JP2000313863A - エマルジョン型粘着剤組成物 - Google Patents

エマルジョン型粘着剤組成物

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JP2000313863A
JP2000313863A JP11122450A JP12245099A JP2000313863A JP 2000313863 A JP2000313863 A JP 2000313863A JP 11122450 A JP11122450 A JP 11122450A JP 12245099 A JP12245099 A JP 12245099A JP 2000313863 A JP2000313863 A JP 2000313863A
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water
emulsion
adhesive composition
sensitive adhesive
adhesive
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JP11122450A
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English (en)
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Yasuhiro Doi
康広 土井
Yoshinobu Ishikawa
善信 石川
Toshitaka Sakuta
利隆 作田
Hiroaki Kitayama
博昭 北山
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着性能のバランスが優れ、かつ耐水白化性
に優れたエマルジョン型粘着剤組成物の提供。 【解決手段】 (a)アルキル基の炭素数が9〜13である長
鎖アルキル(メタ)アクリレート50重量%以上、及び
(b) α,β−不飽和モノカルボン酸又はジカルボン酸
0.1〜5重量%を含む単量体混合物を、ラジカル重合性
乳化剤及び重合開始剤の存在下で重合して得られる、平
均粒径が 0.1〜0.5 μmのエマルジョンを主成分とする
粘着剤組成物で、その粘着剤組成物を透明フィルムに20
μmの厚みになるよう塗工して得られる透明フィルムテ
ープを直接粘着剤が水に触れるように24時間水中で浸漬
した後に測定される耐水白化のヘイズ値が35%以下であ
る、エマルジョン型粘着剤組成物、及びこのエマルジョ
ン型粘着剤組成物を基材に塗工し乾燥することにより調
製した粘着製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い粘着力を有
し、かつ耐水白化性に優れるエマルジョン型粘着剤組成
物及びそれを塗工した粘着製品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】環境問
題や、省資源、低コスト化の観点から、粘着剤の分野に
おいても、溶剤系から水系への移行が進められている。
水系のエマルジョン型粘着剤と従来の溶剤系粘着剤を比
較した場合、最もエマルジョン型粘着剤が劣る性能は、
耐水性である。この耐水性には、耐水粘着力と耐水白化
性の2つの要素がある。これまでの研究では被着体に貼
付したテープ等が水に接触した場合に剥離しないことを
目的とした耐水粘着力を改善することが重視され、様々
な試みがなされてきた。例えば、エマルジョン調製時の
乳化剤量を低減する方法や、ラジカル重合性の乳化剤を
用いる方法が試みられており、これらの方法を用いるこ
とで耐水粘着力は改善する方向にある。しかし、もう一
方でテープの粘着剤層が直接水に触れた場合にも白化し
ないという性能である耐水白化性は、溶剤系と比較する
とまだ十分とは言えない。特に基材が透明フィルムの場
合、水に触れて白化することにより美観性が失われるこ
とは大きな問題となるが、水系粘着剤においてこの耐水
白化性を改善する検討は、ほとんどなされていないのが
現状である。
【0003】特開平7−278233号、特開平9−278837号
等に、耐水白化性について言及した技術が挙げられてい
るが、これらはすべて、粘着シート、或いはテープを被
着体に貼付した状態で水に浸漬し、ヘイズ値、あるいは
分光計でL値、b値が測定されている。このような粘着
剤が直接水と接触することのない状態では、確かに白化
は抑えられているが、実際の粘着テープ、シート、ラベ
ル等の使用においては、被着体に凹凸がある場合や、エ
ッジ部が少し剥がれた場合、更には貼付時に空気が入り
ラベル等が浮いている場合等、水周りで使用されると粘
着剤が直接水と接触する場合が非常に多く、粘着剤が直
接水に触れても白化せず、美観性を損なわないことが求
められている。しかし、これら公報の方法では、耐水白
化性として、より厳しい条件である粘着剤が直接水に触
れる状態で水中浸漬された場合には、白化を抑制するに
は不十分であり、水に粘着剤が接した際にも美観性を維
持した透明フィルムテープを得るには更に改良が必要で
あった。
【0004】本発明の課題は、粘着性能のバランスが優
れ、かつ耐水白化性に優れたエマルジョン型粘着剤組成
物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a) アルキル
基の炭素数が9〜13である長鎖アルキル(メタ)アクリ
レート(以下(a) 成分という)50重量%以上、及び(b)
α,β−不飽和モノカルボン酸又はジカルボン酸(以下
(b) 成分という) 0.1〜5重量%を含む単量体混合物
を、ラジカル重合性乳化剤及び重合開始剤の存在下で重
合して得られる、平均粒径が 0.1〜0.5 μmのエマルジ
ョンを主成分とする粘着剤組成物で、その粘着剤組成物
を透明フィルムに20μmの厚みになるよう塗工して得ら
れる透明フィルムテープを直接粘着剤が水に触れるよう
に24時間水中で浸漬した後に測定される耐水白化のヘイ
ズ値(以下直接水浸漬ヘイズ値という)が35%以下であ
る、エマルジョン型粘着剤組成物、及びこのエマルジョ
ン型粘着剤組成物を基材に塗工し乾燥することにより調
製した粘着製品を提供する。さらに本発明は、このエマ
ルジョン型粘着剤組成物を用いることにより、粘着製品
の耐水白化性を向上させる方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用される(a) 成分は、
炭素数9〜13の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、例
えばノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)
アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシ
ル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、イソドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル
(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。本発明の単量体混合物中の(a)
成分の含有量は、耐水白化性と粘着性能のバランスが良
好となる点から、50重量%以上、好ましくは70重量%以
上である。
【0007】本発明に使用される(b) 成分のうちα,β
−不飽和モノカルボン酸として、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸等が挙げられ、α,β−不飽和ジカル
ボン酸として、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等
が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。本
発明の単量体混合物中の(b) 成分の含有量は、機械安定
性を向上させる観点から、 0.1%重量以上、好ましくは
0.5重量%以上、更に好ましくは 1.0重量%以上であ
り、耐水白化性、粘着性能の観点から、5重量%以下、
好ましくは3重量%以下である。
【0008】更に本発明の単量体混合物には、第三成分
として上記(a) 及び(b) 成分以外の物質を49.9重量%以
下の割合で添加することもできる。第三成分の一例とし
て、(b) 成分以外の親水性モノマーを添加することで、
耐水白化性を更に向上させることができる。ここで親水
性モノマーとは、水 100gに対して、20℃において0.01
g以上の溶解度を有するものを言い、例えば特開平6−
192341号公報の4頁4〜20行に記載されているものから
選ぶことができ、2種以上併用してもかまわない。親水
性モノマーの役割は、単量体混合物中に添加し重合する
ことにより、共重合性があまり良くない上記(a) 成分と
(b) 成分の重合を繋げる役目を果たし、耐水白化性に影
響を及ぼす(b) 成分の単独重合物の生成を抑えることに
ある。親水性モノマーの添加量は、耐水白化性の観点か
ら、 0.1重量%以上が好ましく、更に 0.5重量%以上、
特に 1.0重量%以上が好ましい。また粘着性能(特に剥
離力)の観点から、30重量%以下が好ましく、更に10重
量%以下、特に5重量%以下が好ましい。またガラス転
移温度(Tg)が非常に高い親水性モノマー、例えばメチ
ル(メタ)アクリレート等を使用する場合は、多量に添
加すると粘着剤のタック性が極端に低下することから、
15重量%以下が好ましい。
【0009】また、第三成分の別の例として可塑剤を添
加することで、安定した小粒径エマルジョンが得られ、
エマルジョンの成膜性を向上させることができ、耐水白
化性を良好にすることができる。使用する可塑剤とし
て、「増補 プラスチックおよびゴム添加剤 実用便
覧」(化学工業社編 1988),P3〜P145に記載されてい
るものが挙げられ、2種以上併用してもかまわない。可
塑剤の添加量は、耐水白化性の観点から1重量%以上が
好ましく、更に2重量%以上、特に5重量%以上が好ま
しい。また保持力や粘着力等の観点から20重量%以下が
好ましく、10重量%以下が更に好ましい。
【0010】その他の第三成分として、上記(a) 及び
(b) 成分と共重合可能な単量体、例えばアルキル基の炭
素数が14以上のアルキル(メタ)アクリレート(具体的
にはヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル
(メタ)アクリレート等)や、アルキル基の炭素数8以
下のアルキル(メタ)アクリレート(具体的には2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート等)、更にはn−ド
デシルメルカプタンやメルカプトエタノール等の連鎖移
動剤が挙げられる。特に、連鎖移動剤の添加は、分子量
を調整することにより造膜性を上げることができるた
め、耐水白化性に有効である。
【0011】本発明に使用できるラジカル重合性乳化剤
は、分子中にラジカル重合性の二重結合を有する乳化剤
であり、例えばWO97/07174 号13〜15頁に記載されて
いるものが挙げられ、ノニオン性、カチオン性、アニオ
ン性、親水基の構造に関係なく使用することができる。
また、ラジカル重合性の二重結合を持たない乳化剤や、
水溶性高分子を乳化剤として併用してもかまわない。全
乳化剤の使用量は、単量体混合物に対して、乳化性及び
エマルジョンの機械安定性の観点から好ましくは 0.5重
量%以上、更に好ましくは 1.0重量%以上であり、耐水
白化性の観点から好ましくは 2.5重量%以下、更に好ま
しくは 2.0重量%以下である。
【0012】本発明に使用できる重合開始剤として、過
硫酸塩系や過酸化物系、アゾ系、レドックス系等があ
り、耐水白化向上の観点からはレドックス系開始剤を使
用することが好ましく、また過酸化物系開始剤を用いる
と、エマルジョンポリマーの自己架橋を引き起こすた
め、保持力等の粘着性能を向上できるため、過酸化物系
開始剤とレドックス系開始剤とを併用することが好まし
い。過酸化物系開始剤として、過酸化ベンゾイル、過酸
化ラウロイル等が挙げられ、レドックス系開始剤とし
て、有機ハイドロパーオキサイド系開始剤/アスコルビ
ン酸、有機ハイドロパーオキサイド系開始剤/鉄イオ
ン、過硫酸塩/亜硫酸塩、過酸化水素/鉄イオン等が挙
げられる。これらのうち、過酸化物系開始剤として過酸
化ベンゾイルを用い、レドックス系開始剤としてt−ブ
チルハイドロパーオキサイド/アスコルビン酸を用いる
のが特に好ましい。
【0013】重合開始剤の使用量は、重合後の中和等に
より塩を形成しやすい重合開始剤が耐水白化性に悪影響
を及ぼす等の理由から、過酸化ベンゾイルとt−ブチル
ハイドロパーオキサイド/アスコルビン酸の組合せの場
合、単量体混合物に対して、過酸化ベンゾイルが好まし
くは 0.1〜0.5 重量%、更に好ましくは0.2 〜0.4 重量
%であり、t−ブチルハイドロパーオキサイド/アスコ
ルビン酸が好ましくは0.1重量%以下/0.1 重量%以
下、更に好ましくは0.05重量%以下/0.05重量%以下で
ある。
【0014】重合後のエマルジョン平均粒径は、エマル
ジョン組成と同様に、耐水白化性に大きな影響を与え、
平均粒径が小さいほど、塗工、乾燥後にエマルジョンが
融着した際の間隙が小さくなり、水が浸入しにくくなる
ことから耐水白化性は良好となるが、平均粒径が小さす
ぎると、機械安定性が悪化し、粘度が向上する等操作性
が劣る問題を生じる。従って、重合後のエマルジョンの
平均粒径は、直接水浸漬ヘイズ値が35%以下を示すよう
な耐水白化性を得るために、 0.5μm以下、好ましくは
0.3μm以下、更に好ましくは 0.2μm以下であり、機
械安定性、増粘防止等の操作性の観点から、 0.1μm以
上、好ましくは0.15μm以上である。
【0015】このエマルジョンの平均粒径は、レーザー
光と可視光ランプを兼ね備えた回折/散乱式粒度分布測
定による平均粒子径によって定義される。この測定にお
いては、エマルジョン粒子の屈折率が必要となるが、一
般的にポリマー粒子にて用いられている屈折率1.20で測
定することとする。測定装置は市販されている回折/散
乱式粒度分布測定器、例えば(株)堀場製作所製のLA-9
10等を用いることができる。
【0016】本発明においては、上記(a) 成分及び(b)
成分を含む単量体混合物を、ラジカル重合性乳化剤及び
重合開始剤の存在下で重合してエマルジョンを得る。一
般的に、(a) 成分は、通常の乳化重合では安定したエマ
ルジョンを得ることができないことが知られている。し
たがって、(a) 成分を含む単量体混合物を安定に重合し
エマルジョン化する方法は、単量体混合物をラジカル重
合性の乳化剤水溶液中で乳化分散して、平均粒径2μm
以下、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm
以下のモノマー液滴を形成した後に、重合開始剤の存在
下で重合する方法が望ましい。この場合、重合開始剤
は、非水溶性のものは乳化分散前に単量体混合物に溶解
して使用し、また水溶性のものは乳化剤水溶液に溶解し
て使用することができる。
【0017】本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて
粘着付与剤や増粘剤、その他の添加剤を配合することが
できる。粘着付与剤として、ロジン類、ロジン誘導体、
石油系樹脂、テルペン系樹脂等のエマルジョンが挙げら
れるが、耐水白化性に悪影響を及ぼさないものが好まし
い。粘着付与剤の添加量は、耐水白化性の観点から、エ
マルジョンの固形分に対して1〜20重量%が好ましく、
3〜10重量%が更に好ましい。また増粘剤として、ポリ
アクリル酸系のアルカリ増粘剤やポリビニルアルコー
ル、アルキル変性ポリビニルアルコール、カルボキシメ
チルセルロース等が挙げられる。
【0018】本発明の粘着剤組成物は、フィルムテープ
の美観性を維持させるために、直接水浸漬ヘイズ値が35
%以下であることが必要である。この直接水浸漬ヘイズ
値の測定は、反射・透過率計HR-100〔(株)村上色彩技
術研究所〕を用いて行った。測定手順としては、水の満
たされたガラスセル(50×50mm、幅4mm、ガラス製)中
へ、透明フィルムテープの粘着層が直接水に触れるよう
に入れてすばやく、ガラスセルを反射・透過率計にセッ
トして0時間浸漬のヘイズ値を測定した後、24時間水中
浸漬し(23℃中)、ヘイズ値を測定し、24時間水中浸漬
した後のヘイズ値から0時間のヘイズ値を差し引くこと
により求めた。
【0019】この直接水浸漬ヘイズ値が35%以下の場合
は、フィルムテープの透明性を保持することができ、フ
ィルムテープの美観性を保つことができる。フィルムテ
ープの透明性を更に保持し、美観性を重視するために
は、直接水浸漬ヘイズ値は20%以下が好ましく、10%以
下が更に好ましい。
【0020】また、粘着剤組成物を透明フィルムテープ
に塗工して得られる粘着テープをポリエチレンテレフタ
レートフィルム等の被着体に貼付した後に水中浸漬する
ことにより測定される貼付水浸漬ヘイズ値も、上記と同
様な方法で測定することができるが、この貼付水浸漬ヘ
イズ値が35%以下と良好な場合でも、直接水浸漬ヘイズ
値は35%を大きく越え、白濁してしまうものが多い。こ
の場合、実際の粘着テープ、シート、ラベル等の使用
で、被着体に凹凸がある場合や、エッジ部が少し剥がれ
た場合、更には貼付時に空気が入りラベル等が浮いてい
る場合等に、水周りで使用されると白濁し、美観性を損
なうこととなる。したがって、直接水浸漬ヘイズ値が35
%以下であることが必要となる。
【0021】本発明の粘着製品は、本発明のエマルジョ
ン型粘着剤組成物を基材に塗工し乾燥することにより得
られる。塗工には、ワイヤーコーター、アプリケータ
ー、コンマコーター、ダイコーター、リップコーター等
を用いることができる。基材は、透明基材、特に透明フ
ィルムが好ましく、OPP (二軸延伸ポリプロピレン)フ
ィルムや PET(ポリエチレンテレフタレート)フィル
ム、更にはPE(ポリエチレン)フィルムや塩化ビニルフ
ィルム等が用いられる。エマルジョンを直接塗工する場
合には、コロナ処理をフィルム表面に施してあるものや
表面コートしてあるものを用いることもでき、また、増
粘剤等を添加した高粘度のエマルジョンに対しては、剥
離紙や剥離フィルムへ塗工して乾燥し、透明基材を張り
合わせることによる転写塗工をすることもできる。粘着
剤の塗工厚は、マイクロメーターで測定することがで
き、一般的には約20μm程度の塗工厚となるように塗工
される。塗工後の粘着剤の乾燥には、熱風乾燥機が用い
られ、塗工面が透明で平滑になる条件(例えば、90〜11
0 ℃で1分程度)で乾燥が行われる。
【0022】本発明のエマルジョン型粘着剤組成物を用
いることにより、粘着製品の耐水白化性を向上させるこ
とができる。また本発明の粘着剤組成物を用いた優れた
耐水白化性を有する粘着製品は、テープ用途としてはも
ちろん、粘着ラベルや粘着シート、両面テープ、表面保
護フィルム、ラミネートフィルム等いずれにも使用する
ことができ、特に水周りで使用され美観性を要求される
ような様々な用途へ活用できる。
【0023】
【実施例】例中の部及び%は特記しない限り重量基準で
ある。
【0024】実施例1〜5及び比較例1〜4 表1に示す組成の単量体混合物に対して、油溶性開始剤
(過酸化ベンゾイル)を使用する場合(実施例1〜3及
び比較例3)にはこの単量体混合物に添加し、予め撹拌
することにより油溶性開始剤を単量体混合物中に溶解さ
せた。次に表1に示す所定量の乳化剤を溶解させたイオ
ン交換水を、この単量体混合物に仕込み、超音波ホモジ
ナイザー((株)日本精機製作所製)、又は高圧ホモジ
ナイザー(イズミフードマシナリ製)で前乳化処理する
ことにより、表2に示す平均粒径の乳化物を得た。一
方、水溶性開始剤(V-501, V-59 )を使用する場合(実
施例5及び比較例1, 2)は、所定量の乳化剤を溶解さ
せたイオン交換水中にこの水溶性開始剤を添加し、予め
撹拌してイオン交換水に溶解させておいて、単量体混合
物に仕込み、同様の方法で乳化物を得た。またレドック
ス開始剤{t−ブチルハイドロパーオキサイド(t-BuP
O)/アスコルビン酸(AsA )}を単独又は併用する場
合は(実施例1, 2, 4及び比較例4)、t-BuPOを予め
単量体混合物に溶解し、それに乳化剤を溶解させたイオ
ン交換水を仕込み、同様の方法で前乳化させた後、昇温
開始直前にAsA を10%水溶液にして投入した。尚、乳化
物の平均粒径の測定は、HORIBA製粒径分布測定機(LA-9
10型、屈折率1.20で使用)を用いて測定した。
【0025】次にこの乳化物を反応器中に移し、窒素置
換した後、30℃/1時間の昇温速度で、それぞれ表2に
示す温度で窒素気流中にて6時間重合を行うことによっ
て、それぞれポリマーエマルジョンを得た。尚、得られ
たエマルジョンはアンモニア水にて中和し(pH7.0〜7.
5)、これをエマルジョン型粘着剤として以下の操作を行
った。この重合で得たエマルジョンの平均粒径、及び下
記方法で測定した機械安定性の評価結果を表2に示す。
【0026】次に、このエマルジョン型粘着剤を厚さ50
μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの未処理面
上にワイヤーバーを用いて塗工し、熱風乾燥機(パーフ
ェクトオーブン、タバイ社製)、で 100℃/1分間乾燥
することにより、粘着層の厚さが20±1μmの透明フィ
ルム粘着テープを作成した(130mm 幅、300mm 長)。こ
の粘着テープを23℃、65%RH中で3日間熟成した後、以
下の方法により粘着力、耐水粘着力、保持力、耐水白化
性を測定した。結果を表3に示す。
【0027】<機械安定性>マロン式機械的安定度試験
機〔(株)理研精機製作所製〕を用いて、エマルジョン
50gに対して、10kg荷重、1000rpm 、5分間の条件で測
定し、エマルジョンの固形分に対する凝集物の重量%で
示した。この重量%の数値が低いほど機械安定性が良好
であることを意味する。
【0028】<粘着力>JIS Z 0237に準じ、幅25mmにカ
ットした粘着テープを、2kgのゴムローラーを1往復さ
せることにより被着体に貼付し、20分後の180 ゜剥離強
度を測定した。被着体として日本テストパネル社製、ポ
リエチレン板(PE:未処理)、ポリエチレンテレフタレ
ート板(PET :未処理)、ステンレス板〔SUS :研摩紙
(#280)で研磨〕を用いた。
【0029】<耐水粘着力>粘着力測定と同様の方法
で、粘着テープを貼付した被着体を、23℃、65%RH中に
1日放置した後、40℃の温水中に48時間浸漬した。次に
この被着体を水中より取り出し、余分な水を拭き取った
後、180 ゜剥離強度を求めた。
【0030】<保持力>JIS Z 0237に準じ、カットした
粘着テープを、試験片に25mm×25mmの面積で、2kgのゴ
ムローラーを1往復させることにより貼付し、20分以上
経過した後、1kgの錘をぶら下げ、70℃雰囲気中で3時
間後のズレを測定した。
【0031】<耐水白化性>耐水白化性は、直接水浸漬
ヘイズ値と貼付水浸漬ヘイズ値の2種を測定した。直接
水浸漬ヘイズ値は、粘着テープ試験片を45×45mmの大き
さに切取り、前記方法により測定した。貼付水浸漬ヘイ
ズ値は、粘着テープ試験片をポリエチレンテレフタレー
トフィルムの未処理面(厚さ50μm)に貼付した後に、
直接水浸漬ヘイズ値の測定法と同様に測定した。ヘイズ
値が低いほど、白化していないことを意味する。
【0032】実施例6 実施例1のエマルジョンの固形分に対して、粘着付与剤
〔スーパーエステルE-865 、荒川化学(株)社製〕5重
量%と、増粘剤(プライマールASE-60、ローム&ハース
社製)を粘度が約 4000mPa・s (B型粘度計、ロータN
o.4、60rpm 、25℃で測定)となるように添加してエマ
ルジョン型粘着剤組成物を得た。このエマルジョン型粘
着剤組成物を用い、ワイヤーバーの代わりにアプリケー
タを用いる以外は実施例1〜5と同様にして透明フィル
ム粘着テープを得、同様に評価した。結果を表3に示
す。
【0033】実施例7 実施例1のエマルジョンの代わりに実施例2のエマルジ
ョンを用いる以外は、実施例6と同様にしてエマルジョ
ン型粘着剤組成物、及び透明フィルム粘着テープを得、
同様に評価した。結果を表3に示す。
【0034】
【表1】
【0035】注)表中の略号は以下の意味を示す。 (a) 成分: LMA :ラウリルメタクリレート、 DMA:デシルメタクリ
レート (b) 成分: AA:アクリル酸、MAA :メタクリル酸 第三成分 親水性モノマー MMA :メチルメタクリレート BA :ブチルアクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート 可塑剤 T-08:トリ2−エチルヘキシルトリメリテート DIBP:ジイソブチルフタレート その他 SMA :ステアリルメタクリレート 2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート n-DM:ドデシルメルカプタン 開始剤 BPO :過酸化ベンゾイル t-BuPO/AsA :tert−ブチルハイドロパーオキサイド/
アスコルビン酸 V-501 :4,4'−アゾビス(4-シアノヴァレリックアシッ
ド)(和光純薬製) V-59 :2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
(和光純薬製) 乳化剤 ラテムルS-180 :花王(株)製アニオン性反応性活性剤
(Na塩型) ラテムルS-180A:花王(株)製アニオン性反応性活性剤
(アンモニウム塩型) レベノールWZ :花王(株)製アニオン性非反応性活性剤
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明により、従来の水系粘着剤では困
難であった優れた耐水白化性を有し、かつ粘着性能のバ
ランスの良いエマルジョン型粘着剤を提供することがで
き、粘着付与剤等を配合した系においても、耐水白化性
が低下しないような優れた粘着剤を提供することができ
る。従って、このエマルジョン型粘着剤を使って調製し
た粘着製品は、水周りで美観性を必要とする用途へ使用
される場合において、非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 作田 利隆 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 北山 博昭 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AB01 CA04 CA06 CC02 EA05 FA01 FA04 4J011 KA06 KA09 KB08 KB09 KB29 PA69 PB23 PC06 4J040 DF041 DF051 GA07 HB41 HC18 JA03 JA09 JB09 KA11 KA21 KA31 KA38 LA03 LA06 LA07 MB03 QA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) アルキル基の炭素数が9〜13である
    長鎖アルキル(メタ)アクリレート50重量%以上、及び
    (b) α,β−不飽和モノカルボン酸又はジカルボン酸
    0.1〜5重量%を含む単量体混合物を、ラジカル重合性
    乳化剤及び重合開始剤の存在下で重合して得られる、平
    均粒径が 0.1〜0.5 μmのエマルジョンを主成分とする
    粘着剤組成物で、その粘着剤組成物を透明フィルムに20
    μmの厚みになるよう塗工して得られる透明フィルムテ
    ープを直接粘着剤が水に触れるように24時間水中で浸漬
    した後に測定される耐水白化のヘイズ値が35%以下であ
    る、エマルジョン型粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 単量体混合物を、ラジカル重合性乳化剤
    水溶液中で乳化分散して平均粒径2μm以下のモノマー
    液滴を形成した後、重合開始剤の存在下で重合して得ら
    れる請求項1記載のエマルジョン型粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 単量体混合物が、可塑剤を含有する請求
    項1又は2記載のエマルジョン型粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエ
    マルジョン型粘着剤組成物を基材に塗工し乾燥すること
    により調製した粘着製品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエ
    マルジョン型粘着剤組成物を用いることにより、粘着製
    品の耐水白化性を向上させる方法。
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