018】攪拌温度が100℃未満の場合、得られた
エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性
分散液の安定性が悪くなるばかりでなく、造膜性が悪く
なり良好な皮膜を得ることができなくなるおそれがあ
る。また、攪拌温度が200℃を超える場合、得られた
エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性
分散液の粘度が高くなるおそれがある。
【0019】上記製造方法においては、塩基の存在下、
エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂を水
系分散媒中に分散することにより、該エチレン/α,β
−不飽和カルボン酸共重合体樹脂中の中和されたカルボ
キシル基が乳化剤の役割を果たし、エチレン/α,β−
不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液を容易に製造
できるようになる。
【0020】前記塩基としては、アンモニア、有機アミ
ンまたはアルカリ金属水酸化物が好適に用いられる。
【0021】有機アミンとしては、例えば、メチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
等が挙げられる。また、アルカリ金属水酸化物として
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム等が挙げられる。これらの塩基は単独、ある
いは2種以上併用して用いてもよい。
【0022】塩基による中和度は、エチレン/α,β−
不飽和カルボン酸共重合体樹脂のカルボキシル基の35
〜100モル%、好ましくは40〜70モル%であるこ
とが望ましい。塩基による中和度が35モル%未満の場
合、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂
の水性分散媒への分散性が劣り、エチレン/α,β−不
飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液を得ることが難
しくなるおそれがある。
【0023】ここで、本発明のエチレン/α,β−不飽
和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液は、樹脂濃度が1
0〜50重量%に設定されるのが好ましい。樹脂濃度が
10重量%未満の場合、水分が多すぎて使用上不都合に
なるおそれがある。また、樹脂濃度が50重量%を越え
る場合、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体
樹脂水性分散液の粘度が高くなり取り扱いにくくなるお
それがある。
【0024】本発明のエチレン/α,β−不飽和カルボ
ン酸共重合体樹脂水性分散液の表面張力は、樹脂濃度が
25重量%の水性分散液において20〜60mN/m、
好ましくは30〜50mN/mであることが望ましい。
表面張力が20mN/m未満の場合、基材に対して容易
に塗工することができるが、得られた皮膜の耐水性が悪
くなるおそれがある。また、表面張力が60mN/mを
越える場合、基材に対するぬれ性が悪くなり、基材によ
っては塗工できなくなるおそれがある。
【0025】なお、本発明における表面張力は、白金プ
レート法にて測定した値をいう。具体的には、天秤のバ
ネにつり下げられた測定子(白金プレート)を、試料液
体の表面に触れさせたとき、プレートの周囲に表面積を
減少させようとする力(表面張力)が作用し、プレート
は液中に引き込まれる。その表面張力とバネの力がつり
合ったところで平衡となり、プレートは試料液体中で静
止する。この沈んだ変位をセンサーで検出して、試料液
体の表面張力値を算出する。本発明においては、エチレ
ン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液
の樹脂濃度を25重量%に調製後、自動表面張力計(協
和界面化学(株)の商品名、CBVP−Z型)を用い、
25℃で測定した値を表面張力とした。
【0026】本発明のエチレン/α,β−不飽和カルボ
ン酸共重合体樹脂水性分散液は、水性分散液中のエチレ
ン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂分散粒子の
平均粒子径が10〜300nm、好ましくは20〜20
0nmであることが望ましい。平均粒子径が10nm未
満の場合、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合
体樹脂水性分散液の粘度が高くなるおそれがある。ま
た、平均粒子径が300nmを超える場合、エチレン/
α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液の安
定性および造膜性が悪くなるおそれがある。
【0027】なお、本発明における平均粒子径とは、エ
チレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分
散液の樹脂濃度を0.1重量%に調製後、レーザー式動
的光散乱計(大塚電子(株)の商品名、DLS-70
0)を用いて測定した値をいう。
【0028】本発明のエチレン/α,β−不飽和カルボ
ン酸共重合体樹脂水性分散液は、本発明の目的を阻害し
ない範囲において前記成分の他に、消泡剤、粘度調整
剤、防かび剤等を含んでもよい。また必要に応じて、酸
化防止剤、脂肪酸アミド、ワックス、シリコーンオイル
等のスリッピング性改良剤、界面活性剤、アルコール類
等が配合されていてもよい。
【0029】本発明のエチレン/α,β−不飽和カルボ
ン酸共重合体樹脂水性分散液から得られるエチレン/
α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂皮膜は、接着
性、耐ブロッキング性に優れているので、鋼板、アルミ
板等のコーティング剤や接着剤、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリエステル等のプラスチックフィルム、
紙、アルミ箔等のヒートシール剤、繊維処理剤、各種バ
インダーとして有用である。
【0030】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて本発明
をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、実施例および比較例で得
られたエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹
脂水性分散液から得られる皮膜の評価については下記の
方法で行った。
【0031】(1)造膜性 塗装用鋼板(厚さ5mm)上に、乾燥後の皮膜の厚さが
10μmとなるようにコーティング機(日本シーダース
サービス(株)の商品名、バーコーターNo.16)を
用いてエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹
脂水性分散液を塗布した。これを室温で放置して水分を
除去して皮膜を得た。得られた皮膜を目視で評価した。
評価基準は下記の通りである。
【0032】 ○:連続皮膜 △:一部不連続皮膜 ×:不連続皮膜
【0033】(2)接着性 塗装用鋼板(厚さ5mm)上に、乾燥後の皮膜の厚さが
10μmとなるようにコーティング機(日本シーダース
サービス(株)の商品名、バーコーターNo.16)を
用いてエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹
脂水性分散液を塗布した。これを120℃のオーブンで
1分間加熱乾燥して皮膜を得た。得られた皮膜を、JI
S−K5400(碁盤目剥離テープ法試験)に準拠し、
すきま間隔5mmの碁盤目状の切り傷を付けた後、塗膜
上にセロハンテープを貼り付けた。次いで、セロハンテ
ープを貼り付けてから1〜2分後に、テープの一方の端
を持って直角に引き剥がし接着性を評価した。評価基準
は下記の通りである。
【0034】 ○:切り傷の交点と正方形の一目一目にはがれがない △:剥がれの面積は、正方形面積の65%未満 ×:剥がれの面積は、正方形面積の65%以上
【0035】(3)耐ブロッキング性 アルミ箔(厚さ17μm)の上に、乾燥後の皮膜の厚さ
が5μmとなるようにコーティング機(日本シーダース
サービス(株)の商品名、バーコーターNo.16)を
用いてエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹
脂水性分散液を塗布した。これを熱風乾燥機を用いて1
05℃で1分間乾燥し、エチレン/α,β−不飽和カル
ボン酸共重合体樹脂皮膜を有するアルミ箔を得た。得ら
れたアルミ箔を25mm幅で切り出し、塗工面どおしを
合わせ、ヒートシール試験機(テスター産業(株)の商
品名、TP−701型)を用いて、シール温度40℃、
シール圧98kPa、シール時間60分の条件で加温接
着を行った。
【0036】得られた試験片を1日放置した後、引張り
試験機((株)島津製作所の商品名、オートグラフAG
S−D型)を用い、引張り速度50mm/分、引張角度
180度でアルミ箔の剥離強度を測定することにより耐
ブロッキング性を評価した。評価基準は下記の通りであ
る。
【0037】 ○:剥離強度が0mN/25mm △:剥離強度が9.8mN/25mm未満 ×:剥離強度が9.8mN/25mm以上
【0038】実施例1 径が50mmの攪拌羽根を備えた500mL容の耐圧反
応器にエチレン/アクリル酸共重合体樹脂(重量平均分
子量58000、分子量分布3.2、アクリル酸含有量
20重量%)112g、28重量%アンモニア水11.
3g(60%中和相当)および水性分散媒として水27
6.7gを仕込み、攪拌下に加熱し昇温した。内容物を
120℃まで昇温後その温度にて4時間攪拌を続けた
後、攪拌を継続しながら内容物を室温まで冷却し、エチ
レン/アクリル酸共重合体樹脂水性分散液を得た。得ら
れたエチレン/アクリル酸共重合体樹脂水性分散液の表
面張力は45.7mN/m、平均粒径は110nmであ
った。得られたエチレン/アクリル酸共重合体樹脂水性
分散液を用いて、上記(1)造膜性、(2)接着性、
(3)耐ブロッキング性の評価を行った。結果を表1に
示した。
【0039】実施例2 実施例1において、エチレン/アクリル酸共重合体樹脂
(重量平均分子量58000、分子量分布3.2、アク
リル酸含有量20重量%)に代えてエチレン/アクリル
酸共重合体樹脂(重量平均分子量35000、分子量分
布2.2、アクリル酸含有量20重量%)を用いた以外
は実施例1と同様にして、エチレン/アクリル酸共重合
体樹脂水性分散液を得た。得られたエチレン/アクリル
酸共重合体樹脂水性分散液の表面張力は30.7mN/
m、平均粒子径は50nmであった。得られたエチレン
/アクリル酸共重合体樹脂水性分散液を用いて、実施例
1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
【0040】実施例3 径が50mmの攪拌羽根を備えた500mL容の耐圧反
応器にエチレン/メタクリル酸共重合体樹脂(重量平均
分子量63000、分子量分布4、メタクリル酸含有量
20重量%)112g、水酸化カリウム7.2g(50
%中和相当)および水性分散媒として水280.8gを
仕込み、攪拌下に加熱し昇温した。内容物を120℃ま
で昇温後、その温度にて6時間攪拌を続けた後、攪拌を
継続しながら内容物を室温まで冷却し、エチレン/メタ
クリル酸共重合体樹脂水性分散液を得た。得られたエチ
レン/メタクリル酸共重合体樹脂水性分散液の表面張力
は42.4mN/m、平均粒子径は150nmであっ
た。得られたエチレン/メタクリル酸共重合体樹脂水性
分散液を用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果
を表1に示した。
【0041】実施例4 実施例3において、エチレン/メタクリル酸共重合体樹
脂(重量平均分子量63000、分子量分布4、メタク
リル酸含有量20重量%)の代わりにエチレン/メタク
リル酸共重合体樹脂(重量平均分子量40000、分子
量分布2.8、メタクリル酸含有量20重量%)を用い
た以外は実施例3と同様にして、エチレン/メタクリル
酸共重合体樹脂水性分散液を得た。得られたエチレン/
メタクリル酸共重合体樹脂水性分散液の表面張力は3
5.0mN/m、平均粒子径は80nmであった。得ら
れたエチレン/メタクリル酸共重合体樹脂水性分散液を
用いて、実施例3と同様の評価を行った。結果を表1に
示した。
【0042】比較例1 実施例1において、エチレン/アクリル酸共重合体樹脂
(重量平均分子量58000、分子量分布3.2、アク
リル酸含有量20重量%)に代えてエチレン/アクリル
酸共重合体樹脂(重量平均分子量11000、分子量分
布2.3、アクリル酸含有量20重量%)を用いた以外
は実施例1と同様にして、エチレン/アクリル酸共重合
体樹脂水性分散液を得た。得られたエチレン/アクリル
酸共重合体樹脂水性分散液の表面張力は45.7mN/
m、平均粒子径は30nmであった。得られたエチレン
/アクリル酸共重合体樹脂水性分散液を用いて、実施例
1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
【0043】比較例2 実施例3において、エチレン/メタクリル酸共重合体樹
脂(重量平均分子量63000、分子量分布4、メタク
リル酸含有量20重量%)の代わりにエチレン/メタク
リル酸共重合体樹脂(重量平均分子量80000、分子
量分布5.5、メタクリル酸含有量20重量%)を用い
た以外は実施例3と同様にして、エチレン/メタクリル
酸共重合体樹脂水性分散液を得た。得られたエチレン/
メタクリル酸共重合体樹脂水性分散液の表面張力は4
3.0mN/m、平均粒子径は300nmであった。得
られたエチレン/メタクリル酸共重合体樹脂水性分散液
を用いて、実施例3と同様の評価を行った。結果を表1
に示した。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示されるように、実施例1〜4のエ
チレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分
散液は、造膜性に優れ、また、得られた皮膜は、接着
性、耐ブロッキング性に優れていることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明のエチレン/α,β−不飽和カル
ボン酸共重合体樹脂水性分散液を構成するエチレン/
α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、特定の重量
平均分子量を有し、かつその分子量分布の幅が小さいた
め、該エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹
脂を水系分散媒中に分散してなる水性分散液は、造膜性
に優れ、また、得られた皮膜は、接着性、耐ブロッキン
グ性に優れている。
【0047】したがって、鋼板、アルミ板等のコーティ
ング剤や接着剤、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エステル等のプラスチックフィルム、紙、アルミ箔等の
ヒートシール剤、繊維処理剤、各種バインダー等として
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/18 C09D 123/08 C09D 5/02 133/02 123/08 C08L 23:08 133/02 C08J 3/03 CES // C08L 23:08 Fターム(参考) 4F070 AA13 AA29 AA37 AB05 AB09 AB21 AB22 CA01 CB01 CB13 4F071 AA15X AA32X AA36X AA78 AA81 AD06 AF58 AH19 BA05 BC01 4J038 CB061 CB071 MA08 MA10 MA14 NA12 NA24 PC02 PC08 PC10 4J100 AA02P AJ01Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK02R AK03R AK07R AK08R AK19R AK20R BA17H CA04 CA05 CA31 DA00 DA01 DA04 EA07 EA09 HA31 HB39 HC43 HC47 HE12 JA01 JA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基で中和されたエチレン/α,β−不飽
    和カルボン酸共重合体樹脂を水系分散媒中に分散してな
    る水性分散液であって、該エチレン/α,β−不飽和カ
    ルボン酸共重合体樹脂の重量平均分子量が、20000
    〜80000であり、かつ分子量分布(重量平均分子量
    /数平均分子量)が、2〜5であることを特徴とするエ
    チレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分
    散液。
  2. 【請求項2】樹脂濃度が25重量%の水性分散液におけ
    る表面張力が、20〜60mN/mであり、かつ水性分
    散液中のエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体
    樹脂分散粒子の平均粒子径が、10〜300nmである
    請求項1記載のエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共
    重合体樹脂水性分散液。
  3. 【請求項3】エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重
    合体樹脂中のα,β−不飽和カルボン酸含有量が、8〜
    24重量%である請求項1または2に記載のエチレン/
    α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液。
  4. 【請求項4】α,β−不飽和カルボン酸が、アクリル酸
    またはメタクリル酸である請求項1〜3何れか1項に記
    載のエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂
    水性分散液。
  5. 【請求項5】エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重
    合体樹脂を塩基の存在下、100〜200℃で水系分散
    媒中に分散することを特徴とするエチレン/α,β−不
    飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜4の何れか1つに記載のエチレ
    ン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂水性分散液
    の水分が除去されることで形成される、エチレン/α,
    β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂皮膜。
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