JP3909487B2 - 粘着材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の高度情報化社会の発展に伴い、粘着製品が幅広い分野で用いられている。多くの粘着製品は、ポリエチレンラミネート基材、グラシンタイプ基材等からなる剥離処理基材上に粘着剤が塗工され、粘着剤層を形成した粘着材の、その粘着剤層表面に、紙、プラスチックフィルム、プラスチックシート、金属膜等の表面基材が積層されたものである。
粘着製品としては、具体的には、ラベル、シール、ステッカー、ワッペン、封緘シール、配送伝票、テープ等があり、粘着材は、このような粘着製品の基礎材となるものである。
かかる粘着材の製造にあたり、従来の粘着剤の塗工速度は、100m/min〜200m/min程度である。この粘着剤の塗工速度を速くし、塗工効率を向上しようとしても、低剪断粘度の低い粘着剤を使用した場合においては、該粘着剤と離形処理された基材との接触が悪く、ハジキ・チヂミといった欠陥が生じていた。
しかし、塗工速度を速くしても、低剪断粘度の高い粘着剤を使用することにより、ハジキ・チヂミといった欠陥を回避することは可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、塗工速度を速くするために低剪断粘度の高い粘着剤を使用すれば、ハジキ・チヂミといった欠陥を回避することは可能であるが、低剪断粘度の高い粘着剤を使用すると、スジ・カスレといった欠陥が生じ、平滑な塗工面が得られないという問題があった。
【0004】
それゆえに、本発明の主たる目的は、低剪断粘度の低い粘着剤を使用し、該粘着剤の塗工速度を速くしても、ハジキ・チヂミを生ぜず、スジ・カスレのない、平滑な塗工面が得られる粘着材の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、剥離処理された基材に塗工される粘着剤の挙動につき考察し、剥離処理基材上に塗工される低剪断粘度の低い粘着剤の接触角が、高速度塗工下において、チジミやハヂキ現象の重要な要因であることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明の請求項1に記載の製造方法は、剥離処理基材上に粘着剤を塗工する粘着材の製造方法において、B型粘度計で4号ロータを使用して回転数60rpmで測定した低剪断粘度(ρ)が180〜644mPa・s、且つ、ポリエチレン板上で測定した接触角(θ)が42〜64度である粘着剤を塗工することを特徴とする粘着材の製造方法である。
本発明の請求項2に記載の製造方法は、低剪断粘度(ρ)と接触角(θ)の平方根の比の値(ρ/√θ)が、ρをmPa・s、θを度で表したとき、27〜86であることを特徴とする請求項1に記載の粘着材の製造方法である。
本発明の請求項3に記載の製造方法は、粘着剤が、アクリル共重合体エマルジョン型粘着剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着材の製造方法である。
【0006】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる粘着材の製造方法の一実施形態について以下に説明する。
この粘着材は、剥離処理された基材に粘着剤が塗工されてなり、更に、該粘着剤層表面に、公知の、紙、プラスチックフィルム、プラスチックシート、金属膜等の表面基材が積層されて用いられるものである。
【0008】
本発明に用いられる粘着剤としては、低剪断粘度(ρ)が180〜644mPa・sであり、接触角(θ)が42〜64度であればよい。
低剪断粘度が644mPa・sを超えると塗工速度を上げることが困難になるという問題が生じ、接触角が64度を超えるとハジキ・チヂミ等の欠陥を生じる恐れがあるからである。
低剪断粘度(ρ)と接触角(θ)の平方根の比(ρ/√θ)は、ρをmPa・s、θを度で表したとき、27〜86であることが好ましい。27以下ではハジキ・チヂミ等の欠陥を生じやすく、86以上ではスジ・カスレ等の欠陥を生じ易くなるからである。
このように、ρ/√θは、粘着剤の塗工適性を示すという意義を有する。この塗工適性値が27〜86となるように粘着剤の調整を行うことにより、粘着剤を高速度で塗工しても、ハジキ・チヂミやスジ・カスレ等の欠陥が生じがたくなる。
また、粘度がない流体はなく、完全濡れ状態が剥離処理基材上で得られることはない。
低剪断粘度の測定は、B型粘度計(東機産業株式会社製RB80型)、4号ロータを使用し、回転数60rpmで行い、接触角の測定は協和界面科学株式会社製接触角計CA−D型を用いてポリエチレン板上で行われる。
【0009】
使用される粘着剤としては、たとえば、ゴム系、アクリル系等の溶剤型、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、脂肪族系樹脂、芳香族系樹脂、脂環族系樹脂等のホットメルト型、水分散型の、アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル共重合体エマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、クロロプレンゴムエマルジョン等のエマルジョン型、ポリビニルアルコールを主体とする水溶性樹脂、オレフィン−不飽和カルボン酸系共重合体を主体とする水溶性樹脂等の水溶液型が用いられるが、これらに限定されるものではない。
なお、好ましくはエマルジョン型である。なかでも、水分散型のエマルジョン型であれば、分散媒として水が使用され、溶剤が使用されていないことから、作業環境等に悪影響を与えず、作業性も良好だからである。
【0010】
本発明に用いられる剥離処理した基材としては、上質紙やクラフト紙等にポリエチレンラミネートし、シリコーンをコーティングしたポリエチレンラミネートタイプ基材、グラシン紙にシリコーンをコーティングしたグラシンタイプ基材、スーパーカレンダー紙にシリコーンをコーティングしたスーパーカレンダードタイプ基材、上質紙やクラフト紙等にクレーバインダーをコーティング後シリコーンをコーティングしたクレーコートタイプ基材、上質紙やクラフト紙等にデンプンやポリビニルアルコール等をコーティング後シリコーンをコーティングした水系樹脂コートタイプ基材、プラスチックフィルムにシリコーンをコーティングしたフィルムタイプ基材等が該当する。
なお、好ましくは、グラシンタイプ基材、スーパーカレンダードタイプ基材である。剥離剤を直接塗工する場合に、剥離剤が紙の内部にまで浸み込み難く、表面に均一な塗膜を形成しやすく、良好な剥離性能が得られ、且つ、耐熱性がよいからである。
また、剥離剤としてはシリコーン以外に、オレフィン系ポリマー、長鎖アルキル基含有ポリマー、フッ素系ポリマー等の非シリコーン系材料等を用い、上記基材と同様の基材とすることもできる。
【0011】
粘着剤を塗工する装置としては、コンマコータ、ダイコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、リバースロールコータ、リップコータ、グラビアコータ等が用いられる。なお、好ましくは、塗工面への強いレベリング作用を期待できるリップコータである。
【0012】
塗工速度は、300m/min〜1000m/minである。300m/min以下であれば生産効率が悪く、1000m/minを超えると基材の走行性等にトラブルを生じる恐れがあるからである。
【0013】
粘着剤の塗工量は、乾燥後の重量で10g/m2〜60g/m2が好ましく、より好ましくは14g/m2〜20g/m2である。
塗工量が10g/m2以下では、被着体への粘着力が低下し、剥れ易くなるという恐れがあり、60g/m2以上では、塗工量を増加しても粘着力を向上させることが困難であり、粘着剤のはみ出しの恐れもあるからである。
【0014】
粘着剤が塗工された後、乾燥装置にて乾燥される。粘着剤が塗工された粘着シートは乾燥装置の前半部においては低温で、後半部においては高温で乾燥されることが好ましい。ここで、低温とは大略100℃以下の温度での乾燥を、高温とは大略100℃以上での乾燥を意味する。
前半部においては、水の沸騰による気泡の生成を抑制し、後半部においては、乾燥を充分にさせるためである。
【0015】
以下に本発明にかかる粘着材の製造方法につき、例に基づき説明する。
【例1〜8】
粘着剤として、表1に示すような粘度、接触角を有するpH=6.6±1.1、固形分量61±8重量%のアクリル酸アルキルエステルを主成分とする水性エマルジョン型粘着剤を、塗工装置としてリップコータを用い、塗工速度400m/minにて、粘着剤が17±1g/m2となるよう、グラシン紙にシリコーンをコーティングしたグラシンタイプ基材に塗工した後、90〜130℃で4.5秒間乾燥し、粘着材を作製した。乾燥装置における前半部の温度は90〜110℃、後判部は110〜130℃であった。
【0016】
【表1】
【0017】
作製した粘着材の表面状態を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
評価方法
例につきハジキ・チヂミ、及び、スジ・カスレを目視により、その程度を評価した。
評価としては、○、△および×の3段階評価を行った。
○:目視による観測では認められなかった。
△:目視による観測で、わずかに認められた。
×:目視により、明らかに認められた。
【0020】
【発明の効果】
本発明にかかる粘着材の製造方法によれば、粘着剤の塗工速度を速くしても、ハジキ・チヂミがなく、平滑な表面を持つ粘着材を得ることができる。
Claims (3)
- 剥離処理基材上に粘着剤を塗工する粘着材の製造方法において、
B型粘度計で4号ロータを使用して回転数60rpmで測定した低剪断粘度(ρ)が180〜644mPa・s、且つ、ポリエチレン板上で測定した接触角(θ)が42〜64度である粘着剤を塗工することを特徴とする粘着材の製造方法。 - 低剪断粘度(ρ)と接触角(θ)の平方根の比の値(ρ/√θ)が、ρをmPa・s、θを度で表したとき、27〜86であることを特徴とする請求項1に記載の粘着材の製造方法。
- 粘着剤が、アクリル共重合体エマルジョン型粘着剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着材の製造方法。
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